JP5131146B2 - ねじ装置用シールの製造方法とねじ装置用シール及びねじ装置 - Google Patents
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Description
しかしながら、上述したねじ装置用シールは、従来、シールリップを射出成形するときに用いる金型として、図10および図11に示すような金型3、すなわち多数のゲート3aが円環状に配列された金型3を用いて製造されている。
本発明は上述した問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、熱可塑性エラストマからなるシールリップを射出成形するときにウェルドラインの発生する部分の強度が弱くなることを抑制することのできるねじ装置用シールの製造方法とねじ装置用シール及びねじ装置を提供することにある。
請求項3記載の発明に係るねじ装置用シールの製造方法は、請求項1又は2記載のねじ装置用シールの製造方法であって、前記熱可塑性エラストマが硬度デュアロメータA75±10の弾性を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明に係るねじ装置用シールの製造方法は、請求項1〜4のいずれか一項記載のねじ装置用シールの製造方法であって、前記多数のゲートのうち隣合う二つのゲートから前記ねじ軸外周面と前記ねじ溝との境界部までの距離が異なるように、前記ゲートが周方向に等角度で配列されていることを特徴とする。
請求項6記載の発明に係るねじ装置用シールの製造方法は、請求項1〜5のいずれか一項記載のねじ装置用シールの製造方法であって、前記多数のゲートのうち隣合う二つのゲートから前記ねじ軸の溝底までの距離が異なるように、前記ゲートが周方向に等角度で配列されていることを特徴とする。
請求項8記載の発明に係るねじ装置は、請求項7記載のシールを備えたことを特徴とする。
図1および図2は本発明に係るねじ装置用シールの製造方法で用いられる金型の一例を示す図であり、図1および図2に示される金型3が図10および図11に示した金型と異なる点は、シールリップ1の先端までの最短距離が一定で且つ周方向に等角度(例えば15°前後)で配列された多数のゲート3aを有する点である。
上述したように、ねじ装置用シールのシールリップを射出成形するときに用いる金型として、シールリップ1の先端までの最短距離が一定で且つ周方向に等角度(例えば15°前後)で配列された多数のゲート3aを有する金型3を用いると、金型3の各ゲート3aからシールリップ1の先端までの最短距離のばらつきが±10%以下となり、シールリップ1の先端部で熱可塑性エラストマの冷却速度にばらつきが生じ難くなる。したがって、熱可塑性エラストマからなるシールリップ1を射出成形するときにウェルドライン4の発生する部分の強度が弱くなることを抑制することができる。
具体的に、シールリップ1のねじ軸外周面とねじ溝との境界部に接触する位置Aに関しては、図5に示すように、図1および図2に示した金型3で、位置Aに最も近い二つのゲート3A,3Bを、位置Aからの距離L1,L2が異なるように配置してある(L1<L2、好ましくは、L2/L1≦1.2)ことで、位置Aへのウエルドライン4の発生が防止されている。シールリップ1のねじ溝の溝底部に接触する位置Bに関しては、図5に示すように、図1および図2に示した金型3で、前記位置Bの位相にゲート3Cが配置されていることで、位置Bへのウエルドライン4の発生が防止されている。
次に、本発明に係るねじ装置の一実施形態を図7に示す。同図において、11はねじ軸、12はナットを示し、ねじ軸11の外周面には、ねじ溝13が形成されている。このねじ溝13はナット12の内周面に形成されたねじ溝14と対向しており、ねじ溝13とねじ溝14との間には、多数のボール15が設けられている。これらのボール15はねじ軸11またはナット12の回転に伴ってねじ溝13とねじ溝14との間のボール負荷転走路を転走するようになっており、ボール負荷転走路を転走したボール15はナット12に組み付けられた循環チューブ16に導入され、この循環チューブ16内を経由して元の位置に戻されるようになっている。
図7に示した一実施形態では、本発明をボールねじに適用した場合を示したが、これに限られるものではなく、たとえば、ローラねじ、遊星ローラねじについても本発明を適用することが可能である。
2 シールリップ保持部材
2a アンカ孔
3 金型
3a ゲート
3b キャビティ
4 ウェルドライン
11 ねじ軸
12 ナット
13,14 ねじ溝
15 ボール
16 循環チューブ
17 シール
Claims (8)
- ねじ装置のねじ軸外周面および該ねじ軸外周面に形成されたねじ溝に接触するシールリップが熱可塑性エラストマからなるねじ装置用シールの製造方法であって、
前記シールリップを射出成形するときに用いる金型として、前記シールリップの先端までの最短距離が一定に配列された多数のゲートを有する金型を用いるとともに、
前記シールリップを保持するシールリップ保持部材として、前記金型の各ゲートに対応した多数のアンカ孔を有するシールリップ保持部材を用いて前記ねじ装置用シールを製造することを特徴とするねじ装置用シールの製造方法。 - 請求項1記載のねじ装置用シールの製造方法であって、
前記シールリップを射出成形するときに用いる金型として、前記シールリップの先端までの最短距離が一定で且つ周方向に等角度で配列された多数のゲートを有する金型を用いて前記ねじ装置用シールを製造することを特徴とするねじ装置用シールの製造方法。 - 請求項1又は2記載のねじ装置用シールの製造方法であって、
前記熱可塑性エラストマが硬度デュアロメータA75±10の弾性を有することを特徴とするねじ装置用シールの製造方法。 - 請求項3記載のねじ装置用シールの製造方法であって、
前記熱可塑性エラストマがオレフィン系の動的架橋型熱可塑性エラストマであることを特徴とするねじ装置用シールの製造方法。 - 請求項1〜4のいずれか一項記載のねじ装置用シールの製造方法であって、
前記多数のゲートのうち隣合う二つのゲートから前記ねじ軸外周面と前記ねじ溝との境界部までの距離が異なるように、前記ゲートが周方向に等角度で配列されていることを特徴とするねじ装置用シールの製造方法。 - 請求項1〜5のいずれか一項記載のねじ装置用シールの製造方法であって、
前記多数のゲートのうち隣合う二つのゲートから前記ねじ溝の溝底までの距離が異なるように、前記ゲートが周方向に等角度で配列されていることを特徴とするねじ装置用シールの製造方法。 - 請求項1〜6のいずれか一項記載の方法により製造されたことを特徴とするねじ装置用シール。
- 請求項7記載のシールを備えたことを特徴とするねじ装置。
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