JP5364465B2 - カラーフィルター用顔料分散体の製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1には、顔料の分散性、分散安定性の向上を課題として、所定の塩基価を有する第一分散剤、所定の酸価を有する第二分散剤、顔料、及び溶剤からなる顔料分散液、及びそれを含む感光性着色組成物が開示されている。
また、特許文献2には、顔料分散性、経時安定性の向上と硬化膜のクラック生成防止等を課題として、顔料、顔料分散剤、特定の脂環式エポキシ樹脂からなる分散補助樹脂、及び溶剤を含有するカラーフィルター用の顔料分散液が開示されている。
特許文献3には、顔料分散性、分散安定性の向上と、カラーフィルタ用としてのアルカリ現像性、コントラストの向上を課題として、少なくとも顔料、溶剤、特定の高分子化合物を含有する第一分散剤、及び前記第一分散剤とは異なる第二分散剤を含有する顔料分散組成物が開示されている。
本発明は、低粘度であり、かつコントラスト比に優れた硬化膜を得ることができるカラーフィルター用顔料分散体の製造方法、及びその方法によって得られる顔料分散体を含有するカラーフィルター用着色組成物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、次の〔1〕及び〔2〕を提供する。
〔1〕顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、有機溶媒(C)、及び分子量が200〜5000であるノニオン性界面活性剤(D)を含有する混合物を分散処理する工程を有するカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
〔2〕前記〔1〕の製造方法によって得られるカラーフィルター用顔料分散体を含有するカラーフィルター用着色組成物。
以下、本発明に用いられる各成分等について説明する。
本発明に用いられる顔料(A)は、無機顔料及び有機顔料いずれであってもよい。また必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えばカーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。
有機顔料としては、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、レーキ顔料等が挙げられる。アゾ顔料としてはC.I.ピグメントレッド3等の不溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド48:1等の溶性アゾ顔料、C.I.ピグメントレッド144等の縮合アゾ顔料が挙げられる。フタロシアニン顔料としては、C.I.ピグメントブルー15:6等の銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
縮合多環顔料としては、C.I.ピグメントレッド177等のアントラキノン系顔料、C.I.ピグメントレッド123等のペリレン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ43等のペリノン系顔料、C.I.ピグメントレッド122等のキナクリドン系顔料、C.I.ピグメントバイオレット23等のジオキサジン系顔料、C.I.ピグメントイエロー109等のイソインドリノン系顔料、C.I.ピグメントオレンジ66等のイソインドリン系顔料、C.I.ピグメントイエロー138等のキノフタロン系顔料、C.I.ピグメントイエロー150等のニッケルアゾ錯体系顔料、C.I.ピグメントレッド88等のインジゴ系顔料、C.I.ピグメントグリーン8等の金属錯体顔料、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントオレンジ71等のジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
これらの中では、本発明の効果をより有効に発現させる観点から、下記一般式(1)で表されるジケトピロロピロール系顔料が好ましい。
ジケトピロロピロール系顔料の市販品の好適例としては、チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、C.I.ピグメントレッド254、商品名「Irgaphor Red B-CF」、「Igaphor Red BK-CF」、「Irgaphor Red BT-CF」、「Irgazin DPP Red BO」、「Irgazin DPP Red BL」、「Cromophtal DPP Red BP」、「Cromophtal DPP Red BOC」等が挙げられる。
顔料(A)は、明度Y値の向上の観点から、その平均一次粒子径を、好ましくは100nm以下、更に好ましくは20〜60nmにした微粒化処理品を用いることが望ましい。顔料の平均一次粒子径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、個々の一次粒子の短軸径と長軸径を計測してその平均値をその粒子の粒子径とし、100個以上の粒子について、それぞれの粒子の体積を、粒子径を一辺とする立方体と近似して体積平均粒子径を求め、それを平均一次粒子径とする。
上記の顔料(A)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
顔料分散用ポリマー(B)とは、顔料(A)を分散するために用いられるポリマーである。顔料分散用ポリマー(B)は、顔料(A)を有機溶媒(C)中で安定に微細化した状態で分散させうるものであればよく、公知の顔料分散用ポリマーを使用することができる。
顔料分散用ポリマー(B)としては、例えば、(i)グラフトポリマー、(ii)特公平7−96654号公報、特開平7−207178号公報等に記載の脂肪族ヒドロキシカルボン酸残基を有するポリエステル系オリゴマー、(iii)オルガノシロキサンポリマー(信越化学工業株式会社製、商品名:KP341等)、(iv)(メタ)アクリル酸系(共)重合体(共栄油脂化学工業株式会社製、商品名:ポリフローNo.75、90、95等)、(v)アストラゼネカ株式会社製の商品名:ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、20000、24000、26000、28000等の各種ソルスパース分散剤、(vi)味の素ファインテクノ株式会社製の商品名:アジスパーPB−821、PB−822、(vii)三洋化成株式会社製の商品名:イソーネットS−20等が挙げられる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸、及び/又はメタクリル酸」を意味する。
本発明においては、顔料(A)の分散安定性の観点から、顔料分散用ポリマー(B)がグラフトポリマーであることが好ましい。
グラフトポリマーの主鎖としては、顔料への吸着性の観点から、アミド基やアミノ基等の官能基を含む、窒素原子を含有するビニルモノマー由来の構成単位又はカルボキシ基を含有するビニルモノマー由来の構成単位を含むことが好ましく、窒素原子を含有するビニルモノマー由来の構成単位を含有することがより好ましい。
また、グラフトポリマーの側鎖としては、溶媒への顔料の分散性を高める観点から、(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位及び/又はスチレン由来の構成単位を含むことが好ましい。
上記のグラフトポリマーは、本発明の効果を阻害しない範囲内において、主鎖及び側鎖のいずれにも、前記モノマーと共重合可能なその他のモノマーを共重合したものでもよい。
グラフトポリマーの主鎖部分の数平均分子量は、本発明の分散体の保存安定性の観点から、好ましくは500〜50,000、より好ましくは1000〜30,000、更に好ましくは2000〜20,000である。また、主鎖部分の重量平均分子量は、同じ観点から、好ましくは1500〜150,000、より好ましくは3000〜90,000、更に好ましくは6000〜60,000である。
グラフトポリマーの側鎖部分の数平均分子量は、本発明の分散体の保存安定性の観点から、好ましくは500〜20,000、より好ましくは700〜10,000、特に好ましくは700〜6000である。
なお、ポリマーの重量平均分子量及び数平均分子量の測定は、実施例記載の方法により行うことができる。
主鎖の構成単位となるモノマーである窒素原子を含有するビニルモノマーとしては、アミド結合を有するビニルモノマーが好ましく、具体的には、(メタ)アクリルアミド類、ビニルピロリドン類、ビニルピリジン類、含窒素スチレン系モノマー、含窒素(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である)、N−アルキル(メタ)アクリルアミド(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である)、N,N−ジアルキル(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4)アミノアルキル(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜6)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミド2−メチルプロピルスルホン酸、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルフェニル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
ビニルピロリドン類としては、N−ビニル−2−ピロリドン等が挙げられる。
含窒素(メタ)アクリル酸エステルとしては、N,N−ジアルキル(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4)アミノアルキル(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜6)(メタ)アクリレート、1−(N,N−ジアルキルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリレート(アルキル基の炭素数は好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4である)、モルホリノエチル(メタ)アクリレート、ピペリジノエチル(メタ)アクリレート、1−ピロリジノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル−2−ピロリジルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−メチルフェニルアミノエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これら窒素原子を含有するビニルモノマーの中では、顔料への吸着性の観点から、(メタ)アクリルアミド類、ビニルピロリドン類が好ましく、N−ビニルピロリドンがより好ましい。
前記グラフトポリマーの全構成単位中の窒素原子を含有するビニルモノマー由来の構成成分の含有量は、顔料への吸着性の観点、及び粘度上昇の抑制や分散粒径の適正化の観点から、好ましくは1〜30重量%、より好ましくは2〜25重量%、更に好ましくは5〜20重量%である。
側鎖の構成単位となるモノマーである(メタ)アクリル酸アルキルとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール等の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。これらの中では、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、及び(メタ)アクリル酸ベンジルが好ましく、(メタ)アクリル酸メチルがより好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルは、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前記グラフトポリマーの側鎖中の(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位の含有量は、特に制限はないが、側鎖中の全構成単位に対して、好ましくは5〜100重量%、より好ましくは50〜100重量%、更に好ましくは80〜100重量%である。
グラフトポリマーの製造方法としては、(i)主鎖部分の構成単位であるモノマーと側鎖部分を構成するモノマーとを共重合する方法、及び(ii)主鎖部分を構成するポリマーと側鎖部分を構成するポリマーとをカップリング反応させる方法が挙げられるが、顔料(A)の微細安定化の観点から、(ii)主鎖部分を構成するポリマーと側鎖部分を構成するポリマーとをカップリング反応させる方法が好ましい。
カップリング反応に用いられる主鎖部分を構成するポリマーは、窒素原子を含有するビニルモノマー由来の構成単位を含むポリマーであり、反応性官能基を含有するビニルモノマー由来の構成単位を含むことが好ましい。該ポリマーは、当該モノマー混合物を共重合することにより得ることができる。
反応性官能基を含有するビニルモノマーとしては、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシ基、リン酸基、スルホン酸基、アミノ基を含有するモノマーが挙げられ、反応性、重合速度の面から、エポキシ基を含有するビニルモノマーが好ましく、グリシジル基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類が好ましく、(メタ)アクリル酸グリシジルがより好ましい。
カップリング反応に用いられる主鎖部分を構成するポリマーが反応性官能基として、エポキシ基を含有する場合、エポキシ価は、側鎖部分との反応性等の観点から、19〜375mgKOH/gが好ましく、30〜350mgKOH/gがより好ましく、40〜300mgKOH/gが特に好ましい。
なお、エポキシ価の測定は実施例記載の方法により行うことができる。
主鎖部分を構成するポリマーの反応性官能基がエポキシ基である場合は、側鎖部分を構成するポリマーの片末端はカルボキシ基又はアミノ基であることが好ましい。
カップリング反応に用いられる側鎖部分を構成するポリマーは、例えば、反応性官能基であるカルボキシ基又はアミノ基を含有する重合開始剤や連鎖移動剤を使用し、溶液重合によって得ることが好ましい。
側鎖部分を構成するポリマーと主鎖部分を構成するポリマーとのカップリング反応は、それぞれの反応性官能基が十分反応する条件で行えばよいが、触媒存在下、有機溶媒中にそれぞれのポリマーを溶解させて行うことが好ましい。
触媒としては、第四級アンモニウムハライド等の第四級アンモニウム塩、トリエチルアミン等の第三級アミン、アルカリ金属の水酸化物、無機酸、スルホン酸、カルボン酸、固体酸、固体塩基等が挙げられる。これらの中では、第四級アンモニウムハライドがより好ましく、テトラブチルアンモニウムブロマイド等が特に好ましい。
本発明で用いられる有機溶媒(C)は特に限定されないが、沸点が100℃以上の高沸点有機溶媒を用いることが好ましい。このような高沸点有機溶媒としては、以下の(i)〜(v)等が挙げられる。
(i)エチレングリコールアルキルエーテル類(セロソルブ類):エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等
(ii)ジエチレングリコールアルキルエーテル類(カルビトール類):ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等
(iii)アルカンジイルグリコールジアルキルエーテル類:プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等
(iv)アルカンジイルグリコールモノアルキルエーテルプロピオネート:エチレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート等
(v)アルカンジイルグリコールモノアルキルエーテルアセテート:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)等
上記有機溶媒の中では、顔料分散用ポリマー(B)の溶解性と、顔料(A)、特にジケトピロロピロール系顔料の分散性の観点から、(iv)アルカンジイルグリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、及び(v)アルカンジイルグリコールモノアルキルエーテルアセテートが好ましく、(v)アルカンジイルグリコールモノアルキルエーテルアセテートがより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA、沸点:146℃)、及びジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA、沸点:247℃)が更に好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)が特に好ましい。
上記の有機溶媒(C)は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明で用いられるノニオン性界面活性剤は、分子量が200〜5000であるノニオン性界面活性剤(D)(以下、単に「ノニオン性界面活性剤(D)」ともいう)である。ノニオン性界面活性剤(D)の分子量は、顔料の分散を促進し、硬化膜のコントラスト比を向上させ、分散体の粘度を低下させる観点から、200〜4000が好ましく、200〜3000がより好ましく、200〜2000がより好ましく、200〜1000がより好ましく、250〜500が更に好ましく、250〜290が更に好ましい。
ノニオン性界面活性剤(D)は、非イオン性の親水性基と疎水性基を有している。該親水性基としては、水酸基、ポリアルキレンオキシド基、アミド基、糖残基等が挙げられ、該疎水性基としては、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤の具体例としては、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルアルカノールアミド等が挙げられる。これらの中でも、顔料の分散性の観点から、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びアルキルアルカノールアミドから選ばれる1種以上が好ましく、アルキルアルカノールアミドがより好ましい。
R1CONR2R3 (2)
一般式(2)中、R1は炭素数5〜23、好ましくは炭素数7〜21、より好ましくは炭素数9〜19のアルキル基を示し、R1COは脂肪酸残基である。
脂肪酸残基R1COとしては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸、ヤシ油脂肪酸(主成分:ラウリン酸、ミリスチン酸)、パーム核油脂肪酸(主成分:ラウリン酸、ミリスチン酸)、オレイン酸、リノール酸等の飽和又は不飽和脂肪酸の残基が挙げられ、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム核油脂肪酸の残基が好ましい。
R2は炭素数1〜4のオキシアルキル基、R3は水素原子又は炭素数1〜4のオキシアルキル基を示す。R2又はR3である炭素数1〜4のオキシアルキル基としては、メチロール基、オキシエチル基、オキシプロピル基が好ましく、オキシエチル基がより好ましい。
上記一般式(2)で表されるアルキルアルカノールアミドの好適例としては、ラウリン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
本発明のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法は、顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、有機溶媒(C)、及び分子量が200〜5000であるノニオン性界面活性剤(D)を含有する混合物を分散する工程を有することを特徴とする。
本発明においては、前記工程により、低粘度であるカラーフィルター用顔料分散体を得ることができ、また、コントラスト比に優れた硬化膜を得ることができる。その理由は定かではないが、次のように考えられる。
すなわち、顔料(A)は分散処理前には凝集体となっているが、顔料(A)の界面に分子量が小さいノニオン性界面活性剤(D)が浸透して、顔料(A)の分散が迅速に進み、活性化した顔料(A)の界面に顔料分散用ポリマー(B)が吸着して、顔料(A)の分散の安定化を保つことができる。その結果、分散された顔料(A)が再凝集することなく、更に分散が進行し、顔料(A)が均一に微粒化された低粘度の分散体が得られると考えられる。この顔料分散体は、均一な流動状態を維持することができるため、硬化すると安定な硬化膜を形成し、カラーフィルター用としてコントラスト比が優れたものとなると考えられる。
前記工程における前記混合物の分散方法に特に制限はなく、顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、有機溶媒(C)、及び分子量が200〜5000であるノニオン性界面活性剤(D)を含有する混合物を一度の分散で目的とする顔料分散体を得てもよいが、該混合物を予備分散して、更に本分散を行うことが好ましい。
分子量が200〜5000であるノニオン性界面活性剤(D)は、分散初期から混合していてもよいが、下記工程(1)及び(2)を行うことがより好ましい。
工程(1):顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、有機溶媒(C)を含有する混合物を分散処理し、予備分散体を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた予備分散体と、分子量が200〜5000であるノニオン性界面活性剤(D)を混合し、分散処理する工程
工程(1)において、粒径の大きい粉末である顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、及び有機溶媒(C)を馴染ませ、均一にするために、予備分散を行い、その後、工程(2)において、顔料を微細化するために、ノニオン性界面活性剤(D)と混合し、本分散を行うことで、より微細で均一な顔料分散体が得られるため好ましい。
工程(1)は、顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、有機溶媒(C)を含有する混合物を分散処理し、予備分散体を得る工程である。
工程(1)の予備分散は、一度に全成分を混合し、分散してもよいが、顔料分散用ポリマー(B)と有機溶媒(C)とを予め混合して予備混合物を調製し、得られた予備混合物に顔料(A)を混合し、分散して最終的な混合物を得ることが好ましい。
本工程における、顔料(A)に対する顔料分散用ポリマー(B)の重量比〔(B)/(A)〕は、顔料(A)に必要量の顔料分散用ポリマー(B)を付着させる観点から、該重量比〔(B)/(A)〕を0.3〜2.0とすることが好ましく、0.4〜1.2とすることがより好ましい。
顔料分散体中の顔料(A)の割合は、良好な着色性を得る観点から、3重量%以上が好ましく、良好な着色性及び粘度を得る観点から、3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
本工程における、顔料分散体中の顔料分散用ポリマー(B)の含有量は、分散体の低粘度化の観点、及びコントラスト比に優れた硬化膜を得る観点から、2〜15重量%が好ましく、4〜10重量%がより好ましい。
本工程における、有機溶媒(C)の含有量は、均一に分散させる観点から、20〜90重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。
本工程における分散時間は特に制限はないが、0.1〜10時間が好ましく、0.5〜4時間がより好ましく、1〜3時間が更に好ましい。
これらの中では、顔料(A)を有機溶媒中に均一に混合させる観点から、ホモミキサー等の高速撹拌混合装置、ペイントシェーカーやビーズミル等のメディア式分散機が好ましく、これらを併用することがより好ましい。
工程(2)は、工程(1)で得られた予備分散体と、分子量が200〜5000であるノニオン性界面活性剤(D)を混合し、分散処理する工程であり、前記工程(1)で得られた混合物を更に微細化するために行われるが、顔料(A)を微細化する観点から、メディア式分散機を用いることが好ましく、前記の高圧式分散機を併用してもよい。
工程(2)で用いるメディアの材質としては、ジルコニア、チタニア等のセラミックス、ポリエチレン、ナイロン等の高分子材料、金属等が好ましく、摩耗性の観点からジルコニアが好ましい。また、メディアの粒径としては、0.003〜0.1mmが好ましい。顔料を微細化する観点から、0.07mm以下がより好ましく、0.05mm以下が更に好ましく、メディアを顔料と分離する観点から、0.005mm以上がより好ましく、0.01mm以上が更に好ましい。
工程(2)で用いるメディア式分散機としては、ペイントシェーカー、ビーズミル等が好ましく、市販のメディア式分散機としては、ウルトラ・アペックス・ミル(寿工業株式会社製、商品名)、ピコミル(浅田鉄工株式会社製、商品名)等が挙げられる。
分散時には発熱があるため、温度を10〜33℃に維持するため分散機を適宜冷却することが好ましい。例えば、分散機がペイントシェイカーの場合は、冷風を吹き付けるスポットクーラーを用いて冷却することが好ましく、ビーズミル、ニーダー、高圧式分散機の場合は、ジャケットに冷媒を流して冷却することが好ましい。
本分散の分散時間は、顔料(A)を十分に微細化する観点から、3〜200時間が好ましく5〜50時間がより好ましい。
工程(2)における、顔料(A)に対するノニオン性界面活性剤(D)の重量比〔(D)/(A)〕は、分散体の低粘度下、及び硬化膜のコントラスト比向上の観点から、0.1〜0.5が好ましく、0.15〜0.4がより好ましく、0.2〜0.3が更に好ましい。
工程(2)における、顔料分散体中のノニオン性界面活性剤(D)の含有量は、分散体の低粘度化の観点、及びコントラスト比に優れた硬化膜を得る観点から、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましく、1.5〜4重量%が更に好ましい。
また、工程(2)の開始時又は途中で顔料分散用ポリマー(B)を添加してもよい。顔料分散用ポリマー(B)を添加すれば、顔料(A)の分散性が向上し、粘度がやや低下し、顔料分散体の安定性も向上する。
顔料分散体中の顔料分散用ポリマー(B)の含有量は、分散体の低粘度化の観点、及びコントラスト比に優れた硬化膜を得る観点から、3〜15重量%が好ましく、5〜10重量%がより好ましい。
工程(2)における、顔料分散体中の顔料(A)の割合は、良好な着色性を得る観点から、3重量%以上が好ましく、良好な着色性及び粘度を得る観点から、3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
また、本工程における、顔料(A)に対する顔料分散用ポリマー(B)の重量比〔(B)/(A)〕は、分散体の低粘度化、及び硬化膜のコントラスト比向上の観点から、0.3〜1.5が好ましく、0.4〜1.4がより好ましい。
本工程における、有機溶媒(C)の含有量は、均一に分散させる観点から、20〜90重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。
顔料分散体の低粘度化の観点から、工程(1)で得られた顔料分散体を限外濾過したり、遠心分離して、顔料に吸着していない顔料分散用ポリマー(B)やノニオン性界面活性剤等を除いてもよい。更に、限外濾過や遠心分離で得られた分散体や沈降物を分散機で再分散してもよい。
本発明の製造方法によって得られるカラーフィルター用顔料分散体は、顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、有機溶媒(C)、及びノニオン性界面活性剤(D)を含有する。
顔料分散体中の顔料(A)の割合は、良好な着色性を得る観点から、3重量%以上が好ましく、良好な着色性及び粘度を得る観点から、3〜30重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
顔料分散体中の顔料(A)に対する顔料分散用ポリマー(B)の重量比〔(B)/(A)〕は、顔料分散体の保存安定性の観点から、0.4〜1.2が好ましく、0.5〜0.8がより好ましい。
顔料分散体中の有機溶媒(C)の含有量は、良好な着色性及び分散体の低粘度化の観点から、20〜90重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましい。
顔料分散体中のノニオン性界面活性剤(D)の含有量は、分散体の低粘度化の観点、及びコントラスト比に優れた硬化膜を得る観点から、0.01〜10重量%が好ましく、0.1〜5重量%がより好ましい。
また、顔料分散体中の顔料(A)に対するノニオン性界面活性剤(D)の重量比〔(D)/(A)〕は、顔料分散体の保存安定性の観点から、0.001〜1が好ましく、0.01〜0.5がより好ましい。
なお、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が小粒径側から累積して50%になる粒径を意味する。体積中位粒径(D50)の値は、製造直後の顔料分散体をジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA)で300倍に希釈し、粒度分析計(シスメックス社製、ZETASIZER Nano−ZS)を用いて、測定条件として、例えばジケトピロロピロール系顔料の場合、顔料粒子屈折率:1.51、顔料密度:1.45g/cm3、BCA屈折率:1.426、BCA粘度:3.60cPを入力して、20℃で測定することができる。
本発明の製造方法によって得られる顔料分散体の固形分12重量%における粘度(20℃)は、カラーフィルター用色材として良好な粘度とするために、1〜200mPa・sが好ましく、1〜100mPa・sがより好ましい。また、インクジェット法によりカラーフィルターを製造する際の良好な吐出性を維持するために、1〜50mPa・sが好ましく、1〜30mPa・sがより好ましい。
本発明のカラーフィルター用着色組成物は、前記製造方法によって得られたカラーフィルター用顔料分散体を含有するが、顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、有機溶媒(C)、ノニオン性界面活性剤(D)以外にバインダー成分等を含有することができる。
バインダー成分としては、電離放射線硬化性成分からなるバインダー成分、又は熱重合性硬化性成分からなるバインダー成分等が挙げられる。
電離放射線硬化性成分からなるバインダー成分は、樹脂を主体とし、必要に応じて、多官能モノマーや電離放射線により活性化する光重合開始剤を含有することが好ましく、更に多官能オリゴマー、単官能のモノマー、及び増感剤等を配合することができる。これらの樹脂、オリゴマー、モノマー、添加剤等は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
電離放射線硬化性成分からなる着色組成物中のバインダー成分の含有量は、溶媒を除いた有効分中20〜80重量%が好ましく、光重合開始剤の含有量は、溶媒を除いた有効分中0.2〜20重量%が好ましい。
前記非重合性樹脂としては、アクリル酸、メタクリル酸、トリメリット酸、メチルアクリレート、カプロラクトン、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、スチレン、ポリスチレンマクロモノマー、及びポリメチルメタクリレートマクロモノマーから選ばれる2種以上のモノマーからなる共重合体等が挙げられる。より具体的には、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレートマクロモノマー/スチレン共重合体、ベンジルメタクリレート/スチレンマクロモノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体とアルコール類との反応物等が挙げられる。非重合性樹脂の重量平均分子量は5,000〜200,000が好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、ロフィン2量体、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類、ポリハロゲン類等が挙げられる。例えば4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンと2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体の組み合わせ、4−[p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン]、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノンが好ましい。
熱重合性官能基からなる熱硬化性着色組成物中のバインダー成分の含有量は、溶媒を除いた有効分中10〜60重量%が好ましい。
熱重合性官能基を有する樹脂としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、α−n−ブチルアクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エポキシブチル、(メタ)クリル酸エポキシペンチル、(メタ)アクリル酸エポキシヘプチル等の(メタ)アクリレート類;ビニルグリシジルエーテル類;ジグリシジルオキシスチレン類;ビニルピロガロールトリグリシジルエーテル類;ジヒドロキシメチルスチレンジグリシジルエーテル類;トリヒドロキシメチルスチレントリグリシジルエーテル類から選ばれるエチレン性不飽和結合とエポキシ基を含有するモノマーの単独重合体又は共重合体等が挙げられる。
さらに、粘度を調節して、均一な塗布膜形成を可能とし、保存安定性を高める観点から、シクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールジエチルエーテル、酢酸エチル等の溶媒を添加することもできる。
(1)顔料分散用ポリマー(B)の数平均分子量、重量平均分子量の測定
カラムとして昭和電工株式会社製、K−804Lカラムを2本直列で用い、溶媒として、1mmol/Lのジメチルラウリルアミン(ファーミンDM2098)を含有するクロロホルムを用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により、標準物質としてポリスチレンを用いて、数平均分子量、重量平均分子量を測定した。
(2)顔料分散用ポリマー(B)の不揮発分の測定
シャーレにガラス棒と乾燥無水硫酸ナトリウム10gを量り採り、そこにポリマー溶液2g(サンプル量)を加えてガラス棒で混合し、105℃の減圧乾燥機(圧力8kPa)で2時間乾燥した。乾燥後の重さを計り、次式より不揮発分を算出した。
不揮発分=[〔サンプル量−(乾燥後の重さ−(シャーレ+ガラス棒+無水硫酸ナトリウムの重さ))〕/サンプル量]×100
(3)顔料分散用ポリマー(B)のエポキシ価の測定
ポリマー溶液に塩酸を加え、クロルヒドリン化により消費された量を水酸化カリウムのmg数で表したものをいう。
顔料濃度10%に合わせた分散体2mLを、20℃で5分間保持した後、E型粘度計(ローターNo.2、20rpm、20℃)を用いて、顔料分散体の粘度を測定した。
(5)顔料分散体を用いた硬化膜のコントラスト比の測定
顔料濃度を10%に調整した顔料分散体1.00部、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体(バインダー、モル比:30/70、重量平均分子量:14000、固形分40重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、「PGMEA」という)溶液)0.15部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(多官能モノマー:日本化薬株式会社製、DPHA)0.046部、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルホリノプロピオフェノン(光重合開始剤:和光純薬工業株式会社製)0.035部、PGMEA0.474部を均一になるまで混合し、顔料分散組成物を得た。ガラス基板上に顔料分散組成物をスピンコーターで塗布した後、水平台にて6分間静置し、80℃で3分間ホットプレートにより乾燥した。次いで、得られた塗膜に紫外線ファイバースポット照射装置(モリテックス社製、MUV−202U)を用いて30mJ/cm2まで紫外線を照射し、硬化膜を得た。硬化膜のコントラスト比をコントラスト比測定器(壺坂電機株式会社製、CT−1)で測定した。
製造例1−1〔ポリ(メタクリル酸グリシジル・メタクリル酸2−ヒドロキシエチル・N−ビニルピロリドン)(B1成分)の合成〕
還流冷却器、温度計、窒素導入管、攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコにN−ビニル−2−ピロリドン(以下、「VP」という)38.9g、メタクリル酸グリシジル(以下、「GMA」という)5.9g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下、「HEMA」という)9.4g、エタノール75.7gを仕込み、窒素置換を行った。77℃で攪拌しながら、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬工業株式会社製、アゾ系重合開始剤、商品名:V−65。以下、「V−65」という)1.5gをエタノール9.8gに溶解した液を添加した。
77℃で攪拌しながら、VP 58.4g、GMA 29.63g、HEMA 46.75g、前記重合開始剤2.5g、エタノール173.2gを混合した溶液を、90分かけて滴下した。
滴下終了した後に更に、GMA 23.7g、HEMA 37.4g、V−65 1.0g、エタノール65gを混合した溶液を3時間かけて滴下した。更に1時間、77℃で攪拌後、V−65 0.3gとエタノール7.5gを加えた。更に77℃で1時間攪拌した後、V−65 0.3gとエタノール7.5gを加えた。更に1時間攪拌した後、冷却し、ポリ(GMA−HEMA−VP)のエタノール溶液を得た。数平均分子量は13700であり、不揮発分は40.5%、エポキシ価は34mgKOH/gであった。
還流冷却器、温度計、窒素ガス導入管及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、メタクリル酸メチル200g、3−メルカプトプロピオン酸(連鎖移動剤)14.2g、ブチルカルビトールアセテート(以下、「BCA」という)100gを仕込み、窒素置換したあと、80℃で攪拌しながら、メタクリル酸メチル800g、3−メルカプトプロピオン酸56.9g、BCA 400g、V−65 8gを3時間かけて滴下した。更に1時間、80℃で攪拌後、V−65 8g、3−メルカプトプロピオン酸3.6g、BCA 400gを加えた。更に、80℃で2時間攪拌し、末端カルボン酸型ポリメタクリル酸メチル溶液を得た。溶液の酸価は18mgKOH/gであり、数平均分子量は1700、重量平均分子量は3000、不揮発分は54.8%であった。
還流冷却器、温度計、及び攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに製造例1−1のポリマー溶液60g、製造例2−1のポリマー溶液88g、BCA41g、エタノール41g、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBAB)(触媒)2.1gを仕込み、90℃で15時間攪拌した。冷却後、エバポレーターにて(バス温63℃、圧力92kPa)、エタノールを留去し、ポリ(HEMA−VP−MMA)溶液を得た。エタノール留去前の溶液の酸価は0.1mgKOH/gであった(反応率96%)。数平均分子量は11500、重量平均分子量は118000であり、不揮発分は29%であった。
ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(BCA、有機溶媒(C))60.8部、製造例1で得られた顔料分散用ポリマー(B)28.3部、ジケトピロロピロール系顔料(A)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ株式会社製、C.I.ピグメントレッド254、商品名「IRGAPHOR BK−CF」、平均一次粒径30nm(カタログ値))10.9部、さらに0.3mmφのジルコニアビーズ200重量部を入れ、ペイントシェーカーにて3時間撹拌した後、ジルコニアビーズを除去して予備分散体を得た(工程(1))。
次いで、この予備分散体100重量部に、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド(花王株式会社製、商品名:アミノーンPK−02S、分子量:273、ノニオン性界面活性剤(D))の有効分として2.73部を予めBCA6.67部に溶解させた溶液を添加し、0.05φジルコニアビーズ200部を加え、ペイントシェーカーで40時間攪拌し、ジルコニアビーズを除去した後、顔料分散体を得た。(工程(2))
得られた顔料分散体を用いて、前記の粘度及び硬化膜のコントラスト比を測定した。結果を表1に示す。
パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド(アミノーンPK−02S)を、表1に示す界面活性剤に変更した以外は、実施例1と同様にして、顔料分散体を得、前記の粘度及び硬化膜のコントラスト比を測定した。結果を表1に示す。
ノニオン性界面活性剤(D)
・PK−02:パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド(花王株式会社製、商品名:アミノーンPK−02S、分子量:273)
・L−02:ラウリン酸ジエタノールアミド(花王株式会社製、商品名:アミノーンL−02、分子量:301)
・460V:ポリオキシエチレンソルビトールテトラオレエート(花王株式会社製、商品名:レオドール460V、分子量:3880)
・CH−40:ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(花王株式会社製、商品名:エマノーンCH−40、分子量:2650)
・F68:プロピレンオキシド−エチレンオキシド共重合体(株式会社ADEKA製、商品名:プルロニックF68、分子量:8780)
カチオン性界面活性剤
・86P:ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド(花王株式会社製、商品名:コータミン86P、分子量:329)
アニオン性界面活性剤
・OT−P:ナトリウムジオクチルスルホサクシネート(花王株式会社製、商品名:ペレックスOT−P、分子量:444)
Claims (5)
- 顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、有機溶媒(C)、及び分子量が200〜5000であるノニオン性界面活性剤(D)を含有する混合物を分散処理する工程を有し、
顔料(A)がジケトピロロピロール系顔料を含み、顔料分散用ポリマー(B)が、主鎖として、アミド結合を有するビニルモノマー由来の構成単位と反応性官能基を含有するビニルモノマー由来の構成単位とを含み、側鎖として、(メタ)アクリル酸アルキル由来の構成単位を含み、重量平均分子量が5000〜700,000のグラフトポリマーであるカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。 - 下記工程(1)及び(2)を有する請求項1に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
工程(1):顔料(A)、顔料分散用ポリマー(B)、有機溶媒(C)を含有する混合物を分散処理し、予備分散体を得る工程
工程(2):工程(1)で得られた予備分散体と、分子量が200〜5000であるノニオン性界面活性剤(D)を混合し、分散処理する工程 - ノニオン性界面活性剤(D)が、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、及びアルキルアルカノールアミドから選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
- ノニオン性界面活性剤(D)がアルキルアルカノールアミドである、請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフィルター用顔料分散体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法によって得られるカラーフィルター用顔料分散体を含有するカラーフィルター用着色組成物。
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