JP5117714B2 - カラーフィルター用着色組成物 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、ジケトピロロピロール顔料とジケトピロロピロールスルホン酸誘導体を必須成分として分散させた、カラーフィルター用の赤色カラーレジストインキが開示されている。
しかしながら、特許文献1及び2の技術は、高コントラストの点において満足しうるものではない。
また、特許文献3には、硬度の高いカラーフィルターを得る目的で、顔料、分散剤、加水分解性基含有オルガノシランで表面処理されたシリカ粒子、及び溶媒を含有するカラーフィルター用着色組成物が開示されている。しかしながら、ジケトピロロピロール顔料に関する記載や課題の開示はない。
〔1〕少なくとも顔料分散体(A)、シリカ粒子(B)及びバインダー成分(C)を配合したカラーフィルター用着色組成物であって、顔料分散体(A)が、下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料(a)、有機溶媒(b)及び分散剤(c)を含有するカラーフィルター用着色組成物。
〔2〕少なくとも下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料(a)、有機溶媒(b)及び分散剤(c)、並びにシリカ粒子(B)及びバインダー成分(C)を含有するカラーフィルター用着色組成物。
〔3〕前記〔1〕又は〔2〕のカラーフィルター用着色組成物をガラス基板に塗工してなるカラーフィルター。
〔顔料分散体(A)〕
本発明の着色組成物に用いられる顔料分散体(A)は、下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料(a)、有機溶媒(b)及び分散剤(c)を含有するものである。
ジケトピロロピロール系顔料(a)の具体例としては、C.I.ピグメント レッド254、同255等が挙げられ、その市販品としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、PR−254、商品名「Irgazin DPP Red BO」、「Irgazin DPP Red BL」、「Cromophtal DPP Red BP」、「Cromophtal DPP Red BOC」等が挙げられる。
上記ジケトピロロピロール系顔料(a)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる前記顔料の微粒化処理法は特に限定されない。例えば、塩化ナトリウムの存在下でミル破砕を行うソルトミリング法を用いることができる。微粒化したジケトピロロピロール系顔料(a)の市販品としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、PR−254、商品名「Irgaphor Red B−CF」、「Irgaphor Red BT−CF」等が挙げられる。
本発明で用いられる有機溶媒(b)は、ジケトピロロピロール系顔料(a)の分散性の観点、及び顔料分散体(A)を油性とする観点から、SP値(溶解度パラメータ。ポリマーハンドブック(THIRD EDTION, A WILEY INTERSCIENCE PUBLICATION)参照)が、好ましくは23MPa1/2以下、更に好ましくは20MPa1/2以下であり、その下限は好ましくは14MPa1/2以上、更に好ましくは16MPa1/2以上である。
より具体的には、有機溶媒(b)は、ジケトピロロピロール系顔料(a)の分散性と、分散剤(c)の溶解性又は分散性の観点から、シクロヘキサン、エチレングリコールジエチルエーテル、酢酸エチル、及び下記一般式(2)で表される化合物であることが好ましく、下記一般式(2)で表される化合物であることがより好ましい。
これらの中では、ジケトピロロピロール系顔料(a)の分散性と、分散剤(c)の溶解性又は分散性の観点から、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる1種以上が特に好ましい。
これらの有機溶媒(b)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられる分散剤(c)は、ジケトピロロピロール系顔料(a)を有機溶媒(b)中で安定に微細化した状態で分散させうる分散剤であればよく、公知の分散剤を使用することができる。
例えば、特開平3−277673号公報、特開平10−339949号公報、特表2003−517063号公報等に記載の主鎖にアミド系骨格を有し、側鎖がメタクリル酸エステルによるマクロモノマーからなるグラフトポリマー;特公平7−96654号公報、特開平7−207178号公報等に記載の脂肪族ヒドロキシカルボン酸残基を有するポリエステル系オリゴマー;オルガノシロキサンポリマー(信越化学工業株式会社製、KP341等);(メタ)アクリル酸系(共)重合体(共栄油脂化学工業株式会社製、ポリフローNo.75、90、95等);カチオン系界面活性剤(裕商株式会社、W001等);ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;アニオン系界面活性剤(裕商株式会社、W004、W005、W017等);その他市販品として、ゼネカ社製のソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、20000、24000、26000、28000等の各種ソルスパース分散剤、味の素ファインテクノ株式会社製のアジスパーPB−821、PB−822、三洋化成株式会社製のイソーネットS−20、BYK Chemie社製商品名:Disperbyk−160、161、162、163、164、182、184、EFKA Chemicals BV社製:商品名EFKA−46、47、48等が挙げられる。
これらの中では、微細安定化の観点から、主鎖にアミド系骨格を有し、側鎖がメタクリル酸エステルによるマクロモノマーからなるグラフトポリマーが好ましく、具体的には、ビニルピロリドンを主鎖に含有し、側鎖がメタクリル酸メチルのマクロモノマーからなるグラフトポリマーが好ましい。
本発明に用いられる顔料分散体(A)の製造方法に特に制限はなく、前記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料(a)、有機溶媒(b)及び分散剤(c)を含む混合物を公知の分散機、混練機等を用いて分散させて配合する方法が挙げられる。例えば、ニーダー、ロールミル、ペイントシェーカー、ビーズミル、サンドミル、アトライタ、スーパーミル、ディゾルバ、エクストルーダ、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー等により、前記(a)〜(c)成分を湿式分散させることにより得ることができる。
これらの中では、サンドミル等のメディア式分散機が好ましい。メディア式分散機は、分散室(ミル)内にメディア粒子を滞留させ、そこを流通する顔料の予備分散体にメディア粒子による粉砕、剪断、衝突という分散エネルギーを与えながら分散を行い、必要に応じて、メディア粒子と分散処理物とを遠心分離等により分離し、分散処理物のみを分散室外に流出させるものである。サンドミルとしては、連続式が好ましく、ローラミルタイプ、ニーダータイプ、ピンミキサータイプ等を用いることができる。
なお、本発明において体積中位粒径D50とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明における体積中位粒径D50の値は、顔料分散体(A)を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートにて300倍に希釈し、日機装株式会社製のレーザードップラー式粒度分布計「マイクロトラック UPA150」を用いて測定(20℃)することができる。
また、ジケトピロロピロール系顔料(a)を含有する着色組成物中のジケトピロロピロール系顔料(a)の体積中位粒径D50も、前記と同様にして測定できる(ただし、シリカ粒子を未配合において測定する)。
また、本発明の着色組成物中における、ジケトピロロピロール系顔料(a)の濃度が1〜10重量%の場合には、顔料分散体(A)の配合量は、20〜70重量%が好ましく、30〜65重量%がより好ましく、30〜60重量%が特に好ましい。
本発明に用いられる顔料分散体(A)は、実質的に水を含有せず、油性であることが好ましい。すなわち、水の含有量は1重量%以下が好ましく、0.5重量%以下がより好ましい。
シリカ粒子(B)は特に制限はなく、沈降法シリカ、ヒュームドシリカのいずれも使用できる。これらは、いずれもその表面に通常シラノール基(Si−O−H)が存在するので親水性を有している。
シリカ粒子(B)を配合することにより本発明の効果が発現する理由は定かではないが、ジケトピロロピロール顔料に対してシリカ粒子のシラノール基が作用することによるものと考えられる。着色組成物中におけるシリカ粒子の分散状態は、着色組成物に使用する有機溶媒の種類によって異なるため、使用する有機溶媒に合せて、着色組成物中におけるシリカ粒子の分散状態が良好になるように適宜、シリカ粒子表面のシラノール基の少なくとも一部を疎水化して調整することが好ましい。
シリカ粒子表面を疎水化する方法としては、シリカとジシロキサン化合物、アルキルアルコキシシラン化合物、有機ハロゲン化ケイ素化合物等のシリル化剤を反応させることにより、シリカ粒子の表面のシラノール基をアルキルシリル基等の疎水基により修飾する方法等が挙げられる。
本発明の着色組成物中における、シリカ粒子(B)の配合量は、0.01〜5重量%が好ましく、0.01〜4重量%が更に好ましく、0.01〜3.5重量%が特に好ましい。
本発明においては、ジケトピロロピロール系顔料(a)とシリカ粒子(B)との併用により本発明の効果が発現するものと考えられる。本発明の効果発現の観点から、本発明の着色組成物中における、ジケトピロロピロール系顔料(a)とシリカ粒子(B)との重量比〔(B)/(a)〕は、1/1000〜1/2が好ましく、1/200〜3/10が更に好ましく、1/100〜3/10が特に好ましい。
バインダー成分(C)は、重合開始剤の作用により硬化する重合性モノマー(d)、及び重合開始剤(e)から構成され、一般にこの種のバインダー成分に使用される広い範囲の化合物から選択することができる。
重合性モノマー(d)の好適例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。重合性モノマー(d)の含有量は、本発明における着色組成物中の全固形分中、通常5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%である。
光重合開始剤(e)の好適例としては、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダソール2量体、2−(2’−クロロフェニル)−4,5−ビス(3’−メトキシフェニル)イミダゾール2量体等のイミダゾール誘導体、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のα−アミノアルキルフェノン系化合物等が挙げられる。
熱重合開始剤(e)の好適例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ-t-ブチル、クメンハイドロパーオキシド等の有機過酸化物及び過酸化水素等を挙げることができる。これらの中では、アゾ系化合物が特に好適に用いられる。
重合開始剤(e)の含有量は、本発明の着色組成物の全固形分中、通常0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜25重量%、更に好ましくは1〜20重量%である。
上記の重合性モノマー(d)、重合開始剤(e)、バインダー樹脂等は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の着色組成物は、少なくとも顔料分散体(A)、シリカ粒子(B)及びバインダー成分(C)を所望量、好ましくは顔料分散体(A)を10〜50重量%、シリカ粒子(B)を0.01〜5重量%、バインダー成分(C)を10〜50重量%配合することにより得ることができる。なお、顔料分散体(A)の分散処理工程、及び着色組成物の配合(混合)工程において、微細なゴミが混入することがあるため、得られた着色組成物をフィルター等によって、濾過処理し、粗大粒子等を除去することが好ましい。
本発明で用いる顔料分散体(A)は低粘度で分散安定性に優れるという特性を有するため、この顔料分散体(A)を含有する本発明の着色組成物も分散安定性に優れるという特性を有する。
本発明のカラーフィルターは、前記の着色組成物を用い、フォトリソ法、インクジェット法、その他の方法によりカラーフィルターを製造することができる。例えば、フォトリソ法により製造する場合は、前記の着色組成物をガラス基板上にスピンコーター、バーコーター、アプリケーター等を用いて塗工し、ホットプレート等の水平面で、70〜100℃で3〜5分間乾燥させ、超高圧水銀ランプ等の紫外線発生装置にて露光した後、アルカリ現像後、250〜270℃にて30〜60分間、ポストベイクすることによって得ることができる。
ジケトピロロピロール系顔料(a)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、PR254:商品名「IRGAPHOR BT−CF」、平均一次粒径30nm(カタログ値))10重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、有機溶媒)86重量部、下記に示すポリマー1〜8(分散剤)4重量部、0.3mmジルコニアビーズ200重量部をポリビンに入れ、予備解砕としてペイントシェーカーにて3時間振とうした後、ジルコニアビーズを除去して分散液を得た。次いでその分散液80重量部と粒径50μmのジルコニアビーズ160重量部をポリビンに入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて表1に示す時間振とうした後、ジルコニアビーズを除去して、ジケトピロロピロール系顔料(a)の体積中位粒径D50が表1に示すような顔料分散体を得た。
・ポリマー1:味の素ファインテクノ株式会社製、アジスパーPB−822
・ポリマー2:ZENECA社製、ソルスパース28000
・ポリマー3:N,N−ジメチルアクリルアミド/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸メチルマクロモノマー(数平均分子量3000)の共重合体(重量平均分子量18000) モノマー重量比=14/16/70
・ポリマー4:N,N−ジメチルアクリルアミド/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸メチルマクロモノマー(数平均分子量1700)の共重合体(重量平均分子量22400) モノマー重量比=13/15/72
・ポリマー5:N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸メチルマクロモノマー(数平均分子量1700)の共重合体(重量平均分子量29500) モノマー重量比=17/15/68
・ポリマー6:N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸メチルマクロモノマー(数平均分子量1700)の共重合体(重量平均分子量19600) モノマー重量比=5/25/70
・ポリマー7:1−ビニル−2−ピロリドン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸メチルマクロモノマー(数平均分子量3000)の共重合体(重量平均分子量18000) モノマー重量比=14/16/70
・ポリマー8:1−ビニル−2−ピロリドン/2−ヒドロキシエチルメタクリレート/メタクリル酸メチルマクロモノマー(数平均分子量1700)の共重合体(重量平均分子量18000) モノマー重量比=13/15/72
なお、上記のマクロモノマーの数平均分子量、共重合体の重量平均分子量及び下記のバインダー樹脂の重量平均分子量は、溶媒として1mmol/Lのラウリルジメチルアミンを含有するクロロホルムを用いたゲルクロマトグラフィー(GPC)法により、標準物質としてポリスチレンを用いて測定した値である。
(着色組成物の調製)
窒素導入管を備え付けた反応容器に、上記で得られた顔料分散体1を46重量部、バインダー成分(C)34重量部(光又は熱重合性モノマーとしてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、5.7重量部、(光又は熱)重合開始剤として2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2.8重量部、バインダー樹脂成分としてベンジルマレイミド樹脂溶液(有効成分42%、ベンジルマレイミド/メチルメタクリレート/メタクリル酸/グリシジルメタクリレートの共重合物で、重量比は4.0/27.5/8.5/4.0、重量平均分子量14000)、12.3重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(有機溶媒)13.2重量部)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20重量部、オルガノシリカゾル:日産化学株式会社製、スノーテックスMEK−ST、MEK分散体、シリカ有効分30%、平均粒径12nm)を表2に示した重量部(表2中の重量部はシリカ粒子の固形分の重量部)で添加し、均一になるまで混合し、着色組成物を得た。
ガラス基板上に着色組成物をスピンコーターで塗布した後、水平台にて6分間静置し、80℃で3分間ホットプレートにより乾燥した。次いで、得られた塗膜に超高圧水銀ランプ(365nm波長)を用いて80mJ/cm2まで紫外線を照射した。次いで、当該塗膜を0.05重量%水酸化カリウム水溶液中で現像し、260℃のクリーンオーブン内で30分間加熱(ポストベイク)を行い硬化塗膜を作製した。
得られた硬化塗膜のコントラストを、壷坂電機株式会社製、コントラストテスター CT−1を用いてポストベイク後のコントラストを測定した。結果を表3に示す。
実施例2〜10及び比較例1〜8
実施例1において、表2に示す条件に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行って、評価した。結果を表3に示す。
Claims (5)
- ジケトピロロピロール系顔料(a)とシリカ粒子(B)との重量比〔(B)/(a)〕が1/1000〜1/2である、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用着色組成物。
- シリカ粒子(B)の平均粒径が50nm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のカラーフィルター用着色組成物をガラス基板に塗工してなるカラーフィルター。
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