JP5124153B2 - ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ Download PDF

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本発明は、ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いた空気入りタイヤに関し、特にタイヤのトレッドゴムに用いることにより、タイヤのウェットスキッド特性、アイススキッド特性、ドライグリップ特性、耐摩耗性及び耐破壊性を高度にバランスさせることが可能なゴム組成物に関するものである。
近年の自動車の高度な動力性能の進化に対して、タイヤの特性として、より優れたウェットスキッド特性、アイススキッド特性及びドライグリップ特性が求められるようになってきた。他方、経済性及び安全性の観点からは、タイヤの耐摩耗性及び破壊特性を十分に確保することも重要な課題である。これに対し、これまで、上記の特性を同時に満足させるため、種々のブロック共重合体を用いる技術が開発されてきた(特許文献1〜5)。
従来の種々のブロック共重合体を用いる技術としては、ブロック共重合体を形成する各ブロック成分間のガラス転移温度(Tg)の差を広げる手法が開示されている。しかしながら、かかる手法では、ウェットスキッド特性、アイススキッド特性、耐摩耗性及び耐破壊性が改良されるものの、高速走行安定性に大きな影響を与えるドライグリップ特性が十分に得られないという問題があった。
このような問題に対し、特開平6−65419号公報(特許文献6)には、ガラス転移温度(Tg)の異なる二種類のブロック成分からなるブロック共重合体をカップリング剤でカップリングした分岐状スチレン−ブタジエン系共重合体をゴム組成物に用いる手法が開示されている。
特開昭61−231016号公報 特開昭63−112648号公報 特開昭63−137945号公報 特開平9−278844号公報 特開平10−36465号公報 特開平6−65419号公報
しかしながら、特開平6−65419号公報に記載のゴム組成物は、更に、架橋性の二重結合を多く有する低分子量ブタジエン系重合体を含み、該低分子量ブタジエン系重合体が加硫時にマトリクスの分岐状スチレン−ブタジエン系共重合体と架橋を形成してマトリックスに取り込まれるという問題があった。従って、ドライグリップ特性の向上効果に関し、依然として改良の余地があることが分かる。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、タイヤのトレッドゴムに用いることにより、ウェットスキッド特性、アイススキッド特性、耐摩耗性及び耐破壊性を高度に維持しながら、ドライグリップ特性を大幅に向上させることが可能なゴム組成物を提供することにある。また、本発明の他の目的は、かかるゴム組成物をトレッドゴムに用いた、ウェットスキッド特性、アイススキッド特性、ドライグリップ特性、耐摩耗性及び耐破壊性が高度にバランスされた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、ガラス転移温度(Tg)の異なる二種類のブロック成分からなるブロック共重合体の少なくとも一部を特定のカップリング剤でカップリングした分岐状ブロック共重合体に対し、特定の分子量及び水添率を有する低分子量重合体を配合したゴム組成物を、タイヤのトレッドゴムに用いることで、ウェットスキッド特性、アイススキッド特性、耐摩耗性及び耐破壊性を高度に維持しながら、ドライグリップ特性を大幅に改善できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体のブロック成分(A-1)と、該ブロック成分(A-1)よりガラス転移温度(Tg)が低い芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体のブロック成分(A-2)とからなるブロック共重合体(A)であって、該ブロック共重合体(A)の少なくとも一部が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされた分岐状ブロック共重合体に対して、
ポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105である芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体であって、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の20%以上が水素添加された低分子量重合体(B)を配合してなることを特徴とする。
ここで、分岐状ブロック共重合体は、ブロック共重合体(A)の少なくとも一部が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされたものであって、カップリングされていないブロック共重合体(A)をも含む。なお、上記ポリスチレン換算重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で測定した値である。また、各ブロック成分のガラス転移温度(Tg)とは、ブロック成分(A-1)及び(A-2)をモデルとした重合体をそれぞれ合成し、得られた各重合体についてのガラス転移温度(Tg)であり、ここで、ガラス転移温度(Tg)は、ASTM D3418−82に準拠し、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した外挿開始温度(extrapolated onset temperature);Tfとする。
本発明のゴム組成物において、前記低分子量重合体(B)の配合量は、前記ブロック共重合体(A)の5質量%以上が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされた分岐状ブロック共重合体100質量部に対して、5〜200質量部であることが好ましい。ここで、前記ブロック共重合体(A)の10質量%以上が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされることが更に好ましい。
本発明のゴム組成物においては、前記ブロック成分(A-1)のガラス転移温度(Tg1)が−30℃以上であり、前記ブロック成分(A-2)のガラス転移温度(Tg2)が−40℃以下であることが好ましい。
本発明のゴム組成物においては、前記ブロック成分(A-1)のガラス転移温度(Tg1)と前記ブロック成分(A-2)のガラス転移温度(Tg2)との差が、5℃〜50℃であることが好ましい。
本発明のゴム組成物において、前記分岐状ブロック共重合体は、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が10〜80%の範囲であり、芳香族ビニル化合物の結合量が0〜70質量%の範囲であることが好ましい。
本発明のゴム組成物の好適例においては、前記ブロック成分(A-1)又はブロック成分(A-2)が、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重合体である。ここで、前記ブロック共重合体(A)の30質量%以上が2〜6官能性のカップリング剤によりカップリングされることが好ましく、前記分岐状ブロック共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量が6.0×105〜3.0×106であることが更に好ましく、前記分岐状ブロック共重合体の共役ジエン化合物部分のビニル結合量が20〜70%の範囲であることが一層好ましい。
本発明のゴム組成物は、前記ブロック成分(A-1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S1)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V1)(%)とが、下記式(I):
67 ≦ S1 + 0.7×V1 ≦ 100 ・・・ (I)
の関係を満たし、かつ、前記ブロック成分(A-2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S2)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V2)(%)とが、下記式(II):
0 ≦ S2 + 0.7×V2 ≦ 60 ・・・ (II)
の関係を満たすことが好ましい。
この場合において、前記ブロック成分(A-1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S1)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V1)(%)とが、下記式(III):
67 ≦ S1 + 0.7×V1 ≦ 80 ・・・ (III)
の関係を満たし、かつ、前記ブロック成分(A-2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S2)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V2)(%)とが、下記式(II):
25 ≦ S2 + 0.7×V2 ≦ 50 ・・・ (IV)
の関係を満たすことが更に好ましい。
本発明のゴム組成物は、前記ブロック成分(A-1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S1)と前記ブロック成分(A-2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S2)との差が、10〜50質量%であることが好ましく、15〜45質量%であることが更に好ましい。
本発明のゴム組成物の他の好適例において、前記分岐状ブロック共重合体は、(A-1)−(A-2)タイプ、(A-1)−(A-2)−(A-1)タイプ、(A-2)−(A-1)−(A-2)タイプ及び(A-1)−(A-2)−(A-1)−(A-2)タイプからなる群から選択される少なくとも一種、好ましくは、(A−1)−(A−2)−(A−1)タイプ、(A−2)−(A−1)−(A−2)タイプ及び(A−1)−(A−2)タイプからなる群から選択される少なくとも一種、より好ましくは、(A−1)−(A−2)タイプのブロック共重合体(A)が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされたものである。
なお、(A−1)−(A−2)−(A−1)タイプ等の表記は、ブロック共重合体(A)の構造におけるブロック成分(A−1)及びブロック成分(A−2)の配列を示す。
本発明のゴム組成物において、前記分岐状ブロック共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量が2.0×105〜5.0×106であることが好ましい。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記ブロック共重合体(A)及び低分子量重合体(B)が、リチウム系、アルカリ金属系、アルカリ土類金属系、希土類系又は遷移金属系の重合開始剤で重合される。
本発明のゴム組成物の他の好適例において、前記ブロック共重合体(A)は、該ブロック共重合体(A)を形成する各ブロック成分を、該ブロック成分の配列に従い順に重合して得られる。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記低分子量重合体(B)が、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重合体である。
本発明のゴム組成物において、前記低分子量重合体(B)は、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が10〜80%の範囲であり、芳香族ビニル化合物の結合量が10〜60質量%の範囲であることが好ましい。
本発明のゴム組成物において、前記低分子量重合体(B)は、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の40%以上が水素添加されていることが好ましい。
本発明のゴム組成物においては、前記ブロック成分(A-1)の芳香族ビニル化合物の結合量が30〜55質量%の範囲で、前記ブロック成分(A-2)の芳香族ビニル化合物の結合量が0〜30質量%の範囲で、前記低分子量重合体(B)の芳香族ビニル化合物の結合量が30〜55質量%の範囲であることが好ましい。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記カップリング剤が、窒素含有化合物、ケイ素含有化合物又はスズ含有化合物である。ここで、前記カップリング剤が、下記式(V):
1 aZXb ・・・ (V)
[式中、R1は、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され;Zは、スズ又はケイ素であり;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であり;aは0〜2で、bは2〜4で、但し、a+b=4である]で表されるケイ素又はスズ含有化合物、下記式(VI):
2 c−Si−(OR3)4-c ・・・ (VI)
[式中、R2及びR3は、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり;cは0〜2の整数であり;OR3が複数ある場合、複数のOR3はたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物、及びポリイソシアネート化合物からなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記分岐状ブロック共重合体100質量部に対して、充填剤を10〜200質量部含有する。ここで、充填剤としては、カーボンブラック、無機充填剤及びそれらの混合物が好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤは、上記のゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする。
本発明によれば、ガラス転移温度(Tg)の異なる二種類のブロック成分からなるブロック共重合体の少なくとも一部を特定のカップリング剤でカップリングした分岐状ブロック共重合体に対し、特定の分子量及び水添率を有する低分子量重合体を配合してなり、タイヤのトレッドゴムに用いることにより、タイヤのウェットスキッド特性、アイススキッド特性、耐摩耗性及び耐破壊性を高度に維持しながら、ドライグリップ特性を大幅に向上させることが可能なゴム組成物を提供することができる。また、かかる組成物をトレッドゴムに適用した、ウェットスキッド特性、アイススキッド特性、ドライグリップ特性、耐摩耗性及び耐破壊性が高度にバランスされた空気入りタイヤを提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体のブロック成分(A-1)と、該ブロック成分(A-1)よりガラス転移温度(Tg)が低い芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体のブロック成分(A-2)とからなるブロック共重合体(A)であって、該ブロック共重合体(A)の少なくとも一部が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされた分岐状ブロック共重合体に対して、
ポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105である芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体であって、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の20%以上が水素添加された低分子量重合体(B)を配合してなることを特徴とする。
本発明のゴム組成物に用いる分岐状ブロック共重合体は、ガラス転移温度(Tg)の異なる二種類のブロック成分からなるブロック共重合体(A)の少なくとも一部を特定のカップリング剤でカップリングしてなる。ここで、該分岐状ブロック共重合体を単独でゴム組成物に用いた場合、タイヤのウェットスキッド特性、アイススキッド特性、耐摩耗性及び耐破壊性は改善されるものの、ドライグリップ特性の向上効果が十分に得られないという問題があった。しかしながら、本発明のゴム組成物は、更に、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の20%以上が水素添加された低分子量重合体(B)を含むため、加硫時における該低分子量重合体(B)と分岐状ブロック共重合体との架橋形成を抑制し、ドライグリップ特性を大幅に向上させることができる。また、驚くべきことに、本発明のゴム組成物において、分岐状ブロック共重合体及び低分子量重合体(B)を併用することで得られるウェットスキッド特性、アイススキッド特性、ドライグリップ特性、耐摩耗性及び耐破壊性の改良効果は、分岐状ブロック共重合体を単独でゴム組成物に用いた場合に得られる効果や、低分子量重合体(B)を単独でゴム組成物に用いた場合に得られる効果に比べて顕著に高くなる。
本発明のゴム組成物に用いる分岐状ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体のブロック成分(A-1)と、該ブロック成分(A-1)よりガラス転移温度(Tg)が低い芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体のブロック成分(A-2)とからなるブロック共重合体(A)であって、該ブロック共重合体(A)の少なくとも一部が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされたものである。
上記分岐状ブロック共重合体は、特に限定されないが、ポリスチレン換算重量平均分子量が2.0×105〜5.0×106であることが好ましい。該分岐状ブロック共重合体のポリスチレン換算平均分子量が2.0×105未満では、ゴム組成物の破壊特性が低下する場合があり、一方、3.0×106を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が低くなる。また、上記分岐状ブロック共重合体を形成するブロック共重合体(A)のブロック成分(A-1)又はブロック成分(A-2)がポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重合体である場合において、該分岐状ブロック共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量が6.0×105〜3.0×106であることが好ましい。
上記分岐状ブロック共重合体は、特に限定されないが、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が10〜80%の範囲であり、芳香族ビニル化合物の結合量が0〜70質量%の範囲であることが好ましい。ここで、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が10%未満では、ウェットスキッド特性が十分に得られず、一方、80%を超えると、アイススキッド特性及び耐摩耗性が低下する場合がある。また、芳香族ビニル化合物の結合量が70質量%を超えると、ゴム組成物のアイススキッド特性及び耐摩耗性が低下する場合がある。なお、上記分岐状ブロック共重合体を形成するブロック共重合体(A)のブロック成分(A-1)又はブロック成分(A-2)がポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重合体である場合には、該分岐状ブロック共重合体の共役ジエン化合物部分のビニル結合量が20〜70%の範囲であることが好ましい。
上記分岐状ブロック共重合体は、上記ブロック共重合体(A)の少なくとも一部が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされていることを要し、該ブロック共重合体(A)の5質量%以上が該カップリング剤でカップリングされていることが好ましく、該ブロック共重合体(A)の10質量%以上が該カップリング剤でカップリングされていることが更に好ましい。該ブロック共重合体のカップリング率が5%未満では、タイヤの破壊特性及びアイススキッド特性が低下し、更には、ゴム組成物の加工性も低下する。また、上記分岐状ブロック共重合体を形成するブロック共重合体(A)のブロック成分(A-1)又はブロック成分(A-2)がポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重合体である場合には、該ブロック共重合体の30質量%以上が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされていることが好ましい。
上記分岐状ブロック共重合体は、例えば、重合反応に不活性な炭化水素溶媒中で、リチウム系重合開始剤を用いて、上記ブロック共重合体(A)を形成する各ブロック成分を、該ブロック成分の配列に従い順に重合させ、重合活性部位を有するブロック共重合体(A)を生成させた後、該重合活性部位を2〜6官能性のカップリング剤でカップリングさせる方法で得ることができる。ここで、重合活性部位を有するブロック共重合体(A)は、異なる配列からなるブロック共重合体の混合物でもよい。なお、上記ブロック共重合体(A)を形成するブロック成分(A-1)及びブロック成分(A-2)は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合、又は共役ジエン化合物を重合して得られる。
ここで、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン及び2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、上記共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられ、これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記芳香族ビニル化合物の中でもスチレンが特に好ましく、上記共役ジエン化合物の中でも1,3-ブタジエンが特に好ましい。従って、上記ブロック共重合体(A)を形成するブロック成分としては、低コストで入手が容易な単量体を用いて高性能な重合体を合成する観点から、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
また、上記ブロック共重合体(A)の構造としては、例えば、(A-1)−(A-2)タイプ、(A-1)−(A-2)−(A-1)タイプ、(A-2)−(A-1)−(A-2)タイプ、(A-1)−(A-2)−(A-1)−(A-2)タイプ等の配列が挙げられる。また、該ブロック共重合体(A)は、上記の構造のうち少なくとも一種以上の配列を示す構造のブロック共重合体から形成されていればよく、例えば、(A-1)−(A-2)−(A-1)タイプ及び(A-2)−(A-1)−(A-2)タイプの混合物からなるブロック共重合体、(A-1)−(A-2)タイプ及び(A-1)−(A-2)−(A-1)タイプの混合物からなるブロック共重合体、(A-1)−(A-2)タイプ及び(A-2)−(A-1)−(A-2)タイプの混合物からなるブロック共重合体等のようにブレンドして用いることもできる。なお、本発明のゴム組成物の分岐状ブロック共重合体は、上記の構造のブロック共重合体(A)を2〜6官能性のカップリング剤でカップリングしてなり、例えば、(A-1)−(A-2)タイプ、(A-1)−(A-2)−(A-1)タイプ、(A-2)−(A-1)−(A-2)タイプ及び(A-1)−(A-2)−(A-1)−(A-2)タイプからなる群から選択される少なくとも一種のブロック共重合体(A)が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされたものである。ここで、上記分岐状ブロック共重合体の構造として、具体的には、下記式:
[(A-1)-(A-2)]n
[(A-2)-(A-1)]n
[(A-1)-(A-2)-(A-1)]n
[(A-2)-(A-1)-(A-2)]n
[(A-1)-(A-2)-(A-1)-(A-2)]n
[(A-2)-(A-1)-(A-2)-(A-1)]n
[式中、nは2〜6の整数であり、Zは2〜6官能性のカップリング剤の残基である]で表される構造等が挙げられる。
上記ブロック重合体(A)においては、上記ブロック成分(A-2)のガラス転移温度(Tg2)が、上記ブロック成分(A-1)のガラス転移温度(Tg1)より低い以外は特に制限されず、例えば、ブロック成分(A-1)のガラス転移温度(Tg1)が−30℃以上であり、ブロック成分(A-2)のガラス転移温度(Tg2)が−40℃以下であることが好ましい。該ブロック成分(A-1)のガラス転移温度(Tg1)が−30℃未満では、上記分岐状ブロック共重合体全体のガラス転移温度(Tg)が低下し、ブレーキ性能及び操縦安定性が十分に確保できず、一方、ブロック成分(A-2)のガラス転移温度(Tg2)が−40℃を超えると、ブロック成分(A-1)のガラス転移温度(Tg1)との差が小さくなり、ブレーキ性能及び操縦安定性を高度にバランスする効果が低下する場合がある。
また、上記ブロック共重合体(A)においては、上記ブロック成分(A-1)のガラス転移温度(Tg1)と上記ブロック成分(A-2)のガラス転移温度(Tg2)との差が、5℃〜50℃であることが好ましい。ここで、ガラス転移温度(Tg)の差が5℃未満では、ブロック構造の特性が十分に発揮されず、一方、50℃を超えると、ブロック成分(A-1)とブロック成分(A-2)のセグメント間で非相溶となり、耐破壊性が低下する場合がある。
上記ブロック共重合体(A)において、上記ブロック成分(A-1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S1)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V1)(%)とが、上記式(I)の関係を満たし、かつ、上記ブロック成分(A-2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S2)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V2)(%)とが、上記式(II)の関係を満たすことが好ましく、上記ブロック成分(A-1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S1)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V1)(%)とが、上記式(III)の関係を満たし、かつ、上記ブロック成分(A-2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S2)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V2)(%)とが、上記式(IV)の関係を満たすことが更に好ましい。各ブロック成分の芳香族ビニル化合物の結合量及び共役ジエン化合物のビニル結合量とが上記式(I)及び式(II)の関係を満たすブロック共重合体(A)をカップリング剤でカップリングした分岐状ブロック共重合体は、ブロック成分(A-1)とブロック成分(A-2)のガラス転移温度(Tg)の差が確保されることで、ブロック構造の特性を十分に発揮することができ、また、かかる分岐状ブロック共重合体は、タイヤ用重合体として好適なガラス転移温度(Tg)を有する。
また、上記ブロック成分(A-1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S1)と上記ブロック成分(A-2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S2)との差は、10〜50質量%であることが好ましく、15〜45質量%であることが更に好ましい。芳香族ビニル化合物の結合量の差が10質量%未満では、ブロック構造の特性が十分に発揮されないため、ブレーキ性能を確保しつつ、ヒステリシスロスを向上させる効果が十分に得られず、一方、50質量%を超えると、ブロック成分(A-1)とブロック成分(A-2)のセグメント間で非相溶となり、耐破壊性が低下する場合がある。
一方、本発明のゴム組成物の低分子量重合体(B)は、ポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103〜2.0×105である芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体であることを要する。上記低分子量重合体(B)のポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×103未満では、ゴム組成物の破壊特性、耐摩耗性、ウェットスキッド特性及びドライグリップ特性が低下し、一方、2.0×105を超えると、ウェットスキッド特性及びドライグリップ特性が低下する。
更に、上記低分子量重合体(B)は、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の20%以上が水素添加されていることを要し、40%以上が水素添加されていることが好ましい。低分子量重合体(B)の共役ジエン化合物部分の不飽和結合の水添率が20%未満では、低分子量重合体(B)がゴム組成物の架橋に関わってしまい、ゴム組成物における室温以上でのヒステリシスロスの向上幅が小さく、タイヤのドライグリップ特性を十分に向上させることができない。
上記低分子量重合体(B)は、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が10〜80%の範囲であり、芳香族ビニル化合物の結合量が10〜60質量%の範囲であることが好ましい。ここで、上記低分子量重合体(B)の共役ジエン化合物部分のビニル結合量が10%未満では、ウェットスキッド特性及びドライグリップ特性が低下する場合があり、一方、80%を超えると、樹枝状になるためゴム組成物が固くなり、ウェットスキッド特性及びドライグリップ特性が低下する場合がある。また、上記低分子量重合体(B)の芳香族ビニル化合物の結合量が10質量%未満では、分岐状ブロック共重合体との相溶性が確保できず、耐破壊性が低下し、一方、60質量%を超えると、アイススキッド特性が低下する場合がある。
本発明のゴム組成物においては、上記ブロック成分(A-1)の芳香族ビニル化合物の結合量が30〜55質量%の範囲で、上記ブロック成分(A-2)の芳香族ビニル化合物の結合量が0〜30質量%の範囲で、上記低分子量重合体(B)の芳香族ビニル化合物の結合量が30〜55質量%の範囲であることが好ましい。ここで、ブロック成分(A-1)、ブロック成分(A-2)及び低分子量重合体(B)における芳香族ビニル化合物の結合量が、それぞれ特定した範囲内にあれば、(A-1)-(A-2)のブロックコントラストが顕著になり、ブロック構造の効果を発現し、更には、分岐状ブロック共重合体と低分子量重合体(B)との相溶性も確保することができる。
上記低分子量重合体(B)は、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを共重合、又は共役ジエン化合物を重合して製造される。ここで、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、α-メチルスチレン、1-ビニルナフタレン、3-ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン、4-シクロヘキシルスチレン及び2,4,6-トリメチルスチレン等が挙げられ、これら芳香族ビニル化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。一方、上記共役ジエン化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-フェニル-1,3-ブタジエン、1,3-ヘキサジエン等が挙げられ、これら共役ジエン化合物は、単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。上記芳香族ビニル化合物の中でもスチレンが特に好ましく、上記共役ジエン化合物の中でも、1,3-ブタジエンが特に好ましい。従って、上記低分子量重合体(B)としては、ポリブタジエン及びスチレン−ブタジエン共重合体が好ましい。
本発明のゴム組成物においては、上記ブロック共重合体(A)の5質量%以上が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされた分岐状ブロック共重合体100質量部に対して、上記低分子量重合体(B)を5〜200質量部の割合で配合することが好ましい。該分岐状ブロック共重合体100質量部に対する低分子量重合体(B)の配合量が5質量部未満では、タイヤの強度及びドライグリップ特性を十分に改良することができず、一方、200質量部を超えると、ゴム組成物のムーニー粘度が低くなり過ぎて生産性が悪くなる。
上記分岐状ブロック共重合体は、例えば、炭化水素溶媒中でエーテル又は第三級アミンの存在下、リチウム系重合開始剤を用いて、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との混合物をアニオン重合によって上記ブロック共重合体(A)のブロック成分の配列に従い順に重合させ、次いで2〜6官能性のカップリング剤を加えてカップリングさせて得られる。一方、上記低分子量重合体(B)は、例えば、上述の芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とを炭化水素溶媒中でエーテル又は第三級アミンの存在下、リチウム系重合開始剤を用いてアニオン重合によって重合させ、得られた重合体を水素化触媒の存在下、常法に従って水添することで得られる。なお、上記分岐状ブロック共重合体は、上記低分子量重合体(B)と同様に任意に水添してもよい。
ここで、上記炭化水素溶媒としては、特に限定されるものではないが、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素等を用いることができる。これら炭化水素は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これら炭化水素の中では、脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素が好ましい。
また、上記リチウム系重合開始剤としては、有機リチウム化合物が好ましく、該有機リチウム化合物としては、エチルリチウム、プロピルリチウム、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム(sec-BuLi)、t-ブチルリチウム等のアルキルリチウム;フェニルリチウム、トリルリチウム等のアリールリチウム;ビニルリチウム、プロペニルリチウム等のアルケニルリチウム;テトラメチレンジリチウム、ペンタメチレンジリチウム、ヘキサメチレンジリチウム、デカメチレンジリチウム等のアルキレンジリチウム;1,3-ジリチオベンゼン、1,4-ジリチオベンゼン等のアリレンジリチウムの他;1,3,5-トリリチオシクロヘキサン、1,2,5-トリリチオナフタレン、1,3,5,8-テトラリチオデカン、1,2,3,5-テトラリチオ-4-ヘキシル-アントラセン等が挙げられる。これらの中でも、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム、t-ブチルリチウム及びテトラメチレンジリチウムが好ましく、n-ブチルリチウムが特に好ましい。上記リチウム系重合開始剤の使用量は、反応操作における重合速度及び生成させる重合体の分子量によって決定され、通常、単量体100g当たりリチウム原子として0.02〜5mgの範囲が好ましく、0.05〜2mgの範囲が更に好ましい。なお、リチウム系重合開始剤に代えて、Co、Ni、Ti、Na、Nd等の元素を含んだアルカリ金属系、アルカリ土類金属系、希土類系又は遷移金属系の重合開始剤を使用することもできる。
上記重合体(A)及び重合体(B)を得るための重合反応は、バッチ重合方式、連続重合方式のいずれの方式によっても行うことができる。上記重合反応における重合温度は、0〜130℃の範囲が好ましい。また、重合反応は、等温重合、昇温重合及び断熱重合のいずれの重合形式によっても行うことができる。更に、重合を行う際には、反応容器内にゲルが生成するのを防止するために、1,2-ブタジエン等のアレン化合物を添加することもできる。
上記重合活性末端を有するブロック共重合体(A)の活性末端を2〜6官能性のカップリング剤でカップリングするにあたって、該カップリング剤としては、窒素含有化合物、ケイ素含有化合物及びスズ含有化合物が好ましい。なお、2〜6官能性のカップリング剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記カップリング剤として用いることができるケイ素又はスズ含有化合物としては、上記式(V)で表されるケイ素又はスズ含有化合物が好ましい。式(V)のケイ素又はスズ含有化合物でカップリングした分岐状ブロック共重合体は、少なくとも一種のスズ−炭素結合又はケイ素−炭素結合を有する。式(V)のR1として、具体的には、メチル基、エチル基、n-ブチル基、ネオフィル基、シクロヘキシル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル基等が挙げられる。また、式(V)のケイ素又はスズ含有化合物として、具体的には、SnCl4、R1SnCl3、R1 2SnCl2、R1 3SnCl、SiCl4、R1SiCl3、R1 2SiCl2、R1 3SiCl等が好ましく、SnCl4及びSiCl4が特に好ましい。
上記ケイ素含有化合物としては、上記式(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物も好ましい。式(VI)において、R2及びR3としては、炭素数1〜20のアルキル基,炭素数2〜18のアルケニル基,炭素数6〜18のアリール基,炭素数7〜18のアラルキル基等が挙げられる。ここで、上記アルキル基及びアルケニル基は直鎖状,枝分かれ状,環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基,エチル基,n-プロピル基,イソプロピル基,n-ブチル基,イソブチル基,sec-ブチル基,tert-ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基,ビニル基,プロぺニル基,アリル基,ヘキセニル基,オクテニル基,シクロペンテニル基,シクロヘキセニル基等が挙げられる。また、上記アリール基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等が挙げられる。更に、上記アラルキル基は、芳香環上に低級アルキル基等の置換基を有していてもよく、例えば、ベンジル基,フェネチル基,ナフチルメチル基等が挙げられる。
式(VI)において、cは0〜2の整数であるが、0が好ましく、また、この分子中には活性プロトン及びオニウム塩を有しないことが必要である。
式(VI)で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ-n-プロポキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラ-n-ブトキシシラン、テトライソブトキシシラン、テトラ-sec-ブトキシシラン、テトラ-tert-ブトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン等が挙げられ、これらの中でも、テトラエトキシシランが特に好ましい。
式(VI)のヒドロカルビルオキシシラン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらヒドロカルビルオキシシラン化合物の部分縮合物を用いることもできる。
また、上記カップリング剤として用いることができる窒素含有化合物としては、ポリイソシアネート化合物が好ましい。該ポリイソシアネート化合物は、イソシアネート基(NCO)を2〜6個有する化合物であり、具体的には、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックタイプのジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
上記カップリング剤による重合活性部位のカップリング反応は、溶液反応で行うことが好ましく、該溶液中には、重合時に使用した単量体が含まれていてもよい。また、カップリング反応の反応形式は特に制限されず、バッチ式でも連続式でもよい。更に、カップリング反応の反応温度は、反応が進行する限り特に限定されず、重合反応の反応温度をそのまま採用してもよい。なお、カップリング剤の使用量は、ブロック共重合体(A)の製造に使用した重合開始剤1molに対し、0.1〜3.0molの範囲が好ましい。
上記水添は、例えば、合成された重合体を、有機カルボン酸ニッケル、有機カルボン酸コバルト、1〜3族の有機金属化合物からなる水素化触媒;カーボン、シリカ、珪藻土等に担持したニッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム金属触媒;コバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム錯体等から選択される一種を触媒として、1〜100気圧の加圧水素下で水素化することで実施できる。
本発明のゴム組成物は、マトリクスのゴム成分として上記分岐状ブロック共重合体を使用することを要するが、該分岐状ブロック共重合体に一般的なゴム成分をブレンドすることができ、具体的には、天然ゴム(NR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、ポリイソプレンゴム(IR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン−プロピレン共重合体等をブレンドすることができる。なお、これら一般的なゴム成分の使用量は、ゴム成分(即ち、分岐状ブロック共重合体と一般的なゴム成分との合計)中50質量%以下とすることが好ましい。
本発明のゴム組成物は、上記分岐状ブロック共重合体100質量部に対して、充填剤を10〜200質量部含有することが好ましい。該充填剤の含有量が10質量部未満では、破壊特性等が十分でなく、一方、200質量部を超えると、ゴム組成物の作業性が低下する。ここで、該充填剤としては、カーボンブラック及び無機充填剤が好ましい、なお、該充填剤は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記カーボンブラックとしては、特に限定されるものではないが、FEF、SRF、HAF、ISAF、SAFグレードのものが好ましく、耐摩耗性を向上させる観点からは、HAF、ISAF、SAFグレードのものが更に好ましい。
上記無機充填剤としては、シリカ;γ-アルミナ、α-アルミナ等のアルミナ(Al23);ベーマイト、ダイアスポア等のアルミナ一水和物(Al23・H2O);ギブサイト、バイヤライト等の水酸化アルミニウム[Al(OH)3];炭酸アルミニウム[Al2(CO3)3]、水酸化マグネシウム[Mg(OH)2]、酸化マグネシウム(MgO)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)、アタパルジャイト(5MgO・8SiO2・9H2O)、チタン白(TiO2)、チタン黒(TiO2n-1)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム[Ca(OH)2]、酸化アルミニウムマグネシウム(MgO・Al23)、クレー(Al23・2SiO2)、カオリン(Al23・2SiO2・2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2・H2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2O)、ケイ酸アルミニウム(Al2SiO5、Al4・3SiO4・5H2O等)、ケイ酸マグネシウム(Mg2SiO4、MgSiO3等)、ケイ酸カルシウム(Ca2SiO4等)、ケイ酸アルミニウムカルシウム(Al23・CaO・2SiO2等)、ケイ酸マグネシウムカルシウム(CaMgSiO4)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、水酸化ジルコニウム[ZrO(OH)2・nH2O]、炭酸ジルコニウム[Zr(CO3)2]、各種ゼオライトのように電荷を補正する水素、アルカリ金属又はアルカリ土類金属を含む結晶性アルミノケイ酸塩等が挙げられる。
上記無機充填剤の中でも、シリカが特に好ましい。該シリカとしては、湿式シリカ(含水ケイ酸)、乾式シリカ(無水ケイ酸)、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム等が挙げられ、これらの中でも、湿式シリカが好ましい。
本発明のゴム組成物には、上記分岐状ブロック共重合体、低分子量重合体(B)、一般的なゴム成分、充填剤の他に、例えば、軟化剤、老化防止剤、シランカップリング剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫剤等のゴム工業界で通常使用される添加剤を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合することができる。これら配合剤としては、市販品を好適に使用することができる。上記ゴム組成物は、上記分岐状ブロック共重合体に、上記低分子量重合体(B)と、必要に応じて適宜選択した各種配合剤とを配合して、混練り、熱入れ、押出等することにより製造することができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述したゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする。該タイヤは、上記分岐状ブロック共重合体と上記低分子量重合体(B)との架橋形成が抑制されたゴム組成物を適用してなるため、ウェットスキッド特性、アイススキッド特性、ドライグリップ特性、耐摩耗性及び耐破壊性が高度にバランスされている。なお、本発明の空気入りタイヤは、上述のゴム組成物をトレッドゴムに用いる以外特に制限は無く、常法に従って製造することができる。また、該タイヤに充填する気体としては、通常の或いは酸素分圧を調整した空気の他、窒素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
以下の方法で共重合体(X-1)〜(X-2)、共重合体(Y-1)〜(Y-3)を合成し、得られた共重合体のスチレン結合量、ビニル結合量、ポリスチレン換算重量平均分子量、ガラス転移温度(Tg)、カップリング率及び水添率を下記の方法で測定した。
(1)スチレン結合量
合成された共重合体のスチレン結合量は、1H-NMRスペクトルの積分比から算出した。
(2)ビニル結合量
合成された共重合体のブタジエン部分のビニル結合量は、赤外法で分析した。
(3)ポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)
合成された共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、GPCで測定した。ここで、GPCとしてはウォーターズ社製244型GPCを用い、検知器としては示差屈折計を用い、カラムとしては東ソー製カラムGMH−3、GMH−6、G6000H−6を用い、移動相としてはテトラヒドロフランを用いた。また、標準物質としてウォーターズ社製単分散スチレン重合体を用い、GPCによる単分散スチレン重合体のピークの分子量とGPCのカウント数との関係を予め求めて検量線を作成し、これを用いて、共重合体のポリスチレン換算での分子量を求めた。
(4)ガラス転移温度(Tg)
各共重合体におけるブロック成分(A-1)及び(A-2)をモデルとした重合体をそれぞれ合成し、得られた重合体についてのガラス転移温度(Tg)を、デュポン社製910型示差走査熱量計(DSC)を用い、ASTM D3418−82に記載の方法に従って測定し、各重合体を測定した際の外挿開始温度(extrapolated onset temperature);Tfをもって、対応するブロック成分のガラス転移温度;Tgとした。
(5)カップリング率
カップリングされたブロック共重合体(A)の割合(カップリング率)は、GPCによる分子量分布曲線の全体の面積に対する最も高分子量側のピーク面積の割合から求めた。
(6)水添率
合成された共重合体のブタジエン部の水添率は、四塩化炭素を溶媒として用い、15質量%の濃度で測定した100MHzの1H-NMRの不飽和結合部のスペクトルの減少から算出した。
<共重合体(X-1)の合成>
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3-ブタジエン140g及びスチレン110gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム:2-エチルヘキシルアルコール=2:1の錯体0.0167g及びn-ブチルリチウム0.19gを加えて昇温条件下で15分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した。次いで、1,3-ブタジエン222g及びスチレン28gを加えて、さらに昇温条件下で20分間重合反応を行った。その後、老化防止剤として2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを3.5g加え、共重合体(X-1)を得た。分析値を表1に示す。
<共重合体(X-2)の合成>
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3-ブタジエン140g及びスチレン110gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム:2-エチルヘキシルアルコール=2:1の錯体0.0167g及びn-ブチルリチウム0.19gを加えて昇温条件下で15分間重合し、モノマーの転化率が99%であることを確認した。次いで、1,3-ブタジエン222g及びスチレン28gを加えて、さらに昇温条件下で20分間重合反応を行った後、カップリング剤として四塩化ケイ素(SiCl4)0.133gを加えてカップリング反応を10分間行った。その後、老化防止剤として2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを3.5g加え、共重合体(X-2)を得た。分析値を表1に示す。
Figure 0005124153
<共重合体(Y-1)の合成>
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン3000g、テトラヒドロフラン(THF)45g、1,3-ブタジエン375g及びスチレン125gを導入し、オートクレーブ内の温度を25℃に調整した。次に、n-ブチルリチウム5.10gを加えて昇温条件下で15分間重合反応を行った後、老化防止剤として2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾールを3.5g加え、共重合体(Y-1)を得た。分析値を表2に示す。
<共重合体(Y-2)の合成>
十分に窒素置換した拌翼つきの5リットルオートクレーブに、シクロヘキサン3000g、テトラヒドロフラン(THF)12g、1,3-ブタジエン200g及びスチレン100gを導入し、オートクレーブ内の温度を21℃に調整した。次に、n-ブチルリチウム2.5gを加えて昇温条件下で60分間重合反応を行い、モノマーの転化率が99%であることを確認したのちイソプロピルアルコール0.5gを加えて重合反応を停止させ、老化防止剤として2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール2.1gを加えた。更に、予め別容器で調製したナフテン酸ニッケル:トリエチルアルミニウム:ブタジエン=1:3:3(モル比)の触媒液を共重合体中のブタジエン部1000モルに対しニッケル1モルとなるように仕込んだ。その後、反応系内に水素圧力30atmで水素を導入し、80℃で反応させ、共重合体(Y-2)を得た。分析値を表2に示す。
<共重合体(Y-3)の合成>
水素圧力、水素添加時間等を変えた他は上記共重合体(Y-2)と同様にして共重合体(Y-3)を合成した。分析値を表2に示す。
Figure 0005124153
次に、上記共重合体(X-1)〜(X-2)及び共重合体(Y-1)〜(Y-3)を用いて、表3に示す配合処方のゴム組成物を常法に従って調製し、通常の条件で加硫して得た加硫ゴムに対し、ウェットスキッド特性、アイススキッド特性、ドライグリップ特性、耐摩耗性及び耐破壊性を下記の方法で評価した。結果を表3に示す。
(7)ウェットスキッド特性及びアイススキッド特性
ウェットスキッド及びアイススキッドテスターにより、濡れた路面及び氷上路面を再現して評価した。比較例1のゴム組成物のウェットスキッド特性及びアイススキッド特性をそれぞれ100として指数表示した。指数値が大きい程、ウェットスキッド特性及びアイススキッド特性に優れることを示す。なお、ウェットスキッド特性は、ブレーキ性能の指標となり、アイススキッド特性は、操縦安定性の指標となる。
(8)ドライグリップ特性
岩本製作所製スペクトロメーターを用い、動歪1%、温度60℃、周波数100Hzでtanδを測定し、比較例1のゴム組成物のtanδを100として指数表示した。指数値が大きい程、ドライグリップ特性に優れることを示す。
(9)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用い、室温におけるスリップ率60%での摩耗量を測定し、比較例1のゴム組成物の摩耗量の逆数を100として指数表示した。指数値が大きい程、耐摩耗性が良好であることを示す。
(10)耐破壊性
JIS K 6301−1995に準拠して室温で引張試験を行い、加硫したゴム組成物の引張り強さ(Tb)を測定し、比較例1の引張り強さを100として指数表示した。指数値が大きい程、耐破壊性が良好であることを示す。
Figure 0005124153
*1 ISAF,東海カーボン(株)製,シースト3H.
*2 N-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニル-p-フェニレンジアミン,大内新興化学工業(株)製,「ノクラック6C」.
*3 ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド,大内新興化学工業(株)製,「ノクセラーDM」.
*4 N-t-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド,大内新興化学工業(株)製,「ノクセラーNS」.
表3の結果から、ガラス転移温度(Tg)の異なる二種類のブロック成分からなるブロック共重合体(A)を特定のカップリング剤でカップリングした分岐状ブロック共重合体に、特定の分子量及び水添率を有する低分子量重合体(B)を配合した実施例1〜2のゴム組成物は、比較例1〜4のゴム組成物と比べて、ウェットスキッド特性、アイススキッド特性、ドライグリップ特性、耐摩耗性及び耐破壊性を大幅に改善できることが分かる。
また、実施例2及び比較例2〜4の比較から、ガラス転移温度(Tg)の異なる二種類のブロック成分からなるブロック共重合体(A)を特定のカップリング剤でカップリングした分岐状ブロック共重合体と、特定の分子量及び水添率を有する低分子量重合体(B)とを用いることで、両者の相乗効果によって、ゴム組成物の諸物性を大幅に改善できることも分かる。

Claims (29)

  1. 芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体のブロック成分(A−1)と、該ブロック成分(A−1)よりガラス転移温度(Tg)が低い芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体のブロック成分(A−2)とからなるブロック共重合体(A)であって、該ブロック共重合体(A)の少なくとも一部が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされた分岐状ブロック共重合体に対して、
    ポリスチレン換算重量平均分子量が1.0×10〜2.0×10である芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物共重合体又は共役ジエン化合物重合体であって、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の20%以上が水素添加された低分子量重合体(B)を配合してなることを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記低分子量重合体(B)の配合量は、前記ブロック共重合体(A)の5質量%以上が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされた分岐状ブロック共重合体100質量部に対し、5〜200質量部であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 前記ブロック共重合体(A)の10質量%以上が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされたことを特徴とする請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 前記ブロック成分(A−1)のガラス転移温度(Tg)が−30℃以上であり、前記ブロック成分(A−2)のガラス転移温度(Tg)が−40℃以下であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  5. 前記ブロック成分(A−1)のガラス転移温度(Tg)と前記ブロック成分(A−2)のガラス転移温度(Tg)との差が、5℃〜50℃であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  6. 前記分岐状ブロック共重合体は、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が10〜80%の範囲であり、芳香族ビニル化合物の結合量が0〜70質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  7. 前記ブロック成分(A−1)又はブロック成分(A−2)が、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  8. 前記ブロック共重合体(A)の30質量%以上が2〜6官能性のカップリング剤によりカップリングされたことを特徴とする請求項7に記載のゴム組成物。
  9. 前記分岐状ブロック共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量が6.0×10〜3.0×10であることを特徴とする請求項8に記載のゴム組成物。
  10. 前記分岐状ブロック共重合体は、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が20〜70%の範囲であることを特徴とする請求項9に記載のゴム組成物。
  11. 前記ブロック成分(A−1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V)(%)とが、下記式(I):
    67≦S+0.7×V≦100・・・(I)
    の関係を満たし、かつ、前記ブロック成分(A−2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V)(%)とが、下記式(II):
    0≦S+0.7×V≦60・・・(II)
    の関係を満たすことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  12. 前記ブロック成分(A−1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V)(%)とが、下記式(III):
    67≦S+0.7×V≦80・・・(III)
    の関係を満たし、かつ、前記ブロック成分(A−2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S)(質量%)と共役ジエン化合物部分のビニル結合量(V)(%)とが、下記式(IV)
    25≦S+0.7×V≦50・・・(IV)
    の関係を満たすことを特徴とする請求項11に記載のゴム組成物。
  13. 前記ブロック成分(A−1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S)と前記ブロック成分(A−2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S)との差が、10〜50質量%であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  14. 前記ブロック成分(A−1)の芳香族ビニル化合物の結合量(S)と前記ブロック成分(A−2)の芳香族ビニル化合物の結合量(S)との差が、15〜45質量%であることを特徴とする請求項13に記載のゴム組成物。
  15. 前記分岐状ブロック共重合体は、(A−1)−(A−2)タイプ、(A−1)−(A−2)−(A−1)タイプ、(A−2)−(A−1)−(A−2)タイプ及び(A−1)−(A−2)−(A−1)−(A−2)タイプからなる群から選択される少なくとも一種のブロック共重合体(A)が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされたものであることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  16. 前記分岐状ブロック共重合体は、(A−1)−(A−2)−(A−1)タイプ、(A−2)−(A−1)−(A−2)タイプ及び(A−1)−(A−2)タイプからなる群から選択される少なくとも一種のブロック共重合体(A)が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされたものであることを特徴とする請求項15に記載のゴム組成物。
  17. 前記分岐状ブロック共重合体は、(A−1)−(A−2)タイプのブロック共重合体(A)が2〜6官能性のカップリング剤でカップリングされたものであることを特徴とする請求項16に記載のゴム組成物。
  18. 前記分岐状ブロック共重合体は、ポリスチレン換算重量平均分子量が2.0×10〜5.0×10であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  19. 前記ブロック共重合体(A)及び低分子量重合体(B)が、リチウム系、アルカリ金属系、アルカリ土類金属系、希土類系又は遷移金属系の重合開始剤で重合されたことを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  20. 前記ブロック共重合体(A)は、該ブロック共重合体(A)を形成する各ブロック成分を、該ブロック成分の配列に従い順に重合して得られたことを特徴とする請求項1又は19に記載のゴム組成物。
  21. 前記低分子量重合体(B)が、ポリブタジエン又はスチレン−ブタジエン共重合体であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  22. 前記低分子量重合体(B)は、共役ジエン化合物部分のビニル結合量が10〜80%の範囲であり、芳香族ビニル化合物の結合量が10〜60質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  23. 前記低分子量重合体(B)は、共役ジエン化合物部分の不飽和結合の40%以上が水素添加されていることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  24. 前記ブロック成分(A−1)の芳香族ビニル化合物の結合量が30〜55質量%の範囲で、前記ブロック成分(A−2)の芳香族ビニル化合物の結合量が0〜30質量%の範囲で、前記低分子量重合体(B)の芳香族ビニル化合物の結合量が30〜55質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  25. 前記カップリング剤が、窒素含有化合物、ケイ素含有化合物又はスズ含有化合物であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  26. 前記カップリング剤が、下記式(V):
    ZX・・・(V)
    [式中、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基からなる群から選択され;Zは、スズ又はケイ素であり;Xは、それぞれ独立して塩素又は臭素であり;aは0〜2で、bは2〜4で、但し、a+b=4である]で表されるケイ素又はスズ含有化合物、下記式(VI):
    −Si−(OR4−c・・・(VI)
    [式中、R及びRは、それぞれ独立して炭素数1〜20の一価の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜18の一価の芳香族炭化水素基であり;cは0〜2の整数であり;ORが複数ある場合、複数のORはたがいに同一でも異なっていてもよく;また分子中には活性プロトン及びオニウム塩は含まれない]で表されるヒドロカルビルオキシシラン化合物、及びポリイソシアネート化合物からなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項25に記載のゴム組成物。
  27. 前記分岐状ブロック共重合体100質量部に対して、充填剤を10〜200質量部含有することを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  28. 前記充填剤が、カーボンブラック及び/又は無機充填剤であることを特徴とする請求項27に記載のゴム組成物。
  29. 請求項1〜28のいずれかに記載のゴム組成物をトレッドゴムに用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。
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