JP5118546B2 - 電気式微小機械スイッチ - Google Patents

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Description

本発明は、電気式微小機械装置(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)に関する。
従来の電気式微小機械装置(MEMS)におけるアクチュエータは、アクチュエータの駆動部となる駆動アームが基板上に支持され、基板と駆動アームに設けられた静電用電極の一方に正電圧を印加し、他方の静電用電極に負電圧を印加することで、これによって生じる静電気力を用いて駆動アームを基板側に引き寄せるようになっている。また、駆動アームに圧電体層及び圧電駆動電極を設けることにより、圧電力を用いて駆動アームを基板側に引き寄せる構成が知られている。
例えば、特開2005−302711号公報には、低電圧で高速駆動が可能なアクチュエータ及びこれを用いた高周波スイッチが開示されている。具体的には、当該公報記載のアクチュエータは、少なくとも表面が絶縁化された基板と、この基板に少なくとも1カ所が支持された駆動アームと、基板および駆動アームにそれぞれ対向する位置に設けられた静電用電極と、この静電用電極に電圧を印加する第1の電圧印加手段とを備える。そして、駆動アームに対してさらに圧電体層の上下面に電極を有する圧電駆動電極を設け、この圧電駆動電極に電圧を印加する第2の電圧印加手段を設けた構成となっている。また、当該公報記載の高周波スイッチでは、駆動アームを上下に駆動させることで、駆動アームの先端に設けられた接続電極と、基板に設けられた端子電極との接続を制御するようになっている。
特開2005−302711号公報
しかしながら、異種材料を組み合わせて駆動部を形成した場合、材料の持つ応力によって反りが生じてしまい、電気特性(例えば、駆動電圧、高周波特性など)のばらつきが大きくなる。例えば上記公報記載の高周波スイッチでは、駆動部に反りが生じることで、接続電極と端子電極との距離を一定に保つことができず、スイッチング電圧にばらつきが生じてしまう。
また、MEMSには、穴(開口部)を設けた中空構造を有するものもあるが、穴の上に例えば信号線などを架橋させる場合には、その強度が問題となる。
従って、本発明の目的は、材料の応力による反りの影響を抑えることができる電気式微小機械スイッチを提供することである。
また、本発明の他の目的は、材料の応力による反りの影響を抑えつつ、信号線を補強可能な構造を有する電気式微小機械スイッチを提供することである。
本発明に係る電気式微小機械スイッチは、開口部を有する基板と、圧電体層と当該圧電体層の上下に電極層とを有する圧電駆動部が一方の面に形成され且つ少なくとも一端が基板に固定された駆動アームと、信号線と当該信号線の下部の一部に駆動アームと同じ層とを有し且つ少なくとも一端が基板に固定された固定アームとを有する。そして、駆動アーム及び固定アームが、基板の開口部の一部を覆っており、固定アームにおける信号線が、駆動アーム上に延伸しており、駆動アームと重なる部分において駆動アームと接することができるようになっているものである。
このように固定アームが駆動アームと同じ層を有するような構成となれば、駆動アームの反りと同程度の反りが固定アームにも生じるため、材料の応力による影響を抑えることができる。なお、例えば固定アームにおいて駆動アームと同じ層を有する部分を調整したり、両端支持構造又は片側支持構造を適宜選択することにより、反りの量を調整することができる。さらに、信号線の下部の一部に駆動アームと同じ層とを有するので、信号線を補強することができる。
また、駆動アームが、電極層に印加される電圧によって圧電体層に従って信号線に接するように駆動されるようにしてもよい。
また、固定アームが、駆動アームと重なる部分以外の部分に駆動アームと同じ層を有するようにしてもよい。信号線を架橋させる部分を最小限にすることができるので、より信号線を補強することができる。
また、固定アームが、駆動アームとねじれの関係になるように又は駆動アームと直列の関係になるように駆動アーム上に延伸する場合もある。
本発明によれば、材料の応力による反りの影響を抑えることができる電気式微小機械スイッチを実現できる。
また、本発明の他の側面によれば、材料の応力による反りの影響を抑えつつ、信号線を補強可能な構造を有する電気式微小機械スイッチを実現できる。
図1に、本発明の実施の形態の前提となるアクチュエータの構成を示す上面図を示す。具体的には、基板11の上には圧電体層の下部電極層となるグランド12が形成されており、グランド12には接続のための電極12fが形成されている。なお、同じハッチングは同じ層を示している。さらにグランド12の上には、圧電体層の上部電極層18が形成されている。なお、上部電極層18には、接続のための電極18fが設けられている。駆動アーム14は、第1のカンチレバー14aと、第2のカンチレバー14bと、接点14cと、ヒンジ部14d及び14eとを有する。
信号線13aは、一端が基板1に支持され、駆動アーム14と穴15との一部を覆うように延伸している。同様に、信号線13bは、一端が基板1に支持され、駆動アーム14と穴15との一部を覆うように延伸している。信号線13aと信号線13bとは、接点14c上で切断されており、上下対称となっている。そして、信号線13a及び13bの左右には、それらと平行に、駆動アーム14と穴15とを架橋するようにグランド線17a及び17bが形成されている。なお、図2は、信号線13a及び13bを取り除き、上面図における点線枠20内を拡大したものである。
図3(a)に、上面図(図1)のA−A’線での概略断面図を示す。駆動アーム14の接点14cは、基板11の一部の層11cと、グランド層12cと、PZT(Pb(ZrTi)O3)等の圧電体層16cと、上部電極層18cとで構成される。なお、図3(a)の断面図では示されていないが、第1のカンチレバー14aは、基板11の一部の層11aと、グランド層12aと、PZT(Pb(ZrTi)O3)等の圧電体層16aと、上部電極層18aとで構成される。同様に、第2のカンチレバー14bは、基板11の一部の層11bと、グランド層12bと、PZT(Pb(ZrTi)O3)等の圧電体層16bと、上部電極層18bとで構成される。信号線13aは、一端が基板11に支持され、接点14cの一部と穴15とを覆うように延伸している。同様に、信号線13bも、一端が基板11に支持され、接点14cの一部と穴15とを覆うように延伸している。
そして、第1及び第2のカンチレバー14a及び14bに電圧を印加することにより、駆動アーム14を駆動させ、接点14cと信号線13a及び13bとを接触させる。具体的には、グランド層12a及び12bに負電圧を印加し、上部電極層18a及び18bに正電圧を印加することにより、駆動アームを引き上げる。アクチュエータをスイッチトとすると、接点14cと信号線13a及び13bとが接触することで導通する。なお、ヒンジ部14d及び14eによって、適切な形で接点14cが信号線13a及び13bに接触するようになる。
しかし、第1のカンチレバー14a及び第2のカンチレバー14bには反りが生じるため、駆動アーム14全体が反ることになる。例えば長さ500μmのカンチレバーでは、数十〜百μm程度の反りが生じる。すなわち、接点14cの位置は、実際には、図3(b)に示すように、図3(a)で示した位置よりも下がった位置になる。なお、図3(b)における長さMは、反りの量を示す。
例えば図1乃至図3(b)に示したようなアクチュエータを用いた電気式微小機械スイッチ(以下、MEMSスイッチと呼ぶ場合もある)では、一般的に信号線13a及び13bと接点14cとの距離(長さL)を10μm以下に制御しなければならないが、第1のカンチレバー14a及び第2のカンチレバー14bに反りが生じるため、信号線13a及び13bと接点14cとの距離を一定に保つことができず、スイッチング電圧にばらつきが生じる。
そこで、本発明の実施の形態では、図4及び図5に示すような構成を採用する。以下、本発明の実施の形態について説明する。
図4に、本発明の実施の形態におけるアクチュエータを用いた電気式微小機械スイッチの上面図を示す。例えば、Siの基板1の表面には、SiO2の絶縁層が形成され、その上には、下部電極層となるグランド2が形成されている。また、基板1及びグランド2の上には上部電極層8が形成されている。なお、同じハッチングは同じ層を示している。駆動アーム4は、信号線3c及び3dと接する接触部4cと、接触部4cとヒンジ部4dを介して接続される第1のカンチレバー4aと、接触部4cとヒンジ部4eを介して接続される第2のカンチレバー4bとを有しており、穴5を架橋するように設けられている。なお、層の構成としては、駆動アーム4は、基板1の一部の層(図4ではグランド2によって隠れている)と、グランド2の層と、PZT等の圧電体層6(図4では上部電極層8によって隠れている)と、上部電極層8とを有する。また、ヒンジ部4d及び4eにおいては、ヒンジの機能を有効に果たすために穴が形成されている。
第1の固定アーム3aは、一端が基板1に支持され、駆動アーム4の接触部4cの一部と穴5の一部とを覆うように延伸している。そして、第1の固定アーム3aの先端(支持部と反対側)の部分は、幅が除々に狭くなるように形成されている。同様に、第2の固定アーム3bは、一端が基板1に支持され、駆動アーム4の接触部4cの一部と穴5の一部とを覆うように延伸している。そして、第2の固定アーム3bの先端(支持部と反対側)の部分は、幅が除々に狭くなるように形成されている。信号線3cと信号線3dとは、駆動アーム4の接触部4c上において切断されており、第1の固定アーム3aと第2の固定アーム3bとは上下対称になっている。なお、詳細は後で説明するが、第1の固定アーム3a及び第2の固定アーム3bにおいては、信号線3c及び3dの下部の一部に駆動アーム4と同じ層を有する。また、第1の固定アーム3a及び第2の固定アーム3bの左右には、それらと平行に、駆動アーム4と穴5とを架橋するようにグランド線7a及び7bが形成されている。
図5(a)に、上面図(図4)のC−C’線での概略断面図を示す。図5(a)では、駆動アーム4は、基板1の一部の層1cと、グランド層2cと、PZT(Pb(ZrTi)O3)等の圧電体層6cと、上部電極層8cとで構成される。なお、駆動アーム4の構成は、基本的には、前提となるアクチュエータの構成と同じである。また、図5(a)の断面図では示されていないが、第1のカンチレバー4aは、基板1の一部の層1aと、グランド層2aと、PZT(Pb(ZrTi)O3)等の圧電体層6aと、上部電極層8aとで構成される。同様に、第2のカンチレバー4bは、基板1の一部の層1bと、グランド層2bと、PZT(Pb(ZrTi)O3)等の圧電体層6bと、上部電極層8bとで構成される。
第1の固定アーム3aは、基板1の一部の層1dと、グランド層2dと、圧電体層6dと、上部電極層8dと、信号線3cとで構成される。そして、一端が基板1に支持され、第1の固定アーム3aの先端の部分は、信号線3cのみが突起するように形成されている。同様に、第2の固定アーム3bは、基板1の一部の層1eと、グランド層2eと、圧電体層6eと、上部電極層8eと、信号線3dとで構成される。そして、一端が基板1に支持され、第2の固定アーム3bの先端の部分は、信号線3dのみが突起するように形成されている。
本実施の形態においても、上で述べたように駆動アーム4には反りが生じるため、実際の駆動アーム4の位置は、図5(b)に示す位置になる。一方で、本実施の形態では、第1の固定アーム3a及び第2の固定アーム3bが、駆動アーム4と同じ層を有する構造となっているため、図5(b)に示すように、第1の固定アーム3a及び第2の固定アーム3bにも駆動アーム4と同程度の反りが生じることになる。すなわち、駆動アーム4と第1の固定アーム3a及び第2の固定アーム3bの先端部分との距離は変わらないため、材料の応力による影響を抑えられる。なお、反りの量は、片側支持構造を両端支持構造に変更したり、穴5の大きさを変更したりすることにより、調整可能である。
また、図4に示したMEMSスイッチは、駆動アーム4を駆動させることにより、駆動アーム4の接触部4cと信号線3c及び3dとが接触するようになっている。なお、駆動アーム4は、基本的には、前提となるアクチュエータと同じものであり、駆動アーム4を駆動させる仕組みについても、上で説明した仕組みと同じである。すなわち、上で説明したように、第1及び第2のカンチレバー4a及び4bに電圧を印加することにより、駆動アーム4を駆動させ、信号線3c及び3dと接触部4cとを接触させる。
次に、図6乃至図9を用いて、図4及び図5に示したようなアクチュエータの製造方法を説明する。なお、図6乃至図9において、左側に示す断面図Bは図4のB−B’線での断面図を示し、右側に示す断面図Cは図4のC−C’線での断面図を示す。
図6(a)に示すように、表面にSi層101、当該表面のSi層101より下にSiO2層102、そしてSiO2層102の下にSi層103が形成されているSOI(Silicon On Insulator)ウェハを用いる。そして、図6(b)に示すように、水又は酸素雰囲気中で、SOIウェハの上下面の表面を熱酸化させてSiO2層104及び105を形成する。このSiO2層104は、図4に示した、基板1の表面の絶縁層である。その後、図6(c)に示すように、スパッタによって圧電体層の下部電極層となるPt/Ti層106をSiO2層104の上に形成する。
そして、図6(d)に示すように、SOIウェハを回転させ、PZTゾルゲルの成膜を1μm程度行って、PZT圧電体層107をPt/Ti層106の上に形成する。次に、図6(e)に示すように、再度スパッタによって圧電体層の上部電極となるPt/Ti層108をPZT圧電体層107の上に形成する。ここまでは、断面図B及び断面図C共に変わりない。
次に、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、ポジ型のレジストの場合は感光した部分、ネガ型のレジストの場合は感光しなかった部分のレジストを除去して、図7(a)に示すように、Pt/Ti層108及びPZT圧電体層107をエッチングするためのレジスト層109を形成する。断面図Bでは、第1及び第2のカンチレバー4a及び4bと、接触部4cとを切断するため、2つの溝110a及び110bが形成される。一方、断面図Cでは、第1及び第2の固定アーム3a及び3bと、接触部4cとを切断するため、2つの溝112a及び112bが形成される。
そして、図7(b)に示すように、エッチングでレジスト層109が形成されていない部分のPt/Ti層108及びPZT圧電体層107が削られ、その後レジスト層109が除去される。次に、下部電極層であるPt/Ti層106と、SiO2層104と、Si層101と、SiO2層102とを加工するために、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、感光した部分又は感光しなかった部分のレジストを除去して、図7(c)に示すように、レジスト層111を形成する。なお、断面図Bでは、上部全面にレジスト層111が形成されるが、断面図Cでは、第1及び第2の固定アーム3a及び3bと、接触部4cとを切断するために、2つの溝112a及び112bが形成される。
その後、図7(d)に示すように、エッチングで、レジスト層111が形成されていない部分のPt/Ti層106と、SiO2層104と、Si層101と、SiO2層102とが削られ、その後レジスト層111が除去される。なお、ヒンジ部4d及び4eについてはここでは説明を省略している。このヒンジ部4d及び4eを形成するためには、図7(c)の段階で断面図Bにもレジストが形成されない部分が適切に形成される必要がある。
次に、Auの信号線3c及び3dを形成する前段階として、図7(e)に示すように、溝110a及び110bと、溝112a及び112bとに埋め込み用レジスト113を塗布する。そして、信号線3c及び3dを形成するために、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、感光した部分又は感光しなかった部分のレジストを除去して、図8(a)に示すように、犠牲層114を形成する。犠牲層114は、図5(a)に示した長さLを実現するための厚みを有する。その後、図8(b)に示すように、犠牲層114の上に、スパッタで、Au層115を形成する。
そして、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、感光した部分又は感光しなかった部分のレジストを除去して、図8(c)に示すように、レジスト層116を形成する。断面図Bでは、Au層115のうちAu層115aのみが信号線として用いられるため、Au層115aの上部にのみレジスト層116を形成する。一方、断面図Cでは、信号線3cと信号線3dとに分離するために、溝117が形成される。その後、図8(d)に示すように、エッチングで、レジスト層116が形成されていない部分のAu層115を削り取る。
次に、裏面のSiO2層105の下に、フォトレジストを塗布し、フォトマスクを透過させて露光し、感光したレジストを現像し、感光した部分又は感光しなかった部分のレジストを除去して、図9(a)に示すように、レジスト層118を形成する。そして、下部からエッチングを行って、図9(b)に示すように、レジスト層118が形成されていない部分における、SiO2層105、Si層103と、SiO2層102とを削り取る。
その後、埋め込み用レジスト113と、犠牲層114と、レジスト層116と、レジスト層118とを除去し、超臨界乾燥を実施すると、図9(c)に示すように、完成する。断面図Cでは、第1の固定アーム3a及び第2の固定アーム3bは、信号線3c及び3dの下部に駆動アーム4と同じ層を有し、先端部分は、信号線3c及び3dのみがそれぞれ突起するようになっている。すなわち、駆動アーム4と、第1の固定アーム3a及び第2の固定アーム3bとに同程度の反りが生じ、駆動アーム4と第1の固定アーム3a及び第2の固定アーム3bの先端部分との距離は変わらないため、材料の応力による影響を抑えられる。また、信号線3c及び3dの下部に駆動アーム4と同じ層を有するので、信号線3c及び3dを補強できている。
以上述べたような製造プロセスを実施することによって、図4及び図5で示したようなアクチュエータを製造することができる。なお、レジスト層を形成する部分が異なるが、基本的には、前提となるアクチュエータの製造プロセスをそのまま応用して製造することができる。また、上で述べた各層は、特に触れなかった場合にはnmレベルの厚さとなる。
以上本発明の一実施の形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば細かい構造は、全て同じでなければならないわけではない。ヒンジ部の構造は、他のヒンジ構造を採用することも可能である。
また、上では、固定アームと駆動アームとがねじれの関係になるようなMEMSスイッチを例に説明したが、図10に示すような構造に変形することも可能である。なお、図10は上面図である。図10では、駆動アーム24bは、一端が基板21に支持され、穴25を覆うように延伸している。そして、固定アーム24aは、一端が基板21に支持され、固定アーム24aの先端(信号線23a)が駆動アーム24bの先端を覆うように形成されている。すなわち、固定アーム24aと駆動アーム24bとが直列に形成されている。より具体的には、基板21の表面には、SiO2の絶縁層が形成され、その上には、下部電極層となるグランド22a及び22bが形成されている。グランド22aの上には圧電体層(図10では上部電極層28aによって隠れている)と上部電極層28aとが形成されており、さらに上部電極層28aの上には信号線23aが形成されている。また、グランド22bの上には圧電体層(図10では上部電極層28bによって隠れている)と上部電極層28bとが形成されており、さらに上部電極層28bの上には信号線23bが形成されている。
図11に、図10のD−D’線での断面図を示す。図11では、固定アーム24aは、一端が基板21に支持され、基板21の一部の層と、グランド22aと、圧電体層26aと、上部電極層28aと信号線23aとを有する。そして、固定アーム24aの先端の部分は、信号線23aのみが突起するように形成されている。また、駆動アーム24bは、一端が基板21に支持され、基板21の一部の層と、グランド22bと、圧電体層26bと、上部電極層28bと信号線23bとを有する。そして、駆動アーム24bに電圧を印加することにより、駆動アーム24bを引き上げ、信号線23bを信号線23aに接触させる。この場合においても、固定アーム24a及び駆動アーム24bには同程度の反りが生じることになるので、信号線23aと信号線23bとの距離は変わらず、材料の応力による影響を抑えられる。このように、固定アームと駆動アームとの位置関係は、固定アームの信号線の先端が駆動アームと重なるようになっていればよい。
前提となるアクチュエータの上面図である。 前提となるアクチュエータの一部の拡大図である。 (a)乃至(b)は、前提となるアクチュエータの概略断面図である。 本発明の一実施の形態に係るMEMSスイッチの上面図である。 本発明の一実施の形態に係るMEMSスイッチ概略断面図である。 (a)乃至(e)は、アクチュエータの製造方法を示す図である。 (a)乃至(e)は、アクチュエータの製造方法を示す図である。 (a)乃至(d)は、アクチュエータの製造方法を示す図である。 (a)乃至(c)は、アクチュエータの製造方法を示す図である。 MEMSスイッチ(変形例)の上面図である。 MEMSスイッチ(変形例)の断面図である。
符号の説明
1 基板 2 グランド
3a 第1の固定アーム
3b 第2の固定アーム
3c,3d 信号線
4 駆動アーム
4a 第1のカンチレバー
4b 第2のカンチレバー
4c 接触部
4d,4e ヒンジ部
5 穴
7a,7b グランド線
8 上部電極層

Claims (4)

  1. 開口部を有する基板と、
    圧電体層と当該圧電体層の上下に電極層とを有する圧電駆動部が一方の面に形成され且つ少なくとも一端が前記基板に固定された駆動アームと、
    信号線と当該信号線の下部の一部に前記駆動アームと同じ層とを有し且つ少なくとも一端が前記基板に固定された固定アームと、
    を有し、
    前記駆動アーム及び前記固定アームが、前記基板の開口部の一部を覆っており、
    前記固定アームにおける前記信号線が、前記駆動アーム上に延伸しており、前記駆動アームと重なる部分において前記駆動アームと接することができるようになっている
    電気式微小機械スイッチ。
  2. 前記駆動アームが、前記電極層に印加される電圧によって前記圧電体層に従って前記信号線に接するように駆動される
    請求項1記載の電気式微小機械スイッチ。
  3. 前記固定アームが、前記駆動アームと重なる部分以外の部分に前記駆動アームと同じ層を有する
    請求項1記載の電気式微小機械スイッチ。
  4. 前記固定アームが、前記駆動アームとねじれの関係になるように又は前記駆動アームと直列の関係になるように前記駆動アーム上に延伸する
    ことを特徴とする請求項1記載の電気式微小機械スイッチ。
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