JP5132606B2 - 硫化促進助剤 - Google Patents

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Description

本発明は、脂肪酸と酸化亜鉛粒子を予め攪拌混合し、造粒した硫化促進助剤に関するものであり、詳しくは、該硫化促進助剤はゴム組成物において、高分散能力を有し、且つゴム製造過程において酸化亜鉛使用量を減らし、特にタイヤ組成物においては環境汚染を改善し、資源を節約するものである。
ゴム工業やタイヤ工業において、硫化促進助剤は非常に重要な役割を果たしている。
ゴム工業において、鎖状ゴム分子を架橋して三次元網目構造をとることを加硫または硫化と呼び、この目的として、硫黄、有機含硫黄化合物、有機過酸化物、金属酸化物、キノンジオキシム、有機多価アミン、変性フェノール樹脂などの加硫剤を使用する。この加硫剤と併用して加硫時間の短縮、加硫温度の低下、加硫剤の減量を目的として硫化促進剤が使用されている。硫化促進剤には、脂肪族アルデヒドとアンモニアとの反応生成物、脂肪族アルデヒドと脂肪族又は芳香族アミンとの縮合生成物、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、スルフェンアミド類、チウラム類、ジチオカルバミン酸塩類、キサントゲン酸塩類などの化合物を用いる。
一方、ゴム硫化過程において、上記硫化促進剤を活性化し促進反応を更に促進させ、ゴムの物理性能を高めるものを硫化促進助剤と言い、主に酸化亜鉛(亜鉛華)を代表とする金属酸化物、ステアリン酸を代表とする脂肪酸が利用されている。
酸化亜鉛は、白色もくしは浅黄色の粉末で、その密度は5.67g/cm3、分子量は81.4、融解点は1975℃である。水には溶けず、強酸と強アルカリに溶ける。
現在の酸化亜鉛の製造方法は主に間接法である。間接法とは金属亜鉛錠を原料として、これを坩堝内に入れて蒸発させて溶かし、高温気化にし、空気を通過させて酸化し、冷却し、その後、温度、風量及び風速の適する制御を経て微粒子の製品を採取する方法である。
上記酸化亜鉛は、硫化促進助剤として使用する際、ゴム製品に対し、通常5PHR程度配合している。通常、ゴム製品に使用する酸化亜鉛の粒径は10μmから45μmであるが、酸化亜鉛粒子の間は粘着性があるため、ゴム配合時に均一に分散し難い。このため、現在、業界では酸化亜鉛をゴムに配合すると同時に1〜2.5PHRのステアリン酸を加えている。これらステアリン酸が酸化亜鉛の分散能力を高め、かつ加硫調節も行う。即ち、1〜2.5PHRのステアリン酸で酸化亜鉛の分散剤としている。しかし、ステアリン酸と酸化亜鉛を併用した際でも、ゴム製品に対する酸化亜鉛の配合量は5PHRという多量を配合しているのが現状である。
一方、ゴムを配合したタイヤを装着した車両が道路を走行する際、タイヤが磨耗してゴム粉塵を発する。そして、その粉塵内には多量の酸化亜鉛が含まれる。酸化亜鉛などの亜鉛化合物は、空気汚染や水質汚染の原因として近年、環境への影響が懸念されている。
また、近年、タイヤ市場では、自動車の燃費を改善し、且つ地面をしっかりとつかむグリップ力を備えたものが求められている。現在では、不飽和脂肪酸を一部配合した脂肪酸も、ゴムを軟化しグリップ力を向上させることからスタッドレスタイヤ等に使用されている。
しかし、上述のように、自動車の走行に於いては、タイヤは磨耗しやすく、且つ亜鉛を含んだゴム粉塵が発生する。
このような理由から、ゴム及びタイヤに配合する酸化亜鉛量の低減は環境への配慮に優れた方法である。また、亜鉛鉱物の資源は有限であるため、ゴムに配合する酸化亜鉛量の低減は、資源の節約という観点からも有効な技術である。
本発明は、上述の問題を改善するための硫化促進助剤を提供するものであり、特に酸化亜鉛の高分散能力を具えた硫化促進助剤であり、ゴム製品に応用し、硫化促進助剤内の酸化亜鉛の使用量を大幅に減らし、コストを下げ、亜鉛金属の使用を低減することを本発明の主な目的とする。
国際的な環境保護の訴えに応えるため、ゴム及びタイヤ製品内の酸化亜鉛の用量を減らし、タイヤが走行中に磨耗して発生するゴム粉塵中に含まれる酸化亜鉛の量を減らし、環境汚染を軽減することを本発明の次の目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定の酸化亜鉛粒子と特定の脂肪酸とを重量比1/0.5〜1/1.5にて攪拌混合し、特定の温度で造粒し、嵩比重が0.5g/ml、粒径が0.5〜2.5mmとした硫化促進助剤が、ゴム製造過程における酸化亜鉛の使用量を大幅に低減でき、環境汚染を低減できることを見出した。
すなわち、本発明は、酸化亜鉛粒子(a)と脂肪酸(b)とを重量比(a)/(b)=1/0.5〜1/1.5にて攪拌混合し、(b)の針入度が5〜15となる温度にて造粒した硫化促進助剤(c)であって、(b)が、炭素数12〜22の直鎖飽和脂肪酸が75重量%以上、パルミチン酸とステアリン酸の合計量が50重量%以上、ヨウ素価が30gI2/100g以下である脂肪酸であり、かつ、(c)が、嵩比重が0.5〜0.9g/ml、粒径が0.5〜2.5mmである硫化促進助剤である。
本発明の硫化促進助剤は、安全かつ簡易的な方法にて、ゴム製品の製造過程における、酸化亜鉛の使用量を大幅に減らすことでコストを下げ、またタイヤが走行中に磨耗して発生するゴム粉塵中に含まれる酸化亜鉛の量を減らし、環境汚染を軽減するという利点がある。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明は、酸化亜鉛粒子(a)と脂肪酸(b)とを重量比(a)/(b)=1/0.5〜1/1.5にて攪拌混合し、造粒したゴム用硫化促進助剤(c)である。
本発明に使用する酸化亜鉛粒子(a)は、特に限定は無いが、通常は、ケイ酸亜鉛鉱物から99.95%の亜鉛錠を取り出し、続いて酸化温度1000℃〜1100℃で亜鉛を酸化し、粒径30〜45μmの酸化亜鉛微粒子にして収集する。もしくは酸化温度900℃〜1000℃で重量を減らし、風速を高めて酸化し、粒径0.5〜5μmの酸化亜鉛微粒子を取り出す。上記製造方法により製造された酸化亜鉛は通常、一次粒径が0.5〜5μmの酸化亜鉛であり、これを造粒することで粒径を大きくしている。本発明においては、予め酸化亜鉛と脂肪酸を均一に攪拌し、酸化亜鉛の粒径を微細化させることができるため、酸化亜鉛粒子の粒径について特に限定はない。好ましく使用できる酸化亜鉛は、粒径が0.5〜500μmの酸化亜鉛粒子である。
本発明に使用する脂肪酸(b)は、単体脂肪酸であっても混合脂肪酸であってもよい。使用できる脂肪酸について特に限定は無いが、好ましくは、炭素数8〜26の直鎖飽和脂肪酸、直鎖不飽和脂肪酸、分岐脂肪酸等を使用することができる。脂肪酸(b)としては、具体的にはカプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、トリコサン酸、リグノセリン酸、ペンタコサン酸、セロチン酸、オクテン酸、ノネン酸、デセン酸、ウンデシレン酸、ラウロレイン酸、リンデル酸、トウハク酸、トリデセン酸、ツズ酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸、エライジン酸、パセニン酸、ノナデセン酸、ゴンドイン酸、エルカ酸、ブラシン酸、セラコレイン酸、ヘキサコセン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、リノレンエライジン酸、プソイドエレオステアリン酸、パリナリン酸、アラキドン酸、クルパノドン酸、2-エチルヘキサン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸等が挙げられ、上記脂肪酸の混合物であっても良い。
本発明における脂肪酸(b)は、脂肪酸(b)の全体量に対し炭素数12〜22の直鎖飽和脂肪酸の含有量が75重量%以上である。75重量%未満である場合は、ゴム製造過程において、酸化亜鉛の分散能力が低下し、ゴムまたはタイヤ自体の性能が不十分な場合がある。好ましくは80重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。本発明における、炭素数12〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸が挙げられる。
また、本発明に使用する脂肪酸(b)は、パルミチン酸とステアリン酸の合計量が50重量%以上である。50重量%未満である場合は、ゴム製造過程において、酸化亜鉛の分散能力が低下する恐れがあり、製造されたゴム又はタイヤの性能が悪くなる恐れがある。
さらに、本発明に使用する脂肪酸(b)は、ヨウ素価が30gI2/100g以下である。ヨウ素価が30gI2/100g以上の脂肪酸を用いた場合、脂肪酸と酸化亜鉛からなる硫化促進助剤自体が軟化し、造粒後にブロッキングしたり、運用時に溶解したりする恐れがある。本発明における脂肪酸のヨウ素価は、好ましくは、20gI2/100g以下であり、さらに好ましくは10gI2/100g以下である。
なお、本発明におけるヨウ素価は、基準油脂分析試験法(JOCS)3.3.3−1996に準じて測定した値をいう。
また、本発明に使用する脂肪酸(b)は、透明融点が40〜70℃の範囲であることが好ましい。さらに好ましくは50〜70℃である。
なお、本発明における透明融点は、基準油脂分析試験法(JOCS)3.2.2.1−1996に準じて測定した値をいう。
上記、酸化亜鉛粒子(a)と脂肪酸(b)とは、重量比(a)/(b)=1/0.5〜1/1.5にて攪拌混合した後、造粒することで硫化促進助剤(c)を製造する。酸化亜鉛粒子(a)に対し、脂肪酸(b)の重量比が0.5未満の場合は、造粒が行えない恐れがあり、また、ゴム配合時における酸化亜鉛の分散能力が低下する恐れもある。酸化亜鉛粒子(a)に対し、脂肪酸(b)の重量比が1.5を超える場合は、ゴムに対する硫化促進助剤の配合量が多くなり、脂肪酸がゴムからブルームしてくる恐れがある。
本発明における硫化促進助剤(c)は、嵩比重が0.5〜0.9g/mlである。嵩比重が0.5g/ml未満である場合は、本発明の硫化促進助剤の粒径が大きく、空隙が大きくなる可能性があるため、運搬時のゴム硫化装置へのスクリューコンベア処理時の破砕が起こり易く、一定した移送が出来ないという問題が発生する恐れがある。一方、嵩比重が0.9g/mlを越える場合、ゴム硫化装置へのスクリューコンベアでの移送時につまりが生じ易く、場合によりスクリューを停止させてしまう恐れがある。また、ゴム製造時に配合し加温した際、酸化亜鉛の分散能力が悪くなる恐れがある。
本発明における硫化促進助剤の嵩比重は好ましくは0.55〜0.85g/mlであり、さらに好ましくは0.6〜0.8g/mlである。
なお、本発明における嵩比重は、JIS K6720−2.4.3に準じて測定した値をいう。
本発明における硫化促進助剤(c)は、粒径が0.5〜2.5mmである。粒径が0.5mm未満である場合は、運用しにくくなる恐れがある。また、2.5mmを越える場合も分散能力が悪くなり、さらに運用しにくくなる恐れがある。
なお、本発明における硫化促進助剤の粒径は、JIS K0069記載の乾式ふるい分け試験に準じて粒径分布を測定した後、積算分布50%以上となるふるいの目開きをいう。
本発明の硫化促進助剤(c)の製造方法は少なくとも以下を含む。
粒径が0.5〜500μmである酸化亜鉛粒子(a)と脂肪酸(b)とを配合する。酸化亜鉛粒子は必要により、ミキサーや粉砕機等で粒径を小さくしておいてもよい。粒径が小さく粉砕されたものは、全体の表面積が大きく、活性が高いため好ましい。酸化亜鉛粒子(a)に配合する脂肪酸(b)は、重量比(a)/(b)=1/0.5〜1/1.5となるようにする。脂肪酸(b)の形状は特に限定は無いが、粒子状のものを用いると造粒が容易であるため好ましい。また、脂肪酸は、塊状のものを予め粉砕して粒子状にしても良い。次に前述の酸化亜鉛粒子と脂肪酸を攪拌して均一に混合する。混合の際は、特に限定は無いが、混合造粒が可能で、攪拌造粒型の造粒機を使用することができる。本発明において好ましい造粒機としては、パグミル型、ヘンシェル型、アイリッヒ等を使用することができる。さらに好ましい造粒機としては、ヘンシェル型が挙げられる。
脂肪酸と酸化亜鉛とを均一に混合後、攪拌しながらこれらを加温、または攪拌の摩擦熱により温度を上昇させる。加温と摩擦熱の両者を併用し温度を上昇させても良い。上述の方法で温度上昇を行い、脂肪酸を部分的に加熱溶解させ、造粒を行う。通常、低融点物質と無機化合物などを造粒させる際は、低融点物質の融点近傍で造粒を行う。しかし、本願の造粒物の場合、上昇融点や透明融点が同一の脂肪酸であっても造粒温度が全く異なってくる。すなわち、融点が同一の脂肪酸であっても脂肪酸組成の差異により造粒温度が異なるため、融点を指標として造粒温度を決定することができない。本発明においては、この問題を解決するために、予め使用する脂肪酸の針入度を測定する。脂肪酸(b)の針入度を測定し、得られた値が5〜15となる温度にて造粒できる。針入度が5未満の場合は、脂肪酸の溶解が不足し、造粒を円滑に行うことが難しい。また、針入度が15を超える場合は、脂肪酸が過度に溶解しているため、粒径が本発明の範囲内の造粒物として造粒させることが困難である。より好ましい針入度は7〜12である。
なお、本発明における針入度は、針入度試験機及び器具を用いてJIS K 2207に準じて測定を行う。具体的には、脂肪酸を上記試験法に準じた試験容器に投入し、100℃恒温槽に2時間静置後、ゆっくりかき混ぜる。その後、試験容器を10℃恒温槽内に2時間静置する。10℃にて2時間静置後は、測定する温度まで恒温槽の温度を上昇させ、試料を再び2時間静置し、針入度を測定する。なお、本発明においては、針入度試験に用いるおもりは、100±0.5gのものを用いて測定を行う。
脂肪酸の針入度が未知である場合は、予め10℃から5℃ずつ増加させた温度にて針入度を測定しておき、針入度が5以上となる温度を確認しておき、再度その周辺の温度が1℃変化する毎に針入度を測定する。上記方法にて針入度を測定した場合、本発明の針入度5〜15となる温度を正確に確認することができる。
上記方法にて測定した好ましい造粒温度は通常、20℃〜70℃の範囲内になる。造粒時の攪拌時間は特に限定は無いが、通常10〜30分間で行うことが好ましい。上述の方法で部分的に溶解した脂肪酸は、一種の軟質ゴム状のような状態となる。この状態にて攪拌することで、本発明の硫化促進助剤は、徐々に粒径が大きくなり造粒される。粒径が0.5〜2.5mmの造粒物が得られた後、造粒物を冷却定型する。上述の方法にて造粒した本発明の硫化促進助剤は、酸化亜鉛が均一に分布した状態となる。
上述の方法にて製造された本発明の硫化促進助剤は、ゴムの製造過程に於いて、1〜2PHRの酸化亜鉛を使用するだけでよく、ゴム製品の硫化促進助剤としての機能を発揮することができる。この結果、製造コストを大幅に下げ、且つ硫化ゴムの性能に於いても満足を得ることができ、ゴム剤の強伸性、耐老化性、耐熱性などすべてが向上するため、ゴム性能が向上し、ゴムコストを下げ、タイヤの軽量化発展にも符合する。
本発明は、安全で有効であり、商業量産に適している。ゴム製品の製造過程において、酸化亜鉛の使用量を大幅に低減し、コストを下げるだけでなく、タイヤが道路を走行する際、発生するゴム粉塵に含まれる酸化亜鉛の発生量を減らし、環境汚染を低減させる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(1)脂肪酸の調製
[脂肪酸A]
脂肪酸Aとしては、NAA−180(日油株式会社製)を使用した。
[脂肪酸B]
脂肪酸Bとしては、NAA−175(日油株式会社製)を使用した。
[脂肪酸Cの調製]
窒素導入管、温度計、ジムロートを取り付けた5Lの四つ口フラスコに、NAA−175(日油株式会社製)を850g、NAA−142(日油株式会社製)を100g、NAA−122(日油株式会社製)を50g投入し、窒素を投入しながら加温し、80℃にて攪拌混合を行った。得られた脂肪酸C 1000gを室温まで冷却し、その後、室温にてミキサーにて粉砕処理を行いパウダー状の脂肪酸Cを得た。
[脂肪酸Dの調製]
脂肪酸Cの調製と同様の装置に、NAA−175(日油株式会社製)を540g、NAA−201(日油株式会社製)を240g、NAA−142(日油株式会社製)を110g、NAA−122(日油株式会社製)を110g投入し、以下脂肪酸Cと同様の手順にて、脂肪酸Dを得た。
[脂肪酸Eの調製]
脂肪酸Cの調製と同様の装置に、NAA−175(日油株式会社製)を750g、1号脂肪酸(日油株式会社製)を250g投入し、以下脂肪酸Cと同様の手順にて、脂肪酸Eを得た。
[脂肪酸Fの調製]
脂肪酸Cの調製と同様の装置に、NAA−175(日油株式会社製)を700g、NAA-82(日油株式会社製)を150g、NAA−102(日油株式会社製)を150g投入し、脂肪酸調製後の冷却を0℃まで、ミキサーでの粉砕を0℃で行った以外は、脂肪酸Cと同様の手順にて、脂肪酸Fを得た。
[脂肪酸Gの調製]
脂肪酸Gとしては、1号脂肪酸(日油株式会社製)を使用した。
(2)調製した脂肪酸の脂肪酸組成及びその物性
[脂肪酸組成の分析]
上記で調製した脂肪酸A〜Gを、基準油脂分析試験法3.3.5−1996に従い、脂肪酸組成分析を行った。組成分析結果は表1に記載する。
[ヨウ素価の分析]
上記で調製した脂肪酸A〜Gを、基準油脂分析試験法3.3.3−1996に従い、脂肪酸組成分析を行った。ヨウ素価分析結果は表1に記載する。
[透明融点の測定]
上記で調製した脂肪酸A〜Gを、基準油脂分析試験法3.3.2.1−1996に従い、透明融点を測定した。透明融点測定結果は表1に記載する。
Figure 0005132606
注1)脂肪酸組成欄における「C」の右側の数字は炭素数を、「:」の右側の数字は不飽和結合の数を示す。
注2)C12〜22:炭素数12〜22の直鎖飽和脂肪酸の含有量(重量%)
注3)C16+C18:パルミチン酸とステアリン酸の合計量(重量%)
注4)ヨウ素価:単位はgI2/100g
(3)硫化促進助剤の調製
[脂肪酸の針入度測定]
上記で調製した脂肪酸A〜Gについて、JIS K 2207に準じ、以下の測定方法にて針入度の測定を行った。ただし、おもりは、100±0.5gのものを用いた。
先ず、脂肪酸を上記試験法に準じた試験容器に投入し、100℃恒温槽に2時間静置後、ゆっくりかき混ぜる。その後、それぞれの脂肪酸を10〜70℃まで、5℃毎の針入度を測定し、針入度が5以上となる温度を確認する。その後、再度、その温度より5℃低い温度から1℃変化する毎の針入度を測定し、針入度が5〜15となる正確な温度を測定した。
[酸化亜鉛]
本試験では、酸化亜鉛は、酸化亜鉛 2種(三井金属鉱業株式会社製:平均一次粒径1.7μm)を使用した。また、平均一次粒径は、レーザー回折/散乱法による粒度分布測定によって測定した。測定方法は、エタノール200gに対し、酸化亜鉛0.009gを分散させ、得られた分散液を粒度分布測定器(MICROTRAC MT3000:日機装株式会社製)で測定した。
[硫化促進助剤のA調製]
酸化亜鉛 2種(三井金属鉱業株式会社製:平均一次粒径1.7μm)1.2kgを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製 FM−100/1(容量9L))に投入し、5℃にて850rpmで5分間攪拌した。酸化亜鉛を攪拌後、上記で調整した脂肪酸Aを0.8kg投入し、室温にて5分間、攪拌混合を行った。攪拌混合後、さらに850rpmにて攪拌しながら、ジャケット内に温水を循環させ、内温を徐々に上昇させ、64℃にて造粒を行った。その後、攪拌を止め室温まで冷却し、硫化促進助剤Aを得た。
[硫化促進助剤B〜Kの調製]
硫化促進助剤B〜Kについては、表2記載の脂肪酸(脂肪酸B〜G)を、それぞれ表2記載の造粒温度にて、硫化促進助剤A調製時と同様の手順にて調製した。
Figure 0005132606

[造粒物の状態]
上記方法にて得られた硫化促進助剤A〜Kについて、目視により造粒物の状態を評価した。評価した結果を表2に記載する。
[造粒物の粒径測定]
硫化促進助剤A〜Kについて、JIS K0069記載の乾式ふるい分け試験に準じて粒径分布を測定し、積算分布50%以上となるふるいの目開きを確認した。結果を粒径として表2に記載する。
[造粒物の嵩比重測定]
硫化促進助剤A〜Kのうち、上記造粒物の状態にて、球状でブロッキングが起こらなかった硫化促進助剤A〜Eについて、JIS K6720−2.4.3に準じて嵩比重を測定した。測定結果を表2に記載する。
[造粒物の灰分測定]
硫化促進助剤A〜Kのうち、上記造粒物の状態にて、球状でブロッキングが起こらなかった硫化促進助剤A〜Eについて灰分の測定を行った。硫化促進助剤A〜Eをそれぞれミキサー内の異なる箇所から3箇所取り出し、示差熱質量同時測定装置(SEIKO INSTRUMENTS社製:TG/DTA 6200)にて以下の測定条件にて熱重量分析(TG)を行った。
熱重量分析測定条件:流量100ml/分の空気雰囲気下にて、20℃から600℃まで10℃/分で温度上昇。600℃にて1時間保持。
なお、本検討では酸化亜鉛/脂肪酸の重量比が1.2kg/0.8kgであるため、硫化促進助剤中に酸化亜鉛が均一に分散していた場合、灰分は理論上60重量%となる。
上記の結果から明らかなように、本願要件を満たす脂肪酸を、その脂肪酸の針入度が5〜15となる温度にて造粒することで、粒径0.5〜2.5mmの良好な球状物となり、優れた硫化促進助剤を得ることができることがわかる。
本発明の硫化促進助剤は、ゴム製造過程における、酸化亜鉛の使用量を大幅に減らし、コストを下げ、亜鉛金属の使用を節約し、またタイヤが走行中に磨耗して発生するゴム粉塵中に含まれる酸化亜鉛の量を減らし、環境汚染を軽減することが可能である。

Claims (1)

  1. 酸化亜鉛粒子(a)と脂肪酸(b)とを重量比(a)/(b)=1/0.5〜1/1.5にて攪拌混合し、(b)の針入度が5〜15となる温度にて造粒した硫化促進助剤(c)であって、
    (b)が、炭素数12〜22の直鎖飽和脂肪酸が75重量%以上、パルミチン酸とステアリン酸の合計量が50重量%以上、ヨウ素価が30gI2/100g以下である脂肪酸であり、かつ、
    (c)が、嵩比重が0.5〜0.9g/ml、粒径が0.5〜2.5mmである硫化促進助剤。
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