JP4438282B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機等に代表される弾球式の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パチンコ機等の遊技機においては、複数種類の図柄を変動表示可能な表示装置を備えており、遊技領域に打ち込まれた遊技球(以下、「球」と略す。)が、作動領域へ入球(作動口へ入賞または作動ゲートを通過)することに基づいて変動表示を開始するように構成されている。この変動表示が予め定めた大当たりを示す表示結果を現出すると、所定の遊技価値として遊技領域に設けられる可変入賞装置が球を入賞し易い状態となり、遊技者が弾球遊技によって可変入賞装置へ球を入賞させて所定の利益をまとめて獲得し得る状態が付与される。
【0003】
ところで、大当たりの発生は、球が作動領域へ入球するタイミング、即ち、変動表示の始動条件が成立するタイミングで決定される。つまり、遊技機内において定期的に変化していく遊技条件と、始動条件が成立したタイミングとに基づいて大当たりの発生が抽選されるのである。このため、遊技者は、始動条件の成立のタイミングに一喜一憂することとなり、大当たりの成立にランダム性と公正性とを持たせて興趣の向上が図られている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−282465号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、始動条件が成立するタイミングは、遊技者が遊技領域を視認することで知り得るものの、遊技機内において定期的に変化する遊技条件の変化は、遊技者から確認し得ない内部的な処理で行われる。このため、遊技者は、始動条件の成立時においては大当たりの発生に対して毎回同程度の期待感しか得ることができないという問題点があった。また、遊技者が実行可能な遊技に関する動作は、遊技領域内の釘等の調整に基づいて遊技機を選択する時や球の発射操作など弾球遊技に関するものに限られており、弾球遊技の技量に優れた特定の遊技者にしか技量の発揮による遊技の興趣を付与することができないという問題点があった。
【0006】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、始動条件の成立時期によって遊技者に遊技価値の付与を強く期待させると共に、遊技者が技量を発揮し得る遊技を多様にして遊技の興趣を高めることができる遊技機を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために請求項1記載の遊技機は、識別情報を表示する表示装置と、遊技球が投入される遊技領域に設けられる作動領域への遊技球の入球を検出する検出手段と、その検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に、前記検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、その制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると、前記表示装置に予め定めた表示結果を現出させると共に前記所定の遊技価値を付与するものであり、前記遊技領域における前記作動領域に対する遊技球の流下方向上流側に遊技球を貯留する貯留手段と、その貯留手段によって貯留された遊技球の貯留を遊技者の操作に応じて解除する貯留解除手段と、前記検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に前記制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出される特定の検出時期を示す時期情報を表出する表出手段と、その表出手段によって表出される前記時期情報の示す前記特定の検出時期と前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期とが不一致である場合に、少なくとも2種以上に設定された異なる表示態様を伴う前記動的表示の変動種別のうち前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期と前記特定の検出時期とに応じ前記動的表示の変動種別を選定する変動種別選定手段とを備え、前記制御手段は、所定時間毎に更新されるカウンタと、そのカウンタのカウント値を更新する更新手段と、前記カウンタのカウント値を前記検出手段による遊技球の入球検出時期に応じて取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が予め定めた特定値であるか否かに基づいて前記所定の遊技価値を付与するか否かを決定する抽選手段とを備え、前記変動種別選定手段は、前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期に応じて前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記更新手段による更新順序において前記特定値より前に位置する値から構成される第1区間内の値である場合に第1変動種別を選定し、前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期に応じて前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記更新手段による更新順序において前記特定値より後に位置する値から構成される区間であって前記第1区間と重複しない第2区間内の値である場合に、前記第1変動種別とは異なる表示態様を伴う第2変動種別を選定する。
【0008】
この請求項1記載の遊技機によれば、遊技領域に投入された遊技球が作動領域へ入球し、その遊技球の入球が検出手段によって検出されると、制御手段によって所定の遊技価値を付与するか否かが抽選される。制御手段による抽選は、検出手段によって作動領域への遊技球の入球が検出された入球検出時期に基づいて行われる。
【0009】
ここで、作動領域に対する遊技球の流下方向上流側には、遊技領域に投入された遊技球が貯留手段によって貯留され、その遊技球の貯留は、貯留解除手段によって遊技者の操作に応じて解除される。貯留手段による遊技球の貯留が解除されると、遊技球は、流下方向下流側に位置する作動領域へ向けて流下する。遊技者は、表出手段によって表出される時期情報に基づいて特定の検出時期を推測し、その特定の検出時期を狙って作動領域に遊技球が入球するように貯留解除手段を作動させて所定の遊技価値の獲得を狙う遊技を行うことができる。
【0010】
また、貯留解除手段により貯留が解除された後に作動領域へ入球した遊技球入球検出時期と特定の検出時期とが不一致であるときには、少なくとも2種以上に設定された異なる表示態様を示す動的表示の変動種別のうち、特定の検出時期に対する入球検出時期に応じた動的表示の変動種別が変動種別選定手段によって選定される。このため、変動種別選定手段によって特定の検出時期に対する入球検出時期に応じた変動種別による動的表示を表示装置に行わせることができる。
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、識別情報を表示する表示装置と、遊技球が投入される遊技領域に設けられる作動領域への遊技球の入球を検出する検出手段と、その検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に、前記検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、その制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると、前記表示装置に予め定めた表示結果を現出させると共に前記所定の遊技価値を付与するものであり、前記遊技領域における前記作動領域に対する遊技球の流下方向上流側に遊技球を貯留する貯留手段と、その貯留手段によって貯留された遊技球の貯留を遊技者の操作に応じて解除する貯留解除手段と、前記検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に前記制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出される特定の検出時期を示す時期情報を表出する表出手段と、その表出手段によって表出される前記時期情報の示す前記特定の検出時期と前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期とが不一致である場合に、少なくとも2種以上に設定された異なる表示態様を伴う前記動的表示の変動種別のうち前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期と前記特定の検出時期とに応じ前記動的表示の変動種別を選定する変動種別選定手段とを備え、前記制御手段は、所定時間毎に更新されるカウンタと、そのカウンタのカウント値を更新する更新手段と、前記カウンタのカウント値を前記検出手段による遊技球の入球検出時期に応じて取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が予め定めた特定値であるか否かに基づいて前記所定の遊技価値を付与するか否かを決定する抽選手段とを備え、前記変動種別選定手段は、前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期に応じて前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記更新手段による更新順序において前記特定値より前に位置する値又は前記特定値より後に位置する値の少なくとも一方から構成される第3区間内の値である場合に、第3変動種別を選定し、前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期に応じて前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記更新手段による更新順序において前記第3区間に重複することなく前記特定値から離れる側に位置する値から構成される第4区間内の値である場合に前記第3変動種別とは異なる第4変動種別を選定する。
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2に記載の遊技機において、前記制御手段は、前記入球検出時期と前記特定の検出時期とが一致して所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出された場合に特定の第5変動種別による動的表示を前記表示装置に行わせるものであり、前記第3変動種別は、前記第3変動種別以外の変動種別と比較して、前記動的表示の開始から、前記第5変動種別と同種の表示態様を現出する期間の長い変動種別である。
請求項4記載の遊技機は、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機において、前記表出手段は、前記貯留解除手段によって遊技球の貯留が解除されてから前記作動領域に遊技球が入球するまでの所要時間と略同一の時間分だけ前記特定の検出時期より早い時期を前記時期情報として表出する。
請求項5記載の遊技機は、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機において、前記貯留手段が遊技球を貯留しているか否かを検出する球貯留検出手段と、その球貯留検出手段によって前記貯留手段が遊技球を貯留しているか否かを判断する球貯留判断手段とを備え、前記表出手段は、その球貯留判断手段によって前記貯留手段が遊技球を貯留していると判断された場合に前記時期情報を表出する。
【0011】
【発明の効果】
請求項1又は2に記載の遊技機によれば、制御手段によって遊技者に所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出される特定の検出時期を示す時期情報が、表出手段によって表出されるので、遊技者は、表出手段によって表出される時期情報に基づいて所定の遊技価値が付与される特定の検出時期を推測することができる。また、遊技領域に投入された遊技球のうち貯留手段によって貯留された遊技球の貯留は、貯留解除手段によって遊技者の操作に応じて解除されるので、遊技者は、表出手段によって表出される時期情報に基づいて特定の検出時期を推測し、その特定の検出時期を狙って作動領域に遊技球が入球するように貯留解除手段を作動させて所定の遊技価値の獲得を狙う遊技を行うことができる。よって、遊技者が技量を発揮し得る遊技を多様にして遊技の興趣を高めることができるという効果がある。
【0012】
また、貯留解除手段により貯留が解除された後に作動領域へ入球した遊技球入球検出時期と特定の検出時期とが不一致であるときには、特定の検出時期に対する入球検出時期に応じた動的表示の変動種別が変動種別選定手段によって選定される。このため、変動種別選定手段によって特定の検出時期に対する入球検出時期に応じた変動種別による動的表示を表示装置に行わせることができる。よって、遊技者には、自らの操作によって作動領域へ入球させた遊技球の入球検出時期と特定の検出時期とのずれを推測させることができ、遊技中の動的表示の実行に対する遊技者の関心を高めて遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
ここで、請求項1記載の遊技機によれば、遊技球の入球検出時期に応じて取得手段によってカウンタのカウント値が取得され、その取得手段によって取得されたカウンタのカウント値が予め定めた特定値である場合に特定の検出時期と遊技球の入球検出時期とが一致したとして、抽選手段によって所定の遊技価値の付与が決定される。
ここで、取得手段によって取得されたカウンタのカウント値が、更新手段による更新順序において特定値より前に位置する値から構成される第1区間内の値である場合には、変動種別選定手段によって第1変動種別が選定される。このため、特定の検出時期に対して遊技球の入球検出時期が一定時間以内で早かった場合には、第1変動種別による動的表示が変動種別選定手段によって選定される。一方、取得手段によって取得されたカウンタのカウント値が、更新手段による更新順序において特定値より後に位置する値から構成される区間であって第1区間とは重複しない第2区間内の値である場合には、変動種別選定手段によって第1変動種別とは異なる表示態様を伴う第2変動種別が選定される。
このため、特定の検出時期に対して遊技球の入球検出時期が一定時間以内で遅れた場合には、第2変動種別による動的表示が変動種別選定手段によって選定される。よって、遊技者には、遊技球の入球検出時期が特定の検出時期より早いか遅いかを各変動種別に伴う表示態様の違いによって認識させることができ、自らの操作によって作動領域へ入球させた操作結果を次回以降の操作に反映して遊技の技量が次第に高められる遊技性を付与することができるという効果がある。
また、請求項2記載の遊技機によれば、取得手段によって取得されたカウンタのカウント値が、更新手段による更新順序において特定値より前に位置する値又は該特定値より後に位置する値の少なくとも一方から構成される第3区間内の値である場合には、変動種別選定手段によって第3変動種別が選定される。一方、取得手段によって取得されたカウンタのカウント値が、更新手段による更新順序において第3区間に重複することなく特定値から離れる側に位置する値から構成される区間である第4区間内の値である場合には、変動種別選定手段によって第4変動種別が選定される。よって、遊技者には、自らの操作によって作動領域へ入球させた遊技球の入球検出時期と特定の検出時期とのタイミングのずれの程度を知らせることで遊技に対する遊技者の関心を一層高めて遊技の興趣を向上することができるという効果がある。
請求項3記載の遊技機によれば、請求項1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、第3変動種別は、第3変動種別以外の変動種別と比較して、所定の遊技価値を付与する抽選結果の導出によって行われる第5変動種別と同種の表示態様を現出する期間の長い変動種別である。このため、第3変動種別の実行時に遊技者に大当たりを信頼させる程度(信頼度)を、第3変動種別以外の変動種別と比較して高くすることができる。よって、入球検出時期と特定の検出時期とのずれが一定時間内である場合に選定される第3変動種別によって、遊技球の入球検出時期と特定の検出時期とのタイミングのずれが小さかったことをより強く遊技者に示すことができるという効果がある。
請求項4記載の遊技機によれば、請求項1から3のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、表出手段によって時期情報として表出されるのは、貯留解除手段によって遊技球の貯留が解除されてから作動領域に遊技球が入球するまでの所要時間と略同一の時間分だけ特定の検出時期より早い時期とされている。このため、遊技者は、表出手段によって表出された時期情報に合わせて貯留解除手段を作動させることにより、作動領域へ遊技球が入球する時期を、特定の検出時期に近付けることができ、貯留解除手段を作動させる操作時にタイムラグを考慮することなく所定の遊技価値の獲得を狙うことができる。よって、より多くの遊技者に、所定の遊技価値の獲得を狙う遊技の興趣を提供することができるという効果がある。
また、貯留解除手段によって貯留が解除された遊技球の流下という物理的な動作を介して、所定の遊技価値の獲得を狙わせるので、遊技機の製造時または設置時におけるバラツキや、遊技球の汚れ等の微小な変化によって、貯留解除手段を作動させた後に作動領域に遊技球が入球するまでのタイムラグには、バラツキが生じる。よって、たとえ遊技者が技量を高めても、タイムラグのバラツキによって必ずしも所定の遊技価値を獲得し得ない遊技性を持たせることができ、所定の遊技価値の付与に対するランダム性を維持することができるという効果がある。
請求項5記載の遊技機によれば、請求項1から4のいずれかに記載の遊技機の奏する効果に加え、球貯留判断手段によって貯留手段が遊技球を貯留していると判断された場合に表出手段によって時期情報が表出されるので、遊技球が貯留されていることを時期情報の表出に基づいて遊技者に判り易く示し、遊技球の貯留を解除する操作の実行を促すことができるという効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機や他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
【0014】
図1は、本発明の実施例におけるパチンコ機1の正面図である。パチンコ機1の前面には前面枠51が配設されており、その略中央部分には略矩形状の開口51aが穿設され、かかる開口51aの内周には金枠52が周設されている。この金枠52の内側の上方には、2枚のガラス板が装着されたガラス扉枠53が開閉可能に配設されており、ガラス扉枠53の後方に遊技盤2が配置されている。
【0015】
遊技盤2の前面には略円弧状の外レール2aが植立され、その外レール2aの内側位置には円弧状の内レール2bが植立されている。遊技盤2の前面には、内レール2bと外レール2aとにより囲まれた領域によって球が投入される、略円形の遊技領域2cが形成される。内レール2bは、遊技領域2cの左側上部まで延設されており、その内レール2bの先端部に遊技領域2cの入口2dが形成される。入口2dには、遊技領域2cへ投入された球のレール2a,2b間への戻りを防止する薄板状の可動片が設けられている。
【0016】
遊技盤2の中央には、複数種類の識別情報としての図柄などを表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す。)3が設けられている。このLCD3の表示画面は、上下2段に2分割されると共に上段の表示領域3aが横方向に3分割されており(図6(a)参照)、3分割された各表示領域において、それぞれ上から下へ縦方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
【0017】
LCD3の下方には、上側に向けて開口した図柄作動口(第1種始動口)4aを形成する可変入賞装置4が設けられている。球(遊技球)が図柄作動口4aへ入賞(入球)することにより、5個の球が賞球として払い出されると共に、始動条件(始動入賞)が成立して前記したLCD3の変動表示が開始される。LCD3の変動表示の最中に、球が新たに図柄作動口4aへ入球した場合、その入球による変動表示を即座に開始することはできないので、実行中の変動表示が終了するまで、その変動表示が保留される。本実施例におけるパチンコ機1では、この変動表示の保留回数が最大4回に設定されており、この変動表示の保留回数を表示する4つの保留ランプ5が、LCD3の上方に配設されている。保留回数の表示は、これら4つの保留ランプ5が保留回数に対応する個数分だけ左側から順に点灯することにより行われる。
【0018】
図柄作動口4aの下方には、特定入賞口(大入賞口)6が設けられている。この特定入賞口6は、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば30秒間経過するまで、あるいは、例えば球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口6内には、Vゾーン6aが設けられており、特定入賞口6の開放中に、球がVゾーン6a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口6の閉鎖後、再度、その特定入賞口6が所定時間(又は、特定入賞口6に球が10個入賞するまで)開放される。この特定入賞口6の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特別遊技状態)である。
【0019】
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD3の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
【0020】
図柄作動口4aの周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の入賞口(入賞装置)7が設けられている。LCD3の左側には、普通図柄作動口(普通図柄作動装置)8が設けられており、球がこの普通図柄作動口8を通過することにより、普通図柄表示装置9の変動表示が開始される。
【0021】
普通図柄表示装置9は、LCD3の上方に配設されており、「○」の図柄が表示された左図柄LED9aと、「×」の図柄が表示された右図柄LED9bとから構成されている。この普通図柄表示装置9の変動表示は、上述したように、球が普通図柄作動口8を通過することにより開始され、その変動表示が左図柄LED9aの点灯状態(普通図柄当たり状態)で終了すると、球が入賞し易いように図柄作動口4aの両脇に設けられた開閉弁が所定時間(例えば、略0.3秒または1.9秒)経過するまで所定回数(例えば、1回または3回)開放される。
【0022】
LCD3の手前側周囲には、上述した保留ランプ5や普通図柄表示装置9が配設されたセンターフレーム10が周設されている。センターフレーム10は、透明及び半透明の樹脂材料で略中空状体に構成されると共に、複数のランプを内蔵しており、これにより、LCD3の周囲が装飾されている。
【0023】
このセンターフレーム10は、遊技領域2cの左右両側に弾球遊技を行うための球の流下経路を残して遊技領域2cの中央部に配設され、遊技領域2cの左右両側に分岐した2つの経路(領域)を形成する。遊技領域2cに投入された球は、経路を分岐する分岐部としてのセンターフレーム10の最頂部を境にセンターフレーム10の左側の経路(図1の矢印X方向側の経路、以下、盤面左側と略す。)と、センターフレーム10の右側の経路(図1の矢印Y方向側の経路、以下、盤面右側と略す。)とに振り分けられて下方へ流下する。遊技領域2cへ球が投入された場合に、遊技領域2cの右側から流下を開始させた球の大部分は盤面右側を流下し、左側から流下を開始させた球の大部分は盤面左側を流下する。
【0024】
センターフレーム10には、その右側に、球が通過可能にトンネル状に形成された移送経路10aが設けられている。この移送経路10aは、球の外径分の幅を持たせて略矩形状に形成されており、センターフレーム10の右側に開口する球流入口10bと、センターフレーム10の下部に形成されたステージ10cとを連通するものである。球流入口10bから流入した球は、移送経路10aを経由してステージ10c上に導かれる。なお、球流入口10bは、必ずしもセンターフレーム10の側方に向けて開口するものである必要はなく、その上方に向けて開口するものであっても良い。また、センターフレーム10に設けられる球流入口10bの数は、1つに限定されるものでなく、左右両側などに複数個の球流入口が設けられても良い。
【0025】
センターフレーム10の下部には、ステージ10cが設けられている。ステージ10cは、移送経路10aを経由して導かれた球をセンターフレーム10の中央に案内するための部材である。ステージ10cは、その中央に向けて両側から下降傾斜した略平面状に形成されると共に、ステージ10cの左右から案内された球が中央で停留するように中央部(出口レール10eの部分)が低く窪んで形成されている。ステージ10cの前面側(図1紙面手前側)には、その前面側へ球が流出するのを防止するために、ガイド板10dが設けられている。ガイド板10dは、中央部が分断された状態で上方に突出したリブ状の部材であり、左右方向に沿って延設されている。
【0026】
ガイド板10dが分断された中央部分には、ステージ10cの中央部から、遊技盤2の前面であって図柄作動口4aの真上に向けて下降傾斜して形成された出口レール10eが設けられている。この出口レール10eには、前方への傾斜によって球が出口レール10eの手前側へ転がるのを防止するように上方に突出した突起10fが設けられており、出口レール10eに案内された球は、自重によって突起10fを乗り越えられず、一旦停止して貯留された状態(貯留状態)となる。
【0027】
この貯留状態は、パチンコ機1の上皿55に配設された操作ボタン56が押下された場合に解除されるものであり、ステージ10cの中央奥側に設けられる球放出ソレノイド15(図3(b)参照)が操作ボタン56の押下操作に連動して球を前方に押し出し、球の貯留が解除される。貯留が解除された球は、中央の出口レール10eを経由して出口レール10eの出口のほぼ真下に位置する図柄作動口4aへ向けて落下し、図柄作動口4aへほぼ全て入賞する。即ち、球流入口10bへ流入した球は、移送経路10a、ステージ10c及び出口レール10eを経て、図柄作動口4aへほぼ確実に入賞する。
【0028】
なお、貯留状態は、必ずしも突起10fを乗り越えるように球放出ソレノイド15で前方へ球を押し出して解除するものである必要はない。突起10fが上下に駆動するように突起10fにソレノイドを連結した構成とし、出口レール10e上に突出している突起10fを下げて球が自重で出口レール10eの前方に流下するように構成しても良い。
【0029】
センターフレーム10の右方には、図柄作動口4aへ入賞し易いように球を誘導するための役物装置11が設けられている。役物装置11は、その下側にカラスのキャラクタを模して形成された可動部材12と、その可動部材12に駆動力を付与する役物駆動ソレノイド13と、可動部材12の周囲に配設されるカバー部材14とを備えている。
【0030】
可動部材12は、カラスを模した外形に合成樹脂を成形して形成されている。可動部材12には、センターフレーム10側に向けて下降する傾斜面をカラスの頭部を模して形成する案内部12aが設けられている。この可動部材12は、遊技盤2から遊技領域2cを覆うガラスまでの隙間と略同一幅の厚みを持たせて形成されており、可動部材12の案内部12aの上に球が流下した場合に、球の流下経路に作用して、その球を案内部12aに沿ってセンターフレーム10側へと案内する。なお、役物装置11の詳細については、図2を参照して後述する。
【0031】
役物装置11の上方には、球の流下を一定時間停留させるための停留装置16が設けられている。停留装置16は、その上下に入口と出口とが設けられると共に、内部で球を一定時間略水平に周回させることで球の流下を停留する、いわゆるクルーンと呼ばれる装置である。停留装置16の内部に流入した球は、装置の内部で複数回周回した後に下方の役物装置11側へ排出され、複数回の周回をする時間分、球の流下が停留させられる。パチンコ機1においては、盤面右側(図1の矢印Y方向側の経路)を流下する球は、停留装置16に対して流下経路上流側に配置される多数の釘によって停留装置16の上に導かれ、停留装置16の内部で球を平均3秒間停留した後に下側の役物装置11側に排出される。
【0032】
遊技盤2には、多数の釘が打設されており、この多数の釘の配置及び向きによって、遊技領域2cに投入された球が図柄作動口4aを含む入賞口4a,7へ入賞する割合が調整される。盤面左側(図1の矢印X方向側の経路)を流下する球は、ほぼ10個から20個に1個の割合でいずれかの入賞口4a,7へ入賞する。一方、盤面右側(図1の矢印Y方向側の経路)を流下する球は、可動部材12の後退状態(図1の状態)においては、約100個の球に対して1個以下の割合で入賞口4a,7に入賞する。つまり、可動部材12が後退した状態においては、盤面左側は、流下した球が入賞口4a,7に入賞する割合が盤面右側より高い、有利な経路となっている。
【0033】
可動部材12が配設される遊技盤2の下側には、金枠52に開閉可能に取着された前面扉板(腰板)54が配設されている。この前面扉板54の前面(図1の紙面手前側)には、球を貯留すると共に、球発射装置(図示せず)へ球を供給するための上皿55が配設されている。
【0034】
上皿55の左側端部には、正面視略矩形状に形成された操作ボタン56が設けられている。この操作ボタン56は、遊技者の操作によってセンターフレーム10の内部に設けられる球放出ソレノイド15(図3参照)を遊技者の意図するタイミングで作動させるためのものである。この操作ボタン56の奥側(図1の紙面奥側)には、操作ボタン56に連動してオンオフが切り替わるスイッチ(球放出スイッチ17、図4参照)が内蔵されており、操作ボタン56が押下された場合に球放出スイッチ17はオンとなってオン信号が後述する主制御基板Cに入力される。主制御基板Cは、球放出スイッチ17のオン信号を入力すると、センターフレーム10の内部の球放出ソレノイド15を駆動し、センターフレーム10の出口レール10eに球が貯留されている場合にその貯留を解除する。
【0035】
上皿55の下方であって、前面枠51の下側部分には上皿55に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿57が配設され、下皿57の右側には、球を遊技領域2cへ投入するために遊技者によって操作される操作ハンドル58が配設されている。
【0036】
操作ハンドル58は、球を弾く図示しない弾球ハンマにバネを介して接続されており、操作ハンドル58の回動量に応じた弾球力で弾球ハンマによって球が弾かれる。弾球ハンマに弾かれた球は、外レール2aに沿って上昇し、弾球力に応じた距離分飛ばされて遊技領域2cへ投入される。遊技者は、操作ハンドル58を操作して、球が流下を開始する流下開始位置を調整し、センターフレーム10の右側と左側とに形成される各経路に球を流下させる割合を自ら選択する。また、操作ハンドル58には、遊技者による回動操作が行われた場合にオンオフが切り替わるスイッチが内蔵され、そのスイッチのオン時に図示しないモータ(発射用モータ27、図4参照)が駆動されて上述した弾球ハンマが作動する。
【0037】
次に、図2を参照して、役物装置11の詳細について役物駆動ソレノイド13による可動部材12の動作と共に説明する。図2は、遊技盤2の一部分を示した正面図であり、図2(a)は、可動部材12が後退した状態を示し、図2(b)は、可動部材12が左斜め上方へ前進した状態を示している。なお、図2においては、遊技盤2に配設される構成部品のうち、可動部材12の動作によって影響する図柄作動口4a、センターフレーム10、役物装置11、停留装置16、釘等の主要部材のみを示し、他の部材を省略して示している。
【0038】
役物駆動ソレノイド13は、可動部材12に駆動力を付与して可動部材12を斜め上方にスライド移動させるものである。この役物駆動ソレノイド13がオフされた状態は、通常の遊技状態であり、図2(a)に示すように、可動部材12が後退した状態を形成する。この後退状態においては、球流入口10bに球がほとんど流入しない状態(例えば、球流入口10bの前を通過する約100個の球に対して1個以下の割合でしか流入しない状態)となっている。
【0039】
なお、可動部材12が後退した状態において、必ずしも球流入口10bに球がほとんど流入しない状態とする必要はなく、球流入口10bにまったく球が入らない状態としても良いし、球が球流入口10bにときどき流入する状態(例えば、球流入口10bの前を通過する約20個の球に対して1個以下の割合で流入する状態)としても良い。この球の流入する割合は、球流入口10bの周辺に打設される釘の配置や向きによって調整することができる。
【0040】
一方、役物駆動ソレノイド13がオンされた状態は、遊技者にとって有利な遊技状態であり、図2(b)に示すように、可動部材12がセンターフレーム10側に向けて前進し、可動部材12とセンターフレーム10との間の経路を閉鎖した状態となる。可動部材12の前進時に盤面右側(図2(b)の矢印Y方向側の経路)を流下する球は、球の流下経路上に突出した可動部材12の案内部12aによって球流入口10bへ誘導されて、移送経路10a、ステージ10c、及び、出口レール10eを経て図柄作動口4aへほぼ確実に入賞する。
【0041】
また、可動部材12の前進は、LCD3で行われる変動表示のパターンの1つであるカラス駆動リーチの実行時に行われる。カラス駆動リーチとは、LCD3においてリーチ表示が現出し、その後に3つの図柄が停止した後にカラスのキャラクタが飛来する変動パターンを示すものである。カラスのキャラクタはLCD3の左側から右側の役物装置11側に向けて飛んでいき、そのカラスのキャラクタがLCD3の画面右側に達するのとほぼ同時に、可動部材12によって模されたカラスが役物駆動ソレノイド13のオンによって前進する演出が行われる。カラス駆動リーチの実行時には、後述する主制御基板Cの制御によって役物駆動ソレノイド13が6秒間オンされて可動部材12が前進した状態(図2(b)の状態)となり、可動部材12によって球が図柄作動口4aへ入賞し易いように誘導される。このため、遊技者には、カラス駆動リーチの実行時に図柄作動口4aへ球を誘導する移送経路10aに球が流入し易い遊技状態が付与される。
【0042】
このように、主制御基板Cの制御によって可動部材12が後退した状態から前進した状態に切り替えられると、可動部材12によって球が移送経路10aの球流入口10bへ流入し易い状態となるので、遊技者は、移送経路10aを経由して図柄作動口4aに誘導される球の数を増加させることができる。移送経路10aの球流入口10bに流入した球は、盤面左側(図2(b)の矢印X方向)の経路を流下する場合より高確率で図柄作動口4aに誘導されるので、遊技者は、可動部材12の前進によって多くの球が図柄作動口4aに入賞することを期待することができ、弾球遊技による興趣を付与することができる。
【0043】
また、盤面左側(図2(b)の矢印X方向)の経路を流下する球は、図示しない釘によって複数の方向に分散させられ、ほぼ10球から20球に1球の確率で図柄作動口4aの上部へ誘導されてから図柄作動口4aに入球する一方、盤面右側(図2(b)の矢印Y方向)の経路を流下し移送経路10aに流入した球は、移送経路10a、ステージ10c、及び、出口レール10eを経由して図柄作動口4aの上部へ誘導されてから図柄作動口4aにほぼ確実に入賞する。よって、遊技者には、可動部材12の状態に応じて一定の経路を経由する固定的な態様で球が流下して図柄作動口4aへ入賞するか、それとも複数の方向に分散させられつつ球が様々な態様で流下して図柄作動口4aへ入賞するかを、可動部材12の状態に応じて変化させて遊技者に視認させることができ、弾球遊技に変化を持たせて弾球遊技を視認する興趣を高めることができる。
【0044】
また、遊技者は、所定の遊技価値が付与される場合に予め定めた表示結果を現出する変動表示に注目して遊技を行うものであり、主制御基板Cは、その変動表示に対応づけて可動部材12の前進及び後退の切り替え動作を制御する。よって、遊技者が注目する変動表示に可動部材12が連動し、遊技中に可動部材12を視認していない遊技者にも可動部材12の切り替え動作を判り易く示すことができる。
【0045】
また、可動部材12の状態の切り替えに対応づけられたカラス駆動リーチがLCD3によって行われる場合には、可動部材12によって球がセンターフレーム10の移送経路10aの球流入口10bへ流入し易い状態となる。このため、遊技者は、球を移送経路10aの球流入口10bを狙って操作ハンドル58を調整して球を遊技領域2cへ投入することにより、可動部材12が通常の状態(図2(a)の状態)を形成する場合に比べて多くの球を移送経路10aを介して図柄作動口4aへ誘導することができる。よって、遊技者の意識を可動部材12によって一時的に球が流入し易くなった移送経路10aの球流入口10bへ向けさせ、遊技者が遊技領域2cの中で弾球遊技を意識する領域を、変動表示を始動させる図柄作動口4a周辺のみでなく拡大し、弾球遊技による遊技の興趣を遊技者により多く付与することができる。
【0046】
なお、リーチ表示とは、LCD3において図柄の変動表示が開始された後、先に停留する図柄の組み合わせが大当たりの条件を満たしており、変動表示が続いている図柄の表示結果如何によっては大当たりとなることを遊技者に示唆する表示である。示唆演出とは、変動表示の途中でLCD3の表示画面に所定の図柄を現出させたり、スピーカ39から特定の効果音を出力したり、或いは、操作ハンドル58を振動させる等の演出であって変動後の表示結果が大当たりとなって所定の遊技価値が付与されることを遊技者に前もって示唆するものである。この示唆演出は、所定の遊技価値の付与を前もって遊技者に気付かせるために行われるだけでなく、所定の遊技価値が付与されない場合に遊技者を暗にそそのかすためにも行われる。
【0047】
カバー部材14は、球の流下方向に沿った上流側から流下する球から可動部材12を保護するための部材であり、可動部材12の上下及び右側を囲うように配設されている。このカバー部材14は、遊技領域2cを覆うガラスに近接する位置まで突出した板状の合成樹脂によって形成されると共に、その上面が左側に向けて下方に傾斜して形成されている。可動部材12に向けて流下する球は、まずカバー部材14の上面に当接する。カバー部材14の上面に当接した球は、その上面の傾斜に沿って左側へと案内され、可動部材12とセンターフレーム10との間を流下する。よって、可動部材12の後退時に可動部材12へ当接する球数を低減することができ、可動部材12の変形や破損を防止することができる。
【0048】
また、可動部材12は、カラス駆動リーチの実行時に前進した状態となった場合にのみ球の流下経路上に突出して球の経路を変更する一方、カラス駆動リーチが行われていない通常状態においては、可動部材12が後退することにより流下経路から外れて球に当接しない位置に配置されている。このため、通常状態においては、球の流下経路に影響を及ぼすことがなく、球がスムースに流下する遊技性を確保することができる。なお、カバー部材14は、必ずしも合成樹脂によって形成する必要はなく、可動部材12の上側に複数の釘を並べて打設することにより球を可動部材12に当接しないように案内するものであっても良い。
【0049】
次に、図1及び図2を参照して、パチンコ機1に対して遊技者が行う遊技について説明する。遊技を行う遊技者は、パチンコ機1の操作ハンドル58を回動操作して遊技領域2cへ球を投入する。遊技の開始時には、可動部材12は、後退した状態となっており、盤面右側(図1の矢印Y方向側の経路)より盤面左側(図1の矢印X方向側の経路)の方が図柄作動口4aへ入賞する球が多い有利な経路となる。遊技者は、図柄作動口4aへより多くの球を入賞させるために盤面左側に球が多く流下するように操作ハンドル58を操作して遊技領域2cに球を投入する。
【0050】
遊技領域2cに投入された球が図柄作動口4aへ入賞すると、LCD3の変動表示が行われ、変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に大当たりとなって、特別遊技状態としての特定入賞口6の開閉動作が行われる。
【0051】
ここで、図柄作動口4aへの球の入賞によって行われる変動表示の途中で、表示演出の1つであるカラス駆動リーチが行われる場合には、盤面右側に配設された可動部材12が前進する。カラス駆動リーチとは、LCD3においてリーチ表示が現出し、その後に3つの図柄が停止した後にカラスのキャラクタが飛来する変動パターンを示すものである。
【0052】
カラス駆動リーチの実行時には、主制御基板Cによってソレノイド13がオンされ、可動部材12が前進した状態(図2(b)の状態)となる。この可動部材12の前進によって盤面右側(図1の矢印Y方向側の経路)を流下した球が図柄作動口4aへ入賞し易いように誘導されるので、遊技者は、盤面右側に球が多く流下するように操作ハンドル58を調整する。
【0053】
盤面右側を流下する球の割合を増やして図柄作動口4aへ入賞する球の数を多く得ようとする遊技者は、操作ハンドル58を操作して盤面右側を流下する球の割合を増加させる。その操作後、球が可動部材12に達した時にも可動部材12が前進した状態(図2(b)の状態)であれば、図柄作動口4aに誘導される球を増加させることができる。一方、盤面右側を流下する球の割合を増加させても、球が可動部材12に達する前に可動部材12が後退すると(図2(a)の状態)、図柄作動口4aには球が誘導されない。
【0054】
このように、遊技者は、盤面右側を流下する球の割合を、可動部材12の状態に応じて自らの意志で増減させることにより、自ら決定した球の割合に応じて図柄作動口4aへ球を誘導させることができる。よって、弾球遊技に対する遊技者の意識を高めることができ、積極的な操作によって大きな利益を得る弾球遊技の興趣を遊技者に付与することができる。
【0055】
また、可動部材12が後退した状態から前進した状態に切り替わる動作は、変動表示の中で行われるカラス駆動リーチの実行時に行われるので、カラス駆動リーチの実行によって可動部材12の切り替え動作の実行が遊技者に示される。このため、遊技者は、図柄作動口4aに誘導される球を効率良く得るために操作ハンドル58の操作を行う契機を、変動表示の中で確認することができる。よって、弾球遊技と変動表示に関連性を持たせることができ、両遊技による一体的な興趣を遊技者に付与することができる。
【0056】
更に、遊技盤2に打設された多数の釘は、可動部材12が後退した状態(図2(a)の状態)においては、盤面左側より盤面右側を不利な経路とする一方、可動部材12が前進した状態(図2(b)の状態)においては盤面左側より盤面右側を有利な経路とする。このため、可動部材12の状態に応じて盤面左側と盤面右側との利益状態が逆転し、遊技者には、有利な経路に多くの球を流下させるために操作ハンドル58を積極的に操作させることができ、弾球遊技を一層意識させることができる。また、操作ハンドル58の操作時期をいち早く認識して、有利な経路へより長く球を流下させるために、変動表示(カラス駆動リーチの開始)を集中して見守る遊技性を遊技者に付与して弾球遊技と変動表示との融合による一体的な興趣を生み出すことができる。
【0057】
次に、図3を参照してセンターフレーム10のステージ10cの中央に配設された球放出ソレノイド15の動作について説明する。図3(a)は図1の矢印IIIa方向から見たセンターフレーム10を示した図であり、図3(b)は図1のIIIb−IIIb線でセンターフレーム10を断面視して示した図である。なお、図3(a)及び図3(b)においては、センターフレーム10と共に、図柄作動口4aと球放出ソレノイド15と貯留球検出スイッチ17とを併せて示している。また、図面の理解の容易のために、図3(a)及び図3(b)においては球放出ソレノイド15を断面視しないで示すと共に、図3(b)においてはステージ10c上に球が貯留された状態を示している。
【0058】
センターフレーム10のステージ10cは、図3(a)に示すように、上面視において左右対称に形成されており、その中央部に設けられる出口レール10eに向けて下降して形成されている。ステージ10cに案内された球は、出口レール10eに達した後、球を貯留するための突起10fによって出口レール10eの奥側(図3(a)の上側)に貯留され、その貯留された球の後にステージ10c上に導かれた球は、図3(a)に鎖線で示すように、出口レール10eに向けてステージ10c上にほぼ一列に並んで貯留される。出口レール10eの奥方(図3(a)の上側)には、突起10fによって出口レール10e上に貯留された球を図柄作動口4aへ向けて放出するための球放出ソレノイド15が配設されている。
【0059】
球放出ソレノイド15は、出口レール10e上に貯留された球の貯留を解除して球を放出するための部材であり、一般的な電磁ソレノイドで構成されたものである。この球放出ソレノイド15は、図3(b)に示すように、球を出口レール10eの前方に押圧するアーム15aと、アーム15aをステージ10cの前後にスライド移動可能に支持する本体15bと、アーム15aをステージ10cの後方(図3(b)の右側)に付勢するためのスプリング15cとを備えている。この球放出ソレノイド15は、本体15bがセンターフレーム10の一部に図示しないビスで固定されている。球放出ソレノイド15が非通電の状態では、スプリング15cの作用により本体15bに対してアーム15aがステージ10cの後方側に最大に移動した状態となっており、図3(a)に示すように、突起10fとアーム15aとの間に1個の球を貯留可能な隙間を形成する。このため、球放出ソレノイド15が非通電の状態では、ステージ10c上に導かれた球は、突起10fによって出口レール10c上に貯留される。
【0060】
球放出ソレノイド15が通電されて駆動されると、本体15bに対してステージ10cの前方(突起10f側)へアーム15aが移動し、出口レール10e上の突起10fとアーム15aとの間の隙間が縮められる。球放出ソレノイド15が非通電の状態においてアーム15aと突起10fとの間に球が貯留されている場合には、その貯留球は、アーム15aの押圧によって突起10fを乗り越え、出口レール10eの傾斜に沿って出口レール10eの前側(図3(a)の下側)に設けられる図柄作動口4aへ入賞する。図柄作動口4aへ入賞した球は、図柄作動口4aの奥側(図3(b)の右側)に設けられた通路を経由して遊技盤2の裏面側へと案内される。
【0061】
貯留球検出スイッチ16は、投光部と受光部とを有し、投光部から発光された光の反射光を受光部で受光してオンオフが切り替えられる一般的なフォトセンサによって構成されている。この貯留球検出スイッチ16は、図3(b)に示すように、出口レール10eの突起10f奥側の床下に配設されており、突起10fによって球が出口レール10eに貯留されている場合にオンされ、出口レール10eに球の貯留が無い場合にオフされる。この貯留球検出スイッチ16がオンすると、オン信号が後述する主制御基板Cに入力され、主制御基板Cは、そのオン信号が入力された場合に遊技者に球の貯留を示唆する演出を表示用制御基板Dに実行させると共に操作ボタン56の操作を有効にし、その操作が行われた場合に出口レール10eに貯留された球の貯留を解除する。
【0062】
このように、センターフレーム10の移送経路10aに流入した球は、出口レール10e上の突起10fによって出口レール10eの奥側に貯留され、その球の貯留は、操作ボタン56が操作されて球放出ソレノイド15が作動すると解除される。貯留が解除された球は、出口レール10eを経由して図柄作動口4aへほぼ確実に入賞する。このため、遊技者は、自らの操作によって球放出ソレノイド15を作動させることにより、自らの意図するタイミングで球の貯留を解除して図柄作動口4aへ入賞させることができる。ここで、本実施例のパチンコ機1は、始動入賞の成立時期に基づいて大当たりを発生させるか否かを抽選するものであり、後述する特別デモ画面の表示によって始動入賞が成立した場合に大当たりが発生するタイミング(時期)をLCD3に表示するものである。よって、遊技者は、大当たりが発生する始動入賞の成立時期を狙って操作ボタン56を操作して始動入賞を成立させ、積極的に大当たりの発生による利益の獲得を狙う遊技を行うことができる。
【0063】
また、可動部材12が前進状態となった場合には、その後退状態に比べて移送経路10aの球流入口10bへ球が流入しやすい状態となるので、可動部材12の状態に応じて移送経路10aの球流入口10bに流入する球の数が増減する。よって、大当たりの発生による利益の獲得を狙う遊技の機会を一時的に高めることができ、恒常的に利益の獲得を狙う遊技の機会が発生する場合に比べて遊技の興趣を一層高めることができる。
【0064】
なお、貯留球検出スイッチ16は、必ずしも投光部と受光部とを有するフォトセンサによって構成する必要はない。出口レール10eの突起10fによって球が貯留されているか否かによってオンオフを切り替えるものであれば良く、例えば、機械的に可動する可動片の動作によってオンオフが切り替えられるいわゆるマイクロスイッチによって貯留球検出スイッチ16を構成し、出口レール10eの床面から可動片を突出させて球の貯留の有無を検出しても良い。
【0065】
図4は、パチンコ機1の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機1の主制御基板Cには、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU21が搭載されている。このMPU21には、MPU21により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当たって各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。図5に示す演出選定テーブル22aは固定値データの一部としてROM22に記憶されており、これら各テーブルの詳細については図5を参照して後述する。また、図9から図14に示すフローチャートのプログラムは、制御プログラムの一部としてROM22内に記憶されている。
【0066】
RAM23は、保留球カウンタ23aと、内部乱数カウンタ23bと、リーチ乱数カウンタ23cと、大当たり図柄カウンタ23dと、ハズレ図柄カウンタ23eと、変動パターンカウンタ23fと、演出実行エリア23gと、演出実行1〜4メモリ23h〜23kと、カウンタ用バッファ23lと、放出実行フラグ23mとを備えている。
【0067】
保留球カウンタ23aは、変動表示の保留回数を記憶するカウンタである。保留球カウンタ23aの値は、LCD3で変動表示が行われていない場合または変動表示が行われているが保留中の変動表示がない場合には「0」、保留中の変動表示が1回の場合には「1」、・・・、保留中の変動表示が4回の場合には「4」となる。本実施例のパチンコ機1では、変動表示の最大保留回数は4回であるので、保留球カウンタ23aの値は「0」から「4」の範囲で変化する。保留球カウンタ23aの値のカウントアップは、図柄作動口4aへ入賞した球が第1種始動口スイッチ24で検出された場合に行われ(図10、S23参照)、カウントダウンは、変動表示の開始時に行われる(図10、S28参照)。
【0068】
ここで、MPU21には、電源断時においてもバックアップ電圧が供給されている。よって、停電などの発生によって電源がオフされても、MPU21のRAM23のデータは保持(バックアップ)される。従って、RAM23に設けられた保留球数カウンタ23aの値(変動表示の保留回数)は停電時においても保持され続けて、停電の解消後に残りの保留回数分の変動表示を行うことができる。また、RAM23には、賞球の払い出し残数も記憶されており、停電解消後に残りの賞球の払い出しも行うことができる。
【0069】
内部乱数カウンタ23bは、大当たりの発生を決定するためのカウンタであり、後述するカウンタ更新処理(図9、S14参照)によって、「0〜599」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり599)に達した後に再び「0」に戻される。この内部乱数カウンタ23bの値は、遊技盤2の前面に投入された球が図柄作動口4aへ入賞して後述する第1種始動口スイッチ24で検出されたとき(始動入賞時)に取得され、通常時には、このとき取得された内部乱数カウンタ23bの値が「7」または「307」であった場合に大当たりの発生が確定する。
【0070】
大当たりの発生が確定すると、主制御基板Cから後述する表示用制御基板Dへ大当たりとなる図柄の組み合わせ(大当たり図柄)を示す停止図柄コマンドが送信され、表示用制御基板Dは、その停止図柄コマンドに基づいてLCD3の変動後の表示結果を大当たりとなる図柄の組み合わせとする。なお、遊技者に所定の遊技価値(特別遊技状態)を付与するか否かの抽選は、この内部乱数カウンタ23bの値に基づいて後述する通常表示コマンド決定処理のS41の処理(図11参照)及び特別表示コマンド決定処理のS51の処理(図12参照)で行われる。始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であれば、所定の遊技価値を付与する抽選結果の導出(当選)となる。
【0071】
リーチ乱数カウンタ23cは、ハズレリーチの発生を決定するためのカウンタである。変動表示の途中でリーチ表示を現出させてからハズレとなるハズレリーチとするか、リーチ表示を現出させない通常のハズレとするかは、リーチ乱数カウンタ23cの値に基づいて決定される。リーチ乱数カウンタ23cの値は、後述するカウンタ更新処理(図9、S14参照)によって、「0〜11」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり11)に達した後に再び「0」に戻される。
【0072】
このリーチ乱数カウンタ23cの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値と同様に始動入賞時に取得され、前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値が「7」である場合にハズレリーチの発生が確定する。このハズレリーチの発生時には、後述するカウンタ用バッファ23lに記憶されるハズレリーチ図柄(ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせ)が停止図柄コマンドに設定され(図11、S45及び図12、S55参照)、そのハズレリーチ図柄が変動後の表示結果として現出する。なお、始動入賞時に取得されたリーチ乱数カウンタ23cの値は、前記した内部乱数カウンタ23bの値と共に、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに書き込まれて記憶される(図10、S25参照)。
【0073】
大当たり図柄カウンタ23dは、大当たりのときにLCD3に停止表示される大当たり図柄(特別図柄)を決定するためのカウンタである。本実施例のパチンコ機1においては、「0」から「9」までの数字で構成された10種の図柄によってLCD3で変動表示が行われ、LCD3の表示領域に表示される3つの図柄が同一の図柄で停止表示された場合に大当たりが発生する。大当たり図柄カウンタ23dの値は、後述するカウンタ更新処理(図9、S14参照)によって、大当たりを発生させる10種の図柄に対応した「0〜9」の範囲内で順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり9)に達した後に再び「0」に戻される。
【0074】
この大当たり図柄カウンタ23dの値は、前記した内部乱数カウンタ23b及びリーチ乱数カウンタ23cと共に始動入賞時に取得され、同時に取得された内部乱数カウンタ23bの値に基づいて大当たりの発生が確定すると、その大当たりを発生させる変動表示に対して停止表示される大当たり図柄として、大当たり図柄カウンタ23dの値が使用される。即ち、大当たり図柄カウンタ23dの値と同一の数字を3つ並べて組み合わせた図柄が停止図柄コマンドとして設定される(図11、S42及び図12、S52参照)。なお、始動入賞時に取得された大当たり図柄カウンタ23dの値は、前記した内部乱数カウンタ23b及びリーチ乱数カウンタ23cの値と共に、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに書き込まれて記憶される(図10、S25参照)。
【0075】
ハズレ図柄カウンタ23eは、ハズレ時にLCD3に停止表示される図柄の組み合わせ(ハズレ図柄)を決定するためのカウンタである。このハズレ図柄カウンタ23eは、LCD3の左側、中央、右側の3つの表示領域に表示される図柄に対応づけられた3つの図柄カウンタで構成されている。ハズレ図柄カウンタ23eは、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図9、S17参照)によって「0」から「9」まで1ずつ加算されて更新され、「9」に達した後に再び「0」に戻される。また、右側の図柄の図柄カウンタが最大値に達した場合に中央の図柄の図柄カウンタが1加算されて更新され、中央の図柄の図柄カウンタが最大値に達した場合に左側の図柄の図柄カウンタが1加算されるようになっている。前記した内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でなく、且つ、リーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合における変動表示の停止図柄は、ハズレ図柄カウンタ23eの値に従ってLCD3に表示されるものであり、ハズレ図柄カウンタ23eの値が停止図柄コマンドに設定されることにより行われる(図11、S47参照)。
【0076】
変動パターンカウンタ23fは、LCD3を変動表示させるパターン(変動パターン)の決定に使用するカウンタであり、本実施例では「0〜99」まで順に1ずつ加算されて更新され、最大値(つまり99)に達した後再び「0」に戻される。この変動パターンカウンタ23fの値は、変動表示の開始時に実行される通常表示コマンド決定処理(図10、S32参照)において参照される場合があり、この場合には、参照された変動パターンカウンタ23fの値に応じたデータ(パターン)が図5に示す演出選定テーブル22aから読み出され、表示用制御基板Dに送信される変動パターンコマンドとして設定される(図11、S46参照)。
【0077】
演出実行エリア23gは、LCD3で実行中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの値を変動表示のデータ(変動表示情報)として記憶するためのエリアである。この演出実行エリア23gには、LCD3で変動表示が実行中でなく、且つ、保留球カウンタ23aの値が「1」以上で保留中の変動表示がある場合に、保留中の変動表示のうち最初に書き込みが行われた演出実行1メモリ23hに記憶されている変動表示のデータが書き込まれる(図10、S29参照)。
【0078】
演出実行1〜4メモリ23h〜23kは、保留中の変動表示に対する内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの値を変動表示のデータとして記憶するメモリである。この演出実行1〜4メモリ23h〜23kへの変動表示のデータの書き込みは、始動入賞時に実行される。また、本実施例における変動表示の保留回数は最大4回であるので、4つの演出実行1〜4メモリ23h〜23kが設けられている。これら4つの演出実行1〜4メモリ23h〜23kに保留中のデータがある場合には、1回の変動表示毎に1つずつ演出実行エリア23gにデータが書き込まれて使用される。
【0079】
カウンタ用バッファ23lは、更新中のカウンタ値を一時的に記憶するための領域であり、上記した各カウンタ23b〜23fの値は、更新される毎にカウンタ用バッファ23lに書き込まれて記憶される。また、後述するハズレ図柄カウンタ更新処理(図9、S17参照)によってハズレ図柄カウンタ23eの値が更新された場合に、ハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値(カウント値)となったとき、そのカウント値をハズレリーチの発生時に使用する値として記憶する。具体的には、ハズレ図柄カウンタ23eを構成する左側の図柄の図柄カウンタと右側の図柄の図柄カウンタとが同一図柄を停止表示させるカウント値の組み合わせとなり、且つ、その図柄とは異なる図柄を中央の図柄の図柄カウンタが示している場合(例えば、左側、中央、右側の図柄の組み合わせが「767」や「151」などとなっている場合)に、ハズレ図柄カウンタ23eのカウント値がハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値としてカウンタ用バッファ23lに記憶される。
【0080】
放出実行フラグ23mは、センターフレーム10のステージ10c上に貯留された球の貯留を解除する放出操作が遊技者によって行われたことを認識するためのフラグである。この放出実行フラグ23mは、遊技者が操作ボタン56を押下して球放出スイッチ17がオンとなった場合にオンされる(図13、S66参照)。放出実行フラグ23mがオン状態である場合における始動入賞は、遊技者の放出操作によるものと判断され(図10、S31参照)、変動パターンとして遊技者の放出操作に連動した特別な変動パターン(後述する「パターンF」から「パターンI」のいずれか)が設定される。この放出実行フラグ23mは、放出実行フラグ23mがオン状態である場合に始動入賞が成立するとオフされて、オフ状態における始動入賞は、遊技者の放出操作によるものでないと判断され、通常の始動入賞時に選定される変動パターン(後述する「パターンA」から「パターンE」のいずれか)が設定される。
【0081】
かかるROM22およびRAM23を内蔵したMPU21は入出力ポート25と接続されており、入出力ポート25は、払出用モータ26によって賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板Hと、前記した図柄の変動表示等の制御を行う表示用制御基板Dと、第1種始動口スイッチ24と、役物駆動ソレノイド13と、球放出ソレノイド15と、貯留球検出スイッチ16と、球放出スイッチ17と、その他の入出力装置28とにそれぞれ接続されている。
【0082】
払出制御基板Hには、遊技盤2の前面に球を発射するための発射用モータ27について駆動の許可と禁止とを制御するための発射制御基板Bが接続されている。遊技者が操作ハンドル58を操作しており、且つ、遊技者が図示しないストップスイッチを押下していない場合には、発射制御基板Bは、発射用モータ27の駆動を許可して球の発射を行わせる。
【0083】
表示用制御基板Dは、MPU31、ビデオRAM34、キャラクタROM35、画像コントローラ36、入出力ポート38、出力ポート37等を備えている。入出力ポート38の一方には、主制御基板Cの入出力ポート25と、音声ランプ制御基板Lとが接続され、入出力ポート38の他方には、バスラインを介してMPU31が接続されている。また、出力ポート37の入力には画像コントローラ36が接続され、出力ポート37の出力にはLCD3が接続されている。
【0084】
表示用制御基板DのMPU31は、主制御基板Cから送信される制御用コマンドに基づいて、LCD3の(変動)表示を制御するためのものであり、ROM32とRAM33とを備えている。ROM32には、MPU31により実行される各種の制御プログラムや固定値データが記憶されている。RAM33は、MPU31による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグが記憶されるメモリであり、このRAM33には、演出実行エリア33aが設けられている。
【0085】
演出実行エリア33aは、主制御基板Cから送信される表示コマンドを受信した場合に、その表示コマンドに付加される変動パターン及び停止図柄に関するデータを記憶するためのものである。表示用制御基板Dが表示コマンドを受信すると、その表示コマンドに付加される変動パターン及び停止図柄に関するデータが演出実行エリア33aに書き込まれ、その書き込まれたデータに従って表示用制御基板Dは変動表示を実行する。
【0086】
ビデオRAM34は、LCD3に表示される表示データが記憶されるメモリであり、このビデオRAM34の内容を書き換えることにより、LCD3の表示内容が変更される。キャラクタROM35は、LCD3に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ36は、MPU31、ビデオRAM34、出力ポート37のそれぞれのタイミングを調整して、データの読み書きを介在するとともに、ビデオRAM34に記憶される表示データをキャラクタROM35を参照して所定のタイミングでLCD3に表示させるものである。
【0087】
音声ランプ制御基板Lは、スピーカ39から出力される効果音の音声制御とLEDや保留ランプ5等の各種ランプ40の点灯制御とを行うものである。音声ランプ制御基板Lは、表示用制御基板Dから送信されるコマンドによって制御されるものであり、表示用制御基板Dによって制御されるLCD3と、音声ランプ制御基板Lによって制御されるスピーカ39と各種ランプ40とが同期して各種の演出が実行される。
【0088】
第1種始動口スイッチ24は、図柄作動口(第1種始動口)4aに入賞した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口4aの近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ24によって球が検出されると、図示しない払出装置によって5個の賞球が払い出される。また、第1種始動口スイッチ24によって球が検出された場合には、内部乱数カウンタ23b等の値が取得され、その取得された値に従った変動表示が実行される。
【0089】
役物駆動ソレノイド13は、自己保持型のキープソレノイドであり、従来のオープンフレームソレノイドに永久磁石を組み合わせて構成されている。役物駆動ソレノイド13は、内蔵するコイルへの瞬時通電により、一部分が本体から突出して形成されたシャフトが更に外方へと突出してオン状態を形成し、その突出したオン位置において永久磁石によりシャフトが吸着保持される。一方、役物駆動ソレノイド13をオフする場合には、シャフトが外方へと突出した状態で逆電力の瞬時通電を行ってシャフトの突出量が縮められたオフ状態を形成し、その縮められたオフ位置で永久磁石にシャフトが吸着保持される。このシャフトには可動部材12が連結されており、シャフトの突出量に応じて可動部材12の前進状態(図2(b)参照)と後退状態(図2(a)参照)とが選択的に形成される。よって、一時的に役物駆動ソレノイド13を通電して可動部材12を前進させることができるので、役物駆動ソレノイド13の発熱等による破損を考慮することなく可動部材12の前進状態を長く維持することができる。
【0090】
なお、可動部材12の位置を検出するためにシャフトの突出状態を検出するスイッチを役物駆動ソレノイド13に内蔵させたり、役物駆動ソレノイド13とは別に可動部材12の一部に当接して可動部材12が前進状態か否かを検出するスイッチを設けることが好ましい。役物駆動ソレノイド13をキープソレノイドとする場合には、そのオン状態が継続する故障の発生時に遊技場が多大な不利益を被ることとなるが、スイッチの状態によって表示用制御基板Dに可動部材12の位置を検出させることにより、可動部材12が表示用制御基板Dによる制御に従って正確に動作しているか否かを確認して、エラー時にはスピーカ39やランプ40を介して外部に状態を的確に告知することができる。
【0091】
球放出ソレノイド15は、上述したように、センターフレーム10の出口レール10e上に貯留された球の貯留を解除するためのソレノイドであり、貯留球検出スイッチ16は、出口レール10e上に球が貯留された状態であることを検出するスイッチである。球放出スイッチ17は、操作ボタン56が押下された場合にオンする押しボタンタイプのスイッチである。貯留球検出スイッチ16がオンであって出口レール10e上に球が貯留された状態で球放出スイッチ17がオンされると、主制御基板Cの制御によって球放出ソレノイド15が駆動される。これにより、球の貯留状態が解除され、貯留されていた球が図柄作動口4aへ向けて放出される。
【0092】
次に、図5を参照して、変動パターンカウンタ23fの値に応じたデータが設定された演出選定テーブル22aについて説明する。図5は、変動パターンの選定に使用する演出選定テーブル22aの構成を模式的に示した図である。
【0093】
演出選定テーブル22aは、ハズレリーチ時に実行する変動パターンの選定に使用するテーブルである。この演出選定テーブル22aには、リーチ表示を伴うハズレリーチを発生する変動パターンとして「パターンB」から「パターンE」までの4種類の変動パターンが設定されている。
【0094】
ここで、図6から図8を参照してパチンコ機1に設定された各変動パターンについて説明する。図6及び図7は、通常の始動入賞時にLCD3で行われる変動表示の表示画面を例示した図である。図8は、遊技者の放出操作による始動入賞時におけるLCD3の表示画面を示した図である。なお、図8においては、図面の理解の容易のためにLCD3と共に図柄作動口4aとセンターフレーム10とを併せて示している。
【0095】
パチンコ機1には、変動パターンとして、ハズレリーチを発生する4種類の変動パターンと、別の5種類の変動パターンとが設定されており、「パターンA」から「パターンI」まで計9種類が設定されている。
【0096】
「パターンA」は、リーチ表示を伴わないハズレ図柄を表示するパターンである。「パターンA」では、LCD3の上段の表示領域3aに表示される3つの図柄リールの変動を開始した後(図6(a)の状態)、7秒後に左側の図柄リールの変動を停止し、8秒後に右側の図柄リールの変動を停止し(図6(b)の状態)、9秒後に中央の図柄リールの変動を停止する。「パターンA」では、LCD3の下段の表示領域3bに、ゴルフのプレーヤーを模したキャラクタのアニメーションを表示する。具体的には、変動表示の開始から徐々にゴルフクラブのスイングを開始し、右側の図柄リールの変動停止と同時にゴルフプレーヤーが空振りするアニメーションを表示する。なお、図柄リールとは、LCD3に表示される「0〜9」の図柄が縦方向に順に並べられた仮想的なリールである。
【0097】
「パターンB」は、グリーンリーチと称したパターンである。「パターンB」では、上段の表示領域3aで変動表示を開始した後(図6(a)の状態)、7秒後に左側の図柄リールの変動を停止し、8秒後に右側の図柄リールの変動を停止してリーチ表示を現出させる(図6(c)の状態)。このとき、下段の表示領域3bには、ゴルフプレーヤーがボールを打って、ボールが飛んで行くアニメーションを表示する。
【0098】
右側の図柄リールの変動停止後、中央の図柄リールを4秒間(即ち、変動開始後12秒経過するまで)スクロールさせて停止する。下段の表示領域3bには、グリーンにボールが落ちてグリーン上の穴(カップ)に向かって転がって行くアニメーションを表示し、中央の停止図柄が、先に停止した左右の図柄と同一であって、大当たりを表示するときには、ボールがカップに入る(カップインする)アニメーションを表示する(図6(d)参照)。一方、中央の停止図柄が、先に停止した左右の図柄と異なり、ハズレである場合には、ボールがカップからずれた位置で停止するアニメーションを表示する。
【0099】
「パターンC」は、池ハズレリーチと称したパターンであり、「パターンB」に対して右側の図柄リールの変動停止後に、下段の表示領域3bに表示されるアニメーションのみが異なるものである。右側の図柄リールの変動停止後に、下段の表示領域3bには、池にボールが落ちるアニメーションを表示する(図7(a)参照)。
【0100】
「パターンD」は、草むらハズレリーチと称したパターンであり、「パターンB」に対して右側の図柄リールの変動停止後に下段の表示領域3bに表示されるアニメーションが異なるものである。右側の図柄リールの変動停止後、下段の表示領域3bには、草むらにボールが落ちるアニメーションを表示する(図7(b)参照)。
【0101】
「パターンE」は、カラス駆動リーチと称したパターンであり、「パターンD」に対して中央の図柄リールの変動停止後も演出が継続して行われるものである。中央の図柄リールの変動停止後(変動開始から12秒経過した後)、下段の表示領域3bには、カラスが草むらのボールを拾い上げて右側に飛んでいくアニメーションと共に、遊技者に遊技領域2cの右側への球の投入を促す「右打ち」の文字と右側へ向いた矢印(図7(c)参照)とが6秒間表示される(以下、この表示をカラスチャンス表示と称す)。このカラスチャンス表示の現出中には、カラスを模した可動部材12が斜め上方に前進するように役物駆動ソレノイド13がオンされ、可動部材12によってセンターフレーム10の移送経路10aへ球が流入し易い状態(以下、この状態をカラスチャンスと称す)が維持される(図2(b)参照)。カラスチャンス表示が現出してから6秒経過すると役物駆動ソレノイド13がオフされて可動部材12が後退する(図2(a)参照)。
【0102】
役物駆動ソレノイド13がオンされて可動部材12が前進した状態においては、球がセンターフレーム10の移送経路10aに流入し易く、移送経路10aを経由してステージ10c中央の出口レール10e上に貯留され易い。遊技者は、可動部材12が前進した状態、即ち、カラスチャンス表示が現出してから6秒間のカラスチャンス中にセンターフレーム10の右側に球が継続して流下するように操作ハンドル58を操作し、移送経路10aに球を流入させることにより、約5,6個の球が出口レール10eからステージ10cにかけて貯留される。
【0103】
ここで、可動部材12の前進に関して遊技者によって行われる遊技方法について説明する。上記した変動パターンのうち、「パターンE」の変動パターンによる変動表示が行われる場合には、可動部材12が一定時間前進した状態となる。この前進状態中に、遊技者は、弾球遊技によって盤面右側を流下する球の割合を増加させることでセンターフレーム10の移送経路10a内に球を流入させることができる。可動部材12の前進時における遊技方法としては、大別すると以下に示す2つの方法がある。
【0104】
第1の方法として、可動部材12が後退した状態においては、図柄作動口4aに球を入賞させるために盤面左側(図1の矢印X方向側の経路)に球を多く流下させる左打ち遊技を行い、可動部材12が前進したことを確認した時点で盤面右側に球を多く流下させる右打ち遊技に切り替える。この方法では、可動部材12の前進を確認してから右打ち遊技に切り替えることにより、確実に移送経路10aに球を流入させることができる。よって、確実に図柄作動口4aに入賞させることができる。
【0105】
第2の遊技方法として、可動部材12が前進する前に可動部材12が前進することを予測して、盤面左側から盤面右側に球を多く流下させる右打ち遊技に切り替える方法がある。変動表示にリーチ表示が現出すれば(図6(c)参照)、遊技者は、「パターンA」以外の変動パターンが設定されたことを認識し、LCD3に草むらが表示されると(図7(b)参照)、「パターンD」または「パターンE」のどちらかであることを認識する。よって、遊技者は、後にカラスチャンス表示が現出することを予側して右打ち遊技に前もって切り替えさせることができる。右打ち遊技に切り替えた場合にカラスチャンスが実行されると第1の遊技方法より多くの球を移送経路10aに流入させることができる。一方、カラスチャンスが実行されなければ、無駄な球を費やすこととなる。この第2の遊技方法によって、遊技者は、第1の遊技方法より危険性を伴いつつも、移送経路10aにより多くの球を流入させることができ、センターフレーム10の出口レール10eに貯留した球の貯留を自らの操作で解除するという、球の流下に遊技者が直接的に関与する遊技性をより多く愉しむことができる。以上説明した2つの遊技方法のいずれかのうち自ら選択した遊技方法に従って、遊技者は遊技を行うことができる。
【0106】
なお、パチンコ機1においては、リーチ表示を伴う「パターンB」から「パターンE」までの4種類の変動パターンのうち大当たり時に設定される変動パターンは、「パターンB」のみとなっている。「パターンC」から「パターンE」までは、変動後の表示結果がハズレである場合にのみ実行される変動パターンであり、始動入賞時に取得された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させるものでない場合に限って選定される。また、上述した「パターンA」から「パターンE」は、通常の始動入賞時に選定される変動パターンである。
【0107】
「パターンF」から「パターンI」は、通常の始動入賞時でなく遊技者の放出操作による始動入賞時に選定される特別な変動パターンである。カラスチャンス時にセンターフレーム10の出口レール10e上に貯留した球を、遊技者が操作ボタン56を押下して図柄作動口4aに入賞させた場合には、「パターンF」から「パターンI」のちいずれかが変動パターンとして選定される。この「パターンF」から「パターンI」は、変動表示の開始を待機するデモ画面のうち、貯留球検出スイッチ16がオンであって出口レール10e上の球の貯留を検出している場合に実行される特別デモ画面の表示後に実行されるものであり、特別デモ画面による演出に始動入賞後の演出が連続するように設定された変動パターンである。
【0108】
特別デモ画面の表示中には、図8(a)に示すように、LCD3の上段の表示領域3aに「よく狙え!」の表示と、「3」、「2」、「1」、「0」の4つの数字が表示され、下段の表示領域3bには、あたかも出口レール10e上に貯留された球を叩くかのようにゴルフクラブの先端側を出口レール10e側に向けてゴルフクラブを握っているゴルフプレーヤーが表示され、出口レール10e上に貯留される球が下段の表示領域3bの表示に関連づけられた演出が行われる。
【0109】
特別デモ画面の表示中に遊技者が操作ボタン56を押下する放出操作を行って球放出スイッチ17がオンされた場合には、遊技者の操作に連動するように下段の表示領域3bにゴルフプレーヤーがスイングして球を打った状態を表示すると共に(図8(b)参照)、出口レール10e上の球の貯留を解除して図柄作動口4aに向けて球を放出する。その後、図柄作動口4aに球が入賞すると、始動入賞となって特別デモ画面に連続して、「パターンF」から「パターンI」のいずれかの変動表示を開始する。
【0110】
「パターンF」は、遊技者による球の放出操作によって大当たりが発生したときに設定されるパターンである。この「パターンF」では、上段の表示領域3aには、変動開始の直後に左右の図柄リールを停止してリーチ表示を現出させる(図6(c)参照)。変動開始後、中央の図柄リールを3秒間スクロールさせてから、中央の停止図柄を、先に停止した左右の図柄と同一の図柄で停止し、大当たりを表示する。下段の表示領域3bには、グリーンに乗ったボールがカップに向かって転がった後にカップインするアニメーションを3秒間で表示する。
【0111】
「パターンG」は、遊技者による球の放出操作が行われた場合におけるハズレ時に設定されるパターンの1つである。この「パターンG」は、「パターンF」に対して中央の停止図柄を、先に停止した左右の図柄と異なる図柄で停止するものである。下段の表示領域3bには、グリーンに乗ったボールがカップに向かって転がった後、カップの手前で停止するアニメーションを3秒間で表示する。
【0112】
「パターンH」は、「パターンG」と同様、遊技者による球の放出操作が行われた場合におけるハズレ時に設定されるパターンの1つである。この「パターンH」は、「パターンG」に対して下段の表示領域3bに表示されるアニメーションのみが異なるものである。下段の表示領域3bには、グリーンに乗ったボールがカップに向かって転がった後、カップの奥側で停止するアニメーションを3秒間で表示する。
【0113】
「パターンI」は、「パターンG」及び「パターンH」と同様、遊技者による球の放出操作が行われた場合におけるハズレ時に設定されるパターンの1つである。この「パターンI」も、「パターンG」に対して下段の表示領域3bに表示されるアニメーションのみが異なるものである。変動開始後、下段の表示領域3bには、林の中にボールが落ちていく状態(OB)を表示するアニメーションを3秒間で表示する。
【0114】
このように、通常の始動入賞時に選定される変動パターンとして「パターンA」から「パターンE」が設定される一方、遊技者の放出操作による始動入賞時に選定される変動パターンとして「パターンF」から「パターンI」が設定されており、図柄作動口4aへの入賞態様によって別々の変動パターンが選定される。このため、遊技者の放出操作による始動入賞時と通常の始動入賞時とでは、選定される変動パターンを、内容の異なる別々の変動パターンとすることができ、その別々の変動パターンを遊技者の放出操作に関連づけて選定させることができる。よって、遊技者には、自らの放出操作をすることで選定され得る変動表示の変動パターンを期待させることができ、遊技者に抱かせる期待感に変化を持たせると共に、積極的に放出操作の実行を促して遊技に対する参加意識を高めることができる。
【0115】
また、遊技者の放出操作による始動入賞時に選定される変動パターンである「パターンF」から「パターンI」は、全てリーチ表示を伴う図柄を表示する変動パターンである。大当たりは、リーチ表示が現出した後に発生するので、遊技者には、放出操作によって始動入賞した場合には、LCD3で表示されるリーチ表示後に発生する大当たりを、リーチ表示を現出させない変動表示を実行させる場合に比べてより強く意識させることができる。
【0116】
ここで、特別デモ画面において、上段の表示領域3aに表示される4つの数字(図8(a)参照)は、始動入賞によって内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる特定のタイミング(時期)を遊技者に示すためのものであり、内部乱数カウンタ23bの1周期に相当する1.2秒間隔で「0」から「3」までの数字が降順に1つずつ点滅する。「0」の数字が点滅した後には、「3」の数字が再度点滅し、「3」から「0」の数字が順次点滅するカウントダウンの表示が繰り返して行われる。変動表示の待機中に出口レール10e上に球が貯留されていることが貯留球検出スイッチ16によって検出された場合には、主制御基板Cから表示用制御基板Dへ内部乱数カウンタ23bの値を伴う特別デモ表示コマンドが送信され(図13、S62参照)、そのコマンドに基づいて表示用制御基板Dの制御によって特別デモ画面がLCD3に表示される。なお、内部乱数カウンタ23bは、「0〜599」の範囲内で計600個の値を取り得るカウンタであって、後述するカウンタ更新処理によって2ms毎に1ずつ加算される。このため、内部乱数カウンタ23bの1周期は、600に2msを乗じた時間(即ち、1.2秒)となる。
【0117】
上段の表示領域3aに表示される数字の点滅が切り替わるタイミングが、大当たりを発生させる内部乱数カウンタ23bの値「7」を遊技者に示すものであり、「7」のカウント値に達するより一定時間(0.5秒)前に、点滅する数字を切り替えて表示する。パチンコ機1は、遊技者によって出口レール10e上の球の貯留を解除する放出操作が行われた後、貯留が解除された球が第1種始動口スイッチに検出されるまでには、毎回ほぼ0.5秒の時間を必要とするものであり、この時間分だけ、内部乱数カウンタ23bの値が「7」に達する前に点滅する数字を切り替える。点滅する数字を切り替えるときのカウント値としては、250回カウント値を更新した後に「7」に達する値である「357」となっている。よって、遊技者は、出口レール10e上の球の貯留を解除する放出操作のタイミングを、数字の点滅が切り替わるタイミングに一致させて行った場合に球の貯留解除後に図柄作動口4aへ入賞するタイミングを「7」の付近とすることができ、「3」から「0」まで放出操作を実行するタイミングをとりつつ大当たりを狙う遊技の興趣を得ることができる。
【0118】
このように、パチンコ機1によれば、主制御基板Cの制御によって大当たりを発生させる始動入賞の成立時期(以下、大当たり発生時期と略す。)を示すカウントダウンの表示が、表示用制御基板Dの制御によってLCD3に表示される。このため、遊技者は、LCD3に表示されるカウントダウンの表示に基づいて大当たりの発生時期を推測することができ、始動入賞の成立時期と、カウントダウンの表示に基づいて推測した大当たり発生時期とが近いと感じたときほど大当たりの発生を強く期待することができる。
【0119】
また、パチンコ機1では、出口レール10e上の球の貯留は、遊技者が操作ボタン56を押下したタイミングで解除されるので、遊技者には、カウントダウンの表示に基づいて推測した大当たり発生時期を狙って図柄作動口4aに球が入賞するように操作ボタン56を操作して利益の獲得を狙う遊技を行わせることができる。よって、遊技者は、自らが適切なタイミングを狙って放出操作を行うことによって他の遊技者より多くの利益を獲得する遊技性を付与することができ、遊技に対する参加意識を増大させるとともに、遊技者が技量を発揮し得る遊技を多様にして遊技の興趣を高めることができる。
【0120】
更に、センターフレーム10の突起10fによる球の貯留が球放出ソレノイド15によって解除されてから、第1種始動口スイッチ24によって図柄作動口4aへの球の入賞が検出されるまでには、図柄作動口4aと突起10fとの配置位置によって平均0.5秒の所要時間(タイムラグ)を必要とする。パチンコ機1によれば、表示用制御基板Dの制御によってLCD3に大当たり発生時期の情報として表示されるのは、球放出ソレノイド15によって球の貯留が解除されてから図柄作動口4aに球が入球するまでのタイムラグと略同一の0.5秒分だけ大当たり発生時期より早い時期にカウントダウンの点滅表示が更新される。このため、遊技者は、カウントダウンの点滅表示が切り替わる時期に合わせて操作ボタン56を操作して球放出ソレノイド15を作動させるだけで、始動入賞の成立時期と大当たり発生時期とを近付けることができ、操作ボタン56の操作時にタイムラグを考慮することなく、簡単な操作で大当たりの発生を狙うことができる。よって、遊技に不慣れな遊技者を含む多数の遊技者に、大当たりの発生による利益の獲得を狙う遊技の興趣を提供することができる。
【0121】
しかも、球放出ソレノイド15によって貯留が解除された球の流下という物理的な動作を介して、大当たりの発生による利益の獲得を狙わせるので、パチンコ機1の製造時または設置時におけるバラツキや、球の汚れ等の微小な変化によって、操作ボタン56の操作後に図柄作動口4aに球が入賞するまでのタイムラグには、バラツキが生じる。よって、遊技者が技量をいくら高めても、タイムラグのバラツキによって毎回大当たりを発生させることは困難とすることができ、大当たりの発生に対するランダム性を維持することができる。
【0122】
また、カウントダウンの表示は、変動待機中に表示用制御基板Dの制御によってLCD3に表示されるので、遊技者には、球放出ソレノイド15を作動させて成立した始動入賞に基づいて大当たりが発生するか否かを即座に変動表示を開始して示すことができる。変動表示中や大当たり中など変動表示が即座に開始できない状況で始動入賞が成立すると、遊技者の放出操作によって成立した変動表示を開始するまでに時間がかかり、大当たりを狙うことで高められた遊技者の緊張感や興奮が醒めやすい。これに対し、球の放出操作による始動入賞の成立に対して即座に変動表示を開始することにより、自ら遊技に参加して行った放出操作に対する大当たりの抽選結果をいち早く確認したいという遊技者の期待感に応じることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0123】
更に、変動待機中に始動入賞が成立した変動表示は、即座に実行を開始させられるので、大当たり発生時期を示す表示と、遊技者による球の放出操作による始動入賞の成立に基づいて開始される変動表示とを連続した一連の演出として遊技者に示すことができる。すなわち、大当たり発生時期を示すカウントダウンの表示中にはゴルフプレーヤーが球を叩こうとする表示を下段の表示領域3bに表示し、遊技者による球の放出操作によって開始される「パターンF」から「パターンI」の変動表示においてはゴルフプレーヤーが球を叩いてからカップにボールが入るまでのアニメーションによる演出を連続的な演出として遊技者に示すことができる。よって、自由度の高い演出を設定することができ、遊技の興趣を一層高めることができる。
【0124】
しかも、表示用制御基板Dの制御によって図柄の変動表示が行われるLCD3に大当たり発生時期を示すカウントダウンの表示が表示される。遊技中の遊技者は、大当たりの発生を遊技者に示すLCD3に注目して遊技を行うものであるので、大当たり発生時期を示すカウントダウンの表示がLCD3に表示されることによって、出口レール10e上に球が貯留されて利益の獲得を狙う遊技の実行が可能であることを示しつつ、大当たり発生時期をも同時に判り易く示すことができる。
【0125】
なお、必ずしも大当たり発生時期を示す情報は、LCD3に表示することによって遊技者に示す必要はない。表示用制御基板Dから音声ランプ制御基板Lへ内部乱数カウンタ23bの値に応じたコマンドを送信し、大当たり発生時期に同期して定期的に効果音を出力するように構成しても良く、又は、操作ハンドル56の内部に振動を発生させるモータを内蔵して大当たり発生時期に同期して定期的に操作ハンドル56が振動するように構成しても良い。
【0126】
また、大当たり発生時期に対してカウントダウンの点滅表示が更新されるタイミングは、必ずしも放出操作から始動入賞までのタイムラグ分だけ早める必要はなく、大当たり発生時期と同時にカウントダウンの点滅表示が更新されるように表示用制御基板DによってLCD3の表示を制御しても良い。遊技者には、タイムラグを考慮し、そのタイムラグ分だけ早い段階で操作ボタン56を押下して利益の獲得を狙う遊技性が付与される。よって、単にカウントダウンの表示に同期して操作ボタン56を操作することにより利益の獲得を狙わせるより遊技者に要求する技量の難易度を高めて、技術介入性の高い遊技性を遊技者に提供することができる。
【0127】
図5に戻って演出選定テーブル22aについて説明する。演出選定テーブル22aには、上述した「パターンB」から「パターンE」までの4種類の変動パターンに対する変動パターンカウンタ23fの値が区分けされている。具体的には「0〜99」の範囲内で更新される変動パターンカウンタ23fの値は、グリーンリーチの「パターンB」に対して「0〜39」、池ハズレリーチの「パターンC」に対して「40〜69」、草むらハズレリーチの「パターンD」に対して「70〜89」、カラス駆動リーチの「パターンE」に対して「90〜99」の4つの範囲に区分けされている。つまり、「パターンB」、「パターンC」、「パターンD」及び「パターンE」の変動パターンが40:30:20:10の比率に区分けされている。この演出選定テーブル22aには、グリーンリーチと池ハズレリーチと草むらハズレリーチとに比べて、カラス駆動リーチが最も少ない設定となっている。よって、カラス駆動リーチが設定された後のカラスチャンス表示中に可動部材12が6秒間前進し、球が移送経路10aの入口(球流入口10b)に流入し易い状態(カラスチャンス)を遊技者にとって限定されたものとして、カラスチャンスを期待する遊技の興趣を強調して遊技者に付与することができる。
【0128】
なお、変動パターンカウンタ23fの値は必ずしも演出選定テーブル22aにて設定した比率に区分けする必要はなく、各変動パターンの比率は別の比率に区分けしても良い。また、演出選定テーブル22aに設定する変動パターンは、必ずしも4種類に限るものでなく、2種類か3種類としても良く、又は、5種類以上としても良い。なお、変動パターンカウンタ23fの値は必ずしも演出選定テーブル22aにて設定した比率に区分けする必要はなく、各変動パターンの比率は別の比率に区分けしても良い。
【0129】
変動パターンを選定するための演出選定テーブル22aと変動パターンカウンタ23fとを使用した抽選に基づいて変動パターンが選定されると、各変動パターン毎に対応させた「B〜D」のデータが表示コマンドを構成する1つのコマンド(変動パターンコマンド)として表示用制御基板Dに出力される。表示用制御基板Dは、変動パターンコマンドを受信した場合に、各変動パターンのデータに対応して設定された時間分の演出を実行する。
【0130】
次に、上記のように構成されたパチンコ機1で実行される各処理を、図9から図14の各フローチャートを参照して説明する。図9は、パチンコ機1の主制御基板Cにおいて実行されるメイン処理のフローチャートである。メイン処理では、バックアップデータがある場合の復元や、RAMやI/O等の各値の初期化、及び、タイマ割込等の各割込の設定を行う等の初期化処理(S11)を実行し、その後に、S12からS17の各処理を所定時間毎(本実施例においては、2ms毎)に繰り返し実行して、遊技の制御を行う。
【0131】
始動入賞変動開始処理(S12)では、球が図柄作動口(第1種始動口)4aへ入賞したか否かを確認して変動表示の内容を設定すると共に、変動開始のタイミングであれば、変動表示を開始させる表示コマンドを表示用制御基板Dへ送信する。この始動入賞変動開始処理(S12)の詳細については、図10を参照して後述する。
【0132】
変動停止処理(S13)では、まず、大当たり中であるか否かを判定する。ここで、大当たり中には、大当たりの際にLCD3で表示される特別遊技の最中と特別遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。特別遊技終了後の所定時間は、例えばパチンコ機1の各状態を整えるのに要する時間などとして設定される。大当たり中ではないと判定されると、変動パターンにおける変動時間が終了しているか否かを判定する。この処理は、各変動パターン毎に設定された時間を経過したかを判定することにより行われる。変動時間が終了していれば、変動の停止と確認のために制御用コマンドの1つである確定コマンドを表示用制御基板Dへ出力し、この処理を終了する。表示用制御基板Dは、確定コマンドを入力すると、LCD3の変動表示を停止表示させる。
【0133】
カウンタ更新処理(S14)では、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、変動パターンカウンタ23fの各カウンタの値を更新する。大当たり処理(S15)では、大当たりか否かを判定し、大当たりである場合には特定入賞口6(図1参照)の開放処理を行う。一方、大当たりでない場合には、該処理をスキップしてこの処理を終了する。特定入賞口6の開放処理では、球が入賞しやすいように特定入賞口6を所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放する。特定入賞口6の開放中に、球がVゾーン6aを通過すると、継続権を成立させて、特定入賞口6の閉鎖後、再度、その特定入賞口6を所定時間(又は、球が10個入賞するまで)開放する。この特定入賞口6の開閉動作を、最高で16回(16ラウンド)繰り返す。その他の処理(S16)では、賞球の払い出しを指示するコマンドを送信する等の他の処理を実行する。図14に示す役物駆動ソレノイド13を駆動させる役物ソレノイド駆動処理は、S16の処理の中で行われる。
【0134】
ハズレ図柄カウンタ更新処理(S17)では、ハズレ図柄カウンタ23eの値を更新する。その後、次のS12の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間の間、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S17)を繰り返し実行する。S12〜S16の各処理は定期的に実行する必要があるので、S18の処理において、前回のS12の処理の実行からの経過時間をチェックする(S18)。チェックの結果、前回のS12の処理の実行から所定時間(2ms)経過していれば(S18:Yes)、処理をS12へ移行する。一方、所定時間経過していなければ(S18:No)、処理をS17へ移行して、ハズレ図柄カウンタ更新処理(S17)を繰り返す。ここで、S12〜S16の各処理の実行時間は、遊技の状態に応じて変化するので、次のS12の処理の実行タイミングが到来するまでの残余時間は、一定の時間ではない。よって、かかる残余時間を使用してハズレ図柄カウンタ更新処理(S17)を繰り返し実行することにより、ハズレ図柄カウンタ23eの値をランダムに更新することができる。
【0135】
図10は、主制御基板Cのメイン処理(図9参照)の中で実行される始動入賞変動開始処理(S12)のフローチャートである。この始動入賞変動開始処理(S12)は、保留球カウンタ23aの値が「3」以下であって演出実行1〜4メモリ23h〜23kに変動表示のデータを記憶可能な状態である場合に第1種始動口スイッチ24が球を検出して始動入賞が成立したとき、その始動入賞時における内部乱数カウンタ23bなどの値を変動表示のデータとして取得し、保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに記憶させる処理である。また、始動入賞変動開始処理(S12)は、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるとき、LCD3において変動表示が行われていなく、且つ、大当たり中でなければ保留球カウンタ23aの値を「1」減算して保留中の変動表示のデータを演出実行エリア23gに書き込んで変動表示を実行させ、一方、変動表示が行われていれば保留中の変動表示の実行を保留(待機)させる処理である。
【0136】
この始動入賞変動開始処理(S12)では、まず、第1種始動口スイッチ24が球を検出したか否かを確認する(S21)。第1種始動口スイッチ24が球を検出していれば(S21:Yes)、次に、保留球カウンタ23aの値が「4」以上であるか否かを確認する(S22)。保留球カウンタ23aの値が「4」未満であれば(S22:No)、変動表示のデータが最大の保留回数分記憶されていないので、保留球カウンタ23aの値に「1」を加算する(S23)。その後、保留ランプ5を1つ点灯させるコマンドを表示用制御基板Dへ送信し(S24)、変動表示の保留回数を示す保留ランプ5を1つ点灯させる。更に、内部乱数カウンタ23b、リーチ乱数カウンタ23c、大当たり図柄カウンタ23d、及び、ハズレ図柄カウンタ23eの各値を変動表示のデータとして保留球カウンタ23aの値が示す演出実行1〜4メモリ23h〜23kに書き込み(S25)、処理をS26へ移行する。
【0137】
一方、S21の処理において、第1種始動口スイッチ24が球を検出していなければ(S21:No)、始動入賞の成立時でなく、また、S22の処理において保留球カウンタ23aの値が「4」以上であれば(S22:Yes)、変動表示の保留回数分設けられた演出実行1〜4メモリ23h〜23kの全てに変動表示のデータが書き込まれているので、S23〜S25の処理をスキップして処理をS26へ移行する。
【0138】
S26からの処理では、まず、変動表示中か又は大当たり中(所定の遊技価値が付与される特別遊技状態中)であるか否かを確認する(S26)。変動表示中でなく且つ大当たり中でなければ(S26:No)、保留球カウンタ23aの値が「1」以上であるか否かを確認する(S27)。「1」以上であれば(S27:Yes)、保留球カウンタ23aの値から「1」を減算して(S28)、演出実行1メモリ23hに記憶されている変動表示のデータを演出実行エリア23gに書き込む(S29)。
【0139】
次に、演出実行2〜4メモリ23i〜23kに記憶されている変動表示のデータを演出実行1〜3メモリ23h〜23jへそれぞれ1つずつシフトし(S30)、放出実行フラグ23mがオンか確認する(S31)。放出実行フラグ23mがオンでなければ(S31:No)、即ち、センターフレーム10の出口レール10eに球が貯留されていない場合、または、遊技者によって操作ボタン56による球の放出操作が実行されていない場合(S35、図13参照)であれば、センターフレーム10の出口レール10eに貯留された球が遊技者により放出されて実行される変動表示でないので、変動パターンとして「パターンA」から「パターンE」のいずれかを選定する処理を行って変動パターンと停止図柄とを設定する通常表示コマンド決定処理を行い(S32、図11参照)、その通常表示コマンド決定処理(S32)により決定された表示コマンドを表示用制御基板Dに送信して(S33)、この始動入賞変動開始処理(S21)を終了する。
【0140】
一方、S31の処理において放出実行フラグ23mがオン、即ち、遊技者によって操作ボタン56による球の放出操作が実行された場合(S35、図13参照)であれば(S31:Yes)、遊技者により放出された球が図柄作動口4aに入賞して開始される変動表示であるので、変動パターンとして「パターンF」から「パターンI」のいずれかを選定する処理を行って変動パターンと停止図柄とを設定する特別表示コマンド決定処理を行い(S34、図12参照)、処理をS33へ移行する。
【0141】
また、S27の処理において保留球カウンタ23aの値が「1」未満、即ち、「0」であることが確認された場合には(S26:No)、始動入賞が成立した場合に変動表示を即座に開始可能な変動待機中である。このため、変動待機中に表示するデモ画面として遊技者に操作ボタン56を操作するタイミングを示す特別デモ画面を、表示用制御基板Dを介してLCD3に表示させる変動待機時処理(S35、図13参照)を行い、この始動入賞変動開始処理(S21)を終了する。S26の処理において変動表示中か又は大当たり中であることが確認された場合には(S26:Yes)、S27からS35の処理をスキップして始動入賞変動開始処理(S12)を終了する。
【0142】
このように、放出実行フラグのオン、オフを確認することによって、図柄作動口4aへ入賞した球が遊技者の操作ボタン56による球の放出操作による球ものであるか否かを確認することができる。
【0143】
図11は、図10に示す始動入賞変動開始処理(S12)の中で実行される通常表示コマンド決定処理(S32)のフローチャートである。表示コマンドは、主制御基板Cから表示用制御基板Dに送信されるものであり、LCD3に表示される3つの図柄リールを下方に変動表示させた後の停止時の図柄を指定するための停止図柄コマンドと、変動表示の変動パターンを指定するための変動パターンコマンドとから構成されている。通常表示コマンド決定処理(S32)では、センターフレーム10の出口レール10eから放出された球ではなく、遊技者が放出操作を行わずに成立した始動入賞に対する変動表示のデータに基づいて、表示コマンドを構成する停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを決定する。
【0144】
この通常表示コマンド決定処理(S32)では、まず、演出実行エリア23gに記憶された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であるか否かを確認する(S41)。その値が大当たりを発生させる値であれば(S41:Yes)、演出実行エリア23gに記憶された大当たり図柄カウンタ23dの値に対応した図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S42)、更に、変動パターンコマンドのデータとしてグリーンリーチからカップインの表示が行われる「B」を設定し(S43)、この通常表示コマンド決定処理(S32)を終了する。
【0145】
S41の処理において内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でない場合には(S41:No)、演出実行エリア23gに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値であるか確認する(S44)。その値がハズレリーチを発生させる値であれば(S44:Yes)、カウンタ用バッファ23lに記憶されたハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S45)、更に、変動パターンカウンタ23fの値が示すデータ(パターン)を演出選定テーブル22aから読み出して変動パターンコマンドに設定し(S46)、この表示コマンド決定処理(S32)を終了する。
【0146】
S44の処理において演出実行エリア23gに記憶されたリーチ乱数カウンタ23cの値がハズレリーチを発生させる値でない場合には(S44:No)、演出実行エリア23gに記憶されたハズレ図柄カウンタ23eの値を停止図柄コマンドに設定し(S47)、リーチ表示を伴わないハズレの変動表示であるので、「パターンA」の変動パターンを示す「A」のデータを変動パターンコマンドのデータとして設定して(S48)、この通常表示コマンド決定処理(S32)を終了する。
【0147】
図12は、図10に示す始動入賞変動開始処理(S12)の中で実行される特別表示コマンド決定処理(S34)のフローチャートである。この特別表示コマンド決定処理(S34)では、遊技者の放出操作による始動入賞時に取得された変動表示のデータ及び内部乱数カウンタ23bの値に基づいて、表示コマンドを構成する停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを決定する。
【0148】
この特別表示コマンド決定処理(S34)では、まず、演出実行エリア23gに記憶された内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値であるか否かを確認する(S51)。その値が大当たりを発生させる値であれば(S51:Yes)、演出実行エリア23gに記憶された大当たり図柄カウンタ23dの値に対応した図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定する(S52)。その後、変動開始と同時にリーチ表示が現出した後にカップインの表示が行われる「F」を変動パターンコマンドのデータとして設定し(S53)、放出実行フラグ23mをオフして(S54)、特別表示コマンド決定処理(S34)を終了する。
【0149】
S51の処理において内部乱数カウンタ23bの値が大当たりを発生させる値でない場合には(S51:No)、カウンタ用バッファ23lに記憶されたハズレリーチを構成する図柄の組み合わせを示す値を停止図柄コマンドに設定し(S55)、演出実行エリア23gに記憶された内部乱数カウンタ23bの値が「0〜6」の範囲内であるか確認する(S56)。「0〜6」の範囲内であれば(S56:Yes)、大当たりを発生させる内部乱数カウンタ23bの値「7」より少し早いタイミングで遊技者によって操作ボタン56による球の放出操作が行われている。この場合には、変動開始と同時にリーチ表示が現出した後にカップの手前でボールが停止する表示が行われる「G」を変動パターンコマンドのデータとして設定して(S57)、処理をS54へ移行する。
【0150】
S56の処理において確認した内部乱数カウンタ23bの値が「0〜6」の範囲内でなければ(S56:No)、その内部乱数カウンタ23bの値が「8〜15」の範囲内であるか確認する(S58)。「8〜15」の範囲内であれば(S58:Yes)、大当たりを発生させる内部乱数カウンタ23bの値「7」より少し遅れたタイミングで遊技者によって操作ボタン56による球の放出操作が行われている。この場合には、変動開始と同時にリーチ表示が現出した後にカップの奥側でボールが停止する表示が行われる「H」を変動パターンコマンドのデータとして設定して(S59)、処理をS54へ移行する。S58の処理において確認した内部乱数カウンタ23bの値が「15」の範囲内でなければ(S5:No)、内部乱数カウンタ23bの値は「0〜15」の範囲外である。この場合には、変動開始と同時にリーチ表示が現出した後に林の中にボールが落ちて「OB」となる表示が行われる「I」を変動パターンコマンドのデータとして設定して(S60)、処理をS54へ移行する。
【0151】
このように、図12の特別表示コマンド決定処理(S34)では、遊技者の放出操作による始動入賞時に取得された変動表示のデータ及び内部乱数カウンタ23bの値に基づいて、表示コマンドを構成する停止図柄コマンド及び変動パターンコマンドを決定することができ、遊技者の放出操作が行われた後には、特別デモ画面に連続した変動パターンである「パターンF」から「パターンI」のいずれかの変動パターンを設定することができる。
【0152】
また、特別表示コマンド決定処理(S34)では、大当たりを発生させる内部乱数カウンタ23bの値「7」より少し早いタイミングで遊技者によって操作ボタン56による球の放出操作が行われていると判断された場合には、S57の処理によって変動パターンコマンドのデータとして「G」のデータが設定され、カップの手前でボールが停止する表示が行われる「パターンG」の変動パターンによる変動表示がLCD3に表示される。一方、大当たりを発生させる内部乱数カウンタ23bの値「7」より少し遅れたタイミングで遊技者によって操作ボタン56による球の放出操作が行われていると判断された場合には、S59の処理によって変動パターンコマンドのデータとして「H」のデータが設定され、カップの奥側でボールが停止する表示が行われる「パターンH」の変動パターンによる変動表示がLCD3に表示される。このため、遊技者には、LCD3の表示内容によって始動入賞のタイミングが、早かったのか遅かったのかを示すことができる。よって、遊技者は、自らの操作による図柄作動口4aへの入賞に基づく始動入賞のタイミングが大当たりを発生させる特定のタイミングより早いか遅いかを知ることで、遊技に対する関心を高めることができる。また、前回以前の操作において、始動入賞のタイミングが大当たりを発生させる特定のタイミングより早かったか、遅かったかによって次回以降の操作にその結果を反映させることができる。よって、遊技の技量が次第に高められる遊技性を付与することができる。
【0153】
更に、特別表示コマンド決定処理(S34)では、内部乱数カウンタ23bの値が「0〜15」の範囲外であって大当たりを発生させる値「7」からカウント値6個分、即ち、2msに6を乗じた12ms以上の時間のずれがあって遊技者による球の放出操作が行われていると判断された場合には、S60の処理によって変動パターンコマンドのデータとして「I」のデータが設定され、変動開始と同時にリーチ表示が現出した後に林の中にボールが落ちて「OB」となる表示がLCD3に表示される。内部乱数カウンタ23bの値が「0〜15」の範囲内であって大当たりを発生させる値「7」を示すタイミングに対して12ms以内の時間のずれで遊技者による球の放出操作が行われていると判断された場合には、「パターンF」、「パターンG」、「パターンH」のいずれかの変動パターンによってグリーンにボールが乗るアニメーションがLCD3に表示されるので、遊技者は、LCD3の表示内容によって始動入賞のタイミングが大当たりを発生させるタイミングに近かったか、それとも遠かったかなどタイミングのずれを示すことができる。よって、遊技者は、自らの操作による図柄作動口4aへの入賞に基づく始動入賞のタイミングと大当たりを発生させるタイミングとのずれの程度を知ることで、積極的に参加する遊技に対する関心を一層高めることができる。
【0154】
しかも、「パターンG」及び「パターンH」による変動表示は、「パターンF」と同様にグリーンに乗ったボールがカップに向かって転がるアニメーションがLCD3に表示される一方、「パターンI」による変動表示は、「パターンF」、「パターンG」、及び、「パターンH」とは異なり、リーチ表示が現出した後に林の中にボールが落ちて「OB」となるものである。つまり、始動入賞のタイミングと大当たりを発生させるタイミングとのずれが小さかったときに選定される「パターンG」及び「パターンH」の変動パターンは、リーチ表示から「パターンF」と同一の表示内容(表示態様)で表示される期間の長い変動パターンとされる一方、そのずれが大きいときに選定される「パターンI」の変動パターンは、「パターンF」と同一の表示内容で表示される期間の短い変動パターンとされている。遊技者は、大当たりが発生するときに表示される内容と同種の表示内容で変動表示が継続されるほど大当たりの発生を期待することができる。よって、始動入賞のタイミングと大当たりを発生させるタイミングとのずれが小さかったときに、大当たりをより強く期待することができる変動パターンを遊技者に示すことができ、タイミングのずれが小さかったことをより判り易く遊技者に示して遊技の興趣を向上することができる。
【0155】
なお、大当たりを発生させるタイミングに対して始動入賞のタイミングが早いとき若しくは遅いとき、又は、両タイミングのずれの大小によって、必ずしも異なる変動パターンを選定する必要はない。大当たりを発生させる特定のタイミングに対して始動入賞のタイミングが早いとき、又は、遅いときの2種のみで異なる変動パターンを選定するようにしても良い。遊技者には、表示される変動パターンによって遊技者自らの操作による始動入賞のタイミングが、早かったのか遅かったのかを認識させることができ、前回以前の操作におけるずれの前後の結果を次回以降の操作により確実に反映させることができる。また、始動入賞のタイミングと、大当たりを発生させるタイミングとのずれの大小によってのみ、異なる変動種別を選定するものであっても良い。
【0156】
図13は、始動入賞変動開始処理(図10参照)の中で実行される変動待機時処理(S35)のフローチャートである。変動待機時処理(S35)は、始動入賞が成立した場合に即座に変動表示を開始可能な変動待機中に実行される処理である。この変動待機時処理(S35)は、変動待機中に表示するデモ画面として、遊技者に操作ボタン56を操作するタイミングを示す特別デモ画面を表示用制御基板Dに表示させると共に、遊技者によって操作ボタン56に対する放出操作が行われたタイミングで出口レール10e上に貯留された、球の貯留を解除させる処理である。
【0157】
この変動待機時処理(S35)では、貯留球検出スイッチ16がオンか確認する(S61)。貯留球検出スイッチ16がオンであれば(S61:Yes)、センターフレーム10の出口レール10e上に球が貯留された状態であって、遊技者に操作ボタン56を押下させて放出操作を行わせる必要があるので、内部乱数カウンタ23bの値に基づいて特別デモ表示コマンドを表示用制御基板Dへ送信する(S62)。表示用制御基板Dに特別デモ表示コマンドが送信されると、表示用制御基板Dの制御によって「3」から「0」の数字の点滅を繰り返すカウントダウンの表示を行う特別デモ画面が表示される(図8(a)参照)。
【0158】
その後、球放出スイッチ17がオンされたか確認する(S63)。球放出スイッチ17がオンされていれば(S63、Yes)、遊技者が放出操作として操作ボタン56を押下したタイミングであるので、球放出ソレノイド15を駆動して(S64)、出口レール10e上に貯留された球を図柄作動口4aへ向けて放出し、更に球放出実行コマンドを表示用制御基板Dへ送信する(S65)。表示用制御基板Dに球放出実行コマンドが送信されると、表示用制御基板Dの制御によってLCD3の下段の表示領域3bにゴルフプレーヤーが球を打った状態が表示される(図8(b)参照)。
【0159】
S65の処理後、放出実行フラグ23mをオンし(S66)、この変動待機時処理(S35)を終了する。S66の処理によって、遊技者の放出操作により球が放出されたことが主制御基板Cに記憶されるので、次に行われる変動表示が遊技者の放出操作による始動入賞に基づくものであることを主制御基板Cに記憶させることができる。よって、次回に開始される変動表示に対しては、特別デモ画面に連続した変動表示を実行する「パターンF」から「パターンI」のいずれかの変動パターンを特別表示コマンド決定処理(図10、S34参照)で選定することができる。
【0160】
一方、S63の処理において球放出スイッチ17がオフであれば(S63:No)、遊技者が未だ操作ボタン56を操作していないので、S64からS66の処理をスキップして、変動待機時処理(S35)を終了する。また、S61の処理において貯留球検出スイッチ16がオフであれば(S61:No)、センターフレーム10の出口レール10e上に球が貯留されていないので、パチンコ機1のタイトルやメーカー名、或いは、アニメーションなどを表示する特別デモ画面以外の通常のデモ画面を表示させるための通常デモ表示コマンドを表示用制御基板Dへ送信して(S67)、この変動待機時処理(S35)を終了する。
【0161】
このように、変動待機中に実行される変動待機時処理(S35)の中で、S62の処理によって主制御基板Cは、内部乱数カウンタ23bの値に基づいて特別デモ表示コマンドを表示用制御基板Dへ送信し、表示用制御基板Dを介して特別デモ画面(カウントダウン)の表示を変動待機中にLCD3に表示する。このため、遊技者には、変動待機中に大当たり発生時期を狙って球放出ソレノイド15を作動させる放出操作を行わせ、その放出操作によって成立した始動入賞に基づいて大当たりが発生するか否かを即座に変動表示を開始して遊技者に示すことができる。
【0162】
また、S61の処理によって貯留球検出スイッチ16がオンであって出口レール10e上に球が貯留されていると判断された場合に限って、S62の処理によって大当たり発生時期を示す特別デモ画面がLCD3に表示されるので、球が貯留されていることを特別デモ画面の表示に基づいて遊技者に判り易く示し、球の貯留を解除する操作ボタン56の操作の実行を促すことができる。よって、遊技に不慣れな遊技者であっても、大当たりの発生による利益の獲得を狙う遊技の興趣を判り易く示唆することができる。
【0163】
更に、S65の処理によって、表示用制御基板Dに球放出実行コマンドが送信されると、表示用制御基板Dの制御によってLCD3の下段の表示領域3bにゴルフプレーヤーが球を打った状態が表示される。よって、遊技者には、操作ボタン56を操作したタイミングであたかもLCD3の下段の表示領域3bに表示されるゴルフプレーヤーが、弾球遊技に使用する遊技媒体である球を打ったような印象を持たせることができ、弾球遊技と表示演出とが融合した演出による遊技の興趣を際立たせることができる。
【0164】
図14は、主制御基板Cの中で実行される役物ソレノイド駆動処理のフローチャートである。この役物ソレノイド駆動処理は、図9に示すメイン処理中のその他の処理(S16)の1つとして定期的に実行される処理である。この役物ソレノイド駆動処理は、ハズレリーチの変動パターンを選定する処理(図11のS46の処理)によって「パターンE」のカラス駆動リーチが選定された場合に役物駆動ソレノイド13を駆動してカラスを模した可動部材12を駆動させる処理である。
【0165】
この役物ソレノイド駆動処理では、まず、「パターンE」のカラス駆動リーチの変動表示を実行中か確認し(S71)、カラス駆動リーチの変動表示を実行中であれば(S71:Yes)、変動開始後12秒経過した時か確認する(S72)。変動開始後12秒経過した時であれば(S72:Yes)、役物駆動ソレノイド13をオンして(S73)、カラスを模した可動部材12を前進させて、この役物ソレノイド駆動処理を終了する。S72の処理において変動開始後12秒経過する前か、12秒以上経過した後であれば(S72:No)、変動開始後18秒経過した時か確認する(S74)。変動開始後18秒経過した時であれば(S74:Yes)、オンされている役物駆動ソレノイド13をオフする時であるので、役物駆動ソレノイド13をオフして(S75)この役物ソレノイド駆動処理を終了する。
【0166】
S74の処理において変動開始後18秒経過する前か、18秒を経過した後であれば(S74:No)、S75の処理をスキップして役物ソレノイド駆動処理を終了する。S71の処理においてカラス駆動リーチの変動表示を実行中でないことが確認された場合には(S71:No)、役物駆動ソレノイド13を駆動する必要がないので、S72からS75の処理をスキップして役物ソレノイド駆動処理を終了する。
【0167】
このように、役物ソレノイド駆動処理では、変動表示の変動パターンを抽選する処理(図11のS44及びS46の処理)によって「パターンE」のカラス駆動リーチが選定された場合には、主制御基板Cは、役物駆動ソレノイド13を介してカラスを模した可動部材12を後退状態から前進状態に6秒間切り替える。可動部材12が前進状態に切り替えられると、センターフレーム10の移送経路10a内に球が流入し易くなり、遊技者は、貯留された球の放出操作によって積極的に大当たりを狙う特別な遊技を行うことができる。よって、遊技者は、大当たりの発生を示す変動表示を視認して可動部材12の作動を確認することができ、遊技中に可動部材12を視認し続けなくても可動部材12の切り替え動作の実行を判り易く認識することができ、大当たりを積極的に狙う特別な遊技の機会を逃すことなく的確に得ることができる。
【0168】
以上説明したように、遊技者は、大当たりを積極的に狙う遊技として、大当たり発生時期を示すカウントダウンの表示(図8(a)参照)に基づいて大当たりの発生時期を推測することができ、始動入賞の成立時期と、カウントダウンの表示に基づいて推測した大当たり発生時期とが近い状態で始動入賞を成立させたときほど大当たりを強く期待することができる。よって、始動入賞の成立時期に応じて抑揚のある期待感を抱く遊技性によって遊技の興趣を高めることができる。
【0169】
また、遊技者は、センターフレーム10の移送経路10aに流入して出口レール10e上に貯留された球を、操作ボタン56を操作して自らの意図するタイミングで解除することができるので、カウントダウンの表示に基づいて推測した大当たり発生時期を狙って図柄作動口4aに球が入賞するように操作ボタン56を操作して大当たりを狙う遊技を行うことができる。よって、遊技者は、自らが適切なタイミングを狙って放出操作を行うことによって他の遊技者より多くの利益を獲得する機会を得ることができ、遊技に対する参加意識が高められるとともに、遊技者が技量を発揮し得る遊技を多様にして、技量を高めることによって大きな利益を獲得する遊技の興趣を得ることができる。
【0170】
更に、図柄作動口4aへ球が入賞して始動入賞となった場合に、その始動入賞のタイミングと内部乱数カウンタ23bが「7」となって大当たりを発生させるタイミング(特定のタイミング)とが不一致であってずれているときには、特定のタイミングに対する始動入賞のタイミングに応じた変動表示の変動パターンが図12に示す特別表示コマンド決定処理(S33)によって選定される。このため、特別表示コマンド決定処理(S33)によって特定のタイミングに対する始動入賞のタイミングに応じた変動パターンによる変動表示を表示用制御基板Dの制御によってLCD3に表示することができる。よって、遊技者には、自らの操作によって図柄作動口4aへ入賞させた球の始動入賞のタイミングと大当たりを発生させるタイミングとのずれを推測させることができ、遊技中の変動表示の実行に対する遊技者の関心を高めて遊技の興趣を向上することができる。
【0171】
なお、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機0における表出手段としては、上記実施例における図13のS62の処理が例示され、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機0における特定の検出時期としては、内部乱数カウンタ23bが大当たりを発生させる「7」の値である時期が例示され、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機0における特定の検出時期を示す時期情報としては、S62の処理による特別デモ表示コマンドによって特別デモ画面に表示されるカウントダウンの表示が例示される。また、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機0における遊技者の操作としては、上記実施例における遊技者が上皿ボタン56を押下する操作が例示される。また、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機0における変動種別選定手段としては、上記実施例における図12に示す特別表示コマンド決定処理(S33)が例示される。また、請求項1記載の遊技機および後述する遊技機0における特定の検出時期と入球検出時期とが不一致である場合とは、特定の検出時期から外れて遊技球の入球が検出された場合を意味している。
【0172】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
【0173】
例えば、上記実施例では、特別デモ画面の表示において、カウントダウンの点滅が切り替わるタイミングを大当たり発生時期と同期させることにより、遊技者に内部乱数カウンタ23bが大当たりを発生させる大当たり発生時期を示したが、大当たり発生時期を示す情報は上記実施例に限定されるものでない。例えば、一定速度で回転する針の表示が特定の方向(例えば、真上)を指示したときと大当たり発生時期とを同期させて、遊技者に針の回転を視認して大当たりを狙わせるなど、連続したアニメーションによって大当たり発生時期を示す情報を表示するものであっても良い。
【0174】
また、上記実施例では、始動入賞毎に抽選される変動表示の変動パターンが「パターンE」のカラス駆動リーチである場合に、主制御基板Cの制御によって役物駆動ソレノイドを介して可動部材12を6秒間前進させ、遊技者に、貯留された球の放出操作によって積極的に大当たりを狙う特別な遊技の機会を付与したが、必ずしも、変動パターンに対応づけて可動部材12を動作させて大当たりをお狙う機会を遊技者に付与する必要はない。例えば、主制御基板Cに大当たり発生後の変動表示の実行回数を計数するカウンタを備え、そのカウンタによって計数される変動表示の実行回数が所定回数(例えば、1000回)に達した場合に可動部材12を後退状態から前進状態に一定期間切り替えるように役物駆動ソレノイド13の制御を行わせても良い。大当たりが発生してからの変動表示の実行回数が多くなるほど、遊技者の不満感が募るものであるので、所定回数の変動表示が実行されたにも拘わらず大当たりが付与されなかった遊技者に対しては、自らが球の放出操作を行って大当たりを積極的に獲得する機会を付与することができ、放出操作の実行時における大当たりへの期待感や緊張感を高めて遊技の興趣を一層高めることができる。なお、可動部材12を後退状態から前進状態に一定期間切り替える条件としての所定回数は、一定回数毎(例えば、100回毎)であっても良い。
【0175】
また、上記実施例では、主制御基板Cから表示用制御基板Dに特別デモ表示コマンドを送信し、表示用制御基板Dの制御によってLCD3にカウントダウンの表示を表示させることにより、大当たり発生時期を遊技者に示したが、必ずしもパチンコ機1によって遊技者に大当たり発生時期を示す必要はない。パチンコ機1の側方や上部に設置されて大当たり回数や変動表示の実行回数などパチンコ機1に関する情報を表示する外部装置に大当たり発生時期を示すコマンドを出力する処理とそのコマンドを出力する出力端子とをパチンコ機1に設け、主制御基板Cの制御によってその出力端子から大当たり発生時期を示すコマンドを出力して外部装置で大当たり発生時期を示す情報を表示させても良い。パチンコ機1以外の他の装置によって大当たり発生時期を示す情報を遊技者に提供することができるので、例えば、大当たり発生時期を示す情報を特定のイベントを行う日に遊技者に示すなど、遊技場の管理における自由度を高めることができる。
【0176】
また、上記実施例では、主制御基板Cによって役物駆動ソレノイド13を駆動して可動部材12の前進及び後退を制御させたが、必ずしも主制御基板Cの制御によって役物駆動ソレノイド13の駆動を制御する必要はなく、主制御基板Cから可動部材12を動作させるコマンドを、表示用制御基板Dなどの他の基板に送信し、その基板によって役物駆動ソレノイド13の駆動を制御しても良い。
【0177】
また、上記実施例においては、可動部材12は、遊技盤2の斜め上方に沿ってスライド移動するように構成したが、可動部材12をスライド移動する方向は上記実施例に限定されるものでない。遊技盤2の前面より奥側に埋もれて配設された可動部材を遊技盤2の前面に突出させて球をセンターフレーム10の移送経路10a(球流入口10b)へ誘導する構成としても良く、又は、可動部材を上下方向や左右方向にスライド移動させたり、或いは、可動部材を回動させたりして球を移送経路10aへ誘導するように構成しても良い。また、可動部材12に駆動力を付与するのは、通電によって駆動するソレノイドに限定されるものでなく、モータなど他の駆動装置を使用しても良い。
【0178】
また、上記実施例に示すように、図柄作動口4aを含む入賞口4a,7へ球が入賞(入球)した場合に必ずしも一定数個の球を賞球として払い出すことにより遊技者に利益を付与する必要はなく、入賞口4a,7への球の入賞に応じたデータを磁気カードへ書き込むことにより、遊技者に利益を付与しても良い。また、遊技盤2前面の所定位置に球が通過可能な通過口を形成するゲートを設けて、その通過口を球が通過した場合に賞球の払い出しや磁気カードへのデータの書き込みを行って遊技者に利益を付与しても良い。
【0179】
また、上記実施例に示すように、動的表示の一種である変動表示は、LCD3上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、横方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであっても良い。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、図柄と共に或いは図柄とは別に、識別情報として用いられる。
【0180】
また、可動部材12の外観や各変動パターン毎に行われる表示演出の内容は、本実施例における表示演出に限定されるものでなく、他の対象物(例えば、ボールや自動車)を模して可動部材を形成したり、別の表示演出(例えば、球技による演出や自動車のレースによる演出)によって変動パターンを構成しても良い。この場合には、可動部材の外観に関連する表示を伴う表示演出とすることが好ましい。
【0181】
更に、上記実施例に示すように、操作ボタン56は上皿55の左側端部に設けたが、操作ボタン56の配置位置は、これに限らず、例えば、操作ハンドル58に一体化させて操作ボタン56を配置しても良い。パチンコ機1を操作する遊技者は、常に操作ハンドル58を把持し続けるので、遊技者には、操作ハンドル58を把持した手で操作ボタン56を簡易に操作させることができる。
【0182】
本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施しても良い。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施しても良い。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施しても良い。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球など別の弾球式の遊技機で本発明を実施するようにしても良い。
【0183】
以下に本発明の遊技機および変形例を示す。識別情報を表示する表示装置と、遊技球が投入される遊技領域に設けられる作動領域への遊技球の入球を検出する検出手段と、その検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に、前記検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、その制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると、前記表示装置に予め定めた表示結果を現出させると共に前記所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記遊技領域における前記作動領域に対する遊技球の流下方向上流側に遊技球を貯留する貯留手段と、
その貯留手段によって貯留された遊技球の貯留を遊技者の操作に応じて解除する貯留解除手段と、前記検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に前記制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出される特定の検出時期を示す時期情報を表出する表出手段と、その表出手段によって表出される前記時期情報の示す前記特定の検出時期と前記入球検出時期とが不一致である場合に、少なくとも2種以上に設定された異なる表示態様を伴う前記動的表示の変動種別のうち前記特定の検出時期に対する前記入球検出時期に応じた前記動的表示の変動種別を選定する変動種別選定手段とを備えていることを特徴とする遊技機0。
【0184】
遊技機0において、前記変動種別選定手段は、前記入球検出時期が前記特定の検出時期より早い第1期間内である場合に第1変動種別を選定し、前記入球検出時期が前記特定の検出時期より遅い第2期間内である場合に前記第1変動種別とは異なる表示態様を伴う第2変動種別を選定するものであることを特徴とする遊技機1。
【0185】
遊技機1によれば、遊技球の入球検出時期が特定の検出時期より早い第1期間と、特定の検出時期より遅い第2期間とによって異なる変動種別が選定される。このため、遊技者には、遊技球の入球検出時期が特定の検出時期より早いか遅いかを変動種別に伴う表示態様の違いによって認識させることができる。よって、遊技者には、自らの操作によって作動領域へ入球させた遊技球の入球検出時期が特定の検出時期より早いか遅いかの操作結果を知らせることで遊技に対する遊技者の関心を一層高めると共に、前回以前の操作におけるずれの前後の結果を次回以降の操作に反映して遊技の技量が次第に高められる遊技性を付与することができる。
【0186】
なお、特定の検出時期とは、所定のタイミングで更新されるカウンタの値が特定の当たり値を示す時期に始動条件が成立すると所定の遊技価値が付与される遊技機における特定の当たり値(本実施例では、内部乱数カウンタ23bの値が「7」を示すとき)を示す時期を意味している。また、第1期間(又は、第2期間)としては、特定の検出時期より早い時期(又は、遅い時期)に予め定めた幅を持たせた一定期間である。
【0187】
また、遊技機1における第1期間としては、例えば、上記実施例における2ms毎に更新される内部乱数カウンタ23bの値が0から6である期間が例示され、遊技機1における第2期間としては、例えば、上記実施例における2ms毎に更新される内部乱数カウンタ23bの値が8から15である期間が例示される。
【0188】
遊技機0において、前記制御手段は、所定時間毎に更新されるカウンタと、そのカウンタのカウント値を更新する更新手段と、前記カウンタのカウント値を前記検出手段による遊技球の入球検出時期に応じて取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が予め定めた特定値であるか否かに基づいて前記所定の遊技価値を付与するか否かを決定する抽選手段とを備え、前記変動種別選定手段は、前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記更新手段による所定の第1回数以下の更新によって前記特定値に達する第1区間内の値である場合に第1変動種別を選定し、前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記特定値に対して前記更新手段による所定の第2回数以下の更新を示す第2区間内の値である場合に、前記第1変動種別とは異なる表示態様を伴う第2変動種別を選定するものであることを特徴とする遊技機2。
【0189】
遊技機2によれば、遊技球の入球検出時期に応じて取得手段によってカウンタのカウント値が取得され、その取得手段によって取得されたカウンタのカウント値が予め定めた特定値である場合に特定の検出時期と遊技球の入球検出時期とが一致したとして、抽選手段によって所定の遊技価値の付与が決定される。ここで、取得手段によって取得されたカウンタのカウント値が、更新手段による第1回数以下の更新によって特定値に達する第1区間内の値である場合には、変動種別選定手段によって第1変動種別が選定される。このため、特定の検出時期に対して遊技球の入球検出時期が一定時間以内で早かった場合には、第1変動種別による動的表示が変動種別選定手段によって選定される。
【0190】
一方、取得手段によって取得されたカウンタのカウント値が、特定値に対して更新手段による第2回数以下の更新を示す第2区間内の値である場合には、変動種別選定手段によって第1変動種別とは異なる表示態様を伴う第2変動種別が選定される。このため、特定の検出時期に対して遊技球の入球検出時期が一定時間以内で遅れた場合には、第2変動種別による動的表示が変動種別選定手段によって選定される。よって、遊技者には、遊技球の入球検出時期が特定の検出時期より早いか遅いかを各変動種別に伴う表示態様の違いによって認識させることができ、自らの操作によって作動領域へ入球させた操作結果を次回以降の操作に反映して遊技の技量が次第に高められる遊技性を付与することができる。
【0191】
なお、遊技機2におけるカウンタとしては、例えば、上記実施例における主制御基板CのRAM23に設けられる内部乱数カウンタ23bが例示される。更新手段としては、内部乱数カウンタ23b等の値を更新するカウンタ更新処理(図9のS14の処理)が例示され、取得手段としては、図10に示す始動入賞変動開始処理(S12)におけるS25の処理が例示される。抽選手段としては、図12に示す特別表示コマンド決定処理(S33)におけるS51の処理が例示される。また、上記実施例における第1区間としては、内部乱数カウンタ23bの値(カウント値)が7回(第1回数)以下の更新によって特定値としての「7」に達する「0〜6」の値を示す区間が例示され、第2区間としては、内部乱数カウンタ23bの値が特定値に対して8回(第2回数)以下の更新を示す「8〜15」の値を示す区間が例示される。ここで、第1回数と第2回数とは、上記実施例に対応する回数に限定されるものではなく、他の回数としても良い。
【0192】
遊技機0から2のいずれかににおいて、前記変動種別選定手段は、前記入球検出時期が前記特定の検出時期に対して早い側又は遅い側のうち少なくともいずれか一方の側における一定時間内である場合に第3変動種別を選定し、前記入球検出時期が前記特定の検出時期に対して前記一定時間より前記一方の側へ大きくずれた場合には第3変動種別以外の変動種別を選定するものであることを特徴とする遊技機3。
【0193】
遊技機3によれば、変動種別選定手段によって入球検出時期と特定の検出時期とのずれが一定時間内である場合と、一定時間より大きくずれた場合とで別々の変動種別を選定することができる。このため、遊技者には、作動領域への入球検出時期と特定の検出時期とのタイミングのずれの程度を変動種別選定手段によって選定される変動種別に基づいて認識させることができる。よって、遊技者には、自らの操作によって作動領域へ入球させた遊技球の入球検出時期と特定の検出時期とのタイミングのずれの程度を知らせることで遊技に対する遊技者の関心を一層高めて遊技の興趣を向上することができる。
【0194】
遊技機0から2のいずれかにおいて、前記制御手段は、所定時間毎に更新されるカウンタと、そのカウンタのカウント値を更新する更新手段と、前記カウンタのカウント値を前記検出手段による遊技球の入球検出時期に応じて取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が予め定めた特定値であるか否かに基づいて前記所定の遊技価値を付与するか否かを決定する抽選手段とを備え、前記変動種別選定手段は、前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記特定値に達する前又は前記特定値に達した後のうち少なくともいずれか一方の側における前記更新手段による所定の第3回数以下の更新を示す第3区間内の値である場合に第3変動種別を選定し、前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記特定値に対して前記第3回数より多い回数分の更新であってその第3回数より多い第4回数以下の更新を示す第4区間内の値である場合に前記第3変動種別とは異なる第4変動種別を選定するものであることを特徴とする遊技機4。
【0195】
遊技機4によれば、取得手段によって取得されたカウンタのカウント値が、特定値に対して第3回数以下の更新を示す第3区間内の値である場合と、特定値に対して第3回数より多い回数分の更新であってその第3回数より多い第4回数以下の更新を示す第4区間内の値である場合とで、それぞれ別々の変動種別が変動選定手段によって選定される。このため、遊技球の入球検出時期と特定の検出時期とのずれが第3回数以下の更新に要する一定時間内である場合と、その一定時間より大きくずれた場合とで別々の変動種別を選定することができる。よって、遊技者には、自らの操作によって作動領域へ入球させた遊技球の入球検出時期と特定の検出時期とのタイミングのずれの程度を知らせることで遊技に対する遊技者の関心を一層高めて遊技の興趣を向上することができる。
【0196】
なお、遊技機4におけるカウンタとしては、上記実施例における主制御基板CのRAM23に設けられる内部乱数カウンタ23bが例示される。更新手段としては、カウンタ更新処理(図9のS14の処理)が例示され、取得手段としては、図10に示す始動入賞変動開始処理(S12)におけるS25の処理が例示される。抽選手段としては、図12に示す特別表示コマンド決定処理(S33)におけるS51の処理が例示される。
【0197】
また、遊技機4における第3区間としては、上記実施例における内部乱数カウンタ23bの値(カウント値)が特定値としての「7」に達する前における7回(第3回数)以下の更新を示す「0〜6」の値を示す区間が例示され、第4区間としては、内部乱数カウンタ23bの値(カウント値)が特定値に対して7回より多い回数分の更新であって299回(第4回数)以下の更新を示す「308〜599」の値を示す区間が例示される。ここで、第3回数と第4回数とは、上記実施例に対応する回数に限定されるものではなく、他の回数としても良い。また、第3回数及び第4回数は、特定値に達する前と特定値に達した後とで同一の回数に設定しても良く、特定値に達する前と特定値に達した後とでそれぞれ別々の回数に設定しても良い。
【0198】
遊技機3または4において、前記制御手段は、前記入球検出時期と前記特定の検出時期とが一致して所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出された場合に特定の第4変動種別による動的表示を前記表示装置に行わせるものであり、前記第3変動種別は、前記第3変動種別以外の変動種別と比較して、前記動的表示の開始から、前記第4変動種別と同種の表示態様を現出する期間の長い変動種別であることを特徴とする遊技機5。
【0199】
遊技機5によれば、第3変動種別は、第3変動種別以外の変動種別と比較して、所定の遊技価値を付与する抽選結果の導出によって行われる第4変動種別と同種の表示態様を現出する期間の長い変動種別である。このため、第3変動種別の実行時に遊技者に大当たりを信頼させる程度(信頼度)を、第3変動種別以外の変動種別と比較して高くすることができる。よって、入球検出時期と特定の検出時期とのずれが一定時間内である場合に選定される第3変動種別によって、遊技球の入球検出時期と特定の検出時期とのタイミングのずれが小さかったことをより強く遊技者に示すことができる。なお、同種の表示態様とは、必ずしも完全に同一であることを要するものでなく、変動種別の主となる表示が同種であって多種の値を取り得る識別情報が異なる場合等を含む趣旨である。
【0200】
遊技機0から5のいずれかにおいて、前記第2変動種別選定手段は、動的表示の途中で現出して遊技者に所定の遊技価値の付与を期待させる興趣演出を伴う変動種別のみを選定するものであることを特徴とする遊技機6。
【0201】
遊技機6によれば、第2変動種別選定手段によって選定される変動種別は、興趣演出を伴う変動種別のみであるので、遊技者の操作によって貯留解除手段が動作して作動領域へ遊技球が入球したときには、興趣演出を伴う変動種別が動的表示の変動種別として選定される。よって、動的表示後に遷移する遊技状態をより遊技者に意識させることができ、遊技者に抱かせる期待感に変化を持たせることができる。
【0202】
なお、興趣演出とは、遊技者の視覚、聴覚、或いは、触覚等を通じて動的表示の途中で現出して遊技者に所定の遊技価値の付与を期待させるものである。興趣演出としては、例えば、動的表示の途中でその一部が停留すると共にその停留した動的表示の一部で前記予め定めた表示結果の一部を構成して遊技者に所定の遊技価値の付与を期待させるリーチ表示が例示される。
【0203】
遊技機0から6のいずれかにおいて、前記表出手段は、前記特定の検出時期を前記時期情報として表出するものであることを特徴とする遊技機7。
【0204】
遊技機7によれば、所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出される特定の検出時期が、時期情報として表出手段によって表出されるので、遊技者には、特定の検出時期を表出手段によって表出される時期情報に基づいて直接的、且つ、判り易く確認させることができる。よって、作動領域に遊技球が入球して始動条件が成立した場合に、遊技者は、始動条件の成立した時期と表出手段によって直接的に示される特定の検出時期とに基づいて所定の遊技価値の付与に対して異なる期待感を簡易に抱くことができる。
【0205】
また、特定の検出時期が時期情報として表出手段によって表出されるので、貯留手段による遊技球の貯留が貯留解除手段によって解除されてから、検出手段によって作動領域への遊技球の入球が検出される始動条件の成立までに要する所要時間(タイムラグ)を考慮し、そのタイムラグ分だけ早い段階で貯留解除手段を作動させて所定の遊技価値の獲得を遊技者に狙わせることができる。よって、表出手段によって表出される時期情報とタイムラグとの双方を考慮して貯留解除手段を作動させなければ、特定の検出時期に合わせて始動条件を成立させられず、遊技者に要求する技量の難易度を高めて、技術介入性の高い遊技性を遊技者に提供することができるという効果がある。
【0206】
遊技機0から遊技機6のいずれかにおいて、前記表出手段は、前記貯留解除手段によって遊技球の貯留が解除されてから前記作動領域に遊技球が入球するまでの所要時間と略同一の時間分だけ前記特定の検出時期より早い時期を前記時期情報として表出するものであることを特徴とする遊技機8。貯留手段による遊技球の貯留が貯留解除手段によって解除されてから、作動領域へ入球して検出手段によって作動領域への遊技球の入球が検出されるまでには、作動領域と貯留手段との配置に応じた略一定の所要時間(タイムラグ)を必要とする。
【0207】
遊技機8によれば、表出手段によって時期情報として表出されるのは、貯留解除手段によって遊技球の貯留が解除されてから作動領域に遊技球が入球するまでの所要時間と略同一の時間分だけ特定の検出時期より早い時期とされている。このため、遊技者は、表出手段によって表出された時期情報に合わせて貯留解除手段を作動させることにより、作動領域へ遊技球が入球する時期を、特定の検出時期に近付けることができ、貯留解除手段を作動させる操作時にタイムラグを考慮することなく所定の遊技価値の獲得を狙うことができる。よって、より多くの遊技者に、所定の遊技価値の獲得を狙う遊技の興趣を提供することができる。
【0208】
また、貯留解除手段によって貯留が解除された遊技球の流下という物理的な動作を介して、所定の遊技価値の獲得を狙わせるので、遊技機の製造時または設置時におけるバラツキや、遊技球の汚れ等の微小な変化によって、貯留解除手段を作動させた後に作動領域に遊技球が入球するまでのタイムラグには、バラツキが生じる。よって、たとえ遊技者が技量を高めても、タイムラグのバラツキによって必ずしも所定の遊技価値を獲得し得ない遊技性を持たせることができ、所定の遊技価値の付与に対するランダム性を維持することができる。
【0209】
遊技機0から遊技機8のいずれかにおいて、前記表出手段は、前記検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に前記動的表示を開始可能な変動待機中に前記時期情報を表出するものであることを特徴とする遊技機9。変動待機中に、検出手段によって作動領域への遊技球の入球が検出されて始動条件が成立すると、その始動条件の成立した動的表示は、即座に実行が開始される。
【0210】
遊技機9によれば、時期情報は、変動待機中に表出手段によって表出されるので、遊技者には、変動待機中に特定の検出時期を狙って貯留解除手段を作動させて成立した始動条件に対する所定の遊技価値を付与するか否かの抽選結果を、変動待機中でない場合に比べて早い段階で示すことができる。よって、自ら遊技に参加して行った操作に対しての結果をいち早く確認したいという遊技者の期待感に応じることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0211】
また、変動待機中に始動条件が成立した動的表示は、即座に実行を開始することができるので、時期情報と、始動条件の成立に基づいて開始される動的表示とを連続した一連の演出として遊技者に示すことができ、自由度の高い演出によって遊技の興趣を高めることができる。
【0212】
なお、変動待機中とは、検出手段によって作動領域への遊技球の入球が検出された場合に動的表示を開始可能な期間を示すものである。変動待機中としては、動的表示の実行中や特別遊技状態などの特定の遊技状態中を除く期間であって、且つ、1以上の動的表示の実行を待機させるために始動条件の成立した動的表示の情報を記憶する記憶手段を備えた遊技機においては、その記憶手段に始動条件の成立した待機中の動的表示の情報が記憶されていない状態が例示される。また、制御手段は、変動待機中であるか否かを判断する判断手段を備え、表出手段は、その判断手段による判断結果に基づいて前記時期情報を表出するものとしても良い。判断手段としては、例えば、上記実施例における図10のS26の処理と、S27の処理とが例示される。
【0213】
遊技機0から9のいずれかにおいて、前記貯留手段が遊技球を貯留しているか否かを検出する球貯留検出手段と、その球貯留検出手段によって前記貯留手段が遊技球を貯留しているか否かを判断する球貯留判断手段とを備え、前記表出手段は、その球貯留判断手段によって前記貯留手段が遊技球を貯留していると判断された場合に前記時期情報を表出するものであることを特徴とする遊技機10。
【0214】
遊技機10によれば、球貯留判断手段によって貯留手段が遊技球を貯留していると判断された場合に表出手段によって時期情報が表出されるので、遊技球が貯留されていることを時期情報の表出に基づいて遊技者に判り易く示し、遊技球の貯留を解除する操作の実行を促すことができる。
【0215】
なお、球貯留検出手段としては、上記実施例における貯留球検出スイッチ16が例示され、球貯留判断手段としては、上記実施例における図13のS61の処理が例示される。
【0216】
遊技機0から10のいずれかにおいて、前記表出手段は、少なくとも前記表示装置に前記時期情報の表示を行わせて前記時期情報を表出するものであることを特徴とする遊技機11。遊技者は、所定の遊技価値が付与される場合に予め定めた表示結果を現出する動的表示に注目して遊技を行うものである。
【0217】
遊技機11によれば、表出手段は、少なくとも動的表示が行われる表示装置に時期情報の表示を行わせて時期情報を表出するものであるので、遊技機の中で遊技者が注目する装置に時期情報を表出することができ、時期情報に基づいて所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出される特定の検出時期を遊技者に判り易く示すことができる。
【0218】
なお、表示装置としては、例えば、液晶表示装置(LCD)、発光ダイオードによるドット演出装置などが例示される。また、時期情報の表出は、必ずしも識別情報の動的表示が行われる表示装置に時期情報を表示することによって行う必要はない。動的表示が行われる表示装置とは別の第2の表示装置を備え、表出手段は、その別の表示装置に時期情報の表示を行わせて時期情報を表出させるものとしても良い。時期情報の表示によって動的表示の表示領域が狭められることを防止することができる。
【0219】
遊技機0から11のいずれかにおいて、効果音を出力可能な音出力装置を備え、前記表出手段は、少なくともその音出力装置に特定の効果音を出力して前記時期情報を表出させるものであることを特徴とする遊技機12。
【0220】
遊技機12によれば、遊技者は、表示装置などが設けられる位置に視線を向けなくとも、音出力装置によって出力される特定の効果音に基づいて簡単に時期情報を認識することができる。なお、音声出力装置としては、例えば、スピーカーが例示され、特定の効果音としては、特定の検出時期に同期して一定の時間間隔で繰り返して出力される効果音が例示される。
【0221】
遊技機0から12のいずれかにおいて、遊技機に関する情報を外部装置に出力する出力手段を備え、前記表出手段は、その出力手段に前記時期情報を出力するものであることを特徴とする遊技機13。
【0222】
遊技機13によれば、表出手段によって、外部装置に時期情報を出力する出力手段を備えているので、遊技機以外の他の装置を外部装置として接続することによって時期情報を遊技者に示すことができる。よって、遊技場の経営方針等に合わせて時期情報を遊技者に示すか否かを自由に決定させることができ、遊技場の管理の自由度を高めることができる。
【0223】
なお、遊技機13における出力手段としては、制御手段によって所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出される特定の検出時期に同期して出力させる処理や、遊技機の背面側に設けられて電気的なオンオフの信号を外部装置に出力する出力端子等が例示される。
【0224】
遊技機0から13のいずれかにおいて、第1状態とその第1状態より前記貯留手段に遊技球を貯留し易い第2状態とを切り替えて形成する貯留補助手段と、所定の遊技条件の成立に基づいてその貯留補助手段の切り替え動作を制御する動作制御手段とを備えていることを特徴とする遊技機14。
【0225】
遊技機14によれば、動作制御手段の制御によって、貯留補助手段が第1状態から第2状態に切り替えられると、貯留手段が遊技球を貯留し易い状態となり、遊技者の操作によって貯留解除手段を作動させて所定の遊技価値の獲得を狙う機会が遊技者に多く付与される。貯留補助手段の切り替え動作は、所定の遊技条件の成立に基づいて制御されるので、所定の遊技条件の成立を契機として遊技球の貯留を解除する操作の機会を一時的に高めることができ、遊技者が貯留解除手段を作動させて所定の遊技価値の獲得を狙う遊技性に対する注目と興趣とを高めることができる。
【0226】
なお、貯留補助手段によって形成される第1状態より貯留手段に遊技球を貯留し易い第2状態とは、第1状態より多くの遊技球を貯留手段に貯留し易い第2状態であっても良く、第1状態より貯留手段に遊技球を貯留する確率を高める第2状態であっても良い。例えば、貯留補助手段によって形成される第1状態より貯留手段に遊技球を貯留する確率を高める第2状態としては、貯留手段によって遊技球が貯留される特定の経路上に突出する突起の突出量を調整可能とし、その突起の突出量を増加させて特定の経路に遊技球を貯留する確率を高めた状態が例示される。遊技機14における貯留補助手段としては、上記実施例における前進状態と後退状態とを切り替えて形成し、遊技球を貯留する突起10fが設けられるセンターフレーム10の移送経路10aの球流入口10bへ流入する遊技球の数を変化させる可動部材12が例示され、動作制御手段としては、可動部材12を作動させる役物駆動ソレノイド13の駆動を制御する主制御基板Cが例示される。
【0227】
遊技機14において、前記作動領域へ遊技球を誘導する誘導経路を形成する誘導手段を備え、前記貯留手段は、その誘導手段によって形成される誘導経路の入口から流入した遊技球を前記誘導経路上に貯留するものであり、前記貯留補助手段は、第1状態とその第1状態より前記誘導手段によって形成される誘導経路の入口に遊技球が流入し易い第2状態とを切り替えて形成するものであることを特徴とする遊技機15。
【0228】
遊技機15によれば、誘導経路に誘導された遊技球は、貯留手段によって誘導経路上に貯留され、その遊技球の貯留は、貯留解除手段によって遊技者の操作に応じて解除される。誘導経路へ流入する遊技球の数は、所定の遊技条件の成立を契機として切り替え動作が行われる貯留補助手段の状態に応じて変化するので、遊技者には、貯留補助手段が第2状態を形成した場合に、より多くの遊技球が誘導経路に誘導される遊技性を付与することができる。なお、遊技機15における誘導手段としては、例えば、上記実施例におけるセンターフレーム10が例示され、誘導経路としては、移送経路10aとステージ10cと出口レールとが例示される。
【0229】
遊技機14または15において、前記動作制御手段は、前記貯留補助手段の作動を示唆する特別表示が前記動的表示に表示される場合に前記貯留補助手段を第1状態から第2状態に一定期間切り替える動作を行わせるものであることを特徴とする遊技機16。
【0230】
遊技機16によれば、動作制御手段によって貯留補助手段が第1状態から第2状態に切り替えられる場合に動的表示に表示されるのは、貯留補助手段の作動を示唆する特別表示である。よって、遊技者には、特別表示によって貯留補助手段の切り替え動作が行われたことを判り易く認識させることができる。また、動作制御手段は、特別表示が表示される場合に貯留補助手段を第2状態に一定期間切り替える動作を行わせるので、第2状態における遊技を遊技者にとって限定されたものとして、第2状態への切り替えを期待する遊技の興趣を強調して遊技者に付与することができる。
【0231】
なお、特別表示としては、貯留補助手段に関連する表示であって、貯留補助手段の外観と同一の対象物又は貯留補助手段に関連する対象物を示す表示や、貯留補助手段の位置を示す表示等が例示される。上記実施例における特別表示としては、カラスを模した可動部材12と同一の対象物であるカラスのキャラクタを表示するカラスリーチ表示が該当する。また、上記実施例における第2状態としては、センターフレーム10と可動部材12との間の経路が閉鎖されて両部材の間に流下した遊技球が移送経路10aの入口に誘導される状態が例示される。
【0232】
遊技機14から16のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記所定の遊技価値が付与された後に行われる前記動的表示の実行回数を計数する動的回数計数手段を備え、前記動作制御手段は、その動的回数計数手段によって計数される前記動的表示の実行回数が所定回数に達した場合に前記貯留補助手段を第2状態に一定期間切り替える制御を行うものであることを特徴とする遊技機17。所定の遊技価値が付与されてからの動的表示の実行回数が多くなるほど、遊技者の不満感が募るものである。
【0233】
遊技機17によれば、所定の遊技価値が付与された後の動的表示の実行回数が所定回数に達した場合には、動作制御手段の制御によって前記貯留補助手段が第2状態に一定期間切り替えられる。よって、所定回数の動的表示が実行されたにも拘わらず所定の遊技価値が付与されなかった遊技者に対しては、自らが貯留解除手段を作動させて所定の遊技価値を積極的に獲得する機会を付与することができ、貯留解除手段を作動させる操作時における遊技の興趣を一層高めることができる。
【0234】
遊技機0から17のいずれかにおいて、遊技者の操作情報を入力する操作手段を備え、前期貯留解除手段は、その操作手段によって入力された操作情報に応じて貯留手段によって貯留された遊技球の貯留を解除するものであることを特徴とする遊技機18。操作手段としては、上記実施例における上皿ボタン56と球放出スイッチ17とが例示される。
【0235】
遊技機0から18のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機19。中でも、パチンコ機の基本構成としては操作部としての操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技球を所定の遊技領域へ発射し、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動領域に入球(作動口へ入賞又は作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、所定の遊技価値の付与として特別遊技状態が発生する時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例におけるパチンコ機の正面図である。
【図2】 遊技盤の正面図であり、(a)は可動部材が後退した状態を示し、(b)は可動部材が前進した状態を示している。
【図3】 (a)は、図1の矢印IIIa方向から見たセンターフレームを示した図であり、図3(b)は、図1のIIIb−IIIb線でセンターフレームを断面視して示した図である。
【図4】 パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。
【図5】 ハズレリーチ時の変動パターンの選定に使用する演出選定テーブルの構成を示した図である。
【図6】 通常の始動入賞時にLCDで行われる変動表示の表示画面を例示した図である。
【図7】 通常の始動入賞時にLCDで行われる変動表示の表示画面を例示した図である。
【図8】 遊技者の放出操作による始動入賞時にLCDで行われる変動表示の表示画面を例示した図である。
【図9】 主制御基板で実行されるメイン処理のフローチャートである。
【図10】 主制御基板のメイン処理の中で実行される始動入賞変動開始処理のフローチャートである。
【図11】 図10の始動入賞変動開始処理の中で実行される通常表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図12】 図10の始動入賞変動開始処理の中で実行される特別表示コマンド決定処理のフローチャートである。
【図13】 図10の始動入賞変動開始処理の中で実行される変動待機時処理のフローチャートである。
【図14】 主制御基板で実行される役物ソレノイド駆動処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ機(遊技機)
2 遊技盤
2c 遊技領域
3 LCD(表示装置)
4a 図柄作動口(作動領域)
10 センターフレーム
10f 突起(貯留手段)
15 球放出ソレノイド(貯留解除手段)
24 第1種始動口スイッチ(検出手段)
C 主制御基板(制御手段の一部)
D 表示用制御基板(制御手段の一部)

Claims (5)

  1. 識別情報を表示する表示装置と、遊技球が投入される遊技領域に設けられる作動領域への遊技球の入球を検出する検出手段と、その検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に、前記検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、その制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると、前記表示装置に予め定めた表示結果を現出させると共に前記所定の遊技価値を付与する遊技機において、
    前記遊技領域における前記作動領域に対する遊技球の流下方向上流側に遊技球を貯留する貯留手段と、
    その貯留手段によって貯留された遊技球の貯留を遊技者の操作に応じて解除する貯留解除手段と、
    前記検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に前記制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出される特定の検出時期を示す時期情報を表出する表出手段と、
    その表出手段によって表出される前記時期情報の示す前記特定の検出時期と前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期とが不一致である場合に、少なくとも2種以上に設定された異なる表示態様を伴う前記動的表示の変動種別のうち前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期と前記特定の検出時期とに応じ前記動的表示の変動種別を選定する変動種別選定手段とを備え、
    前記制御手段は、所定時間毎に更新されるカウンタと、そのカウンタのカウント値を更新する更新手段と、前記カウンタのカウント値を前記検出手段による遊技球の入球検出時期に応じて取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が予め定めた特定値であるか否かに基づいて前記所定の遊技価値を付与するか否かを決定する抽選手段とを備え、
    前記変動種別選定手段は、
    前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期に応じて前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記更新手段による更新順序において前記特定値より前に位置する値から構成される第1区間内の値である場合に第1変動種別を選定し、
    前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期に応じて前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記更新手段による更新順序において前記特定値より後に位置する値から構成される区間であって前記第1区間と重複しない第2区間内の値である場合に、前記第1変動種別とは異なる表示態様を伴う第2変動種別を選定するものであることを特徴とする遊技機。
  2. 識別情報を表示する表示装置と、遊技球が投入される遊技領域に設けられる作動領域への遊技球の入球を検出する検出手段と、その検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に、前記検出手段による遊技球の入球検出時期に基づいて遊技者に所定の遊技価値を付与するか否かを抽選すると共に前記表示装置に前記識別情報の動的表示を行わせる制御手段とを備え、その制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出されると、前記表示装置に予め定めた表示結果を現出させると共に前記所定の遊技価値を付与する遊技機において、
    前記遊技領域における前記作動領域に対する遊技球の流下方向上流側に遊技球を貯留する貯留手段と、
    その貯留手段によって貯留された遊技球の貯留を遊技者の操作に応じて解除する貯留解除手段と、
    前記検出手段によって前記作動領域への遊技球の入球が検出された場合に前記制御手段によって前記所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出される特定の検出時期を示す時期情報を表出する表出手段と、
    その表出手段によって表出される前記時期情報の示す前記特定の検出時期と前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期とが不一致である場合に、少なくとも2種以上に設定された異なる表示態様を伴う前記動的表示の変動種別のうち前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期と前記特定の検出時期とに応じ前記動的表示の変動種別を選定する変動種別選定手段とを備え、
    前記制御手段は、所定時間毎に更新されるカウンタと、そのカウンタのカウント値を更新する更新手段と、前記カウンタのカウント値を前記検出手段による遊技球の入球検出時期に応じて取得する取得手段と、その取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が予め定めた特定値であるか否かに基づいて前記所定の遊技価値を付与するか否かを決定する抽選手段とを備え、
    前記変動種別選定手段は、
    前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期に応じて前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記更新手段による更新順序において前記特定値より前に位置する値又は前記特定値より後に位置する値の少なくとも一方から構成される第3区間内の値である場合に、第3変動種別を選定し、
    前記貯留解除手段により貯留が解除された後に前記検出手段によって検出された遊技球の入球検出時期に応じて前記取得手段によって取得された前記カウンタのカウント値が、前記更新手段による更新順序において前記第3区間に重複することなく前記特定値から離れる側に位置する値から構成される第4区間内の値である場合に前記第3変動種別とは異なる第4変動種別を選定するものであることを特徴とする遊技機。
  3. 前記制御手段は、前記入球検出時期と前記特定の検出時期とが一致して所定の遊技価値を付与する抽選結果が導出された場合に特定の第5変動種別による動的表示を前記表示装置に行わせるものであり、
    前記第3変動種別は、前記第3変動種別以外の変動種別と比較して、前記動的表示の開始から、前記第5変動種別と同種の表示態様を現出する期間の長い変動種別であることを特徴とする請求項2記載の遊技機。
  4. 前記表出手段は、前記貯留解除手段によって遊技球の貯留が解除されてから前記作動領域に遊技球が入球するまでの所要時間と略同一の時間分だけ前記特定の検出時期より早い時期を前記時期情報として表出するものであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の遊技機。
  5. 前記貯留手段が遊技球を貯留しているか否かを検出する球貯留検出手段と、その球貯留検出手段によって前記貯留手段が遊技球を貯留しているか否かを判断する球貯留判断手段とを備え、
    前記表出手段は、その球貯留判断手段によって前記貯留手段が遊技球を貯留していると判断された場合に前記時期情報を表出するものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の遊技機。
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