JP4673812B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置に関する。更に具体的には、気筒に連通する吸気ポートに燃料を噴射するポート噴射用インジェクタと、気筒内に直接燃料を噴射する筒内噴射用インジェクタとの2つのインジェクタを備える内燃機関の制御装置に関するものである。
特開2004−176638号公報には、気筒に連通する吸気ポートのそれぞれにポート噴射用インジェクタを備えた内燃機関の、燃料噴射量を制御するシステムが開示されている。このシステムにおいて気筒内に供給される燃料の噴射量は、燃料供給されるべき気筒の吸気行程直前又は吸気行程中であって、かつ、吸気バルブの閉弁タイミング(IVC)以前に決定される。
具体的に、上記従来技術のシステムでは、燃料噴射量を決定する際に、まず今回の吸気行程で気筒内に吸入される吸入空気量が予測される。具体的に、吸入空気量はスロットルバルブの開度の推定値や機関回転数等に応じて、吸気系の空気の挙動を予測する空気モデルに従って演算される。この空気量の予測量を目標空燃比で除算することにより、補正前の燃料噴射量が決定される。
ここで、補正前燃料噴射量の算出に用いられる吸入空気量は、空気モデルに従って演算された予測値となる。従って予測された吸入空気量と実際の吸入空気量との間には誤差が生じる場合がある。燃料噴射量は、予測された吸入空気量と目標空燃比とに応じて算出されるため、空気量の予測に誤差が生じると、燃料噴射量は実際の吸入空気量に応じたものとならず、目標空燃比の制御にズレが生じることとなる。このため、上記従来技術のシステムにおいては、予測された吸入空気量に基づいて算出される燃料噴射量に、前回の吸気行程における実際の吸入空気量に応じた補正を加えて、燃料の過不足分を補償することとしている。
特開2004−176638公報 特開平11−117793号公報
ポート噴射用のインジェクタにより供給される燃料は、吸気ポート内に噴射されて、吸気ポート内において空気と混合される。そして燃料と空気との混合気が、吸気行程において気筒内に吸入されることで、気筒内に燃料が供給される。このため、燃料噴射量は各気筒の吸気行程における吸気バルブの閉弁タイミング、すなわち、気筒内に吸入される吸入空気量が実際に確定されるよりも前の、比較的早い段階で決定される。従って、燃料噴射量は、気筒内に吸入される吸入空気量を予測して、この予測された吸入空気量に応じて、燃料噴射量が目標空燃比に適した量となるように設定されることとなる。
吸入空気量は、例えば、スロットル開度等に応じて、空気モデルに従って予測される。従って、例えば、内燃機関の加速過渡中など、アクセル操作量が大きく変動するような場合等には、特に、吸入空気量を正確に予測することが困難であり、実際の吸入空気量と予測された吸入空気量との間にズレが生じやすい。従って、内燃機関が加速過渡の運転状態である場合などは、特に空燃比制御にズレが生じやすくなる。この点、エミッション特性の改善の見地からは、過渡中においても、空燃比を目標空燃比に一致できるよう、より高い精度で空燃比制御を行うことが望まれる。
これに対し、上記従来技術によれば、前回の吸気行程における実際の吸入空気量を算出し、これにより今回の吸気行程における燃料噴射量に対する補正を行う。しかし、上記のような過渡の運転時には、前回の吸気行程と今回の吸気行程との間で、吸入空気量の変動が大きくなる。このため、前回の吸気行程における実際の吸入空気量に基づく補正では、その吸入空気量の予測値に生じる実際の吸入空気量に対する誤差を十分に補正できない場合がある。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、過渡運転時においても、目標空燃比に応じた適切な量の燃料噴射を可能とし、内燃機関の空燃比制御の精度を向上させるよう改善した内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
個々の気筒に連通する吸気ポートと、
前記吸気ポート内に燃料を噴射するためのポート噴射用インジェクタと、
前記個々の気筒内に燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタと、
同一の機関サイクルにおいて、前記筒内噴射用インジェクタおよび前記ポート噴射用インジェクタの双方に燃料を噴射させる噴射制御手段と、を備え、
前記ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射量を決定する際に、今回の吸気行程において前記気筒に吸入されると予測される吸入空気量を、第1先読空気量として演算する第1先読空気量演算手段と、
前記第1先読空気量に基づいて、前記ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射量であるポート噴射量を決定するポート噴射量決定手段と、
前記筒内インジェクタによる燃料噴射量を決定する際に、前記今回の吸気行程において前記気筒に吸入されると予測される吸入空気量を、第2先読空気量として演算する第2先読空気量演算手段と、
前記第1先読空気量と前記第2先読空気量との差に基づいて、前記ポート噴射量に対する燃料噴射量の補正噴射量を演算する補正噴射量演算手段と、
前記補正噴射量に応じて、前記筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射量である筒内噴射量を決定する筒内噴射量決定手段と、
を備えることを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、
前記ポート噴射量決定手段は、前記第1先読空気量を、目標空燃比で除算して、前記ポート燃料噴射量を演算し、
前記筒内噴射量決定手段は、前記第2先読空気量から前記第1先読空気量を減算した空気量先読誤差を、前記目標値空燃比で除算して、前記筒内噴射量を演算することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明において、
前記今回の吸気行程における、前記ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射量と、前記筒内噴射量インジェクタによる燃料噴射量との噴射量比率を設定する噴射量比率設定手段と、
前記ポート噴射量決定手段は、前記第1先読空気量を、前記目標空燃比で除算した総燃料噴射量に対する、前記ポート噴射用インジェクタの前記噴射量比率に応じた量を、前記ポート噴射量として決定し、
前記筒内噴射量決定手段は、
前記総燃料噴射量に対する前記筒内インジェクタの前記噴射量比率に応じた量と、前記補正噴射量とを加算した噴射量を、前記筒内噴射量として決定することを特徴とする。
第1の発明によれば、ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射量決定のタイミングで、吸気行程において吸入される吸入空気量の予測量(第1先読空気量)を求めて、これに応じて燃料噴射量を決定した後、筒内インジェクタによる燃料噴射量を決定するタイミングで、再び、吸気行程において吸入される吸入空気量の予測量(第2先読空気量)を求めて、この第1先読空気量と第2先読空気量との差に応じて、ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射量を補正することができる。ここで、ポート噴射用インジェクタからの燃料噴射は、吸気バルブ閉弁前の早いタイミングで行われるため、第1先読空気量は実際の空気量に対して大きな誤差を含む場合がある。このため、第1先読空気量に応じて演算されるポート噴射量にも、この誤差に応じたズレが発生する。これに対して、筒内インジェクタからの燃料噴射は、ポート噴射用インジェクタからの燃料噴射量決定よりも後の遅いタイミングで行うことができるため、第2先読空気量は、その吸気行程における気筒内の空気量が実際に確定するタイミングに近いタイミングで予測することができる。従って、第2先読空気量は実際の空気量に近いものとなる。従って、第1の発明では、実際の空気量に近い第2先読空気量を求めて補正噴射量を決定することで、第1先読空気量の予測の誤差により発生した燃料噴射量のズレを補正することができる。従って、より精度の高い空燃比制御を行うことができる。
第2の発明によれば、第1先読空気量を目標空燃比で除算してポート燃料噴射量を算出し、第2先読空気量から第1先読空気量を減算した空気量先読誤差を、目標値空燃比で除算して筒内噴射量を算出する。これにより、ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射のみを行う領域においても、燃料噴射量の誤差を筒内噴射により補正することができ、より高い精度で空燃比制御を実現することができる。
第3の発明によれば、第1先読空気量を、目標空燃比で除算した総燃料噴射量に対する、ポート噴射用インジェクタの噴射量比率に応じた量を、ポート噴射量として決定し、総燃料噴射量に対する筒内インジェクタの噴射量比率に応じた量と、第2先読空気量と第1先読空気量との差から求められた補正噴射量とを加算した噴射量を、筒内噴射量として決定する。これにより、ポート噴射用インジェクタと、筒内噴射量インジェクタとの双方を用いて燃料噴射を行う領域においても、燃料噴射量の誤差を筒内噴射により補正することができ、より高い精度で空燃比制御を実現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、同一または相当する部分には同一符号を付してその説明を簡略化ないし省略する。
実施の形態1.
[実施の形態1のシステムの構成]
図1は、この発明の実施の形態1における制御装置が搭載された内燃機関及びその周辺のシステム構成を説明するための模式図である。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10は気筒12を備えている。図1においては1の気筒12の断面のみを表しているが、実際には、内燃機関10は複数の気筒12を備えている。各気筒12内部にはピストン14が配置されている。ピストン14は、コンロッドを介してクランクシャフト16に接続されている。クランクシャフト16の近傍には、内燃機関10のエンジン回転数に応じた出力を発する回転数センサ18が配置されている。
気筒12内の燃焼室の天井部には、先端のギャップが燃焼室内に突出するように点火プラグ20が組み付けられている。気筒12には、燃焼室内にその噴射口が突出するようにして、筒内インジェクタ22(筒内噴射用インジェクタ)が設置されている。筒内インジェクタ22は、気筒12の燃焼室内に向けて直接燃料を噴射する燃料噴射弁である。
気筒12の燃焼室には、吸気ポート24及び排気ポート26が連通している。吸気ポート24と気筒12との連通部には、吸気ポート24を開閉するための吸気バルブ28が配置されている。排気ポート26と気筒12との連通部には、排気ポート28を開閉するための排気バルブ30が配置されている。吸気バルブ28及び排気バルブ30は、それぞれ、図示しない、吸気カム、排気カムやカムシャフト等を介して可変動弁機構に接続されている。可変動弁機構により、吸気バルブ28及び排気バルブ30は、それぞれ内燃機関10の運転中に所定のタイミングで、吸気ポート24又は排気ポート26を開閉する。
吸気ポート24には、先端の噴射口が突出するように配置されたポートインジェクタ32(ポート噴射用インジェクタ)が設置されている。ポートインジェクタ32は、吸気ポート24内に向けて、燃料を噴射する燃料噴射弁である。
気筒12の吸気ポート24には、共通の吸気通路40が接続されている。吸気通路40には、電子制御式のスロットルバルブ42が設けられている。スロットルバルブ42はその開度を変更することにより、吸気通路40内に流入する空気量を調整する。スロットルバルブ42の開度(スロットル開度)は、アクチュエータ44を介して、アクセル操作などによる加減速要求等に基づいて電気的に制御される。すなわち、アクセル開度に基づかずにスロットル開度を制御することができる。スロットルバルブ42の近傍には、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ46が設けられている。一方、各気筒12の排気ポート26には共通の排気通路48が接続されている。排気通路48には排気ガス空燃比に応じた出力を発する空燃比センサ50が設置されている。
内燃機関10は、ECU(Electronic Control Unit)52を備えている。ECU52の入力部には、回転数センサ18、スロットル開度センサ46、エアフロメータ、空燃比センサ50、及びアクセル開度センサ54等の各種センサからの出力が入力され、内燃機関10の運転状態等に関する情報を取得する。また、ECU52は取得した情報に基づいて、出力部からの制御信号により、点火プラグ20による点火時期、筒内インジェクタ22及びポートインジェクタ32による燃料噴射量及び燃料噴射のタイミング、吸気バルブ28、排気バルブ30の開閉タイミング、スロットルバルブ42の開度等を制御する。
上記のように、実施の形態1のシステムは、筒内インジェクタ22とポートインジェクタ32との2つのインジェクタを備えている。ポートインジェクタ32は、吸気ポート24内に燃料を噴射する。噴射された燃料は、吸気ポート24内を流れる大気と均質に混合された混合気となった状態で、吸気行程において気筒12内に導かれる。気筒12内に吸入された燃料は気化して気筒12内全体に分散するため、点火プラグ20により確実に着火され、いわゆる均質燃焼が実現する。この均質燃焼により空気利用率を高めることができ、加速時等の高出力が要求される場合などにおける出力の確保を図ると共に、アイドル運転時の安定性を高めることができる。
一方、筒内インジェクタ22からは、気筒12内に直接燃料が噴射される。噴射された燃料は、ピストン14上面に形成された窪みに沿って、点火プラグ20の近傍に導かれる。その結果、点火プラグ20の近傍には、その周囲に比べて燃料密度が比較的高い領域(成層)が形成される。これにより、点火プラグ20による着火性が高められ、いわゆる成層燃焼が実現される。これによりリーン運転時の着火性を高めて、燃費の向上を図りつつ、高い出力を得ることができるようにしている。
このシステムにおいては、運転状態に応じて、筒内インジェクタ22とポートインジェクタ32との使用比率が決定される。例えば、低回転域からの加速過渡時には、ポートインジェクタ32からの燃料噴射量を100%になるように設定されている。以下、ポートインジェクタ32から100%の燃料を噴射する場合の運転領域(PFI・100%領域)において、実施の形態1のシステムが実行する制御について説明する。
[ポートインジェクタからの燃料噴射について]
図2は、内燃機関10の運転状態がPFI・100%領域にある場合における、内燃機関10の気筒12のうち、今回、燃料供給を必要とする気筒のポートインジェクタ32、吸気バルブ28、吸入空気量の変化等の各状態を説明するための図である。図2において(a)は、ポートインジェクタ32の燃料噴射量決定時期と燃料噴射タイミングとを表し、(b)は、吸気バルブ28の閉弁タイミングを表している。
ポートインジェクタ32から供給される燃料は、吸気ポート24内で空気と混合され、混合気として気筒12内に吸入される。従って、ポートインジェクタ32からの噴射により燃料供給を行う場合、吸気行程中の少なくとも吸気バルブ28の閉弁タイミング(以下「IVC」)(図2(b)参照)よりも前に行う必要がある。実施の形態1のシステムでは、図2(a)に示すように、排気行程の間に吸気ポート内に燃料が噴射される。従って、ポートインジェクタ32からの燃料噴射量(以下「ポート噴射量Q_p」)を決定するタイミング(以下「ポート噴射量決定時刻Tp」)は、排気行程の始め頃に設定されている。
ところで、燃料噴射量は、以下の式(1)に従って演算される。
燃料噴射量=筒内吸入空気量/目標空燃比AbyF_ref ・・・・(1)
つまり、目標空燃比AbyF_refを実現する適切な燃料噴射量は、その吸気行程において気筒12内に吸入される吸入空気量に応じて決定される。
しかし、上記のようにポート噴射量決定時刻Tpは排気行程の始めの頃に設定されており、この時刻Tpはその吸気行程で吸入される吸入空気量の確定前となる。つまり、ポート噴射量Q_pは、吸入空気量の確定前に算出される必要があり、そのため、その吸気行程において吸入される吸入空気量を、ポート噴射量決定時刻Tpにおいて予測する必要がある。吸入空気量はスロットルバルブ42の開度から、吸気系の空気の挙動を示す空気モデルに従って演算することができる。
図2(c)は、スロットルバルブ42の開度変化を表し、図2(d)は、吸入空気量の変化を表している。また、図2(c)、(d)は内燃機関10の加速過渡時の状態を表している。図2(c)に示すように、加速過渡時には、スロットル開度が次第に増加される。このときの気筒内に吸入された吸入空気量は、図2(d)の実線(i)に示されるように、次第に増加するように変化する。実線(i)は、現段階で、気筒12内に吸入されたと推定される吸入空気量を表している。実線(i)に示す、吸入空気量は、検出されたスロットル開度に応じて、予め定められた吸気系の空気の挙動を予測した空気モデルにより推定される。実線(i)において、吸気バルブ28のIVCにおいて推定される吸入空気量が、今回の吸気行程において吸入されたと推定される実吸入空気量KLとなる。
点線(ii)は、現在の時刻(t)において予測される、現在の時刻(t)よりポート先読時間ΔTp先の時刻(t+ΔTp)における吸入空気量KL_p(t)を表している。ここで、ポート先読時間ΔTpは、ポート噴射量決定時刻Tpと、今回の吸気行程における吸入空気量が確定する時刻(つまり、IVC)との時間差である。従って、点線(ii)に表される予測の吸入空気量KL_p(t)上の、ポート噴射量決定時刻Tpにおける値が、ポート噴射量決定時刻Tpにおいて予測される今回の吸気行程において気筒内に吸入されると予測される吸入空気量である、ポート先読空気量KL_p(Tp)(第1先読空気量)となる。
ここで、ポート噴射量決定時刻Tpは排気行程の後半にあり、吸入空気量が確定する時刻IVCよりも大幅に前となる。従って、ポート先読時間ΔTpは比較的長い時間となる。先読時間が長くなり、より遠くのタイミングにおける吸入空気量を予測する場合程、気筒に吸入される吸入空気量の予測精度は低下する。特に、図2に示す加速過渡時のように、スロットル開度が増加するような場合、先読時間ΔTp間のスロットル開度の変化による吸入空気量の増大分まで予測して、正確な吸入空気量を予測することは困難となる。このため、内燃機関10の加速過度中においては、図2(d)に示すように、実吸入空気量KLとポート先読空気量KL_p(Tp)との間に先読誤差が発生し、ポート先読空気量KL_p(Tp)は実吸入空気量KLに比べて小さな値となる。
PFI・100%領域での燃料噴射量となるポート噴射量Q_pは、ポート噴射決定時刻Tpにおいて決定される。つまり、ポート噴射量Q_pは、式(1)に従って、ポート噴射決定時刻Tpにおけるポート先読空気量KL_p(Tp)を目標空燃比AbyF_refで除算することにより求められる。従って、ポート先読空気量KL_p(Tp)が実吸入空気量KLよりも小さなものとなると、燃料噴射量Q_pも、目標空燃比AbyF_refを実際に満足する燃料噴射量よりも小さなものとなり、加速時において燃料不足が発生し、加速リーンの状態となる場合がある。
[実施の形態1における燃料噴射量の補正について]
従って、実施の形態1のシステムでは、ポート噴射量Q_pの、必要な燃料噴射量に対する燃料不足分を、筒内インジェクタ22を用いた燃料噴射で追加補正することとする。図3は、PFI・100%領域において、ポートインジェクタ32による燃料噴射と、ポート噴射量Q_pに追加補正するための筒内インジェクタ22からの燃料噴射とを行う場合について説明するための図である。図3において(a)は、ポートインジェクタ32と筒内インジェクタ22に関するタイミングを表し、(b)は、吸気バルブ28の閉弁タイミングIVCを表している。
図3(a)に示すように、ポートインジェクタ32は排気行程の間に燃料噴射を行う。従って、ポート噴射量Q_pは、その燃料噴射開始直前、すなわち排気行程開始頃のポート噴射量決定時刻Tpに決定される。
一方、筒内インジェクタ22は、直接筒内に燃料を噴射する。従って、ポートインジェクタ32からの燃料噴射のように、吸気行程の早い段階での燃料噴射を必要としない。一方、ここでの筒内インジェクタ22による燃料噴射は、均質燃焼を狙うPFI・100%領域での燃料噴射量の補正のために行うものである。このため、吸気ポート24から吸引された混合気と更に気筒12内に直接噴射された追加補正分の燃料とが十分に混合されるタイミングでの燃料噴射が望まれる。そこで、実施の形態1では、吸気バルブ28の閉弁時(IVC)に、筒内インジェクタ22による追加補正分の燃料噴射を完了する。従って、筒内インジェクタ22からの燃料噴射量(筒内噴射量Q_d)を決定する筒内噴射量決定時刻Tdは、IVCより少し早い、吸気行程の終わりに設定される。
従って、筒内噴射量決定時刻Tdは、今回の吸気行程で吸入される実吸入空気量KLが確定する時刻(IVC)にごく近くなり、実吸入空気量KLが確定する時刻(IVC)と筒内噴射量決定時刻Tdとの時間の差である筒内先読時間ΔTdは、ポート先読時間ΔTpより大幅に短くなる。
図3において(c)はスロットル開度の変化、(d)は吸入空気量の変化を表している。図3(c)は、スロットル開度センサ46の出力に応じて求められたスロットルバルブ42の開度を表している。図3(d)の実線(i)は、図2(d)の(i)と同様に、現段階で気筒12内に吸入されたと推定される吸入空気量を表している。従って、吸気バルブ28のIVCにおいて推定される吸入空気量が、今回の吸気行程において吸入されたと推定される実吸入空気量KLとなる。
図3(d)の点線(ii)は、図2(d)の点線(ii)と同様に、現在の時刻(t)において予測される、現在の時刻(t)よりポート先読時間ΔTp先の時刻(t+ΔTp)における吸入空気量KL_p(t)を表している。従って、点線(ii)のポート噴射量決定時刻Tpにおける値が、ポート先読空気量KL_p(Tp)となる。
図3(d)の一点鎖線(iii)は、現在の時刻(t)において予測される、現在の時刻(t)より筒内先読時間ΔTd先の時刻(t+ΔTp)における吸入空気量KL_d(t)を表している。ここで、筒内先読時間ΔTdは、筒内噴射量決定時刻Tdと、今回の吸気行程における吸入空気量が確定する時刻(つまり、IVC)との時間差であるから、一点鎖線(iii)の予測の吸入空気量KL_d(t)の、筒内噴射量決定時刻Tdにおける値が、筒内噴射量決定時刻Tdにおいて今回の吸気行程において気筒12内に吸入されると予測される吸入空気量である、筒内先読空気量KL_d(Td)(第2先読空気量)となる。
上記のように、筒内先読時間ΔTdは、ポート先読時間ΔTpよりも大幅に小さなものとなる。従って、図3(d)に示すように、筒内噴射決定時刻Tdに予測される筒内先読空気量KL_d(Td)は、実吸入空気量KLに十分近いものとなる。従って、筒内先読空気量KL_d(Td)と、ポート先読吸入空気量KL_p(Tp)との差を求めて、この差に応じた燃料噴射量を補正燃料噴射量ΔQとして、筒内インジェクタ32から噴射することで、全体として、目標空燃比AbyF_refに適した燃料量を供給することができる。
具体的には、まず、空気量先読誤差ΔKLを下記の式(2)に従って算出する。
空気量先読誤差ΔKL=筒内先読空気量KL_d(Td)−ポート先読空気量KL_p(Tp) ・・(2)
つまり、ポート噴射量決定時刻Tpにおいて予測された吸入空気量の、筒内噴射量決定時刻Tdにおいて予測された吸入空気量に対する差が求められる。
次に、この空気量先読誤差ΔKLから、式(3)に従って補正噴射量ΔQを演算する。
補正噴射量ΔQ=空気量先読誤差ΔKL/目標空燃比AbyF_ref ・・(3)
ここで求められる補正噴射量ΔQは、空気量先読誤差ΔKLに対する燃料噴射量であり、ポート噴射量決定時刻Tpにおいて予測されたポート先読空気量KL_p(Tp)の先読誤差による燃料不足分を補充するものである。
図3の(e)は燃料噴射の状態について表している。図3(e)に示されるように、まずポートインジェクタ32からの燃料噴射が、ポート噴射量決定時刻Tp直後に開始され、燃料噴射量がポート噴射量Q_pに達する時刻に終了する。その後、筒内インジェクタ22からの燃料噴射が、筒内噴射量決定時刻Td直後に開始され、燃料噴射量が、補正噴射量ΔQに達する時刻に終了する。
このように、ポート噴射量Q_pの燃料噴射の後、補正噴射量ΔQが、筒内噴射タイミングにおいて噴射されることで、全体としてポート噴射量Q_p+補正噴射量ΔQの燃料が噴射されることとなる。すなわち、式(2)及び式(3)により、全体として噴射される燃料量は、筒内先読空気量KL_d(Td)の場合に空燃比が目標空燃比AbyF_refとなる量となる。ここで筒内先読み空気量KL_d(Td)は実吸入空気量KLにごく近い予測値である。従って、より実吸入空気量KLに対応した燃料量の燃料を供給することができ、空燃比を目標空燃比AbyF_refにより近いものとすることができる。
[実施の形態1の具体的な制御のルーチンについて]
図4は、この発明の実施の形態1においてECU52が実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。図4に示すルーチンは、各気筒12の今回の燃焼サイクルにおいて供給されるべき燃料量を決定するタイミングで毎回実行されるルーチンである。
図4に示すルーチンでは、まず、PFI・100%領域であるか否かが判別される(S100)。具体的には、内燃機関10の機関回転数NEやアクセル操作量が、回転数センサ18やアクセル開度センサ54の出力に応じて検出され、現在の運転状態がPFI・100%領域か否かが判別される。ステップS100において、現在の運転状態がPFI・100%の領域に該当しないと判別された場合には、一旦この処理を終了する。
一方、ステップS100において、現在の運転状態がPFI・100%領域に該当することが認められると、次に、ポート先読時間ΔTpが演算される(S102)。ポート先読み時間Tpは、今回の吸気行程における吸入空気量確定時であるIVCに対する、ポート噴射量決定時刻Tpの差として求められる。次に、筒内先読時間ΔTdが演算される(S104)。筒内先読時間ΔTdは、IVCに対する筒内噴射量決定時刻Tdの差として求められる。
次に、ポート先読吸入空気量KL_p(Tp)が演算される(S106)。ここでポート先読空気量KL_p(Tp)は、現在の時刻Tpにおけるのスロットル開度、機関回転数NE等の運転状態に基づいて、予め記憶された空気モデルに従って演算される。これにより、ポート噴射量決定時刻Tpにおいて予想される、ポート先読空気量KL_p(Tp)が求められる。
次に、ポート先読空気量KL_p(Tp)に応じて、ポート噴射量Q_pが演算される(S108)。ここで、ポート噴射量Q_pは、上記式(1)に従って、ポート先読空気量KL_p(Tp)を目標空燃比AbyF_refにより除算することで求められる。これにより、ポートインジェクタ32からのポート噴射量Q_pが決定し、このポート噴射量Q_pの燃料が、燃料噴射のタイミングで、ポートインジェクタ32から、吸気ポート24内に噴射されることとなる。
次に、筒内噴射量決定時刻Tdにおいて、筒内先読空気量KL_d(Td)が演算される(S110)。ここでは、筒内先読空気量KL_d(Td)は、現在の筒内噴射量決定時刻Tdにおける、スロットル開度、機関回転数NE等に応じて、空気モデルに従って求められる。これにより、筒内噴射量決定時刻Tdにおいて予想される、気筒内に吸入される空気量(KL_d(Td))が求められる。
次に、空気量先読誤差ΔKLが算出される(S112)。空気量先読誤差ΔKLは、ポート噴射量決定時刻Tpにおいて予測されたポート先読空気量KL_p(Tp)と、筒内噴射量決定時刻Tdにおいて予測された筒内先読空気量KL_d(Td)との差であり、上記の式(2)に示すように、空気量先読誤差ΔKL=KL_d(Td)−KL_p(Tp)により求められる。
次に、空気量先読誤差ΔKLがゼロより大きいか否かが判別される(S114)。ここで、ゼロ以下である場合には、ポート噴射量決定時刻Tpで予測したポート先読空気量KL_p(Tp)が、筒内噴射量決定時刻Tdでの筒内先読空気量KL_d(Td)よりも大きい。この場合、ポートインジェクタ32から既に噴射された燃料噴射量Q_pが、実吸入空気量KLに対して、目標空燃比AbyF_refを実現する量よりも多いものとなっていると考えられる。従って、空気量先読誤差ΔKLがゼロ以下である場合には、筒内インジェクタ22による燃料噴射量の補正は行われず、一旦、今回の処理は終了する。
一方、空気量先読誤差ΔKLがゼロより大きいことが認められた場合、次に、空気量先読誤差ΔKLに応じた、補正燃料量ΔQが演算される(ステップS116)。補正燃料量ΔQは、空気量先読誤差ΔKLを、目標空燃比AbyF_refで除算することにより算出される。その結果、筒内インジェクタ22から、予め設定された燃料噴射のタイミングで、補正噴射量ΔQの燃料が噴射されることとなる。その結果、空気量先読誤差ΔKLにより不足した燃料を追加して噴射されることとなり、空燃比を目標空燃比AbyF_refにより近づけることができる。
以上説明したように、この実施の形態1によれば、燃料噴射量の決定を比較的早い段階で行われるポートインジェクタ32による燃料噴射において、吸入空気量の先読誤差ΔKLにより生じた燃料不足分を、先読時間の短い筒内インジェクタ22からの燃料の追加噴射により補うことができる。従って、内燃機関10の加速運転過渡時など、空気量に先読誤差が発生しやすい場合にも、その先読誤差分を補正して、より精度の高い空燃比制御を行うことができる。
なお、実施の形態1では、排気行程の間にポート噴射量Q_pを決定して、その後、ポートインジェクタ32による燃料噴射を行い、吸気行程の終わり頃に、筒内噴射量Q_dを決定して、IVCにおいて筒内インジェクタ22から燃料噴射を行う場合について説明した。しかし、この発明において、ポート噴射や筒内噴射のタイミングはこれに限るものではない。燃料噴射のタイミングは、各インジェクタ22、32の特性や吸気バルブ28、排気バルブの30の開閉タイミングに応じて適宜設定することができる。また、それぞれのインジェクタからの燃料噴射量は、このように決定される燃料噴射のタイミングに応じて決定すればよい。
また、実施の形態1では、予測されるポート先読空気量KL_p(Tp)を目標空燃比AbyF_refで除算することで、ポート噴射量Q_pを演算する場合について説明した。しかし、この発明において、ポート噴射量Q_pの算出方法はこれに限るものではない。実施の形態1による燃料噴射量の補正は、PFI・100%領域の場合に、ポート先読空気量KL_p(Tp)に応じて他の手法により求められたポート噴射量に対する補正に適用することができる。
なお、例えば、実施の形態1において、ステップS106が実行されると、この発明の「第1先読空気量演算手段」が実現し、ステップS108が実行されると「ポート噴射量決定手段」が実現し、ステップS110が実行されると「第2先読空気量演算手段」が実現し、ステップS116が実行されると「補正噴射量演算手段」と「筒内噴射量決定手段」とが実現する。
実施の形態2.
実施の形態2のシステムは、実施の形態1のシステムと同様の構成を有している。実施の形態2のシステムは、ポートインジェクタ32と筒内インジェクタ22とを所定の比率で両者共に用いる場合に、筒内インジェクタ22による燃料噴射時に、空気量先読誤差分の燃料を追加補正する点を除いて、実施の形態1のシステムと同様の制御を行う。つまり、実施の形態2においては、PFI・100%領域に限らず、ポートインジェクタ32と筒内インジェクタ22とを共に用いる場合に、筒内インジェクタ22による燃料の追加噴射を行う。
具体的に、ポートインジェクタ32からの燃料噴射量の全燃料噴射量に対する比率がα、筒内インジェクタ22からの燃料噴射量の全燃料噴射量に対する比率が(1-α)である場合について説明する。なお、このような噴射量比率α:(1-α)は、内燃機関10の運転条件等に応じて定められるものであり、そのマップが予めECU52に記憶されている。
図5は、この発明の実施の形態2においてECU52が実行する制御のルーチンを説明するためのフローチャートである。図5のルーチンでは、図4のルーチンのステップS100に換えてステップS200が実行され、ステップS106の後に、ステップS108に換えてステップS202及びS204の処理が行われ、ステップS116の後に、ステップS206、S208の処理が行われる点を除いて、図4のルーチンと同じものである。
具体的に、まず、ポートインジェクタ32の燃料噴射量と、筒内インジェクタ22からの燃料噴射量の比率α:(1-α)が読み出される(S200)。噴射量比率は、予めECU52に記憶されており、これに従って、現在の運転状態に応じた値が読み出される。
次に、ステップS102〜S106に従って、ポート先読空気量KL_p(Tp)が演算された後、ポート噴射量決定時刻Tpにおいて予定される予定総燃料噴射量Q_totalが演算される(S202)。予定総燃料噴射量Q_totalは、気筒12に吸入される吸入空気量がポート先読空気量KL_p(Tp)と予測される場合に、目標空燃比AbyF_refを実現する全燃料噴射量であり、上記の式(1)に基づいて、ポート先読空気量KL_p(Tp)/目標空燃比AbyF_refにより求められる。
次に、ポート噴射量Q_pと、予定筒内噴射量Q_dpreが上記の噴射量比率に従って演算される(S204)。すなわち、次式(4)及び(5)により、ポート噴射量Q_pと予定筒内噴射量Q_dpreとが求められる。
ポート噴射量Q_p=α・予定総燃料噴射量Q_total ・・・・(4)
予定筒内噴射量Q_dpre=(1-α)・予定総燃料噴射量Q_total ・・・・(5)
これにより、ポートインジェクタ32からは、ポート噴射量Q_pの燃料がポート噴射量決定時刻Tp直後のタイミングで噴射されることとなる。また、上記式(5)において求められる予定筒内噴射量Q_dpreは、実際の吸入空気量が、ポート先読空気量KL_p(Tp)と一致する場合に、筒内インジェクタ22により噴射されるべき燃料噴射量である。
その後、ステップS110〜S114に従って、空気量先読誤差ΔKLが求められ、ΔKL>0であることが認められると、ステップS116において、補正噴射量ΔQが求められる。ここで求められた補正噴射量ΔQは、ポート噴射量決定時刻Tpにおいて求められたポート先読空気量の不足分(すなわち空気量先読誤差ΔKL)に応じて、燃料噴射量の不足分を補うものである。予定総燃料噴射量Q_totalは、ポート先読空気量KL_p(Tp)に基づいて算出されているため、燃料噴射量の不足分は、ポート噴射量Q_p、筒内噴射量Q_dpreに対して、それぞれの比に応じて含まれていることになる。
従って、筒内噴射量Q_dは、予定筒内噴射量Q_dpreに、補正噴射量ΔQを加えることで算出される(S206)。つまり筒内噴射量Q_d=Q_dpre+ΔQにより、筒内噴射量Q_dが求められる。これにより、筒内インジェクタ22からは、補正噴射量ΔQ分を補足した量Q_dの燃料が噴射されることになり、実吸入空気量KLに近い筒内先読空気量KL_d(Td)に応じて、目標空燃比AbyF_refに適した燃料量が全体として噴射されることとなる。
一方、ステップS114において、ΔKL>0であることが認められない場合、筒内インジェクタ22による燃料噴射量の追加は不要となるため、筒内噴射量Q_dは予定筒内噴射量Q_dpreに設定されて(ステップS208)、今回の処理が終了する。
以上のように、通常ポートインジェクタ32と筒内インジェクタ22との両方を用いて燃料を噴射する場合、それぞれのインジェクタ22、32からの燃料噴射量は、ポート噴射量決定時刻Tpのタイミングで決定される。このため、特に加速時などの過渡運転中にはポート先読空気量KL_p(Tp)と実吸入空気量KLとの間の差が発生しやすく、燃料不足が生じる場合がある。しかし、実施の形態2によれば、筒内インジェクタ22からの燃料噴射の段階で、空気量先読誤差ΔKLに応じて、補正燃料量ΔQを算出して、燃料量の補正を行うことができる。従って、ポート噴射量決定時刻Tpにおける先読誤差を、筒内噴射量決定時刻Tdにおける筒内先読空気量KL_d(Td)に応じて補正して、より精度の高い空燃比制御を行うことができる。
なお、実施の形態2では、筒内噴射量Q_dを、予定筒内噴射量Q_dpreと補正噴射量ΔQとを加算することにより算出し、この噴射量Q_dが、吸気バルブ28の閉弁タイミング(IVC)とほぼ同時期に、筒内インジェクタ22から噴射される場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、筒内噴射のタイミングが、圧縮行程の後半など遅いタイミングに設定されている場合には、例えば、補正噴射量ΔQを、IVC付近のタイミングで噴射し、その後の圧縮行程後半などの遅いタイミングで、予定筒内噴射量Q_dpre分の燃料噴射を行うこととしても良い。
また、実施の形態2においては、ステップS114においてΔKLがゼロより大きいことが認められない場合には、一律に予定筒内噴射量Q_dpreを、筒内噴射量Q_dに決定する場合について説明した。しかし、この発明はこれに限るものではなく、例えば、ΔKLがゼロより小さい場合にも、ステップS206に従って、予定筒内噴射量Q_dpreに、ΔQを加算して、筒内噴射量Q_dとするようにしてもよい(但し、Q_d≧0が条件となる)。ここで、ΔKLがゼロより小さい場合には、補正噴射量ΔQはマイナスの値となる。従って、算出された筒内噴射量Q_dは予定筒内噴射量Q_dpreよりも小さく補正されることになる。このようにすることにより、燃料不足分の補正だけでなく、ポート先読空気量KL_p(Td)が実吸入空気量KLよりも大きく予測され、燃料が過剰となるような場合にも筒内噴射により補正を行うことができ、より高い精度の空燃比制御を実現することができる。
以上の実施の形態において各要素の個数、数量、量、範囲等の数に言及した場合、特に明示した場合や原理的に明らかにその数に特定される場合を除いて、その言及した数に限定されるものではない。また、本実施の形態において説明する構造や、方法におけるステップ等は、特に明示した場合や明らかに原理的にそれに特定される場合を除いて、この発明に必ずしも必須のものではない。
なお、実施の形態2において、ステップS200が実行されることにより、この発明の「噴射量比率設定手段」が実現し、ステップS202及びS204が実行されることにより「ポート噴射量決定手段」が実現し、ステップS116が実行されることにより「補正噴射量演算手段」が実現し、ステップS206が実行されることにより「筒内噴射量決定手段」が実現する。
この発明の実施の形態1におけるシステムの全体構成を説明するための模式図である。 従来の燃料噴射が行われる気筒の状態を説明するための図である。 この発明の実施の形態1における燃料噴射が行われる気筒の状態を説明するための図である。 この発明の実施の形態1においてシステムが実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。 この発明の実施の形態2においてシステムが実行する制御のルーチンについて説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 気筒
14 ピストン
16 クランクシャフト
18 回転数センサ
20 点火プラグ
22 筒内インジェクタ
24 吸気ポート
26 排気ポート
28 吸気バルブ
30 排気バルブ
32 ポートインジェクタ
40 吸気通路
42 スロットルバルブ
44 アクチュエータ
46 スロットル開度センサ
48 排気通路
50 空燃比センサ
52 ECU

Claims (2)

  1. 個々の気筒に連通する吸気ポートと、
    前記吸気ポート内に燃料を噴射するためのポート噴射用インジェクタと、
    前記個々の気筒内に燃料を噴射するための筒内噴射用インジェクタと、
    同一の機関サイクルにおいて、前記ポート噴射用インジェクタおよび前記筒内噴射用インジェクタの双方に燃料を噴射させる噴射制御手段と、を備え、
    前記ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射量を決定する時刻において、今回の吸気行程において前記気筒に吸入されると予測される吸入空気量を、第1先読空気量として演算する第1先読空気量演算手段と、
    前記第1次先読空気量を、目標空燃比で除算して、前記ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射量であるポート噴射量を決定するポート噴射量決定手段と、
    前記筒内インジェクタによる燃料噴射量を決定する時刻において、前記今回の吸気行程において前記気筒に吸入されると予測される吸入空気量を、第2先読空気量として演算する第2先読空気量演算手段と、
    前記第2次先読空気量から前記第1次先読空気量を減算した空気量先読誤差を、前記目標値空燃比で除算して、前記ポート噴射量に対する燃料噴射量の補正噴射量を演算する補正噴射量演算手段と、
    前記補正噴射量に応じて、前記筒内噴射用インジェクタによる燃料噴射量である筒内噴射量を決定する筒内噴射量決定手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記今回の吸気行程における、前記ポート噴射用インジェクタによる燃料噴射量と、前記筒内噴射量インジェクタによる燃料噴射量との噴射量比率を設定する噴射量比率設定手段と、
    前記ポート噴射量決定手段は、前記第1先読空気量を、前記目標空燃比で除算した総燃料噴射量に対する、前記ポート噴射用インジェクタの前記噴射量比率に応じた量を、前記ポート噴射量として決定し、
    前記筒内噴射量決定手段は、
    前記総燃料噴射量に対する前記筒内インジェクタの前記噴射量比率に応じた量と、前記補正噴射量とを加算した噴射量を、前記筒内噴射量として決定することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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