JP5126477B2 - 電子部品、及び、電子部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品、及び、その製造方法に関し、特に多層セラミック配線基板、高周波モジュール、積層セラミックコンデンサなどの積層セラミック電子部品、及び、その製造方法に関する。
一般的な積層セラミック電子部品の製造方法では、まず、キャリアテープ上にシート成形したセラミックグリーンシートに、パンチング加工またはレーザー加工によりビアホールを形成し、このビアホールに導電性ペーストを充填して縦導体を形成する。次に、このセラミックグリーンシートの複数枚を、ビアホール内の縦導体が積層方向に連なるように位置あわせして積層し、シート状積層体を製造する。この積層工程後、シート状積層体を焼成して焼結することにより、積層セラミック電子部品が完成する。
しかし、上述した従来の製造方法では、予め縦導体が形成されたセラミックグリーンシートを積層するため、積層方向に隣接する縦導体の接触部分で積層ズレが起こり、この積層ズレに起因して、縦導体の外周面の一部に凸状の縁端部(エッジ部分)が生じる。縦導体にエッジ部分が生じると、特許文献1に示されているように、表皮効果(skineffect)による縦導体表面への電界集中が特にエッジ部分で顕著となり、全電力損失の約50%がエッジ部分から数μm〜数十μmの狭い領域で生じる。この現象をエッジ効果といい、縦導体の表面形状に起因する現象であることから、エッジ効果による電力損失、及び、Q値低下の問題は必ず生じ、避けることのできない難点とされていた。特に、高周波帯域の信号を通過させる高周波用の積層セラミック電子部品では、エッジ効果によるQ値の低下は無視できないレベルとなる。
また、従来の製造方法では、導電性ペーストをビアホールの隅々まで充填するため、吸引式スクリーン印刷法、又は、真空式スクリーン印刷法を用いる必要がある。従って、これら印刷法を行うための設備投資を強いられるとともに、その分だけ製造工程が増えることとなるから、全体としてコスト高となる。
他方、上述した縦導体の積層ズレを解消する方法として、シート状積層体にビアホールを一体的に穿孔し、このビアホールに対して導電性ペーストを充填することが考えられる。しかし、この方法によると、セラミックグリーンシート毎に設けたビアホールに対して導電性ペーストを充填する場合と比較して、ホール長が長くなるから、ビアホール内の隅々まで導電性ペーストを充填することが難しくなり、縦導体の電気的接続に係る信頼性が低下する。
特に、近年、この種の電子部品は、デジタル製品の軽薄短小化、高周波化の進展に伴って部品要素の微細化が要請されており、端子面も一層の微細化が図られている。このような端子面の微細化に比例して、縦導体が形成されるビアホールの径寸法も、以前の数百μmから最近では数十μmへと小さくなりつつある。通常、セラミックグリーンシートに形成されたビアホール内へ充填する縦導体には、粘性の高い導電性ペーストを用いるので、ビアホール内の隅々まで導電性ペーストを充填することがますます難しくなる。しかも、ビアホールの微細化、及び、縦導体の多配線化により、導電性ペーストの充填状態を検査することすら難しくなり、例えば、多層3次元配線をされた積層型電子部品では、各層ごとに形成された縦導体相互の電気的接続に係る信頼性を確保することが困難になっているという特有の事情がある。
さらに、先に述べた吸引式スクリーン印刷法、又は、真空式スクリーン印刷法は、積層型電子部品のビアホールが有底構造(ブラインドビアホール)である場合には、複数のグリーンシートにそれぞれビアホールを形成し、導電性ペーストを各グリーンシートのビアホールごとに充填した上で積層して形成する必要があり、ペースト充填作業、及び、縦導体形成作業が更に煩雑となる。
一方、特許文献2及び3には、セラミックス多層基板の製造工程において、ビアホールの内部に、ピン状金属片または棒状金属片を案内して縦導体を形成する方法が開示されている。しかし、特許文献2及び3においても、上述した縦導体の信頼性の問題が充分に解決されているとはいえない。例えば、部品要素の微細化に伴ってビアホールの径寸法が小さくなると、ピン状または棒状金属片をビアホールに適切に充填することは、甚だ困難になる。
特開2000−307310号公報 特許第2884682号公報 特許第3075537号公報
本発明の課題は、Q値の高い電子部品、及び、電子部品の製造方法を提供することである。
本発明のもう1つの課題は、縦導体の信頼性を向上することができる電子部品、及び、電子部品の製造方法を提供することである。
本発明の更にもう一つの課題は、低コストの電子部品、及び、電子部品の製造方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明に係る電子部品は、基体部と、縦導体とを有している。縦導体は、基体部の内部を厚み方向に伸びており、少なくとも一部に、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分を含む。
上述したように、縦導体は、基体部の内部を厚み方向に伸びており、少なくとも一部に、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分を含む。即ち、縦導体は、導体部分の外周面が、基体部の厚み方向に直交する方向に突出する曲面となっており、外周面に電界集中が生じるようなエッジ部分を有していない。従って、Q値の低下を防止し、高いQ値を確保することができる。
さらに、本発明に係る電子部品は、具体的な製品態様に応じて様々な好ましい態様をとることができる。例えば、本発明の電子部品が、積層電子部品である場合、縦導体は、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分の複数が、基体部の厚み方向に連なる構造を有している。
上述したように、縦導体は、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分の複数が、基体部の厚み方向に連なる構造を有している。即ち、縦導体は、導体部分の外周面が、基体部の厚み方法に沿って波状の凹凸を繰り返して伸びる曲面となっており、外周面にはエッジ部分を有しないから、エッジ効果によるQ値の低下を防止し、高いQ値を確保することができる。
上述した本発明に係る電子部品は、その具体的な態様に応じて、以下の第1乃至第4の製造方法により製造することができる。
まず、本発明に係る電子部品の製造方法(第1の製造方法)について、例えば、電子部品が回路基板(または集合基板)である場合、セラミックグリーンシートにビアホールを形成し、ビアホールの内部に金属球状体を充填し、セラミックグリーンシートの一面に対して押し圧を加え、金属球状体を押し潰す工程を含む。
上述した第1の製造方法によると、本発明に係る電子部品の利点を全て有する回路基板(または集合基板)を製造することができる。例えば、金属球状体は、ビアホールの内部において押し圧が加えられ、押し潰された状態で、外周面にエッジ部分を有していないから、エッジ効果によるQ値の低下を防止し、高いQ値を確保することができる。
また、縦導体を形成するために、ビアホールに充填される導電性金属材料は球状体(粒子)であるから、粒径を調節することにより、ビアホールの内部に金属球状体を落とし込むなどして、確実に充填することができる。従って、縦導体の信頼性を向上することができる。
さらに、金属球状体を、ビアホールの内部に落とし込むなどして充填することができるから、吸引式スクリーン印刷法、又は、真空式スクリーン印刷法を用いる必要がなくなる。従って、縦導体の形成工程を、容易、且、安価に行うことができる。
また、金属球状体を用いた縦導体の導体配線は、導電性ペーストを充填した導体配線に比べ、空隙が少なく導体表面も平滑であるため、表皮効果の影響が少なく、高いQ値を確保することができる。特に、高周波帯域の信号を通過させる高周波用の積層セラミック電子部品では、ちょっとした導体表面の粗面部分にも、表皮効果によって電界が集中し、Q値が低下しやすいという特段の事情がある。本発明では、縦導体が金属球状体によって構成されており、導体表面は、金属球状体の曲面によって構成される平滑面となっているから、表皮効果の発生を回避し、高いQ値を確保することができる。
本発明に係る電子部品の製造方法(第2の製造方法)について、例えば電子部品が積層電子部品である場合、上述した第1の製造方法の工程に続いて、さらにセラミックグリーンシートの複数を厚み方向に積層して、積層方向に隣接する金属球状体を互いに面接触させる工程を含む。
上述した第2の製造方法によると、第1の製造方法の利点を全て有するとともに、本発明に係る電子部品の利点を全て有する積層電子部品を製造することができる。即ち、セラミックグリーンシートの複数を厚み方向に積層して、積層方向に隣接する金属球状体を互いに面接触させることにより、複数の金属球状体が、基体部の厚み方向に電気的に結合された縦導体となる。この縦導体は、外周面にエッジ部分を有しないから、エッジ効果によるQ値の低下を防止し、高いQ値を確保することができる。
また、積層方向に隣接する金属球状体は互いに面接触されているから、縦導体の電気的接合に係る信頼性を向上することができる。
しかも、積層方向に隣接する金属球状体のそれぞれについて、面接触する部分以外の部分では、外周面の曲面が維持される。従って、積層方向に隣接する金属球状体が互いに面接触されることにより生じる外周面は、積層方向に凹凸を繰り返す形状となり、仮に接合部分に積層ズレが生じたとしてもエッジの発生が回避され、高いQ値を確保することができる。
本発明に係る第3の製造方法は、複数のセラミックグリーンシートを厚み方向に積層してシート状積層体を構成し、シート状積層体にビアホールを形成し、ビアホールの内部に金属球状体を複数個充填し、シート状積層体の一面に対して積層方向に押し圧を加え、金属球状体を押し潰すとともに、積層方向に隣接する金属球状体を互いに面接触させる工程を含む。即ち、本発明に係る第3の製造方法は、上述した第2の製造方法において、金属球状体の充填工程を、セラミックグリーンシートの積層工程後に行うものである。従って、第2の製造方法の利点を全て有するとともに、本発明に係る電子部品の利点を全て有する積層電子部品を製造することができる。
本発明の電子部品に係る第4の製造方法は、上述した第1乃至第3の製造方法の工程に続いて、さらに焼成工程を含むものである。ここで、本発明の電子部品において、好ましくは基体部が低温同時焼成セラミックスを含み、縦導体がAu、Ag、又は、Cuから選択された少なくとも一種を主成分としている。これらの導体材料は電気抵抗率が低く高周波材料に適しており、積層時の押し圧で容易に変形し、且つ、1000℃以下の比較的低い温度で焼結するため、焼成工程において基体部を、縦導体とともに焼成することが可能となる。従って、電子部品を低コストで製造し、提供することができる
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)Q値の高い電子部品、及び、電子部品の製造方法を提供することができる。
(2)縦導体の信頼性を向上することができる電子部品、及び、電子部品の製造方法を提供することができる。
(3)低コストの電子部品、及び、電子部品の製造方法を提供することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る電子部品の平面図、図2は図1の2−2線に沿った断面図、図3は図2に示した電子部品の一部を拡大して示す断面図である。図1に示す電子部品は、集合基板であって、板面の面内に一点鎖線s1〜s4で示すチップ領域を有している。以下説明の都合上、チップ領域s3に係る電子部品について、図2及び図3を参照して説明する。
図2及び図3に示す電子部品は、基体部10と、縦導体20とを有している。基体部10は、好ましくは、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramics:低温同時焼成セラミックス)である。本実施例において基体部10にLTCC材料を用いることにより、基体部10を1000℃以下の低温で焼成することができる。
基体部10は、ビアホール11を有している。図1に示すビアホール11は、基体部10の一面101及び他面102に開口部を有する貫通構造であって、矢印dで示す基体部10の厚み方向dに伸びる内部空間を有している。ビアホール11は、一面101、又は、他面102の何れかにのみ開口部を有する有底孔(ブラインドビアホール)であってもよい。
縦導体20は、展延性に優れた導電性金属材料を主成分とする略球状の粒子状物(バルク)であって、好ましくは、Au、Ag、又は、Cuから選択された少なくとも一種を主成分としている。
縦導体20は、基体部10の内部を厚み方向dに伸びており、少なくとも外周面200の一部に、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分を含む。具体的に図3を参照すると、縦導体20は、ビアホール11の内部において、基体部10の厚み方向dに伸びており、且、縦導体20の導体部分の外周面200が、厚み方向dに直交する幅方向wに突出する断面円弧状の曲面となっている。縦導体20は、断面楕円形状であって、基体部10の厚み寸法d10の中央部分で最大差し渡し寸法w20となっている。
図1を参照して説明した電子部品の構成によると、縦導体20は、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分を含み、この導体部分によって構成される外周面200にエッジ部分を有していないから、エッジ効果によるQ値の低下を防止し、高いQ値を確保することができる。
図1乃至図3に示した電子部品の利点について、さらに製造方法の観点から説明する。図4乃至図6は、図1乃至図3に示した電子部品の製造方法を示す図である。図4乃至図6において、図1乃至図3に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。また、セラミックグリーンシートは、焼結されて基体部となるものであるから、説明の都合上、セラミックグリーンシートには、基体部と同じ参照符号「10」を付す。
ます、図4に示す工程を参照すると、セラミックグリーンシート10に、予めパンチング加工またはレーザー加工によりビアホール11を形成し、支持台50上において、ビアホール11の内部空間110に、金属球状体21を落とし込むなどして充填する。例えば、レーザー加工により成形したビアホール11は、一面101上に最大径寸法w11を有しており、この最大径寸法w11が厚み方向dに沿って徐々に縮小される孔形状となる。従って、金属球状体21の粒径w21を、好ましくはビアホール11の最大径寸法w11より多少小さく調節することにより、金属球状体21をビアホール11に落とし込んだときに、金属球状体21がビアホール11を通過することなく、ビアホール11内に留まる。
ビアホール11に充填された金属球状体21は、図5に図示するように、その一部が、開口部103から一面101上に露出している。金属球状体21の粒径w21は、セラミックグリーンシート10の厚み寸法d10より多少大きいくらいが好ましい。具体的に図2に示すセラミックグリーンシート10の厚み寸法d10は60μm程度であるのに対し、金属球状体21の粒径w21は80μm程度である。
次に、図5に示すように、支持台50に載置されたセラミックグリーンシート10の一面101に対して、プレス装置60により厚み方向dに押し圧f1を加え、セラミックグリーンシート10を圧縮させるとともに、金属球状体21を押し潰して略扁平状に変形させることにより、金属球状体21をビアホール11の内部空間110に空隙を生じさせることなく、確実に充填する。
図6に示す工程は、図5に示した加圧工程のあとの状態を示す図であって、セラミックグリーンシート10は、厚み寸法d10が50μm程度に圧縮されている。また、ビアホール11に充填されている金属球状体21は、外周面の一部が幅方向wに突出する断面楕円形状となり、セラミックグリーンシート10の厚み寸法d10の中央部分で最大差し渡し寸法w20となる。
図6に示す工程のあと、さらにセラミックグリーンシート10は、その用途に従った工程を経る。例えば、セラミックグリーンシート10が回路基板として用いられる場合には、一面101及び他面102上において、ビアホール11が露出する開口部103の部分に所定の端子電極面を形成し、さらに焼成される。焼成条件は、焼成温度が900℃、焼成時間が60分程度である。この焼成工程により、セラミックグリーンシート10が焼結してセラミックとなり、図1に示した電子部品が得られる。
他方、セラミックグリーンシート10が、積層電子部品の製造中間品たる集合基板である場合には、図1で示した一点鎖線で示すチップ領域s1〜s4に沿って裁断され、このチップ状体が積層されて、焼成されることにより積層電子部品が得られる。
図4乃至図6を参照して説明した製造方法によると、図1を参照して説明した利点を全て有する電子部品を製造することができる。例えば、金属球状体21は、押し潰された状態で、その外周面が曲面となっている。従って、金属球状体21の外周面によって構成される縦導体20の外周面200にはエッジ部分が存在しないから、エッジ効果によるQ値の低下を防止し、高いQ値を確保することができる。
縦導体20を形成するためにビアホール11に充填される導電性金属材料は球状体であるから、粒径w21を調節することにより、ビアホール11に金属球状体21を落とし込むなどして、ビアホール11に充填することができる。特に、金属球状体21は粒径w21の調節が比較的容易であり、導電ペーストやピン状(棒状)金属片を用いた従来技術と比較してビアホール11に充填しやすいから、高周波化による端子電極面の微細化に対応することができる。
また、金属球状体21を、落とし込むなどしてビアホール11に充填することができるから、吸引式スクリーン印刷法、又は、真空式スクリーン印刷法を用いる必要がなくなる。従って、縦導体20の形成工程を、容易、且、安価に行うことができる。特に、ビアホール11が貫通構造ではなく、有底構造(ブラインドビアホール)である場合にも、金属球状体21をビアホール11に落とし込む作業を容易、且、安価に行うことができる。
さらに、ビアホール11の内部空間110に充填された金属球状体21は、押し圧f1を受けて押し潰され、略扁平状に変形させられることにより、内部空間110に確実に固定される。従って、縦導体20の信頼性を向上することができる。金属球状体21は、Au、Ag、又は、Cuなど展延性に優れた金属材料を用いるから、加圧した場合に容易に変形させることができる。
図1で説明したように、基体部10は、好ましくは、LTCC材料を用いて構成されている。従って、縦導体20を構成するための金属球状体21として、Au(融点/1036℃)、Ag(融点/960℃)、又は、Cu(融点/1083℃)などの低融点導電性金属材料を用いたとしても、これらをセラミックグリーンシート10とともに焼成することができる。従って、製造コストを低減することができる。
図7は本発明のもう一つ実施形態に係る電子部品の断面図、図8は図7に示した電子部品の回路構成を示す図である。図7及び図8において、図1乃至図6に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図7に示す電子部品は、周知の誘電体フィルタであって、基体部10と、縦導体20と、内部電極31〜34と、端子電極41、42とを有している。図7に示す電子部品の回路特性について、図8を参照すると、コンデンサC1及びインダクタンスL2の直列接続回路と、インダクタンスL1との並列接続回路を構成している。コンデンサC1は、図7の内部電極31と内部電極32との間に形成される。インダクタL1は内部電極34の有するインダクタンスによるものであり、インダクタL2は内部電極33の有するインダクタンスによるものである。
図7に示す電子部品の具体的構成について、基体部10は、その内部にビアホール(インナービアホール)11を有している。ビアホール11は、基体部10の厚み方向dに伸びている。
縦導体20、22は、ビアホール11の内部に充填されており、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分の複数が、基体部10の厚み方向dに連なる構造を有している。より詳細に説明すると、縦導体20、22のそれぞれは、複数の金属球状体21によって構成されている。図7において、縦導体20、22は素子同士の配線導体であるが、回路構成によっては縦型のインダクタとして利用することもできる。
複数の金属球状体21は、ビアホール11の内部において厚み方向dに沿って積み上げられており、それぞれの外周面が、厚み方向dに直交する幅方向wに突出する断面円弧状の曲面となっている。厚み方向dに隣接する金属球状体21は、互いに面接触する面接触部201を有しており、この面接触部201で相互に電気的に結合されている。
縦導体20、22それぞれは、ビアホール11の内部に積み上げられた金属球状体21により構成されており、導体部分の外周面200が、幅方向wに凹凸を波状に繰り返して基体部10の厚み方向dに連続して伸びている。
図7及び図8を参照して説明した構成によると、図1乃至図6を参照して説明した利点をすべて有する積層電子備品を提供することができる。例えば、縦導体20は、金属球状体21を押し潰した形状を持つ導体部分の複数が、基体部10の厚み方向dに連なる構造を有しているから、導体部分の外周面200にはエッジ部分が存在しない。従って、エッジ効果によるQ値の低下を防止し、高いQ値を確保することができる。
図7及び図8に示した電子部品の利点について、さらに製造方法の観点から説明する。図9乃至図12は、図7及び図8に示した電子部品の製造方法を示す図である。図9乃至図12において、図1乃至図11に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図9に示す工程を参照すると、セラミックグリーンシート10に、予めパンチング加工またはレーザー加工によりビアホール11を形成し、支持台50上において、ビアホール11の内部空間110に、金属球状体21を落とし込むなどして充填する。
図10に示す工程は、図9に示した工程のあとの工程であって、図9に示した工程により得られたセラミックグリーンシート10を所望の枚数だけ厚み方向dに積層し、シート状積層体1を製造する。具体的に、シート状積層体1は、厚み方向dに隣接するビアホール11、及び、ビアホール11内に充填された金属球状体21が厚み方向dに連なるように位置決めし、支持台50上に載置する。さらにシート状積層体1の一面101に対して、プレス装置60により押し圧f1を加え、シート状積層体1を圧縮させるとともに、ビアホール11の内部空間110に充填されている金属球状体21を略扁平状に押し圧変形させる。
図11に示す工程は、図10に示した加圧工程のあとの状態を示す図であって、ビアホール11に充填されている金属球状体21は、外周面が幅方向wに突出する断面楕円形状となり、セラミックグリーンシート10の厚み寸法d10の中央部分で最大差し渡し寸法w20となる。さらに、厚み方向dに隣接する金属球状体21は、互いに面接触する面接触部201を有する。金属球状体21は、ビアホール11の開口部から突出した部分が、開口部の面位置に沿って平坦化される。
図12に示す工程は、図11に示した工程のあとの工程であって、図11に示した工程により得られたシート状積層体1は、端子電極41、42などこの種の積層セラミック電子部品に必要な構成を付加して、さらに焼成工程を経ることにより、図12に示したセラミック焼結体が得られる。図12に示した状態では、積層されたセラミックグリーンシート10が一体的なセラミック焼結体となっており、複数の金属球状体21が、厚み方向dに面接触して伸びる縦導体20、22として機能している。
図9乃至図12を参照して説明した製造方法によると、図1乃至図8を参照して説明した電子部品、及び、その製造方法の利点を全て有する積層電子部品を製造することができる。例えば、セラミックグリーンシート10の複数を厚み方向dに積層して、厚み方向dに隣接する金属球状体21を互いに面接触させることにより、複数の金属球状体21が、基体部10の厚み方向dに電気的に結合された縦導体20となる。この縦導体20は、導体部分の外周面200にエッジ部分を有しないから、エッジ効果によるQ値の低下を防止し、高いQ値を確保することができる。
また、厚み方向dに隣接する金属球状体21は互いに面接触する面接触部201を有しているから、縦導体20の電気的接合に係る信頼性を向上することができる。
しかも、厚み方向dに隣接する金属球状体21のそれぞれについて、面接触部201以外の部分では、外周面の曲面形状が維持される。従って、厚み方向dに隣接する金属球状体21が互いに面接触されることにより生じる導体部分の外周面200は、厚み方向dに波状の凹凸を繰り返す形状となり、仮に接合部分に積層ズレが生じたとしても、エッジの発生が回避されるから、エッジ効果によるQ値の低下を防止することができる。
金属球状体21は、Au、Ag、又は、Cuなど展延性に優れた金属材料を用いるから、加圧した場合に厚み方向dに隣接する金属球状体21を相互に密着変形させ、面接触部201を広く確保することができる。
図13乃至図15は、本発明に係る電子部品のもう一つの製造方法を示す図である。図13乃至図15において、図1乃至図12に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図13に示す工程を参照すると、セラミックグリーンシート10に、予めパンチング加工またはレーザー加工によりビアホール11を形成し、さらに支持台50上において、複数のセラミックグリーンシート10を所望の枚数だけ厚み方向dに積層し、シート状積層体1を製造する。具体的に、シート状積層体1は、厚み方向dに隣接するビアホール11が厚み方向dに連なるように位置決めし、支持台50上に載置する。
図14に示す工程は、図13に示した工程のあとの工程であって、ビアホール11の内部に、複数の金属球状体21を落とし込むなどして充填する。例えば、パンチング加工により成形したビアホール11は、基体部10の厚み方向dに沿って同一の径寸法w11で伸びるから、好ましくは金属球状体21の粒径w21を予め径寸法w11より多少小さく調節することにより、金属球状体21を一面101の開口部103から落とし込んだときに、金属球状体21がビアホール11の内部空間110を円滑に落下し、ビアホール11に積層充填される。
金属球状体21の粒径w21は、セラミックグリーンシート10の厚み寸法d10より多少大きいくらいが好ましい。具体的に図14に示すセラミックグリーンシート10の厚み寸法d10は100μm程度であるのに対し、金属球状体21の粒径w21は、130μm程度であり、充填完了した状態で、ビアホール11の開口部103から、一部が露出している。
さらにシート状積層体1の一面101に対して、プレス装置60により押し圧f1を加え、セラミックグリーンシート10を圧縮し、及び、ビアホール11の内部空間110に充填されている金属球状体21を押し潰して断面楕円状に変形させるとともに、厚み方向dに隣接する金属球状体21を相互に変形させて、面接触部201を形成させる。
図15に示す工程は、図14に示した加圧工程のあとの状態を示す図であって、シート状積層体1は、各セラミックグリーンシート10の厚み寸法d10が80μm程度に圧縮されている。また、ビアホール11に充填されている金属球状体21は押し潰されたことにより、外周面の一部が幅方向wに突出する断面楕円形状となり、セラミックグリーンシート10の厚み寸法d10の中央部分で最大差し渡し寸法w20となる。さらに、厚み方向dに隣接する金属球状体21は、互いに面接触する面接触部201を有する。金属球状体21は、ビアホール11の開口部から突出した部分が、開口部の面位置に沿って平坦化される。
図15に示したシート状積層体1は、端子電極40などこの種の積層セラミック電子部品に必要な構成を付加して、さらに焼成工程を経ることにより、例えば、図12に示したセラミック焼結体が得られる。
上述したように、図13乃至図15に示す製造方法は、図9乃至図12を参照して説明した製造方法において、金属球状体21の充填工程を、セラミックグリーンシート10の積層工程後に行うものであって、図9乃至図12の製造方法の利点を全て有するとともに、図1乃至図5を参照して説明した利点を全て有することができる。例えば、縦導体20を形成するために、ビアホール11に充填される金属球状体21の粒径w21を調節することにより、ビアホール11の内部に金属球状体21を円滑に落とし込むなどして、確実に充填することができる。従って、縦導体20の信頼性を向上することができる。特に、本発明の一実施形態に係る方法は、ビアホール11が貫通構造ではなく、有底構造である場合にも、金属球状体21をビアホール11に落とし込むことができるから、製造コストを低減することができる。
図16は、本発明の更にもう一つ実施形態に係る電子部品の断面図である。図16において、図1乃至図15に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図16に示した電子部品は、縦導体20の一部にのみ、略球状の粒子状物を押し潰した形状が厚み方向dに連なる部分を有している点、及び、縦導体20が狭ピッチ化しており、幅方向wに拡張された楕円形状となっている点に特徴がある。
図16に示した電子部品の構造によると、図1乃至図15を参照して説明した電子部品の利点を全て有し、さらに縦導体20のバリエーションを確保し、具体的な需要に追従した電子部品を提供することができる。
さらに多種多様な積層電子部品において、特にエッジ効果によるQ値の低下を防止すべき場所においてのみ、本発明に係る構成を付与することができる。
また、縦導体20を構成するために用いられる金属球状体21は展延性に優れたAu、Ag、又は、Cuを主成分としているから、セラミックグリーンシート積層領域s5でみた縦導体20が狭ピッチ化した場合の製造条件(特に、加圧条件)に追従して、容易に変形することができる。
図17は本発明の更にもう一つ実施形態に係る電子部品の断面図、図18は図17に示した電子部品の一部を拡大して示す断面図である。図17及び図18において、図1乃至図16に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図17及び図18に示す電子部品の実施形態において、縦導体20、22は、複数の金属球状体21によって構成されている。より詳細に説明すると、複数の金属球状体21は、ビアホール11の内部に千鳥状に配置されており、一点鎖線で示す縦導体20の中心軸a1が、幅方向wに軸ズレを繰り返す折れ線状となっている。なお、図18において、中心軸a1は、金属球状体21の中心点を厚み方向dに結んだ線として表現されている。また金属球状体21は、ビアホール11の径寸法w11、及び、セラミックグリーンシート10の厚み寸法d10より小さい粒径w21のものを用いることにより、ビアホール11の内部で意図的に積層ズレ量g1を有する状態で充填されている。積層ズレg1の基準は、厚み方向dに隣接する2つの金属球状体21において、幅方向wでみた一方の外周面の円弧状の頂点と、他方の外周面の円弧状の頂点との高低差である。
複数の金属球状体21は、ビアホール11の内部において、厚み方向dに隣接する金属球状体21に対して、相互に面接触する面接触部201を有しており、金属球状体21の外周面によって構成される導体部分の外周面200が幅方向wに凹凸を繰り返している。
図17及び図18に示した構成によると、例えば、図13乃至図15を参照して説明した電子部品の製造方法において、ビアホール11の径寸法(w11)より小さい粒径(w21)の金属球状体21を用いることにより製造することができるから、ビアホール11に対する金属球状体21の充填作業の効率が向上する。
また、図17及び図18に示した構成によると、縦導体20を構成する金属球状体21の数が増えることにより、隣接する金属球状体21の面接触部201が増えるから、縦導体20の電気的結合に係る信頼性を向上することができる。
さらに、縦導体20は、導体部分の外周面200が幅方向wに凹凸を繰り返しており、導体部分の外周面200にエッジ部分を有しないから、エッジ効果によるQ値の低下を防止することができる。
本発明の一実施形態に係る電子部品において、縦導体20がビアホール11の内部に千鳥状に配置されており、縦導体20の中心軸a1が積層ズレg1を繰り返している構成においても、Q値の低下を防止しうる点について、図19に示した従来技術に係る電子部品の構造と対比して、図20及び図21を参照して説明する。図20及び図21は、積層ズレに対するQ値の変化を示すグラフである。
図19に示した従来技術に係る電子部品は、縦導体20が円柱状の導電性金属導体を厚み方向dに積み重ねて構成されている以外は、本発明に係る電子部品と共通する基本的構成を有している。
まず、図20を参照すると、本発明に係る電子部品(図18参照)では、積層ズレ量g1が0μm〜10μmまでの間では、Q値が83から79程度まで低下し、積層ズレ量gが10μmより広くなる領域において、10μm〜30μmまでの間では、顕著なQ値の低下はみられなかった。
これに対し、従来技術に係る電子部品(図19参照)では、積層ズレ量g1が0μm〜30μmまで拡大されるのに比例して、Q値が96から74.6程度まで同じ割合で低下し続ける。そして、積層ズレ量g1が26μmの点を境として、従来技術に係る電子部品におけるQ値の低下率と、本発明に係る電子部品におけるQ値の低下率とが逆転し、さらに、従来技術に係る電子部品では積層ズレ量g1の増加に従って、Q値の低下が進行し続けることが確認された。
従って、図20に示された実験結果によると、本発明に係る電子部品の構成が、従来技術に係る電子部品と比較して、Q値の低下防止について安定した効果を発揮しうることが分かる。
さらに、図20を参照して説明したQ値の低下を防止する効果は、金属球状体21の粒径が小さくなるに従って、向上する。図21を参照すると、本発明に係る電子部品(図18参照)では、金属球状体21の粒径が40μmである場合(球状体aの場合)、顕著なQ値の低下はみられなかった。
また、縦導体20を構成する金属球状体21の粒径が80μmである場合(球状体bの場合)、積層ズレが0μm〜50μmまでの間で、Q値が80から60程度まで低下する。
これに対し、従来技術に係る電子部品(図19参照)では、積層ズレが0μm〜50μmまでの間で、Q値が100から65程度まで低下する。従って、図21に示された実験結果によると、本発明に係る電子部品の構成が、従来技術に係る電子部品と比較して、Q値の低下防止について安定した効果を発揮しうることが分かる。
図22は本発明の更にもう一つ実施形態に係る電子部品の断面図、図23は図22に示した電子部品の一部を拡大して示す断面図である。図22及び図23において、図1乃至図21に示した構成部分と同一の構成部分には、同一の参照符号を付す。
図21及び図22に示す電子部品の実施形態は、図18及び図19に示した電子部品の実施形態において、厚み方向dに隣接する金属球状体21の充填間隔を狭ピッチ化した構造を有している。図21及び図22に示した構成によると、厚み方向dに隣接する金属球状体21の接触面積を広く確保することができるから、電気的結合に係る信頼性を向上することができる。
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
本発明の一実施形態に係る電子部品の平面図である。 図1の2−2線に沿った断面図である。 図2に示した電子部品の一部を拡大して示す断面図である。 図1乃至図3に示した電子部品の製造方法を示す図である。 図4に示した工程のあとの工程を示す図である。 図5に示した工程のあとの状態を示す図。 本発明のもう一つ実施形態に係る電子部品の断面図である。 図7に示した電子部品の回路構成を示す図である。 図7及び図8に示した電子部品の製造方法を示す図である。 図9に示した工程のあとの工程を示す図である。 図10に示した工程のあとの工程を示す図である。 図11に示した工程のあとの工程を示す図である。 図7及び図8に示した電子部品についてもう一つの製造方法を示す図である。 図13に示した工程のあとの工程を示す図である。 図14に示した工程のあとの工程を示す図である。 本発明の更にもう一つ実施形態に係る電子部品の断面図である。 本発明の更にもう一つ実施形態に係る電子部品の断面図である。 図17に示した電子部品の一部を拡大して示す断面図である。 従来技術に係る電子部品の断面図である。 積層ズレに対するQ値の変化を示すグラフである。 積層ズレに対するQ値の変化を示すグラフである。 本発明の更にもう一つ実施形態に係る電子部品の断面図である。 図22に示した電子部品の一部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
1 シート状積層体
10 基体部(セラミックグリーンシート)
101、102 一面、他面
11 ビアホール
20、22 縦導体
201 面接触部分
21 金属球状体
a1 縦導体の中心軸
d 厚み方向
d10 基体部の厚み寸法
w20 縦導体の最大差し渡し寸法
f1 押し圧

Claims (7)

  1. 基体部と、縦導体とを有する電子部品の製造方法であって、
    前記縦導体は、前記基体部の内部を厚み方向に伸びており、少なくとも一部に、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分を含み、
    さらに、前記基体部は、前記縦導体を構成する金属材料の融点よりも低い温度で焼成可能な低温同時焼成セラミックスで構成されており、
    前記電子部品の製造方法は、
    セラミックグリーンシートの一面にビアホールを形成し、
    前記ビアホールの内部に金属球状体を充填し、
    前記セラミックグリーンシートの一面に対して押し圧を加え、前記金属球状体を押し潰し、
    前記金属球状体とともに前記セラミックグリーンシートを同時に焼成する、
    工程を含む製造方法。
  2. 基体部と、縦導体とを有する電子部品の製造方法であって、
    前記縦導体は、前記基体部の内部を厚み方向に伸びており、少なくとも一部に、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分を含み、
    さらに、前記基体部は、前記縦導体を構成する金属材料の融点よりも低い温度で焼成可能な低温同時焼成セラミックスで構成されており、
    前記電子部品の製造方法は、
    セラミックグリーンシートの一面にビアホールを形成し、
    前記ビアホールの内部に金属球状体を充填し、
    前記セラミックグリーンシートの一面に対して押し圧を加え、前記金属球状体を押し潰し、
    前記セラミックグリーンシートの複数を厚み方向に積層して、積層方向に隣接する前記金属球状体を互いに面接触させ、
    前記金属球状体とともに前記セラミックグリーンシートを同時に焼成する、
    工程を含む製造方法。
  3. 基体部と、縦導体とを有する電子部品の製造方法であって、
    前記縦導体は、前記基体部の内部を厚み方向に伸びており、少なくとも一部に、球状体を押し潰した形状を持つ導体部分を含み、
    さらに、前記基体部は、前記縦導体を構成する金属材料の融点よりも低い温度で焼成可能な低温同時焼成セラミックスで構成されており、
    前記電子部品の製造方法は、
    複数のセラミックグリーンシートを厚み方向に積層してシート状積層体を構成し、
    前記シート状積層体にビアホールを形成し、ビアホールの内部に金属球状体を複数個充填し、
    前記シート状積層体の一面に対して積層方向に押し圧を加え、前記金属球状体を押し潰すとともに、前記積層方向に隣接する前記金属球状体を互いに面接触させ、
    前記金属球状体とともに前記シート状積層体を同時に焼成する、
    工程を含む製造方法。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載された電子部品の製造方法であって、
    前記押し潰された金属球状体は、前記基体部の厚み寸法の中央部において、最大差し渡し寸法を有する、
    製造方法。
  5. 請求項1乃至の何れかに記載された電子部品の製造方法であって、
    前記金属球状体は、Au、Ag、又は、Cuから選択された少なくとも一種を主成分としている、
    工程を含む製造方法。
  6. 請求項1乃至の何れかに記載された電子部品の製造方法であって、
    前記金属球状体は、複数であり、前記基体部の前記厚み方向に連なる、
    工程を含む製造方法。
  7. 請求項に記載された電子部品の製造方法であって、
    前記金属球状体は、その中心軸が、前記基体部の前記厚み方向に直交する方向に軸ずれを繰り返している、
    工程を含む製造方法。
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