JP5124189B2 - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents
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Description
Stefan Dauweほか3名; Progress in Photovoltaics: Research and Applications Volume 10, 2002年 271〜278ページ「Experimental Evidence of Parasitic Shunting in Silicon Nitride Rear Surface Passivated Solar Cells」 G.Agostinelliほか4名; 4th IEEE World Conference on Photovoltaic Energy Conversion 2006年 「Rear surface passivation for industrial solar cells on thin substrates」
前記原料ガスは、水素ガスとアンモニアガスの少なくとも一方をさらに含んでもよい。この場合、前記主面が水素ガス又はアンモニアガスに含まれる水素原子によってシリコン基板内部又は表面の欠陥が終端される。
前記原料ガスは、窒素ガスの流量が50〜1000sccmであってもよい。
前記原料ガスは、水素ガスをさらに含み、窒素ガスに対する水素ガスの流量比が0.1〜3倍であってもよい。
前記原料ガスは、アンモニアガスをさらに含み、窒素ガスに対するアンモニアガスの流量比が0.1〜1倍であってもよい。
前記窒化シリコン膜は、プラズマCVD法で形成されてもよい。
前記シリコン基板は、受光面及び裏面を有し、前記受光面側がn型であって前記裏面側がp型であるpn接合を有し、前記窒化シリコン膜は、前記裏面上に形成され、前記窒化シリコン膜を形成した後に、前記受光面及び前記裏面上にそれぞれ受光面電極及び裏面電極を形成する工程を備えてもよい。
ここで示した種々の実施形態は、互いに組み合わせることができる。
図1(a)〜(f)を用いて、本発明の一実施形態の光電変換素子の製造方法について説明する。図1(a)〜(f)は、本実施形態の光電変換素子の製造工程を示す断面図である。
以下、各工程を詳細に説明する。
まず、受光面及び裏面を有するp型シリコン基板1の受光面側にn型半導体層3を形成することによってpn接合を形成し、図1(a)に示す構造を得る。
次に、基板1の受光面上に太陽光を有効に取り込むための反射防止膜5を形成し、図1(b)に示す構造を得る。反射防止膜5の材料としては、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン、酸化チタンなどを使用することができるが、この中では窒化シリコンが比較的使われる機会が多い。
次に、図1(c)に示すように、窒素ガスを含む原料ガスを用いて形成されるプラズマ7によって基板1の裏面の表面処理を行う。この表面処理を行うと、後工程で裏面上に窒化シリコン膜9が形成された場合に、反転層の形成が抑制される。
次に、基板1の裏面上に窒化シリコン膜9を形成し、図1(d)に示す構造を得る。窒化シリコン膜9は、基板1の裏面でのキャリアの表面再結合速度を低減するパッシベーション膜として機能する。
次に、基板1の裏面上に裏面電極13を形成し、図1(e)に示す構造を得る。裏面電極13は、基板1内で発生したキャリアを電流として取り出すために利用される。
次に、基板1の受光面上に受光面電極15を形成し、図1(f)に示す構造を得て、本実施形態の光電変換素子の製造を完了する。
次に、本発明の効果を実証するための実験を行った。この効果実証実験では、p型シリコン基板上に窒化シリコン膜を形成する前に窒素ガスを含む原料ガスを用いて形成されるプラズマ7によって表面処理を行ったサンプルと、窒素ガスを含まない原料ガスを用いて形成されるプラズマ7によって表面処理を行ったサンプルを作製し、それぞれのサンプルのフラットバンド電圧を測定することによって、本発明によって反転層の形成が抑制される効果を実証した。なお、本実証実験では、実際の光電変換素子の構造ではなく、フラットバンド電圧を測定するために、容量−電圧測定(CV測定)が行いやすい構造のサンプルを作製した。
図2(a)〜(e)を用いて、サンプルの作製方法を説明する。サンプルは、10種類(実施例サンプル1〜7、比較例サンプル1〜3)作製した。
まず、図2(a)に示すように、片面をミラー研磨した単結晶のp型シリコン基板1(面方位<111>,厚さ520μm,抵抗率2.5Ωcm)を準備し、表面の自然酸化膜を除去するため基板1をHF水溶液に浸漬し、その後純水で水洗した。
次に、基板1をプラズマCVD装置の真空室内に搬入し、この装置内で、図2(b)に示すように、プラズマ7によってミラー研磨された面の表面処理を行った。各サンプルについての、プラズマ7を形成するための原料ガスの流量は、表1に示す通りである。比較例サンプル1では、プラズマ7による表面処理を行わなかった。
プラズマ7で基板1の表面処理を行った後には、そのまま同じ真空室内で窒化シリコン膜9の製膜を行い、図2(c)に示す構造を得た。
次に、窒化シリコン膜9上に真空蒸着装置を用いてアルミニウムを1μmの厚さに堆積することによってゲート電極17を形成し、図2(d)に示す構造を得た。ゲート電極17の形状は、シャドウマスクを用いて直径1mmの円形のドット状に形成した。なお、基板は特に加熱せず、温度制御も行わなかった。ゲート電極17は、容量−電圧測定を行うために用いられる。
続いて、ゲート電極17と反対側の面に、ゲート電極と同様に真空蒸着装置を用いてアルミニウムを1μmの厚さに基板全面にわたって堆積することによって裏面電極19を形成し、図2(e)に示す構造を得た。なお、基板は特に加熱せず、温度制御も行わなかった。
次に、作製した各サンプルについて容量−電圧測定を行った。測定は、ゲート電極17に高周波(0.1MHz)と低周波(5〜6Hz)の電圧をそれぞれ印加し、電圧印加時の裏面電極19とゲート電極17の間の容量を測定することによって行った。測定開始電圧は−15V、測定終了電圧は+15Vとした。ゲート電極17には水銀プローブを接触させ、裏面電極19は全面を装置側の電極に真空吸着させた。
フラットバンド電圧は、E.H.Nicollian, J.R.Brews:MOS (Metal Oxide Semiconductor) Physics and Technology (1982年,WILEY-INTERSCIENCE社発行)のp.487に記載されている方法で求めた。具体的には、以下の通りである。
CFB=CFBSCSIN/(CSIN+CFBS)
CSINは、窒化シリコン膜9の容量である。ここでは、便宜的に、ゲート電極17に−15Vを印加したときに測定される容量をCSINとした。CSINの測定値は、試料ごとにそれぞれ若干異なるが500〜600[pF]程度であった。
また、CFBSは半導体(シリコン基板1)のフラットバンド容量であり、次の式に従って求めた。
CFBS=εs/λp
ここで、εsは半導体の誘電率であり、真空中の誘電率ε0と半導体の比誘電率εSiの積で表される。λpはデバイ長で、以下の式で表される。
λp={(kTε0εSi)/(q0 2Nd)}1/2
ここで、kはボルツマン定数、Tは半導体の温度、q0は電気素量、Ndは半導体のキャリア濃度である。T及びNdは、試料ごとにそれぞれ若干異なるが、それぞれ25℃、5×1015[cm-3]程度とした。
界面準位密度は、E.H.Nicollian, J.R.Brews:MOS (Metal Oxide Semiconductor) Physics and Technology (1982年,WILEY-INTERSCIENCE社発行)のp.331に記載されている、高周波及び低周波の容量−電圧特性を組み合わせたhi-lo法で求めた。
Dit=(1/q0)
×[{(1/CLF)−(1/CSIN)}-1−{(1/CHF)−(1/CSIN)}-1]
ここで、q0は電気素量、CSINは窒化シリコン膜9の容量、CLFは低周波のときに観測される容量、CHFは高周波のときに観測される容量である。上記の式を用いることで、シリコンのエネルギーギャップに相当する範囲、すなわち価電子バンドから伝導バンドまでの範囲において連続的なDitを求めることができるが、表2には、この連続的なDitの中の最小の値を記載した。
Q=CSiN(ΦMS−VFB)/q0A
ここで、Qは固定電荷密度、CSINは窒化シリコン膜9の容量、ΦMSはゲート電極17の材料とシリコン基板1の材料との仕事関数差、VFBはフラットバンド電圧、q0は電気素量、Aはゲート電極17の面積である。
Claims (6)
- シリコン基板の一主面上にシランガスを含む第1原料ガスを用いたプラズマCVD法で窒化シリコン膜を形成する工程を備え、
前記シリコン基板は、前記主面側がp型であり、
前記窒化シリコン膜を形成する前に、水素ガス又はアンモニアガスと窒素ガスとを含みシランガスを含まない第2原料ガスを用いて形成されるプラズマによって前記主面の表面処理を行うことを特徴とする光電変換素子の製造方法。 - 第2原料ガスは、窒素ガスの流量が50〜1000sccmである請求項1に記載の方法。
- 第2原料ガスは、窒素ガスの流量が150〜400sccmである請求項1又は2に記載の方法。
- 第2原料ガスは、水素ガスを含み、窒素ガスに対する水素ガスの流量比が0.1〜3倍である請求項1〜3の何れか1つに記載の方法。
- 第2原料ガスは、アンモニアガスを含み、窒素ガスに対するアンモニアガスの流量比が0.1〜1倍である請求項1〜3の何れか1つに記載の方法。
- 前記シリコン基板は、受光面及び裏面を有し、前記受光面側がn型であって前記裏面側がp型であるpn接合を有し、
前記窒化シリコン膜は、前記裏面上に形成され、
前記窒化シリコン膜を形成した後に、前記受光面及び前記裏面上にそれぞれ受光面電極及び裏面電極を形成する工程を備える請求項1〜5の何れか1つに記載の方法。
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