JP5131136B2 - 超伝導部材及び超伝導磁気浮上装置 - Google Patents

超伝導部材及び超伝導磁気浮上装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5131136B2
JP5131136B2 JP2008260057A JP2008260057A JP5131136B2 JP 5131136 B2 JP5131136 B2 JP 5131136B2 JP 2008260057 A JP2008260057 A JP 2008260057A JP 2008260057 A JP2008260057 A JP 2008260057A JP 5131136 B2 JP5131136 B2 JP 5131136B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
magnet
superconductor
magnetic
superconducting member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008260057A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009055051A (ja
Inventor
充 森田
英一 手嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP2008260057A priority Critical patent/JP5131136B2/ja
Publication of JP2009055051A publication Critical patent/JP2009055051A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5131136B2 publication Critical patent/JP5131136B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

本発明は、磁気浮上用の超伝導部材及び超伝導磁気浮上装置に関し、特に、リニアモータ等の搬送機器等の磁気浮上装置に関する。
超伝導軸受は、超伝導体と磁石との間のピンニング効果を利用したものであり、物体を制御なしで非接触で安定に浮上・回転できる機能を有する軸受である。超伝導軸受における超伝導体と磁石の位置関係には、主にアキシャル軸受型配置とラジアル軸受型配置がある。図1に示すように、アキシャル軸受型配置では、超伝導体と磁石は軸方向に対向している。一方、図2に示すように、ラジアル軸受型配置では、超伝導体と磁石は動径方向に対向している。
超伝導軸受には、単結晶状に作製された大型の酸化物系超伝導体が用いられる。しかし、単結晶状の酸化物系超伝導体には結晶方位による異方性があり、結晶のc軸に平行な方向と、結晶のc軸に垂直な方向、すなわち結晶のa軸とb軸で形成するa-b面内に平行な方向との間で、超伝導特性が大きく異なる。その結果、磁石に対する超伝導体の結晶方位をどちらに向けるかによって浮上力が大きく異なる。従来は、浮上力を大きくするため、超伝導体のc軸を磁石の方に向ける、すなわち超伝導体のc軸が磁石の面に垂直になるような結晶配置で用いられるのが一般的であった。すなわち、アキシャル軸受型配置では、超伝導体のc軸は軸方向に向いたアキシャル配向であり、ラジアル軸受型配置では、超伝導体のc軸は動径方向を向いたラジアル配向であった。
アキシャル軸受型配置では、軸受を構成する超伝導体全体のc軸をアキシャル配向させることは可能である。しかしながら、ラジアル軸受型配置では、軸受を構成する超伝導体のc軸を軸受全周にわたってラジアル配向させることは、単一の結晶では不可能である。従って、従来技術としては、図2に示すように、いくつかの試料を作製し、それぞれを扇形状に加工し、それらを組み合わせて1つの軸受を構成する超伝導体とし、軸受を構成する個々の要素部材のc軸をラジアル配向させる手法がとられている。このとき、個々の扇形状部材間の接合方法は、個々の部材を単に冷却容器に収納することによって物理的に接合しているだけか、あるいは冷却容器に収納する際にお互いに接着剤で接合固定しているだけである。上記従来技術は、特許文献1に記載されている。
また、回転運動する軸受に対し、並進運動する磁気浮上装置には、リニアモータ搬送装置等がある。図3に超伝導搬送装置の基本構造を示す。
特開2001−248642号公報
しかしながら、図1、図2及び図3のように複数の超伝導体で超伝導軸受を作製すると、個々の超伝導要素部材は単に物理的に結合されているだけであり、各要素部材間の境界では超伝導電流は流れない。しかも、ラジアル型軸受の場合、厳密には個々の要素部材のc軸がラジアル配向している部分は要素部材の中央部だけであり、中央部からずれるにつれてc軸と動径方向とのずれは大きくなる。そのため、軸受全体としての超伝導体のc軸が動径方向へ配向している度合いを改善するには、要素部材の数を多くすることになるが、このことは逆に超伝導電流の流れない要素部材間の境界の数も増やすことになる。従って、ラジアル軸受型配置においては、従来の方法では、軸受全体の結晶の配向性を向上させることと、超伝導電流が流れない境界面の数を低減させることが、相反する性質を有しているため、浮上力及び回転損失を改善することが難しいという問題があった。
また、アキシャル軸受型配置でも、軸受サイズが大きくなると、単結晶状の超伝導体を一体もので作製することは困難なので、複数の超伝導体を組み合わせることになる。この場合にも、個々の超伝導体間に超伝導電流が流れないので、浮上力及び回転損失を改善することが難しいという問題があった。
このような課題に対し、図4及び図5に示すように、超伝導体を積層構造にし、かつ、隣り合う層毎に超伝導部材同士の境界面の位置がずれるようにすることによって、全体としての超伝導体の特性の均一化を図ることが、特許文献1に記載されている。
複数の超伝導部材からなる超伝導磁気軸受において、個々の部材の継ぎ目、及び個々の超伝導体内の特性不均質は、全体としての超伝導体の不均一性として現れる。軸受または搬送装置に荷重等の負荷が加えられた時、超伝導体は実質的に超伝導磁石として機能し、載荷力(又は反発力、又は浮上力)を発生する。この全体としての不均質は、不均質な超伝導磁石の原因になり、たとえ永久磁石の本来の特性が均質であったとしても、回転又は並進運動時には永久磁石内に誘導電流を誘起し、エネルギー損失をもたらす。また、さらには、永久磁石の見掛けの磁場分布均質性を低下させる。このようなエネルギー損失は、超伝導フライホイールエネルギー貯蔵装置用軸受の場合、特に低減する必要がある。
本発明は、上記の問題を解決し、より簡便でかつ経済的に並進運動時に損失の少ない超伝導部材及び磁気浮上装置を提供することである。
本願発明は、以下のとおりである。
(1) 単結晶状のREBa 2 Cu 3 O x 相(REはYを含む希土類元素及びその組み合わせ)中にRE 2 BaCuO 5 相が微細分散している酸化物超伝導体が複数接合して形成されており、磁石からの磁束変化を打ち消すように電流が流れた場合に前記磁石との変位を調整する超伝導部材であって、前記磁石と対向する面を共有する酸化物超伝導体同士の接合面において前記磁石と対向する面と直交しない面を少なくとも一部に有していることを特徴とする超伝導部材。
(2) 前記超伝導部材がアキシャル型、ラジアル型または並進型であることを特徴とする(1)に記載の超伝導部材。
(3) 前記磁石と対向する面を共有する酸化物超伝導体同士の接合面の少なくとも一部が、前記力の方向に係る面に対して0°超45°以下の交差角度を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の超伝導部材。
(4) 前記磁石と対向する面を共有する酸化物超伝導体同士の接合面の少なくとも一部が平面であることを特徴とする(1)〜(3)の何れか1つに記載の超伝導部材。
(5) 前記磁石と(1)〜(4)の何れか1つに記載の超伝導部材とを少なくとも有することを特徴とする超伝導磁気浮上装置。
以上で述べたように、本願発明の超伝導部材や超伝導磁気浮上装置は、平行移動にともなう損失が小さく、リニアモータ等の搬送機器等の磁気浮上装置に好適に用いることができ、その工業的効果は甚大である。
永久磁石と超伝導体との自立安定型の超伝導磁気浮上を例に、本発明の内容を詳述する。超伝導体が永久磁石の磁場中で超伝導状態に冷却され、その安定点で、永久磁石から発する磁束が超伝導体中に捕捉されている状況を考える。永久磁石が安定点から変位しようとした場合、永久磁石が安定点から変位するときに発生する磁束変化を打ち消すように、超伝導体内で超伝導電流が誘起される。この超伝導電流により超伝導体は磁石となり、永久磁石と超伝導磁石との間に力が作用する。この力が載荷力(反発力又は浮上力)と呼ばれるもので、安定点への復元力であり、安定磁気浮上の原理である。すなわち、磁気浮上において、超伝導体は永久磁石との変位に応じて強度を変化させる制御磁石として機能する。
したがって、超伝導磁気浮上状態において、永久磁石と超伝導体との相対的変位が発生する場合、永久磁石の磁場分布が均一であっても、超伝導体の特性が不均一な場合は、超伝導磁石の不均一磁場により永久磁石内で誘導電流が発生し、エネルギー損失が生じる。このような、エネルギー損失を軽減するには、均質な永久磁石を用い、かつ全体としてより均一な超伝導体を用いる必要がある。超伝導体の不均質の要因には、個々の超伝導体の不均質と、個々の超伝導体間の継ぎ目による不均質がある。本発明は、主に、超伝導体間の継ぎ目による不均質を比較的簡便に改善するものである。
超伝導体は磁石として機能することから、磁場中冷却等で着磁された個々の超伝導体及び継ぎ目の磁束分布を均質にすることが、相対運動を伴う磁気浮上におけるエネルギー損失の低減に寄与する。
図6に十分に着磁された2つの超伝導体について、超伝導体内の超伝導電流の流れ、矢印の方向から見た磁束分布、超伝導体表面での磁束密度を、図6(a)、図6(b)、図6(c)にそれぞれ模式的に示す。図6から、磁石と対向する超伝導体の面と超伝導体同士の接合面の全部が直交している場合は、接合面で極性が反転する等、磁束密度分布は大きく変化しており、きわめて不均質な超伝導磁石になることが分かる。
これに対して、磁石と対向する超伝導体の面と超伝導体同士の接合面の全部が直交せず、例えば、斜めに重なり合うようにして接合されている場合は、図7に示すように、接合面での磁場分布は、かなり改善される。本発明における超伝導部材の磁石との対向面と超伝導体接合面との交差角度とは、図7の場合、90°以下の狭い方の角度を意味し、30°となる。
通常、磁気浮上において、上述した十分に着磁された状態は、安定点から完全離れた状態に対応する。実際には、磁気浮上状態においては、比較的小さな変位に対し、超伝導体の一部にのみ電流が流れる状態で機能している。図6と図7の比較において、このような場合の磁場分布は、図7の接合がより均質な磁場分布を形成する。
上記原理に基づき、アキシャル型超伝導磁気軸受、ラジアル型超伝導磁気軸受、並進型搬送装置等を構成する場合、図1、図2、図3に示す従来の超伝導体に対し、図8ないし図10に記載の超伝導体の接合構造が、エネルギー損失の面からより優れていることが分かる。
磁石と対向する超伝導体の面と超伝導体同士の接合面とが必ずしも斜めの平面接合である必要はない。図11に接合面の形状の例を示す。図11(a)のような曲面でもよいが、加工の容易さの点からは図11(b)の平面が好ましい。また、図11(c)ように磁石の対向面のみ接合し、反対面は接合面を形成しない方法は、均質性を大きく損なうことなく、より小型の超伝導材料で実現できることから、経済的に優れている。超伝導体間の接合界面には、非超伝導物質又はギャップ等が存在しない方が望ましいが、補強等の観点から必要な場合は、最小限にとどめることが望ましい。なお、本発明における対向面との交差角度は、接合面全部で直交していなければ良く、図11(d)及び図11(e)のように、一部に直交した部分を有する場合でも、他の接合面による改善効果により、全体として磁場分布が改善できる。
本発明に用いる超伝導体は、ピンニング効果を発揮し得るものであれば特に制限されるものではないが、好ましくは、ピンニング力の強い超伝導体が望ましい。後述する本実施例で用いた超伝導体は、QMG材と呼ばれるもので、単結晶状のREBa2Cu3Ox相(REはYを含む希土類元素及びその組み合わせ)中にRE2BaCuO5相が微細分散している酸化物系超伝導体で、液体窒素温度でピンニング力の強い材料である(特許登録番号第1869884号)。
QMG材は、超伝導相であるREBa2Cu3Ox相の結晶学的方位におけるc軸に垂直な面(a−b面)間に劈開性が有り、ミクロなクラックが発生しやすい。そのため、図8ないし図10及び図12に示すような、a−b面内に超伝導電流を誘起する軸受構造又は搬送装置構造をとることが望ましい。図9及び図12はc軸と回転軸とのなす角度が0°の位置関係を示し、図8は、c軸と回転軸とのなす角度が90°の場合を示す。また、図10は、c軸と磁石の移動方向とが直交している場合を示す。
一方、「Proceedings of the fifth U.S.-Japan Workshop on high Tc Superconductor (November 10, 1992, p95, Tsukuba, Japan)」にも記載されているように、単結晶状のQMG材の超伝導相には、結晶方位の揺らぎがある。c軸方向の揺らぎに関して、数mmの範囲内では、±6°程度ある。また、数cmの範囲内では、±30°程度ある場合がある。この揺らぎは、隣り合う亜粒界の方位差は数°以内であるため、臨界電流密度を極端に低下させる弱結合とはならない。
また、本発明に用いる磁石は、軸受構造が簡単になるので永久磁石が望ましいが、電磁石や超伝導磁石でもよい。超伝導体と対向する表面の磁束密度が大きいほど浮上力も大きくなるので、永久磁石を用いる場合には、希土類系の永久磁石のように表面磁束密度の大きい材料、例えば、Nd-Fe-B系やPr-Fe-B系、Sm-Co系等の永久磁石が望ましい。
超伝導体を用いた磁気浮上装置や磁気軸受は、一般に、ギャップを適宜調整した上で、超伝導体が常伝導状態で永久磁石と対向させた後、液体窒素等の冷媒又は冷凍機等を用いて超伝導状態に冷却される。所定の温度に超伝導体が冷却された後、永久磁石の質量及びフライホイール等の質量が加わり、負荷が加わると超伝導体と磁石との無負荷での平衡状態から変位し、超伝導体中には超伝導電流が流れ、新たな平衡点に達する。
リニアモーターの場合は、並進運動を行うが、レールに対応する側が超伝導体であっても磁石であってもどちらでもよい。本発明の超伝導部材を用いたリニアモーターは、より均質な磁場分布を発生できるので、揺れの少ない安定した走行が可能となる。また、軸受においても、超伝導体の機械的強度の観点から回転子側が永久磁石である方が望ましいが、回転子側が超伝導体であってもよい。
(実施例1)
図13(a)に示すように、厚さ5mm、幅25mm、長さ約50mmの平面状の接合面を有する超伝導材料を2本、物理的に接合し、交差角度の異なる4組の超伝導部材を作製した。交差角度は90°、45°、30°、20°の4種類であり、図13(a)は90°の場合を示す。これらの超伝導体に対して、1T及び0.14Tの磁場中で77Kに冷却した後、外部磁場を取り除いたときの接合界面付近における超伝導材料表面の磁束密度分布を測定した。用いた超伝導材料は、単結晶状のYBa2Cu3Ox相中に1μm程度のY2BaCuO5相が20体積%程度分散している酸化物系超伝導体(QMG材)で、YBa2Cu3Ox相の結晶学的方位におけるc軸が板面に垂直であるように作製した。磁場印加方向は、c軸と平行であり、主に超伝導材料のa−b面内に流れる超伝導電流によるc軸方向の磁場を測定した。
図13(b)に、交差角度90°の材料について、図13(a)中の点線が示す接合部付近の超伝導磁束密度分布を矢印が示す方向から見た様子を示す。接合部分で磁極が反転し、最低値を示す。表1及び表2に、同様に、各交差角度で接続した超伝導材料に対し、1T及び0.14T中で冷却した場合の磁束密度分布を示す。交差角度が45°でも磁場分布を均一化する効果があり、30°以下では、極めて大きな均一化効果があることが分かる。さらに、1T中で十分な着磁を行った場合よりも、比較的弱い磁場中(0.14T)で、超伝導体が十分に磁化していない着磁を行った場合の方が、均一化効果が大きく現れることが分かる。
以上のように、交差角度を小さくすることによって、超伝導磁石の均質化が図られ、並進及び回転運動を伴う磁気浮上装置において、磁石との相対運動による損失が低減できることが明らかになった。
Figure 0005131136
Figure 0005131136
(参考例1)
図14に示すように、外径180mm、内径100mm、厚さ15mmの8分割された超伝導バルク材料と外径170mm、内径120mm、厚さ10mmのSm-Co系永久磁石を対向させ、アキシャル型超伝導磁気軸受を構成し、回転数の減衰率を測定した。超伝導材料は、単結晶状のYBa2Cu3Ox相中に1μm程度のY2BaCuO5相が20体積%程度分散している酸化物系超伝導体(QMG材)で、YBa2Cu3Ox相のc軸が回転軸と平行であるように作製した。交差角度は30°である。永久磁石は継ぎ目を有しない一体ものであり、着磁は、回転軸と平行に磁場が発生するように行った。
真空チャンバー内において、永久磁石と超伝導材料とを10mm離した状態で超伝導体を液体窒素中(77K)に冷却した。3000rpmまで高速回転させた後、2500rpmまでに減衰する時間から、減衰率を評価したところ2.0%/hであった。
比較材として、交差角度が90°の上記8分割された超伝導バルク材料を作製し、同様の実験を行ったところ、減衰率は、4.0%/hであった。
これらの比較から、交差角度が30°の場合、90°の場合と比べ、極めて減衰率が低くなり、損失が低下することが明らかになった。
(参考例2)
図15に示すような、外径120mm、内径100mm、高さ50mmの8分割された超伝導バルク材料と、外径146mm、内径126mm、厚さ40mmのSm-Co系永久磁石を対向させ、アキシャル型超伝導磁気軸受を構成し、回転数の減衰率を測定した。超伝導材料は、単結晶状のGdBa2Cu3Ox相中に1μm程度のGd2BaCuO5相が20体積%程度分散し、かつ数百μmの銀粒子が15体積%程度分散している酸化物系超伝導体(QMG材)で、GdBa2Cu3Ox相のc軸が回転軸と垂直であるように作製した。交差角度は35°である。永久磁石は継ぎ目を有しない一体ものであり、着磁は、回転軸と垂直に磁場が発生するように行った。
真空チャンバー内において、永久磁石と超伝導材料と隙間を3mm離した状態で超伝導体を液体窒素温度(77K)に冷却した。3000rpmまで高速回転させた後、2500rpmまでに減衰する時間から減衰率を評価したところ2.8%/hであった。
比較材として、交差角度が90°の上記8分割された超伝導バルク材料を作製し、同様の実験を行ったところ、減衰率は、4.6%/hであった。
これらの比較から、交差角度が35°の場合、90°の場合と比べ、極めて減衰率が低くなり、損失が低下することが明らかになった。
以上で述べたように、本実施例の超伝導部材や超伝導磁気浮上装置は、回転又は平行移動にともなう損失が小さく、電力貯蔵用フライホイールや高速回転機器等に用いられる超伝導軸受及びリニアモータ等の搬送機器等の磁気浮上装置に好適に用いることができ、その工業的効果は甚大である。
従来のアキシャル型超伝導磁気軸受の永久磁石と超伝導部材の配置例と、これに用いる超伝導部材の例を示す図である。 従来のラジアル型超伝導磁気軸受の永久磁石と超伝導部材の配置例と、これに用いる超伝導部材の例を示す図である。 従来の並進浮上型装置の永久磁石と超伝導部材の配置例と、これに用いる超伝導部材の例を示す図である。 継ぎ目を覆うように超伝導材料を配置した従来技術の例を示す図である。 継ぎ目を覆うように超伝導材料を配置した従来のラジアル型超伝導磁気軸受用の超伝導部材の例を示す図である。 (a)十分に着磁された2つの超伝導体(交差角度=90°)及び超伝導電流の流れと、(b)これの矢印方向から見た磁束分布と、(c)超伝導体表面での磁束密度とを示す図である。 (a)十分に着磁された2つの超伝導体(交差角度=30°)及び超伝導電流の流れと、(b)これの矢印の方向から見た磁束分布と、(c)超伝導体表面での磁束密度とを示す図である。 本発明のラジアル型超伝導磁気軸受用の超伝導部材の例を示す図である。 本発明のアキシャル型超伝導磁気軸受用の超伝導部材を示す図である。 本発明の並進浮上型装置の超伝導部材の例を示す図である。 (a)〜(e)はそれぞれ本発明における超伝導部材の接合面の例を示す図を示す図である。 超伝導材料のc軸が軸方向と平行なラジアル型超伝導磁気軸受の超伝導部材の例を示す図である。 (a)実施例1で用いた超伝導体の一例と、これにおける(b)磁束密度分布を示す図である。 参考例1で用いたアキシャル型磁気軸受用超伝導体を示す図である。 参考例2で用いたラジアル型磁気軸受用超伝導体を示す図である。

Claims (5)

  1. 単結晶状のREBa 2 Cu 3 O x 相(REはYを含む希土類元素及びその組み合わせ)中にRE 2 BaCuO 5 相が微細分散している酸化物超伝導体が複数接合して形成されており、磁石からの磁束変化を打ち消すように電流が流れた場合に前記磁石との変位を調整する超伝導部材であって、前記磁石と対向する面を共有する酸化物超伝導体同士の接合面において前記磁石と対向する面と直交しない面を少なくとも一部に有していることを特徴とする超伝導部材。
  2. 前記超伝導部材がアキシャル型、ラジアル型または並進型であることを特徴とする請求項1に記載の超伝導部材。
  3. 前記磁石と対向する面を共有する酸化物超伝導体同士の接合面の少なくとも一部が、前記磁石と対向する面に対して0°超45°以下の交差角度を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の超伝導部材。
  4. 前記磁石と対向する面を共有する酸化物超伝導体同士の接合面の少なくとも一部が平面であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の超伝導部材。
  5. 前記磁石と請求項1〜4の何れか1項に記載の超伝導部材とを少なくとも有することを特徴とする超伝導磁気浮上装置。
JP2008260057A 2008-10-06 2008-10-06 超伝導部材及び超伝導磁気浮上装置 Expired - Fee Related JP5131136B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008260057A JP5131136B2 (ja) 2008-10-06 2008-10-06 超伝導部材及び超伝導磁気浮上装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008260057A JP5131136B2 (ja) 2008-10-06 2008-10-06 超伝導部材及び超伝導磁気浮上装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002196817A Division JP4220733B2 (ja) 2002-07-05 2002-07-05 超伝導磁気軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009055051A JP2009055051A (ja) 2009-03-12
JP5131136B2 true JP5131136B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=40505772

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008260057A Expired - Fee Related JP5131136B2 (ja) 2008-10-06 2008-10-06 超伝導部材及び超伝導磁気浮上装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5131136B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0537397Y2 (ja) * 1985-12-10 1993-09-21
JPH01151447A (ja) * 1987-12-09 1989-06-14 Mitsubishi Electric Corp 磁気共鳴装置
JPH0722576B2 (ja) * 1988-04-11 1995-03-15 三菱電機株式会社 磁気共鳴装置
JPH0779200B2 (ja) * 1988-05-30 1995-08-23 大阪府 超電導磁気シールド体
JPH0226537A (ja) * 1988-07-14 1990-01-29 Mitsubishi Electric Corp 磁気共鳴装置
JPH0832599B2 (ja) * 1989-05-15 1996-03-29 日本碍子株式会社 酸化物超電導体の筒状体構造
JPH065342A (ja) * 1992-06-16 1994-01-14 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導線の接合方法
JP3121946B2 (ja) * 1993-01-29 2001-01-09 京セラ株式会社 酸化物超電導磁気遮蔽構造体
JPH0897589A (ja) * 1994-09-28 1996-04-12 Mitsubishi Materials Corp 磁気シールド積層体及びこれを用いた磁気シールド材

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009055051A (ja) 2009-03-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2968999B2 (ja) 高スラスト及び高安定性の磁石−超伝導体システム
US5126317A (en) Bearing system employing a superconductor element
JP3961032B2 (ja) 回転子軸の磁気軸受装置
WO1995020264A1 (fr) Dispositif de sustentation magnetique
US6737777B2 (en) Magnetic bearing and use thereof
JP2007020387A (ja) 超伝導非接触回転装置
US5270601A (en) Superconducting composite magnetic bearings
JP4220733B2 (ja) 超伝導磁気軸受
JP3554070B2 (ja) 超電導磁気軸受装置
JP5131136B2 (ja) 超伝導部材及び超伝導磁気浮上装置
JP4865081B2 (ja) 酸化物超伝導バルク磁石部材
US5479059A (en) Thin film superconductor magnetic bearings
Tixador et al. Hybrid superconducting magnetic suspensions
JP4670094B2 (ja) 超電導軸受と磁気浮上装置
JP2001248642A (ja) 超電導軸受
Kim et al. Development of the noncontact rotating system using combined ring-shaped HTS bulks and permanent magnets
JP3631399B2 (ja) 超電導着磁装置
JP4874318B2 (ja) 超電導軸受
JP3677088B2 (ja) 超電導磁気軸受
JP2022071330A (ja) 高磁気勾配型超電導バルク磁石装置
US8575808B2 (en) Electric motor comprising an inductor with a superconducting element incorporated between coils
Okamura et al. Study on the Rotation Properties and the Design Issue of Non-Contact Rotating System Using HTS Bulks and Permanent Magnets
Murakami Applications of bulk high temperature superconductors
JPH07327338A (ja) 超電導浮上型回転装置
JPH07274563A (ja) 超電導浮上装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120313

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120514

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121009

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121022

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5131136

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151116

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees