JP5130602B2 - 蓄電素子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端子に形成されていた連通路が閉塞された蓄電素子、および端子に形成されていた連通路を利用して蓄電素子を製造する方法に関する。さらに本発明は、容器に形成された端子取付用貫通孔(端子取付孔)を利用して蓄電素子を製造する方法に関する。
なお、本明細書中において「蓄電素子」とは、電池(リチウムイオン電池、ニッケル水素電池等)およびキャパシタ(電気二重層キャパシタ等)の双方を包含する概念である。
【0002】
【従来の技術】
正極および負極を備える電極体と、電解液とを容器に収容した形態の蓄電素子が知られている。このような蓄電素子の容器としては、金属製のもの、フィルム製のもの等が用いられる。例えば、特開2000−138040号公報には、図13に示すように、シート状のラミネートフィルムからなる外装材(容器)140に電池素子(電極体)110を収容してなる非水電解質電池が開示されている。外装材140を二つに折り畳み、電池素子110の周囲で互いに熱溶着することにより容器が形成される。なお、図中の符号120および符号130は、それぞれ電池素子110に接続された正極端子および負極端子を示す。
【0003】
電極体と電解液とを各種容器に収容した前記形態の蓄電素子を製造するにあたり、図14に示すように、電極体ケース141にカバー142が取り付けられ、その壁面(ここではカバー142)に貫通孔144が設けられた容器140を使用する場合がある。なお、図14中において、符号110は電極体、符号150は端子、符号152は溶接等により端子の下面に固定されて電極体と端子とを接続するリードタブを示す。この貫通孔144は、蓄電素子の製造時において容器内外を連通させる連通路を形成するためのものであって、その主要な用途としては以下の二つが挙げられる。第一は電解液注入口としての用途である。例えば、容器に電極体を収容した後、この貫通孔から容器内に電解液を注入して電極体に含浸させる。第二はガス排出口としての用途である。例えば、二次電池の製造においては電池の組み立て終了後、電池の初期性能を安定化させるために充放電を何度か繰り返すいわゆる「コンディショニング」が行われる。このコンディショニングの際、容器内部においてガスが発生した場合には、このガスを容器に設けられた貫通孔から容器外に排出する。このような貫通孔は、通常は電池の製造完了までに密閉される。これにより電池を封止して電解液の漏洩等を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このように壁面に貫通孔144が設けられた容器140を用いて蓄電素子を製造するには、この容器140に貫通孔144を開けておくという余分な手間がかかる。また、連通路がその役割を終えた後には、例えば貫通孔144に埋栓146を取り付ける等の方法により、この貫通孔144を密閉しなくてはならない。すなわち、蓄電素子の製造時において容器内外を連通させる連通路を利用するために、蓄電素子の構成やその製造工程が複雑化している。
【0005】
本発明の目的は、容器の内外を連通させる連通路が簡単な構成で閉塞された電池、キャパシタその他の蓄電素子を提供することである。本発明の他の目的は、簡単な構成により容器の内外を連通させる連通路を形成し、この連通路を利用して蓄電素子を製造する方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段と作用と効果】
本発明の蓄電素子は、容器と、容器に収容された電極体および電解液と、その電極体に接続されているとともに容器を貫通する外部端子とを備えている。その容器は外部端子取付孔を有している。その外部端子取付孔の内側には、容器の内外に開口しているねじ穴が形成されている円筒部が挿入されている。円筒部は、電解液を注入するためのものである。その外部端子は、円筒部にねじ止めされている。
本明細書は、以下の蓄電素子も開示する。その蓄電素子は、容器と、容器に収容された電極体および電解液と、その電極体に接続されているとともに容器を貫通する端子とを備える。その端子は、容器の内外を連通させるその端子がもっていた連通路が閉塞されている。
この連通路は、閉塞されていない状態においては容器の内外を連通させる。すなわち、製造時において閉塞前の連通路を前述の電解液注入口やガス排出口等として利用することができる。本明細書に開示する蓄電素子では、容器を貫通する「端子」に設けられた貫通孔等によって、この端子に連通路が形成されている。この点において、連通路を形成するための貫通孔が「容器」自体に設けられている従来の蓄電素子とは明らかに構成が異なる。このような構成を有することにより、容器に端子を貫通させるための貫通孔(端子取付孔)と連通路を形成するための貫通孔とを別々に形成する場合に比べて蓄電素子の構成が簡単である。
【0007】
端子に形成された連通路は、簡単な方法により閉塞することができる。この閉塞方法としては、端子を変形させる方法、連通路を形成する貫通孔に接着剤を注入する方法、この貫通孔に封止部材を取り付ける方法等を用いることができる。
本明細書に開示する蓄電素子のうち好ましいものでは、その連通路が前記端子を変形させて閉塞されている。ここで「端子を変形させて閉塞」とは、この連通路が閉塞されていない状態に対して端子自体の形状(特に、連通路を形成する貫通孔付近の形状)が変化することにより連通路が閉塞されていることをいう。この閉塞方法は、接着剤を注入する方法等に対し、有機物が混入する心配のない点で優れている。また、封止部材を取り付ける方法等に対し、蓄電素子を構成する部品点数が少ない点で優れている。この「変形」を行う手段は特に限定されず、例えば機械的応力を加える手段、熱応力を加える手段等を用いることができる。具体的な手段としては、圧着、折り曲げ、かしめ、圧接および溶接等が挙げられる。これらの手段のうち一種のみを用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。特に好ましい変形手段は圧着または溶接である。
【0008】
また、本明細書に開示する蓄電素子のうち好ましい他のものでは、前記端子が、電極体に接続されており前記容器を貫通する集電端子と、その集電端子に接続された外部端子とを含んで構成されている。そして、前記連通路はその集電端子に形成されており、その連通路は外部端子により閉塞されている。すなわち、この構成の蓄電素子では、連通路を形成する貫通孔(集電端子に設けられた貫通孔)の封止部材として外部端子を利用する。このように封止部材(外部端子)により連通路を閉塞する方法は、端子が変形(圧着や溶接等)の困難な材質から形成されている場合等において特に有用である。貫通孔の封止および集電端子と外部端子との接続は、集電端子に形成された貫通孔の内周面と、外部端子の外周面との間で行われることが好ましい。例えば、連通路を形成する貫通孔に外部端子をネジ止めする方法、連通路を形成する貫通孔に外部端子を圧入する方法等を採用することができる。良好な封止性(容器の密閉性)を得るという観点からは、貫通孔の内周面および外部端子の外周面の形状が円筒状であり、この円筒面で貫通孔の封止および集電端子と外部端子との電気的接続が行われることが好ましい。
【0009】
本明細書に開示する蓄電素子を製造する方法の一好適例として、(1).電極体が容器に収容され、その電極体に接続された端子が容器を貫通しており、その端子に形成された連通路により容器の内外が連通されている蓄電素子構成体を作製する工程、(2).その連通路から容器に電解液を注入する工程、および(3).その連通路を閉塞する工程、を包含する製造方法が挙げられる。なお、本明細書中において「蓄電素子構成体」とは、製造過程にある蓄電素子であって、蓄電素子の主要構成部品(具体的には電極体、端子および容器)が組み立てられたものをいう。例えば、端子(端子が複数の部材から構成される場合はその一部でも全部でもよい)の接続された電極体が容器に収容されて以降の製造工程にある蓄電素子をいう。
この製造方法では、蓄電素子構成体を作製した後、この蓄電素子構成体の容器内外を連通させる連通路から容器に電解液を注入する。この連通路は、容器を貫通する端子に設けられた貫通孔等により形成されている。すなわち、本明細書に開示する製造方法では容器に連通路(電解液注入口)形成用の貫通孔を設ける必要がない。
【0010】
この製造方法は、例えば以下のようにして、集電端子と外部端子とを含んで構成される前述の端子を備える蓄電素子の製造に適用することができる。すなわち、(1).電極体が容器に収容され、その電極体に接続された集電端子が容器を貫通しており、その集電端子に形成された連通路により容器の内外が連通されている蓄電素子構成体を作製する工程、(2).その連通路から容器に電解液を注入する工程、および(3).集電端子に外部端子を取り付けることによりその連通路を閉塞する工程、を包含する製造方法である。
この製造方法に用いられる蓄電素子構成体では、集電端子が容器を貫通している。したがって容器の外側からこの集電端子と外部端子とを容易に接続することができる。これに対して、例えば図14に示す構成の従来の電池構成では、電極体ケース141にカバー142を取り付けた(容器140を封缶した)後に、リードタブ152と端子150とを接続することは極めて困難である。
【0011】
また、本明細書に開示する蓄電素子を製造する方法の他の好適例として、(1).電極体および電解液が容器に収容され、その電極体に接続された端子が容器を貫通しており、その端子に形成された連通路により容器の内外が連通されている蓄電素子構成体を作製する工程と、(2).その蓄電素子構成体のコンディショニングを行う工程と、(3).その連通路を閉塞する工程と、を包含する製造方法が挙げられる。
この製造方法では、蓄電素子構成体のコンディショニングを行う段階において、容器の内外が連通路により連通されている。これにより、コンディショニングによりガスが発生した場合には、このガスを連通路から容器外部に排出することができる。この連通路は、容器を貫通する端子に設けられた貫通孔等により形成されている。すなわち、本明細書に開示する製造方法では容器に連通路(ガス排出口)形成用の貫通孔を設ける必要がない。
前記(1).の工程において、端子の接続された電極体を容器に収容した後、この端子に形成された連通路から容器に電解液を注入することにより蓄電素子構成体を作製することが好ましい。この製造方法によると、端子に形成された連通路が、電解液の注入およびコンディショニング時等における発生ガス排出の二つの機能を果たすことができる。なお、電解液の注入はこの連通路以外の部分から行ってもよい。例えば、あらかじめ電極体に電解液を含浸させた後、この電極体(および電解液)を容器に収容して蓄電素子構成体を作製してもよい。
【0012】
本明細書に開示する製造方法において、蓄電素子構成体の容器内外を連通させる連通路は正極端子および負極端子の双方に形成されていてもよい。この製造方法によると、連通路が二箇所に形成されるので連通路の合計開口面積を比較的広く確保することが可能となる。したがって、電解液の注入に際して、注入前に容器内を減圧する操作、容器内に電解液を注入する操作等を迅速に行うことができる。このことによって蓄電素子の生産性が向上する。この製造方法により得られた蓄電素子は、その正極端子および負極端子の双方が、閉塞された連通路を有する。
また、蓄電素子構成体の容器内外を連通させる連通路は正極端子および負極端子のいずれか一方のみに形成されていてもよい。すなわち、連通路が形成された端子の対極となる端子には連通路が形成されていない(典型的には中実体である)。この製造方法によると、連通路を閉塞する際の作業性がよく、また得られた蓄電素子の密閉性が良好である。この製造方法により得られた蓄電素子は、その正極端子および負極端子のいずれか一方のみが閉塞された連通路を有する。
一つの端子に形成される連通路の数は一つでもよく二つ以上でもよい。端子の成形容易性、連通路を閉塞する際の作業性および蓄電素子の密閉性の点からは、一つの端子に単一の連通路が形成されていることが好ましい。
【0013】
本明細書に開示する端子は、蓄電素子の電極体に接続して用いられるものであって、その電極体が容器に収容されたときに容器の内外を連通させる連通路が形成されていることを特徴とする。
この端子は、本明細書に開示する蓄電素子の製造方法等に好適に用いられる。すなわち、この端子に形成された連通路を、蓄電素子の製造時において電解液の注入やコンディショニング時のガス抜き等に利用することができる。また、本明細書に開示する蓄電素子に備えられる端子は、本明細書に開示する端子に形成された連通路を閉塞してなる。
【0014】
本明細書に開示する蓄電素子または本明細書に開示する製造方法に用いられる端子あるいは本明細書に開示する端子において、その連通路の形成位置および形状は、蓄電素子の製造過程で容器の内外を連通させることができる限りにおいて特に限定されない。通常は、端子内を直線状に延びるように形成された連通路が好ましい。かかる連通路は電解液の注入操作性および気体の流通性が良好である。また、このような形状の連通路を有する端子は容易に作製することができる。端子の一部を軸方向に貫通し、この端子の容器外に突出する側に開口する連通路が特に好ましい。この連通路の横断面(連通路の延びる方向に垂直な断面)における開口形状は円形、楕円形、多角形等のいずれでもよい。また、この横断面における開口面積は連通路の軸方向の各部で一定でもよく異なっていてもよい。軸方向の各部で開口面積の異なる連通路の形状としては、この連通路の一端に向けて拡径または縮径する形状等が挙げられる。本明細書に開示する技術においては、横断面の開口形状が円形であり、開口面積が一定である連通路が特に好ましい。
【0015】
本明細書により提供される他の蓄電素子は、容器と、容器に収容された電極体および電解液と、その電極体に接続されているとともに容器を貫通する端子とを備える。その容器は端子取付孔のみを有して他の貫通孔をもたず、その端子が容器内を気密に封止している。
かかる蓄電素子の例としては、端子取付孔により形成されていた容器内外を連通させる連通路がこの端子取付孔に取り付けられた端子によって閉塞された蓄電素子、端子取付孔に取り付けられた端子に形成されていた容器内外を連通させる連通路が端子の変形等によって閉塞された蓄電素子、端子取付孔に挿通された一の端子構成部材(例えば集電端子)に形成されていた容器内外を連通させる連通路が他の端子構成部材(例えば外部端子)によって閉塞された蓄電素子等が挙げられる。
このような構成の蓄電素子は、端子が容器内を気密に封止する前の状態では端子取付孔または端子に形成された貫通孔等により容器の内外を連通させる連通路が形成されている。製造時においてこの連通路を前述の電解液注入口等として利用することができる。これにより、容器に端子取付孔と連通路を形成するための貫通孔とを別々に形成する場合に比べて蓄電素子の構成が簡単である。
【0016】
本明細書により提供される他の蓄電素子の製造方法は、集電端子に接続された電極体が端子取付孔を有する容器に収容され、その端子取付孔により形成された連通路によって容器の内外が連通されている蓄電素子構成体を作製する工程と、
その連通路から容器に電解液を注入する工程と、
その端子取付孔に外部端子を取り付けることにより連通路を閉塞するとともに外部端子と集電端子を接続する工程と、を包含する。
この製造方法では、容器に設けられた「端子取付孔」(容器に端子を貫通させるための貫通孔)により形成された連通路を通じて電解液の注入を行う。すなわち、この端子取付孔を電解液注入口として利用する。したがって、本明細書に開示する製造方法によると、容器に端子取付孔以外の貫通孔(電解液注入口等を形成するための貫通孔)を設ける必要がない。また、端子取付孔により形成された連通路は、この端子取付孔に端子を取り付けることによって閉塞される。したがって、埋栓等の余分な部材を使用したり取り付けたりすることなくこの連通路を閉塞することができる。
さらに本明細書によると、かかる方法により製造された蓄電素子が提供される。この蓄電素子は、端子取付孔と連通路を形成するための貫通孔とが容器に別々に形成された構成の蓄電素子に比べて構成が簡単である。
【0017】
【発明の実施の形態】
この発明は、また、下記の形態で実施することを特徴とする。
(形態1)本発明の蓄電素子、本発明の方法により製造される蓄電素子または本発明の端子を一構成部品とする蓄電素子において、その容器の主構成部材がフィルム(典型的には絶縁フィルム)である。このようにフィルム製の容器を用いる蓄電素子においては、容器(フィルム)に連通路形成用の貫通孔を設けないことによる密閉性向上の効果が特によく発揮される。
【0018】
(形態2)本発明の蓄電素子、本発明の方法により製造される蓄電素子または本発明の端子を一構成部品とする蓄電素子が二次電池である。この場合には、端子に形成された連通路により、電解液の注入およびコンディショニングによる発生ガス排出の二つの機能を果たすことができる。すなわち、本発明を適用することによる効果が特によく発揮される。
【0019】
【実施例】
(第一実施例)
本実施例は、フィルムからなる容器を備えたリチウムイオン二次電池を製造する例である。
図1は、本実施例に用いられる蓄電素子構成体(製造過程にある電池)を示す部分切欠正面図である。なお、構造の理解を容易とするため、正極端子20および負極端子30についてはやや上方から見た状態を示している。
【0020】
蓄電素子構成体1は、正極シート(正極)13と負極シート(負極)18とを備える巻回型の電極体10と、二枚の絶縁フィルム42、44を熱溶着してなりこの電極体10を収容する容器40と、電極体10の軸方向両端にそれぞれ一端が接続された正極端子20および負極端子30とを備える。正極端子20および負極端子30の他端は、絶縁フィルム42、44の合わせ目から容器40を貫通してその外部に突出している。このうち正極端子20は中実体である。一方、負極端子30は、その容器40を貫通する部分である柱状部34に貫通孔36が設けられた中空体である。図1に示す蓄電素子構成体1においては、この貫通孔36内に形成された連通路Pにより容器40の内外が連通されている。
【0021】
まず、電極体10の構成および作製方法を説明する。
図2は、電極体10を構成する正極シート13の巻回前の状態を示す。正極集電体11としては長尺状アルミニウム箔を用いた。正極活物質を含有するペーストを正極集電体11の両面に塗布して、正極集電体11の両面に正極活物質層12を形成させた。このようにして正極シート13を作製した。ここで、正極シート13の一方の長辺には、いずれの面にも正極活物質層15が形成されていない活物質未塗工部13aが設けられている。
【0022】
負極シート18の構造は正極シート13と同様であるので、この負極シート18についても図2を用いて説明する。図2において括弧内に記された符号は負極シート18に対応するものである。負極集電体16としては長尺状銅箔を用いた。負極活物質を含有するペーストを負極集電体16の両面に塗布して、両面に負極活物質層17の形成された負極シート18を作製した。負極シート18の一方の長辺には、いずれの面にも負極活物質層17が形成されていない活物質未塗工部18aが設けられている。
【0023】
セパレータとしては多孔質ポリプロピレン樹脂シートを使用した。このセパレータの平面形状は、図2に示す正極活物質層12および負極活物質層17とほぼ同形状である。
両シートおよび二枚のセパレータを、セパレータ、正極シート13、セパレータ、負極シート18の順に重ね合わせる。このとき、正極シート13の活物質未塗工部13aと負極シート18の活物質未塗工部18aとがセパレータの一方の長辺および他方の長辺からそれぞれはみ出すように両シートを配置する。次いで、図3に示すように、重ね合わせた両シートおよびセパレータを巻回機等を用いて長辺方向に巻回し、これをプレスして横断面が長円状の巻回体とする。さらに、この巻回体の両端において活物質未塗工部13a、18aの一部を圧縮する。具体的には、図3に示すように、横断面長円状にプレスされた巻回体の両端において、その長円の一端からほぼ中央までの範囲をさらにプレスする。これにより、巻回体の両端に活物質未塗工部13a、18aがそれぞれ寄せられた部分が形成される。このようにして電極体10が作製される。
【0024】
なお、電極体10の製造に使用する正極活物質としては、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO3等の、従来のリチウムイオン二次電池に用いられる正極活物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。負極活物質としては、アモルファスカーボン、グラファイトカーボン等の、従来のリチウムイオン二次電池に用いられる負極活物質の一種または二種以上を特に限定なく使用することができる。このような活物質を含有するペーストを調製するにあたっては、従来公知の結着剤、導電化剤、溶剤等を適宜使用することができる。これらペーストの集電体への塗布は、コンマコーター、ダイコーター等を用いて行うことができる。
【0025】
次に、正極端子20および負極端子30の構造およびこれらと電極体10とを接続する工程につき説明する。
図1に示すように、正極端子20はアルミニウムからなり、その一端には板状部22が形成されている。この板状部22が、図3に示す活物質未塗工部13aのプレスされた部分に、例えば超音波溶接により固定される。これにより正極端子20と電極体10(正極シート13)とが接続される。正極端子20の板状部22に続く他端には中実円柱状の柱状部24が形成されている。この柱状部24は、絶縁フィルム42、44の合わせ目から容器40を貫通してその外部に突出している。
【0026】
また、図1に示すように、負極端子30は銅からなり、その一端には正極端子20と同様に板状部32が形成されている。この板状部32が、図3に示す活物質未塗工部18aのプレスされた部分に、例えば超音波溶接により固定される。これにより負極端子30と電極体10(負極シート18)とが接続される。負極端子30の板状部32に続く他端には中空円柱状(円筒状)の柱状部34が形成されている。この柱状部34は、絶縁フィルム42、44の合わせ目から容器40を貫通してその外部に突出している。図1および図4に示すように、柱状部34の内部には、この柱状部34を軸方向に貫通する貫通孔36が設けられている。この貫通孔36により、蓄電素子構成体1において容器40の内部空間K(図4参照)と外部とを連通させる連通路Pが形成されている。本実施例では、この連通路Pの横断面形状は円形であり、その直径は1mmであって連通路Pの各部において一定である。
【0027】
次いで、正極端子20および負極端子30の接続された電極体10を容器40に収容して蓄電素子構成体1を作製する工程につき説明する。
図1および図4に示すように、容器40は二枚の長方形状の絶縁フィルム42、44からなる。図4に示すように、絶縁フィルム42、44の各々は、熱可塑性樹脂等からなる熱溶着層42a、44a、アルミニウム蒸着層42b、44b、および保護樹脂層42c、44cをこの順に積層した構造を有する。これらの絶縁フィルム42、44を、互いの熱溶着層42a、44aが向き合うように重ね合わせ、図1に示すように、その間に端子20、40の接続された電極体10を挟む。このとき、両端子の柱状部24、34が絶縁フィルム42、44の間(合わせ目)から突出するように電極体10を配置する。そして、絶縁フィルム42と44とを、その外周部に相当する熱溶着部40aにおいて互いに熱溶着させる。これにより容器40が成形される。このとき、図4に示すように、絶縁フィルム42、44の間に柱状部24、34が挟まれている部分では、絶縁フィルム42、44をその熱溶着部40aにおいて柱状部24、34の表面に熱溶着させるようにする。
以上の工程により、図1に示す蓄電素子構成体1が作製される。この蓄電素子構成体1において、容器40の内外は負極端子30に設けられた貫通孔36により形成された連通路Pによって連通されている。そして、この連通路P以外の部分では容器40の内外が遮断されている。
【0028】
以下、この蓄電素子構成体1からリチウムイオン二次電池を製造する工程につき説明する。
まず、図1に示す連通路Pから容器40内に図示しない電解液を注入して電極体10に含浸させる。この電解液としては、ジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの7:3(重量比)混合溶媒に1mol/リットルのLiPF6を溶解させたもの等を用いることができる。
次いで、この蓄電素子構成体1のコンディショニングを行う。具体的には、正極端子20および負極端子30を図示しない外部回路に接続して、この蓄電素子構成体1の充放電を何度か繰り返す。このコンディショニングによりガスが発生した場合、このガスは連通路Pから容器40の外部へと排出される。コンディショニングの終了後、負極端子30(貫通孔36)を変形させることにより連通路Pを閉塞してリチウムイオン二次電池を得る。この連通路Pの閉塞(すなわち貫通孔36の密閉)は、例えば柱状部34を圧着することにより実施することができる。
【0029】
本実施例の製造方法によると、蓄電素子構成体1の内外を連通させる連通路Pを利用して電解液の注入およびコンディショニング時のガス排出を行うことができる。この連通路Pは負極端子30に設けられた貫通孔36により形成されている。このように、電極体と外部とを導通させるための負極端子30を利用して連通路Pを形成しているので、この連通路Pを形成するために電池の構成部品数が増えることはない。また、連通路Pを形成するために容器40に新たな(端子を貫通させるための貫通孔とは別の)貫通孔を設ける必要がないので、この容器40の製造が容易であり、またその密閉性が良好である。連通路Pを形成するための貫通孔36は金属からなる負極端子30に設けられているので、この貫通孔をフィルムからなる容器40に設ける場合に比べてその形状維持性が良好である。また、負極端子30自体を変形させる(例えば圧着する)ことにより連通路Pを容易に閉塞することができる。
【0030】
(第二実施例)
本実施例は、金属からなる容器を備えたリチウムイオン二次電池を製造する例である。
図5は、本実施例に用いられる蓄電素子構成体(製造過程の電池)を示す部分切欠斜視図である。以下、第一実施例に係る部材と同様の機能を果たす部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0031】
本実施例に用いられる蓄電素子構成体2は、直方体状の外形を有するアルミニウム製の容器40に電極体10を収容してなる。電極体10の両端には、第一実施例と同様に、正極端子20および負極端子30の一端がそれぞれ接続されている。正極端子20および負極端子30の他端は、容器40の一側面(図5では上面)に設けられた貫通孔から容器40を貫通している。この貫通部分で、容器40と正極端子20および負極端子30との間は、それぞれ絶縁シール46により絶縁されている。負極端子30には、第一実施例と同様に、その柱状部34を軸方向に貫通する貫通孔36が設けられている。蓄電素子構成体2において、容器40の内外はこの貫通孔36により形成された連通路Pによって連通されており、その他の部分では遮断されている。
この蓄電素子構成体2からリチウムイオン二次電池を製造するには、第一実施例と同様に、負極端子30に形成された連通路Pから容器40内に電解液を注入し、次いでこの蓄電素子構成体2のコンディショニングを行い(このとき発生したガスは連通路Pから容器40外に排出される)、しかる後に負極端子30を変形させて連通路Pを閉塞すればよい。
【0032】
このように、金属製の容器を備えるリチウム二次電池の製造においても、第一実施例と同様に、連通路Pを利用して電解液の注入およびコンディショニング時のガス排出を行うことができる。この連通路Pは負極端子30に設けられた貫通孔36により形成されているので、連通路Pを形成するために蓄電素子を構成する部品点数が増えることはない。また、連通路Pを形成するために容器40に新たな貫通孔を設ける必要がないので、容器40の製造容易性および密閉性が良好である。この連通路Pは負極端子30自体を変形させる(例えば圧着する)ことにより容易に閉塞することができる。すなわち、この貫通孔が容器40自体に設けられている場合に比べて密閉作業性が良い。
【0033】
なお、上記第一実施例および第二実施例ではリチウムイオン二次電池の製造方法につき説明したが、本発明の製造方法はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等の他の種類の電池(一次電池でも二次電池でもよい)、キャパシタ(例えば電気二重層キャパシタ)その他の蓄電素子の製造方法にも適用することができる。正極および負極の活物質、集電体および端子ならびにセパレータ等の材質や電解液の組成等は、蓄電素子の種類に応じて適当に選択される。また、上記実施例では正極シートと負極シートをセパレータを介して巻回した巻回型電極体を用いてリチウムイオン二次電池を製造したが、電極体の形態はこれに限定されない。例えば、複数の正極シートと負極シートを平行に並べた積層型電極体、正極シートと負極シートをセパレータを介して折り畳んだ電極体等とすることができる。また、容器を貫通する端子と電極体とは、上記実施例のように直接接続されてもよく、例えば集電タブを介して電気的に接続されてもよい。
【0034】
(第三実施例)
本実施例は、集電端子と外部端子とから構成される端子を備えたキャパシタ(例えば車両等に用いられるパワーキャパシタ)の製造例である。
図6は、本実施例により製造されたキャパシタを示す断面図である。以下、第一実施例に係る部材と同様の機能を果たす部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
キャパシタ4は、導電性金属からなり直方体状の外形を有する容器70と、この容器70に収容された電極体10と、電極体10の両端にそれぞれ接続され容器70を貫通する正極端子50および負極端子60とを備える。容器70は電極体ケース71とカバー72とを備える。このカバー72には、正極端子50および負極端子60をそれぞれ貫通させる二つの端子取付孔74が形成されている。正極端子50は、一端が電極体10に接続され他端が端子取付孔74に挿入された正極集電端子52と、一端がこの正極集電端子52の他端に接続され他端が容器70の外部に突出する正極外部端子54とを備える。負極端子60も同様に、負極集電端子62と負極外部端子64とを備える。なお、容器70には図示しない電解液が収容されており、電極体10に含浸されている。
【0036】
このキャパシタ4は、図7に示す蓄電素子構成体3から製造される。この蓄電素子構成体3は、正極集電端子52および負極集電端子62が接続された電極体10を電極体ケース71に収容した後、電極体ケース71の上部開口にカバー72を取り付け、電極体ケース71の上部開口とカバー72の周縁部とをレーザ溶接等により接合して容器70を封缶したものである。
【0037】
正極集電端子52の拡大断面図を図8に示す。この正極集電端子52は、導電性金属からなる金属板(アルミニウム板等)を所定の形状に成形加工したものである。正極集電端子52の下端には、電極体10と溶接される部位である溶接部52aが形成されている。また、正極集電端子52の上端には、電極体10と反対側(図7の上側;容器70の外側)に向けて延び内周面にネジ山が設けられた円筒部(貫通孔)52bが形成されている。この円筒部52bは、例えば正極集電端子52を構成する金属板に絞り加工を施すことにより形成することができる。図6の部分拡大図である図9に示すように、この円筒部52bは、端子取付孔74に挿入されてカバー72を貫通している。ここで、端子取付孔74の内周面と正極集電端子52との間には、正極集電端子52とカバー72とを絶縁するとともに両者を気密にシールする絶縁カラー73が配置されている。
なお、負極集電端子62は導電性金属からなる金属板(銅板等)から形成され、その構造は正極集電端子52と同様であるので、図8において括弧内に対応する符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0038】
図7に示すように、このように構成された蓄電素子構成体3には、端子取付孔74に挿入された集電端子52,62の円筒部52b,62bにより、容器70の内部空間Kと外部とを連通させる二つの連通路Pが形成されている。そして、これらの連通路P以外の部分では容器70の内外が遮断されている。この蓄電素子構成体3からキャパシタ4を製造するには、これらの連通路Pを通じて容器70内を減圧(真空引き)し、次いで連通路Pから容器70内に電解液を注入する。その後、図6および図9に示すように、集電端子52,62の円筒部52b,62bに正極外部端子54および負極外部端子64をそれぞれ取り付ける。
【0039】
この正極外部端子54はアルミニウム等の導電性金属から形成される。図9に示すように、正極外部端子54の頭部(容器70外に突出する部分)54aは円柱状の外形を有し、その内部には正極外部端子54の上端に開口するタップ54cが形成されている。また、頭部54aの下端からは、外周面にネジ山が設けられた脚部54bが延びている。なお、負極外部端子64は銅等から形成され、その構造は正極外部端子54と同様であるので、図9の括弧内に対応する符号を付し、詳しい説明は省略する。
図6および図9に示すように、集電端子52,62の円筒部52b,62bに外部端子54,64の脚部54b,64bをネジ止めする。ここで、頭部54a,64aの下面とカバー72との間には、両者を絶縁するとともに気密にシールするためのパッキン75が配置されている。このようにして円筒部52b,62bに外部端子54,64をそれぞれ取り付けることにより、二つの連通路Pが閉塞されるとともに、集電端子52,62と外部端子54,64とが電気的に接続される。
【0040】
このように、本実施例の製造方法によると、蓄電素子構成体3の内外を連通させる連通路Pを利用して電解液の注入を行うことができる。この連通路Pは、端子の構成要素である集電端子に設けられた円筒部により形成されている。したがって、この連通路Pを形成するために電池の構成部品数が増えることはない。また、連通路Pの閉塞は集電端子に外部端子を取り付ける(接続する)ことにより行われる。すなわち、外部端子を封止部材として利用するので、この連通路Pを閉塞するために蓄電素子の構成部品数が増えることはない。
【0041】
なお、本実施例では正極集電端子の円筒部(端子取付孔に挿入されて連通路を形成するための貫通孔)を絞り加工により形成したが、例えば図10に示すように、正極集電端子52に貫通孔52cを設け、この貫通孔52cの周囲に金属製のカラー(円筒状部材)52dを溶接等により取り付けて円筒部を形成してもよい。負極集電端子についても同様である。
また、図6に示す構成のキャパシタでは、外部端子54,64の下面(脚部54b,64bの下端)が集電端子52,62の円筒部(貫通孔)52b,62bから容器70内の空間Kに露出(開放)されている。そこで、例えば図11に示すように、正極外部端子54の内部に、その下面に開口し正極外部端子54を軸方向に貫通する貫通孔54dを形成し、この貫通孔54dの一部(例えば下端)を金属箔(アルミニウム箔等)54eで閉塞しておくことにより、正極外部端子54に防爆機能を付与することができる。すなわち、このように構成された正極外部端子54は、電極体10と外部との導通をとる機能および連通路Pを閉塞する機能に加えて、キャパシタ4の防爆装置としての機能をも備える。このような防爆機能を負極外部端子64に設けてもよい。
【0042】
(第四実施例)
本実施例は、集電端子と外部端子とを備える端子を構成要素とするキャパシタ(例えば車両等に用いられるパワーキャパシタ)を製造する他の例である。
図12は、本実施例に用いる蓄電素子構成体5を示す断面図である。以下、第三実施例に係る部材と同様の機能を果たす部材については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
本実施例に用いる蓄電素子構成体5では、カバー72に設けられた端子取付孔74によって、容器70の内外を連通させる二つの連通路Pが形成されている。集電端子52,62は溶接部52a,62aおよび円筒部52b,62bを有する。この円筒部52b,62bは端子取付孔74に挿入されていない。すなわち、本実施例における蓄電素子構成体5では、集電端子52,62が容器を貫通していない。集電端子52,62の接続された電極体10は、円筒部52b,62bが端子取付孔74の直下に位置し、かつ円筒部52b,62bの軸が端子取付孔74の軸とほぼ一致するようにして容器70内に収容されている。なお、円筒部52b,62bの内周面にはネジ山(図示せず)が設けられている。また、端子取付孔74には、図示しない外部端子(正極外部端子および負極外部端子)とカバー72とを絶縁する絶縁カラー73が装着されている。この絶縁カラー73の内周面にもネジ山(図示せず)が設けられている。
【0044】
この蓄電素子構成体5からキャパシタを製造するには、これらの連通路Pを通じて容器70内を減圧(真空引き)し、次いで連通路Pから容器70内に電解液を注入する。その後、端子取付孔74(絶縁カラー73)および円筒部52b,62bに、例えば第三実施例と同様の形状に成形された外部端子をネジ止めすることにより、端子取付孔74に外部端子が取り付けられる。これにより、端子取付孔74内に形成されていた連通路Pが閉塞されるとともに、外部端子と集電端子52,62とが接続される。
なお、本実施例の製造方法によると、端子取付孔74の外部から(すなわち容器70の封缶後にも)外部端子を集電端子52,62に接続可能であれば、この集電端子52,62に必ずしも貫通孔(本実施例では円筒部52b,62b)が形成されていなくてもよく、外部端子との固定部が形成されていればよい。
【0045】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施例の製造方法に用いられる蓄電素子構成体を示す部分切欠正面図である。
【図2】 第一実施例の製造方法において蓄電素子構成体の形成に用いられる正極シートを示す平面図である。
【図3】 第一実施例の製造方法において蓄電素子構成体の形成に用いられる電極体を示す斜視図である。
【図4】 図1のIV−IV線断面図である。
【図5】 第二実施例の製造方法に用いられる蓄電素子構成体を示す部分切欠斜視図である。
【図6】 第三実施例の製造方法により製造されたキャパシタを示す断面図である。
【図7】 第三実施例の製造方法に用いられる蓄電素子構成体を示す断面図である。
【図8】 第三実施例の製造方法において蓄電素子構成体の形成に用いられる正極集電端子を示す断面図である。
【図9】 図6の部分拡大図である。
【図10】 第三実施例の製造方法に用いられる正極集電端子の他の例を示す断面図である。
【図11】 防爆機能を付与した正極外部端子の例を示す断面図である。
【図12】 第四実施例の製造方法に用いられる蓄電素子構成体を示す断面図である。
【図13】 フィルムからなる容器を備えた従来の電池を示す斜視図である。
【図14】 従来の電池における電解液注入口を示す断面図である。
【符号の説明】
1,2,3,5 :蓄電素子構成体
10 :電極体
20 :正極端子(端子)
30 :負極端子(端子)
36 :貫通孔
40 :容器
40a:熱溶着部
42、44:絶縁フィルム
50 :正極端子(端子)
52 :正極集電端子(端子)
54 :正極外部端子(端子)
60 :負極端子(端子)
62 :負極集電端子(端子)
64 :負極外部端子(端子)
70 :容器
74 :端子取付孔
P :連通路
Claims (5)
- 容器と、容器に収容された電極体および電解液と、その電極体に接続されているとともに容器を貫通する外部端子とを備え、
その容器は外部端子取付孔を有しており、
外部端子取付孔の内側に、容器の内外に開口しているねじ穴が形成されているとともに電解液を注入するための円筒部が挿入されており、
外部端子が、前記円筒部にねじ止めされており、容器内を気密に封止していることを特徴とする蓄電素子。 - 前記円筒部は、電極体に接続されている集電端子であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電素子。
- 前記外部端子の内部に、容器の内外を連通する貫通孔が形成されており、その貫通孔の容器内部側の端面が金属箔で閉塞されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電素子。
- 容器の内外を連通する外部端子取付孔の内側に、容器の内外に開口しているねじ穴が形成されている円筒部を挿入する工程と、
前記円筒部から容器に電解液を注入する工程と、
前記ねじ穴に外部端子をねじ止めすることにより前記開口を閉塞して、容器内を気密に封止する工程と、
を包含しており、
前記円筒部が電極体に接続されている集電端子であり、
前記ねじ穴に外部端子をねじ止めすることにより、外部端子と集電端子が接続されることを特徴とする蓄電素子の製造方法。 - 前記外部端子の内側に、容器の内外を連通する貫通孔を形成するとともに、その貫通孔の容器内部側の端面を金属箔で閉塞する工程をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の蓄電装置の製造方法。
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