JP3631399B2 - 超電導着磁装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,永久磁石材料等の被着磁体を着磁して磁化する工程に用いる着磁装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,各種被着磁体を着磁する方法として,電磁石で形成した静磁場による着磁が挙げられる。
しかし,銅コイル等を用いた電磁石で発生できる磁場は現実的には2テスラが限界である。電磁石では鉄のヨークを用いて磁気回路を構成するが,鉄の飽和磁化が2テスラであり,これ以上の磁場ではヨークの効果がなくなるからである。
最も多く市販されているフェライト磁石やこれを使った樹脂複合磁石(ボンド磁石ともいう。)の作製には0.5〜1テスラ,ネオジム系やサマリウム系などの希土類材料の磁石の作製には2.5テスラの磁場が必要である。
2.5テスラの磁場は電磁石で発生できないため,希土類磁石の電磁石による静磁場着磁はできない。
【0003】
また,一般に強力な磁場を広い空間に発生させるために必要な電磁石は2〜3トンと極めて重く,装置が大がかりとなり取り扱いが不便である。しかも励磁の間はコイルに電流を流し続ける必要があり,所要電力も大きく,高コストである。
【0004】
一方,小型の永久磁石を作製する方法として,従来パルス着磁法が行われている。パルス着磁法においては,空心ソレノイドコイルの内部,またはソレノイドコイルを巻いたヨークの先端に被着磁体を固定し,大型コンデンサからパルス電流を各々のコイルに導いてパルス磁場を発生させ,このパルス磁場によって瞬時に被着磁体を着磁する。
【0005】
パルス着磁法の利点は電磁石のような大型のヨークが不要であること,電流を瞬間だけ流すため,全体の電力が静磁場を発生させる電磁石に比べて少ないことにあり,簡便な着磁法として普及している。
【0006】
【解決しようとする課題】
ところで,市場で要求される永久磁石の性能は年々向上しているが,比較的大面積をもつ大型の被着磁体の着磁はパルス着磁法では困難である。
大型の被着磁体の着磁には,ソレノイドコイル内容積やヨーク間距離を大きくしなければならない。このため,装置が大がかりとなり,取り扱い不便で,高コストとなる。
【0007】
また,永久磁石を組み込んだ製品,例えば小型モータ等は,磁化の終了した永久磁石の取り扱いの困難さから,未着磁の被着磁体を予め製品内に組み込み,その後に着磁して作製することが多い。
従って,上述した大型の被着磁体と同様の,パルス着磁に必要な装置が大がかりとなる問題が発生する。
【0008】
また,パルス着磁に用いるソレノイドコイルには瞬時に大電流が流れるため,その電磁力によって着磁ごとに大きな応力がかかる。このため,多数回の着磁に伴い,容易にソレノイドコイルの破損が発生する。このためソレノイドコイルの信頼性,安全性の維持が難しく,更に破損したソレノイドコイルの交換コスト等がかかる。
【0009】
更に,ソレノイドコイルが発熱するため,連続的な着磁が困難である。従って,着磁は間欠的にしか実行できず,生産数が多い短タクトの着磁工程を構成することができず,生産性が低かった。
【0010】
従来技術の例として特開平7−183124の永久磁石の着磁装置及び着磁方法がある。磁石性能の向上や製品形状により着磁が困難とされる磁石部品の着磁方法として,磁石を加熱して意図的に磁石の性能を下げ,その間に磁場を浸透させておき,後に冷却して有効に磁化させる方法である。
【0011】
この場合,着磁のための磁場が足りないことが最大の問題であり,加熱・冷却に要する時間によって生産性は悪化する。加熱温度によっては磁石の性能を破壊しかねない。高温に曝されて劣化するような樹脂,接着剤などは,磁石の表面処理に使えず,設計の自由度を著しく制限する。このように多くの問題点を含んでいる。
【0012】
更に,超電導磁石を使って着磁のための磁場を強化する従来例が特開平7−220924の大型磁石の着磁方法に開示されている。
超電導コイルを用いることで磁場は強化されるが,超電導コイルの冷却に用いる液体ヘリウムなどの寒剤にランニングコストがかかり,高コストである。さらに装置が大型化するという問題がある。
また,磁場は円筒形状の閉空間にしか発生できず,径の大きな磁石や装置組み込み後の磁石の制作には不向きである。
【0013】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,強力な磁場による着磁や大型の被着磁体の着磁が容易に実現可能で,信頼性及び安全性に優れ,高い生産性を有し,更に低コストに運転可能な超電導着磁装置を提供しようとするものである。
【0014】
【課題の解決手段】
請求項1に記載の発明は,予め外部磁場によって着磁された超電導バルク体を配置してなると共に該超電導バルク体は断熱真空容器内に格納されて,冷却部により超電導状態に冷却されている磁場供給部と,
該磁場供給部における上記超電導バルク体に対面して被着磁体を配置し,該被着磁体に着磁を行なう着磁部とよりなり,
かつ該着磁部に配置する上記被着磁体は,上記磁場供給部に配置した上記超電導バルク体により形成される磁場空間に位置していることを特徴とする超電導着磁装置にある。
【0015】
本発明において最も注目すべきことは,超電導状態にあり予め外部磁場にて着磁された超電導バルク体を持つ磁場供給部が形成した磁場空間に着磁部を設けたことである。
【0016】
本発明の作用につき説明する。
上記超電導バルク体は低温で超電導を呈する母相と,該母相に絶縁相が微細に分散した組織を有する。この分散相の存在に起因する磁束ピン止め点が外部磁場の磁束を捕捉する。この磁束は外部磁場が取り除かれた後も超電導体に捉えられたままである。これが超電導バルク体の着磁であり,着磁により超電導バルク体は(超電導状態が継続する間は)疑似的な永久磁石として機能することができる。
【0017】
着磁された超電導バルク体が発生する磁場は着磁に用いた外部磁場,着磁時の冷却温度等によって定まり,容易に強力な磁場空間を形成できる。この磁場空間の磁場の大きさは,従来の液体ヘリウム冷却の超電導磁石に匹敵し,従来の永久磁石や一般の電磁石では発生が困難な強力な磁場である(実施形態例2参照)。
よって,本発明にかかる着磁装置は強力な磁場による着磁を実現できる。
【0018】
更に,本発明ではコイルやヨークが不要であるため,コンパクトな着磁装置を構成することができる。
なお,超電導バルク体を予め着磁する際に用いる外部磁場の形成には,コイルやヨークを用いることがあるが(電磁石利用の場合等),これらは超電導バルク体が着磁された後は不要となるため,取り除くことができる。
【0019】
また,本発明にかかる着磁装置では,磁場供給部にて形成された磁場空間に着磁部が設けてあり,この磁場空間は疑似的に永久磁石として機能する超電導バルク体の磁極付近を中心に広い範囲に広がって形成される。
従来のパルス着磁法では被着磁体全体を,ソレノイドコイル内やヨーク間に配置して着磁する必要があり,このため大型の被着磁体は着磁困難であった。
【0020】
これに対し本発明では,超電導バルク体に近接する位置に着磁部を設ければ被着磁体の着磁が実現できる。従って,着磁部の設定位置に高い自由度があり,より大型の被着磁体の着磁が可能となる。
勿論,本発明の着磁装置においても,高効率な着磁の実現のためには,着磁部の位置を適宜定める必要があるが,狭い部分に着磁可能な空間が限定されるパルス着磁法と比較すれば,着磁部の設計自由度が非常に広い。
【0021】
また,本発明にかかる着磁装置は,外部磁場にて着磁された永久磁石として機能する超電導バルク体を磁場供給部として利用するため,着磁にともなって損傷したり,消耗する部分がなく,信頼性や安全性に優れる。また,同様の理由から低コストに運用可能である。
更に,従来例に示した上記パルス着磁法は磁場の時間変化が大きく,これが周辺機器への電磁波ノイズの原因となることがあった。本発明の着磁装置では外部磁場にて着磁された永久磁石として機能する超電導バルク体を用いた静磁場による着磁を利用する。このため,電磁波ノイズが発生し難い。
更に,着磁された超電導バルク体の磁場空間は,該超電導バルク体の磁極を中心としてここを離れる程磁場が減衰する分布を呈しており,着磁装置の周辺への磁場洩れも少なく,取扱い容易である。
また,この分布を利用することで,被着磁体の必要部分だけを着磁できる着磁装置を得ることができる。
【0022】
また,本発明にかかる着磁装置は,連続して,短い時間間隔での着磁が可能である。このため,高い生産性を有する。
また,電磁石やソレノイドコイルを利用して磁場を発生させる従来技術と異なり,電力は超電導バルク体を着磁する時だけに必要である。このため,消費電力が小さく,ランニングコストが安価となる。
【0023】
以上,本発明によれば,強力な磁場による着磁や大型の被着磁体の着磁が容易に実現可能で,信頼性及び安全性に優れ,高い生産性を有し,更に低コストに運転可能な超電導着磁装置を提供することができる。
【0024】
上記着磁装置において,上記冷却部は各種冷凍機で構成することができる。
各種冷凍機としては,ギフォード・マクマホン(GM)型冷凍機,パルス管冷凍機に代表される極低温用冷凍機を用いることができる。これらはコールドヘッド,本体,圧縮機等から構成され,種類によってはバルブ駆動部が分離式になっている。これらは可撓式あるいは固定式のホースやチューブ,配管等で連結される。これ以外の,ソルベーサイクル冷凍機,スターリングサイクル冷凍機等のいずれの装置でも同様に利用できる。
そして,上記冷却部のコールドヘッドは外界と断熱する必要から超電導バルク体と共に断熱真空容器内に設置することが好ましい。
また,冷却部に液体窒素,液体ヘリウム等の寒剤を利用することもできる。
【0025】
また,超電導バルク体は1個でもよいが,適宜複数個配列することもできる。
特に超電導バルク体を複数個配列させる場合は,被着磁体の設計に合わせて,着磁の状態を容易に自由に設計することができる。
例えば,並列に同極や異極に,任意の距離間隔で被着磁体を着磁することが
できる。
また,被着磁体の形状に合わせて適当な角度にいくつかの超電導バルク体を配列させて,磁場供給部を構成することもできる。
【0026】
また,超電導バルク体に対し磁気力で破損しないよう適当な補強材を設けることができる。更に上記冷却部と当接して,効率よく冷却されるよう配置されることが好ましい。
また,上記超電導バルク体は断熱真空容器内に収納されている。この真空は断熱真空容器に連結された真空ポンプ等により実現することができる。
また,上記磁場供給部は1基でもよいが,複数基設けることもできる。
【0027】
また,上記超電導バルク体は,上記磁場供給部の断熱真空容器内に収納する前に予め着磁しておく。
それ故,上記外部磁場は,上記超電導バルク体に予め着磁しておくためのものであって,適当な静磁場,パルス磁場を発生する電磁石,永久磁石等で発生させることができる。
または,超電導バルク体に予め着磁するための外部磁場を生じせしめる装置として,超電導バルク体,あるいはこれを収納した真空断熱容器の外部に近接して,ソレノイド状またはパンケーキ状の着磁コイルおよびその磁気回路を構成するヨークよりなる磁場発生装置を用いることができる。
このような外部磁場発生装置は1基でもよいが,複数基設置することもできる。
【0028】
上記外部磁場発生装置は外部コンデンサ等からパルス電流を1回または複数回導入して,パルス磁場を発生し,超電導バルク体を着磁するよう構成することができる。外部磁場発生装置は,使用する電源として通常の商用交流100Vあるいは200V程度を利用できるよう構成することが好ましい。また,必要に応じて冷却水を供給することが好ましい。
外部磁場発生装置は超電導バルク体を着磁した後,撤去することもできる。また,外部磁場発生装置は電気抵抗値の低減を目的として液体窒素などの寒剤で冷却することもできる。
【0029】
また,上記着磁部は磁場空間のどの位置にあってもよい。被着磁体の状況に応じて適宜定めればよい。効率よい着磁のためには,上記着磁部は超電導バルク体の磁極の近傍に設置することが好ましい。
なお,上記磁場空間は着磁された超電導バルク体からの磁場が存在する部分を指している。
【0030】
次に,請求項2に記載の発明のように,上記磁場供給部には,着磁された一対の対向した超電導バルク体が配置され,上記磁場空間はこれら一対の対向した超電導バルク体間に形成されていることが好ましい。
これにより,2つの超電導バルク体から発する磁場の重ね合わせにより形成される,より強い磁場を持った磁場空間を持つ着磁装置を得ることができ,より強力な磁場による着磁を実現できる着磁装置を得ることができる。
なお,特に上記超電導バルク体の各磁極同士が対向するように配置することが好ましい。より強い磁場空間を得ることができるためである。
【0031】
次に,請求項3に記載の発明のように,上記磁場供給部に対して対面配置した上記被着磁体の背面側には強磁性体を配置し,上記超電導バルク体からの磁束を吸引するよう構成してあることが好ましい。
これにより,上記強磁性体に磁場を吸引する機能を持たせ,磁場供給部からの磁場をより有効に被着磁体に着磁可能な着磁装置を得ることができる。
なお,上記強磁性体としては,Fe,Co,Ni,あるいはこれらを含む合金が挙げられる。
【0032】
次に,請求項4に記載の発明のように,上記超電導バルク体は,RE(ここにREはY,La,Nd,Sm,Eu,Gd,Er,Ybより選ばれる1種以上の元素を指す。),Ba,Cuのいずれか1種以上よりなる酸化物または複合酸化物と,Ag,Pt,またはCeのいずれか1種以上を含む化合物よりなる添加物とを含有することが好ましい。
このような材料は高温超電導体で,比較的高い温度の超電導遷移温度Tcを有するため,冷却容易である。
【0033】
更に,このような材料は溶融法等の容易な方法で,低温で超電導を呈する母相と,該母相に絶縁相が微細に分散した組織を得ることができる。なお,この分散相の存在に起因する磁束ピン止め点が磁束を捕捉することで,超電導バルク体は疑似的な永久磁石として機能する。
また,上記添加物は磁束ピン止め点となるべき絶縁相の微細化に寄与できる他,制作時の亀裂の発生や伝搬を抑制して機械的強度を高めることができる。この結果,大型で健全な結晶よりなる超電導バルク体を得ることができる。
【0034】
次に,請求項5に記載の発明のように,上記被着磁体は永久磁石材料よりなる,または永久磁石材料と樹脂材料とよりなる樹脂複合磁石材料よりなることが好ましい。
これらの材料を用いることで,高性能の永久磁石を得ることができる。
【0035】
永久磁石材料としては,Fe,Co,Ni及び希土類元素等を含む合金材料等が挙げられる。また,フェライト材料を用いることができる。また,各種希土類金属材料を含む合金材料等が挙げられる。
特に希土類金属を含む材料は着磁に強力な磁場を必要とすることから,従来着磁方法では着磁困難であった。本発明の着磁装置は,このような着磁困難な材料を容易に着磁することができる。
また,樹脂複合磁石材料としては,エポキシ系あるいはナイロン系樹脂等に粉末材料を混合した系あるいはゴム系材料にそれらを混合分散させた系が挙げられる。
【0036】
なお,被着磁体として上記のような磁石を作製するための材料を用いることもできるが,磁石を内蔵した製品である,コピー機用磁気ドラム,小型モータ用回転子,ハードディスクドライブ用アクチュエータ,自動車用のピックアップ式回転センサ等を用いることができる。
これらの装置,器具において,着磁されて磁石となったものの取り扱いが困難であることから,製造工程中で未着磁の被着磁体を組み付けて,その後に本発明にかかる着磁装置を利用して組み込まれた被着磁体だけを着磁する。
【0037】
次に,請求項6に記載の発明のように,上記着磁部に対し上記被着磁体を搬送及び/または上記着磁部に対し上記被着磁体を走査するよう構成した搬送部を配置したことが好ましい。
上記搬送部は,被着磁体を着磁部に対し搬送(搬入/搬出)する際に利用する他,被着磁体を走査する際にも利用できる。両者の機能を持たせることもできる。
このような搬送部を配置することで,未着磁の被着磁体を順次搬入し,着磁の終了した被着磁体を順次搬出するという連続的な流れ工程を実現でき,効率のよい着磁が可能な着磁装置を得ることができる。
【0038】
また,このような搬送部を配置することで,未着磁の非着磁体を磁場供給部に対し走査して,例えば線状,面状等の部分的な着磁を容易に行なうことができる。また,大型の被着磁体の表面に対し複数個所の着磁を行なうこともできる。
よって,バラエティに富んだ被着磁体の着磁状態を実現できる着磁装置を得ることができる。
【0039】
例えば,互いが対向するように(図3参照),または互いが直交するよう(図11参照)に配置した超電導バルク体の間の磁場空間の着磁部において,非着磁体を磁場が発生する面方向に移動させて着磁し,線状に着磁させることができる。
【0040】
更に,着磁部に配置した際には磁場空間外にはみ出してしまうような大型の被着磁体を着磁可能な着磁装置を得ることができる。また,被着磁体の表面全体を均一に着磁させることもできる。
また,被着磁体よりも小型の磁場供給部や超電導バルク体を用いた着磁装置を構成することができ,コンパクト化,低コスト化された着磁装置を得ることができる。
なお,上記搬送部は,ベルトコンベア,各種クレーン等で構成することができる。
【0041】
更に,請求項7に記載の発明のように,上記磁場供給部を被着磁体に対し走査するよう構成した駆動部を配置したことが好ましい。
このような駆動部を配置することで,未着磁の非着磁体に対し磁場供給部を走査して,例えば線状,面状等の部分的な着磁を容易に行なうことができる。また,大型の被着磁体の表面に対し複数個所の着磁を行なうこともできる。
よって,バラエティに富んだ被着磁体の着磁を実現できる着磁装置を得ることができる。
【0042】
また,広い被着磁体の面内に複数個所の着磁を行なうこともできる。このように,バラエティに富んだ被着磁体の着磁を実現できる着磁装置を得ることができる。
【0043】
更に,着磁部に配置した際には磁場空間外にはみ出してしまうような大型の被着磁体を着磁可能な着磁装置を得ることができる。また,被着磁体の表面全体を均一に着磁させることもできる。
また,被着磁体よりも小型の磁場供給部や超電導バルク体を用いた着磁装置を構成することができ,コンパクト化,低コスト化された着磁装置を得ることができる。
なお,上記駆動部は搬送部と同様にベルトコンベア,各種クレーン等で構成することができる。
【0044】
なお,上記搬送部や上記駆動部の走査方向は被着磁体や磁場供給部に対して一次元的,二次元的等,着磁装置や被着磁体の形状,状況に応じて適宜定めることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかる超電導着磁装置1につき,図1〜図2を用いて説明する。
図1に示すごとく,本例にかかる超電導着磁装置1(以下,着磁装置1と略す。)の概略構造は以下の通りである。
コールドヘッド141により超電導状態に冷却されると共に外部磁場により着磁され,かつ断熱真空容器11に格納された超電導バルク体12を配置した磁場供給部10と,被着磁体21〜23の着磁を行なう着磁部18とよりなり,上記着磁部18は上記磁場供給部10により形成される磁場空間に設けてある。
【0046】
以下,詳細に説明する。
磁場供給部10は以下に示す超電導バルク体12を格納した断熱真空容器11,冷却部14の冷凍機142や真空ポンプシステム16等を格納した筐体19,外部磁場発生装置17等よりなる。
【0047】
超電導バルク体12と後述する冷却部14のコールドヘッド141は,共に断熱真空容器11に収納され,両者は当接状態にある。
なお,本例にて用いた超電導バルク体12は,直径36mm,高さ14mmの円柱形であり,組成は,Sm−Ba−Cu−OにPtと酸化銀を添加合成したものである。
【0048】
断熱真空容器11は真空ポンプシステム16によって断熱を目的に減圧される。真空ポンプシステム16はターボ分子ポンプと油回転ポンプが繋がれたものであり,ポンプコントローラ161で自動的に運転される。
【0049】
冷却部14は,コールドヘッド141,冷凍機142及び圧縮機143とよりなり,ヘリウムガスが充填されたガス配管144で連結される。なお,冷凍機142はGMサイクル冷凍機で,冷凍機コントローラ145がこれらの運転を制御してコールドヘッド141を所定の温度に保持することで,超電導バルク体12を超電導状態に維持する。
なお,冷凍機141,真空ポンプシステム16,冷凍機コントローラー146,ポンプコントローラー161等は筐体19内に配置される。
【0050】
冷却された超電導バルク体12の着磁を行なうための外部磁場について説明する。この外部磁場は以下に示す外部磁場発生装置17により生成される。
これは,断熱真空容器11の外部に設置されたソレノイド状の着磁コイル171と該着磁コイル171に通電するためのパルス電源172よりなる。
上記着磁コイル171は導線をコイル状に巻回したもので,液体窒素で満たした寒剤容器内に収納された状態で,上記断熱真空容器11の外部に配置される。符号173は着磁コイル171とパルス電源172との間を接続する電線である。
【0051】
なお,着磁コイル171を寒剤容器内に収納することで,着磁コイル171の抵抗を下げることができ,より低い電流で大きな磁場を発生できるため,着磁コイルを小型とすることができる。
【0052】
本例の着磁装置1における磁場空間は,超電導バルク体12の円形の頂面120付近を中心に形成される。超電導バルク体12の磁極は頂面120であり,該頂面120の中心の磁場が最も強い。本例の着磁装置1では,この頂面120の上方を着磁部18として使用する。
上記着磁部18に搬送部180を用いて被着磁体21〜23を搬送し,ここで着磁が行われる。
【0053】
被着磁体21〜23は強磁性体よりなるバルク体の永久磁石材料(フェライト材料)で,搬送部180のガイド181に固定され,架台183に取り付けられた搬送用モータ182が,ガイド181を水平一次元方向(矢線a)に移動して,各被着磁体21〜23を着磁された超電導バルク体12により生じる磁場空間に中に曝す。
符号21の位置で被着磁体21はガイド181上に固定され,符号22の位置で着磁され,符号23の位置でガイド181から取り外される。
【0054】
以上に示す着磁装置1にて着磁され,永久磁石となった被着磁体の性能を次のように測定した。
上記被着磁体は略垂直方向に単極に着磁された,40mm×12mm×8mmの直方体形状のフェライト材料で,超電導バルク体12と対面した,つまり着磁されたのは40mm×12mmの面である。この面から0.5mm上方の磁場分布を磁場センサにて測定し,図2に記載した。同図の(X,Y)=(0,0)となる原点が被着磁体の着磁表面の中心と一致する。なお,X軸方向が着磁表面の短辺(12mm)である。
同図より,超電導バルク体12の表面よりも大きな長方形の面が,ほぼ均一に0.07テスラ程度に着磁されていることが分かる。
【0055】
次に本例にかかる着磁装置の作用効果について説明する。
本例の超電導バルク体12はSm−Ba−Cu−Oよりなる超電導材料で,温度94K程度で超電導を呈する母相と,該母相に絶縁相が微細に分散した組織を有する。この分散相の存在に起因する磁束ピン止め点が磁束を捕捉することで,超電導バルク体12は疑似的な永久磁石として機能する。
着磁された超電導バルク体12は容易に強力な磁場空間を形成できるため,強力な磁場による着磁を実現できる。
【0056】
更に,本例は超電導バルク体12の着磁の後は,外部磁場発生装置17を取り除いて,コンパクトな装置構成とすることができる。また,大がかりなコイルやヨークも不要である。
また,本例の着磁装置1では,磁場供給部10の着磁された超電導バルク体12が形成した磁場空間を着磁部18として使用しており,この磁場空間は超電導バルク体12の頂面120を中心に広がっている。従って,着磁部の設定位置に高い自由度があり,超電導バルク体12よりも大型の被着磁体の着磁ができる(図2参照)。
【0057】
また,本例の着磁装置1は超電導バルク体12を磁場供給部10として利用するため,被着磁体21〜23への着磁に伴って損傷したり,消耗する部分がなく,信頼性や安全性に優れる。また,同様の理由から低コストに運用可能である。
更に,本例は超電導バルク体12への着磁にパルス磁場を利用するだけなので,所要電力が小さく,ランニングコストが安価となる。
更に,本例の着磁装置1は,超電導バルク体12の発する静磁場を利用して着磁を行なうため,連続して,短い時間間隔での着磁が可能である。このため,高い生産性を有する。
【0058】
以上,本例によれば,強力な磁場による着磁や大型の被着磁体の着磁が容易に実現可能で,信頼性及び安全性に優れ,高い生産性を有し,更に低コストに運転可能な超電導着磁装置を提供することができる。
【0059】
実施形態例2
次に,着磁された超電導バルク体12の永久磁石としての性能を次のように測定した。
実施形態例1の着磁装置1と同様に,円柱形状の超電導バルク体を断熱真空容器の内部に設置し,冷凍機のコールドヘッドに接触させて固定する。真空ポンプで断熱真空容器を減圧して断熱状態となし,冷凍機を作動させて超電導バルク体を超電導状態とする。
その上で,断熱真空容器の外部から外部磁場を加えて着磁した。
【0060】
外部磁場は2種類用いた。
1つは最大10テスラの磁場を発生可能な超電導マグネットの静磁場を利用した。他の方法は,断熱真空容器の外側に実施形態例1と同様の着磁コイルを設置し,コンデンサからの放電電流を着磁コイルに導いて発生させたパルス磁場を利用した。
また,Y系超電導バルク体とSm系超電導バルク体についてそれぞれ測定した。Y系超電導バルク体は直径35mm×高さ15mmの円柱形である。Sm系超電導バルク体は直径32mm×高さ15mmの円柱形である。
【0061】
静磁場着磁したY系超電導バルク体の捕捉磁場を測定した。着磁時の温度を77Kとしたところ,最大0.6テスラであった。さらに温度を下げて着磁した際の捕捉磁場は,Jcの増加を反映して飛躍的に向上した。30Kまで冷却した時の捕捉磁場は静磁場着磁で4.4テスラであった。
一方,同様の測定をパルス磁場による着磁で実行したところ,30Kで2.1テスラ,15Kでは2.5テスラを越えた。
なお,Jcは超電導バルク体における臨界電流密度で,低温になると増大する。
【0062】
一方,Sm系超電導バルク体に対する静磁場着磁では,77Kで最大2.1テスラ,25Kでは9テスラを超えた。Sm系超電導バルク体に対するパルス着磁では,35Kで3.8テスラの捕捉磁場が達成できた。
このように冷凍機としてより低温冷却可能な装置を使用することで,飛躍的に強い磁場空間を形成することができるため,本発明にかかる着磁装置は強力な磁場による着磁を容易に実現できる。
【0063】
また,これらのデータは超電導バルク体の単極で発生する磁場空間の性能を述べたものである。実施形態例3にかかる着磁装置1のように,超電導バルク体を2個対向して配置した場合,両超電導バルク体間の磁場空間の磁場の大きさは,各々の超電導バルク体から発生する磁場の和になるため,より強力な磁場空間を形成することができる。
上記と同形状のSm系超電導バルク体を対向配置した場合,温度が34Kであっても,磁場の大きさは,真空断熱容器の外部表面で最大2.5テスラに達した。
これは希土類永久磁石を着磁するために充分な磁場である。
【0064】
実施形態例3
本例は,図3に示すごとく,磁場供給部10には,着磁された一対の対向した超電導バルク体121,122が配置され,磁場空間はこれら一対の対向した超電導バルク体121,122間に形成されており,ここが着磁部18となる。
【0065】
図3に示すごとく,超電導バルク体121と超電導バルク体122がそれぞれの断熱真空容器111,112の中に実施形態例1と同様のコールドヘッド141と共に格納されている。これら断熱真空容器111,112の外部には,実施形態例1と同様の着磁コイル171が設けてあり,該着磁コイル171から生じるパルス磁場により,各超電導バルク体121,122が着磁される。
そして,各超電導バルク体121,122は,円形の頂面120が対向するよう配置されている。
【0066】
この場合,1個の着磁コイル171で片方の超電導バルク体を着磁した後,着磁コイル171を移動してもう一方を着磁してもよい。2個の着磁コイルを設けて同時に着磁してもよい。2個の着磁コイルに対する通電は独立に行なうこともできるし,直列回路に両者をつなげてもよい。
【0067】
被着磁体2は着磁部18において搬送部(図示略)のガイド181に固定され,該搬送部により紙面に対し垂直方向に走査されることで,対向する超電導バルク体121,122の間に形成された磁場空間により着磁される。
なお,磁場空間における磁場の強さは超電導バルク体121,122が格納された断熱真空容器111,112の一方または双方を矢線bの方向に移動させることで調整できる。
その他は実施形態例1と同様である。
【0068】
本例の着磁装置1において,磁場供給部10は,着磁された一対の対向した超電導バルク体121,122を有し,着磁部18となる磁場空間はこれら一対の対向した超電導バルク体121,122間に形成されている。
これにより,2つの超電導バルク体121,122から発する磁場の重ね合わせからなる磁場空間を持つ着磁装置1を得ることができ,より強力な磁場による着磁を実現できる(実施形態例2参照)。
その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0069】
実施形態例4
本例は,図4に示すごとく,搬送部180の異なる例について説明する。
図4に示すごとく,本例の着磁装置1は実施形態例1の図1にかかる着磁装置と搬送部180を除いて略同一の構成である。
被着磁体2は超電導バルク体12の上方に,ガイド181の先端に固定されて配置されている。
【0070】
上記被着磁体2は架台183に取り付けられた搬送用モータ182で磁場空間外から磁場空間の中の着磁部18に搬送される。着磁部18で着磁後,再び搬送部180により磁場空間外に搬送され,ここでガイド181より取り外される。
その他は実施形態例1と同様の構成を有し,また実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0071】
本例の着磁装置1にて着磁された被着磁体2の磁場分布を図5に記載した。なお,同図の(X,Y)=(0,0)は被着磁体の着磁された表面の中心と一致する。なお,本例の被着磁体2は直径35mm,高さ20mmのフェライト材料よりなる。
磁場分布は断熱真空容器11に最も近づいた表面(直径35mmの円形)に対し垂直方向の磁場を,表面から0.5mmの距離で磁場センサを走査して測定した。
【0072】
図5より知れるごとく,円形の中心付近が0.1テスラ,外部に向かうほど減衰し,最外周近傍では0テスラとなった。
この分布は超電導バルク体12の磁場空間に特徴的な磁場分布(円形の頂面120の中央がもっとも強力に着磁され,周囲に向かって減衰する分布)を反映した分布である。
これを応用すれば,超電導バルク体12を利用することで,被着磁体の部分的な着磁が可能である。
【0073】
実施形態例5
本例は,図6に示すごとく,搬送部180の異なる例について説明する。
図6に示すごとく,本例の着磁装置1は実施形態例1の図1にかかる着磁装置と搬送部180を除いて略同一の構成である。
搬送部180のガイド181には超電導バルク体12の円形の頂面120より大きな面積をもつ被着磁体2が固定されている。なお,同図より明らかであるが,被着磁体2はガイド181と断熱真空容器11との間で着磁される。
【0074】
架台183に取り付けられた2基の搬送用モータ182は同図に示す矢線cのごとく90度異なる方向に動き,被着磁体2を紙面垂直方向に対して回転する。これにより,被着磁体2は全体に均一に着磁される。
その他は実施形態例1と同様の構成を有し,同様の作用効果を有する。
【0075】
実施形態例6
本例は,図7に示すごとく,実施形態例5と同様に一対の対向した超電導バルク体121,122間で被着磁体2を着磁する着磁装置1である。
図7に示すごとく,本例の着磁装置1は実施形態例3にかかる着磁装置と搬送部180を除いて略同一の構成である。
そして,二つの超電導バルク体121,122の間に,図4に示すごとき搬送部180を用いて被着磁体2を配置する。
【0076】
被着磁体2はガイド181に固定される。
架台183に取り付けられた搬送用モータ182及び図示されない別の搬送用モータ(182の背後にある)は,被着磁体2を磁場供給部10に対し紙面垂直方向と紙面平行方向に走査して,これを着磁する。これにより,被着磁体2の表面全体を均一に着磁できる。
その他詳細は実施形態例1と同様である。また実施形態例1及び3と同様の作用効果を有する。
【0077】
実施形態例7
本例は,図8に示すごとく,筐体19と断熱真空容器11及びこれに取り付けた駆動部28とが分離構成された着磁装置1である。
超電導バルク体12と冷凍部14のコールドヘッド141とが断熱真空容器11に格納され,冷凍機142は容器11の外部に設けてある。冷凍機142と筐体19内の圧縮機143とが可撓性のあるガス配管144にて繋がれている。
【0078】
筐体19には真空ポンプシステム16とポンプコントローラ161,冷凍機コントローラ145が設置され,真空ポンプシステム16と断熱真空容器11は可撓性のある真空配管162で繋がれる。ただし,真空配管161は冷凍機142が超電導維持に必要な極低温まで冷却された後は配管を封じ切ってもよい。
【0079】
上記断熱真空容器11,冷凍機142は駆動部28のガイド281に固定されている。符号282は駆動用モータ,符号283はガイド281,駆動用モータを設置する架台である。
本例にかかる着磁装置1では,被着磁体2を固定架台189に設置し,上記駆動部28により断熱真空容器11を紙面左右方向及び紙面垂直方向に2次元的に走査して上記被着磁体2を着磁する。
なお,固定架台189の表面を強磁性体で構成してヨークとしての機能を持たせて,超電導バルク体12からの磁束を吸引して,より効率よい着磁を実現することもできる。
その他は実施形態例1と同様の構造を有し,同様の作用効果を有する。
【0080】
実施形態例8
本例は,図9に示すごとく,実施形態例1と同様の着磁装置1であって,ガイド181に配置した被着磁体2の背面(被着磁体2に対して超電導バルク体12の反対側の面)に強磁性体である電磁軟鉄板よりなるヨーク25を設けた。
これにより,超電導バルク体12からの磁場をより有効に被着磁体2に導くことができる。
その他は実施形態例1と同様の構造を有し,同様の作用効果を有する。
【0081】
実施形態例9
本例は,図10に示すごとく,断熱真空容器11を2基設けた着磁装置である。
2基の断熱真空容器11が筐体19と分離して設置され,断熱真空容器11は筐体19の内部にある真空ポンプシステム16と可撓性のある真空配管162で繋がれる。
また,筐体19の圧縮機143はバルブユニット148を介して,各断熱真空容器11が配管で繋がれる。
【0082】
本例の着磁装置1において,被着磁体2は各断熱真空容器11内の超電導バルク体12の頂面に平行に設置し,図示を略した搬送部によって図面に垂直な方向に適宜搬送させて着磁する。
この時,2個の超電導バルク体12の頂面120が同じ極性を持つ場合には,被着磁体2は表面に単極あるいは2本の筋状に部分的に磁化された磁場分布が生じる。頂面120が異なる極性を持つ場合,表面に異極(2極)に磁化された磁場分布が生じる。
【0083】
このように本例にかかる着磁装置によれば,被着磁体2の着磁について,変化に富んだ磁場分布を持たせることが容易に実行できる。
その他の構成は実施形態例1と同様であり,実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0084】
実施形態例10
本例は,図11に示すごとく,円環状の被着磁体2の側面を着磁する2基の断熱真空容器を持つ着磁装置1について説明する。
本例の着磁装置1は,互いの頂面120が垂直に交わる位置関係となるように断熱真空容器11が設置される。
【0085】
図11に示すごとく,両断熱真空容器11の概型を延長し交差した部分が本例の着磁装置1にかかる磁場空間となり,ここが着磁部18となる。
この着磁部18に同図に示すごとき状態で円環状の被着磁体2を配置し,これを紙面垂直方向に移動させることで,被着磁体2の側面を紙面垂直方向に着磁することができる。
その他の構成は実施形態例1と同様であり,実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0086】
なお,本例は2基の断熱真空容器11を設けたが,数も位置関係も本例にこだわらず,必要と思われる状態に設置することができる。
更に,2基の着磁装置を利用して,本例と同様の着磁が実現できる。
【0087】
【発明の効果】
上述のごとく,本発明によれば,強力な磁場による着磁や大型の被着磁体の着磁が容易に実現可能で,信頼性及び安全性に優れ,高い生産性を有し,更に低コストに運転可能な超電導着磁装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,図1にかかる超電導着磁装置の構成を示す説明図。
【図2】実施形態例1における,超電導着磁装置により着磁された被着磁体の表面の磁場分布を示す線図。
【図3】実施形態例3における,一対の断熱真空容器を持つ超電導着磁装置の構成を示す説明図。
【図4】実施形態例4における,異なる形状の搬送部を有する超電導着磁装置の構成を示す説明図。
【図5】実施形態例4における,図4にかかる超電導着磁装置により着磁された被着磁体の表面の磁場分布を示す線図。
【図6】実施形態例5における,超電導着磁装置の構成を示す説明図。
【図7】実施形態例6における,一対の断熱真空容器を持つ超電導着磁装置の構成を示す説明図。
【図8】実施形態例7における,断熱真空容器及び筐体とが分離構成された超電導着磁装置の構成を示す説明図。
【図9】実施形態例8における,ヨークを設けた超電導着磁装置の構成を示す説明図。
【図10】実施形態例9における,2基の断熱真空容器を持ち,これらと筐体とが分離構成された超電導着磁装置の構成を示す説明図。
【図11】実施形態例10における,2基の断熱真空容器を持つ超電導着磁装置の構成を示す説明図。
【符号の説明】
1...超電導着磁装置,
10...磁場供給部,
11...断熱真空容器,
12...超電導バルク体,
14...冷却部,
18...着磁部,
180...搬送部,
28...駆動部,
2,21〜23...被着磁体,
Claims (7)
- 予め外部磁場によって着磁された超電導バルク体を配置してなると共に該超電導バルク体は断熱真空容器内に格納されて,冷却部により超電導状態に冷却されている磁場供給部と,
該磁場供給部における上記超電導バルク体に対面して被着磁体を配置し,該被着磁体に着磁を行なう着磁部とよりなり,
かつ該着磁部に配置する上記被着磁体は,上記磁場供給部に配置した上記超電導バルク体により形成される磁場空間に位置していることを特徴とする超電導着磁装置。 - 請求項1において,上記磁場供給部には,着磁された一対の対向した超電導バルク体が配置され,上記磁場空間はこれら一対の対向した超電導バルク体の間に形成されていることを特徴とする超電導着磁装置。
- 請求項1または2において,上記磁場供給部に対して対面配置した上記被着磁体の背面側には強磁性体を配置し,上記超電導バルク体からの磁束を吸引するよう構成してあることを特徴とする超電導着磁装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項において,上記超電導バルク体は,RE(ここにREはY,La,Nd,Sm,Eu,Gd,Er,Ybより選ばれる1種以上の元素を指す。),Ba,Cuのいずれか1種以上よりなる酸化物または複合酸化物と,
Ag,Pt,またはCeのいずれか1種以上を含む化合物よりなる添加物とを含有することを特徴とする超電導着磁装置。 - 請求項1〜4のいずれか一項において,上記被着磁体は永久磁石材料よりなる,または永久磁石材料と樹脂材料とよりなる樹脂複合磁石材料よりなることを特徴とする超電導着磁装置。
- 請求項1〜5のいずれか一項において,上記着磁部に対し上記被着磁体を搬送及び/または上記着磁部に対し,上記被着磁体を走査するよう構成した搬送部を配置したことを特徴とする超電導着磁装置。
- 請求項1〜6のいずれか一項において,上記磁場供給部を被着磁体に対し走査するよう構成した駆動部を配置したことを特徴とする超電導着磁装置。
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