JP5130990B2 - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両に好適な制御装置に関する。
エンジン(内燃機関)に加えて、電動機や発電機として機能するモータジェネレータを備えるハイブリッド車両が知られている。ハイブリッド車両では、内燃機関を可及的に高効率状態で運転する一方、駆動力やエンジンブレーキの過不足をモータジェネレータで補う。
このようなハイブリッド車両の一例として、以下の特許文献1に示すように、無段変速モードと固定変速モードとを切り替えて運転することが可能なように構成されたハイブリッド車両がある。このハイブリッド車両では、例えば、2つの遊星歯車機構を組み合わせた動力分配機構を有し、動力分配機構は、エンジン、第1のモータジェネレータ、駆動軸及びブレーキ部に接続され、第2のモータジェネレータは、駆動軸に接続される。ブレーキ部を解放した状態では、第1のモータジェネレータの回転数を連続的に変化させることにより、エンジンの回転数が連続的に変化し、無段変速モードでの運転が実行される。一方、ブレーキ部を固定した状態では、上記の回転要素の1つの回転が阻止されることにより変速比が固定となり、固定変速モードでの運転が実行される。
その他にも、本発明に関連のある技術が特許文献2に記載されている。
特開2004−345527号公報 特許4001013号公報
しかしながら、上記した特許文献1及び2に記載された技術では、変速モードの切り替え時に、要求に応じた駆動力若しくは制動力を適切に発生することができない場合があった。言い換えると、ドライバーからの加速要求若しくは減速要求に対して、好適なレスポンスを得ることが困難であった。例えば、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え時には、駆動力の立ち上がりを早期に行うことが困難であった。また、無段変速モードから固定変速モードへの切り替え時には、駆動力の立ち下がりを早期に行うことが困難であった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、変速モードの切り替え時において、要求に応じた駆動力若しくは制動力を適切に発生することが可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの観点では、エンジン、第1のモータジェネレータ、及び第2のモータジェネレータを有し、無段変速モードと固定変速モードとの間で変速モードを切り替え可能に構成されたハイブリッド車両に対して制御を行う制御装置は、前記固定変速モードから前記無段変速モードへ変速モードの切り替えが行われる場合に、要求駆動力に応じて、前記変速モードの切り替え時において駆動軸の出力トルクの変動を抑制するために前記第2のモータジェネレータに対して実行されるトルク変動抑制制御とは異なる態様にて、前記第2のモータジェネレータのトルクを変動させる制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記トルク変動抑制制御とは異なる態様の制御として、前記変速モードの切り替え開始時から前記変速モードの切り替え終了時までの前記第2のモータジェネレータのトルク変動量を、前記トルク変動抑制制御を行う場合よりも小さくする制御を行う
上記のハイブリッド車両の制御装置は、エンジン、第1のモータジェネレータ、及び第2のモータジェネレータを有し、無段変速モードと固定変速モードとの2つのモードを切り替え可能に構成されたハイブリッド車両に搭載される。制御手段は、固定変速モードから無段変速モードへ変速モードの切り替えが行われる場合に、要求駆動力に応じて、変速モードの切り替え時において駆動軸の出力トルクの変動を抑制するために第2のモータジェネレータに対して実行されるトルク変動抑制制御とは異なる態様にて、第2のモータジェネレータのトルクを変動させる制御を行う。具体的には、制御手段は、トルク変動抑制制御とは異なる態様の制御として、変速モードの切り替え開始時から変速モードの切り替え終了時までの第2のモータジェネレータのトルク変動量を、トルク変動抑制制御を行う場合よりも小さくする制御を行う。これにより、出力トルクの変動を抑制しつつ、駆動力の立ち上がりを早期に行うことが可能となる。つまり、ドライバーからの加速要求に対するレスポンスを向上させることが可能となる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の一態様では、前記制御手段は、前記第1のモータジェネレータの消費パワーと、前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータとの間で電力の授受を行うバッテリの出力制限値とに基づいて、前記バッテリの出力余裕代に対応する出力可能駆動力を求め、当該出力可能駆動力が前記要求駆動力以下である場合に、前記第2のモータジェネレータに対して前記トルク変動抑制制御を実行すると共に、前記要求駆動力に応じて前記エンジンのトルクを上昇させる制御を行う。これにより、バッテリ制限時に起因する出力トルクの変動を適切に抑制でき、ドライバビリティの悪化を抑制することが可能となる。
上記のハイブリッド車両の制御装置の他の一態様では、前記制御手段は、前記第1のモータジェネレータの消費パワーと、前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータとの間で電力の授受を行うバッテリの出力制限値とに基づいて、前記バッテリの出力余裕代に対応する出力可能駆動力を求め、当該出力可能駆動力が前記要求駆動力を超える場合に、前記第2のモータジェネレータを力行させる制御を行う。これにより、駆動力の立ち上がりを更に大きくすることが可能となる。
本発明の他の観点では、エンジン、第1のモータジェネレータ、及び第2のモータジェネレータを有し、無段変速モードと固定変速モードとの変速モードを切り替え可能に構成されたハイブリッド車両に対して制御を行う制御装置は、前記無段変速モードから前記固定変速モードへ変速モードの切り替えが行われる場合に、要求制動力に応じて、前記変速モードの切り替え時において駆動軸の出力トルクの変動を抑制するために前記第2のモータジェネレータに対して実行されるトルク変動抑制制御とは異なる態様にて、前記第2のモータジェネレータのトルクを変動させる制御を行う制御手段を備え、前記制御手段は、前記トルク変動抑制制御とは異なる態様の制御として、前記変速モードの切り替え開始時から前記変速モードの切り替え終了時までの前記第2のモータジェネレータのトルク変動量を、前記トルク変動抑制制御を行う場合よりも大きくする制御を行う。これにより、出力トルクの変動を抑制しつつ、駆動力の立ち下がりを早期に行うことが可能となる。つまり、ドライバーからの減速要求に対するレスポンスを向上させることが可能となる。
本発明におけるハイブリッド車両の制御装置は、エンジン、第1のモータジェネレータ、及び第2のモータジェネレータを有し、無段変速モードと固定変速モードとの2つのモードを切り替え可能に構成されたハイブリッド車両に搭載される。制御手段は、無段変速モードと固定変速モードとの間で変速モードの切り替えが行われる際に、要求駆動力又は要求制動力に基づいて、第2のモータジェネレータのトルクを制御する。これにより、出力トルクの変動を抑制しつつ、要求に応じた駆動力若しくは制動力を適切に発生することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
[装置構成]
図1に本発明を適用したハイブリッド車両の概略構成を示す。図1の例は、機械分配式2モータ型と称されるハイブリッド車両であり、エンジン(内燃機関)1、第1のモータジェネレータMG1、第2のモータジェネレータMG2、動力分配機構20、を備える。動力源に相当するエンジン1と、回転数制御機構に相当する第1のモータジェネレータMG1とが動力分配機構20に連結されている。動力分配機構20の出力軸(駆動軸)3には、駆動トルク又はブレーキ力のアシストを行うための副動力源である第2のモータジェネレータMG2が連結されている。第2のモータジェネレータMG2と出力軸3とはMG2変速部6を介して接続されている。さらに、出力軸3は最終減速機8を介して左右の駆動輪9に連結されている。第1のモータジェネレータMG1と第2のモータジェネレータMG2とは、バッテリ、インバータ、又は適宜のコントローラ(図2参照)を介して、もしくは直接的に電気的に接続され、第1のモータジェネレータMG1で生じた電力で第2のモータジェネレータMG2を駆動するように構成されている。
エンジン1は燃料を燃焼して動力を発生する熱機関であり、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどが挙げられる。第1のモータジェネレータMG1はエンジン1からトルクを受けて回転することにより主として発電を行うものであり、発電に伴うトルクの反力が作用する。第1のモータジェネレータMG1の回転数を制御することにより、エンジン1の回転数が連続的に変化する。このような変速モードを無段変速モードという。無段変速モードは、後述する動力分配機構20の差動作用により実現される。
第2のモータジェネレータMG2は、駆動トルク又はブレーキ力を補助(アシスト)する装置である。駆動トルクをアシストする場合、第2のモータジェネレータMG2は電力の供給を受けて電動機として機能する。一方、ブレーキ力をアシストする場合には、第2のモータジェネレータMG2は、駆動輪9から伝達されるトルクにより回転させられて電力を発生する発電機として機能する。なお、以下では、第1のモータジェネレータMG1及び第2のモータジェネレータMG2の区別をしないで用いる場合には、「モータジェネレータMG1、MG2」と表記する。
図2は、図1に示すモータジェネレータMG1、MG2、並びに動力分配機構20の構成を示す。
動力分配機構20は、エンジン1の出力トルクを第1のモータジェネレータMG1と出力軸(駆動軸)3とに分配する機構であり、差動作用を生じるように構成されている。具体的には複数組の差動機構を備え、互いに差動作用を生じる4つの回転要素のうち、第1の回転要素にエンジン1が連結され、第2の回転要素に第1のモータジェネレータMG1が連結され、第3の回転要素に出力軸3が連結される。第4の回転要素はブレーキ部7により固定可能となっている。ブレーキ部7は、例えば、複数のドグ歯を有する係合要素(不図示)、及び複数のドグ歯を有する被係合要素(不図示)を有する噛合機構として構成される。
ブレーキ部7が第4の回転要素を固定していない状態では、第1のモータジェネレータMG1の回転数を連続的に変化させることによりエンジン1の回転数が連続的に変化し、無段変速モードが実現される。一方、ブレーキ部7が第4の回転要素を固定している状態では、動力分配機構20により決定される変速比がオーバードライブ状態(即ち、エンジン1より出力される回転数が出力軸3の回転数より小さくなる状態)に固定され、固定変速モードが実現される。
本実施形態では、図2に示すように、動力分配機構20は、2つの遊星歯車機構を組み合わせて構成される。第1の遊星歯車機構はリングギア21、キャリア22、サンギア23を備える。第2の遊星歯車機構はダブルピニオン式であり、リングギア25、キャリア26、サンギア27を備える。
エンジン1の出力軸2は第1の遊星歯車機構のキャリア22に連結され、そのキャリア22は第2の遊星歯車機構のリングギア25に連結されている。これらが第1の回転要素を構成する。第1のモータジェネレータMG1のロータ11は第1の遊星歯車機構のサンギア23に連結され、これらが第2の回転要素を構成している。
第1の遊星歯車機構のリングギア21と第2の遊星歯車機構のキャリア26は相互に連結されているとともに出力軸3に連結されている。これらが第3の回転要素を構成している。また、第2の遊星歯車機構のサンギア27は回転軸29に連結されており、回転軸29とともに第4の回転要素を構成している。回転軸29はブレーキ部7により固定可能となっている。
電源ユニット30は、インバータ31、コンバータ32、HVバッテリ33及びコンバータ34を備える。第1のモータジェネレータMG1は電源線37によりインバータ31に接続されており、第2のモータジェネレータMG2は電源線38によりインバータ31に接続されている。また、インバータ31はコンバータ32に接続され、コンバータ32はHVバッテリ33に接続されている。さらに、HVバッテリ33はコンバータ34を介して補機バッテリ35に接続されている。
インバータ31は、モータジェネレータMG1、MG2との間で電力の授受を行う。モータジェネレータの回生時には、インバータ31はモータジェネレータMG1及び/又はMG2が回生により発電した電力を直流に変換し、コンバータ32へ供給する。コンバータ32は、インバータ31から供給される電力を電圧変換し、HVバッテリ33を充電する。一方、モータジェネレータの力行時には、HVバッテリ33から出力される直流電力はコンバータ32により昇圧され、電源線37及び/又は38を介してモータジェネレータMG1及び/又はMG2へ供給される。
HVバッテリ33の電力はコンバータ34により電圧変換されて補機バッテリ35に供給され、各種の補機の駆動に使用される。
インバータ31、コンバータ32、HVバッテリ33及びコンバータ34の動作はECU4により制御されている。ECU4は制御信号S4を送信することにより、電源ユニット30内の各要素の動作を制御する。また、電源ユニット30内の各要素の状態などを示す必要な信号は制御信号S4としてECU4に供給される。具体的には、HVバッテリ33の状態を示すSOC(State Of Charge)や入出力制限値などが、制御信号S4としてECU4に供給される。
ECU4は、エンジン1、第1のモータジェネレータMG1、及び第2のモータジェネレータMG2との間で、制御信号S1〜S3を送受信することにより、それらを制御する。本実施形態では、ECU4は、無段変速モードと固定変速モードとの間で変速モードの切り替えが行われる際に、要求駆動力又は要求制動力に基づいて、第2のモータジェネレータMG2のトルク変動量を制御する。このように、ECU4は、本発明における制御手段として機能する。また、ECU4は、図示しないブレーキ操作部に対して制御信号を供給し、ブレーキ操作部は、当該制御信号に基づいて、ブレーキ部7における固定(係合)/解放を制御する。
[制御方法]
次に、本実施形態においてECU4が行う制御について具体的に説明する。
本実施形態では、ECU4は、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え時において、加速要求がある場合に、要求に応じた駆動力が適切に出力されるように、第2のモータジェネレータMG2のトルクを制御する。具体的には、ECU4は、当該切り替え時における出力軸(駆動軸)3の出力トルクの変動を抑制するために第2のモータジェネレータMG2に対して実行する制御(以下、「トルク変動抑制制御」と呼ぶ。)とは異なる態様にて、第2のモータジェネレータMG2のトルクを変動させる。基本的には、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2の回生量がトルク変動抑制制御時の回生量以下となるように、第2のモータジェネレータMG2のトルク変動量を制御する。これにより、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え時において、出力トルクの変動を抑制しつつ、駆動力の立ち上がりを早期に行うことが可能となる。
なお、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え時においては、エンジントルクの反力トルクを分担させる反力要素をブレーキ部7から第1のモータジェネレータMG1へ移行させるために、第1のモータジェネレータMG1のトルクを徐々に増加させる制御(以下、「MG1トルク増加制御」とも呼ぶ。)が実行される。上記したトルク変動抑制制御は、このようなMG1トルク増加制御に伴って実行される。即ち、MG1トルク増加制御により第1のモータジェネレータMG1における消費電力が増加し、出力トルクが増加する傾向にあるので、このような出力トルクの変動を抑制するために、第2のモータジェネレータMG2からのトルクを徐々に増加させるトルク変動抑制制御が行われる。
固定変速モードから無段変速モードへの切り替え時において、このようなトルク変動抑制制御を実行した場合、出力軸3の出力トルクの変動を抑制することができるが、ドライバーからの加速要求に応じて、駆動力の立ち上がりを早期に行えない場合がある。したがって、本実施形態では、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え時において、加速要求に応じて駆動力が早期に立ち上がるように、第2のモータジェネレータMG2のトルクを制御する。
ここで、本実施形態に係る制御をより具体的に説明する。ECU4は、上記したような駆動力の立ち上がりを早期に行うために実行する制御を、HVバッテリ33の出力制限時であるか否かに基づいて切り替える。具体的には、ECU4は、MG1トルク増加制御における第1のモータジェネレータMG1の消費パワーとHVバッテリ33の出力制限値とからHVバッテリ33の出力余裕分を求め、当該出力余裕分に対応する駆動力(以下、「出力可能駆動力」と呼ぶ。)が要求駆動力を超える場合と要求駆動力以下である場合とで異なる制御を実行する。基本的には、ECU4は、出力可能駆動力が要求駆動力を超える場合(つまりHVバッテリ33の出力制限時ではない場合)には、第2のモータジェネレータMG2による回生量がトルク変動抑制制御時の回生量よりも小さくなるように制御を行う。これに対して、ECU4は、出力可能駆動力が要求駆動力以下である場合(つまりHVバッテリ33の出力制限時である場合)には、第2のモータジェネレータMG2による回生量がトルク変動抑制制御時の回生量となるように制御する。
詳しくは、ECU4は、出力可能駆動力が要求駆動力を超える場合において、第2のモータジェネレータMG2を力行させるほど要求駆動力が大きくない状況などにおいては、モータジェネレータMG2を回生状態にして、第2のモータジェネレータMG2のトルク変動量がトルク変動抑制制御時におけるトルク変動量よりも小さくなるように、第2のモータジェネレータに対して制御を行う。即ち、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2による回生量がトルク変動抑制制御時の回生量よりも小さくなるように、言い換えると第2のモータジェネレータMG2より付与されるブレーキ力がトルク変動抑制制御時におけるブレーキ力よりも弱まるように、要求駆動力に応じて第2のモータジェネレータMG2のトルク変動量を制御する。これにより、駆動力の立ち上がりを早期に行うことが可能となる。なお、以下では、このような制御を「MG2トルク変動量減少制御」と呼ぶ。
これに対して、ECU4は、出力可能駆動力が要求駆動力を超える場合において、要求駆動力が比較的大きく、第2のモータジェネレータMG2を力行させるべき状況などにおいては、第2のモータジェネレータMG2を回生させずに、第2のモータジェネレータMG2を力行させる制御(以下、「MG2力行制御」と呼ぶ。)を実行する。即ち、前述したHVバッテリ33の出力余裕分を用いて、第2のモータジェネレータMG2にてトルクを加速方向に出力させる。これにより、駆動力の立ち上がりを更に大きくすることが可能となる。
一方、ECU4は、出力可能駆動力が要求駆動力以下である場合には、上記のようなMG2トルク変動量減少制御及びMG2力行制御を実行することは困難であるため(言い換えると、第2のモータジェネレータMG2による回生量をトルク変動抑制制御よりも低減すべきではないため)、第2のモータジェネレータMG2に対して通常のトルク変動抑制制御を実行すると共に、要求駆動力に応じてエンジン1のトルクを上昇させる制御を実行する。つまり、変速モードの切り替え時において出力トルクの変動を抑制するために付与すべきトルクに、第2のモータジェネレータMG2のトルクを制限すると共に、エンジン1のトルクの立ち上げを前出しする制御を行う。以下では、このような制御を「エンジントルク上昇制御」と呼ぶ。
更に、ECU4は、前述したようなMG2力行制御後にHVバッテリ33の出力制限が発生した場合(つまりHVバッテリ33の出力余裕代が所定値以下となった場合)にも、このようなエンジントルク上昇制御を実行する。この場合には、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2のトルクをトルク変動抑制制御時におけるトルクまで序変させると共に、エンジン1のトルクの立ち上げを前出しする。これにより、出力トルクが減少することによるドライバビリティの悪化を適切に抑制することが可能となる。
次に、図3乃至図5を参照して、本実施形態に係る制御について具体例に説明する。
図3は、MG2トルク変動量減少制御を具体的に説明するための図である。具体的には、図3は、上から下に、固定変速モードから無段変速モードへ切り替えが進行していく過程を示している。また、図3は、当該切り替え時における動作状態を表した共線図を示しており、上下方向は回転数を示している。この場合には、左から順に、第1のモータジェネレータMG1、ブレーキ部7、エンジン1、第2のモータジェネレータMG2(一義的に出力軸3)の回転数を示している。
図3(a)は、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え要求が生じた際の図を示している。なお、この場合には、変速モードの切り替え要求と共に、加速要求が発せられたものとする。図3(a)に示す状態においては、ブレーキ部7は係合しており、ブレーキ部7には、エンジン1の出力トルクTEの反力トルクに相当するトルクTB1が付与されている。また、出力軸3には出力トルクTO1が付与されている。
図3(b)は、MG1トルク増加制御及びMG2トルク変動量減少制御の開始時における図を示している。固定変速モードから無段変速モードへ切り替える場合、反力要素をブレーキ部7から第1のモータジェネレータMG1へ移行させるために、第1のモータジェネレータMG1を力行状態にして、第1のモータジェネレータMG1のトルクを徐々に増加させる制御(MG1トルク増加制御)が行われる。具体的には、図3(b)で示す状態においては、MG1トルク増加制御の実行の結果、ブレーキ部7にはトルクTB1よりも小さなトルクTB2が付与されており、第1のモータジェネレータMG1からはトルクTMG11が出力されている。
更に、このようなMG1トルク増加制御の実行時に、第2のモータジェネレータMG2を回生させて、即ち発電を行わせて、第2のモータジェネレータMG2のトルクを増加させる制御(MG2トルク変動量減少制御)が行われる。より具体的には、上記したMG1トルク増加制御に起因する出力トルクの変動を抑制するために必要なトルクよりも小さなトルクTMG21が、第2のモータジェネレータMG2から出力される。つまり、出力トルクの変動を抑制するために第1のモータジェネレータMG1のトルクTMG11に応じて出力させるべきトルクよりも小さなトルクTMG21が、第2のモータジェネレータMG2から出力される。これにより、第2のモータジェネレータMG2の回生量がトルク変動抑制制御時における回生量よりも小さくなる、言い換えると第2のモータジェネレータMG2より付与されるブレーキ力がトルク変動抑制制御時におけるブレーキ力よりも弱まる。そのため、出力軸3には、図3(a)に示すトルクTO1よりも大きなトルクTO2が付与されることとなる。
図3(c)は、ブレーキ部7が解放した際の図を示している。この際には、ブレーキ部7におけるトルクは概ね0となり、第1のモータジェネレータMG1からはトルクTMG11よりも大きなトルクTMG12が出力されている。具体的には、エンジン1から出力されるトルクTEに対応する反力トルクが、第1のモータジェネレータMG1からトルクTMG12として出力されている。また、MG2トルク変動量減少制御により、第2のモータジェネレータMG2からはトルクTMG21よりも大きなトルクTMG22が出力されている。この場合、出力軸3には出力トルクTO3が付与されている。そして、図3(d)は、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え終了後における図を示している。
図4は、トルク変動抑制制御とMG2トルク変動量減少制御とを比較して説明するための図である。図4(a)及び図4(b)は、それぞれ横軸に時間を示し、縦軸にトルクを示している。具体的には、図4(a)はトルク変動抑制制御を実行した場合の結果の一例を示しており、図4(b)はMG2トルク変動量減少制御を実行した場合の結果の一例を示している。なお、時刻t11において固定変速モードから無段変速モードへの切り替えが開始され、時刻t12において当該切り替えが終了したものとする。
図4(a)では、破線Tr11は第1のモータジェネレータMG1の出力トルクを示し、実線Tr21は第2のモータジェネレータMG2の出力トルクを示し、実線Tr31はモータジェネレータMG1、MG2の両方から出力されるトルクを合計したトルクを示している。この場合、時刻t11から、反力要素をブレーキ部7から第1のモータジェネレータMG1へ移行させるために、第1のモータジェネレータMG1のトルクを徐々に増加させる制御(MG1トルク増加制御)が行われる。また、このようなMG1トルク増加制御の実行時に、当該制御に起因する出力トルクの変動を抑制するために、矢印A1で示すように、第2のモータジェネレータMG2のトルクを徐々に増加させるトルク変動抑制制御が実行される。このようなトルク変動抑制制御の結果、矢印A2で示すように、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え中において(時刻t11〜t12)、出力トルクの変動が抑制されていることがわかる。
なお、トルク変動抑制制御においては、動力分配機構20における各回転要素相互間のギア比などを考慮して、出力トルクの変動が抑制されるように、MG1トルク増加制御における第1のモータジェネレータMG1のトルクに応じて第2のモータジェネレータMG2のトルクが決定される。
図4(b)では、破線Tr12は第1のモータジェネレータMG1の出力トルクを示し、実線Tr22は第2のモータジェネレータMG2の出力トルクを示し、実線Tr32はモータジェネレータMG1、MG2の両方から出力されるトルクを合計したトルクを示している。この場合にも、時刻t11から、図4(a)に示すものと同様に(破線Tr11参照)、第1のモータジェネレータMG1のトルクを徐々に増加させるMG1トルク増加制御が行われる。更に、時刻t11から、矢印A3で示すように、第2のモータジェネレータMG2のトルクを徐々に増加させるMG2トルク変動量減少制御が実行される。このようなMG2トルク変動量減少制御時におけるトルク変動量(矢印A3参照)は、トルク変動抑制制御時のトルク変動量(矢印A1参照)と比較して小さいことがわかる。つまり、MG2トルク変動量減少制御における第2のモータジェネレータMG2のトルクの増加率は、トルク変動抑制制御時におけるトルクの増加率よりも小さいと言える。
このようなMG2トルク変動量減少制御を行うことで、第2のモータジェネレータMG2による回生量はトルク変動抑制制御時の回生量よりも小さくなる、つまり第2のモータジェネレータMG2より付与されるブレーキ力がトルク変動抑制制御時におけるブレーキ力よりも弱まる。そのため、矢印A4で示すように、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え中に(時刻t11〜t12)、出力トルクが上昇することとなる。よって、駆動力が早期に立ち上がることとなる。
図5は、MG2力行制御を具体的に説明するための図である。図5は、横軸に時間を示し、縦軸にトルクを示しており、MG2力行制御を実行した場合の結果の一例を示している。なお、時刻t21において固定変速モードから無段変速モードへの切り替えが開始され、時刻t22において当該切り替えが終了したものとする。
図5では、破線Tr13は第1のモータジェネレータMG1の出力トルクを示し、実線Tr23は第2のモータジェネレータMG2の出力トルクを示し、実線Tr33はモータジェネレータMG1、MG2の両方から出力されるトルクを合計したトルクを示し、一点鎖線Tr4はモータジェネレータMG1、MG2及びエンジン1の合計のトルクを示している。この場合、時刻t21から、第1のモータジェネレータMG1のトルクを徐々に増加させるMG1トルク増加制御が行われる。更に、時刻t21から、矢印A5で示すように、第2のモータジェネレータMG2を力行させるMG2力行制御が実行される。つまり、HVバッテリ33の出力余裕分を用いて、第2のモータジェネレータMG2から加速方向にトルクが出力される。
このようなMG2力行制御を行うことで、矢印A6で示すように、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え中に(時刻t21〜t22)、モータジェネレータMG1、MG2の両方から出力されるトルクを合計したトルクが大きく上昇することとなる。よって、一点鎖線Tr4で示すように、モータジェネレータMG1、MG2及びエンジン1の合計のトルクが効果的に上昇する。これにより、駆動力がより早期に立ち上がることとなる。
以上説明したように、本実施形態に係る制御によれば、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え時において、出力トルクの変動を抑制しつつ、駆動力の立ち上がりを早期に行うことが可能となる。つまり、ドライバーからの加速要求に対するレスポンスを向上させることが可能となる。
[具体的な処理]
次に、図6を参照して、ECU4が行う処理について説明する。図6は、本実施形態に係る処理を示すフローチャートである。当該処理は、ブレーキ部7を解放して、固定変速モードから無段変速モードへ切り替える際に行われる。
まず、ステップS101では、ECU4は、運転状態情報などに基づいて、固定変速モードで走行中であるか否かを判定する。固定変速モードである場合(ステップS101;Yes)、処理はステップS102に進み、固定変速モードでない場合(ステップS101;No)、処理は当該フローを抜ける。ステップS102では、ECU4は、車速や駆動力などに基づいて、固定変速モードから無段変速モードへの変速要求があるか否かを判定する。変速要求がある場合(ステップS102;Yes)、処理はステップS103に進み、変速要求がない場合(ステップS102;No)、処理は当該フローを抜ける。
ステップS103では、ECU4は、エンジントルクの反力トルクを分担させる反力要素をブレーキ部7から第1のモータジェネレータMG1へ移行させるために、第1のモータジェネレータMG1のトルクを徐々に増加させる制御(MG1トルク増加制御)を実行する。そして、処理はステップS104に進む。
ステップS104では、ECU4は、アクセル開度(アクセル開度センサの出力)に基づいて、加速要求があるか否かを判定する。加速要求がある場合(ステップS104;Yes)、処理はステップS106に進む。この場合には、ECU4は、加速要求が満たされるように、以降の処理で、MG2トルク変動量減少制御、MG2力行制御、及びエンジントルク上昇制御のうちの少なくともいずれかを実行する。これに対して、加速要求がない場合(ステップS104;No)、処理はステップS105に進む。この場合には、ECU4は、MG1トルク増加制御に起因する出力トルクの変動を抑制するために、第2のモータジェネレータMG2のトルクを徐々に増加させるトルク変動抑制制御を実行する(ステップS105)。そして、処理は当該フローを抜ける。
ステップS106では、ECU4は、MG1トルク増加制御における第1のモータジェネレータMG1の消費パワーを算出する。そして、処理はステップS107に進む。ステップS107では、ECU4は、ステップS106で算出された第1のモータジェネレータMG1の消費パワーとHVバッテリ33の出力制限値とからHVバッテリ33の出力余裕分を求め、当該出力余裕分から出力可能駆動力を算出する。詳しくは、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2の回転数に基づいて出力可能駆動力を算出する。そして、処理はステップS108に進む。
ステップS108では、ECU4は、出力可能駆動力が要求駆動力以下であるか否かを判定する。つまり、HVバッテリ33の出力制限時でないか否かを判定している。即ち、HVバッテリ33の電力を利用して(言い換えるとエンジン1のトルクを上昇させることなく)、要求駆動力を満たすことができるか否かを判定している。
出力可能駆動力が要求駆動力以下である場合(ステップS108;Yes)、処理はステップS109に進む。この場合には、ECU4は、MG2トルク変動量減少制御やMG2力行制御を実行することは困難であるので、エンジントルク上昇制御を実行する(ステップS109)。具体的には、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2に対してトルク変動抑制制御を実行すると共に、要求駆動力に応じてエンジン1のトルクを上昇させる制御を実行する。つまり、変速モードの切り替え時において出力トルクの変動を抑制するために付与すべきトルクに、第2のモータジェネレータMG2のトルクを制限すると共に、エンジン1のトルクの立ち上げを前出しする制御を行う。これにより、ドライバビリティの悪化を適切に抑制することが可能となる。そして、処理は当該フローを抜ける。
これに対して、出力可能駆動力が要求駆動力よりも大きい場合(ステップS108;No)、処理はステップS110に進む。この場合には、以降の処理で、MG2トルク変動量減少制御及びMG2力行制御のいずれかが実行される。まず、ステップS110では、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2を力行させるか否かを判定する。つまり、ECU4は、要求駆動力を得るために、第2のモータジェネレータMG2を力行させる必要があるか否かを判定する。
第2のモータジェネレータMG2を力行させる場合(ステップS110;Yes)、処理はステップS111に進む。この場合には、要求駆動力が比較的大きく、第2のモータジェネレータMG2を力行させるべき状況であると言える。ステップS111では、ECU4は、MG2力行制御を実行する。具体的には、ECU4は、HVバッテリ33の出力余裕分を用いて、第2のモータジェネレータMG2にてトルクを加速方向に出力させる。これにより、駆動力の立ち上がりを更に大きくすることが可能となる。そして、処理はステップS112に進む。
ステップS112では、ECU4は、HVバッテリ33の出力余裕代が所定値以下であるか否かを判定する。つまり、HVバッテリ33のSOC低下などに起因して、HVバッテリ33の出力制限が発生したか否かを判定する。出力余裕代が所定値以下である場合(ステップS112;Yes)、処理はステップS109に進む。この場合には、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2のトルクをトルク変動抑制制御時におけるトルクまで序変させて、エンジン1のトルクの立ち上げを前出しする(ステップS109)。そして、処理は当該フローを抜ける。これに対して、出力余裕代が所定値よりも大きい場合(ステップS112;No)、処理は当該フローを抜ける。
一方、第2のモータジェネレータMG2を力行させない場合(ステップS110;No)、処理はステップS113に進む。この場合には、第2のモータジェネレータMG2を力行させるほど要求駆動力が大きくない状況であると言える。ステップS113では、ECU4は、MG2トルク変動量減少制御を実行する。具体的には、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2のトルク変動量がトルク変動抑制制御時におけるトルク変動量よりも小さくなるように、第2のモータジェネレータに対して制御を行う。つまり、第2のモータジェネレータMG2による回生量がトルク変動抑制制御時の回生量よりも小さくなるように、言い換えると第2のモータジェネレータMG2より付与されるブレーキ力がトルク変動抑制制御時におけるブレーキ力よりも弱まるように、要求駆動力に応じて第2のモータジェネレータMG2のトルク変動量を制御する。これにより、駆動力の立ち上がりを早期に行うことが可能となる。以上の処理が終了すると、処理は当該フローを抜ける。
このような本実施形態に係る処理によれば、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え時において、出力トルクの変動を抑制しつつ、駆動力の立ち上がりを早期に行うことが可能となる。
なお、上記では、加速要求がある場合にのみ、駆動力の立ち下がりを早期に行うための制御(具体的には、MG2トルク変動量減少制御、MG2力行制御、及びエンジントルク上昇制御)を実行する例を示したが、これに限定はされない。他の例では、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え要求がある場合には、加速要求がない場合であっても、このような駆動力の立ち下がりを早期に行うための制御を実行することができる。
[他の実施形態]
上記では、本発明に係る制御を、固定変速モードから無段変速モードへの切り替え時に行う実施形態を示したが、これに限定はされない。本発明の制御は、無段変速モードから固定変速モードへの切り替え時にも同様に実行することができる。つまり、本発明の制御は、加速時だけでなく、減速時にも実行することができる。以下では、他の実施形態に係る制御について説明する。なお、当該制御も、前述したハイブリッド車両内のECU4によって実行される。
他の実施形態では、ECU4は、無段変速モードから固定変速モードへの切り替え時において、減速要求がある場合に、要求に応じた制動力が適切に出力されるように、第2のモータジェネレータMG2のトルクを制御する。具体的には、ECU4は、当該切り替え時における出力トルクの変動を抑制するために第2のモータジェネレータMG2に対して実行するトルク変動抑制制御とは異なる態様にて、第2のモータジェネレータMG2のトルクを変動させる。基本的には、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2の回生量がトルク変動抑制制御時の回生量よりも大きくなるように、第2のモータジェネレータMG2のトルク変動量を制御する。
なお、無段変速モードから固定変速モードへの切り替え時においては、エンジントルクの反力トルクを分担させる反力要素を第1のモータジェネレータMG1からブレーキ部7へ移行させるために、第1のモータジェネレータMG1のトルクを徐々に減少させる制御(以下、「MG1トルク減少制御」とも呼ぶ。)が実行される。上記したトルク変動抑制制御は、無段変速モードから固定変速モードへの切り替え時においては、このようなMG1トルク減少制御に伴って実行される。即ち、MG1トルク減少制御により第1のモータジェネレータMG1における消費電力が減少するので、これに起因する出力トルクの変動を抑制するために、第2のモータジェネレータMG2からのトルクを徐々に減少させるトルク変動抑制制御が行われる。
無断変速モードから固定変速モードへの切り替え時において、このようなトルク変動抑制制御を実行した場合、出力軸3の出力トルクの変動を抑制することができるが、ドライバーからの減速要求に応じて、駆動力の立ち下がりを早期に行えない場合がある。したがって、他の実施形態では、無断変速モードから固定変速モードへの切り替え時において、減速要求に応じて駆動力が早期に立ち下がるように、第2のモータジェネレータMG2のトルクを制御する。
ここで、他の実施形態に係る制御をより具体的に説明する。ECU4は、上記したような駆動力の立ち下がりを早期に行うために実行する制御を、HVバッテリ33の入力制限時であるか否かに基づいて、実行する制御を切り替える。具体的には、ECU4は、HVバッテリ33の入力制限値などからHVバッテリ33の入力余裕分を求め、当該入力余裕分に対応する制動力(以下、「出力可能制動力」と呼ぶ。)が要求制動力を超える場合と要求制動力以下である場合とで異なる制御を実行する。具体的には、ECU4は、出力可能制動力が要求制動力を超える場合(つまりHVバッテリ33の入力制限時でない場合)には、ECU4は、第2のモータジェネレータMG2のトルク変動量がトルク変動抑制制御時におけるトルク変動量よりも大きくなるように、第2のモータジェネレータに対して制御を行う。つまり、第2のモータジェネレータMG2による回生量がトルク変動抑制制御時の回生量よりも大きくなるように、言い換えると第2のモータジェネレータMG2より付与されるブレーキ力がトルク変動抑制制御時におけるブレーキ力よりも強まるように、要求制動力に応じて第2のモータジェネレータMG2のトルク変動量を制御する。これにより、駆動力の立ち下がりを早期に行うことが可能となる。
これに対して、ECU4は、出力可能制動力が要求制動力以下である場合(つまりHVバッテリ33の入力制限時である場合)には、上記のような制御を行うことは困難であるため、第2のモータジェネレータMG2に対して通常のトルク変動抑制制御を実行すると共に、要求制動力に応じてエンジン1のトルクを減少させる制御を実行する。即ち、変速モードの切り替え時において出力トルクの変動を抑制するために付与すべきトルクに、第2のモータジェネレータMG2のトルクを制限すると共に、エンジン1のトルクの立ち下げを前出しする制御を行う。例えば、ECU4は、エンジン1に対して燃料カット(F/C)を実行する。
更に、ECU4は、このようにエンジン1のトルクを減少させる制御を実行しても要求制動力が得られないような場合には、所謂フットブレーキによる制動力を増加させる制御を更に実行する。これにより、ドライバビリティの悪化を適切に抑制することが可能となる。
以上の他の実施形態に係る制御によれば、無段変速モードから固定変速モードへの切り替え時において、出力トルクの変動を抑制しつつ、駆動力の立ち下がりを早期に行うことが可能となる。つまり、ドライバーからの減速要求に対するレスポンスを向上させることが可能となる。
本実施形態によるハイブリッド車両の概略構成を示す。 モータジェネレータ及び動力伝達機構などの構成を示す。 MG2トルク変動量減少制御を具体的に説明するための図を示す。 トルク変動抑制制御とMG2トルク変動量減少制御とを比較して説明するための図を示す。 MG2力行制御を具体的に説明するための図を示す。 本実施形態に係る処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
3 出力軸
4 ECU
7 ブレーキ部
20 動力分配機構
31 インバータ
32、34 コンバータ
33 HVバッテリ
MG1 第1のモータジェネレータ
MG2 第2のモータジェネレータ

Claims (4)

  1. エンジン、第1のモータジェネレータ、及び第2のモータジェネレータを有し、無段変速モードと固定変速モードとの間で変速モードを切り替え可能に構成されたハイブリッド車両に対して制御を行う制御装置であって、
    前記固定変速モードから前記無段変速モードへ変速モードの切り替えが行われる場合に、要求駆動力に応じて、前記変速モードの切り替え時において駆動軸の出力トルクの変動を抑制するために前記第2のモータジェネレータに対して実行されるトルク変動抑制制御とは異なる態様にて、前記第2のモータジェネレータのトルクを変動させる制御を行う制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記トルク変動抑制制御とは異なる態様の制御として、前記変速モードの切り替え開始時から前記変速モードの切り替え終了時までの前記第2のモータジェネレータのトルク変動量を、前記トルク変動抑制制御を行う場合よりも小さくする制御を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1のモータジェネレータの消費パワーと、前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータとの間で電力の授受を行うバッテリの出力制限値とに基づいて、前記バッテリの出力余裕代に対応する出力可能駆動力を求め、当該出力可能駆動力が前記要求駆動力以下である場合に、前記第2のモータジェネレータに対して前記トルク変動抑制制御を実行すると共に、前記要求駆動力に応じて前記エンジンのトルクを上昇させる制御を行う請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1のモータジェネレータの消費パワーと、前記第1のモータジェネレータ及び前記第2のモータジェネレータとの間で電力の授受を行うバッテリの出力制限値とに基づいて、前記バッテリの出力余裕代に対応する出力可能駆動力を求め、当該出力可能駆動力が前記要求駆動力を超える場合に、前記第2のモータジェネレータを力行させる制御を行う請求項1に記載のハイブリッド車両の制御装置。
  4. エンジン、第1のモータジェネレータ、及び第2のモータジェネレータを有し、無段変速モードと固定変速モードとの間で変速モードを切り替え可能に構成されたハイブリッド車両に対して制御を行う制御装置であって、
    前記無段変速モードから前記固定変速モードへ変速モードの切り替えが行われる場合に、要求制動力に応じて、前記変速モードの切り替え時において駆動軸の出力トルクの変動を抑制するために前記第2のモータジェネレータに対して実行されるトルク変動抑制制御とは異なる態様にて、前記第2のモータジェネレータのトルクを変動させる制御を行う制御手段を備え、
    前記制御手段は、前記トルク変動抑制制御とは異なる態様の制御として、前記変速モードの切り替え開始時から前記変速モードの切り替え終了時までの前記第2のモータジェネレータのトルク変動量を、前記トルク変動抑制制御を行う場合よりも大きくする制御を行うことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
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