次に、本発明の実施の形態の例を、図に示す例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれらの例に何等限定されないのである。
図1から図9において、本例の換気用の通路開閉装置1は、建物内外を連通する連通路2を有した枠体3と、枠体3と協働して連通路2に一方の通路4を画成する一方の面6及び枠体3と協働して連通路2に他方の通路5を画成する他方の面7を有しており、R2方向の回転により面6が枠体3に当接して通路4を閉鎖すると共に面7が枠体3に当接して通路5を閉鎖する一方、R1方向の逆回転により面6が枠体3から離反して通路4を開放すると共に面7が枠体3から離反して通路5を開放するように、枠体3内にR1及びR2方向に回転自在に配されている羽根部材8と、羽根部材8の面6に装着される装着端11及び装着端11に対して連通路2の一方の開口端10側に位置する自由端12を有しており、開口端10から通路4に流入する気体9に基づいて復帰力Aを生じながら自由端12が枠体3に接近するようにR3方向に揺動される一方の揺動羽根部材15と、羽根部材8の面7に装着される装着端11a及び装着端11aに対して開口端10側に位置する自由端12aを有しており、開口端10から通路5に流入する気体9に基づいて復帰力Bを生じながら自由端12aが枠体3に接近するようにR5方向に揺動される他方の揺動羽根部材15aと、羽根部材8に連結されていると共に当該羽根部材8を回転操作する回転操作手段16とを具備している。
枠体3は、例えば図1、図2及び図6に示すように、横方向Xに伸びた前壁21及び後壁22と、前壁21及び後壁22の夫々の横方向Xにおける両側端に夫々取り付けられた一対の側壁23及び24と、前壁21、後壁22、側壁23及び24の夫々の上部に装着されたスリット付きの覆部材25とを具備している。連通路2は、前壁21、後壁22、側壁23及び24によって画成されている。前壁21及び後壁22の上部及び下部の夫々は、橋絡部材26によって互いに橋絡されており、連通路2の他方の開口端20には、防塵用網27が配されている。
前壁21は、横方向Xに伸びた板状体31と、図6に示すように通路閉鎖位置に配される羽根部材8の面6に当接するように板状体31に設けられた横方向Xに伸びた当接部32と、開口端10から通路4に流入する気体9に基づいてR3方向に揺動される揺動羽根部材15の自由端12に当接するように板状体31に設けられた当接部33とを具備している。板状体31の下縁には横方向Xに伸びた弾性部材28が設けられている。当接部32は、横方向Xに直交する前後方向Yにおいて後壁22に向かって突出して連通路2を画成する板状体31の面34に形成された突出部35の開口端20側の面に位置している。当接部32は、横方向X及び前後方向Yに直交する縦方向Zにおいて羽根部材8の回転軸心C1に対して開口端20側に位置する。当接部33は、突出部35の開口端10側の面に位置している。当接部33は、縦方向Zにおいて揺動羽根部材15の装着端11に対して開口端10側に位置する。
前後方向Yにおいて前壁21に対向して配された後壁22は、前壁21と同様に形成されているので、図に適宜符号aを付して後壁22についての詳細な説明を省略する。尚、当接部32aは、通路閉鎖位置に配される羽根部材の面7に当接するように板状体31aに設けられており、突出部35aの開口端10側の面に位置している。当接部33aは、揺動羽根部材15aの装着端11aに対して開口端10側に位置すると共に、開口端10側から通路5に流入する気体9に基づいてR5方向に揺動される揺動羽根部材15aの自由端12aに当接するように板状体31aに設けられている。当接部33aは、突出部35aの開口端20側の面に位置している。当接部32a及び33aは本例では突出部35aの同部位に位置している。
側壁23及び24は、羽根部材8の軸44が挿通される挿通孔を夫々具備しており、当該挿通孔の夫々において軸44を回転自在に支持している。側壁23及び24の夫々の連通路2を画成する面には、羽根部材8の横方向Xにおける両端に滑接する弾性シール部材38が夫々設けられている。側壁23及び24の下縁には、前後方向Yに伸びた弾性部材39が設けられている。側壁24には、連結アーム72、回転自在アーム73並びに回転アーム74及び75を収容するハウジング40が取り付けられている。
覆部材25は、横方向Xに伸びた板状体51と、前壁21の上部に取り付けられた被嵌合部材としての弾性部材52に嵌合するように板状体51の前縁側に形成されている嵌合突部53と、後壁22の上部に取り付けられた被嵌合部材としての弾性部材54に嵌合するように板状体51の後縁側に形成されている嵌合突部55と、板状体51に横方向Xに並んで形成された通気用の複数のスリット56と、操作部材71が配されるように板状体51に形成された開口57とを具備している。嵌合突部53及び55の夫々は、開口端10側に向かって縦方向Zに伸びた板状部58と、板状部58の先端に形成された膨大部59とを具備している。嵌合突部53は、弾性部材52に形成された当該嵌合突部53に対して相補的な形状のスリット若しくは孔に差し込まれることによって嵌合する。嵌合突部55は、弾性部材54に形成された当該嵌合突部55に対して相補的な形状のスリット若しくは孔に差し込まれることによって嵌合する。
羽根部材8は、例えば図3に示すように、連通路2において通路4を画成する面6及び連通路2において通路5を画成する面7を有した横方向Xに伸びた断面略楕円形状の中空本体41と、中空本体41の横方向Xにおける一端を閉塞していると共に側壁23に回転自在に支持される軸44が固着された側板45と、中空本体41の横方向Xにおける他端を閉塞していると共に側壁24に回転自在に支持される軸44が固着された側板46とを具備している。中空本体41の面6には、揺動羽根部材15の装着端11が装着される横方向Xに伸びたスリット47が形成されており、中空本体41の面7には、揺動羽根部材15aの装着端11aが装着される横方向Xに伸びたスリット48が形成されている。スリット47及び48は、装着端11及び11aに対して夫々相補的な形状を有している。中空本体41の面6の開口端20側の部位には、横方向Xに伸びた弾性シール部材42が取り付けられている。面6は、羽根部材8が通路閉鎖位置に位置する際に弾性シール部材42を介して当接部32に当接する。中空本体41の面7の開口端10側の部位には、横方向Xに伸びた弾性シール部材43が取り付けられている。面7は、羽根部材8が通路閉鎖位置に位置する際に弾性シール部材43を介して当接部32aに当接する。側板45及び46は、側壁23及び24に夫々設けられた弾性シール部材38に夫々摺接するように配置されている。中空本体41の面6は、当該中空本体41の開口端20側の端部から開口端10側の端部まで全体的に凸状に湾曲された面からなり、羽根部材8の回転軸心C1に対して一方側、本例では前壁21側に位置する。中空本体41の面6は、当該中空本体41の開口端20側の端部から開口端10側の端部まで全体的に凸状に湾曲された面からなり、回転軸心C1に対して他方側、本例では後壁22側に位置する。
羽根部材8は、回転操作手段16により回転軸心C1を中心としてR2方向に回転されることにより、図8に示す通路開放位置から図6に示す通路閉鎖位置まで移動し、当該通路閉鎖位置において面6及び7が弾性シール部材42及び43を介して当接部32及び32aに夫々当接することで通路4及び5を同時的に閉鎖し、而して、連通路2を閉鎖するようになっている。R2方向に回転される羽根部材8の開口端20側の端部は前壁21に向かって移動し、当該羽根部材8の開口端10側の端部は後壁22に向かって移動する。また、羽根部材8は、回転操作手段16により回転軸心C1を中心としてR1方向に回転されることにより、面6及び7が当接部32及び32aから同時的に離反すると共に通路閉鎖位置から通路開放位置まで移動して、通路4及び5を同時的に開放し、而して、連通路2を開放するようになっている。R1方向に回転される羽根部材8の開口端20側の端部は後壁22に向かって移動し、当該羽根部材8の開口端10側の端部は前壁21に向かって移動する。このように、羽根部材8は、回転操作手段16の操作によって連通路2を強制的に閉鎖及び開放するようになっている。尚、羽根部材8は、通路閉鎖位置において連通路2を全閉の状態としており、通路開放位置において連通路2を全開の状態としている。通路開放位置に配される羽根部材8の両端部は、縦方向Zにおいて互いに対向する。
揺動羽根部材15及び15aは、通路開放位置に配される羽根部材8の回転軸心C1を通ると共に縦方向Zに伸びる線、即ち連通路2の伸びる方向の線に関して線対称に配されているので、以下、揺動羽根部材15について詳細に説明し、揺動羽根部材15aについては図に適宜符号aを付してその詳細な説明を省略する。
揺動羽根部材15は、例えば図2、図3、図4及び図6に示すように、本例では復帰力Aを生じながら撓められる横方向Xに伸びた板状部材からなる。揺動自在部材15の横方向Xの長さは、本例では中空本体41の横方向Xの長さと等しい。揺動羽根部材15の開口端10側の面61は凸状に緩やかに湾曲していてもよい。装着端11aは、スリット47に嵌着される膨大部62を有しており、膨大部62は、揺動羽根部材15の羽根部材8からの脱落を防止している。揺動羽根部材15は、膨大部62の近傍に位置する薄肉部63を有しており、薄肉部63は、復元可能な撓みを生じるようになっている。揺動羽根部材15は、薄肉部63において開口端10側に向かって折り曲げられた形状を有しているので、開口端10及び前壁21側に向かって縦方向Zに傾斜した方向に向かって伸びており、通路4に配される自由端12は、装着端11に対して通路4を画成する枠体3の部位としての前壁21側に位置する。
揺動羽根部材15は、羽根部材8が通路開放位置に配されている際に開口端10から通路4に流入された気体9のうち羽根部材8の面と揺動羽根部材15の面61との間に流れ込んだ気体9の圧力等によってR3方向の揺動力が与えられ、当該揺動力によって薄肉部63が撓められながらR3方向に揺動される。R3方向に揺動された揺動羽根部材15の自由端12は前壁21に接近するために通路4が狭められ、而して、通路4から流出する気体は減少される。ここで、揺動羽根部材15にR3方向の揺動が生じさせる気体9が通路4に流入されると、羽根部材8にはR1方向の回転モーメントが生じ得るが、斯かるR1方向の回転モーメントは、通路4への気体9の流入と同時に開口端10から通路5に流入する気体9によって揺動自在部材15がR5方向に揺動する際に羽根部材8に生じ得るR2方向の回転モーメントによって相殺することができるので、羽根部材8に意図しない回転を生じる虞をなくし得る。開口端10から通路4に流入する気体9の流量が増大した場合には、揺動羽根部材15の自由端12は更に前壁21に接近して通路4を更に狭め、最終的に図9に示すように前壁21の当接部33に当接する。また、開口端10から通路4に流入する気体9の流量が減少した場合には、揺動羽根部材15は、撓められた状態の薄肉部63で生じる復帰力Aに基づいてR4方向に揺動し、この揺動により通路4は拡げられ、自由端12は図6に示す元の位置に復帰する。薄肉部63で生じる復帰力Aは、その撓みの増減に応じて増減する。斯かる揺動羽根部材15は、開口端10から通路4に吹き込んだ風の強弱に応じて通路4の閉塞領域の広狭を瞬時的に調節することができる。通路5において揺動羽根部材15と同様にR5及びR6方向に揺動する揺動羽根部材15aもまた、開口端10から通路5に吹き込んだ風の強弱に応じて通路5の閉塞領域の広狭を瞬時的に調節することができる。尚、揺動羽根部材15は、装着端11が羽根部材8に対して回転自在に装着されている場合には、復帰力Aを生じる薄肉部63に代えて、例えば、復帰力Aを生じるように羽根部材8に係止される捩りバネ等を具備していてもよい。また、揺動羽根部材15は、主に薄肉部63において復元可能な撓みを生じるように形成されているが、例えば揺動羽根部材15の全体において復元可能な撓みを生じるように形成されていてもよい。
回転操作手段16は、例えば図2及び図5に示すように、羽根部材8を操作するための操作部材71と、操作部材71に回転自在に連結されている連結部材としての連結アーム72と、回転により羽根部材8をR1及びR2方向に回転させるように当該羽根部材8に連結されている回転自在な回転自在部材としての回転自在アーム73と、枠体3に回転自在に支持されていると共に連結アーム72が回転自在に連結されており、羽根部材8をR1方向に回転させるべく操作部材71の操作に基づいてR7方向に回転される一方、羽根部材8をR2方向に回転させるべく操作部材71の操作に基づいてR8方向に回転される第一の回転部材としての回転アーム74と、回転アーム74のR7及びR8方向の回転を回転自在アーム73に伝達すべく回転アーム74及び回転自在アーム73の夫々に回転自在に連結されている第二の回転部材としての回転アーム75とを具備している。
略板状の操作部材71は、例えば図5に示すように、開口57に配されていると共にハウジング40に軸81を介してR9及びR10方向に回転自在に取り付けられており、操作者に把持される把持部82が形成されている。斯かる操作部材71は、操作により回転軸心C2を中心としてR9方向に回転されることで、連結アーム72、回転アーム74及び75並びに回転自在アーム73を介して羽根部材8にR1方向の回転力を与える一方、操作により回転軸心C2を中心としてR10方向に回転されることで、連結アーム72、回転アーム74及び75並びに回転自在アーム73を介して羽根部材8にR2方向の回転力を与えるようになっている。
連結アーム72は、その一端部85で軸ピン86を介して操作部材71に回転軸心C3を中心としてR11及びR12方向に回転自在に連結されていると共に、その他端部87で軸ピン88を介して回転アーム74及び75に回転軸心C4を中心としてR13及びR14方向に回転自在に連結されている。連結アーム72は、操作部材71がR9方向に回転される場合には、連結アーム72の操作部材71に対する回転軸心C3を中心として操作部材71に対して相対的にR11方向に回転されると共に連結アーム72の回転アーム74に対する回転軸心C4を中心として回転アーム74に対して相対的にR13方向に回転されるようになっている。連結アーム72は、操作部材71がR10方向に回転される場合には、連結アーム72の操作部材71に対する回転軸心C3を中心として操作部材71に対して相対的にR12方向に回転されると共に、連結アーム72の回転アーム74に対する回転軸心C4を中心として回転アーム74に対して相対的にR14方向に回転されるようになっている。連結アーム72は、操作部材71がR9方向に回転される場合には、縦方向Zに関して回転軸心C3が回転アーム74の側壁24に対する回転軸心C5に対して離反する一方、操作部材71がR10方向に回転される場合には、縦方向Zに関して回転軸心C3が回転軸心C5に対して接近するように配されている。
回転自在アーム73の一端部91は、横方向Xにおいて羽根部材8との間に側壁24が配されるように軸44に装着されている。回転自在アーム73の他端部92には、回転アーム75の一端部93が軸ピン94を介して回転軸心C6を中心としてR15及びR16方向に回転自在に連結されている。回転自在アーム73は、回転アーム74のR7方向の回転力が回転アーム75を介して与えられることによって回転軸心C1を中心としてR1方向に回転される一方、回転アーム74のR8方向の回転力が回転アーム75を介して与えられることによって回転軸心C1を中心としてR2方向に回転されるようになっている。
回転アーム74は、その一端部96で軸ピン97を介して側壁24に回転軸心C5を中心としてR7及びR8方向に回転自在に取り付けられており、その他端部98で連結アーム72及び回転アーム75に軸ピン88を介して回転軸心C4を中心としてR13及びR14方向に回転自在に連結されている。回転アーム74は、操作部材71のR9方向の回転により回転軸心C5を中心として側壁24に対して相対的にR7方向に回転されると共に回転軸心C4を中心として連結アーム72に対して相対的にR14方向に回転されるようになっている。回転アーム74は、操作部材71のR10方向の回転により回転軸心C5を中心として側壁24に対して相対的にR8方向に回転されると共に回転軸心C4を中心として連結アーム72に対して相対的にR13方向に回転されるようになっている。
回転アーム75は、その一端部93で軸ピン94を介して回転自在アーム73の他端部92に回転軸心C6を中心としてR15及びR16方向に回転自在に連結されており、その他端部100で軸ピン88を介して回転アーム74及び連結アーム72に回転軸心C4を中心としてR13及びR14方向に回転自在に連結されている。回転アーム75は、回転アーム74よりも短い。回転アーム75は、他端部100側に回転アーム74のR7方向の回転力が与えられることによって回転軸心C4を中心として回転アーム74に対して相対的にR14方向に回転されると共に、回転軸心C6を中心として回転自在アーム73に対して相対的にR15方向に回転されるようになっている。回転アーム75は、他端部100側に回転アーム74のR8方向の回転力が与えられることによって回転軸心C4を中心として回転アーム74に対して相対的にR13方向に回転されると共に、回転軸心C6を中心として回転自在アーム73に対して相対的にR16方向に回転されるようになっている。
連結アーム72並びに回転アーム74及び75は、夫々互いに軸ピン88を介して夫々R13及びR14方向に回転自在に連結されており、回転アーム74の連結アーム72に対する回転軸心と回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心とは、互いに同心であって回転軸心C4からなる。通路開閉装置1は、回転アーム74の連結アーム72に対する回転軸心と回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心とが同心であるために、一つの軸ピン88により連結アーム72と回転アーム74とを連結し且つ回転アーム74と回転アーム75とを連結することができて、パーツ点数を減少させることができ、連結アーム72並びに回転アーム74及び75間のガタつきを減少させることができる。
回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6は、羽根部材8が通路閉鎖位置に配される場合には、回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4と回転アーム74の枠体3に対する回転軸心C5とを結ぶ線Lとの関係において、羽根部材8のR1方向の回転力に起因して回転自在アーム73を介して回転アーム74にR7方向の回転力を生じさせないように位置するように、本例では線L上に位置するように配されている。尚、回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6は、羽根部材8が通路閉鎖位置に配される場合に、線Lよりも回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4を中心とするR13及びR14方向に関して一方側に、本例では回転軸心C1側に位置するように配されていてもよい。
回転自在アーム73並びに回転アーム74及び75は、回転軸心C6が線L上に位置する場合には、回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6と羽根部材8の回転軸心C1とを結ぶ線が線Lに対して直交するように、夫々配されていてもよい。
通路開閉装置1は、操作部材71の図7に示すようなR9方向の回転操作により連結アーム72を介して回転アーム74をR7方向に回転させ、この回転により回転アーム75を介して回転自在アーム73をR1方向に回転させて、回転自在アーム73に連結されている羽根部材8をR1方向に回転させ、而して、羽根部材8を通路閉鎖位置から通路開放位置に向かってR1方向に回転させて、通路開放位置に配するようになっている。また、通路開閉装置1は、操作部材71の図5に示すようなR10方向の回転操作により連結アーム72を介して回転アーム74をR8方向に回転させ、この回転により回転アーム75を介して回転自在アーム73をR2方向に回転させて、回転自在アーム73に連結されている羽根部材8をR2方向に回転させ、而して、羽根部材8を通路開放位置から通路閉鎖位置に向かってR2方向に回転させて、通路閉鎖位置に配するようになっている。
回転操作手段16は、羽根部材8を操作するための操作部材71と、操作部材71に回転自在に連結されている連結アーム72と、回転により羽根部材8を回転させるように当該羽根部材8に連結されている回転自在な回転自在アーム73と、枠体3に回転自在に支持されていると共に連結アーム72が回転自在に連結されており、羽根部材8をR1方向に回転させるべく操作部材71の操作に基づいてR7方向に回転される一方、羽根部材8をR2方向に回転させるべく操作部材5の操作に基づいてR8方向に回転される回転アーム74と、回転アーム74の回転を回転自在アーム73に伝達すべく回転アーム74及び回転自在アーム73の夫々に回転自在に連結されている回転アーム75とを具備しており、回転アーム74の連結アーム72に対する回転軸心C4と回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4とは、互いに同心となっており、回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6は、羽根部材8が通路閉鎖位置に配される場合には、回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4と回転アーム74の枠体3に対する回転軸心C5とを結ぶ線Lとの関係において、羽根部材8のR1方向に向かう回転力に起因して回転自在アーム73を介して回転アーム74にR7方向に向かう回転力を生じさせないように位置するようになっているために、操作部材71の操作に基づく回転アーム74のR7及びR8方向の回転により羽根部材8をR1方向及びR2方向に回転させることができる一方、羽根部材8が通路閉鎖位置に配される際に、回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6を、回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4と回転アーム74の枠体3に対する回転軸心C5とを結ぶ線Lとの関係において位置させることにより風等の影響を受けた羽根部材8のR1方向に向かう回転力に起因する回転アーム74のR3方向に向かう回転を防止することができていわゆるセルフロック機構を構成することができ、意図しない連通路2の開放を阻止することができ、また、連結アーム72及び回転アーム74は、操作部材71の操作に基づいて伸長及び屈曲される機構を構成し得、羽根部材8による通路閉鎖状態において操作部材71が装置全体からみて部分的に突出しないように当該操作部材71を配することができて、装置全体の縮小化、特に開口閉鎖状態にある装置全体の縮小化を図り得、加えて、回転アーム74の連結アーム72に対する回転軸心C4と回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4とが互いに同心となっているために、装置自体を簡単な構成にし得ると共に操作部材71の操作により羽根部材8をより正確に回転させ得る。連結アーム72の操作部材71に対する回転軸心C3は、回転アーム74がR8方向に回転される場合には、回転アーム74の枠体3に対する回転軸心C5に対して接近するようになっているために、回転アーム74がR8方向に回転される場合に、連結アーム72の操作部材71に対する回転軸心C3が回転アーム74の枠体3に対する回転軸心C5に対して接近することで、羽根部材8による通路閉鎖状態において操作部材71を装置全体からみて部分的に突出しないように配置でき、而して、装置全体の縮小化、特に開口閉鎖状態にある装置全体の縮小化を図り得る。回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6は、羽根部材8が通路閉鎖位置に配される場合には、線L上に又は線Lよりも回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4を中心とする回転方向に関して一方側に位置するようになっているために、例えば、回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6が線L上に位置し、且つ、回転軸心C1及び回転軸心C6を結ぶ線と回転軸心C4及び回転軸心C6を結ぶ線との交差角が直角である場合には、風等によって羽根部材8に予期しないR1方向への回転力が生じたときにも、回転アーム75には、主に回転アーム74の枠体3に対する回転軸心C5から回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4に向かう方向と同方向の移動力が生じるだけであって回転アーム74にR7方向の回転力又は回転アーム74がR7方向に回転され得る程度の回転力を生じさせることはなく、また、例えば、回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6が線Lよりも回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4を中心とする回転方向に関して一方側に位置する場合には、風等によって羽根部材8に予期しないR1方向への回転力が生じたときにも、回転アーム75には、回転アーム74がR8方向に回転される際に生じる回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4を中心とする回転アーム75の回転力が生じるだけであり、当該回転力とは逆の方向に向かう回転力であって回転アーム74がR7方向に回転される際に生じる回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4を中心とする回転アーム75の回転力が生じることはなく、従って、回転アーム74にR7方向の回転力を生じさせることもなく、而して、羽根部材8の意図しない回転による連通路2の開放を阻止することができる。回転軸心C6が線Lよりも一方側、本例では回転軸心C1側に位置する場合には、通路開閉装置1は、回転軸心C1及び回転軸心C6を結ぶ線と回転軸心C4及び回転軸心C6を結ぶ線との交差角の如何に関係なく、羽根部材8がR1方向の回転に関してロックされた状態となり、回転アーム74にR7方向の回転力を生じさせることもなく、而して、意図しない連通路2の開放を阻止することができる。また、回転軸心C6が線Lよりも他方側(回転軸心C1側の反対側)に位置する場合には、通路開閉装置1は、回転軸心C1及び回転軸心C6を結ぶ線と回転軸心C4及び回転軸心C6を結ぶ線との交差角の如何に関係なく、前記ロックが解除された状態とすることができる。回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6と羽根部材8の回転軸心C1とを結ぶ線は、回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6が線L上に位置する場合には、線Lに対して直交するようになっているために、例えば、風等によって羽根部材8に予期しないR1方向への回転力が生じた場合においても、回転アーム75の回転自在アーム73に対する回転軸心C6が線L上に位置する際には、回転アーム75には、回転アーム74の枠体3に対する回転軸心C5から回転アーム75の回転アーム74に対する回転軸心C4に向かう方向と同方向の移動力が生じるだけであって回転アーム74にR7方向の回転力を生じさせることはなく、而して、意図しない連通路2の開放を阻止することができ、また、斯かる場合にも、回転軸心C6が回転軸心C5と回転軸心C4とを結ぶ線よりも回転軸心C1側に位置する場合には、回転軸心C6及び回転軸心C1を結ぶ線と回転軸心C5及び回転軸心C4とを結ぶ線との交差角の如何に関係なく、羽根部材8がR1方向の回転に関してロックされた状態にすることができる。
本例の通路開閉装置1によれば、建物内外を連通する連通路2を有した枠体3と、枠体3と協働して連通路2に通路4を画成する面6及び枠体3と協働して連通路2に通路5を画成する面7を有しており、R2方向の回転により面6が枠体3に当接して通路4を閉鎖すると共に面7が枠体3に当接して通路5を閉鎖する一方、R1方向の逆回転により面6が枠体3から離反して通路4を開放すると共に面7が枠体3から離反して通路5を開放するように、枠体3内に回転自在に配されている羽根部材8と、羽根部材8の面6に装着される装着端11及び装着端11に対して連通路2の開口端10側に位置する自由端12を有しており、連通路2の開口端10から通路4に流入する気体に基づいて復帰力Aを生じながら自由端11が枠体3に接近するように揺動される揺動羽根部材15と、羽根部材8の面7に装着される装着端11a及び装着端11aに対して連通路2の開口端10側に位置する自由端12aを有しており、連通路2の開口端10から通路5に流入する気体9に基づいて復帰力Bを生じながら自由端12aが枠体3に接近するように揺動される揺動羽根部材15aとを具備しているために、通路4及び5に流入される気体9に基づいて揺動羽根部材15及び15aの揺動を同時的に生じさせることができ、而して、建物外若しくは建物内から通路4及び通路5に流入される気体9の流動変化に応じて、羽根部材8に意図しない回転を生じさせずに当該通路4及び5から建物内若しくは建物外に流出される気体9の流動を調節することができる。
通路開閉装置1によれば、揺動羽根部材15の自由端12は、当該揺動羽根部材15の装着端11に対して通路4を画成する枠体3の部位としての前壁21側に位置しており、揺動羽根部材15aの自由端12aは、当該揺動羽根部材15aの装着端11aに対して通路5を画成する枠体3の部位としての後壁22側に位置しているために、連通路2の開口端10からの気体9を揺動羽根部材15と羽根部材8の面6との間に好適に流入させ得ると共に、連通路2の開口端10からの気体9を揺動羽根部材15aと羽根部材8の面7との間に好適に流入させ得て、通路4及び5に流入される気体9に基づいて揺動羽根部材15及び15aの所望の揺動を同時的に生じさせ得る。
通路開閉装置1によれば、揺動羽根部材15及び15aは、羽根部材8の回転軸心C1を通ると共に連通路2の伸びる方向の線に関して線対称に配されているために、揺動羽根部材15の揺動と揺動羽根部材15aの揺動とを同様に生じさせ得、而して、羽根部材8に意図しない回転モーメントが生じる虞を低減させ得る。
通路開閉装置1によれば、揺動羽根部材15及び15aの夫々は、復帰力A及びBを生じながら撓められる板状部材からなるために、揺動羽根部材15及び15aが復帰力A及びBを生じるためのバネ等の部材を具備していなくても復帰力A及びBを生じさせ得るために当該揺動羽根部材15及び15aをより簡単な構成とすることができ、しかも、揺動羽根部材15及び15aの撓み量の増減に応じて復帰力A及びBを増減させることができ、而して、連通路2の開口端10から通路4及び5に流入する気体9の増減に応じて揺動羽根部材15及び15aの撓み量並びに復帰力A及びBを増減させることができる。
通路開閉装置1によれば、枠体3は、揺動羽根部材15の装着端11に対して連通路2の開口端10側に位置すると共に、連通路2の開口端10から通路4に流入する気体9に基づいて揺動される揺動羽根部材15の自由端12に当接する当接部33と、揺動羽根部材15aの装着端11aに対して連通路2の開口端10側に位置すると共に、連通路2の開口端10から通路5に流入する気体9に基づいて揺動される揺動羽根部材15aの自由端12aに当接する当接部33aとを具備しているために、例えば、連通路2の開口端10から通路4及び5に流入される気体9を受けている揺動羽根部材15及び15aの夫々の自由端12及び12aが枠体3の当接部33及び33aに夫々当接している場合であっても、羽根部材8の回転により連通路2を強制的に閉鎖することができる。