JP5132214B2 - ピザ焼き容器とその容器を用いたピザを焼く方法 - Google Patents
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Description
このピザ焼機は、生ピザを網やトレー(特許文献1参照)に載せて、これをベルトコンベアー上に置き、ベルトコンベアーでその装置内に搬送させて、ベルトコンベアーの下上から高温の熱風を送ることでピザが焼けるようになっている。
上記網を用いてベルトコンベアー式のピザ焼機で焼いた場合には、直接的に熱風が生地に当たって全体が過度に焼けてしまうので、ピザ特有の中央部のもちもちした食感が得られず、また熱風吹き出し側の表面が茶色に焼け過ぎ、これによって苦味を発生させてしまうという難点があった。
また、特許文献1のように多くの孔を設けたトレーを用いた場合でも、網で焼くのと同様に生地の表面に直接吹き出された熱風が当たって表面全体が茶色になって苦味を生じるほどに焼け過ぎ、特に生地の中央部は全体に開口した孔から直接当てられた熱風によって過度の焼けてしまってもちもちした食感を失い、ピザとしての独特の食感が得られず、全体を美味しく焼くことができなかった。
さらに、生地に載せた具材も高く盛り上げた表面部分が焦げたようになってしまい、具材の独特の風味が損われたり、硬くなって食感を具材の持ち味を損なってしてしまうなどの問題があった。
また、前記カバーには、上面の一方の略半分の外周寄り部位に円周方向略等間隔に複数の周辺加熱小孔を設けるとともに他方の略半分の外周寄り部位に円周方向略等間隔に前記周辺加熱小孔よりも大きい開口径を有する複数の周辺加熱大孔を設け、該上面の中央部に複数の具材加熱孔を適宜間隔に設ける。
さらに、該カバーの側壁に、前記周辺加熱小孔に対応した面においては複数略同径のピザエッジ加熱小孔を略等間隔に設けるとともに前記周辺加熱大孔に対応した面においては複数の前記ピザエッジ加熱小孔よりも大きい開口径を有するピザエッジ加熱大孔を略等間隔に設けたことを特徴とする。
そして、生のピザを前記ピザ焼き容器に入れ、ベルトコンベアー上にそのピザ入りのピザ焼き容器を、ピザエッジ加熱大孔の列の中央部とピザエッジ加熱小孔の列の中央部とを通る中央線が搬送方向に対して前記熱気送風口の反対側へ一定角度偏った状態で載置し、前記ピザ焼機のベルトコンベアーを遅速進行させつつ前記ベルトコンベアーの上下の一側方から熱風を吹き付けて、ピザ焼き容器がピザ取出し口に達するまでにピザが均一に焼けるようにしたことを特徴とする。
さらに、前記ピザエッジ加熱大孔の開口形状を下側が広い台形状乃至三角形状にすることにより、生地に近い下側に、より多くの熱風を吹き付けて効果的な焼き上がりを得ることが可能となる。
その結果、ピザの全体の表面が均一に薄く硬く焼けて黄色がかった状態で焼けが、その際に、ピザのエッジ部分では均一にパリッとしたサクサクな食感が、生地の中央部分ではもちもち感が得られ、ピザ全体を各部の特徴を生かして周方向が均一状態になるように焼き上げることが可能となった。
本発明のピザ焼き容器は、図1の(ロ)及び図7の(イ)に示すように、側壁部1cをピザ生地Kと略同径サイズに形成した盆状の金属製のトレー1と、そのトレー1の上に被せることができるように、トレーを上下逆さにした形状(被せた状態を図2に示す)で、中に入れたピザの具材に接触しない程度の高さに側壁部2cを形成した金属製のカバー2とから構成される。
前記トレー1には、ピザ生地Kが付着しないように、内部をフッ素樹脂などの剥離材でコーティング処理し、図1の(ロ)に示すように、底面の中央部1bに複数の中央加熱孔4を設け、さらに底面の外周寄り部位1aに円周方向に略等間隔に配列したエッジ加熱孔3を設ける。
そして、図1の(イ)に示すように、前記カバー2の上面の略2等分線を境にした一方側に周辺加熱小孔5を外周寄り部位2aに複数円周方向に略等間隔で設け、その略2等分線を境にした他方側には前記周辺加熱小孔5の2〜3倍程度の開口径を有する周辺加熱大孔6を外周寄り部2aに複数円周方向に略等間隔で設ける。
前記周辺加熱大孔6の開口の形状は、図1の(イ)に示すように、前記周辺加熱大孔6の形状を下側が広い台形状乃至三角形状とすれば、生地に近い下側に、より多くの熱風を吹き付けて効果的な焼き上がりを得ることが可能となる。
また、前記カバー2の上面の中央部2bにはピザの具材の量などに応じて数量を増減させた複数の具材加熱孔10を設ける。
即ち、図1の(イ)に示すように、前記周辺加熱小孔5の列と前記周辺加熱大孔6の列との境目付近において、開口量調節孔7を前記周辺加熱小孔5間に設け、また周辺加熱大孔6にも開口量調節孔7を設ける。これは周辺加熱小孔5と周辺加熱大孔6との開口の大きさの急な差をなだらかな差にして、焼け具合の均一性を高めるためのものである。
同様にピザエッジ加熱大孔もピザエッジ加熱小孔の1.5〜4倍の開口径となる大きさが好ましく、約3倍程度が最適である。
この方法には従来知られているベルトコンベアー式のピザ焼機も使用できる。
その装置11は、図3に示されるように、一定の高さにする支持脚部16の上に、一方にはピザ送入れ口19が他方にはピザ取出し口20が設けられ、該ピザ送入れ口19側から前記ピザ取出し口20側へ搬送可能とした水平なベルトコンベアー12が一方のピザ送入れ口19の外から他方のピザ取出し口20の外へ突出した状態に架設されている。
前記ベルトコンベアー12を中心に上部熱風調節板13と下部熱風調節板14とが前記ベルトコンベアー12を挟んで配置され、前記ベルトコンベアー12の一側方からファン15で送られた高温の熱風が上部熱風調節板13の上に開口した上の熱気送風口17及び下部熱風調節板14の下に開口した下の熱気送風口18からベルトコンベアー12に向けて吹き付けられるようになっている。
ピザは、図7に示すように、ピザ生地KにチーズCやその他の肉や野菜などの具材Gを載せた生のピザを、そのピザの径と同じ径のピザ焼き容器に入れる。
そして、図3に示すように、ピザ送入れ口19の前の前記ベルトコンベアー12上にそのピザ入りのピザ焼き容器を載せる。
この際、図4に示すように、前記ベルトコンベアー12上にそのピザ入りのピザ焼き容器を、周辺加熱大孔6の列の中央部と周辺加熱小孔5の列の中央部とを通る中央線Xが搬送方向Yに対して前記熱気送風口17、18の反対側へ一定角度αに偏った状態で載置する。
そしてピザ焼き容器をそのまま状態で、前記ピザ焼機11のベルトコンベアー12を遅速進行させつつ前記ベルトコンベアー12の上下の一側方に前記熱気送風口17、18からガス燃焼室で加熱させた高温の熱風をファン15で吹き付ける。
ピザ焼き容器の全体がピザ焼機内に納まったときには、全体の温度が高くなるが周辺加熱大孔6が前側にあるので、そこから高温空気が多く流入するため、若干進行方向前側の温度のほうが高くなる。
そして、しばらく全体の温度が高められてからピザが焼ける段階になる。このとき、ピザ焼き容器の熱気送風口17、18側の方が高温となっているが、ピザ焼き容器は進行方向Yに対して一定角度αに偏った状態で載置されているので、ピザ焼き容器内部のピザは進行方向左右の温度差は殆どなくなる。この状態で5分程度経てほぼ均一ではあるが若干進行方向前側のほうがやや強く焼ける。
前記一定角度αは、ピザを焼く温度や前記ベルトコンベアー12の搬送速度に応じた最適な角度を予め求めておく。
ピザ取出し口20からピザ焼き容器の後部まで出てきたときには、ピザ全体がほど良く均一に焼き上がる。
焼き始めではピザのエッジ部分の下部がピザエッジ部加熱孔3から直接に加熱されるが、収縮で少しでも開くと、ピザのエッジ部分がトレー1の側壁部1cから離れていた隙間を通して高温の熱風がエッジ部分の側面を通過できるようになり、エッジ部分の焼け方が中央部よりも進行して、ピザエッジに近い前記カバー2のピザエッジ加熱小孔9及びピザエッジ加熱大孔8からの加熱も加わってエッジ部分の全体がふっくら膨らんでパリッとしたサクサク感のあるピザ特有な食感が得られる程度に良く焼き上がる。
孔のないカバーを用いた実験では、焦げ目が入らずにピザのエッジ部分も白いままで生地が全体にもちもち感はあるがチーズの溶けも悪く、柔らかく生焼き状態で味が悪く食べられるものではなかった、前記カバー2上面の具材加熱孔10の開口量を調節することで、各種のピザが、それに用いる肉や野菜など各種具材と生地の中央部を最適な焼け具合にすることが可能となる。
その場合、周辺加熱小孔5を熱風の吹き出し側に向けてピザ焼機にセットすることによってピザ焼き容器に入れたピザへの加熱具合を全体が均一になるように制御できるので、上記ベルトコンベアー型のピザ焼機と同様にピザを美味しく焼くことが可能となる。
また、一側方から熱風を吹き付けて焼くタイプ以外のピザ焼機や、トレー回転式のピザ焼機で使用する場合には、カバーを載せないでトレーのみで使用することも可能である。
1a トレー底面の外周寄り部位
1b トレー底面の中央部
1c トレーの側壁部
1d トレーの口縁部
1e トレー底面の外周縁
2 カバー
2a カバー上面の外周寄り部位
2b カバー上面の中央部
2c カバーの側壁部
2d カバーの口縁部
2e カバー上面の外周縁
3 ピザエッジ部加熱孔
4 中央加熱孔
5 周辺加熱小孔
6 周辺加熱大孔
7 開口量調節孔
8 ピザエッジ加熱大孔
9 ピザエッジ加熱小孔
10 具材加熱孔
11 ピザ焼機
12 ベルトコンベアー
13 上部熱風調節板
14 下部熱風調節板
15 ファン
16 支持脚部
17 熱気送風口
18 熱気送風口
19 ピザ送入れ口
20 ピザ取出し口
α ベルトコンベアーの進行方向に対するピザ焼き容器の載置角度
K ピザ生地
G 具材
C チーズ
Claims (8)
- ピザを載せるトレーと、該トレーを上下逆さにした形状のカバーとから成る金属製のピザ焼き容器であって、
前記トレーには、中央部に複数の中央加熱孔を設けるとともに外周寄り部位に円周方向略等間隔で複数のピザエッジ加熱孔を設け、
前記カバーには、上面の一方の略半分の外周寄り部位に円周方向略等間隔に複数の周辺加熱小孔を設けるとともに他方の略半分の外周寄り部位に円周方向略等間隔に前記周辺加熱小孔よりも大きい開口径を有する複数の周辺加熱大孔を設け、該上面の中央部に複数の具材加熱孔を適宜間隔に設け、該カバーの側壁に前記周辺加熱小孔に対応した面においては複数略同径のピザエッジ加熱小孔を略等間隔に設けるとともに前記周辺加熱大孔に対応した面においては複数の前記ピザエッジ加熱小孔よりも大きい開口径を有するピザエッジ加熱大孔を略等間隔に設けたことを特徴とするピザ焼き容器。 - 周辺加熱大孔が周辺加熱小孔の1.5〜4倍の開口径を有し、ピザエッジ加熱大孔がピザエッジ加熱小孔の1.5〜4倍の開口径を有することを特徴とする請求項1に記載のピザ焼き容器。
- トレーの中央加熱孔を5〜20mm径に形成して3〜18個設け、ピザエッジ加熱孔を6〜20mm径に形成して8〜60個設け、またカバーの周辺加熱小孔を5〜20mm径に形成して8〜24個設け、周辺加熱大孔を4〜18個設け、具材加熱孔を5〜20mm径に形成して3〜50個設け、ピザエッジ加熱小孔5〜20mm径に形成して8〜60個設け、ピザエッジ加熱大孔を8〜20個設けたけたことを特徴とする請求項1又は2に記載のピザ焼き容器。
- カバーの周辺加熱小孔及び周辺加熱大孔の各孔間に、それらより小さい孔径の開口量調節孔を、前記周辺加熱小孔の列の中央部からから周辺加熱大孔の列の中央部へ向けて開口量が円周方向に漸増するように配設したことを特徴とする請求項1から3のうちいずれかに記載のピザ焼き容器。
- トレーの内面を剥離材でコーティング処理したことを特徴とする請求項1から4のうちいずれかに記載のピザ焼き容器。
- ピザエッジ加熱大孔の形状を下側が広い台形状乃至三角形状としたことを特徴とする請求項1から5のうちいずれかに記載のピザ焼き容器。
- トレーの各ピザエッジ加熱孔を、生地の焼き上げ収縮により全部開口可能となる位置に配設したことを特徴とする請求項1から6のうちいずれかに記載のピザ焼き容器。
- 上記請求項1から7のうちいずれかに記載のピザ焼き容器を用いてベルトコンベアー式のピザ焼機でピザを焼く方法であって、前記ピザ焼機は、ピザ送入れ口側からピザ取出し口側へ搬送可能とした水平なベルトコンベアーが一方のピザ送入れ口の外から他方のピザ取出し口の外へ突出した状態に架設され、該ベルトコンベアーの一側方の上と下にそれぞれ設けた熱気送風口から熱風を吹き出して前記ベルトコンベアー上に載せたピザを焼く装置を用い、生のピザを前記ピザ焼き容器に入れ、ベルトコンベアー上にそのピザ入りのピザ焼き容器を、ピザエッジ加熱大孔の列の中央部とピザエッジ加熱小孔の列の中央部とを通る中央線が搬送方向に対して前記熱気送風口の反対側へ一定角度偏った状態で載置し、前記ピザ焼機のベルトコンベアーを遅速進行させつつ前記ベルトコンベアーの上下の一側方から熱風を吹き付けて、ピザ焼き容器がピザ取出し口に達するまでにピザが均一に焼けるようにしたことを特徴とするピザを焼く方法。
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