JP5124020B2 - プレ噴射の噴射燃料量を決定する方法および装置 - Google Patents

プレ噴射の噴射燃料量を決定する方法および装置 Download PDF

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Description

本発明は、内燃機関の少なくとも一つの燃焼室の中へ噴射されるプレ噴射の燃料質量を決定するための方法、並びにその方法の実施するための装置に関する。
最新の内燃機関、とりわけ自己噴射式ディーゼルエンジンの運転のためには、非常に高い噴射圧の下での燃料量の高精度の計量が必要である。しかしながら、最新の噴射システムでは、制御された燃料計量の精度は、一方では製造精度によって、又他方では内燃機関の耐用年数の間に変化する噴射システムのコンポーネントの特性、とりわけ、例えばより大きな許容誤差をもたらすドリフト現象によって、制限される。そこで、達成可能な精度は、エンジンの要求を満たすためにはしばしば十分ではない。特に、プレ噴射量の不正確さは、運転ポイントによっては、例えば部分負荷運転の下で、顕著に増加された有害物質の排出或いは異常現象及びそれに伴う好ましくない燃焼騒音をもたらす。
従って、噴射弁の制御のしかるべき修正を行い、又正確な噴射量を保証することができるようにするために、噴射された燃料質量を非常に正確に把握し、特に内燃機関の運転の間に実際に生じた目標噴射量からの実噴射量のずれを測定することに対して大きな関心が持たれている。
独立の請求項1のメルクマールを持つ本発明に基づく方法は、内燃機関の少なくとも一つの燃焼室の中へ、高圧の下での少なくとも一回の噴射によって噴射されるプレ噴射の燃料質量を、非常に正確に決定することを可能にする。このことは、前もって定められた目標プレ噴射の目標量に基づいて行わる少なくとも一回のテスト後噴射の噴射燃料の実際量の大きさとこのテスト後噴射の目標量の大きさとの比較によって、プレ噴射のための修正値が定められるということによって行われる。この修正値によって噴射弁の制御のパラメーターを修正し、これによって正しい噴射量を保証することができる。別の云い方をすれば、この方法は、実際に噴射された後噴射の燃料質量(この噴射量は目標とするプレ噴射の量に相当するようにえらばれる)から、このテスト後噴射の実際の噴射量と目標噴射量との間の比を確定し、ここからプレ噴射のための修正値を、即ち噴射弁の制御パラメーターの修正係数を導き出し、そのようにして全てのエンジン運転領域におけるプレ噴射のための正しい噴射量を保証することができる。
本発明に基づく手法の有利な拡張例と実施例は、諸従属請求項から明らかとなる。
一つの好ましい実施例は、実際量の大きさを排気ガス領域内で測定されたラムダ信号から求めることを企図している。この手法によれば、排気ガス領域内にいずれにせよラムダ制御のために配置されているラムダセンサによって生成されたセンサ信号を実際量の大きさの測定のために援用することができる。
もう一つの手法は、排気ガス領域内で生じる空気過剰率ラムダの計算を企図している。
一つの実施例は、修正値を、定期的に行われ、内燃機関の前もって定められた運転状態の下で実行される学習プロセスの枠組みの中で定めることを企図している。
この学習プロセスの枠組みの中で測定された修正値及び噴射された燃料の実際量と噴射された燃料の目標量の大きさは、好ましくは学習特性マップに納められ、この特性マップは、後に運転中に容易に引き出して利用することができる。
噴射された燃料質量のための尺度としては、噴射された燃料量、或いは噴射された燃料量の特徴を決定する制御量、例えば制御時間長さを援用することができる。
修正値の測定のための後噴射は、本発明の第一の実施例の場合、少なくとも一つの燃焼室を備えた内燃機関の燃焼室への後噴射に基づいて測定することができる。このようにすることによって、噴射器毎に学習特性マップを求めることができるので、噴射のシリンダ毎の修正が可能となる。
もう一つの実施例は、修正値を複数の燃焼室を備えた内燃機関の全ての燃焼室への後噴射に基づいて求めることを企図している。この手法は、全ての噴射器の平均偏差を目標値から求め、それに従って修正することができるという利点を持っている。
内燃機関の運転のための本発明に基づく装置は先ず、前記方法の実施のために構成された制御装置に関している。この制御装置は、好ましくは少なくとも一つの電気的メモリを含んでおり、そのメモリにプロセスステップがコンピュータプログラムとして格納されている。この制御装置は更に、好ましくは特別なメモリを含んでおり、そのメモリに修正値の様々な値が格納されている。
本発明の実施例の機能ブロックを示している。
図1は、内燃機関を運転するための本発明に基づく方法を実施するのに適した機能ブロックを示している。図1には、好ましくは複数の燃焼室、例えば四つの燃焼室を備えた内燃機関100が示されており、それ等の燃焼室に噴射器によって燃料が噴射される。内燃機関100には更に、適当な装置104を用いて、例えばホットフィルムエアマスセンサHFMを用いて、それ自体既知の手法で測定されるエアマスmLが送り込まれる。
噴射器102の制御は、望ましい目標量QSollに割り当てられた噴射器102の制御時間長さを取り出すことのできる制御時間長さ特性マップ110を用いて行われ、この噴射器102の制御時間長さによって、燃料が燃焼室へ噴射される。ところでディーゼル機関100の制御のためには、非常に高い噴射圧力の下での燃料質量の高精度の計量が必要である。しかしながら、現在の噴射システムにおける制御された燃料計量の達成可能な精度は、一方では製造精度によって、又他方では内燃機関の運転の間の、例えば摩耗等に基づく構成部品のドリフトによって、制限されている。特に、運転ポイントに応じたプレ噴射VEの不正確さは、例えば部分負荷運転の下での有害物質排出の顕著な増加、或いは異常な燃焼騒音をもたらす。
本発明の基本的考え方は、通常の走行運転の間の望ましいプレ噴射量からの実際のプレ噴射量のずれを、後に取り除けられた同等の後噴射量QNEによって決定して、エンジン制御に利用できるようにするというものである。この情報を用いて、噴射器102の制御の修正が可能となる。このようにすることによって、噴射システムの許容差の修正も可能となる。
実際に噴射された燃料量を非常に正確に決定することができ、それによってプレ噴射量の修正を行うことができるようにするために、本発明は、好ましくはトルクに寄与しない後噴射として行われる少なくとも一回のテスト噴射の際に実際の噴射量を測定して、実際の噴射量と望ましい噴射量との比を、学習特性マップに格納するということを企図している。これは以下に詳しく記載される手法によって行われる。
制御装置200の一部である学習運転コーディネーター130によって噴射器102の制御が行われ、燃料が、後噴射QNEの間に内燃機関100の燃焼室内へ噴射される。同時に、噴射されたエアマスmLがホットフィルムエアマス計104によって測定され、又空気過剰率ラムダが、例えばラムダゾンデ106によって測定され、これ等の値から演算ユニット150で、後噴射の間に実際に噴射された燃料量mK、NEが計算される。この燃料質量mK、NEもまた、学習マップ140に記憶される。後からのこのトルクに寄与しない後噴射は、内燃機関の運転に悪い影響を与えることはないが、空気過剰率の変化をもたらす。
噴射によるラムダの変化デルタは、次式によって求められる。
Figure 0005124020
この式でEtaは、確証の程度を定める大きさを示しており、この大きさは、例えば経験的に求められ、非常に遅い後噴射は、最早完全には燃焼されず、又ラムダゾンデ106の形式によっては低いHC濃度しか完全には変換され又確認されないという事情を考慮している。確証の程度に関するこの尺度Etaは、後噴射の実際に噴射された量mK、NEとラムダ信号との間の関係の明確な描写を可能にする。
そのようにして求められ又要求された後噴射の燃料質量QSollから差或いは比が求められ学習マップ140に記憶されるが、この学習マップ140の座標軸は、その時々の噴射弁の作動ポイントBPの特徴を十分に明確に示している。要求される燃料質量QSollは、プレ噴射量に対応する後噴射の望ましいテスト量が求められるプレ噴射決定装置112で求められる。このようにして決定された目標量QSollは同時に学習マップ140にも送られる。これに代わる手法として、測定された実燃料質量に属している制御パラメーターが記憶されることもある。望ましい噴射量に到達するために、名目上の制御パラメーターに対してこのパラメーターの修正値の記憶もこれと同等の意味を持つ。
上に述べられた方法は、複数の燃焼室を備えた内燃機関の一つの燃焼室への燃料質量の噴射を前提として説明された。一つの燃焼室内への噴射は、噴射器毎に学習特性マップ140を定めることを可能にする。
この方法はこれだけに限定されるものではないということは勿論である。
それどころか、後噴射を全てのシリンダで同時に行うことも可能である。このようにすることによって、目標値からの全ての噴射器106の平均偏差を求めて学習特性マップ140に記憶させることができる。
ここに記載されている機能の第二の構成要素は、学習内容の利用を表している。テスト後噴射の際に、そのようにして学習された比(この比のパラメーターが学習特性曲線140の対象となっている)が、次いで内燃機関の通常運転中に、プレ噴射の量QVEの決定のために考慮される。このために、修正係数Kがプレ噴射量の決定の際に考慮される。この修正係数は、先に説明された学習プロセスに基づいて見いだされた、後噴射の修正係数Kをプレ噴射要求に対して伝達するために伝達特性曲線142に送り込まれる。これによって、最終的に、望ましいプレ噴射の量QVEが、実際に噴射された量が丁度再び元の希望噴射量に等しくなるまで修正される。
噴射された燃料量の尺度は、上に説明されたように、燃料量自身とすることができる。しかしながら、目標燃料量と実燃料量との間のずれの代わりに正しい実質量を決定するために、必要な制御時間長さの修正値を求めて記憶させることも可能である。その際、制御時間長さの修正値の記憶は、いわゆるゼロ量修正(Nullmengenkorrektur)の場合と同様に行うことができる。これに代わる手法として、学習特性マップは、求められた実燃料量に対して必要な制御パラメーター(例えば、制御時間長さ)が或いは名目上の制御パラメーターに対するその時々の修正値が記憶されるように、形成することができる。
二つの変数のどちらが実際に用いられるかということは、二つの変数の達成可能な精度にも依存している。

Claims (8)

  1. 内燃機関(100)の少なくとも一つの燃焼室への少なくとも一回の噴射によって、高圧で噴射されるプレ噴射の燃料量を決定する方法において、
    要求されたプレ噴射の前もって定められた目標量に基づいて行われた少なくとも一回のテスト後噴射の噴射された燃料の実際量と、テスト後噴射の目標量との比較によって、前記実際量と前記目標量との比を求め、この比に基づき、内燃機関の前もって定められた運転状態で実行される学習プロセスで、修正値が求められること、および
    前記実際量が、排気ガス領域内で測定されたラムダ信号から求められること、
    を特徴とするプレ噴射の燃料量を決定する方法。
  2. 前記学習プロセスで求められた修正値と、噴射された燃料の実際量並びに噴射された燃料の目標量が、学習特性マップ(140)に記憶されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 噴射された燃料量の尺度として、燃料噴射器の燃料量或いは制御時間長さが使用されることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記修正値が、少なくとも一つの燃焼室を備えた内燃機関(100)の一つの燃焼室への後噴射に基づいて求められることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
  5. 前記修正値が、複数の燃焼室を備えた内燃機関(100)の全ての燃焼室への後噴射に基づいて求められることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の方法を実施するために構成された少なくとも一つの制御装置(200)を備えていることを特徴とする内燃機関(100)の運転装置。
  7. 前記制御装置(200)が、少なくとも一つの修正値メモリ(140)を備えており、該修正値メモリに、内燃機関の前もって定められた運転状態の下で実行される学習プロセスの間に求められた修正値が格納されることを特徴とする請求項に記載の装置。
  8. 前記修正値メモリが、学習特性マップ(140)であることを特徴とする請求項に記載の装置。
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