JP5123115B2 - 簡易屋根 - Google Patents

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Description

本発明は、バス停や、駅前、屋外の通路等に設けられる雨よけ等のための簡易屋根に関するものである。
従来、バス停や、駅前、屋外の通路等に設けられる雨よけ等のための簡易屋根としては、様々な提案されている。特に、比較的大きな駅の駅前のバス停は、多数の路線向けのためのバス停が集合しているため、この場所に設けられるバス停は、複数の簡易屋根が長手方向に連設される場合が多く、その簡易屋根の支柱は、バスが停留する側に柱がない片持ち型が多く用いられている。
又、支柱に対する屋根材の取付構造としては、主に支柱から張り出した梁材の上に屋根材を載せた構造と、梁材の下に吊り下げた構造とがある。後者の場合は、屋根材を吊り下げる吊り下げ部材等が必要となり、前者の梁材上に屋根材を載せる構造と比べると取付構造はやや複雑となるが、屋根材の下にいる利用者からは梁材が見えないため、外観上、屋根材の下面のみが長手方向に連接したすっきりした外観となり、前者に比べて景観性を高めることができる。
後者の屋根材としては、支柱上部に固定した固定部と固定部の長手方向に沿って移動可能な伸縮部とから構成された梁が設けられ、固定部と伸縮部に梁に屋根体を取付ける連結部材を設け、一つの連結部材は伸縮部に位置を固定して設け、他の連結部材は固定部の長手方向に沿って移動可能に取付け、梁の伸縮部の移動位置を調整することにより、支柱に対する屋根体5の取付け位置を調整可能とした簡易構築物が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この簡易構築物は、狭小地での設置に適し、施工場所にある障害物の制約を受けずに施工することができ、梁を切断加工することなく良好な外観が得られ且つ施工作業を簡略化できるものである。
特開2006−97364号公報
ところで、前記のような簡易構造物において、梁には固定部と伸縮部とが重なり合った重合部が生じる。従って、同じ長さの1本の梁に比べると重くなり、片持ち梁としては不利な構造であった。又、重合部により連結部材の取付位置が制限されたり、更に、パネル位置調整により、梁の全長が長くなると伸縮部に取付けられた連結部材を介して梁に生じる力のモーメントが大きくなり、梁の撓み寸法が大きくなったりするものであった。
本発明の目的は、梁材に吊り下げられる屋根材に対して、梁材の長さの調整をしなくても、屋根材の前後方向の位置調整が容易になされる簡易屋根を提供せんとするものである。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
すなわちこの発明に係る簡易屋根は、地表に立設された支柱と、この支柱の上部から前方に突設された梁材と、この梁材に取付けられた吊り部材を介して吊り下げられる屋根材とを備えた簡易屋根であって、前記屋根材は左右端に支持部材が設けられると共に、前記吊り部材に連結された嵌合部材に前記支持部材が前後方向に移動可能に取付けられ、もって前記屋根材が梁材に対して前後方向に移動可能に吊り下げられ、さらに、前記屋根材は、左右に複数連接されると共に、連接部の上方に左右の屋根材の支持部材を跨いで吊り部材が配置され、該吊り部材に左右の屋根材の前記支持部材が吊り下げられたことを特徴とするものである。
本発明によれば、屋根材は左右端に支持部材が設けられると共に、前記吊り部材に連結された嵌合部材に前記支持部材が前後方向に移動可能に取付けられ、もって前記屋根材が梁材に対して前後方向に移動可能に吊り下げられているので、梁材の長さや吊り部材の位置を変える必要がなく、屋根材の前後方向の位置調査が容易であり、特に屋根材を左右方向に並べて設置した場合に、屋根材の前面の位置合わせが容易になされる。
また、本発明に係る簡易屋根において、屋根材を左右に複数連接すると共に、連接部の上方に左右の屋根材の支持部材を跨いで吊り部材を配置し、該吊り部材に左右の屋根材の前記支持部材を吊り下げた構成とするので、吊り部材により左右の屋根材の支持部材どうしの高さ位置を合わせることが容易となり、これにより左右の屋根材における下面の高さ位置を合わせやすくなり、屋根材の下面の連接部において上下方向の段差等が生じにくくなる。
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
すなわち、図1は本発明に係る簡易屋根の実施の一形態を示す概略斜視図、図2は図1の正面図、図3は図1の側面図、図4は図1の平面図、図5は図1の屋根材の前後方向の拡大断面図、図6は図1の屋根材の左右方向の拡大断面図、図7は図4のA−A断面における拡大断面図、図8は図7のB−B断面における拡大断面図である。
図面において、1は地表から立設された支柱、2は支柱1の上部に取付けられた梁材、3は、梁材2に取付けられた吊り部材、4は屋根材であり、本発明に係る簡易屋根Pは、支柱1、梁材2、吊り部材3、及び屋根材4から主に構成され、吊り部材3を介して、梁材2から屋根材4が吊り下げられたものである。
図1〜8は、本発明に係る簡易屋根Pの実施の一形態を示す説明図であり、図1は概略斜視図、図2は正面図、図3は側面図、図4は平面図である。支柱1は鋼管を適宜長さに切断して作成され、上端部は天板が取付けられて塞がれている。支柱1の材質は、前記した鋼管に限るものではなく、アルミニウム合金押出型材等でもよいが、強度的に安定でコストの安い鋼管が好適に用いられる。
梁材2は、支柱1と同様に鋼管を適宜長さに切断して作成されたものである。梁材2の一端には取付プレート21が取付けられている。そして、この取付プレート21を介して、梁材2は、支柱1の上部から前方に向けて突設されている。本実施形態では、梁材2は、取付プレート21から支柱1を前後に貫通して、支柱1の背面側に配置された補強プレート11を通るボルトB1とナットN1とを介して支柱1の上部前面に締結されたものであるが、例えば、支柱1と梁材2とが溶接により接合されたものでもよく、梁材2から屋根材4を吊り下げた際にその状態を維持するための必要な強度を有していればよい。梁材2のもう一端は、前面板により塞がれている。
梁材2の材質は、支柱1と同様に、前記した鋼管に限るものではなく、アルミニウム合金押出型材等でもよいが、強度的に安定でコストの安い鋼管が好適に用いられる。
吊り部材3は、梁材2に固定される固定部31と、屋根材4を吊り下げる為の吊り部32とを備えたものであり、この吊り部材3を介して屋根材4が梁材2に吊り下げられている。本実施形態では、図2に示すように、鋼板をプレス加工等により成形されたものであり、横板状の固定部31とその下方に前後に間隔をおいて横板状の前後の吊り部32と、固定部31と前後の吊り部32とを連結する連結部33がなる側面視ハット状に形成されている。吊り部材3は、固定部31の下方から梁材2を上下に貫通するボルトB2とナットN2とにより、梁材2に固定されているが、梁材2の側面に固定されるようにしてもよい。
吊り部材3は、前記した鋼板に限るものではなく、ステンレス合金、アルミニウム合金等から成形されてものよいが、強度的に安定でコストの安い鋼板が好適に用いられる。又吊り部材3は、少なくとも1個の固定部31と1個の吊り部32を備えていればよく、例えば、1個の固定部31と1個の吊り部32と2個の固定部33とからなる側面視口字状に形成されたものでもよい。
図5,6は、屋根材4の構造を説明するための前後方向及び左右方向の断面図であり、又、図6において、(a)は屋根材の左右両端に亘る断面図、(b)は(a)において支持部材5付近の部分拡大図である。屋根材4は、上下に間隔をあけて配置された上面材41及び下面材42と、これらを支持する枠体5を備えており、後側に雨水が流れるように水切り勾配を付けて梁材2に吊り下げられている。
上面材41は、複数の上面板43が左右方向に連接されると共に、連接部において雨水等が外側から内側に浸入しないようになされたものである。本実施形態は、長方形のアルミ板で、長辺側の両端と中央部から長手方向に沿って逆U字型の凸条を4個形成している。そして、長辺側の端部において一方の突条に対してもう一方の突条が上から重合可能となされている。この構造により、剛性が高められると共に、上面板41を順次その端部の突条どうしを重合させて施工できるので、雨水等が重合部の外側から内側へは浸入しにくくなり、又屋根材4の左右方向の幅違いに対応しやすい構造となされている。尚、上面板41は鋼板等の他の金属板を用いたものでもよいが、耐食性に優れ単位重量が軽いアルミニウム板が好適に用いられる。
下面材42は、本実施形態では、矩形状で、合成樹脂からなるシート状の芯材の表裏にアルミニウム箔が貼着された積層板44が左右方向に連設されたものである。下面材42は本形態に限定されるものではないが、アルミニウム箔のサンドイッチ構造により剛性が高められ、更に、芯材が合成樹脂であることにより同じ厚さの金属板よりも重量が軽くなる本実施形態が好適に用いられる。尚、前記連設部においては、下面材42の端面どうしが当接されたものでもよいが、外観上面一と視認される程度であれば、熱膨張や加工誤差等を吸収するために隙間を設けてもよい。
枠体5は、前部に配置された前横桟51と、後部に配置された後横桟52と、左右端にそれぞれ配置された支持部材6とにより矩形状に形成されたものである。前横桟51は、上面材41及び下面材42の前部を支持するものであり、本実施形態では図5に示すように、後上部が長手方向に切り欠かれて段部53が設けられ、この段部53に上面材41の前部が載置されビズ止めされている。尚、段部53に載置された上面材41の前部が上方に折り曲げられていれば、雨水等が折り曲げ部を超えて、上面材41と段部53との間から染みこんで内部に浸入しにくくなるので、より好ましい。又、前横桟51には、前面及び段部53の上方を覆うカバー材54が取付けられ、意匠性を高めると共に、段部53から内部に水が浸入しにくくなるようになされている。
又、前横桟51の後面下部には後方に向けて突設部55が設けられ、この突設部55に取付けられた中間部材71と下面材42の前方上面とが接合されている。接合部材は特に限定されるものではないが、中間部材71側から下面材42に向けてブラインドリベット等の先端が被接合部材の内部に留まり外部に出ない接合部材を用いれば、下面材42の下面に接合部材の先端が露出せず、意匠性を高めることができるので好ましい。
後横桟52は、上面材41及び下面材42の後部を支持するものであり、本実施形態では図5に示すように、後横桟52の上面に上面材41の後部が載置され、後横桟52の前面下部には前方に向けて突設部56が設けられ、この突設部56に取付けられた中間部材72と下面材42の後方上面とが接合されている。又後横桟52の後方には雨受け57が取付けられており、上面材41に沿って後方に流れる雨水等を排水パイプ58に導水するようになされている。
支持部材6は、前横桟51、及び後横桟52に接合され枠体5を形成すると共に、枠体5の左右端に配置され上面材41及び下面材42の側端部を支持するものであり、本実施形態では図6に示すように、支持部材6の上側部には側方に開口した溝部61が長手方向に沿って形成され、上面材41の側端部が溝部61内に配置されている。溝部61の下壁には縦板状の雨止め突起62が長手方向に沿って立設され、上面材41が雨止め突起62を跨いで配置されている。この構造により、雨水が上面材41の突起を超えても雨止め突起62により雨水の内側の浸入を防ぐことができる。尚、上面材41が雨止め突起62を跨ぐには、逆U字状の突条を配置してもよく、上面材41の端部の長さ調整等により切断した場合は、切断端部を折り曲げて、その折り曲げ部を配置するようにしてもよい。
又、支持部材6の下側面には側方に向けて突設部63が設けられ、この突設部63に取付けられた中間部材73と下面材42の側端部上面とが接合されている。
尚、本実施形態においては、前横桟51と後横桟52との間に補強桟59が架設されており、下面材42の積層板44の連接部の上に配置され、前横桟51と同様に補強桟59から側方に向けて突出した突出部に中間部材74が取付けられ、この中間部材74と下面材42の側端部とが接合されている。
枠体5を構成する前横桟51、後横桟52、補強桟59、及び支持部材6は、本実施形態では、アルミニウム合金の押出型材からなる長尺体を適宜長さに切断して用いられるものであり、断面形状の設計が比較的容易であり、軽量で強度が高いものを比較的容易に製造することができるので好適に用いることができるが、アルミニウム合金以外の金属を用いてもよい。
次に、吊り部材3と支持部材6との関係を詳しく説明する。図7、8は、吊り部材3に対すると支持部材6の吊り下げ構造を示す説明図であり、図7は吊り部材3付近の拡大断面図であり、図8は吊り部材3付近の拡大側面図である。
支持部材6は、前後方向に沿って形成されたガイド部64に沿って移動可能に取付けらえた嵌合部材8を有し、この嵌合部材8が吊り部材6に連結されることにより、吊り部材6に対して前後方向に移動可能となされたものである。これにより、吊り部材6が取付けられた梁材2に対して、支持部材6を備えた屋根材4が前後方向に移動可能となされる。
本実施形態では、図7,8に示すように、支持部材6の上面には、前後方向に沿って内側に向けて凹んだ嵌合溝65が形成され、ガイド部64となされている。この嵌合溝65内に嵌合部材8となされたボルト81の頭部82が配置され、ボルト81の螺子部83が嵌合溝65の開口部から突出されている。嵌合溝65の開口端には相対して突出した支持片66,66が設けられ、開口部が奥部より幅狭となされ、頭部82が嵌合溝65から抜け出さないようになされている。そして、この螺子部83が吊り部材3の吊り部32に設けられた透孔34を通ってナットN3に螺入されている。この構造により、ボルト81にナットN3を締結すれば、ボルト81の頭部82とナットN3の間に、吊り部32と支持片66,66とが締着され、吊り部材3に対して支持部材6が固定され、ナットNを緩めれば、吊り部材3に対して支持部材6が前後方向に移動可能となされる。
更に、本実施形態においては、ボルト81の頭部82と支持片66との間に平板状のスペーサー9が配置され、図8に示すように前後に配置されたボルト81の螺子部83がスペーサー9の前後部に設けられた透孔91を貫通している。これにより、嵌合溝65内に配置された前後のボルト81の位置決めが容易となると共に、ナットN3とを締結した際に、スペーサー9の両側端部が前後に亘って支持片66の内面と締着されるため、ボルト8のみで支持片66と締着する場合に比べると、より広い面積で屋根材4の荷重を分散させて支えることができるので、より好ましい。
嵌合部材8は、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、前記のボルトとナットの位置関係を入れ替え、ナットを嵌合溝65内に配置し、上からボルトを通してナットに螺着させるものでもよく、或いは、嵌合溝65内に配置された前記ナットの代わりに支持板を配置し、該支持板においてボルトの螺着位置に予め螺子孔を設けたものを用いてもよい。
梁材2に対する吊り部材3の取付数や取付位置は、吊り下げる屋根材4の重量や前後方向の長さ寸法に応じて適宜設定することができる。
又、図7に示すように、屋根材4が左右方向に連接され、左右の屋根材4の支持部材6が隣合って配置された連接部においては、吊り部3は、左右の支持部材6,6を跨いで配置されている。これにより、隣合う支持部材6どうしの高さ位置を合わせることが容易となり、屋根材4の下面の高さ位置を合わせることも容易となるので、屋根材4の連接部において、左右の屋根材4の高さ位置がずれることにより段差が生じるようなことはなく、屋根材4が左右方向に多数連接される場合でも、比較的容易に屋根材4の下面が略面一に形成され、意匠性を高めることができる。又、連接された左右の屋根材4において、それぞれの前面の位置合わせも容易になされる。従って、屋根材において左右方向の中間部において梁材で支える場合に比べると、前記のような屋根材の高さ位置や前面位置の位置合わせが容易となる。
本実施形態では、支持部材6の上面が平坦に形成され、その平坦面から下方に向けて嵌合溝65が形成されており、又吊り部材3の吊り部32の下面も平坦に形成されている。これにより、隣合う支持部材6どうしの高さ位置を合わせることがより容易となる。
本発明に係る簡易屋根の実施の一形態を示す概略斜視図である。 図1の正面図である。 図1の側面図である。 図1の平面図である。 屋根材の前後方向の拡大断面図である。 屋根材の左右方向の拡大断面図である。 図4のA−A断面における拡大断面図である。 図7のB−B断面における拡大断面図である。
符号の説明
1 支柱
2 梁材
3 吊り部材
32 吊り部
4 屋根材
6 支持部材
64 ガイド部
65 嵌合溝
66 支持片
8 嵌合部材
81 ボルト
9 スペーサー
B1、B2 ボルト
N1、N2、N3 ナット
P 簡易屋根

Claims (1)

  1. 地表に立設された支柱と、この支柱の上部から前方に突設された梁材と、この梁材に取付けられた吊り部材を介して吊り下げられる屋根材とを備えた簡易屋根であって、前記屋根材は左右端に支持部材が設けられると共に、前記吊り部材に連結された嵌合部材に前記支持部材が前後方向に移動可能に取付けられ、もって前記屋根材が梁材に対して前後方向に移動可能に吊り下げられ、さらに、前記屋根材は、左右に複数連接されると共に、連接部の上方に左右の屋根材の支持部材を跨いで吊り部材が配置され、該吊り部材に左右の屋根材の前記支持部材が吊り下げられたことを特徴とする簡易屋根。
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