JP4297569B2 - 建物用換気装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物に装着される換気装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ユーザーの手動操作なしに気圧差により開閉する弁手段を備えた換気装置が開発されている。例えば、特開平5−295959号公報には、屋内と屋外とを仕切る建物壁の孔に屋外側から嵌め込まれたガラリ状換気装置が開示されている。この換気装置は、通風路を有するとともに屋外側に多数の羽根部材を有する装置本体と、この通風路に配置された弁手段とを備えている。この弁手段は、一側縁が回動可能に装置本体に支持された制御板を有している。この制御板は、無風状態のときには、その自重によって通風路を開いている。台風等のように強風が吹いた時には、羽根部材だけでは強風を防ぎきれないが、制御板がこの強風で上方に回動して閉じられ、強風の吹き込みを防ぎ、ひいては雨,埃,砂等の侵入を防いでいる。
【0003】
実公平7−35096号公報にも、同様の技術思想に基づいたガラリ状換気装置が開示されている。この換気装置は、上下に間隔をおいて並べられた多数の羽根部材を有し、隣接する上下の羽根部材間に通風路が形成され、各通風路に制御板が配置されている。この制御板も羽根部材に回動可能に支持され、自重で開き位置にあり、強風時に上方に回動して通風路を閉じ、強風の吹き込みを防いでいる。
【0004】
実公平7−29165号公報では、上記実公平7−35096号公報と似ているが、制御板が弾性部材からなり、強風時に弾性変形して通風路を塞ぐようになっている。
【0005】
特開平5−171877号公報は、浴室やトイレ等の特別な室と他の室とを仕切る戸に装着される換気装置を開示している。この換気装置では、装置本体が浴室に面する壁と他の室に面する壁とを有し、これら壁間に通風路が形成され、これら壁に形成された通気口を介して通風路が浴室および浴室と反対側の室に連なっている。通風路には上下に複数並んで制御板が配置されている。これら制御板は上縁部が回動可能に支持されており、浴室と他の室との間に気圧差が無い時には、その自重により垂れ下がって通風路を塞ぎ、浴室からの湿気の漏れを防いでいる。浴室側のファンが駆動されて浴室が負圧になると、上記制御板がその両側の気圧差により回動して、通風路を開き、浴室から屋外への排気を円滑に行えるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記換気装置では、ユーザーの操作なしに通風路での空気流通を制御できるという利点を有しているが、制御板が剛性であり比較的大きな重量を有しているので、開閉の際に装置本体に当たることにより、衝撃音が発生し、騒音の問題が生じていた。また、制御板は押出型材等からなるため、比較的高価なものであった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、建物に装着される換気装置において、通風路を有する中空の装置本体と、この通風路に配置された柔軟なシートとを有し、このシートはその両側の気圧差に応じて偏移することにより、通風路内での空気の流通を制御することを特徴とする。
【0008】
本発明は、シートの装置本体への取付けに種々の工夫を加えることができ、また、シートに重りをつけたり、シートの偏移を規制する規制部材を設けてもよい。
【0009】
さらに、本発明は、窓を開閉する戸に装着される換気装置に適用してもよいし、浴室等の特別室と他の室との間を仕切る戸に装着される換気装置に適用してもよいし、壁に装着されるガラリ状の換気装置に適用してもよいし、壁に装着されるフード状の換気装置に適用してもよいし、換気扇として用いられる換気装置に適用してもよいし、その他あらゆる建物用換気装置に適用することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の建物用換気装置を図面を参照しながら説明する。本発明の建物用換気装置は、種々の用途に採用可能であるが、まず、窓のサッシ戸に設けられる換気装置(以下、窓用換気装置と称す)の実施形態(第1〜第10実施形態)について、説明する。なお、第1〜第10実施形態のうち、第5実施形態が本発明に係わる実施形態であり、他の実施形態は参考例である。
【0011】
図1〜図3は、窓用換気装置の第1実施形態を示す。この換気装置は、図1において紙面と直交する方向に水平に細長く延びる中空の装置本体10と、弁手段20とを備えている。装置本体10は、サッシ戸の上框に沿ってその下側に嵌め込まれるものであり、アルミ押出型材からなる屋内側型材11と屋外側型材12と作動板13と、型材11,12の両端を塞ぐキャップ(図示しない)とを有している。型材11,12は互いに上端部で連結され、内部に屋内と屋外とを連ねる通風路14が形成されている。この通風路14は、装置本体10の長手方向に細長く形成されている。
【0012】
屋内側型材11は屋内に面する垂直の平板状の壁11aを有しており、この壁11aには、上記通風路14を屋内に連ねる通気口11xが形成されている。この通気口11xは、縦長のスリットからなり、装置本体10の長手方向に多数並んで形成されている。屋内側型材11の下端部は、ガラス板(図示しない)を嵌め込むための嵌め込み部11bとなっている。
【0013】
他方、屋外側型材12は、屋外に面する垂直の平板状の壁12aを有しており、この壁12aには、縦長の吹込口12xが装置本体10の長手方向に多数並んで形成されている。屋外側型材12の壁12aの下縁と屋内側型材11の嵌め込み部11bとの間には、装置本体10の長手方向に延びる細長い通気口15が形成されており、この通気口15を介して上記通風路14が屋外と連なっている。上記吹込口12xは、上記通気口11xより低く、上記通気口15より高い位置にある。
【0014】
上記作動板13は、その上縁部が軸部13aとなっており、この軸部13aが屋外側型材12の上端部に形成されたタッピングホール12cに回動可能かつ長手方向にスライド可能に収容されている。この作動板13の下縁には間隔をおいて複数(例えば2つ)の突起13bが形成されている。他方、屋内側型材11の裏面には、長手方向に間隔をおいて複数(例えば2つ)のカムブロック16が固定されている。これらカムブロック16の上面に形成されたカム溝16aに、上記作動板13の突起13bが挿入されている。なお、このカム溝16aは、上方から見た時、装置本体10の長手方向に対して傾斜している。
【0015】
屋内側型材11の壁11aには、装置本体10の長手方向に短いストローク分だけスライド可能な操作つまみ(図示しない)が設けられている。この操作つまみは、作動板13に形成された係合孔(図示しない)に嵌っている。操作つまみを長手方向にスライドさせると、作動板13も同方向にスライドし、この際、作動板13の突起13bがカムブロック16のカム溝16aに案内されて壁11aに対して斜めに移動し、これに伴い作動板13が軸部13aを中心として回動する。より具体的に述べると、作動板13は、操作つまみのスライド操作によって、その下端部に設けたクッション13cが壁11aの裏面に当たった閉じ位置と、壁11aから離れて屋外側型材12の壁12aに沿う開き位置との間で回動する。
【0016】
次に、弁手段20について説明する。この弁手段20は、通風路14での空気の流通を制御するためのものであり、ナイロン製(合成繊維製)の布21(撥水性を有する柔軟で薄いシート)を有している。この布21は、装置本体10の長手方向に細長い長方形をなしており、その上縁部が装置本体10の一部である作動板13に取りつけられた状態で垂れ下げられている。詳述すると、布21の上縁部は、作動板13の上部の屋外側の面とアルミ製の帯板22との間に挟まれ、リベット23で締め付けられている。
【0017】
図3に最も良く示すように、上記布21の下縁部は、折り返されて縫われており、袋部21aとなっている。この袋部21aには、ゴム等の弾性材料からなる棒形状の重り24が収容されている。
【0018】
次に、上記構成をなす換気装置の作用を説明する。図1(A)に示すように、作動板13が閉じ位置にあり、その下端部のクッション13cが屋内側の壁11aに当たった状態では、この作動板13により通風路14が遮断されており、屋内と屋外の間の換気は行われない。この閉じ状態では、布21の上縁部は作動板13に追随して屋外側の壁12aから離れ、中間部がカムブロック16の先端に引っ掛かり、それより下側の部分がカムブロック16から鉛直に垂れ下がっている。この作動板13の閉じ状態では、布21は流通制御の役割を担わない。
【0019】
図1(B)に示すように、操作つまみ17の操作によって作動板13が開き位置になると、布21は、その全体が作動板13とともに屋外側の壁12aに沿って垂れ下がる。屋外が無風(屋内と屋外の気圧差がゼロ)または微風状態にある場合には、布21は、垂れ下がり状態を維持して通風路14を遮らないので、屋内と屋外との間の換気が行われる。この際、布21の下端縁には重り24が取りつけられているので、微風では揺れることがなく通風路14の通風状態を確実に保持することができる。
【0020】
上記作動板13の開き状態において、台風等の時のように屋外で強風が吹くと、図1(C)に示すように、布21の下部が屋内側に向かって吹き上げられ、その下縁部が屋内側型材11の壁11aに接するようにして、通風路14を遮断する。その結果、強風が屋内に吹き込むのを阻止し、この強風と一緒に埃や雨水が屋内に入り込むのを阻止することができる。なお、布21は、強風の吹き込みを防止でき、雨や埃の侵入を防止できればよく、多少の空気の通過は許容してもよい。
【0021】
上記作動板13の開き状態において、布21は屋外側の壁12aに沿っており、この壁12aに形成された吹込口12xに対峙している。この吹込口12bからも風が吹き込み、布21は室内側型材11の壁11aに向かって押されるので、確実に通風路14を塞ぐことができる。また、上記布21の下縁部には重り24が取り付けられているので、突風によって布21の下縁部がめくれることはなく、壁11aに確実に接して通風路14を塞ぐことができる。
【0022】
上記布21は、板と異なり柔軟であり軽いので、壁11aに接しても衝撃音が発生することはない。上記重り24は壁11aに当たるが、布21の袋部21bに収容されていること、ゴム等の弾性材料であること、軽量であること等により、衝撃音の発生を伴わない。
【0023】
屋外の風が止むと、布21は自重により元の垂れ下がり位置に戻り、通風路14を介しての換気を再開することができる。この際、重り24の自重により確実に元の垂れ下がり位置に戻ることができる。また、上記重り24の重量を調節することにより、どの程度の強さの風で通風路14を塞ぐか決定することができる。
【0024】
上記布21は、装置本体10の長手方向に間隔をおいて配置されたカムブロック16により上方へのめくれを防止でき、この点からも、布21は確実に元の垂れ下がり位置に戻ることができ、通風路14を介しての換気を再開することができる。これらカムブロック16は、特許請求の範囲の規制部材として機能する。
【0025】
次に、窓用換気装置の他の実施形態を順次説明する。これら実施形態において、先行して説明する実施形態に対応する構成部には、図中同番号を付してその詳細を省略する。
図4に示す第2実施形態では、通路14から見て室内側が、2つのアルミ型材11A,11Bとその上端部間および下端部間に介在された樹脂製の断熱ブリッジ17とを備えている点で第1実施形態と異なる。型材11Aは、屋外側型材12の壁12aと対峙して通風路14を形成する壁11aを有している。型材11Bは、屋内に面する壁11a’を有している。壁11a,11a’には、通気口11x、11x’が形成されている。この実施形態の作動板13、布21の作用は第1実施形態と同じであり、第1実施形態に比べて断熱機能を高めてある点だけが異なる。
【0026】
図5,図6に示す第3実施形態では、布21の上縁部が作動板13の屋内側の面に接着により取りつけられている。屋外側の型材12には吹込口が形成されておらず、その下縁部が傾斜して屋内側型材11に連結され、そこに多数の通気口12yが長手方向に間隔をおいて形成されている。また、布21には、図6に示すように、カムブロック16に対応する箇所に切欠21xが形成されており、カムブロック16に引っ掛からずに作動板13に追随するようになっている。
【0027】
上記第3実施形態では、図5(A)に示す作動板13の閉じ状態では、布21は、作動板13と屋内側型材11の壁11aとの間に挟まれている。図5(B)に示すように作動板13が開いて垂直状態になると、布21も作動板13に沿って垂れ下がる。屋外で強風が吹いた時には、通気口12yから通風路14内に風が吹き上がり、この際、布21は、風になびきながらその下縁部が屋内側型材11の壁11aに接することになる。
【0028】
図7(A)に示す第4実施形態では、作動板13が屋内側型材11の上端部のタッピングホール11dに支持されている点、布21が作動板13ではなく屋外側型材12に取りつけられている点で第1実施形態と異なる。詳述すると、屋外側型材12には、タッピングホール12b(取付溝)が形成されている。このタッピングホール12bは、吹込口12x,屋外側の通気口15より上に位置し、屋内側の通気口11xより下に位置している。このタッピングホール12bに、ゴム等の弾性材料からなる中空棒形状の押込棒25と一緒に布21の上縁部が押し込まれている。すなわち、布21の上縁部が押込棒25とタッピングホール12bの内面との間に挟まれて取付けられている。
【0029】
上記第4実施形態では、布21は作動板13の下方に配置されており、作動板13との連動関係はない。作動板13が開いた状態において、屋外の強風が吹込口12x,通気口15から入ると、布21がこの風によってなびき、屋内側の壁11aに形成された突起11cに引っ掛かり、通風路14を閉じる。この突起11cはカムブロック16を支持するためのものであり、屋外側の壁12aに向かって下方に傾斜して延びている。
【0030】
上記第4実施形態において、布21の上縁部をタッピングホール12bに押し込まず、図7(B)に示すように断面円形の複数の取付部材26を間隔をおいて収容するようにしてもよい。この取付部材26は、タッピングホール12bから突出する取付片26aを有し、この取付片26aに上記布21の上縁部が接着等により取りつけられている。なお、取付部材26が布21と同じナイロンからなる場合には、熱溶着により取りつけてもよい。
【0031】
図8に示す第5実施形態では、第4実施形態と同様に、布21が作動板13から離れてその下方に配置されている。しかし、この布21が屋外側の型材12ではなく屋内側型材11の突起11cに取りつけられている点で、第4実施形態と異なる。詳述すると、突起11cの上面には布21の上縁部と網27(規制部材)とがリベット23で固定されている。網27は、屋外側の壁12aまで延びており、この壁12aと上記突起11cの先端縁との間に形成される通風路14のほぼ全域を占めている。布21は、突起11cの先端縁から垂れ下がっている。
【0032】
上記第5実施形態では、屋外の強風は通気口15から入って屋内側の壁11aに当たり、ここで反転して突起11cに沿って進み布21に当たる。その結果、布21がなびいて屋外側の壁12aに接し、通風路14を塞ぐ。この際、網27は、布21がめくれて突起11cの上面に折り返されるのを防止する。
【0033】
図9に示す第6実施形態は、回動に伴って開閉を行う作動板13の代わりに、スライドだけで開閉を行う作動板18を用いた点で、第1〜第5実施形態と異なる。詳述すると、室内側型材11の壁11aはその上部で傾斜しており、この傾斜部に作動板18が、装置本体10の長手方向にスライド可能に支持されている。作動板18は通気口11xと同ピッチで制御口18xを有し、この作動板18に取付けた操作つまみ(図示しない)の操作により、制御口18xが通気口11xと合致した開き位置と、制御口18xが通気口11xからずれた閉じ位置との間でスライドするようになっている。また、布21は、その上縁部が型材11の上端部に接着等で取りつけられて、垂れ下がっている。
【0034】
上記第6実施形態では、屋外が強風のとき、布21が作動板18に接することにより、制御口18xを塞ぎ、これにより通風路14を塞ぐようになっている。作動板18が布21に向かって傾斜しているので、布21は、作動板18のほぼ全域に接することができ、通風路14の閉鎖を確実に行うことができる。
【0035】
図10に示す第7実施形態は、通風路14に2つの布21A,21Bを上下に配置した点で、上述した全ての実施形態と異なる。上側の布21Aおよびその近傍の配置は、図9に示す第6実施形態と同様であり、下側の布21Bおよびその近傍の配置は、図7(A)に示す第4実施形態と同様であるから、その詳細な説明は省略する。この実施形態では、屋外の強風により、2つの布21A,21Bが、上記第4,第6実施形態と同様に通風路14を塞ぐから、より確実に屋内への強風の吹き込みを防止することができる。
【0036】
図11に示す第8実施形態では、通風路14において、装置本体10の長手方向に延びる複数の支持シャフト28(支持部材)が、この長手方向と直交する方向に水平に並べられている。なお、支持シャフト28の両端部は、型材11,12の両端を塞ぐキャップ(図示しない)に固定されている。これら支持シャフト28に布21の上縁部が取り付けられて垂れ下がっている。詳述すると、これら布21の上縁部は、袋部21bになっており、この袋部21bに上記支持シャフト28が挿入されている。
【0037】
上記第8実施形態では、作動板13の開き状態において、複数の布21の間から屋内と屋外の間の換気を行うことができる。風が吹くとこれら布21がなびき布21間の空気の流通を抑制する。そして、通気口15から強風により、布21は折り畳まれるようにして互いに重なり、通風路14を塞ぐ。この際、支持シャフト28は、布21が上方にめくれ上がるのを防ぐ規制部材としても機能する。
【0038】
図12に示す第9実施形態では、布21は、上縁部と下縁部が屋外側型材12に取り付けられている。詳述すると、屋外側型材12には、上下に離れてタッピングホール12b,12b’(取付溝)が形成されている。これらタッピングホール12b、12b’に、図7の実施形態と同様に中空棒形状のゴム製の押込棒25、25’と一緒に布21の上縁部、下縁部が押し込まれている。布21は、上下のタッピングホール12b,12b’の間隔よりも幅広をなしており、自然状態では、中間部が下側のタッピングホール12b’から2重をなして垂れ下がっている。これらタッピングホール12b、12b’の間に、吹込口12xが形成されている。
【0039】
上記第9実施形態では、強風が吹込口12xから布21に吹き込むと、この布21は風をはらんで室内側の壁11aに向かって膨らみ、室内側の壁11aから突出する突起11cの先端縁に当たり、これにより、通風路14を塞ぐことができる。作動板13は開き状態で屋外側の壁12aと平行になっており、布21の上部はこの作動板13に規制されるので、下部への膨らみを確実なものとすることができる。
【0040】
図13に示す第10実施形態は、基本構造において、図4の第2実施形態と似ているが、上框一体型として屋外側の型材12がレール受部12dを有している点で異なる。屋外側の型材12は、レール受部12dから下方に垂直に延びる壁12aを有し、この壁12aに通気口12yが形成されている。また、屋内側の壁11a’には、通気口11x’を覆うフィルタ19が装着されている。
【0041】
この実施形態は、布21が垂れ下がっておらず通風路14の底面(嵌め込み部11の上面)に沿って載せられている点で、前述した実施形態と大きく異なる。詳述すると、型材11Aには、壁11aと嵌め込み部11bとの交差部近傍に、タッピングホール11g(取付溝)が形成されており、このタッピングホール11gには、押込棒25により、布21の一方の縁部(長方形の一方の長辺に対応する縁部)が取り付けられている。この布21は、通風路14の底面に沿い、その他方の縁部が通気口12yの近傍まで達している。
【0042】
上記第10実施形態において作動板13が開いた状態で強風が吹くと、この風が通気口12yから通風路14内に吹き込み、その時、布21が吹き上げられ、その先縁部が型材12のタッピングホールを構成する突起12eに接し、通風路14を塞ぐ。この際、カムブロック16が布21のめくれを防止するので、通風路14を塞いだ状態を確実に維持することができる。なお、通風路14の底面に突起11eが形成されていて布21の中間部を持上げていること、通風路14の底面が通気口12y近傍において湾曲面11fとなっていて、布21の先縁部との間に隙間が形成されていることにより、布21の吹き上げを円滑に行えるようになっている。
【0043】
次に、第11実施形態(参考例)として、浴室(特別室)と脱衣室(他の室)との間の戸に装着される換気装置(以下、浴室用換気装置と称す)について、図14を参照しながら説明する。この換気装置は、浴室の戸の下框の上側に装着されるものであり、装置本体30と弁手段20とを備えている。装置本体30は、アルミ製のベース型材31と浴室側型材32とを備えている。このベース型材31は、脱衣室側の垂直な壁31aを有し、その上端部にガラスGを嵌め込むための嵌め込み部31bを有し、その下端部に下框Sに嵌め込まれる嵌め込み部31cを有している。垂直壁31aには縦長の多数のスリットからなる通気口31xが形成されている。
【0044】
上記浴室側型材32は、浴室側壁として垂直壁32aとその下端から脱衣室側の壁31aに沿って延びる傾斜壁32bとを有し、これら壁32a,32bには、それぞれスリットからなる多数の通気口32x,32yが形成されている。上記脱衣室側の壁31aと浴室側の壁32a,32bとの間に通風路34が形成されている。
【0045】
弁手段20は、図7に示す実施形態と同様の構成をなしており、布21の上縁部が壁31aの上端部に形成されたタッピングホール31cと押込棒25を介して型材31に取り付けられており、布21の下縁部に重り24が取り付けられている。
【0046】
上記第11実施形態をなす浴室用換気装置では、浴室のファンを駆動させない状態では、浴室と脱衣室との間の気圧差がゼロであるので、布21は、鉛直に垂れ下がって脱衣室側の壁31aに沿っており、通気口31xを塞ぎ、ひいては通風路34を塞いでいる。したがって、浴室内の水または湯の飛沫が布21によって脱衣室へ入り込むのを防止される。
【0047】
浴室を乾燥させるために浴室のファンが駆動されると、浴室が負圧となり、浴室と脱衣室との間の気圧差により、布21は想像線で示すようになびき、脱衣室側の通気口31xを開く。その結果、脱衣室の空気が通気口31xから通風路34を通り、通気口32x,32yから浴室へと流れる。そのため、浴室内の湿気を円滑に排出することができる。
【0048】
上記実施形態では、脱衣室側にファンがある場合にこれを駆動させても、布21が壁31aにくっつき逆止弁として働くので、通風を阻止でき、浴室の湿気を脱衣室に呼び込むのを防止できる。
【0049】
次に、浴室用換気装置に適用される第12実施形態(参考例)について、図15を参照しながら説明する。装置本体30’は、換気有効面積を増やすためにガラリ状にしたものであり、垂直に間隔を置いて配置された5つの型材を有している。最も上の型材は、図14の嵌め込み部31bに相当する嵌め込み部材35となり、最も下の型材は、図14の嵌め込み部31cに相当する嵌め込み部材36となる。下側の嵌め込み部材36は、起立壁36aを有し、羽根部材としての役割も有している。
【0050】
上記嵌め込み部材35,36間に配置された3つ(複数)の型材は羽根部材37となる。各羽根部材37は、中央に配置された起立壁37aと、この起立壁37aの下端から浴室側、脱衣室側に向かって斜め下方に延びる一対の傾斜壁37bと、これら傾斜壁37bの下端から鉛直に垂れ下がる垂下壁37cとを有している。
【0051】
上側の羽根部材37の起立壁37aは、嵌め込み部材35に近接しており、これらの間には実質的に通風路が形成されない。上下に隣接する羽根部材37間には、通風路38が形成されている。また、下側の羽根部材37と嵌め込み部材36との間にも通風路38が形成されている。各通風路38には弁手段20が配置されている。この弁手段20は、図14と同様の構成であるが重りは省かれている。詳述すると、羽根部材37において起立壁37aと一対の傾斜壁37bの交差部には、タッピングホール37dが形成されており、このタッピングホール37dには、押込棒25を介して布21の上縁部が取り付けられている。
【0052】
上記第12実施形態の浴室用換気装置において、浴室のファンを駆動させない状態では、浴室と脱衣室との間の気圧差がゼロであるので、布21は、鉛直に垂れ下がって起立壁36a,37aの浴室側の面に接し、通風路38を塞いでいる。したがって、浴室内の水または湯の飛沫が布21によって脱衣室へ入り込むのを防止される。
【0053】
浴室を乾燥させるため浴室のファンが駆動されると、浴室が負圧となり、浴室と脱衣室との間の気圧差により、布21は想像線で示すようになびき、起立壁36a,37aから離れ、通風路38を開く。その結果、脱衣室の空気が通風路38を通り浴室へと流れる。そのため、浴室内の湿気を円滑に排出することができる。
【0054】
上記実施形態において、図15において想像線で示すように起立壁36a,37aに網39(規制部材)を取り付けてもよい。こうすれば、脱衣室側にファンがある場合にこれを駆動させても、布21が網39にくっつき逆止弁として働くので、通風を阻止でき、浴室の湿気を脱衣室に呼び込むのを防止できる。
【0055】
上記第11,第12実施形態は、トイレ(特別室)と廊下(他の室)とを開閉する戸に適用することもできる。この場合、布21が垂れ下がって閉じた状態では、トイレの臭気が廊下に逃げるのを防止できる。トイレのファンが駆動した時には、布21が開いて臭気を円滑に排出することができる。
【0056】
次に、屋外と屋根裏空間(屋内)とを仕切る建物壁に装着されるガラリ状換気装置(以下、壁用のガラリ状換気装置と称す)に適用した第13実施形態(本発明の実施形態)について、図16、17を参照しながら説明する。装置本体40は、壁Kに形成された孔Bを覆うようにして壁Kに固定されており、上下に間隔をおいて並べらた多数の水平をなす型材と左右の垂直をなす型材(図示しない)を有している。最も上の水平型材からなる上枠41と、最も下の水平型材からなる下枠42との間には、同一断面形状の型材からなる複数の羽根部材43が配置されている。
【0057】
上記羽根部材43は、屋根裏空間側に位置する起立壁43aと、この起立壁43aの上下端から屋外に向かって斜め下方に延びる傾斜壁43b,43cと、下側傾斜壁43cの屋外側の縁から下方に延びる垂下壁43dとを有している。なお、上側の傾斜壁43bは、下側の傾斜壁43cより幅が狭い。その結果、上下に隣接する羽根部材43間には、縦断面がほぼS字形をなす通風路44が形成されている。
【0058】
上枠41は、羽根部材43の傾斜壁43c、垂下壁43dと同形状の傾斜壁41c,垂下壁41dを有しており、この上枠41と最上位の羽根部材43との間には、上下に隣接する羽根部材43間の通風路44と同形状の通風路44が形成されている。また、下枠42は、羽根部材43の起立壁43a,傾斜壁43b,43cと同形状の起立壁42a,傾斜壁42b,42cを有しており、最下位の羽根部材43との間に、上下に隣接する羽根部材43間の通風路44と同形状の通風路44が形成されている。したがって、上枠41,下枠42も羽根部材としての役割を担う。
【0059】
各通風路44には、弁手段20が配置されている。この弁手段20の布21の上縁部は傾斜壁43b,傾斜壁42bの上面に接着等の手段で取り付けられており、この傾斜壁43b,42bの屋外側の縁から垂れ下がっている。布21の下縁部には、前述の実施形態と同様にして棒状の重り24が取り付けられている。傾斜壁43c,41cと垂下壁43d,41dが交差する隅部には、ブロック45(規制部材、図17にのみ示す)が取り付けられている。このブロック45は、通風路44の長手方向(紙面と直交する方向)に間隔をおいて複数配置されている。
【0060】
上記第13実施形態をなす壁用のガラリ状換気装置では、無風状態で布21は垂れ下がり状態にあり、通風路44は開かれていて、屋根裏空間は屋外と連なり良好に換気される。強風が吹くと、この風は屋外から傾斜壁43c、42cの上面に沿って斜め上方に通風路44に入り込み、起立壁43a,42aに当たり、ここで反転して傾斜壁43bに沿って屋外に向かって進む。それからさらに垂下壁43d,41dで反転して、傾斜壁43c,41cの下面に沿って屋根裏空間に入り込もうとする。この際、布21は、屋外に向かって反転された風になびいてその下縁部が垂下壁43d,41dに接し、通風路44を塞ぐ。これにより、強風が屋根裏空間に吹き込むのを防止することができる。また、強風に伴って通風路44に入り込んだ雨滴の大部分は、強風が起立壁43aに当たって反転する際に傾斜壁43c,42cに落下し、また残りの雨滴は布21に阻止されてここから傾斜壁43c,42cに落下する。落下した雨滴は傾斜壁43c,42cを伝って屋外に排出される。
【0061】
次に、壁用のガラリ状換気装置に適用した第14実施形態(参考例)について、図18を参照しながら説明する。この第14実施形態では、図16,図17の実施形態における羽根部材43の傾斜壁43bの代わりに布21で代用し、型材コストの軽減を図っている。すなわち、羽根部材43の起立壁43aの上端部には、タッピングホール43eが形成されており、このタッピングホール43eには、押込棒25を介して布21の上縁部が取り付けられている。また、通風路44には、通風路44の長手方向に延びるシャフトが、タッピングホール43eの斜め下方に位置して配置されており、このシャフト46に布21の中間部が引っ掛けられている。この布21のタッピングホール43eからシャフト46までの部分が、図16,図17の実施形態の傾斜壁43bの役割を担うのである。同様にして、図16の下側型材42の傾斜壁42bも布21で代用できる。
【0062】
次に、壁用のガラリ状換気装置に適用した参考例としての第15〜第21実施形態について、順次説明する。まず、第15実施形態について、図19を参照しながら説明する。この第15実施形態では、羽根部材43の上側の傾斜壁43bの幅が、図16,図17の実施形態より狭く、下側の傾斜壁43cの幅方向の略中央に、布21の上縁部が取り付けられている。詳述すると、傾斜壁43cの下面にはタッピングホール43eが形成され、このタッピングホール43eに押込棒25を介して布21の上縁部が取り付けられ、この布21は下縁部に重り24を有して垂れ下がっている。そして、強風時には屋内に向かってなびき、起立壁43aおよび傾斜壁43bに接して通風路44を塞ぐようになっている。なお、上枠41,下枠42(図16参照)の構造は、この羽根部材43に対応して変更されていることは勿論である。
【0063】
次に、壁用のガラリ状換気装置に適用した第16実施形態について、図20を参照しながら説明する。この第16実施形態は、図18の第2実施形態と似た構造であるが、シャフト46が省かれ、板47(規制部材)が装着された点で異なる。この実施形態では、布21は、起立壁43aに沿って垂れ下がり、途中から傾斜壁43cの上面に載せられている。布21には重りは取り付けられていない。強風が吹くと布21が吹きあがり、上方の羽根部材43の傾斜壁43cから垂下壁43dにわたって接することにより通風路44を塞ぐ。上記板47は、通風路44の長手方向に間隔を置いて複数配置されており、上側の羽根部材43の傾斜壁43cと下側の羽根部材43の起立壁43aに固定され、その中間部が通風路44に架けられている。この板47により布21が屋根裏空間へめくり上がるのを防止することができる。
【0064】
次に、屋内と屋外とを仕切る建物壁に装着されるフード状換気装置に適用した第17実施形態について、図21を参照しながら説明する。この実施形態では、装置本体50は、建物壁Kの孔Bの屋外側の端部に嵌め込まれる円筒形状の嵌め込み部51と、この嵌め込み部51の屋外側端部に設けられたほぼ直方体形状のフード部52と、このフード部52の左右縁および上縁に設けられて壁Kに固定される取付片53とを有している。上記フード部52と嵌め込み部51の内部空間が通風路54として提供される。上記フード部52の下端開口52aは、通風路54を屋外に連通させるようになっている。また、嵌め込み部51の屋外側の端部のほぼ下半分には、円弧形状の突起55(規制部材)が設けられている。この突起55には水抜き孔55aが形成されている。
【0065】
上記フード部52の内部空間には、弁手段20が配置されている。詳述すると、フード部52には、壁Kと平行にかつ水平をなして支持シャフト56(支持部材)が掛け渡されている。この支持シャフト56には、図11の実施形態と同様に、上縁部の袋部21bを挿通させるようにして、布21が取り付けられている。この布21の下縁部には重り24が取り付けられている。
【0066】
上記構成の実施形態では、屋外の強風が下端開口52aから吹き込んだ時に、布21の下縁部がフード部52の壁K側の内面に接し、通風路54の流通断面積を最小にし、実質的にこれを塞ぐ。上記重り24の長さが嵌め込み部51の径より大きいので布21が嵌め込み部51に入り込むのを抑制できるが、さらに突起55を設けたことにより、布21の入り込みを確実に阻止することができる。そのため、強風が止めば、布21は元の垂れ下がり状態に戻ることができる。
【0067】
上記とは逆に屋内の気圧が屋外より高くなった時、または孔Kの屋内側の端部に換気扇が設けられていてこれが作動した時には、布は壁Kから離れるようになびき、通風路54の流通断面積を増大させるから、屋内空気の排出を円滑に行うことができる。
【0068】
次に、壁用のフード状換気装置に適用した第18実施形態について図22を参照して説明する。この実施形態では、弁手段20は、2枚の布21,21’を用いている。布21は、図21の第1実施形態と同様に、支持シャフト56に取り付けられて垂れ下がっている。他方、フード部52の壁Kから離れた傾斜部52bの上部には、タッピングホール52cが形成され,このタッピングホール52cに押込棒25を介してもう1枚の布21’の上縁部が取り付けられている。上記タッピングホール52cと支持シャフト56との間、および支持シャフト56と突起55との間には、それぞれシャフト57(規制部材)が配置されている。
【0069】
上記構成の実施形態では、2枚の比較的短い布21、21’を通風路54に配置したので、微風状態での換気のための流通抵抗を図21の実施形態より小さくすることができる。屋外に強風が吹いた時には、布21の下縁部がフード部52の壁K側の内面に接し、布21’の下縁部が布21の上縁部に重なることにより、通風路54が塞がれる。2本のシャフト57は布21,21’のめくれを防止する。
【0070】
図23は、壁用換気装置に適用した第19実施形態を示す。この換気装置は壁Kの屋内側に設置されるものであり、その装置本体60は、壁Kの孔Bの屋内側の端部を塞ぐようにして壁Kに固定された四角形の垂直壁61と、この垂直壁61の上下部から孔Bの奥に向かって水平に延びる水平壁62,63とを有している。これら水平壁62,63間に通風路64が形成されている。下側の水平壁63は上側の水平壁62より短く、その先端縁には起立壁65が形成されている。垂直壁61には通気口61aが形成されており、この通気口61aは作動板66により開閉されるようになっている。すなわち、作動板66は垂直壁61にスライド可能に支持され、垂直壁61の通気口61aと同ピッチの制御口66aが形成されており、つまみ67のスライド操作により通気口61aを開閉するようになっている。
【0071】
通風路64に設けられる弁手段20の布21は、その上縁部が上側の水平壁62の先縁部に形成されたタッピングホール62aに押込棒25を介して取り付けられており、上記起立壁65より屋外側に離れて垂れ下がっている。屋外から強風が吹きこんだ時には、この布21の下縁部が起立壁65に接して通風路64を塞ぐようになっている。
【0072】
次に、換気扇(換気装置)に適用した第20実施形態(参考例)について、図24、図25を参照しながら説明する。この換気扇は、壁に装着される装置本体70を有している。この装置本体70は、ファン79を回転可能に収容した四角形の基部71と、この基部71に連設されて壁の孔に嵌め込まれる嵌め込み部72とを有している。基部71には、操作紐73が設けられており、この操作紐73を引くとファン79のためのスイッチ(図示しない)をオン,オフすることができるようになっている。
【0073】
上記基部71と嵌め込み部72の内部空間が通風路74となっており、嵌め込み部72には、弁手段20が配置されている。この弁手段20は、複数例えば4枚の布21を上下に一部重なるようにして並べたものである。詳述すると、嵌め込み部72には、水平をなす4本の支持シャフト76(支持部材)が上下に間隔をおいて配置されている。この支持シャフト76に布21の上縁部の袋部21bが挿通支持され、布21が垂れ下がっている。この支持シャフト76および布21の屋内側の近傍には、網77(規制部材)が配置されている。
【0074】
上記実施形態では、無風状態で布21は垂れ下がり互いに一部重なり合って通風路74を塞いでおり、虫等の侵入を防いでいる。強風が吹いた時には、布21は屋内に向かってなびこうとするが網77に遮られ、この網77に貼り付いて通風路74を塞ぐ。このように、布21と網77とで逆止弁の作用がなされ、強風が屋内に吹き込むのを防止することができる。
【0075】
操作紐73の操作でファン79が回転すると、布21はファン79の送風作用により図25(B)に想像線で示すように、屋外に向かってなびく。その結果、ファン79の送風作用を阻害することなく、円滑な排気動作を確保できる。通常の換気扇では、操作紐73を引いてファン79をオンさせる際に通風路74の羽根板を開き、操作紐73を再度引いてファン79をオフさせる際に通風路74の羽根板を閉じるようにしており、この羽根板の開閉を操作紐73の操作によって行うため、強い操作力を必要としたが、本実施形態では、操作紐73はファン79のオン,オフだけを行えばよいので、操作が楽である。また、羽根板の開閉に伴う騒音もない。
【0076】
次に、換気扇に適用した第21実施形態について、図26を参照しながら説明する。この換気扇では、装置本体70は、基部71と嵌め込み部72からなる主部分と、この嵌め込み部72に着脱可能にして四角いフレーム80とを備えている。このフレーム80は、樹脂製で嵌め込み部72の先端縁に嵌る溝80aを有している。このフレーム80は通風路74の一部を構成している。このフレーム80に前述したシャフト76、布21、網77が設けられている。この実施形態では、布21,網77が汚れたときに、フレーム80を取り外して、新しいものと交換することができる。
【0077】
本発明は上記実施形態に制約されず、種々の態様が可能である。例えば、シートは、合成繊維製の布のみならず、合成樹脂製のフィルム、不織布等であってもよい。シートの縁部が取り付けられる支持部材として、支持シャフトの代わりにワイヤであってもよい。シートの縁部が取り付けられる取付部材は、取付溝に沿って移動させるようにしてもよい。この取付部材の移動により、シートの手動開閉を行うことができる。
【0078】
全ての実施形態において、シートに取り付けられる重りを調節することにより、流通制御特性を調節することができる。また、シートに重りをつけた実施形態において、必要に応じて重りを省いてもよいし、重りをつけない実施形態において、必要に応じて重りをつけるようにしてもよい。さらに、この重りは、弾性材料の変わりに針金等であってもよい。
【0079】
シートを2つ折りにし、この折った部位を装置本体に取り付けてもよい。この場合、2枚のシートの各縁部が装置本体に取り付けられていると解釈する。
【0080】
上記実施形態で説明したシートの縁部の取り付け構造は、他の実施形態に適用することも可能である。また、上記実施形態で説明した規制部材は、他の実施形態にも適用することができる。また、第1〜第10実施形態の窓用換気装置において、作動板を省いてもよい。さらに、本発明は、棟や屋根に装着した換気装置等、建物に用いられるあらゆる種類の換気装置に適用可能である。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の第1の態様によれば、換気装置の自動流通制御を、気圧差によって偏移する柔軟なシートを用いて行うので、安価に製造できるとともに、騒音をなくすことができる。また、屋外の強風が作用した時に、シートを屋外へなびかせることにより、シートが通風路を塞いで強風の屋内への吹き込みを防ぎ、この強風に伴う雨や埃等の屋内への侵入を防止することができる。
本発明の第2の態様によれば、窓用換気装置において、作動板で通風路を手動開閉することができ、これとは別にシートで屋外の風の強さによって自動的に通風路を開閉することができる。
本発明の第3の態様によれば、壁用のガラリ状換気装置において、屋外の強風が作用した時に、シートが通風路を塞いで強風の屋内への吹き込みを防ぎ、この強風に伴う雨や埃等の屋内への侵入を防止することができる。また、羽根部材の起立壁,2つの傾斜壁、垂下壁により、上記シートの作用と相俟って雨等の侵入を確実に防止できる。
本発明の第4の態様によれば、規制部材でシートの偏移を規制するので、シートを気圧差ゼロの位置に確実に戻したり、逆止弁としての役割を持たせたり、種々の機能を発揮することができる。
本発明の第5の態様によれば、細長い通風路に間隔を置いて規制部材を配置することにより、簡単な構造でシートの規制を行うことができる。
本発明の第6の態様によれば、規制部材として網を用いることにより、確実にシートの規制を行うことができる。
本発明の第7の態様によれば、シートを合成繊維の布で構成するので、安価かつ耐候性、柔軟性に優れている。
本発明の第8の態様によれば、重りをつけることにより、垂れ下がり状態に確実に戻ることができる。またこの重りにより流通制御特性を調節することができる。
本発明の第9の態様によれば、細長い重りをシートの袋に入れることによって、重りを簡単にシートに装着することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窓用換気装置に適用した参考例としての第1実施形態を示す縦断面図であり、(A)は作動板による閉じ状態を示す、(B)は作動板の開き状態で通風が可能な状態を示し、(C)は、作動板の閉じ状態での布による通風遮断状態を示す。
【図2】上記換気装置の一部を示す背面図である。
【図3】上記布の下縁部を示す拡大断面図である。
【図4】窓用換気装置に適用した参考例としての第2実施形態を示す縦断面図である。
【図5】窓用換気装置に適用した参考例としての第3実施形態を示す縦断面図であり、(A)は作動板による閉じ状態を示す、(B)は作動板の開き状態を示す。
【図6】同第3実施形態における背面図である。
【図7】(A)は窓用換気装置に適用した参考例としての第4実施形態を示す縦断面図であり、(B)は布の取り付け構造の変形例を示す要部断面図である。
【図8】本発明を窓用換気装置に適用した実施形態としての第5実施形態を示す縦断面図である。
【図9】窓用換気装置に適用した参考例としての第6実施形態を示す縦断面図である。
【図10】窓用換気装置に適用した参考例としての第7実施形態を示す縦断面図である。
【図11】窓用換気装置に適用した参考例としての第8実施形態を示す縦断面図である。
【図12】窓用換気装置に適用した参考例としての第9実施形態を示す縦断面図である。
【図13】窓用換気装置に適用した参考例としての第10実施形態を示す縦断面図である。
【図14】浴室用換気装置に適用した参考例としての第11実施形態を示す縦断面図である。
【図15】浴室用換気装置に適用した参考例としての第12実施形態を示す縦断面図である。
【図16】本発明を壁用のガラリ状換気装置に適用した実施形態としての第13実施形態の全体を示す縦断面図である。
【図17】同実施形態の要部の拡大縦断面図である。
【図18】壁用のガラリ状換気装置に適用した参考例としての第14実施形態の要部拡大縦断面図である。
【図19】壁用のガラリ状換気装置に適用した参考例としての第15実施形態の要部拡大縦断面図である。
【図20】壁用のガラリ状換気装置に適用した参考例としての第16実施形態の要部拡大縦断面図である。
【図21】壁用のフード状換気装置に適用した参考例としての第17実施形態の縦断面図である。
【図22】壁用のフード状換気装置に適用した参考例としての第18実施形態の縦断面図である。
【図23】壁用の屋内設置型換気装置に適用した参考例としての第19実施形態の縦断面図である。
【図24】換気扇に適用した参考例としての第20実施形態を示し、(A)は正面図であり、(B)は一部断面にして示す側面図である。
【図25】上記第20実施形態の要部拡大縦断面図である。
【図26】換気扇に適用した参考例としての第21実施形態を、一部断面にしかつ分解して示す側面図である。
【符号の説明】
10 装置本体
11a 屋内側の壁
11c 突起
11g タッピングホール(取付溝)
11x 屋内側通気口
12a 屋外側の壁
12b,12b’ タッピングホール(取付溝)
12x 吹込口
12y,15 屋外側通気口
13,18 作動板
14 通風路
16 カムブロック(規制部材)
20 弁手段
21,21A,21B,21’ 布(シート)
21a,21b 袋部
24 重り
25 押込棒
26 取付部材
27 網(規制部材)
28 支持シャフト(細長い支持部材)
30、30’ 装置本体
31a 脱衣室(他の室)側の壁
31c タッピングホール(取付溝)
31x 脱衣室(他の室)側の通気口
32a,32b 浴室(特別室)側の壁
32x,32y 浴室(特別室)側の通気口
34 通風路
37 羽根部材
37a 起立壁
37d タッピングホール(取付溝)
38 通風路
39 網(規制部材)
40 装置本体
43 羽根部材
43a タッピングホール(取付溝)
44 通風路
45,47 規制部材
50、60 装置本体
52c,62a タッピングホール(取付溝)
54、64 通風路
55 突起(規制部材)
56 支持シャフト(支持部材)
57 シャフト(規制部材)
70 装置本体
74 通風路
76 支持シャフト(支持部材)
77 網(規制部材)
79 ファン
80 フレーム

Claims (9)

  1. 建物に装着される換気装置において、
    通風路を有する中空の装置本体と、この通風路に配置された柔軟なシートとを備え、
    上記装置本体が、上記通風路を挟んで対峙する屋内側の壁と屋外側の壁とを有するとともに、上記通風路を屋内に連通させる通気口と通風路を屋外に連通させる通気口とを有し、上記屋内側の通気口が屋外側の通気口より上方に位置しており、
    上記屋内側の通気口より下方かつ上記屋外側の通気口より上方において、上記屋内側の壁から屋外側の壁に向けて突起が形成され、この突起の先端縁と屋外側の壁との間が上記通風路の中間部分として提供され、
    上記シートは、上記突起に取り付けられて突起の先端縁から垂れ下がり、上記屋外側の壁と屋内側の壁に対して離間対向するとともに、屋外側の壁によって外部から覆われており、
    屋外の風が屋外側通気口から入り込んで屋内側の壁に当たり上記突起に沿って折り返した時に、上記シートがこの風になびいて屋外側に偏移し、上記通風路の中間部分を塞ぐことを特徴とする建物用換気装置。
  2. 上記装置本体が細長く形成されて、窓を開閉する戸に水平に装着され、上記装置本体は、上記屋内側の通気口を開閉する作動板を有し、上記作動板と屋外側の通気口との間に上記シートが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の建物用換気装置。
  3. 上記装置本体は、屋内と屋外を仕切る建物壁の孔を覆うようにしてこの建物壁に取り付けられるとともに、水平をなす複数の羽根部材を上下に並べて配置することにより構成され、隣接する羽根部材間に上記通風路が形成され、各羽根部材は、上記屋内側の壁としての起立壁と、この起立壁の下縁部から屋外に向かって斜め下方に延びる第1傾斜壁と、この第1傾斜壁の下縁部から垂下する屋外側の壁としての垂下壁と、上記起立壁の上縁部から屋外に向かって斜め下方に延びる幅の狭い上記突起としての第2の傾斜壁を有し、上記シートは各通風路に配置され羽根部材の長手方向に細長く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の建物用換気装置。
  4. 上記通風路の中間部分には、空気の流れを許容するようにして規制部材が配置され、この規制部材は、上記シートの上方への偏移を規制することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の建物用換気装置。
  5. 上記通風路が細長く形成され、上記規制部材がこの通風路の長手方向に間隔をおいて複数配置されていることを特徴とする請求項に記載の建物用換気装置。
  6. 上記規制部材が、網からなることを特徴とする請求項に記載の建物用換気装置。
  7. 上記シートは合成繊維の布からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の建物用換気装置。
  8. 上記シートの下縁部には重りが取りつけられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の建物用換気装置。
  9. 上記シートの下縁部に沿って袋部が形成されており、この袋部に細長い重りが収容されていることを特徴とする請求項に記載の建物用換気装置。
JP24852799A 1999-09-02 1999-09-02 建物用換気装置 Expired - Fee Related JP4297569B2 (ja)

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