JP5127403B2 - 棒状体の収納箱 - Google Patents

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Description

この発明は、コンクリート,ガラス,陶磁器,金属などを素材とする各種の棒状体を収納するのに用いられる収納箱に関し、特に、複数本の棒状体をそれぞれ横倒しの状態に保持して収納するための棒状体の収納箱に関する。
例えば、既存の建造物の耐震診断を行う際には、その建造物を構成するコンクリートの強度などを調査することが不可欠である。そのため、従来から、耐震診断の対象とする建造物の壁や柱などよりコンクリートを円柱状に切り出し、この採取した円柱状のコンクリートをサンプルとして試験機関へ送り、コンクリート強度などの測定試験を行っている。
上記したコンクリートのサンプルを試験機関に送るために、例えば、段ボール製の収納箱が用いられている。収納箱の内部に上記のサンプルを収納して搬送すると、搬送中に収納箱に外部から衝撃が加わったとしても、段ボールの緩衝作用によって収納されたサンプルに衝撃が直接伝わらず、サンプルが衝撃により損傷を受けるのを防止できる。しかし、収納箱内に複数本のサンプルを収納して搬送すると、搬送中に収納箱内で各サンプルが動き回ることにより、サンプル同士が衝突しあって破損するおそれがある。そこで、上記したサンプルのような円柱状の棒状体を複数本整列させた状態で保持することができる段ボール製の支持体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この支持体は収納箱内の底面上に設置され、複数本の棒状体を互いに間隔をあけて横倒しの状態に支持するものである。
特開2006−69576号公報
この特許文献1に記載された支持体100は、図7に示すように、1枚の段ボール紙を所定の折り目に沿って折り曲げることにより形成され、交互に連なる複数の平面部101と複数の支持壁102とを備えている。各支持壁102は山形状であり、支持壁102,102間には、各支持壁102の頂部を棒状体103の径に合わせた開口幅で切り欠くことにより棒状体103の外周面を複数箇所で支持する凹溝104の列が複数列形成されている。この支持体100を収納箱(図示せず)の内部の底面上に設置し、各凹溝104の列上に棒状体103を嵌め込むことによって、複数本の棒状体103が収納箱の内部に所定の間隔をあけて横倒しの状態で保持される。
しかしながら、上記した構成の支持体100が配置された収納箱では、支持壁102は凹溝104の列に嵌り込んだ棒状体103を単に下方から支持しているだけであるから、例えば搬送時において、収納箱に下方から急激な振動や衝撃が加わると、棒状体103が上方に飛び出て凹溝104の列から抜け出し、移動してしまうおそれがある。その結果、棒状体103同士が衝突しあって破損するおそれがある。
また、搬送時において、収納箱が複数段に段積みされると、下段の収納箱は上方から圧縮荷重を受けるため、収納箱内の棒状体103が上方からの圧縮荷重を受けても損傷しないように、例えば発泡スチロール製の緩衝材を収納箱内の棒状体103上に被せるなどの必要がある。
この発明は、上記した問題に着目してなされたもので、搬送時などにおいて、急激な振動や衝撃が加わっても、内部に収納されている棒状体を動かない状態で保持できるとともに、上記衝撃を吸収緩和して棒状体の破損や損傷などを防止できる棒状体の収納箱を提供することを目的とする。
この発明による棒状体の収納箱は、開閉可能な蓋板を備えた箱本体内の底面上に、互いに平行な複数の支持壁が突設された段ボール製の敷き板が設置され、前記敷き板には、各支持壁の頂部の複数箇所を切り欠いて凹溝を形成することにより複数本の棒状体を横倒しの状態で保持するための凹溝の列が複数列形成されて成るものであり、前記箱本体内の敷き板上に各支持壁と交差させて配備される複数の段ボール製の仕切り板を備えている。前記敷き板には、各支持壁の頂部の複数箇所を仕切り板の厚みに合わせた溝幅で切り欠いて係合溝を形成することにより仕切り板の下端部が係合する係合溝の列が各凹溝の列と平行に複数列形成されるとともに、各仕切り板には、凹溝の列上に被さる大きさの屈曲可能な内蓋部が一体に形成されている。
上記した構成の棒状体の収納箱では、敷き板に形成された各凹溝の列に対して棒状体をそれぞれ嵌め込むことにより、複数本の棒状体が所定間隔をあけて整列した横倒しの状態に保持される。各凹溝の列に対応して内蓋部を有する仕切り板が配備されているので、各仕切り板の内蓋部を対応する凹溝の列上に屈曲して各棒状体上に被せることにより、各棒状体は内蓋部で覆われる。これにより、搬送中などに収納箱に下方から急激な振動や衝撃が加わったとしても、各棒状体は内蓋部により蓋されているため、各凹溝内から上方に飛び出して箱本体内を移動することはなく、収納位置に動かない状態で保持される。
また、収納箱が段積みされて上方から圧縮荷重を受けても、前記内蓋部が荷重を吸収緩和する緩衝体として機能するので、収納された棒状体が破損したり損傷したりすることがない。
各内蓋部の表面に、収納された棒状体に関わる情報を筆記しておけば、箱本体の蓋板を開くだけで、箱内に収納された各棒状体がどのようなものかが一目瞭然で認識できる。
なお、上記した収納箱に収納される棒状体は、例えば、建造物から切り出された円柱状のコンクリートのサンプルであるが、棒状体のものであれば、コンクリートのサンプルに限られるものではない。例えば、コンクリート以外に、ガラス、陶磁器、金属などを素材とする棒状体にも適用でき、また、形態についても、中身が詰まったものであっても、中空のものであってもよい。さらに、ここでいう「棒状体」は、円柱、角柱などの形状のものの他、種々の外形のものを含んでおり、必ずしも断面形状が全長にわたって同一である必要はない。
この発明の好ましい実施態様においては、前記支持壁は、頂部において連続する一対の壁板より成り、頂部を切り欠いて各壁板に形成された凹溝内には、凹溝内に棒状体が挿入されたとき、外側へ屈曲されて棒状体の下面に接する支持片がそれぞれ配設されている。
この実施態様によると、各凹溝内に棒状体が挿入されたとき、各支持片は外側へ屈曲して棒状体の下面に接するので、棒状体の表面が水などの液体で濡れている場合、液体は段ボールがもつ吸水機能により支持片に吸水され、箱本体の底面が濡れるのが防止される。
例えば、棒状体が上記したコンクリートのサンプルである場合、これを建造物より切り出すとき、建造物に水を作用させつつ切出作業が行われるので、切り出されたサンプルの表面には水分が付着している。この実施例によると、そのようなサンプルを切り出した状態のまま収納しても、箱本体の内壁面が水で濡れてしまうことがない。
この発明のさらに好ましい実施態様においては、前記凹溝は、棒状体を受け入れる溝開口の溝幅が棒状体の径よりも小さく設定されている。
この実施態様によると、棒状体を凹溝内に嵌め込むときは、敷き板は段ボール製であるので、溝開口が押し広げられ、棒状体は凹溝内へ難なく嵌まり込む。棒状体が溝開口を通過した後、溝開口はもとの狭い状態に戻るので、凹溝内に嵌り込んだ棒状体は容易に凹溝の溝開口より脱出することができず、動かない状態で凹溝内にしっかりと保持される。
この発明のさらに好ましい実施態様においては、前記仕切り板の下端部には、敷き板の各支持壁に対応する位置に、敷き板の係合溝と直交方向に咬み合う咬合溝が開設され、隣り合う咬合溝間には、隣り合う支持壁間に嵌合する仕切り片が形成されている。
この実施態様によると、敷き板の係合溝に仕切り板の下端部の咬合溝を咬み合わせることにより、仕切り板が敷き板上に各支持壁と交差して配備される。このとき、隣り合う各支持壁の間には、仕切り片が嵌り込むので、支持壁と支持壁との間隔が保持され、仕切り板によって敷き板の形態が保持され、敷き板の支持壁に上方や側方から加圧力が作用しても、敷き板が変形することはない。
なお、敷き板の支持壁が頂部において連続する一対の壁板より成る場合に、各咬合溝内に支持壁の壁板間に係合する係合片を形成すると、係合片が壁板間に嵌り込み、壁板間の間隔も保持される。
この発明によれば、搬送時などにおいて、収納箱に急激な振動や衝撃が加わっても、内部に収納されている各棒状体は各仕切り板の内蓋部により覆われて蓋されるので、棒状体が上方に飛び出て凹溝の列から抜け出して箱本体内を移動することはなく、各凹溝内に動かない状態で保持できる。さらに、収納箱が段積みされて上方から圧縮荷重を受けても、各内蓋部が荷重を吸収緩和するので、各棒状体は内蓋部により保護され、棒状体が破損したり損傷したりすることがない。その上、各内蓋部の表面に、収納された棒状体に関わる情報を筆記しておけば、箱本体の蓋板を開くだけで、箱内に収納された各棒状体がどのようなものかが一目瞭然で認識できる。
図1は、この発明の一実施例である棒状体の収納箱の構成を示している。
この棒状体の収納箱は、複数本(図示例では、5本)の棒状体1をそれぞれ横倒しの状態で保持して収納することが可能なもので、蓋板3を一体に備えた箱本体2と、箱本体2の内部に設置され複数列(図示例では、4列)の支持壁41を有する敷き板4と、箱本体2内の敷き板4上に各支持壁41と交差して配備される複数枚(図示例では、5枚)の仕切り板5とから成る。
前記棒状体1は、例えば、建造物から切り出された短棒形状のコンクリートのサンプルであるが、図示例の収納箱は、棒状体のものであれば、コンクリートのサンプル以外のものを収納するのに用いることもできる。
前記箱本体2は、平板矩形状の底板部20と、互いに対向する前壁21および後壁22と、互いに対向する側壁23,23とが一体に設けられた箱型の容器である。箱本体2の上面は開口しており、後壁22の上縁に、上面の開口部を塞ぐことが可能な蓋板3が開閉可能に一体形成されている。この箱本体2および蓋板3は、詳細は後述するが、1枚の段ボール製の型紙11を所定の折り目に沿って折り曲げることにより組み立てられる。
なお、箱本体2は、この実施例では段ボール製であるが、これに限られるものではなく、プラスチック製や金属製など、種々の素材を用いて形成することができる。また、蓋板3は箱本体2に一体形成されている必要はなく、箱本体2と別体であってもよい。
前記敷き板4は、箱本体2の底板部20上に設置され、図2〜図4に示すように、底板部20の表面に沿う平板矩形状の複数の内底部40と逆コ字形を成す複数の支持壁41とが交互に連なるように形成されている。各内底部40は、長さが箱本体2の両側壁23,23間の長さと同じに設定されている。一方、各支持壁41は、長さが箱本体2の両側壁23,23間の長さよりも少し短く設定されており、これにより、箱本体2の各側壁23と各支持壁41の両端部との間に隙間66,66(図1に示す)が生じている。この敷き板4は、詳細は後述するが、1枚の段ボール製の型紙12を所定の折り目に沿って折り曲げることにより組み立てられる。
各支持壁41は、垂直に立ち上がる一対の壁板42,42から成り、各壁板42,42は頂部43において連続している。各支持壁41は、互いに平行であり、棒状体1を横倒しの状態で外周面を下方より支持する。
なお、図2および図3において、62,62は前壁21および後壁22の補強壁であり、図1に示すように、箱本体2の前壁21および後壁22と当接している。
前記敷き板4には、図2〜図4に示すように、各支持壁41の頂部43の複数箇所を、それぞれ同じ位置で頂部43から各壁板42にわたって凹状に切り欠いて凹溝44を形成することにより、凹溝の列8が所定の間隔をあけて複数列(図示例では、5列)形成されている。この凹溝の列8を構成する各凹溝44に棒状体1を嵌め込んで、棒状体1を4箇所で支持することにより、最大で5本の棒状体1が所定の間隔をあけて整列した横倒しの状態で保持される。
各凹溝44の溝底部44Aは、棒状体1の外周面が嵌るように棒状体1の外形に沿う形状に形成されており、この溝底部44Aで棒状体1は下方から支持される。各凹溝44は、溝底部44Aから棒状体1を受け入れる溝開口44Bに向けてその溝幅が徐々に狭くなっており、溝開口44Bの溝幅d1は棒状体1の径よりも小さく設定されている。
棒状体1を凹溝44内に嵌め込むときは、敷き板4は段ボール製であるので、溝開口44Bを押し広げることで、棒状体1は凹溝44内へ難なく嵌まり込む。棒状体1が溝開口44Bを通過した後は、溝開口44Bはもとの狭い状態に戻るので、凹溝44内に嵌り込んだ棒状体1は容易に凹溝44の溝開口44Bより脱出することができず、動かない状態で凹溝44内にしっかりと保持される。
凹溝44は支持壁41をその頂部43から各壁板42,42にわたって切り欠くことにより形成されるが、この実施例では、凹溝44を構成する各壁板42の切り欠き部分を切り取らずに残すことによって一対の支持片6がそれぞれ形成されている。各支持片6は、その外形の輪郭が各壁板42に下端部を残して設けられた切込線によって形成され、この切込線沿いに各支持片6を各壁板42から切り離すことが可能である。各支持片6の下端部の凹溝44の溝底部44Aに対応する部分は、壁板42と一体に連なっており、この連なった部分で折曲部として支持片6を外側へ屈曲して倒すことが可能である。
各支持片6を外側へ屈曲して倒した状態で棒状体1を凹溝44に嵌め込むとき、各支持片6は棒状体1の下面に接するので、棒状体1の表面が水などの液体で濡れている場合には、液体は段ボールがもつ吸水機能により支持片6に吸収される。
前記敷き板4には、各支持壁41の頂部43の複数箇所を、それぞれ同じ位置で頂部43から各壁板42にわたって切り欠いて係合溝7を形成することにより、係合溝の列9が所定の間隔をあけて複数列(図示例では、5列)形成されている。この各係合溝の列9は、前記凹溝の列8と平行であり、各凹溝の列8と一対一で対応している。係合溝の列9を構成する各係合溝7は、その溝幅d2が後述する仕切り板5の厚みと一致しており、仕切り板5の下端部を係合することが可能となっている。各係合溝7の深さhは、支持壁41の高さのほぼ半分の位置まで達している。
前記の各仕切り板5は、図1に示すように、敷き板4上に各支持壁41と交差させて配備されている。各仕切り板5は、屈曲可能な内蓋部50を一体に備え、折曲位置より上の部分が敷き板4の支持壁41より上方へ突出している。
各仕切り板5の下端部には、敷き板4の各支持壁41に対応する位置に、仕切り板5の高さのほぼ半分の位置に達する咬合溝52がそれぞれ開設されている。この各咬合溝52を敷き板4の各係合溝7と直交する方向に咬み合わせて、仕切り板5を敷き板4上に各支持壁41と交差させて配備する。
各仕切り板5の下端部には、隣り合う咬合溝52間に仕切り片54Aが、両端位置の咬合溝52の外側に仕切り片54Bが、それぞれ形成されている。また、各咬合溝52内には舌状の係合片53がそれぞれ突設されている。
係合片53の横幅d3は、支持壁41を構成する壁板42,42の間隔d4(図2に示す)と一致しており、仕切り板5の咬合溝52を敷き板4の係合溝7に咬み合わせるとき、図5に示すように、支持壁41の壁板42,42間に係合片53が嵌り込む。
仕切り板5の仕切り片54Aおよび仕切り片54Bは、隣り合う支持壁41,41の間、または支持壁41と補強壁62との間に、それぞれ嵌り込む。各仕切り片54Aは、隣り合う支持壁41とその間の内底部40とで囲まれる凹部55Aの形状に適合する外形を有しており、仕切り板5の各咬合溝52と敷き板4の各係合溝7とがそれぞれ咬み合い、仕切り片54Aが凹部55Aに嵌まり込んだ状態では、仕切り片54Aの両側端縁が各支持壁41の内面に、下端縁が敷き板4の内底部40の上面に、それぞれ当接している。
各仕切り片54Bは、両端の支持壁41と補強壁62とその間の内底部40とで囲まれる凹部55Bの形状に嵌合する外形を有しており、仕切り板5の各咬合溝52と敷き板4の各係合溝7とがそれぞれ咬み合い、仕切り片54Bが凹部54Bに嵌まり込んだ状態では、仕切り片54Bの両側端縁が支持壁41および補強壁62の内面に、下端縁が敷き板4の内底部40の上面に、それぞれ当接している。
このように、隣り合う支持壁41の間に仕切り片54Aが、両端の支持壁41と各補強壁62との間には仕切り片54Bが、それぞれ嵌り込むので、支持壁41と支持壁41との間隔が保持される。また、各支持壁41を構成する一対の壁板42,42の間には係合片53がそれぞれ嵌り込むので、壁板42,42間の間隔も保持される。これにより、敷き板4の形態が保持されるので、敷き板4の支持壁41に上方や側方から加圧力が作用しても、敷き板4が変形することはない。
仕切り板5の内蓋部50は、図1に示すように、平板矩形状であり、各仕切り板5が敷き板4上に配備されたとき、対応する各凹溝の列8上に被さって収納された棒状体1を覆うことが可能な大きさであって、先端縁が隣りの仕切り板5に揃って内蓋部50上に被さらない幅を有している。各内蓋部50の表面は、それぞれ収納された棒状体1に関わる情報を筆記することが可能であり、この実施例では、例えば、「○○ビル5階踊り場」や「○○ビル2階廊下」など、収納されているコンクリートのサンプルがどこで切り出されたかを示す建造物の場所が表示されている。これにより、箱本体2の蓋板3を開くだけで、箱内に収納された各棒状体1がどのようなものかが一目瞭然で認識できる。
上記した箱本体2、敷き板4および各仕切り板5は、図6に示す所定の肉厚を有する段ボール製の型紙11〜17を、それぞれ所定の折り目に沿って折り曲げることにより組み立てられる。前記型紙11〜17は、1枚の段ボール紙10から所定の形状で切り取ることによって得ることができる。
箱本体2を組み立てるための型紙11は、長方形状の底板部20を中心として、前壁21および後壁22が底板部20の長辺側にそれぞれ折り目28を介して連設され、両側壁23,23が底板部20の短辺側にそれぞれ折り目31を介して連設されている。前壁21および後壁22の両側縁には、それぞれ折り目29,30を介して突出片24,25が設けられている。各側壁23は、展開状態では箱本体2の深さのほぼ2倍の長さを有し、長さ中央位置には、所定の間隔を有する一対の折り目32,32が設けられている。各側壁23の先端縁には、嵌合片26,26がそれぞれ突設されている。嵌合片26,26は底板部20の各折り目31に沿って形成された嵌合孔27,27にそれぞれ嵌合可能となっている。
型紙11から箱本体2を組み立てるには、まず、前壁21および後壁22を折り目28に沿って折り曲げて垂直に立ち上げ、各突出片24,25を折り目29,30に沿って内向きにそれぞれ90度折り曲げる。次に、各側壁23を折り目31に沿って折り曲げて垂直に立ち上げた後、各側壁23の先端部23Aを折り目線32,32に沿って折り曲げて折り返すことにより、前記突出片24,25を各側壁23内に挟み込み、各嵌合片26を各嵌合孔27に嵌入させる。このとき、各突出片24,25と各側壁23の基端部23Bとの間にはスリット65(図1に示す)が生じている。
前記蓋板3は、後壁22の上縁に折り目37を介して連設されている。蓋板3は、箱本体2の上面の開口部を塞ぐことが可能な大きさを有する天板部33を有し、天板部33の短辺側にはそれぞれ折り目38を介して側板部34,34が、天板部33の一方の長辺側には折り目39を介して前板部35が、それぞれ連設されている。前板部34の両側縁には、それぞれ折り目60を介して突片36,36が突設されている。
各側板部34は、箱本体2の各側壁23と敷き板4の各支持壁41の両端部との間に形成される前記隙間66,66(図1に示す)に嵌入可能である。各突片36は、箱本体2の各側壁23の基端部23Bと前壁21との間に形成される前記スリット65,65(図1に示す)に嵌入可能である。各側板部34を各隙間66に嵌入させつつ天板部33を折り目37に沿って屈曲させた後、各突片36を各スリット65に嵌入させつつ前板部35を折り目39に沿って90度内向きに折り曲げることにより、箱本体2はその上面の開口部が蓋板3により塞がれて閉じられる。
敷き板4を組み立てるための型紙12は、所定の間隔で配された5面の内底部40を有し、各内底部40の間にそれぞれ折り目45を介して支持壁41を形成する壁板42,42が連設されている。壁板42,42間には、一対の折り目46,46を介して頂部43が連設されている。両端の内底部40には、それぞれ折り目63を介して補強壁62が連設され、各補強壁62の中間位置には、折り目64が設けられている。
なお、各列の各壁板42,42および頂部43には、前記凹溝44および支持片6を形成するための切り欠き47、切込線48,48および折り目49と、前記係合溝7を形成するための切り欠き61とが予め形成されている。
型紙12から敷き板4を組み立てるには、各内底部40に対して折り目45で壁板42を上方に折り曲げて垂直に立ち上げ、折り目46,46で90度に折り曲げて頂部43を形成することにより逆コ字形の支持壁41と内底部40とを交互に連ねて形成する。また、各補強壁62は折り目63に沿って折り曲げて垂直に立ち上げた後、折り目64に沿って折り返す。
各仕切り板5を形成するための型紙13〜17は、折り目51を介して連設された内蓋部50を有している。仕切り片5の下端部には、前記咬合溝52、係合片53および仕切り片54A,54Bを形成するための一対の切り込み56,56が所定の間隔をあけて4箇所に設けられている。
上記した構成の棒状体の収納箱に棒状体1を収納するためには、箱本体2、敷き板4および各仕切り板5を型紙11〜17を用いて組み立てた後、箱本体2内の底板部20上に敷き板4を設置し、各仕切り板5を箱本体2内の敷き板4上に各支持壁41と交差させて配備する。次に、敷き板4に形成された各凹溝の列8の各凹溝44に対して棒状体1をそれぞれ嵌め込むことにより、複数本の棒状体1が所定間隔をあけて整列した横倒しの状態に保持される。そして、各仕切り板5の内蓋部50を屈曲させて各棒状体1に被せた後、蓋板3を閉じることにより各棒状体1が箱内に収納される。
この棒状体の収納箱によると、各凹溝の列8に対応して内蓋部50を有する仕切り板5が配備されているので、各仕切り板5の内蓋部50を対応する凹溝の列8上に屈曲して各棒状体1に被せることにより、各棒状体1は内蓋部50で覆われる。これにより、搬送中などに収納箱に下方から急激な振動や衝撃が加わっても、各棒状体1は内蓋部50により蓋されているため、各凹溝44内から上方に飛び出して箱本体2内を移動することはなく、凹溝44内で保持される。しかも、各凹溝44は、その溝開口44Bの溝幅d1が棒状体1の径よりも小さく設定されているので、凹溝44内に嵌り込んで保持されている棒状体1は凹溝44の溝開口44Bより脱出することができず、凹溝44内に動かない状態でしっかりと保持される。
また、収納箱が段積みされて上方から圧縮荷重を受けても、内蓋部50が荷重を吸収緩和する緩衝体として機能するので、収納された棒状体1が破損したり損傷したりすることがない。さらに、各内蓋部50の表面に、収納された棒状体1に関わる情報を筆記しておけば、箱本体2の蓋板3を開くだけで、箱内に収納された各棒状体1がどのようなものかが一目瞭然で認識できる。
その上、各凹溝44内に棒状体1が挿入されたとき、各支持片6は外側へ屈曲して棒状体1の下面に接するので、棒状体1の表面が水などの液体で濡れていたとしても、液体は段ボールがもつ吸水機能により支持片6に吸収されるので、箱本体2の底板部20が濡れるのが防止される。
この発明の一実施例である棒状体の収納箱の外観を示す斜視図である。 敷き板の平面図である。 図3の敷き板の側面図である。 図3のA−A線に沿う断面図である。 図1のB−B線に沿う断面図である。 段ボール紙の平面図である。 従来の敷き板の外観を示す斜視図である。
符号の説明
1 棒状体
2 箱本体
3 蓋板
4 敷き板
5 仕切り板
6 支持片
7 係合溝
8 凹溝の列
9 係合溝の列
20 底板部
40 内底部
41 支持壁
42 壁板
43 頂部
44 凹溝
44B 溝開口
50 内蓋部
52 咬合溝
53 係合片
54A,54B 仕切り片

Claims (5)

  1. 開閉可能な蓋板を備えた箱本体内の底面上に、互いに平行な複数の支持壁が突設された段ボール製の敷き板が設置され、前記敷き板には、各支持壁の頂部の複数箇所を切り欠いて凹溝を形成することにより複数本の棒状体を横倒しの状態で保持するための凹溝の列が複数列形成されて成る棒状体の収納箱において、
    前記箱本体内の敷き板上に各支持壁と交差させて配備される複数の段ボール製の仕切り板を備え、前記敷き板には、各支持壁の頂部の複数箇所を仕切り板の厚みに合わせた溝幅で切り欠いて係合溝を形成することにより仕切り板の下端部が係合する係合溝の列が各凹溝の列と平行に複数列形成されるとともに、各仕切り板には、凹溝の列上に被さる大きさの屈曲可能な内蓋部が一体に形成されて成る棒状体の収納箱。
  2. 前記支持壁は、頂部において連続する一対の壁板より成り、頂部を切り欠いて各壁板に形成された凹溝内には、凹溝内に棒状体が挿入されたとき、外側へ屈曲されて棒状体の下面に接する支持片がそれぞれ配設されている請求項1に記載された棒状体の収納箱。
  3. 前記凹溝は、棒状体を受け入れる溝開口の溝幅が棒状体の径より小さく設定されている請求項1または2に記載された棒状体の収納箱。
  4. 前記仕切り板の下端部には、敷き板の各支持壁に対応する位置に、敷き板の係合溝と直交方向に咬み合う咬合溝が開設され、隣り合う咬合溝間には、隣り合う支持壁間に嵌合する仕切り片が形成されている請求項1に記載された棒状体の収納箱。
  5. 前記支持壁は、頂部において連続する一対の壁板より成り、前記仕切り板の下端部には、敷き板の各支持壁に対応する位置に、敷き板の係合溝と直交方向に咬み合う咬合溝が開設され、隣り合う咬合溝間には、隣り合う支持壁間に嵌合する仕切り片が形成されるとともに、各咬合溝内には、支持壁の前記壁板間に係合する係合片が形成されている請求項1に記載された棒状体の収納箱。
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