以下に、本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。図1に示すように、本実施例のパチンコ機10は、大きくは長方形の外枠11と前面枠12とからなり、外枠11の左隣に公知のプリペイドカードユニット13が設けられている。前面枠12は、左端上下のヒンジ14により外枠11に対し回動可能に取り付けられている。前面枠12の下方には上皿15が設けられ、この上皿15に貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18が設けられている。プリペイドカードユニット13のカード口19にプリペイドカードを挿入すると、記憶された残高が残高表示部18に表示され、貸出釦16を押下すると遊技球の貸出しが実行され上皿15の払い出し口より遊技球が排出される。
前面枠12には、窓状の金枠20が前面枠12に対して解放可能に取り付けられている。この金枠20には板ガラス21が二重にはめ込まれている。板ガラス21の奥には遊技盤22が収納されている。上皿15の前面枠12下部には、下皿23が設けられ、下皿23の右側には発射ハンドル24が取り付けられている。この発射ハンドル24の外周には、図示しない回動リングが擁され、時計方向に回動すれば遊技球を遊技盤22上に発射することができる。上皿15と下皿23とは連結されていて、上皿15が遊技球で満杯状態になれば下皿23に遊技球を誘導するよう構成されている。
図2はパチンコ機10を裏側から見た裏面図である。図示するように、前述した遊技盤22を脱着可能に取り付ける機構盤26が前述した外枠11に収納されている。この機構盤26には、上方から、球タンク27、誘導樋28及び払出し装置29が設けられている。この構成により、遊技盤22上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク27から誘導樋28を介して所定個数の遊技球を払出し装置29により前述した上皿15に排出することができる。また、機構盤26には主制御基板30及び賞球制御基板31が脱着可能に、遊技盤22には特別図柄表示装置32が、前面枠左下部には発射制御基板33が、特別図柄表示装置32の左側に外部接続端子基板50が、各々取り付けられている。尚、機構盤26を中心とした遊技球の払い出し等に関する構造は従来の構成と同様なのでその詳細な説明は割愛する。
次に図3を用いて遊技盤22について説明する。図3に示すように遊技盤22には、中央に特別図柄表示装置32を構成するLCDパネルユニット(以下、「LCD」という。)32a、その下部に第1種始動口としての普通電動役物36、LCD32a上部の普通図柄表示装置37、普通図柄表示装置37に表示される図柄の変動開始に用いられるLCD32aの左右の普通図柄作動ゲート38及び39、普通電動役物36下部の大入賞口40、盤面最下部のアウト口41、その他の各種入賞口、風車及び図示しない遊技釘等が備えられている。この構成により、前述した発射ハンドル24を回動すれば発射制御基板33により駆動される発射モータ33a(図4参照)が駆動されて上皿15上の遊技球がガイドレールを介して遊技盤22上に発射される。発射された遊技球が各入賞口に入賞すれば遊技球は盤面裏面にセーフ球として取り込まれ、入賞しなければアウト口41を介してアウト球として同様に盤面裏面に取り込まれる。
続いて前述したパチンコ機10の電気的構成を図4のブロック図を用いて説明する。パチンコ機10の電気回路は、図示するように、前述した主制御基板30、賞球制御基板31、特別図柄表示装置32、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35等から構成されている。尚、この回路図には、信号の受け渡しを行うために所謂中継基板及び電源回路等は記載していない。
主制御基板30は、遊技制御プログラムを記憶したROM及び演算等の作業領域として働くRAMを内蔵した8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成され、この他各基板又は各種スイッチ類及び各種アクチュエータ類との入出力を行うための外部入出力回路も設けられている。主制御基板30の入力側には、第1種始動口スイッチ36a、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、役物連続作動スイッチ(以下、単に「Vスイッチ」と呼ぶ)40a、(テン)カウントスイッチ40b、賞球払い出しスイッチ29a、満タンスイッチ43、補給スイッチ44、タッチスイッチ24a等が接続されている。また、出力側には、大入賞口ソレノイド40c、Vソレノイド40d、普通役物ソレノイド36b及び外部接続端子基板50等が接続されている。
第1種始動口スイッチ36aは前述した遊技盤22上の普通電動役物36内、普通図柄作動スイッチ38a及び39aは各々普通図柄作動ゲート38及び39内、Vスイッチ40aは大入賞口40内の特定領域内、同じくカウントスイッチ40bは大入賞口40内、賞球払い出しスイッチ29aは払出し装置29内の玉切モータ29bの下方、満タンスイッチ43は下皿23内、補給スイッチ44は球タンク27内、に各々取り付けられている。ここで、Vスイッチ40aは大入賞口40内に入賞した遊技球が特別装置作動領域(以下、「特別領域」という。)を通過したことを、カウントスイッチ40bは大入賞口40内に入賞する全ての遊技球を、賞球払い出しスイッチ29aは玉切モータ29bにより上皿15に排出される遊技球を、満タンスイッチ43は下皿23内に遊技球が満タン状態になったことを、補給スイッチ44は球タンク27内に遊技球が存在することを、タッチスイッチ24aは発射ハンドル24に内蔵され遊技者が発射ハンドル24に触れていることを、各々検出するためのものである。また、出力側に接続された大入賞口ソレノイド40cは大入賞口40、Vソレノイド40dは大入賞口40内の特別領域、普通役物ソレノイド36bは普通電動役物36の開閉に各々使用されるものである。
特別図柄表示装置32は、前述したLCD32aと、このLCD32aを駆動制御する図柄表示装置制御基板(以下、単に「図柄制御基板」(「画像制御基板」ともいう。)という。)32b及びバックライト及びインバータ基板等の付属ユニット32cから構成されている。図柄制御基板32bは、前述した主制御基板30と同様8ビットワンチップマイコンを中心とした論理演算回路として構成されている。
賞球制御基板31は、主制御基板30からの指令コマンドに従って玉切モータ29bを駆動制御して入賞があった場合に遊技者に賞球としての遊技球を払い出すと共に、前述したプリペイドカードユニット13及びCR精算表示基板42等も制御するものであり、マイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成しても良いし、ディスクリートな回路として構成しても良い。CR精算表示基板42は、前述した上皿15の貸出釦16、精算釦17及び残高表示部18等から構成されている。賞球制御基板31は主制御基板30からの指令に従って遊技球を払い出すが、入賞に対応した遊技球が払い出されているか否かの検知は主制御基板30で行われる。
発射制御基板33は、遊技者が操作する発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aを駆動制御するものであり、その他遊技者が発射停止スイッチ24bを押下したとき発射を停止させたり、発射ハンドル24に内蔵された前記タッチスイッチ24aがオン状態のときタッチランプ45を点灯させるためのものである。
ランプ制御基板34は主としてトランジスタ等の駆動素子から構成されており、主制御基板30からの指令を受けて普通図柄表示装置37、大当りランプやエラーランプ等のランプ類及びLED等の各種ランプ類を点灯表示させるためのものである。
音制御基板35は音源IC及びアンプ等から構成されており、主制御基板30の指令を受けてスピーカ46を駆動制御するためのものである。
前述した特別図柄表示装置32、賞球制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34及び音制御基板35への送信は、主制御基板30からのみ送信することができるよう一方向通信の回路として構成されている。
以上説明した回路構成を有するパチンコ機10の主制御基板30内の8ビットワンチップマイコン(以下、単に「マイコン」と呼ぶ。)が実行する処理を図5に示すフローチャートに従って説明することにする。図5に示されるフローチャートは、主制御基板30のマイコンにより実行されるメイン処理を表したものであり、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される処理である。本実施例では、ステップS10〜S60までの各処理は割り込み処理において1回だけ実行される処理であって「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるステップS65及びS70の処理を「残余処理」と称する。
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(ステップS10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。通常でない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時には、RAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。通常でないと判断されると、前記メモリの所定領域に所定値を書き込む、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み、即ち初期設定が為される(ステップS15)。
通常との肯定判断が為されると、まず初期乱数更新処理が実行される(ステップS20)。この処理は、図6に示すように、初期乱数の値をこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「249」のときには次回の処理で初期値である「0」に戻り、「0」〜「249」までの250個の整数を繰り返し昇順に作成する。ステップS20に続く当否乱数更新処理(ステップS25)は、初期乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であるが、図7に示すように、最大値である「249」に至ると次回の処理では、そのときの前記初期乱数の値を初期値(以下、「更新初期値」という。)とし、更に割り込み毎に+1する処理を続行して更新初期値より「1」少ない値(以下、「更新最大値」という。)に至れば次回の処理では、更にそのときの初期乱数の値を初期値とし「0」〜「249」までの250個の整数値を繰り返し作成する。
即ち、割り込み処理毎に+1し、乱数を構成する要素を「0」〜「249」までの整数値とすることは前記初期乱数と何等変わることはないが、今回の更新最大値に至れば次回の割り込み処理ではそのときの更新初期値を初期値とし更新最大値に至るまで割り込み毎に+1し、更に次回の更新初期値を初期値とする構成である。これにより、当否乱数は、乱数を構成する要素を「0」〜「249」までの250個の整数値とし、割り込み処理毎に+1するが、更新最大値に至れば、次回の割り込み処理ではそのときの初期乱数により決定される値に変更されるので、当否乱数の値を予測不可能にすることができる。また、更新初期値と更新最大値とにより決定される乱数の構成要素は従来の当否乱数と同じ「0」〜「249」の250個の整数値と何等変わることがないので乱数を構成する要素の出現率を均一にしている。
大当り図柄乱数更新処理(ステップS30)は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。15個の各乱数値「0」〜「14」は、画面上に表示される3桁同一の「111」、「222」、「333」、「444」、「555」、「666」、「777」、「888」、「999」、[AAA」、「BBB」、「CCC」、「DDD」、「EEE」、「FFF」に各々対応する。外れ図柄乱数更新処理(ステップS35)は、左図柄用乱数、中図柄用乱数及び右図柄用乱数から構成され、大当りでないときの外れ図柄として使用される。左図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。中図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、左図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎で+1され最大値を超えると「0」に戻る。右図柄用乱数は、「0」〜「14」の15個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、中図柄用乱数が「0」に戻るときに本処理毎に+1され最大値を超えると「0」に戻る。普通図柄乱数更新処理(ステップS40)は、「0」〜「6」の7個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理で+1され最大値を超えると初期値である「0」に戻る。
前述した各乱数更新処理(ステップS20〜S40)により、初期乱数、当否乱数、大当り図柄乱数、外れ図柄乱数及び普通図柄乱数が各々更新されるが、続く処理(ステップS45)ではパチンコ機10に設けられ主制御基板30に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。本実施例では、前述した満タンスイッチ43、補給スイッチ44、タッチスイッチ24a、第1種始動口スイッチ36a、Vスイッチ40a、カウントスイッチ40b、普通図柄作動スイッチ38a及び39a、その他の入賞口に設けられた図示しない各入賞検知スイッチ、等の各スイッチの作動状況をチェックする処理が実行される。この入力処理により第1種始動口スイッチ36aに入力がある場合には、始動口としての普通電動役物36に遊技球が入賞したときであり、この割り込み処理時の前記当否乱数の値が抽出され当否判定値と比較される。
本実施例のパチンコ機10は、確率変動機として構成され、通常確率時では当否判定値は「1」であり、高確率時には「1」、「3」、「5」、「7」、「9」である。前述したように当否乱数を構成する「0」〜「249」の250個の各整数値の出現率は均一であり、遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞するタイミングで抽出される当否乱数の値は、前記ハード割り込みの微小時間である2msと比較すれば入賞タイミングを微小時間単位で調節できないことから無作為に抽出された値となり、当否乱数は完全なる乱数として機能する。従って、抽出された当否乱数の値が当否判定値と一致して大当りとなる確率は、通常確率時には1/250であり、高確率時には1/50(=5/250)となる。この大当りを発生させる確率が低確率状態から高確率状態に移行するのは、本実施例では、大当り発生時の割り込み処理における前述した大当り図柄乱数の値が、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」、「11」及び「13」(以下、「高確率乱数値」という。)の場合であり、大当りが発生するときの7/15の確率で高確率に移行する。そして、高確率中において、再び大当りを発生させたときの大当り図柄乱数の値が高確率乱数値であれば更に高確率状態が継続する。即ち、1度高確率状態になる毎に7/15の確率で高確率が継続する可能性を有することになる。続いて、大当りか否かを判定する当否判定処理(ステップS50)を行う。この当否判定処理(ステップS50)が終了すると、続いて画像出力処理(ステップS55)が実行される。この画像出力処理については後に詳述する。
続く各出力処理(ステップS60)は、遊技の進行に応じて主制御基板30は、特別図柄表示装置32、賞球制御基板31、発射制御基板33、ランプ制御基板34、音制御基板35、大入賞口ソレノイド40c等の各種ソレノイドに対して各々出力処理を実行する。即ち、前記各入力処理(ステップS45)により遊技盤面22上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく賞球制御基板31に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータを音制御基板35に出力する処理を、パチンコ機10に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく図柄制御基板32bにエラー信号を出力する処理を、更には、大当り発生時には大当り処理を、各々実行する。
前述した本処理に続く残余処理は、外れ図柄乱数更新処理(ステップS65)及び初期乱数更新処理(ステップS70)から構成されるが、各々前述したステップS20及びステップS35と全く同じ処理である。この2つの処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したステップS10〜S60までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、図5に示された割り込み処理が1回実行されることにより外れ図柄乱数及び初期乱数の更新される(加算される)値も一律ではなくなる。これにより、初期乱数及び外れ図柄乱数が当否乱数と同期する可能性はなくなる。尚、本実施例においては、当否乱数の更新は初期乱数の値により変更される構成なので同期の虞は全くない。また、前述した普通図柄乱数更新処理(ステップS40)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
図12に示すリーチ予告制御ルーチン及び図15に示す大当り予告制御ルーチンは、本実施形態の特徴的な構成を示すものであり、予め設定されたタイミングによるハード割り込みにより、パチンコ機10の稼動中を通じて繰り返し実行される。
先ず、図12のリーチ予告制御ルーチンでは、特別図柄が変動中か否かを判定し(ステップS100)、肯定判断(YES)ならリーチ表示をするか否かを判定し(ステップS110)、否定判断(NO)ならリターンに抜ける。ステップS110で肯定判断(YES)されると、遊技者の注目度の高い色彩を表示する確率を高く設定し(ここでは6/10)、否定判断(NO)なら遊技者の注目度の高い色彩を表示する確率を低く設定し(ここでは1/10)、リターンに抜ける。該確率は所望の値に設定が可能である。
次に、図15の大当り予告制御ルーチンでは、特別図柄が変動中か否かを判定し(ステップS200)、肯定判断(YES)なら大当り表示をするか否かを判定し(ステップS210)、否定判断(NO)ならリターンに抜ける。ステップS210で肯定判断(YES)されると、遊技者の注目度の高い色彩を表示する確率を高く設定し(ここでは6/10)、否定判断(NO)なら遊技者の注目度の高い色彩を表示する確率を低く設定し(ここでは1/10)、リターンに抜ける。該確率は所望の値に設定が可能である。
前述した各処理を実行することにより、パチンコ機10は次のような動作を実行する。遊技者により操作される発射ハンドル24の回動量に応じて発射モータ33aにより遊技球が遊技盤22上に発射され、発射された遊技球が第1種始動口としての普通電動役物36に入賞すれば第1種始動口スイッチ36aにより検出され、特別図柄表示装置32のLCD32a画面上の特別図柄表示領域50a〜50c(図8参照)に特別図柄を所定時間変動表示した後に静止表示するよう働く。この静止表示した特別図柄が予め定められた特定図柄、例えば「777」等の3桁同一図柄を表示すると大当り状態として遊技者に有利なゲーム内容を提供する。大当り状態となるか否かは、遊技球が第1種始動口スイッチ36aにより検出されたとき抽出される当否決定乱数の値が所定値であるか否かにより決定される。
大当り状態となると、大入賞口40が約30秒間又は遊技球が10個入賞したことがカウントスイッチ40bにより検出されるまでいずれか早く経過する時まで開放され、このとき大入賞口40内に入賞した遊技球が特別領域を通過したことがVスイッチ40aにより検出されると一旦大入賞口40が閉鎖された後に再び開放され、この開放動作を最大16回繰り返す。通常、遊技球1個の入賞に対して15個の遊技球が賞球として払い出すよう構成しているので、1回の大当り状態が発生すると、約2400(=15×10×16)個の遊技球を賞球として獲得することができる。この賞球排出動作は、賞球制御基板31が実行する。尚、大入賞口40の特別領域を開閉するVソレノイド40dは、特別領域に遊技球が1個通過すると特別領域を閉鎖するためのものである。遊技中において前述したランプ制御基板34及び音制御基板35が実行する制御は従来と同様な構成であり、その説明は割愛することにする。
ここで、前述した画像出力処理(ステップS55)を、図9を用いて詳細に説明する。図9に示すコマンドコードは、主制御基板30から特別図柄表示装置32の図柄制御基板32bに送信されるコードである。図9に示すように、本実施例の主制御基板30と図柄制御基板32bとの送信コマンドコードは、1.電源投入時、2.客待ちデモ、3.図柄変動中、4.大当り開始時、5.大当り中、6.大当り終了時、7.動作異常時、の7種類に大別できる。
1.電源投入時
電源投入時のコマンドは、パチンコ機10に電源が投入されたとき主制御基板30から図柄制御基板32bに送信されるコマンドコードであり、10H及び01Hの2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書き込まれた制御プログラムに従ってLCD32aの画面上に電源投入時のデモ画面を表示する。
2.客待ちデモ
客待ちデモのコマンドは、前記電源投入時のデモ画面が終了した後、又は遊技者が所定時間(通常約3分間)発射ハンドル24に触れていないと判断されたときに送信されるコマンドであり、20H及び01Hの2バイト命令で構成されている。図柄制御基板32bがこのコマンドを受信するとROMに書込まれた制御プログラムに従ってLCD32aの画面上に客待ちのデモ画面を表示する。例えば、図8に示す特別図柄表示領域50a〜50c上に変動表示される特別図柄の変動パターンを全て順番に表示する。また、保留記憶表示部51a〜51d(図8参照)を順次点灯表示する。このとき、背景画面52(図8参照)上には各々の変動パターンに対応した背景画像及びキャラクタが表示される。この客待ちデモ画面は遊技客が発射ハンドル24を操作するまで全ての変動パターンを順番に表示して一巡した後繰り返し表示する。尚、遊技者が発射ハンドル24に触れているか否かはタッチスイッチ24aの入力により検知することができる。本実施例では、タッチスイッチ24aの入力を主制御基板30に入力する構成としたので、主制御基板30と発射制御基板33との通信を主制御基板30からの一方向通信としながらも前記検知が可能なのである。もちろん、主制御基板30からタッチスイッチ24aのオンオフ情報は発射制御基板33に送信される。このタッチスイッチ24aの入力を発射制御基板33に入力する構成とし、いずれかの又は全ての入賞口に所定時間入賞がないこと、又は遊技盤22面のアウト口41にスイッチを設けてこのスイッチが所定時間オンしないことにより遊技者が遊技を実行していないことを判断する構成としても良い。
3.図柄変動中
図柄変動中コマンドは、特別図柄変動時に送信されるコマンドであり、図9に示すように(1)変動タイムコード、(2)左静止図柄指定コード、(3)中静止図柄指定コード、(4)右静止図柄指定コード、の4種類のコマンドコード(以下、この4つのコマンドコードを総称して「画像表示コマンド」ということもある。)に分類される。
(1)変動タイムコード
変動タイムコードは、動作番号として30Hの1バイト命令と識別番号として01Hから1EHの30種類の1バイト命令とから30種類の2バイト命令として構成されている。30種類の1バイト命令は、1秒単位の5秒〜35秒の30種類の時間を表している。
(2)左静止図柄指定コード
左静止図柄指定コードは、31Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号が01Hのときは左静止図柄として「0」、02Hのときは「1」、03Hのときは「2」、04Hのときは「3」、05Hのときは「4」、06Hのときは「5」、07Hのときは「6」、08Hのときは「7」、09Hのときは「8」、0AHのときは「9」、0BHのときは「A」、0CHのときは「B」、0DHのときは「C」、0EHのときは「D」、0FHのときは「E」の文字を特別図柄として特別図柄表示領域50aに表示させるためのものである。
(3)中静止図柄指定コード
中静止図柄指定コードは、32Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左静止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域50bに表示させるためのものである。
(4)右静止図柄指定コード
右静止図柄指定コードは、33Hの動作番号と01H〜0FHの15種類の識別番号とからなる命令コードであり、識別番号は前記左静止図柄指定コードの識別番号と同じ意味をもち、各々で指定される文字を特別図柄として特別図柄表示領域50cに表示させるためのものである。この変動タイムコード、左、中及び右静止図柄指定コードは、遊技盤22上に発射された遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞したとき2バイトづつほぼ同時に送信されるコマンドコードであり、その内容は次のようにして決定される。
前述したように、遊技球が普通電動役物36に入賞すると、そのときの当否乱数の値、大当り図柄乱数の値、外れ図柄乱数の値、普通図柄乱数の値が各々抽出される。抽出された当否乱数値は、通常確率時には当否判定値「1」と比較し、高確率時には当否判定値「1」、「3」、「5」、「7」、「9」及び「11」と比較し一致すれば大当りが発生、一致しなければ外れとなる。一致して大当り発生時には、抽出された大当り図柄乱数値に+1して、この値を左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。即ち、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号は同一となる。一致しなくて外れのときには、抽出された外れ図柄乱数の左図柄用乱数値、中図柄用乱数値及び右図柄用乱数値の各々の値に+1した値を各々左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とする。このとき、偶然に3つの識別番号が一致する場合には、右静止図柄指定コードの識別番号の値を「1」だけ異なる値とする処理が為される。前述した変動タイムコードは、左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が全て一致するときには大きな値とし、全て一致しなくとも左及び中静止図柄指定コードの識別番号が一致するときには中間の値とし、全く一致しないときには小さな値に振り分けられる。
この4つのコマンドコードからなる画像表示コマンドを受信したときの図柄制御基板32bが行う処理を説明する。図柄制御基板32bのマイコンが前記画像表示コマンドを受信すると、受信した変動タイムと左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号とから特別図柄の変動パターンを作成する処理を実行する。図柄制御基板32bのROMには、図10及び図11に示されるように、受信した画像表示コマンドの各値の組み合わせに対応したテーブルが書き込まれている。図柄制御基板32bのマイコンは、受信した画像表示コマンドからROMに書き込まれたテーブルを読み出し特別図柄の変動パターンを作成する。この変動パターンは次のようにして作成される。
マイコンは、受信した左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号から左と中との識別番号が一致するか否か(即ち、リーチであるか否か)を判断して通常変動なのか、リーチ変動なのかを判断し、更にリーチ変動でも変動タイムの値が所定値より大きいのか小さいのかによりトリック変動等各種の変動をするのか否かを判断し、これらの判断と変動タイムとにより特別図柄の左、中及び右図柄の変動開始から静止するまでの各々の時間を決定する。作成された特別図柄の変動パターンに従って、背景画面52上に表示され背景及びキャラクタの表示データも作成される。この変動パターンには、遊技者の注目度を高める色彩データが設定してあるものと、していないものがある。変動パターンが作成されると、作成された変動パターンに従って左、中及び右の各特別図柄の変動を開始し指定された静止図柄で静止表示する処理を実行すると共に、背景及びキャラクタの表示制御も実行される。尚、特別図柄の変動中に始動口としての普通電動役物36に遊技球の入賞があると、図9に示さないコマンドコードが主制御基板30から図柄制御基板32bに送信され、保留記憶表示部51a〜51dが点灯表示される。
次にリーチ予告表示においてリーチ表示となる場合の遊技者の注目度を高める色彩データの表示態様について図13を参照して説明する。先ず、特別図柄表示領域50a〜50cに背景が白で数字が赤の特別図柄の変動表示が一斉に開始された後、リーチ予告表示をする場合において、図13(a)に示す通り、特別図柄表示領域50aは背景が白色で数字「7」が赤色の図柄を静止表示し、特別図柄表示領域50bは背景が白で数字が赤色の図柄を変動表示(縦スクロール)し、特別図柄表示領域50cは背景が白色で数字が赤色から一旦、青色そして黄色に色彩が変更される。次に図13(b)の通り、特別図柄表示領域50aの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bの変動表示の色彩は変更せず、特別図柄表示領域50cは背景が白色で変更しないが数字が黄色から橙色に変更される。次に図13(c)の通り、特別図柄表示領域50aの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bの変動表示の色彩は変更せず、特別図柄表示領域50cは背景が赤色、数字が白色に変更され遊技者の注目度を高めた色彩に変化する。次に図13(d)の通り、特別図柄表示領域50aの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bの変動表示の色彩は変更せず、特別図柄表示領域50cは背景が白色、数字「7」が赤色に変更され遊技者の注目度を低くした色彩で図柄を静止表示し、リーチ表示となる。その後、特別図柄表示領域50bの図柄が静止表示される。
次にリーチ予告表示においてリーチ表示とならない場合の遊技者の注目度を高める色彩データの表示態様について図14を参照して説明する。先ず、特別図柄表示領域50a〜50cに背景が白で数字が赤の特別図柄の変動表示が一斉に開始された後、リーチ予告表示をする場合において、図14(a)に示す通り、特別図柄表示領域50aは背景が白色で数字「7」が赤色の図柄を静止表示し、特別図柄表示領域50bは背景が白で数字が赤色の図柄を変動表示し、特別図柄表示領域50cは背景が白色で数字が赤色から一旦、青色そして黄色に色彩が変更されて変動表示(縦スクロール)される。次に図14(b)の通り、特別図柄表示領域50aの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bの変動表示の色彩は変更せず、特別図柄表示領域50cは背景が白色で変更しないが数字が黄色から橙色に変更される。次に図14(c)の通り、特別図柄表示領域50aの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bの変動表示の色彩は変更せず、特別図柄表示領域50cは背景が赤色、数字が白色に変更され遊技者の注目度を高めた色彩に変化する。次に図14(d)の通り、特別図柄表示領域50aの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bの変動表示の色彩は変更せず、特別図柄表示領域50cは背景が白色、数字「4」が赤色に変更され遊技者の注目度を低くした色彩で図柄を静止表示し、リーチ表示とならず、その後、特別図柄表示領域50bは色彩は変更せず数字「9」が静止表示される。
次に大当り予告表示において大当り表示となる場合の遊技者の注目度を高める色彩データの表示態様について図16を参照して説明する。先ず、特別図柄表示領域50a〜50cに背景が白で数字が赤の特別図柄の変動表示が一斉に開始された後、大当り予告表示をする場合において、図16(a)に示す通り、先ずリーチ表示となり、特別図柄表示領域50a及び50cは背景が白色で数字「7」が赤色の図柄を静止表示したまま、特別図柄表示領域50bは変動表示中(縦スクロール)であり、背景が白色で数字が赤色から一旦、青色そして黄色に色彩が変更される。次に図16(b)の通り、特別図柄表示領域50a及び50cの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bは変動表示中であり背景が白色で変更しないが数字が黄色から橙色に変更される。次に図16(c)の通り、特別図柄表示領域50a及び50cの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bは背景が赤色で点滅し、数字が白色に変更され遊技者の注目度を高めた色彩に変化する。次に図16(d)の通り、特別図柄表示領域50a乃至50cは全て背景が白色、数字「7」が赤色で静止表示され、大当り表示となる。
次に大当り予告表示において大当り表示とならない場合の遊技者の注目度を高める色彩データの表示態様について図17を参照して説明する。先ず、特別図柄表示領域50a〜50cに背景が白で数字が赤の特別図柄の変動表示が一斉に開始された後、大当り予告表示をする場合において、図17(a)に示す通り、先ずリーチ表示となり、特別図柄表示領域50a及び50cは背景が白色で数字「7」が赤色の図柄を静止表示したまま、特別図柄表示領域50bは変動表示中(縦スクロール)であり、背景が白色で数字が赤色から一旦、青色そして黄色に色彩が変更される。次に図17(b)の通り、特別図柄表示領域50a及び50cの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bは変動表示中であり背景が白色で変更しないが数字が黄色から橙色に変更される。次に図17(c)の通り、特別図柄表示領域50a及び50cの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bは背景が赤色で点滅し、数字が白色に変更され遊技者の注目度を高めた色彩に変化する。次に図17(d)の通り、特別図柄表示領域50a乃至50cは全て背景が白色、数字「7」「6」「7」が赤色で静止表示され、外れ表示となる。
上述の形態では背景を遊技者の注目度を一気に高める色彩データとし、特定の図柄を遊技者の注目度を徐々に高める表示態様としたが、図18に示す通り、特別図柄表示領域50a〜50cに枠縁50d〜50fをそれぞれ設け、背景に代えて注目を集めるべき図柄に対応する枠縁50d〜50fを前記と同様に或いは適宜の変更を加えて、遊技者の注目を枠縁50d〜50fの色彩の変化に集めても良い。例えば、特別図柄の変動表示が一斉に開始された後、大当り予告表示をする場合において、図18(a)に示す通り、先ずリーチ表示となり、特別図柄表示領域50a及び50cは背景が青色で数字「7」が赤色の図柄を静止表示したまま、特別図柄表示領域50bは変動表示中(縦スクロール)であり、背景が青色で数字が赤色から一旦、青色、緑色、黄緑色そして黄色に色彩が変更され、枠縁50eは白色から赤色に変更され、枠縁50d,50fは白色又は灰色である。次に図18(b)の通り、特別図柄表示領域50a及び50cの静止表示は変更せず、特別図柄表示領域50bは変動表示中であり背景が青色で変更しないが数字が黄色から橙色に変更され、枠縁50d〜50fの色は変更しない。次に図18(c)の通り、特別図柄表示領域50a及び50cの静止表示及び枠縁50d,50fの色は変更せず、特別図柄表示領域50bは背景が赤色で点滅し、数字が黄色に変更され、枠縁50eが赤色の点滅表示に変更されることで、遊技者の注目度を高めた色彩に変化する。次に図18(d)の通り、特別図柄表示領域50a乃至50cは背景が白色、数字「7」が赤色で静止表示され、特別図柄表示領域50bは背景が白色、数字「6」が赤色で静止表示され、枠縁50d〜50fの色が白色又は灰色で表示された外れ表示となる。枠縁50e及び特別図柄表示領域50bの両者を遊技者の注目する色彩に変更したが、枠縁50eのみを遊技者の注目する色彩に変更しても良い。
上述例の図13、図14、図16〜図18では通常変動パターンの場合を説明したが、図10に示すその他の変動パターンにおいても、様々な予告表示態様の実施が可能である。ここで、上述した静止表示される(確定表示される)大当り表示又は外れ表示の特別図柄は、遊技機取扱い説明書又は各種申請書類に記載の届出の形状及び色彩、或いは形状、色彩及び模様の特別図柄である。即ち、特別図柄は変動中で確定しない状態では色変化を行ない静止して確定するときには届出の色彩とする画像制御を行なっている。これにより、画面を見る者、例えば、遊技者、又は、検査機関・監督機関等の関係者が図柄を誤認することはないし、検査、監督等も容易である。
4.大当り開始
大当り開始コマンドは、特別図柄表示領域50a〜50cに表示される左、中及び右特別図柄が同一図柄を表示した後から大当り動作が開始されるまでの間に大当りが発生したということを遊技者にアピールする画像を表示するときに使用されるコマンドであり、40Hの動作番号と01Hの識別番号により構成されている。この命令コードを図柄制御基板32bが受信するとLCD32aの画面上に大当り等の文字を表示しキャラクタが喜ぶ画像を表示すると共に、音制御基板35により効果音を出力する処理がなされる。このとき、図柄制御基板32bは、前記画像表示コマンドから、即ち、受信した左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が一致しているか否かにより大当りが発生したことを判断し、大当りとの肯定判断をすると前回記憶した大当り回数の値を+1して、その回数を背景画面52上に表示する処理を実行する。これにより、パチンコホールを開店してからの営業中におけるパチンコ機10で発生した大当り回数の累計回数を遊技者に報知することができる。
また、図柄制御基板32bは、前記画像表示コマンドから、即ち、受信した左、中及び右静止図柄指定コードの識別番号が一致していることと、前回大当りが発生したときのその値とから高確率中の大当りなのか否かを判断することができ、高確率中の大当りとの肯定判断をすると前回記憶した高確率中の大当り回数の値を+1して、その回数を背景画面52上に表示する処理を実行する。これにより、遊技者には、高確率中における大当り回数(所謂「連チャン回数」)が報知される。この高確率中の大当り回数は、高確率の継続が実行されなくなったときに零クリアされ、高確率継続の大当りが再び発生したときから再表示される。図柄制御基板32bは、営業中におけるパチンコホールを開店してからの最大の高確率中の当たり回数を記憶しておき、この最大回数を超える高確率中の大当りが発生するとその値を更新し、この高確率中の大当り回数を前記累計大当り回数と共に表示することもできる。
5.大当り中
大当り中コマンドは、開放前コード、開放中コード、10カウント入賞コード、V通過コード及びラウンド表示コードの5個のコマンドに分類される。
(1)開放前コードは、50Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口40を開放することを遊技者に知らせる画像を背景画面52に表示する処理を実行する。
(2)開放中コードは、50Hの動作番号及び02Hの識別番号より構成され、図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、大入賞口40が開放中であることを遊技者に知らせる画像を背景画面52に表示する処理を実行する。
(3)10カウント入賞コードは、50Hの動作番号及び03Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口40に遊技球が入球したことをカウントスイッチ40b又はVスイッチ40aにより検知する毎にこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、入力する毎にその値をインクリメントしその値を背景画面52上に表示する処理を行う。これにより、画面上には、大入賞口40に遊技球が入賞する毎に0から10個までの個数表示がなされる。
(4)V通過コードは、50Hの動作番号及び04Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口40内の特別領域を遊技球が通過したことをVスイッチ40aにより検知するとこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると背景画面52に「V」の文字を大きく表示し大入賞口40が閉鎖した後再び開放することを遊技者に知らせる。
(5)ラウンド表示コードは、50Hの動作番号及び05Hの識別番号より構成され、主制御基板30は大入賞口40が開放動作終了後に再び開放する毎にこの命令コードを送信する。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると、入力する毎にその値をインクリメントしその値を背景画面52上に表示する処理を行う。これにより、遊技者には大入賞口40の開放回数が報知される。
6.大当り終了
大当り終了コマンドは、大当り終了デモコマンドコードと高確率移行コマンドコードとからなる。大当り終了デモコマンドコードは、大当り動作が終了したとき、即ち大入賞口40が16回の開放動作を終了したとき、または16回まで継続しなくとも開放中に遊技球が特別領域を通過しなかったときに送信される命令コードであり、60Hの動作番号及び01Hの識別番号より構成される。図柄制御基板32bがこの命令コードを入力すると大当りが終了したことを遊技者に知らせるメッセージを表示する。高確率移行コマンドコードは、61Hの動作番号及び01H〜02Hの識別番号より構成される。識別番号が01Hのときは高確率状態が継続する場合であり、識別番号が02Hのときは高確率が継続しない場合である。この高確率移行コマンドコードは、本実施例のように、主制御基板30から送信する構成としても良いし、前述した画像表示コマンドの値から図柄制御基板32bが判断する構成としても良い。
7.動作異常時
動作異常時コマンドは、パチンコ機10に異常が発生したときに送信される命令コマンドであり、本具体例では、70H01HのE1エラーコード、70H02HのE2エラーコード、70H03HのE3エラーコードより構成されている。本具体例ではE1エラーコードは、テンカウント異常エラーであり大入賞口40が開放したときに遊技球が1個も検知されない場合に出力され、E2エラーコードは下皿23が満杯で満タンスイッチ43がオンしたとき出力され、E3エラーコードは補給スイッチ44がオンしたとき出力される。これらの異常時コマンドを送信することにより表示されるエラーメッセージは、異常が解除されたとき送信される70H04Hのエラー解除コードにより消去される。
以上、詳細に説明した本具体例によると、主制御基板30は図柄制御基板32bに画像表示コマンド等のコマンドを送信するだけであり、図柄制御基板32bは受信した画像表示コマンド等のコマンドに基づき画面上に遊技者の注目度を高めた色彩として特別図柄のリーチ予告又は大当り予告の変動表示をすることができる。そして画像表示コマンドに含まれる変動タイムに示される時間は、エラー等が発生する場合以外は次のコマンドが送信されることがない。これにより、この間は、図柄制御基板32bは主制御基板30に拘束されることなく、画面上で自由な画像、例えば背景画面52上で物語を展開する等の表示制御をすることができ、遊技者は色彩の変化に一喜一憂するという優れた効果を有している。
次に図19〜図22を用いて画面上に詳細な物語を展開する第2の具体例について説明する。第2の具体例のLCD32a画面は、図19に示すように、動画を表示する動画表示部60、動画の表示態様に応じた後述する獲得ポイントPN及びダメージDNを表示するメッセージ部61、動画表示部60の右端の保留記憶表示部62とに、分割されている。動画表示部60には、後に詳述するが、主人公HIと対戦相手である敵ENとの格闘シーンが表示される。主制御基板30から前述した画像表示コマンドが図柄制御基板32bに送信されると(図21 ステップS100)、図柄制御基板32bのマイコンは送信された画像コマンドにより大当りか否か判定する(ステップS110)。大当りの場合は、前述した具体例1と同様の大当り画像表示処理が実行される(ステップS120)。大当りでないときには、乱数値RNが抽出される(ステップS130)。
乱数値RNは、「0」〜「249」までの250個の整数値で構成され、図柄制御基板32bで定期的にインクリメント(+1)され最大値の「249」に至ると次に「0」に戻り、「0」〜「249」の範囲の整数値を繰り返し作成するカウンタとして構成されている。この乱数値RNの値は、主制御基板30から画像コマンドが送信されたタイミングで抽出される。主制御基板30から画像コマンドが送信されるタイミングは予測できないランダムなタイミングであり、また乱数値RNを構成する要素である各整数値は均一に出現し無作為に抽出されるので、乱数値RNは文字通り乱数として機能する。本具体例では乱数値RNをカウンタとして構成するが、主制御基板30から送信される画像コマンドに基づき乱数値RNを選択する構成としても良い。例えば、受信した画像コマンドの各データを一定の数式に代入し、250個の整数値より構成される乱数値RNの1つの値を選択する構成としても良い。また、受信した画像コマンドと乱数値RNとの対応テーブルを設け、対応テーブルから乱数値RNの値を選択する構成としても良い。このとき、画像コマンドの各データを全て用いても良く、一部を用いる構成としても良い。或いは、図柄制御基板32bに一定の数式や対応テーブルを設けることなく、主制御基板30で抽出される当否乱数の値をそのまま図柄制御基板32bに送信する構成としても良い。
ステップS130の処理により乱数値RNが抽出されるが、この乱数値RNは、図22に示すように、その取り得る値によって25グループに分類され、分類されたグループに対応したポイントP及びダメージDが選択される。続くステップS140では、抽出された乱数値RNに対応するポイントPを前回の獲得ポイントPNに加算し、ダメージDを減算して新たな獲得ポイントPNとする更新処理と、前回のダメージDNにダメージDを加算して新たなダメージDNとする更新処理とが為される。獲得ポイントPN及びダメージDNの更新処理が為されると、更新されたポイントPNの値が「1」以上「100」未満であるか否か、且つ更新されたダメージDNの値が「100」未満であるか否かが判断される(ステップS150〜S170)。ポイントPNが「1」以上「100」未満、且つダメージDNが「100」未満との判断が為されると、更新されたポイントPN及びダメージDNに応じた格闘場面が動画表示部60上に動画がとして所定時間表示される(ステップS180)。尚、この所定時間は、画像表示コマンドの変動タイムにより決定される。
ステップS180では、図19に示すように、敵ENと主人公HIとの攻防シーンが乱数値RNに従って選択されたポイントPとダメージDの値に応じて動画表示される。本具体例では、ポイントP及びダメージDの値が「1」のときは相手の体へのパンチ、値が「2」のときは相手の顔面へのパンチ、値が「3」のときは相手への前蹴り、値が「4」のときは回蹴り、値が「5」のときは後頭部への膝蹴り、と設定されている。そして、ポイントPの場合は、主人公HIの攻撃が敵ENに加えられ、逆にダメージDの場合は主人公HIが敵ENから攻撃を受けるのである。例えば、抽出された乱数値RNが「21」であれば、グループ3に属し、ポイントPの値は「5」、ダメージDの値は「3」となるので、動画表示部60上には、主人公HIが敵ENに後頭部への膝蹴りを加えた後、敵ENに前蹴りを受ける動画が表示される。
そして、この選択されたポイントP及びダメージDとにより前記ステップS140の処理に従って現獲得ポイントPN及びダメージDNが算出され更新記憶されるのである。この更新された獲得ポイントPN及びダメージDNの値は、メッセージ部61に表示される。即ち、ステップS140〜S180の処理により、液晶画面の動画表示部60上には、抽出された乱数値RNに対応した格闘シーンが前回の格闘シーンから続行して動画表示され、乱数値RNの値に応じて前回の獲得ポイントPN及びダメージDNの値が現獲得ポイントPN及びダメージDNとして更新される。換言すれば、図柄制御基板32bにより表示される格闘シーンの物語の展開が、主制御基板30から画像表示コマンドが送信される毎に、前回静止した格闘シーンから展開され、展開された格闘シーンの展開度が獲得ポイントPN及びダメージDNとして更新記憶されるのである。
前述したステップS150において、更新された獲得ポイントPNが「100」以上との判断が為されると、獲得ポイントPNの値を強制的に「80」とし、敵ENから連続した攻撃を数度受ける動画を表示させた後に静止表示する処理が実行される(ステップS190〜S200)。尚、このとき、更新されたダメージDNの値が「1」以上「100」未満にないときには、この範囲内に収まるように適宜修正され更新される。また、前記ステップS160において、更新された獲得ポイントPNの値が「0」以下との判断が為されると、獲得ポイントPNの値を強制的に「20」とし、敵ENに連続した攻撃を数度加える動画を表示させた後に静止表示させる処理が実行される(ステップS210〜S220)。尚、このとき、更新された獲得ポイントPNの値が「1」以上「100」未満にないときには、この範囲内に収まるように適宜修正され更新される。更に、前記ステップS170において、更新されたダメージDNの値が「100」以上との判断が為されると、主人公HIは敵ENから激しい攻撃を受けて逃避する場面を表示させ、次の対戦相手と対峙するシーンで静止表示させる処理が為される(ステップS230)。尚、この次の対戦相手と対峙する場面では、獲得ポイントPN及びダメージDNは初期値として各々「50」の値に設定される。
本具体例においては、遊技者の注目度を高める色彩制御は、前述の実施形態とは異なり、動画表示部60に展開されるキャラクタの例である主人公HIと敵EN及び/又は背景について実行される。例えば、背景を変える場合は、図19では背景は白色、主人公HIの服が青色、敵ENの服が灰色に制御され、図20では背景が赤色で点滅し、主人公HIの服は緑色、敵ENの服は白色となり遊技者の注目度を高めるように色彩を制御する。主人公HIと敵ENの色彩を遊技者の注目度を高める場合は、背景は白色のままで、主人公HI及び敵ENの服をめただぬ色から赤色に変化させるよう制御する。主人公HIと敵EN及び背景の両者の色彩を遊技者の注目度を高める色彩に制御させるようにできることは無論である。ただし、静止表示においては、必ず、背景が白色、主人公HIの服が青色、敵ENの服が灰色、その他の部分は所定の色とされた、遊技者の注目度の低い所定の設定色で表示される。これにより遊技者は毎回、色彩の変化を堪能できる。処理内容は前述の図12及び図15のフローチャートを援用する。
そして、ここでは、乱数値RCによって遊技者の注目度を高める色彩パターンを選択するようにしても良い。例えば、「0」〜「49」までの50個の整数値で構成され、図柄制御基板32bで定期的にインクリメント(+1)され最大値の「49」に至ると次に「0」に戻り、「0」〜「49」の範囲の整数値を繰り返し作成するカウンタとして構成されている。この乱数値RCの値は、主制御基板30から画像コマンドが送信されたタイミングで抽出される。主制御基板30から画像コマンドが送信されるタイミングは予測できないランダムなタイミングであり、また乱数値RCを構成する要素である各整数値は均一に出現し無作為に抽出されるので、乱数値RCは文字通り乱数として機能する。本具体例では乱数値RCをカウンタとして構成するが、主制御基板30から送信される画像コマンドに基づき乱数値RCを選択する構成としても良い。例えば、受信した画像コマンドの各データを一定の数式に代入し、50個の整数値より構成される乱数値RCの1つの値を選択する構成としても良い。また、受信した画像コマンドと乱数値RCとの対応テーブルを設け、対応テーブルから乱数値RNの値を選択する構成としても良い。このとき、画像コマンドの各データを全て用いても良く、一部を用いる構成としても良い。或いは、図柄制御基板32bに一定の数式や対応テーブルを設けることなく、主制御基板30で抽出される当否乱数の値をそのまま図柄制御基板32bに送信する構成としても良い。
ところで、前記ステップS120における大当り画像表示処理は、獲得ポイントPNを強制的に「100」とし、主人公HIが敵ENに連続した攻撃を加えて敵ENを倒す場面を約30秒間に亘って動画表示し、敵ENが倒れたところで画面上に「WIN」という文字を大きく表示した後に大当り処理としての特別遊技状態に移行する。大当り処理の実行が終了すると、主人公HIが次の敵ENと対峙する場面が表示される。このときの獲得ポイントPN及びダメージDNは初期値として各々「50」に設定される。尚、大当り処理後の対戦相手は前回の対戦相手である敵ENよりも強いイメージの敵ENを表示し、前記ステップS230において表示される次の敵ENは弱いイメージの敵を表示するよう構成されている。
以上、詳細に説明した本具体例によると、主制御基板30から画像表示コマンドが送信される毎に、LCD32aの画面の動画表示部60上には格闘シーンが前回の画面から展開して表示され、注目度を高めた色彩の制御を行い遊技者はリーチ又は大当り予告表示に一喜一憂する。換言すれば、遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞する毎に、ストーリ性のある動画を前回の静止画面に引き続き楽しむことができるとともに、色彩の変化によって遊技者の期待感を一層向上させる。これにより、遊技者は、色彩の変化とともに所謂「TVゲーム」感覚でパチンコ遊技を楽しむことができるという極めて優れた効果を有する。また、獲得ポイントPNの値が「100」に近くなれば大当りへの期待感を煽ることができ一層遊技を興趣あるものとすることができるという優れた効果も有する。更に、本具体例では敵ENが主人公HIに倒される場面が表示され大当り状態となるのは、実際のところ遊技球が普通電動役物36に入賞したタイミングで抽出される当否乱数の値が所定値のときだけであり、画面上には前回の画面と関係ある(履歴)ある動画が表示されるものの、大当りとなる確率は前回の画面とは関係なく一律である。
また、画面上にストーリを展開させるために記憶される獲得ポイントPN及びダメージDNは図柄制御基板32bで記憶され、主制御基板30は画像に関係するデータを何等記憶しない、特に前回の画像に関するデータを記憶しない構成としている。これにより、合法的に弾球遊技機のラッキー性とTVゲームのストーリ性とを併せ持った弾球遊技機を構成することができるという極めて優れた効果を有する。しかも、主制御基板30は、通常は画像表示コマンドを図柄制御基板32bに送信するだけであり、図柄制御基板32bは、画像表示コマンドの変動タイムが示す時間中は主制御基板30に拘束されることなく、自由に画像展開処理を実行することができるという効果を有する。更に、本具体例では、格闘シーンの展開度は、画像表示コマンドが送信されたとき抽出される乱数値RNの値により決定されるので、物語の展開度が一律ではなく変化に富む物語の展開を実現可能としているという優れた効果を有している。尚、本具体例で用いられる図21に示す「画像表示処理」のフローチャートは高確率ゲーム中でもそのまま採用することができるが、高確率中には、敵ENとして弱いイメージのキャラクタを用い、主人公HIが攻撃する画像を表示する場面が多くなるような乱数値RNとする構成としても良い。
次に図23〜図26を用いて第3の具体例について説明する。第3の具体例では、具体例2の図19〜図22の替わりに図23〜図26を用いる構成である。具体例3のLCD32aの画面は、若い主人公YMと女の子LAとの恋愛物語が動画表示される動画表示部65と、恋愛の成就度を示すポイントPNの値を示すメッセージ部66と、3つの特別図柄表示領域67a〜67cと、保留記憶表示部68とに分割されている。第3の具体例では、主制御基板30から送信される画像コマンド等に基づき特別図柄表示領域67a〜67cに特別図柄が変動表示されるのは具体例1と同様であるが、画像コマンドが送信される毎に動画表示部65上に恋愛物語が展開表示され、色彩の変化も図柄制御基板32bが独自に決定し、主制御基板30はこれに関与しない。この恋愛物語が展開表示される処理を図25のフローチャートに従って説明する。
図柄制御基板32bのマイコンにより実行される処理が本ルーチンに移行すると、先ず、主制御基板30から画像コマンドが送信されたか否か判断される(ステップS300)。送信されていないときには、そのまま「リターン」に抜けるが、送信されているとの肯定判断が為されると、続いて大当りか否か判断される(ステップS310)。大当りでないとの判断が為されると、乱数値RNが抽出される(ステップS320)。乱数値RNは、「0」〜「99」までの100個の整数値で構成され、図柄制御基板32bで定期的にインクリメント(+1)され最大値の「99」に至ると次に「0」に戻り、「0」〜「99」の範囲の整数値を繰り返し作成するカウンタとして構成されている。
この乱数値RNの値は、主制御基板30から画像コマンドが送信されたタイミングで抽出される。主制御基板30から画像コマンドが送信されるタイミングは予測できないランダムなタイミングであり、また乱数値RNを構成する各整数値は均一に出現するので、乱数値RNは文字通り乱数として機能する。本具体例では乱数値RNをカウンタとして構成するが、主制御基板30から送信される画像コマンドに基づき乱数値RNを選択する構成としても良い。例えば、受信した画像コマンドの各データを一定の数式に代入し、100個の整数値より構成される乱数値RNの1つの値を選択する構成としても良い。また、受信した画像コマンドと乱数値RNとの対応テーブルを設け、対応テーブルから乱数値RNの値を選択する構成としても良い。このとき、画像コマンドの各データを全て用いても良く、一部を用いる構成としても良い。色彩の変化パターンを決定する乱数値RCは前述の実施形態と概ね同様ではあるが、本具体例では、図柄制御基板32bは送信データからではなく、図柄制御基板32bが独自に色彩の変化パターンを決定している点が異なっている。
ステップS320の処理により乱数値RNが抽出されるが、この乱数値RNは図26に示すように、その取り得る値により25グループに分類され、各グループには各々のポイントPが付与されている。乱数値RNが抽出されると(ステップS320)、乱数値に対応したグループからポイントPが選択され、前回の獲得ポイントPNに選択されたポイントPを加算して新たな獲得ポイントPNとする更新処理が為され記憶される(ステップS330)。例えば、抽出された乱数値が「53」であれば、グループ14に属することになるのでポイントPは「−3」となり、前回の獲得ポイントPNに「−3」を加算するのである。この更新された獲得ポイントPNの値が「1」以上「50」未満であれば(ステップS340〜S350)、更新された獲得ポイントPNの段階に応じた画像表示処理が為される(ステップS360)。
本具体例では、更新された獲得ポイントPNの値が「1」以上「9」以下であれば恋愛の成就度は非常に悪く、「10」以上「19」以下であれば少し悪く、「20」以上「29」以下であれば普通、「30」以上「39」以下であれば良く、「40」以上「49」以下であれば非常に良い、各々の段階に応じた恋愛シーンが画像表示コマンドの変動タイムに従った時間だけストーリ展開するよう構成されている。例えば、初期画面(初期獲得ポイントPNは値が「25」に設定される)で可愛い女の子LAを表示させ、この後、画像表示コマンドが主制御基板30から送信されたとき抽出される乱数値RNを用いて獲得ポイントPNを更新し、この更新された獲得ポイントPNに基づき女の子LAとのデート画面を非常に良い雰囲気の画面、良い雰囲気の画面、普通の雰囲気の画面、やや悪い雰囲気の画面、かなり悪い雰囲気の画面の5段階で前回の画面から続行させて動画表示するのである。また、各段階では、雰囲気はそれ程変わらないものの、物語が展開する動画が獲得ポイントPNの値に応じて動画表示されるよう構成されている。さらに各段階では、良い雰囲気になる程、色彩が遊技者の注目度を集めるようなものに設定されている。例えば、図23は悪い雰囲気の画面例であり、全体として色が白っぽい色になっているが、図24は非常に良い雰囲気の画面で且つ大当りとなる画面であり、全体とし濃い色とされ、赤などの目立つ色に設定される。これを逆として、例えば、大当り以外ではほとんど明るい画面であるが、大当りの確率が高いほど暗い画面、例えば、真っ黒とすることもあり、遊技者の注目を集めることができる。
一方、更新された獲得ポイントPNが「50」以上となるときには(ステップS350)、獲得ポイントPNを強制的に「25」とする更新処理を行った後(ステップS370)、動画表示部65上に恋愛の成就度が普通の展開となる恋愛シーンを動画表示する(ステップS380)。また、更新された獲得ポイントPNが「0」以下となるときには(ステップS340)、次の女の子LAを表示する初期画面(ポイントPNの値は「25」)を動画表示する(ステップS390)。ところで、前記ステップS310において大当りと判断されたときには、獲得ポイントPNを強制的に「50」とし、主人公YMと女の子LAとの結婚画面を約30秒間に亘って動画表示した後、図示しない大当り処理を実行する。尚、大当り処理終了後には、次の女の子LAを表示する初期画面が表示される。このとき、大当り終了後の初期画面では、次の女の子LAは前回よりも美人でプライドの高そうな女の子LAを表示し、前記ステップS390において表示する初期画面では、美人さは劣るものの気立ての良さそうな女性を表示すると遊技者の興趣を一層高めると思われる。
上述した第3の具体例によると、主制御基板30から送信される画像表示コマンドが送信される毎に、特別図柄表示領域67a〜67cには送信された画像表示コマンドに基づいた図柄の変動表示が実行されると共に、動画表示部65上には恋愛物語が前回の静止画面から展開して動画表示され、注目度を高めた色彩の制御を行い遊技者はリーチ又は大当り予告表示に一喜一憂する。これにより、主制御基板30は図柄制御基板32bに画像表示コマンドを送信するだけで、動画表示される画像表示に関するデータを何等送信することなく、また、前回の表示態様を記憶することなく、恋愛物語を遊技球が普通電動役物36に入賞する毎にストーリ展開することができ、色彩の変化によって遊技者の期待感を一層向上させるという優れた効果を有する。これにより、遊技者は遊技球が始動口としての普通電動役物36に入賞する毎に、画面上で恋愛物語を楽しむことができるという極めて優れた効果を有する。更に、始動口に遊技球が入賞する毎に展開される恋愛物語の展開度又は色彩の変化パターンは、抽出される乱数値RN又はRCの値に基づいているので、展開度が一律ではなくランダム性を有し遊技者を飽きさせないという優れた効果を有する。
尚、本発明は、前述した具体例に何等制限されるものではなく、本発明の意図する範囲内で実施変更可能なことは言うまでもないことである。例えば、物語展開手段が、遊技盤面上に発射された遊技球が特定の入球口に入球又は特定の通過口を通過するタイミングに起因して抽出される乱数値に応じた度合いで物語を展開するよう構成しても良い。また、本具体例では、画像表示コマンドを2バイトづつ一度に送信する構成としたが、変動パターンを示す変動タイムを送信し、その後各静止図柄を示すコードを適宜送信する構成としても良い。また、各図柄を各々停止させるための停止命令のコードを追加して送信する構成としても何等問題ない。更に、第3の具体例では、特別図柄表示領域67a〜67cに大当り図柄を表示するとき、動画表示部65上には主人公YMと女の子LAとの結婚画像を表示して大当りであることを示唆する構成としたが、大当りか否か関連ない背景画像を表示する構成としても何等問題ない。