JPH065342A - 超電導線の接合方法 - Google Patents

超電導線の接合方法

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JPH065342A
JPH065342A JP15678192A JP15678192A JPH065342A JP H065342 A JPH065342 A JP H065342A JP 15678192 A JP15678192 A JP 15678192A JP 15678192 A JP15678192 A JP 15678192A JP H065342 A JPH065342 A JP H065342A
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superconducting
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JP15678192A
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English (en)
Inventor
Jun Fujigami
純 藤上
Kenichi Sato
謙一 佐藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 接合による臨界電流の低減がほとんどない永
久電流接合を実現する。 【構成】 テープ状超電導線30、30′の接合すべき
部分において、形成される金属被覆の端面が超電導線3
0、30′の幅方向に対して斜めになるよう金属被覆を
剥離して酸化物超電導体32、32′を露出させる。露
出した酸化物超電導体32、32′に別の酸化物超電導
体14を介在させて超電導線30、30′を接合する。
接合にあたり、接合部を銀で被覆した後、塑性加工およ
び焼結のための加熱処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化物高温超電導材料
を用いた超電導線の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年発見された、イットリウム系、ビス
マス系、タリウム系などの酸化物高温超電導材料は、ケ
ーブル、ブスバー、パワーリード、およびコイルなどに
応用すべく、その線材化が当初より検討されてきた。
【0003】検討開発されてきた超電導線材において、
テープ線材は、開発当初よりその性能が大きく向上して
きており、現在では臨界電流密度等のあらゆる面で実用
化レベルの性能に達しつつある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】酸化物高温超電導材料
について線材を開発するにあたり、長尺で安定した特性
を有する線を得る必要があるばかりでなく、大電流を確
保できる状態で、超電導線の接合部を形成する接合技術
が重要となる。特に、コイルの用途においては、永久電
流接合が必要となる。
【0005】このような接合技術において、接合部での
臨界電流の低下をいかに少なくするかが、大きな課題と
なっている。それゆえに、本発明の目的は、酸化物超電
導線の接合において、接合による臨界電流の低減を効果
的に抑制し得る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従って、金属被
覆された酸化物超電導体よりなるテープ状超電導線同士
を接合するための方法が提供される。
【0007】第1の発明に従う超電導線の接合方法は、
テープ状超電導線の接合すべき部分において、形成され
る金属被覆の端面が超電導線の幅方向に対して所定の角
度で傾斜するように金属被覆を剥離して酸化物超電導体
を露出するステップと、露出した酸化物超電導体間に別
体として準備される酸化物超電導体を介在させて接合す
るステップとを備える。
【0008】第1の発明において、テープ状超電導線の
接合すべき端面は、超電導線の幅方向と平行なままにし
ておいてもよいし、幅方向に対して所定の角度で傾斜す
るように加工することもできる。
【0009】超電導線の端面が、その幅方向に対して所
定の角度で傾斜している場合、金属被覆の剥離により形
成される金属被覆の端面が、傾斜する超電導線の端面と
平行となるか、または対称な角度で傾斜するように超電
導体を露出させることができる。
【0010】第1の発明において、金属被覆は、接合し
ようとする線材の幅の2倍以上30倍以下の長さにわた
って剥離されることが望ましい。このような長さにわた
る剥離により露出する酸化物超電導体を介在物を用いて
接合することで、安定した接合を達成することができ
る。
【0011】第1の発明において接合を行なうステップ
では、超電導体同士が介在物によってつなぎ合わされた
部分に塑性加工または押圧加工を施すことができる。こ
のとき、加工時の線材のずれを防ぐために、接合される
部分を所定の配置で銀板等に接着、固定することが望ま
しい。これらの加工の後、少なくとも加工された部分
は、熱処理されることが好ましい。また、このような塑
性加工および熱処理は、交互にそれぞれ2回以上施され
ることがより好ましい。
【0012】また、接合するステップにおいて、超電導
体同士が重ね合わされた部分を圧力をかけながら熱処理
してもよい。圧力は、ガラステープまたはホットプレス
等でかけることできる。このような方法は、超電導体同
士の接合を確実にする。
【0013】第1の発明において、接合のために別体と
して準備される酸化物超電導体は、接合すべき超電導線
の酸化物超電導体と同じ組成のものであることが望まし
い。接合すべき酸化物超電導体間に介在させる酸化物超
電導体は、任意の形状で準備できるが、たとえば、接合
のため超電導線を所定の位置関係に配置した際、露出さ
れた超電導体の形状と一致するよう準備することがより
好ましい。このような場合、別体として準備される酸化
物超電導体は、接合すべき超電導線において超電導体が
露出された部分に嵌合させることができる。
【0014】第2の発明に従う超電導線の接合方法は、
テープ状超電導線の接合すべき部分において、金属被覆
の剥離により露出された超電導体同士を重ね合わせて接
合した後、接合部分に、塑性加工および焼結のための加
熱処理を交互にそれぞれ2回以上施すことを特徴とす
る。
【0015】第2の発明において、線材の焼結処理が進
んでいない段階で金属被覆を剥がして超電導体を露出さ
せ、接合を行なうプロセスで塑性加工および焼結処理を
交互に2回以上繰返すことが、接合部の臨界電流を向上
させるためより効果的である。
【0016】第3の発明に従う超電導線の接合方法は、
テープ状超電導線の接合すべき部分において、金属被覆
の剥離により露出された超電導体同士を接合するに際
し、超電導体同士が接合されるべき部分を、焼鈍処理し
た銀材で覆うことを特徴とする。
【0017】第3の発明において、焼鈍処理のための温
度は、たとえば、800℃以上900℃以下が好まし
い。また、第3の発明において用いられる銀材として、
厚さが10μm以上50μm以下の銀箔が好ましい。
【0018】第1〜第3の発明に従う方法は、酸化物超
電導体が金属で被覆されることにより形成されたテープ
状線材を接合するため適用される。このテープ状線材に
おいて、被覆金属は、高温超電導体と反応せず、容易に
加工できるものが好ましい。さらに、金属は安定化材と
して機能するような比抵抗の小さなものがよい。このよ
うな金属として、銀または銀合金が好ましく用いられ
る。
【0019】銀または銀合金は、被覆材そのもの、また
は被覆のための中間層として用いることができる。中間
層としてこれらを用いる場合は、別の金属、たとえば
銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレススチールまた
はそれらの合金が被覆のためさらに用いられる。
【0020】酸化物超電導体としては、たとえば、イッ
トリウム系、ビスマス系、またはタリウム系酸化物超電
導体が用いられる。
【0021】以上に示した第1〜第3の発明は、接合に
よる臨界電流の低減を抑制するためそれぞれ単独で行な
うことができる一方、接合による臨界電流の低減をより
効果的に抑制するため、任意の組合せにおいて実施する
ことができる。
【0022】たとえば、第1〜第3の発明を組合せて接
合を行なう場合、次のようにすることができる。まず、
テープ状超電導線の接合されるべき部分において、形成
される金属被覆の端面が超電導線の幅方向に対して所定
の角度で傾斜するように金属被覆を剥離して超電導体を
露出させる。次に、露出した酸化物超電導体に別体とし
て準備された酸化物超電導体を重ね合わせた後、超電導
体同士が重ね合わされた部分を焼鈍処理した銀材で覆
う。次に、銀材で覆われた部分に塑性加工を施した後、
焼結のための加熱処理を行なう。さらに、塑性加工およ
び焼結のための加熱処理を交互に任意の回数行なう。
【0023】
【発明の作用効果】本発明者らによる研究の結果、酸化
物超電導体が金属被覆された超電導線について、金属被
覆を剥がすことにより超電導体を露出させ、この露出部
分を介して接合を行なう場合、金属を剥離する際に形成
される金属被覆の端面と超電導体との境界部分が、接合
部の臨界電流値を律則していることが明らかになってき
た。たとえば、図1に示すように、接合にあたってテー
プ状の超電導線10の銀被覆1を剥がして超電導体2を
露出させた場合、形成される制御被覆の端面1′と超電
導体2との境界領域3が、接合部の臨界電流を律則する
ようになる。
【0024】そこで、本発明者らは、種々の検討を行な
った結果、たとえば図2に示すように、金属被覆11を
剥離するに際して、形成される金属被覆の端面11′が
線材の幅方向(図において矢印で示す)に対して所定の
角度を持つように傾斜させることで、金属被覆の端面1
1′と超電導体12との境界面積を広げることにより、
臨界電流値を向上できることを見いだした。
【0025】さらに、本発明者らは、上述したように臨
界電流値を律則する部分の超電導体組織を、塑性加工時
になるべく破壊せずに接合するには、露出した超電導体
間に同種の超電導体からなる介在物を設けて接合するこ
とが有効であることを研究の過程で確認した。また、介
在物の使用によって、接合部の超電導体の容積を意図的
に制御することも可能となった。
【0026】介在物である超電導体の容積を増加させれ
ば、簡便に接合部での臨界電流値を上げ、超電導接合の
信頼性を向上させることができる。
【0027】本発明者らは、金属被覆の端面が線材の幅
方向に対して所定の角度で傾斜するように金属被覆を剥
離するステップと、接合すべき線材において露出した超
電導体間に同種の超電導体からなる介在物を設けて接合
を行なうステップとを組合せて線材の接合を行なうこと
により、接合部分での臨界電流値の低減がほとんどない
永久電流接合を実現した。
【0028】この方法により、酸化物超電導体同士が接
合された接合部を形成することができるので、接合部に
超電導電流を流すことが可能になり、コイルの永久電流
接合や大電流導体の接合が可能になる。特に、永久電流
モードのマグネット用線材として用いられる金属被覆さ
れた超電導テープ線材を接合する場合、第1の発明は非
常に有効である。
【0029】また、介在物を用いることで、第1の発明
は、超電導線同士を直接接合することが困難な場合や、
種々の位置関係において超電導線同士を接合したい場合
に適用できる。たとえば、図3(a)に示すように、線
材同士を所定の角度(たとえば90°)で接合したい場
合、図3(b)に示すように、電路が折り返されるよう
に線材同士を接合したい場合、さらには図3(c)に示
すように、限られた空間内で複数の線材同士を同時に接
合したい場合などにおいて、介在物を用いる接合は非常
に有効である。
【0030】従来行なわれてきた接合方法では、線材を
つなぎ合わせた後の塑性加工および焼結処理はそれぞれ
1回であった。一方、本発明者らの検討により、この塑
性加工および焼結処理を交互に複数回繰返すことによっ
て、接合部における超電導体の粒界について改善を促進
することができ、接合部の臨界電流向上に繋がることが
明らかとなった。
【0031】さらに、接合部に塑性加工と焼結処理を複
数回繰返すプロセスは、線材の焼結が進んでいない段階
において線材の接合を行なった場合に効果的であること
が明らかになった。
【0032】このため、極端な例ではあるが、未焼結線
の段階で短い線材同士をつなぎ合わせた後、塑性加工お
よび焼結を複数回繰返すことによって、臨界電流の大き
な長尺線材を得ることができる。ただし、この場合、線
材の金属被覆について加工度を増し、接合を容易にする
ために、接合前に接合を行なうべき線材を焼鈍処理する
ことが望ましい。
【0033】このようなプロセスにより、良好な特性を
有するが、所定の長さに満たない線材をつなぎ合わせ
て、短い線材の特性を維持した長尺線を作製することも
可能である。このようにして作製された線材は、長尺ケ
ーブルなどに利用できる。
【0034】また、このような方法をケーブルの接続等
に応用する場合は、圧延機を用いて線材の圧延加工を行
なうと同時に、接合部の塑性加工も行なうことができ
る。この場合、接合部の臨界電流値を、線材の臨界電流
値と同等またはそれ以上にすることができる。
【0035】このような第2の発明においても、第1の
発明と同様、酸化物超電導体同士を接合した接合部には
超電導電流を流すことができ、コイルの永久電流接合や
大電流導体の接合を提供することができる。
【0036】また、第3の発明に従って超電導体同士が
重ね合わされた部分に焼鈍処理した銀材を被覆すること
によって、焼鈍処理しない銀材を被覆する場合よりも銀
材と接合部との密着性を増加させ、接合をより確実にす
ることができる。以下の実施例でも示すように、焼鈍処
理した銀材を用いることにより、同じ接合処理を行なっ
た場合において臨界電流値のばらつきが減少し、安定し
た超電導接合が行なえるようになった。
【0037】
【実施例】
実施例1 Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.8:0.4:2.
0:2.2:3.0の組成となるように、酸化物または
炭酸塩を混合した後、熱処理により主として2212相
と非超電導相からなる粉末を調製した。次に、得られた
粉末について大気中800℃、2時間の脱ガス処理を施
した。
【0038】得られた粉末を、外形12mm、内径9m
mの銀パイプに充填し、これを1.0mmまで伸線加工
した後、幅4.0mm、厚さ0.19mmまで圧延加工
した。このようにして得られた線材を750℃、2時間
焼鈍した。
【0039】得られた線材から、3cmの短尺材を2本
切出し、それぞれの端部について図2に示すように銀被
覆の一方側を剥がした。この場合、8.0mmの長さに
わたり形成される銀被覆の端面が、線材の幅方向に対し
て斜めになるように銀被覆を剥がしていった。
【0040】次に、図4に示すように、銀被覆を剥がし
た2本の超電導線20および20′を、露出させた超電
導体が平行四辺形を形成するように並べて配置した。一
方、この平行四辺形の領域に正確に嵌合するような材料
を上述したように形成してきたテープ状の線材から切出
した後、片側の銀被覆を除去して接合材を予め準備し
た。
【0041】このようにして準備された接合材4を、図
4に示すようにして、超電導線の超電導体が露出された
部分に嵌合させ、超電導線20、20′と、接合材4と
の間で超電導体同士を密着させた。
【0042】このように接合材を密着させた部分を、8
00℃で2時間の焼鈍を行なった厚さ30μmの銀箔で
被覆した後、20tの荷重(圧力としては約8tf/c
2)で押圧した。
【0043】このようにして接続した線材を、845
℃、50時間熱処理した後、さらに20tでの押圧およ
び840℃、50時間での熱処理を施して永久電流接合
を行なった。
【0044】以上のプロセスの終了後、接合部の臨界電
流を液体窒素温度において測定したところ、30Aの臨
界電流値が得られ、接合を施さない線材とほぼ同等の臨
界電流値を達成した。
【0045】実施例2 実施例1と同様の方法で作製した銀シース被覆超電導線
から5cmの短尺線を2本切出した。次に、実施例1と
同様にして、銀被覆の端面が超電導線の幅方向と斜めに
なるよう銀被覆を剥がして超電導体を露出させた。
【0046】次に、図5に示すように、超電導体を露出
させた2本の超電導線30と30′について端と端を突
き合わせて配置した。
【0047】一方、このように超電導線を配置した場合
に露出された超電導体によって形成される二等辺三角形
の領域にうまく嵌合するような接合材14を予め形成し
た。このような接合材14は、実施例1と同様の方法で
作製された線材を適当な形状で切出した後、片面の銀被
覆を除去して得られたものである。
【0048】このような接合材14を超電導線30、3
0′において超電導体32、32′が露出させられた部
分に嵌合させ、超電導体同士を密着させた。
【0049】次に、実施例1と同様にして銀箔を被覆し
た後、プレスによる組成加工および熱処理を交互に2回
施して永久電流接合を行なった。接合部の臨界電流を液
体窒素温度において測定したところ、30Aの臨界電流
値が得られ、接合を施さない線材とほぼ同等の臨界電流
値を達成した。
【0050】実施例3 実施例1と同様の方法で作製した銀シース被覆線材から
6cmの短尺線を2本切出した。次に、切出した線材に
ついて、図6(a)に示すような端末処理を施した。端
末処理を施した超電導線40において、その端面40′
は線材の幅方向に対して所定の角度で傾斜するように加
工されている。また、銀被覆41も、その端面41′が
線材の幅方向に対して所定の傾斜角度を有するように剥
がされている。この場合、銀被覆の端面41′の長さは
15mmとされ、線材の端面40′の長さも15mmと
されている。したがって、露出された超電導体42の領
域は二等辺三角形となっている。
【0051】次に、図6(b)に示すように、2本の超
電導線40、40′について端面と端面を突き合わせて
配置した。このような配置において、露出された超電導
体42、42′は平行四辺形を形成するようになる。一
方、このような平行四辺形の形状を有する接合材44を
予め準備した。このような接合材44は、実施例1と同
様の方法で作製した線材を切出した後、片側の銀被覆を
除去して得られたものである。このような接合材44
は、超電導線40、40′において露出された酸化物超
電導体に密着させられた。
【0052】次いで、実施例1と同様にして、銀箔を被
覆した後、プレスによる塑性加工および熱処理を交互に
2回施して永久電流接合を行なった。接合部の臨界電流
を液体窒素温度において測定したところ、35Aの臨界
電流値が得られ、接合を施さない線材とほぼ同等以上の
臨界電流値を達成した。
【0053】実施例4 Bi:Pb:Sr:Ca:Cu=1.8:0.4:2.
0:2.2:3.0の組成となるように:酸化物または
炭酸塩を混合した後、熱処理により主として2212相
と非超電導相からなる粉末を調製した。得られた粉末に
ついて大気中800℃、2時間の脱ガス処理を施した。
【0054】得られた粉末を外形12mm、内径9mm
の銀パイプに充填し、これを1.0mmまで伸線加工し
た後、幅4.0mm、厚さ0.19mmまで圧延加工し
た。その後、線材を845℃、50時間焼結した。
【0055】得られた線材から、3cmの短尺材を2本
切出した後、実施例1と同様にそれぞれの端末を処理し
た。この場合、線材の幅方向に対して斜めになった金属
被覆の端面の長さは8.0mmであった。
【0056】次に、図7に示すように、超電導線50と
50′を突き合わせて配置し、露出された超電導体52
および52′を完全に覆うような接合材54を密着させ
た。この接合材54は、この実施例において作製された
線材を短冊状に切出した後、片側の銀被覆を除去して得
られたものである。
【0057】接合材54の密着と同時に、800℃で2
時間の焼鈍を行なった厚さ30μmの銀箔で接合部を被
覆した後、20tの荷重(圧力としては約8tf/cm
2 )で押圧した。
【0058】その後、接続した線材を、840℃、50
時間熱処理して永久電流接合を行なった。
【0059】以上のプロセスを終了した後、接合部の臨
界電流を液体窒素温度において測定したところ、24A
の臨界電流値が得られ、接合を施さない線材のほぼ8割
の臨界電流値を達成した。
【0060】実施例5 実施例1と同様の方法で作製した銀シース被覆線材から
6cmの短尺線を2本切出した。次に、切出した短尺線
について、845℃、30時間の焼結処理を行なった
後、実施例3と同様にして、超電導線の端面および金属
被覆の端面がともに線材の幅方向に対して斜めとなるよ
うな端末処理を施した。この場合、金属被覆の端面の長
さは8mm、線材端面の長さも同様に8mmとした。
【0061】次に、図8に示すように、2本の超電導線
60、60′について、露出された超電導体62と6
2′を重ね合わせた。次いで、実施例1と同様の焼鈍処
理された銀箔で接合部を被覆した後、10tのプレス荷
重で押圧を行なった。
【0062】その後、845℃、20時間の焼結を行な
った後、さらに20tのプレス荷重で押圧処理、840
℃、50時間の熱処理を施して永久電流接合を行なっ
た。
【0063】以上のプロセスが終了した後、接合部の臨
界電流を液体窒素温度において測定したところ、臨界電
流値として27Aが得られ、接合を施さない線材のほぼ
9割の臨界電流値を達成した。
【0064】一方、10tのプレス荷重による押圧およ
び845℃、20時間の焼結を行なった後、さらなる押
圧処理および熱処理を施さずに、液体窒素温度において
接合部の臨界電流を測定した。その結果、臨界電流値と
して5Aが得られ、接合を施さない線材の15%の臨界
電流値であった。
【0065】実施例6 実施例1と同様の方法で作製した銀シース被覆線材から
5cmの短尺線を2本切出した。この線について845
℃、50時間の熱処理を施した後、図9(a)に示すよ
うな端末処理を施した。この端末処理では、超電導線7
0において、超電導体72が露出され、銀被覆71の剥
離の結果形成される端面71′は超電導線70の幅方向
とほぼ平行である。
【0066】次に、図9(b)に示すように超電導線7
0、70′を超電導体72、72′が密着するように重
ね合わせ、同時に銀箔で接合部を被覆した。次いで、プ
レス荷重20tにより接合部に押圧処理を施した。
【0067】このような接合に際して、使用する銀箔の
焼鈍温度を変化させて、接合部のIcと銀箔の焼鈍温度
との関係を調べた。焼鈍処理なし、200℃×2時間、
500℃×2時間、600℃×2時間、700℃×2時
間、800℃×2時間の6種類の条件について、5つの
サンプルをそれぞれ作製して調べた。その結果、800
℃で焼鈍した銀箔を用いる永久電流接合サンプルが、接
合部のIc平均値が最も高く、サンプル間のIcのばら
つきも小さいことが判明した。以上の条件におけるIc
の平均値およびばらつきを表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】比較例 実施例1と同様の方法で作製した銀シース被覆線材から
3cmの短尺線を2本切出した。次に、図10に示すよ
うな端末処理を施し、接合を行なった。この端末処理で
は、超電導線80において、銀被覆81の剥離の結果形
成される端面81′は超電導線80の幅方向とほぼ平行
である。また、露出される超電導体82の面積は、実施
例1で露出された超電導体の面積と等しくなっている。
【0070】このようにして超電導体を露出させた超電
導線80、80′を突き合わせて配置し、露出された超
電導体82、82′に上述したと同様にして形成された
接合材84を密着させて接合を行なった。
【0071】接合にあたり、実施例1と同様にして、銀
箔を被覆した後、プレスによる組成加工および熱処理を
交互に2回ずつ施した。接合部の臨界電流を液体窒素温
度において測定したところ、臨界電流値として18Aが
得られ、接合を施さない線材の6割の臨界電流値であっ
た。
【0072】また、以上のようにして端末処理を行なっ
た超電導線について、接合材を用いずに、超電導体同士
を重ね合わせて接合を行なった。接合に際しては、実施
例1と同様に銀箔を被覆した後、プレスによる塑性加工
および熱処理を交互に2回施して永久電流接合を行なっ
た。
【0073】接合部の臨界電流を液体窒素温度において
測定したところ、臨界電流値として15Aが得られ、接
合を施さない線材の5割の臨界電流値であった。
【0074】一方、接合材を用いずに、銀箔を被覆した
ものについてプレスによる塑性加工および熱処理を1回
施して永久電流接合を行なった。接合部の臨界電流を液
体窒素温度において測定したところ、臨界電流値として
12Aが得られた。
【0075】比較のため、接合材を用いずに塑性加工−
熱処理を1回行なった結果を表2に、接合材を用いて塑
性加工−熱処理を2回行なった結果を表3に示す。
【0076】
【表2】
【0077】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】超電導線の接合について説明するための斜視図
である。
【図2】本発明に従う接合において、端末処理の一例を
示す斜視図てある。
【図3】本発明に従って、接合材を用いて接合を行なう
種々の態様について説明する模式図である。
【図4】本発明に従う実施例1における接合を示す斜視
図である。
【図5】本発明に従う実施例2における接合を示す斜視
図である。
【図6】本発明に従う実施例3における接合を示す斜視
図である。
【図7】本発明に従う実施例4における接合を示す平面
図である。
【図8】本発明に従う実施例5における接合を示す斜視
図である。
【図9】本発明に従う実施例6における接合を示す
(a)平面図,(b)断面図である。
【図10】比較例における接合を示す平面図である。
【符号の説明】
10、20、20′、30、30′、40、40′、5
0、50′、60、60′、70、70′、80、8
0′ 超電導線 1、11 金属被覆 41、71、81 銀被覆 2、12、32、32′、42、42′、52、5
2′、62、62′、72、72′、82、82′ 超
電導体 4、14、44、54、84 接合材 1′、11′、41′、71′、81′ 金属被覆端面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属被覆された酸化物超電導体よりなる
    テープ状超電導線同士を接合するための方法であって、 テープ状超電導線の接合すべき部分において、形成され
    る金属被覆の端面が前記超電導線の幅方向に対して所定
    の角度で傾斜するように金属被覆を剥離して酸化物超電
    導体を露出するステップと、 露出した酸化物超電導体間に別体として準備される酸化
    物超電導体を介在させて接合するステップとを備える、
    超電導線の接合方法。
  2. 【請求項2】 金属被覆された酸化物超電導体よりなる
    テープ状超電導線同士を接合するための方法であって、 テープ状超電導線の接合すべき部分において、金属被覆
    の剥離により露出された超電導体同士を重ね合わせて接
    合した後、接合部分に、塑性加工および焼結のための加
    熱処理を交互にそれぞれ2回以上施すことを特徴とす
    る、超電導線の接合方法。
  3. 【請求項3】 金属被覆された酸化物超電導体よりなる
    テープ状超電導線同士を接合するための方法であって、 テープ状超電導線の接合すべき部分において、金属被覆
    の剥離により露出された超電導体同士を接合するに際
    し、 超電導体同士が接合されるべき部分を焼鈍処理された銀
    材で覆うことを特徴とする、超電導線の接合方法。
JP15678192A 1992-02-20 1992-06-16 超電導線の接合方法 Pending JPH065342A (ja)

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DE69313891T DE69313891T2 (de) 1992-02-20 1993-02-18 Verfahren für die Verbindung von supraleitenden Drähte aus Oxyd-Hochtemperatur-Supraleiter
CA002089951A CA2089951C (en) 1992-02-20 1993-02-19 Method of joining superconducting wire using oxide high-temperature superconductor
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