JP5122324B2 - 押しボタン及び操作パネル - Google Patents
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Description
従来の車載用機器に採用されている押しボタンについて簡単に説明すると、押しボタン53は、図8A〜図8Cに示すように、基板51上に接点52を設け、この接点52を押動可能に押しボタン53を配置して構成される。この押しボタン53は、上縁部に結合した略U字形状のヒンジ54を備え、このヒンジ54の両端に張り出した2カ所のヒンジ支持部54A,54Bをパネル55の位置決め穴55Aに嵌合し、押しボタン53を図5Aの矢印X方向に押すことで、上縁部のヒンジ54を支点として回動し、基板51上の接点52を押動かつ切換可能に構成されている(いわゆる、片側支点、片側ヒンジの構造)。
すなわち、押しボタン53の裏面側に接点を押すボスを設けた場合、押下操作のヒンジ54を支点とした回動に伴って、ボスの先端部が円弧を描きながら移動するため、接点をボスの直下からずれた位置に設ける必要があり設計が煩雑である、といった問題がある。
さらに、ばね力をヒンジで得るのではなく、ばね脚により実現しているため、押下操作時に押しボタン本体が回動することなく、押し込みの力の方向に沿って直線的に移動することから、接点の配置位置とボスの先端部との位置関係の設計が容易となる。
これに加え、ボスにより接点を押下する構成であるため、接点の先端部を延ばす必要が無いことから、着脱自在な操作パネル(DCP)を構成した場合でも、延びた接点が露出することが無い。
これに加え、本発明の操作パネルによれば、ボスが偏心した位置に立設されているため、光透過式表示部を押しボタン本体の中心位置に設けることが可能となる。
さらに、ガイド部材のガイド面が、光透過式表示部の周囲を囲んで遮光するため、押しボタン本体を収容する収容枠の隙間からの光漏れが防止される。特に、押しボタン本体が押しこまれていない状態においては、収容枠が押しボタン本体の裏面から離れた位置にあると、押しボタン本体と収容枠の間の隙間から光漏れが生じることがあるが、押しボタン本体が押しこまれていない状態においても、ガイド部材のガイド面が収容枠の側面と連続するため、このような光漏れも防止することができる。
このように、光透過式表示部以外から漏れる光を遮光することで、光透過式表示部による表示の意匠性を高めることができる。
この構成によれば、寸法公差によりガイド部材と収容枠との間に生じた僅かな隙間から漏れる光を覆い部により遮光することができる。
この構成によれば、押しボタン本体及びガイド部材を透過して外に漏れる光を遮光することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る車載用機器の一例たる車載用情報機器を示す斜視図である。車載用情報機器1は、カーナビゲーションシステム、DVD再生システム、地上デジタルTV等の機能を有する機器であり、自動車のインストルメントパネル(不図示)に取り付けられ、装置本体10と、この装置本体10から引き出し可能に設けられた画像表示パネル部20と、装置本体10の前面であって、画像表示パネル部20の下側に着脱可能に取り付けられた操作パネル30とを備えている。
この装置本体10の内部には、図示は省略するが、上述したカーナビゲーションシステム等の機能を発揮するための機器が搭載される他、例えば、携帯電話とBluetooth(登録商標)を用いて無線通信することができるハンズフリー通話を可能とした情報通信機器などが搭載されている。ハンズフリー通話とは、例えば、ナビゲーション画面のタッチパネルによって携帯電話の電話番号をダイレクトに入力し、携帯電話の電話帳とのデータ交換を可能にしたものである。
また上記所定の厚さDは、画像表示パネル部20を装置本体10に収容したときに、その先端部20aと操作パネル30とが面一になる厚さでもある。上述のように、画像表示パネル部20の先端部20aには、無線通信のためのアンテナが配設されているため、装置本体10の筐体を構成する金属部分に対して離間距離を設けてアンテナ感度を維持する必要がある。このことから、画像表示パネル部20を装置本体10に収容したときに、その先端部20aが上記厚さDだけ装置本体10から突出するように構成されており、この厚さDに合わせて操作パネル30の厚みが決定される。
図2は、操作パネル30が非装着状態の装置本体10を示す模式図である。なお、同図においては、操作パネル30に係る構成のみを示し、画像表示パネル部20等の記載は省略している。
装置本体10の正面には、操作パネル30に配設された押しボタン40の操作を受ける表面パネル11が設けられている。この表面パネル11の裏側には基板14(図5)が配設され、この基板14の上に複数の押下接点切換式のスイッチ12(図5)が設けられている。図2に示すように、表面パネル11には、各スイッチ12の対向位置に、スイッチ12を押圧できるようにスイッチ孔11Aが設けられている。
このように、基板14やスイッチ12等を操作パネル30ではなく装置本体10側に設ける構成を採ることにより、操作パネル30側には、回路基板やコネクタ等を設ける必要がなく、操作パネル30を落下させてしまったとしても、接触不良などに起因する不具合が生じることがない。
操作パネル30は、ケース体を構成する前側筐体部31及び後側筐体部32と、これら前側筐体部31及び後側筐体部32からなるケース体に収容された導光体33と、前側筐体部31に一列に配列された10個の押しボタン40と、を備えている。各押しボタン40の操作面には、文字41(記号や図形や等でも良い)が設けられている。押しボタン40にあっては、文字41の箇所のみが押しボタン40の裏面側から正面側に光を透過するように構成されており、これにより光透過式表示部が構成している。
後側筐体部32には、各押しボタン40に対応して突出孔32Aが開口し、押しボタン40の裏面側に立設されたボス43(図4)が貫通している。また、後側筐体部32の両端には、装置本体10に設けられたLED13A、13B(図2)の発光を内部に導入するための一対の導光孔34A、34Bが設けられている。
これら前側筐体部31及び後側筐体部32は、光遮光性材により形成され、或いは、少なくとも前側筐体部31の収容枠31Aには光の透過を防止する遮光材が塗布されている。
これらの左及び右導光パーツ133、134は、前側筐体部31と後側筐体部32の間に嵌合されて、これら前側筐体部31、後側筐体部32、および導光体33が互いにパットスクリュー35でねじ止めされることにより、操作パネル30が形成されている。
この押しボタン40は、ユーザによって直接押圧操作される押しボタン本体42と、スイッチ12(図2)に当接して切り換えする円柱状のボス43と、押し込みに抗して押しボタン本体42を押し戻す一対のばね脚44と、押しボタン本体42の押し込み方向をボス43の延在方向に案内するためのガイド部材45とを備えている。
ボス43は押しボタン本体42の略中心に形成された文字41を避けて、押しボタン本体42の中心を避けて下縁側42A側にずれるように偏心した位置に一体に設けられる。
かかる構成の一対のばね脚44の支点部44Aは、ボス43の立設位置の偏心を補うように、ボス43の反対側、すなわち上縁側42Bの左右両側にそれぞれ設けられる。また、ばね脚44は、押しボタン40の幅内に収まるよう形成され、正面側から視認されないようになされている。
ガイド部材45は、文字41の周囲を囲むとともに、押しボタン本体42に覆い部42Cを形成するように、押しボタン本体42の外形よりも小さい外形を有する略角筒型に形成され、押しボタン本体42に対して垂直に設けられる。ガイド部材45は、例えば、光遮光性材により形成され、或いは、遮光材を塗布されている。また、上縁側42B側および下縁側42A側のガイド部材45には、所定の幅Wを有する略四角形状に形成される一対の爪孔45Aが設けられている。
図6及び図7は、操作パネルの断面図である。
前側筐体部31の収容枠31Aは、その内側面が垂直に形成され、押しボタン40のガイド部材45の側面が摺接することで、押下操作時に押しボタン本体42を垂直(ボス43の延在方向)に移動させる。この収容枠31Aの左右には、押しボタン40のU字状のばね脚44を受けるばね脚溝31Bが一体に形成され、この溝構造により、左右方向のばね脚44のがたつきを抑制している。また、ばね脚溝31Bは、図6に示すように、ばね脚44の裏側面44B全体を保持する。また、ばね脚溝31Bには、押しボタン40の押下操作時に、押しボタン本体42の裏面に当接する肩部131が形成されており、この肩部131が押しボタン40の押動限界位置を規定している。
すなわち、本実施形態の押しボタン40は、前掲図3に示すように、前側筐体部31の正面側から収容枠31Aに挿し込み、押しボタン40のばね脚44を収容枠31Aのばね脚溝31Bに嵌め込むと共に、上記爪31Cを爪孔45Aに引掛けて取り付けられる。
また、爪孔45Aは、押しボタン本体42が押し込まれた場合、爪31Cが爪孔45A内を水平方向に移動できるよう、所定の幅Wを有して形成されている。
図5に示すように、取り付け時には、押しボタン本体42の裏側に一体に形成されたボス43が後側筐体部32に形成された突出孔32Aに挿入され、押下操作に伴って、装置本体10に向けて突出可能になっている。
表面パネル11の裏側には、スイッチ孔11Aに対向して、インナースイッチ12Aおよび接点12Bを備えるスイッチ12が配置されている。このインナースイッチ12Aは、弾性を有するポリカーボネート等の樹脂材料を用いて形成され、ボス43と接点12Bとの間に配置されてクッションの役割をし、ボス43とインナースイッチ12Aは互いにすべりやすく形成されている。接点12Bは制御用の基板14に取り付けられ、接点12Bが開閉することで、押しボタン40による選択が実行される。
ここで、押しボタン40の非押下時状態においては、図5に示すように、押しボタン本体42の裏面が収容枠31Aの上面から離れた状態で保持されているため、何ら対策を施さなければ、押しボタン本体42の裏面と収容枠31Aとの間の隙間から光が漏れることとなる。
これに対して、本実施形態では、押しボタン40の非押下時状態において、図5に示すように、ガイド部材45のガイド面たる側面が収容枠31Aの側面と連続する構成となっているため、押しボタン本体42の裏面と収容枠31Aとの間の隙間がガイド部材45によって遮られ、この隙間からの光漏れが防止される。
ユーザの指により押しボタン本体42が押されると、ガイド部材45の側面(ガイド面)が収容枠31Aの内側面を摺動することで押しボタン本体42が垂直に移動する(ボス43の延在方向に案内される)。これに伴って、ボス43は、導光体33の支持部33Aおよび後側筐体部32の突出孔32Aに支持されながら垂直方向に移動し、その先端43Aがインナースイッチ12Aを押し、インナースイッチ12Aがクッションになるとともに、その下の接点12Bを押して接点12Bを開閉する。
LED13A、13Bからの光は、導光孔34A、34Bから導光体33に導入され、各押しボタン40に対応して導光体33に設けられた反射板(不図示)により各押しボタン本体42の裏側へ反射される。反射した光は、遮光処理が施されたガイド部材45および収容枠31Aによって区画された照明範囲Aに導かれ、押しボタン本体42は文字41を除いて遮光処理が施されているので、押しボタン本体42に設けられた文字41だけから操作パネル30の外側へ透過し、これにより、文字41が光る。
さらに、ばね力をヒンジで得るのではなく、収容枠31Aの上面(より正確にはばね脚溝31B)で受けられるばね脚44により実現しているため、押下操作時に押しボタン本体42が回動することなく、押し込みの力の方向に沿って直線的に移動することから、接点たるスイッチ12の配置位置とボス43の先端部との位置関係の設計が容易となる。
これに加え、本実施形態によれば、ボス43が偏心した位置に立設されているため、光透過式表示部たる文字41を押しボタン本体42の中心位置に設けることが可能となる。
さらに、ガイド部材45の側面たるガイド面が、文字41の周囲を囲んで遮光するため、押しボタン本体42を収容する収容枠31Aの隙間からの光漏れが防止される。特に、押しボタン本体が押しこまれていない状態においては、収容枠31Aが押しボタン本体42の裏面から離れた位置にあるため、押しボタン本体42と収容枠31Aの間の隙間から光漏れが生じることがあるが、押しボタン本体が押しこまれていない状態においても、ガイド部材45のガイド面が収容枠31Aの側面と連続するため、このような光漏れも防止することができる。
この構成によれば、操作パネル30を誤って落とす等して多少の衝撃が与えられても、接触不良などに起因する不具合が生じることがなく、また、操作パネル30の近傍にアンテナ等が配置されてもアンテナの受信特性に影響を及ぼすことが無い。
これに対して、本実施形態の押しボタン40は、図3に示すように、正面側から収容枠31Aに挿し込んで取り付ける構成(いわゆる前刺し式の操作ボタン)であるため、収容枠31Aを押しボタン40の操作面で覆うことが可能となり、従来のものよりも、操作面を広くすることが可能となる。
10 装置本体
12B 接点
14 基板
30 操作パネル
30A パネル面
31A 収容枠
40 押しボタン
42 押しボタン本体
41 文字(光透過式表示部)
43 ボス
44 ばね脚
44A 支点部
45 ガイド部材
42C 覆い部
Claims (5)
- パネル面に開口した収容枠に嵌め込まれる押しボタン本体の裏面に、
前記押しボタン本体が押し込まれたときに前記押しボタン本体の裏側に離間して配置した基板上の接点に当接して切り換えするボス、及び、前記押し込みに抗して前記押しボタン本体を押し戻す一対のばね脚を設け、
前記ボスを偏心した位置に立設し、前記一対のばね脚の支点のそれぞれを、前記ボスの立設位置による偏心を補う位置に配置し、前記一対のばね脚は前記押しボタン本体の幅内に収まるように形成されたことを特徴とする押しボタン。 - 複数の押しボタン本体を有し、前記押しボタン本体に裏側から光を照射し、前記押しボタン本体に設けた光透過式表示部を光らせる操作パネルにおいて、
前記押しボタン本体のそれぞれは、前記操作パネルのパネル面に開口した収容枠に嵌め込まれ、
前記押しボタン本体の裏面に、前記押しボタン本体が押し込まれたときに前記押しボタン本体の裏側に離間して配置した基板上の接点に当接して切り換えするボス、及び、前記押し込みに抗して前記押しボタン本体を押し戻す一対のばね脚を設け、
前記ボスを前記押しボタン本体の光透過式表示部を避けるように偏心した位置に立設し、前記一対のばね脚の支点のそれぞれを、前記ボスの立設位置による偏心を補う位置に配置し、前記一対のばね脚は前記押しボタン本体の幅内に収まるように形成されたことを特徴とする操作パネル。 - 請求項2に記載の操作パネルにおいて、
前記押しボタン本体の裏側に、前記押しボタン本体の押下時に前記収容枠の側面を摺動し前記押しボタン本体の押し込み方向を前記ボスの延在方向に案内するガイド面を有したガイド部材を備え、
前記ガイド部材のガイド面が前記光透過式表示部の周囲を囲むと共に、前記押しボタン本体の非押下位置において前記ガイド部材のガイド面が前記収容枠の側面と連続することを特徴とする操作パネル。 - 請求項3に記載の操作パネルにおいて、
前記押しボタン本体に、前記ガイド部材と前記収容枠との間の摺動面を覆う覆い部を設けたことを特徴とする操作パネル。 - 請求項3又は4に記載の操作パネルにおいて、
前記光透過式表示部を除いた前記押しボタン本体及び前記ガイド部材を光遮光性材により形成し、或いは、前記光透過式表示部を除いた前記押しボタン本体及び前記ガイド部材に遮光材を塗布したことを特徴とする操作パネル。
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