JP5120750B2 - 回転ポンプの冷却構造 - Google Patents

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本発明は、負圧や正圧を発生する空気発生装置として使用される回転ポンプの冷却構造に関する。
真空ポンプの吸気ケース及び排気ケースを含む周囲全体と、真空ポンプの回転軸と電動モータの回転軸がカップリングによって直列に連結された回転軸の直列連結部とを防音壁で囲んだ真空発生装置の防音機構が、本出願人によって提案されている(特許文献1参照)。
この真空発生装置においては、真空ポンプを冷却するために、電動モータからの入力側である回転軸の直列連結部に遠心ファンが装着され、回転軸の反入力側にも冷却ファンが装着されている。遠心ファンについては、その吸気側で空気の流れを案内する筒体や絞り部が、防音壁側に設けられている。
特開2001−115961号公報(第1頁、第1図)
また、回転ポンプと駆動モータの回転軸同士がカップリングによって直列に連結された回転軸の直列連結部と、回転ポンプと駆動モータの本体同士が直列に配置されるように両者の間に連結され且つ前記直列連結部を内蔵するように筒状に形成された筒状ジョイントと、前記直列連結部に同軸に固定された遠心ファンとを備えるポンプ装置が、本出願人によって提案されている(特許文献2参照)。
このポンプ装置の構成は、比較的小型の真空ポンプ等に適したものとなっている。
特開2007−218193号公報(第1頁、第1図)
回転ポンプの冷却構造に関して解決しようとする問題点は、先に提案された冷却構造においては、防音壁(カバーリング)等の形態が複雑になっていたり、大型の回転ポンプには適さない構成になっている点にある。
そこで本発明の目的は、大型の回転ポンプにも好適に対応でき、合理的な構成によって冷却性能を向上できる回転ポンプの冷却構造を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる回転ポンプの冷却構造の一形態によれば、回転ポンプの吸気口に接続された吸気ケースと排気口に接続された排気ケースを除くポンプ本体、及び前記回転ポンプの回転軸と駆動モータの回転軸がカップリングによって直列に連結された回転軸の直列連結部を内包して覆うように設けられたカバーリングと、前記回転ポンプの回転軸の前記駆動モータと連結される側とは反対の反入力側に同軸に固定され、前記カバーリングに設けられた吸気孔部を通して該カバーリング内へ冷却用空気を吸気する吸込みファンと、前記回転ポンプが前記駆動モータに連結される入力側である前記直列連結部に同軸に固定され、前記カバーリングに設けられた排気孔部を通して該カバーリング内から冷却用空気を排気する遠心ファンとを具備し、前記吸込みファンによって前記吸気ケースや前記排気ケースに空気を吹き付けることができるように、前記カバーリングの上部に穴を開けてある
また、本発明にかかる回転ポンプの冷却構造の一形態によれば、前記遠心ファンが、前記カップリングの前記回転ポンプの側に面する部分に固定されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる回転ポンプの冷却構造の一形態によれば、前記遠心ファンが、ラジアルファンであることを特徴とすることができる。
本発明にかかる回転ポンプの冷却構造によれば、大型の回転ポンプにも好適に対応でき、合理的な構成によって冷却性能を向上できるという特別有利な効果を奏する。
以下、本発明にかかる回転ポンプの冷却構造について最良の形態例を添付図面(図1〜4)に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る回転ポンプ装置の形態例を示す一部断面を含む側面図である。図2は図1の回転ポンプ装置の正面図であり、図3は図1の回転ポンプ装置の平面図である。また、図4は図1の回転ポンプ装置の側面図である。
本形態例の回転ポンプ10の冷却構造は、負圧や正圧を発生する空気発生装置として用いられる無給油式のベーンポンプに関するものである。駆動手段(駆動モータ20)としては、電動モータが用いられている。なお、この回転ポンプ10は、例えば、印刷物搬送の真空吸着装置やブロア装置等に使用される。
30はカバーリングであり、回転ポンプ10の吸気口に接続された吸気ケース41と排気口に接続された排気ケース42を除くポンプ本体11、及び回転ポンプ10の回転軸12と駆動モータ20の回転軸22がカップリング24によって直列に連結された回転軸の直列連結部23を内包して覆うように設けられている。後述するメインカバー31及びフロントカバー35と、ベース部50によって構成される底面カバー53とによって、前記ポンプ本体11と直列連結部23が全周面にわたって覆われる構造になっている。このカバーリング30は図面に示すように方形であって、比較的シンプルな形状になっている。
このカバーリング30によれば、後述する二つの冷却ファン(遠心ファン25、吸込みファン26)によって発生する冷却空気流を好適に案内でき、回転ポンプ10の冷却効果を向上できる。これは、冷却空気流が、カバーリング30によって案内されることでポンプ本体11の表面に沿ってバランスよく流れ、一対の軸受部13、14を強制的にバランスよく冷却できるためである。これによれば、軸受部13、14等の劣化を抑制でき、回転ポンプ10の寿命を延長できる。
なお、カバーリング30の上部に穴31e(図12参照)を開けて、吸気ケース41又は排気ケース42にも空気を吹き付けるようにすることで、吸気ケース41又は排気ケース42を冷却することも可能である。
また、このカバーリング30によれば、火傷の防止及び回転部の被覆という安全性の向上や、デザイン性の向上を図ることができる。
25は遠心ファンであり、カバーリング30における排気孔部34が設けられた部分に対応されて、そのカバーリング30に覆われ、回転ポンプ10が駆動モータ20に連結される入力側12aである直列連結部23に同軸に固定されている。この遠心ファン25は、駆動モータ20と回転ポンプ10の回転軸と共に回転し、カバーリング30内から冷却用空気を排気する。本形態例では、冷却用の空気が、後述するメインカバー31に多数の長孔によって設けられた排気孔部34を通って排気される。
この遠心ファン25によれば、ポンプ本体11の特に軸受部13を強制的に冷却するように、冷却空気流を好適に発生できる。
26は吸込みファンであり、カバーリング30における吸気孔部36が設けられた部分に対応されて、そのカバーリング30に覆われ、回転ポンプ10の回転軸12の駆動モータ20と連結される側とは反対の反入力側12bに同軸に固定されている。この吸込みファン26は、回転ポンプ10の回転軸と共に回転し、カバーリング30内へ冷却用空気を吸気する。このため、吸込みファン26は、軸流ファンと遠心ファンの両方の機能を備える形態の送風ファンになっている。また、本形態例では、冷却用の外気が、後述するフロントカバー35に多数の丸孔によって設けられた吸気孔部36を通って吸気される。
この吸込みファン26によれば、ポンプ本体11の特に軸受部14を強制的に冷却するように、冷却空気流を好適に発生できる。
また、本形態例では、遠心ファン25が、カップリング24の回転ポンプ10の側に面する部分である端面に固定されている。つまり、直列連結部23の回転ポンプ10に近接する側に遠心ファン25が装着されている。
これによれば、遠心ファン25が軸受部13の近傍に位置するため、その軸受部13を効果的に冷却できる。軸受部14との冷却の関係においても、バランスよく冷却できる。
また、遠心ファン25の羽根が回転ポンプ10側にあり、カップリング24の接続部の部分に被りにくい形態となるため、芯出し等、組み立てやメンテナンスの作業を行い易い構成になっている。
また、本形態例では、遠心ファン25が、ラジアルファンによって構成されている。なお、ラジアルファンとは、径向きの羽根をもつ多翼遠心ファンのことであり、円板面上に多数の羽根が設けられた形態になっている。
このラジアルファンは、シンプルな形状であるが、効果的に空気を排気できる。シロッコファンのように、空気を吸入するため案内部となる筒体や絞り部を設けることなく、高い排気性能を有する。従って、ラジアルファンを採用することで、カバーリング30の形状をシンプルに構成でき、組み立てやメンテナンスの作業も行い易い構造になっている。また、大型の回転ポンプ10にも好適に対応できる形態となっている。
次に、本発明に係る回転ポンプ装置におけるカバーリング30の最良の形態例について、添付図面(図5〜9)に基づいて詳細に説明する。
31はメインカバーであり、回転ポンプ10の回転軸12と直交する方向(本形態例では左右方向)へ脱着可能に分割して設けられた一対の半割カバー部32、33によって構成されている。このメインカバー31は、ポンプ本体11及び直列連結部23の両側面31a、31bと上面31c、及び直列連結部23の駆動モータ20に面する側の端面31dを覆う構成となっている。
35はフロントカバーであり、ポンプ本体11の駆動モータ20に面する入力側12aとは反対側となる反入力側12bの端面を覆う端面カバーとして設けられている。
以上のメインカバー31とフロントカバー35を構成要素とするカバーリング30によれば、騒音の発生源であるポンプ本体11を好適に覆って減音(消音)できる。なお、ベース部50によって構成される底面カバー53が、カバーリング30の底面を塞ぐ構造になっている。
また、各カバーの内面に適宜に吸音材を貼り付けることで、防音効果をさらに向上させるようにしてもよい。
また、このカバーリング30によれば、回転ポンプ10の回転軸12の入力側12aである直列連結部23に同軸に固定された遠心ファン25と、回転ポンプ10の回転軸12の反入力側12bに同軸に固定された吸込みファン26についても好適に覆っている。これによれば、遠心ファン25と吸込みファン26とによって発生される冷却空気流を好適に案内でき、回転ポンプ10にかかる冷却効果を高めることができる。
そして、本形態例のメインカバー31は、回転ポンプ10と駆動モータ20を支持しているベース部50に脱着可能に固定され、そのメインカバー31に端面カバーであるフロントカバー35が脱着可能に固定されている。なお、ポンプ本体11及びモータ本体21は、ベース部50上にボルトによって脱着可能に固定されている。
以上の構成によれば、カバーリング30の各構成が、回転ポンプ10と直接的に接触することがなく、振動を直接的に受けることがないため、消音性能を向上できる。
また、第1の半割カバー部32が、ベース部50を構成する第1のベースフレーム51に固定され、第3の半割カバー部33が、ベース部50を構成する第2のベースフレーム52に固定されている。本形態例ではネジ54によって固定されている。これにより、回転ポンプ10を、その両側から一対の半割カバー部32、33によって覆う構成となっている。そして、フロントカバー35と合わせて、3方向から後付けによって装着できる3分割のカバー構造となっている。
これによれば、前述のように消音効果を高めると共に、着脱を行い易い構造であるから、組み立てや保守管理のための作業性を向上できる。
また、フロントカバー35は、板金部37と樹脂部38とによって構成され、板金部37の被係合部37aに樹脂部38の係合部38aが樹脂の弾性によって係合することで固定されている。さらに具体的には、板金部37に形成された複数の穴(被係合部37a)に樹脂部38に形成された複数の爪部(係合部38a)が嵌ることで係合される構造になっている。また、本形態例では、板金部37の上下に樹脂部38が配置された形態となっている。
そして、メインカバー31に固定されているフロントカバー35の少なくともメインカバー31に接触する部分が、樹脂によって形成されている樹脂部38であるように構成されている。なお、39はボルト穴であり、この穴にボルトを通してフロントカバー35をメインカバー31に固定する。
このように、フロントカバー35に部分的に樹脂(上下の樹脂部38)を採用したことで、板金特有の共振が発生し難く、全面板金の場合より消音効果が高い。
また、上記の構造によって、組み立てや保守管理が行い易い形態になっている。
また、本形態例において、吸気ケース41及び排気ケース42には、カバーリング30とは別体のケースカバー60(60A)が脱着可能に固定されている(図10又は11参照)。
図10に示すケースカバー60は、前後のカバー構成部材や配管接続口のカバー構成部材の全てが樹脂材で形成された形態例を示してある。また、図11に示すケースカバー60Aは、本体のカバー部材が板金で形成され、端面のカバー部材が樹脂で形成された形態例を示してある。
これらのケースカバー60、60Aは、樹脂の弾性によってワンタッチで装着できる構造になっており、組み立てや保守管理を行い易い形態となっている。
吸気ケース41には、エアフィルタが内蔵されると共に真空調整器やゲージが装着されており、外部の機器と接続するための配管接続口が設けられている。
また、排気ケース42には、マフラー効果のあるキャップが装着されており、使用頻度の低い配管接続口に対するケースカバー60の開口部にはアタッチメント61(図10参照)が着脱可能に嵌め込まれている。
なお、55はブラケットであり、ベース部50に設けられ、設置床面等に固定される部分になっている。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
本発明に係る回転ポンプ装置の形態例を示す一部断面を含む側面図である。 図1の回転ポンプ装置の正面図である。 図1の回転ポンプ装置の平面図である。 図1の回転ポンプ装置の側面図である。 本発明に係る回転ポンプのカバーリング構造の形態例を示す斜視図である。 端面カバーの正面図(A)及び側面図(B)である。 端面カバーの板金部を示す正面図である。 端面カバーの樹脂部を示す内面図である。 端面カバーの樹脂部の要部を示す拡大図である。 吸排気部のケースカバーの形態例を示す斜視図である。 吸排気部のケースカバーの他の形態例を示す斜視図である。 回転ポンプのカバーリング構造の他の形態例を示す斜視図である。
符号の説明
10 回転ポンプ
11 ポンプ本体
12 回転軸
12a 入力側
12b 反入力側
13 軸受部
14 軸受部
20 駆動モータ
22 回転軸
23 直列連結部
24 カップリング
25 遠心ファン
26 吸込みファン
30 カバーリング
31 メインカバー
31a 側面
31b 側面
31c 上面
31d 端面
32 第1の半割カバー部
33 第2の半割カバー部
34 排気孔部
35 フロントカバー
36 吸気孔部
37 板金部
38 樹脂部
41 吸気ケース
42 排気ケース
50 ベース部
51 第1のベースフレーム
52 第2のベースフレーム

Claims (3)

  1. 回転ポンプの吸気口に接続された吸気ケースと排気口に接続された排気ケースを除くポンプ本体、及び前記回転ポンプの回転軸と駆動モータの回転軸がカップリングによって直列に連結された回転軸の直列連結部を内包して覆うように設けられたカバーリングと、
    前記回転ポンプの回転軸の前記駆動モータと連結される側とは反対の反入力側に同軸に固定され、前記カバーリングに設けられた吸気孔部を通して該カバーリング内へ冷却用空気を吸気する吸込みファンと、
    前記回転ポンプが前記駆動モータに連結される入力側である前記直列連結部に同軸に固定され、前記カバーリングに設けられた排気孔部を通して該カバーリング内から冷却用空気を排気する遠心ファンとを具備し、
    前記吸込みファンによって前記吸気ケースや前記排気ケースに空気を吹き付けることができるように、前記カバーリングの上部に穴を開けてあることを特徴とする回転ポンプの冷却構造。
  2. 前記遠心ファンが、前記カップリングの前記回転ポンプの側に面する部分に固定されていることを特徴とする請求項1記載の回転ポンプの冷却構造。
  3. 前記遠心ファンが、ラジアルファンであることを特徴とする請求項2記載の回転ポンプの冷却構造。
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