以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係る遊技機は、背部を透視し得る透光性を有する領域に設けられ、遊技球を転動させるとともに、複数の入賞口及び複数の障害部材を具備する第1の遊技領域、及びこの第1の遊技領域の背部に重合状態に設けられ、遊技球を転動させるとともに、複数の入賞口と、前記第1の遊技領域よりも多数の障害部材を具備する第2の遊技領域を有する遊技盤と、前記第1の遊技領域及び前記第2の遊技領域に、遊技球を選択的に打ち分け可能な遊技球発射部と、所定の条件を満たしたことを契機に、相対的に当選確率が低い低確率状態と、相対的に当選確率が高い高確率状態のいずれかの確率状態で抽選処理を実行する特別遊技抽選手段と、この特別遊技抽選手段による抽選結果に基づき、識別情報を変動表示及び停止表示する表示手段と、前記特別遊技抽選手段による抽選結果が当選の場合、前記識別情報の変動表示から停止表示までを単位ゲームとした可変表示ゲームを実行する通常遊技から、遊技者に有利な特別遊技に移行させるとともに、当該特別遊技終了後、所定の有利な遊技条件下で前記可変表示ゲームが行われる付帯ゲームを所定回数実行する遊技進行制御手段と、前記付帯ゲームの実行回数を、前記特別遊技抽選手段による抽選処理が前記高確率状態で行われた場合よりも前記低確率状態で行われた場合の方を多く設定する付帯ゲーム回数設定手段と、前記特別遊技終了後、前記付帯ゲームを含む前記可変表示ゲームが前記高確率状態で実行されている場合、当該高確率状態から前記低確率状態へ変更するか否かの変更抽選を行う確率変更抽選手段と、前記確率変更抽選手段により確率状態が高確率状態から低確率状態に変更された場合、前記遊技球発射部を制御して、確率状態変更後の所定期間中、遊技球を前記第2の遊技領域へ発射可能とした発射経路変更手段とを備えるものである。
すなわち、本実施形態に係る遊技機を、例えばパチンコ遊技機とした場合、透光性を有する領域に設けられた第1の遊技領域とその背部に設けられた第2の遊技領域との2つの遊技領域を備える遊技盤と、2つの遊技領域のいずれかに選択的に打ち分け可能な遊技球発射部と、例えば液晶表示装置などからなる表示手段とを外観的構成として備えている。
そして、第1、第2の遊技領域に設けられた複数の入賞口のうちの所定の入賞口が、特別遊技抽選手段による抽選開始の契機となる始動口として定められており、遊技球発射部によって発射された遊技球がこの始動口に入賞したことを条件として、前記特別遊技抽選手段により遊技者に有利な特別遊技に移行させるか否かを決定する特別遊技抽選処理が行われる。
かかる特別遊技抽選処理を行う特別遊技抽選手段をはじめとして、遊技機は、遊技の進行を制御する電気的構成として、特別遊技終了後に付帯ゲームを所定回数実行する遊技進行制御手段と、この付帯ゲームの実行回数を設定する付帯ゲーム回数設定手段と、前記特別遊技抽選手段の当選確率を高確率状態から前記低確率状態へ変更するか否かの変更抽選を行う確率変更抽選手段と、前記遊技球発射部を制御して遊技球の発射先を変更可能とした発射経路変更手段とを備えている。
これらの各手段は、CPUからなる演算処理装置と、ROMやRAMなどからなる記憶装置と、その他必要に応じて設定される回路などを備えた制御回路により構成される。すなわち、前記ROMに記憶された遊技プログラムをCPUが実行することによって、前記遊技進行制御手段、特別遊技抽選手段、付帯ゲーム回数設定手段、確率変更抽選手段、及び発射経路変更手段としての機能が実現される。なお、前記ROMには、前記各手段を実現させつつ、遊技プログラムを実行して遊技を進行させるに必要な各種データなども予め記憶されている。
かかる構成の遊技機によれば、遊技球を発射させて通常遊技における可変表示ゲームを消化していき、特別遊技抽選手段による抽選に当選すれば、遊技者に有利な特別遊技が実現し、遊技者は賞球をより多く獲得可能となる。なお、パチンコ遊技機に電源が投入されて遊技可能状態になった初期状態では、パチンコ遊技は第1の遊技領域で行われるように設定されている。
しかし、この特別遊技が実現するまでの通常遊技状態における特別遊技抽選手段に設定された当選確率の高低によって、遊技者の得る利益には大きな差が生じる場合がある。
すなわち、特別遊技が実現するかしないかは、あくまでも抽選により行われるため、場合によっては、長い間特別遊技が生じないことも生じる。これが所謂「ハマリ状態」であるが、特に、抽選処理の際の当選確率が低確率の場合は、「ハマリ状態」が著しく長くなるおそれがある。
そこで、本実施形態では、特別遊技抽選手段による抽選に当選した際の抽選確率が低確率であるか高確率であるかによって、付帯ゲーム回数設定手段により、特別遊技終了後におこなわれる付帯ゲームの実行回数に差をつけ、高確率の抽選で特別遊技に当選した場合よりも低確率で当選した場合の方を多く設定するようにしている。
ここで、所定の有利な遊技条件下で可変表示ゲームが行われる付帯ゲームというのは、通常遊技状態において、特別遊技抽選を実行する契機となる始動口へ遊技球を入賞させやすい状態にして、可変表示ゲームを相対的に数多く実行可能としたものである。
したがって、付帯ゲームの実行回数が多ければ多いほど、再度、特別遊技に当選する可能性は高くなるため、通常遊技が低確率状態の場合であって、特別遊技に当選するまでの期間が長かった遊技者にもそれなりの恩恵が与えられることになる。
また、本実施形態に係る遊技機は、特別遊技終了後の通常遊技状態が、たとえ高確率状態であっても、変更抽選によって低確率状態に変更する、所謂「転落抽選」機能が備えられている(確率変更抽選手段)ため、低確率状態に変更されたことに気付かず、高確率状態が継続していると勘違いしてしまうおそれもある。
そこで、本実施形態においては、低確率状態に変更された場合、発射経路変更手段により前記遊技球発射部を制御して、確率状態変更後の所定期間中、遊技球を前記第2の遊技領域へ発射する制御を実行するようにしている。
本実施形態では、第2の遊技領域は第1の遊技領域よりも多数の障害部材を具備している。ここで、障害部材とは、遊技釘、風車、その他遊技球が衝突したり、貯留されたりする部材を指すものである。
したがって、本実施形態によれば、低確率状態である可能性が高く、特別遊技が実現する可能性は低いと考えられる場合には、遊技球は前面側の第1の遊技領域の背後に設けられた第2の遊技領域に発射されることになり、通常の遊技態様とは異なる新たな遊技を楽しむことができるとともに、障害部材が多い分だけ、第2の遊技領域では遊技球の落下時間が相対的に長くなるため、第1の遊技領域での遊技よりも、入賞への期待を長く維持することができることになる。
また、このように、通常用いられる第1の遊技領域から、この第1の遊技領域の背部に設けられた第2の遊技領域に遊技球が発射される遊技状態になれば、遊技者は、現在の確率状態が低確率状態である可能性が高いことを察知できることになる。
なお、発射経路変更手段が機能する条件としては、確率状態が高確率状態から低確率状態に変更されたときのみに限定する必要はない。確率状態が高確率状態から低確率状態に変更されたときには発射経路変更手段は確かに機能するが、高確率状態が維持されている場合であっても機能してよいのである。その場合、遊技者は、確率状態を、遊技球が第2の遊技領域に発射される頻度などから推定する必要が生じるため、従来にない遊技興趣が得られる。
また、上述してきた構成において、前記発射経路変更手段は、前記確率変更抽選手段が前記変更抽選を行う契機となる特別遊技が実行されるまでの通常遊技における可変表示ゲームの実行回数に応じて、前記第2の遊技領域に遊技球を発射させることのできる期間を設定することができる。
すなわち、第2の遊技領域に遊技球を発射させることのできる遊技領域変更期間をどの程度に設定するかは特に限定するものではないが、通常遊技における可変表示ゲームの実行回数が長ければ長い程、遊技球領域変更期間についても長く設定することにより、所謂「ハマリ状態」であっても、遊技を楽しむことが可能となる。
また、期間という概念にしても、実際の時間で定めることもできるし、可変表示ゲーム(付帯ゲームを含む)の消化回数で定めることもできる。
例えば、特別遊技が実行されるまでの通常遊技における可変表示ゲームの実行回数が1000回であれば、当選確率が変更された後の20分間を、あるいは可変表示ゲームを500回消化するまでを遊技領域変更期間としたり、特別遊技が実行されるまでの通常遊技における可変表示ゲームの実行回数が500回あれば、当選確率が変更された後の10分間を、あるいは可変表示ゲームを250回消化するまでを遊技領域変更期間としたりすることができる。
さらに、前記発射経路変更手段は、前記第2の遊技領域に遊技球を発射可能な期間内において、前記確率変更抽選手段が前記変更抽選を行う契機となる特別遊技が実行されるまでの通常遊技における可変表示ゲームの実行回数に応じて、前記第2の遊技領域へ遊技球を発射させる実質的発射時間を設定することもできる。
ここでの実質的発射時間という概念も、実際の時間でもよいし、可変表示ゲーム(付帯ゲームを含む)の消化回数としてもよい。
すなわち、遊技領域変更期間を所定長さに設定しても、この遊技領域変更期間の全ての期間を通して遊技球を第2の遊技領域へ発射させる必要はなく、特別遊技が実行されるまでの通常遊技における可変表示ゲームの実行回数に応じて、遊技領域変更期間中の所定の時間、あるいは所定ゲーム消化数だけ遊技球を第2の遊技領域は発射させればよいのである。つまり、第2の遊技領域へ遊技球を発射させる実質的発射時間というここでの概念には、「時」の他、ゲーム消化数をも含むのである。
例えば、可変表示ゲームを500ゲーム消化するまでを、遊技球を第2の遊技領域に発射可能な遊技領域変更期間に定めた場合、その期間内において、500ゲーム分全てについて遊技球を第2の遊技領域へ発射するのではなく、特別遊技が実行されるまでの通常遊技における可変表示ゲームの実行回数に応じて、100ゲーム分について第2の遊技領域に遊技球を発射させたり、あるいは400ゲーム分について第2の遊技領域に遊技球を発射させたりするなど、開通度合いを適宜、設定可能とするものである。
そして、この場合についても、所謂「ハマリ状態」になったとしても遊技を楽しむことが可能となる。
ところで、前記遊技球発射部は、前記第1の遊技領域に遊技球を発射する第1の発射装置と、前記第2の遊技領域に遊技球を発射する第2の発射装置と、遊技球貯留部からの遊技球の送給先を、前記第1の発射装置又は前記第2の発射装置のいずれかに切換える送給先切換手段とを備えた構成とすることができる。
そして、前記発射経路変更手段は、前記確率変更抽選手段により確率状態が高確率状態から低確率状態に変更された場合、前記送給先切換手段に遊技球の送給先を前記第2の発射装置に切換えさせ、遊技球を前記第2の遊技領域に発射可能とするのである。
つまり、遊技球発射部の発射装置を駆動させるための発射ハンドルを遊技者が操作すると、第1の発射装置と第2の発射装置とは両者ともに駆動し、確率状態が高確率状態から低確率状態に変更された場合、発射経路変更手段は、送給先切換手段を制御して、遊技球の送給先を前記第2の発射装置に切換えさせるのである。このとき、第1の発射装置は空打ちを繰り返すことになる。
なお、遊技球発射部の構成として、発射装置は単独の発射装置のみとし、この発射装置から打ち出された遊技球の進路を第1の遊技領域若しくは第2の遊技領域のいずれかに切換える進路切換手段を備えた構成とすることも考えられる。この場合、発射経路変更手段は、前記進路切換手段の切換駆動を制御することになる。
以下、本発明に係る遊技機の好適な一実施形態を、図面に基づいてより具体的に説明する。なお、以下では遊技機をパチンコ遊技機としている。
[遊技機の構成]
遊技機の概観について図1〜図4を用いて説明する。図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す斜視図、図2は、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。図3は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の概観を示す正面図、図4は本実施形態におけるパチンコ遊技機10が備える第2の遊技盤14bを示す説明図である。
図1及び図2に示すように、パチンコ遊技機10は、前面に開口12aが形成された本体枠12と、その本体枠12における開口12aの内部に配設される各種の部品と、本体枠12の前方に開閉自在に軸着された扉11とから構成されている。この扉11は、図1に示すように、開口12aを前面から閉鎖するためのものであり、通常閉鎖した状態で遊技が行われる。また、本体枠12の前面には、上皿20、下皿22、発射ハンドル26等が配設されている。
本体枠12の開口12a内部には、画像を表示する表示手段としての液晶表示装置32と、遊技者側に位置する第1の遊技盤14aとその背後に重合状態に位置する第2の遊技盤14b等が配設されている。なお、第1、第2の遊技盤14a,14b及び液晶表示装置32以外の各種の部品(図示せず)については、理解を容易にするために説明を省略する。
重合配置された第1の遊技盤14a及び第2の遊技盤14bは、その全部が透過性を有する板形状の樹脂(透過性を有する部材)によって形成されている。この透過性を有する部材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂など各種の材質が該当する。
また、第1の遊技盤14aの前面側には、発射された遊技球が転動可能な第1の遊技領域15aが形成されている。この第1の遊技領域15aは、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。そして、第1の遊技盤14aの背部に重合状態に配設された第2の遊技盤14bの前面側にも、発射された遊技球が転動可能な第2の遊技領域15bが形成されている。この第2の遊技領域15bは前記第1の遊技盤14aと同様に、ガイドレール30に囲まれ、遊技球が転動可能な領域である。
また、第1の遊技領域15a及び第2の遊技領域15bには、複数の遊技釘13がそれぞれ異なったパターンで打ちこまれており、しかも、前記第1の遊技領域15a及び第2の遊技領域15bでは、相対的に、第2の遊技領域15bの方が、打ち込まれた遊技釘13及び障害物等の遊技部材が数多く配設された構成としている。
表示手段の一例である液晶表示装置32は、第1、第2の遊技盤14a,14bの背後に設けられている。すなわち、液晶表示装置32は、第2の遊技盤14bの透過性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、画像を表示する領域である表示領域32aを有し、この表示領域32aは、第1、第2の遊技盤14a,14bの全部又は一部に背面側から重なるように配設され、予告演出用の演出画像、装飾用の装飾画像等を含む各種の画像が表示される。
つまり、本実施形態においては、第1、第2の遊技盤14a,14bにおける透過性領域の背後に液晶表示装置32などの表示手段を設けることにより、例えば、遊技釘13の植設領域や役物、装飾部材といった遊技部材を設ける領域を大きくし、レイアウトの自由度も更に大きくすることが可能となっている。
第1の遊技盤14aの外側となる扉11の所定位置には、発光表示手段としての装飾ランプ133a,133bが配設されており、遊技状態に合わせた所定の発光態様の表示を行う。
また、この扉11には、透光性を有する保護板19が配設されている。この保護板19は、扉11が閉鎖された状態で遊技盤14aの前面に対面するように配設されている。また、保護板19の上方位置には、スピーカ46L,46Rが左右に配設されている。
図5に本実施形態における遊技球発射部の概略説明図を示す。
本実施形態における遊技球発射部は、本体枠12に対して回動自在に設けられた発射ハンドル26の操作に応じて駆動する構成としている。そして、発射ハンドル26の裏側をなす本体枠12内部に、図5に示すように、第1の遊技領域15aに遊技球を発射する第1の発射装置21aと、第2の遊技領域15bに遊技球を発射する第2の発射装置21bとが設けられている。なお、第1の発射装置21a及び第2の遊技盤14bには、それぞれ駆動装置である発射ソレノイド(図示せず)が付設されている。さらに、発射ハンドル26の周縁部には、タッチセンサ(図示せず)が設けられている。このタッチセンサが遊技者により触接されたときに、遊技者により発射ハンドル26が握持されたと検知され、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときに、その回動角度に応じて前記発射ソレノイドにそれぞれ電力が供給される。
また、図示するように、遊技球発射部は、遊技球貯留部である上皿20からの遊技球の送給先を、第1の発射装置21a又は第2の発射装置21bのいずれかに切換える送給先切換手段としての通路切換片21cとを備えている。
すなわち、遊技球を発射する発射手段として、第1の遊技領域15aに遊技球を発射する第1の発射装置21aと、第2の遊技領域15bに遊技球を発射する第2の発射装置21bとの二つの発射装置を設け、上皿20からの遊技球の送給先を、第1の発射装置21a又は第2の発射装置21bのいずれかに切換える通路切換片21cを設けて、後述する主制御回路60の制御により、通路切換片21cを駆動して遊技球の送給通路を切り換え、第1の発射装置21aから第1の遊技領域15aへ遊技球を発射する状態から、第2の発射装置21bから第2の遊技領域15bへ遊技球を発射する状態となるように、遊技球の送給先を振分可能な構成としている。
また、図示するように、上皿20と遊技球供給路21eとの境界近傍には、第1、第2の発射装置21c,21dの遊技球射出タイミングと同期をとって上下に出没する遊技球導出体21dが設けられており、この遊技球導出体21dにより、所定の間隔で遊技球が遊技球供給路21eへ導入され、さらに、この遊技球供給路21eの中途に設けられた通路切換片21cにより、第1の分岐供給路21fと第2の分岐供給路21gとに遊技球の送給先が振分けられ、遊技球は第1の発射装置21a又は第2の発射装置21bのどちらか一方から発射されることになる。図中、21hは第1の発射装置21aと第1の遊技盤14aとの間に架設された遊技球発射レール、21jは第2の発射装置21bと第2の遊技盤14bとの間に架設された遊技球発射レールである。
なお、本実施形態では、通路切換片21cは通路切換ソレノイド120、遊技球導出体21dは遊技球導出ソレノイド119により駆動するようにしている(図7参照)。
本実施形態においては、パチンコ遊技機10に電源が投入された初期状態においては、遊技者が発射ハンドル26を回転操作すると、第1の発射装置21aと第2の発射装置21bとは両者ともに駆動するが、通路切換片21cは、遊技球を第1の分岐供給路21fに遊技球を案内する位置にあり、遊技球は第1の発射装置21aから第1の遊技領域15aに発射されてパチンコ遊技が進められる。すなわち、本実施形態では、通常、第1の遊技領域15aにてパチンコ遊技が進められることになる。なお、このとき、第2の発射装置21bは空打ちを繰り返すことになる。
そして、所定の条件を満たした場合、後述する主制御回路60は発射経路変更手段として機能し、送給先切換手段である通路切換片21cを駆動して(実質的には通路切換ソレノイド120の駆動による)、第1の遊技領域15aから第2の遊技領域15bへ遊技球を発射するように制御するのである。なお、この発射経路変更手段としての機能については、後に詳述する。
また、図3に示すように、第1の遊技盤14aには、2つのガイドレール30(30a及び30b)、遊技釘13、障害物55,57、通過ゲート54a、始動口25a、大入賞口39a、一般入賞口56a〜56dが設けられている。
この第1の遊技盤14aの左側に設けられている2つのガイドレール30は、第1の遊技領域15aを区画(画定)する外レール30aと、その外レール30aの内側に配設された内レール30bとから構成される。発射された遊技球はガイドレール30に案内されて、第1の遊技盤14aの上部に移動し、複数の遊技釘13、障害物55,57等との衝突により、その進行方向を変えながら下方に向かって流下する。
第1の遊技盤14aの略中央に設けられた障害物57の下部には、入賞口の一つである始動口25aが設けられており、遊技釘13や障害物55,57と衝突しながら転動した遊技球がこの始動口25aへ入賞すると、後述する大当たり抽選及びこの抽選に基く特別図柄ゲームが開始される。すなわち、始動口25aは、特別図柄ゲーム及び大当たり抽選の契機となる入賞口である。
図6はパチンコ遊技機10の上皿20の上部に設けられた電飾ユニット53の拡大図であり、この図6に示すように、電飾ユニット53の中央に配置された表示器ケース37には、特別図柄表示器33が収容されており、この特別図柄表示器33は、7セグメントLED41で構成されている。この7セグメントLED41は、前記始動口25aに遊技球が入賞した場合に、点灯・消灯を繰り返す。7セグメントLED41の点灯・消灯によって、“0”から“9”までの10個の数字図柄が、特別図柄として変動表示される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が異なってくるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
そして、表示器ケース37の左右両側には、特別図柄保留ランプ34a〜34dが設けられている。この特別図柄保留ランプ34a〜34dは、特別図柄の変動表示中に遊技球が始動口25aへ入賞した場合に、変動表示中の特別図柄が停止表示されるまで、始動口25aへの遊技球の入賞に基づく特別図柄の変動表示の実行を保留する回数(所謂、「特別図柄の保留球数」)を点灯によって表示する。変動表示していた特別図柄が停止表示されると、保留されていた特別図柄の変動表示が開始される。具体的に説明すると、特別図柄保留ランプ34a〜34dは、特別図柄の変動表示の実行が保留された回数に対応して左から順番に点灯され、特別図柄の変動表示が一旦停止表示され、次の保留されていた特別図柄の変動表示が開始されると、それに対応した特別図柄保留ランプは消灯される。なお、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として特別図柄の変動表示は保留される。
また、液晶表示装置32の表示領域32aにおいても、前述した始動口25aに遊技球が入賞した場合には、特別図柄の変動表示の開始にあわせて、演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。また、特別図柄に関する変動表示中に遊技球が始動口25aへ入賞した場合には、変動表示中の演出用の装飾図柄が停止表示されるまで、始動口25aへの遊技球の入賞に基づく演出用の装飾図柄の変動表示の実行(開始)が保留される。その後、変動表示していた演出用の装飾図柄が停止表示された場合には、保留されていた演出用の装飾図柄の変動表示が開始される。つまり、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行われる演出用の装飾図柄の変動表示と、特別図柄の変動表示とは、その変動開始及び変動停止は同じタイミングで行なわれることとなる。
本実施形態では、前記特別図柄及び装飾図柄は、共に識別情報として機能するものであり、特別図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとした前記特別図柄ゲームと、特別図柄と同期して行われる装飾図柄の変動表示から停止表示までを単位ゲームとしたゲームとを併せて、「可変表示ゲーム」としている。したがって、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、前記始動口25aに遊技球が入賞したことを契機として、可変表示ゲームが行われることになる。
また、第1の遊技盤14aの略中央の左側に設けられた通過ゲート54a(図3参照)を遊技球が通過すると、特別図柄表示器33の右側に設けられた普通図柄表示器35において、“○”、“×”等の記号で構成された2つの表示用ランプが、交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、普通図柄として変動表示される。
さらに、表示器ケース37の下側には、普通図柄保留ランプ50a〜50dが設けられている。この普通図柄保留ランプ50a〜50dは、前述した普通図柄の変動中に、前記通過ゲート54aを遊技球が通過した場合に、点灯又は消灯によって、保留されている普通図柄の変動表示の実行可能な回数(所謂、「普通図柄の保留球数」)を表示する。つまり、普通図柄保留ランプ50a〜50dは、保留された普通図柄の変動表示の実行回数に対応して、左から順番に点灯され、変動が停止表示されると、次の保留されていた普通図柄の変動表示が開始され、それに対応した普通図柄保留ランプは消灯される。なお、普通図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、例えば、4回(個)を上限として保留される。
この普通図柄が所定の図柄、例えば“○”として停止表示されたときには、始動口25aの左右の両側に設けられている羽根部材(所謂「普通電動役物」)23aが閉鎖状態から開放状態となり、始動口25aに遊技球が入りやすくなる。また、羽根部材23aを開放状態とした後、所定の時間が経過したときには、羽根部材23aを閉鎖状態として、始動口25aに遊技球が入りにくくなるようにする。以上のように、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって羽根部材23aの開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
また、図3に示すように、始動口25aの下部には大入賞口39aが設けられている。この大入賞口39aには、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40aが設けられている。このシャッタ40aは、特別図柄表示器33において特別図柄として特定の数字図柄が停止表示され、遊技状態が特別遊技状態である大当たり遊技状態に移行された場合は、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39aは、遊技球を受け入れやすい開放状態となる。
一方、シャッタ40aの背面側(後方)に設けられた大入賞口39aには、V・カウントセンサ101(図7参照)を有する特定領域(図示せず)と、カウントセンサ102(図7参照)を有する一般領域(図示せず)とがあり、それらの領域を遊技球が所定個数(例えば10個)通過するか、又は、所定時間(例えば30秒)が経過するまでシャッタ40aが開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39aへの所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40aは、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39aは、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる。
なお、大入賞口39aが遊技球を受け入れやすい状態となっている開放状態から大入賞口39aが遊技球を受け入れ難い状態となっている閉鎖状態までの遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40aは、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数されるため、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態に駆動されたシャッタ40aは、開放状態において大入賞口39aに受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ101を通過したことを条件に、再度開放状態に駆動される。つまり、シャッタ40aの開放状態において大入賞口39aに受け入れられた遊技球がV・カウントセンサ101を通過したことを条件に、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技状態を大当たり遊技状態という。すなわち、大当たり遊技状態は遊技者にとって有利な遊技状態である。
また、前述した始動口25a、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39aにおける特定領域及び一般領域に遊技球が入賞又は通過したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
ここで、図4を用いて第2の遊技盤14bについて説明する。
第2の遊技盤14bは、基本的には第1の遊技盤14aと同様な構成であって、図示するように、第2の遊技盤14bにも2つのガイドレール30(30a及び30b)が設けられて第2の遊技領域15bを区画(画定)しており、この第2の遊技領域15bには、やはり遊技釘13、障害物55、障害物57、通過ゲート54b、始動口25b、大入賞口39bが設けられている。しかし、この第2の遊技盤14bでは、第1の遊技盤14aよりも入賞機会が増加するように、第1の遊技盤14aよりも配設個数が多い6個の一般入賞口58a〜58fが設けられている。
また、第1の遊技領域15aと同様に、前記障害物57下部には、前述した可変表示ゲームの開始や大当たり抽選の契機となる始動口25bが設けられている。すなわち、この始動口25bへ遊技球が入賞しても、前述した特別図柄ゲーム及びこの特別図柄ゲームと同期して表示領域32a上で装飾図柄が変動表示及び停止表示される可変表示ゲームが実行されることになる。なお、始動口25bに付設された羽根部材23bの動作(つまり、開閉タイミング)は、前述した第1の遊技領域15aの始動口25aに付設された羽根部材23aと同様である。
また、第2の遊技盤14bの略中央の左側には、遊技球が通過することで前述した普通図柄ゲーム開始の契機となる通過ゲート54bが設けられている。すなわち、この通過ゲート54bを遊技球が通過すると、前述した第1の遊技領域15aに設けられた通過ゲート54aを遊技球が通過した場合と同じように普通図柄ゲームが開始される。
また、図4に示すように、始動口25bの下部には、大入賞口39bが設けられ、この大入賞口39bには、その前面側(前方)に開閉自在なシャッタ40bが設けられているが、かかる大入賞口39b、また、シャッタ40bの動作についても、前述した第1の遊技領域15aに設けられた大入賞口39a及びシャッタ40aと同一であるため、ここでの説明は省略する。
そして、この第2の遊技領域15bにおける前記始動口25b、大入賞口39b、一般入賞口58a〜58fに遊技球が入賞又は通過したときにも、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿20又は下皿22に払い出される。
上述してきたように、本実施形態においては、遊技部材や遊技釘13の構成数が互いに異なる第1の遊技領域15aと、その背面に重合状態に配設した第2の遊技領域15bとを備える遊技盤構成とし、遊技球の発射経路(例えば、遊技球発射レール21h,21j)を変更することにより、遊技球を第1の遊技領域15aと第2の遊技領域15bとに選択的に打ち分けさせることができ、二種類の遊技領域15a,15bを用いた異なる興趣の遊技を楽しむことのできるパチンコ遊技機とすることができる。しかも、第1の遊技領域15aと第2の遊技領域15bとは、それぞれ透光性を有するため、いずれの遊技領域でパチンコ遊技が行われても遊技者が演出表示等を楽しむことを妨げることがない。
ここで、本実施形態における第1の遊技領域15aと第2の遊技領域15bとをあらためて比較すると、共に透光性を有することは共通する一方、図2〜4に示すように、第2の遊技領域15bの方が、遊技部材である遊技釘13、及び一般入賞口58a〜58fが数多く配設されている。
そのため、第2の遊技領域15bへ発射された遊技球は、多数配設された遊技釘13との衝突を繰り返しながら転動し流下するので、第2の遊技領域15bに発射された遊技球がこの第2の遊技領域15b内に滞留する時間は、第1の遊技領域15aに発射されてこの第1の遊技領域15aを流下する場合と比較して長時間となる。つまり、遊技者にとって、遊技球の発射経路が第1の遊技領域15aから第2の遊技領域15bへ変更された場合、遊技球が転動して流下する様子を長く楽しむことができることとなる。
しかも、第1の遊技領域15aに比べ、第2の遊技領域15bには、より多くの一般入賞口58a〜58fが存在するため(ここでは2個に対して6個)、遊技球の転動時間が長くなることとあいまって、入賞機会は第2の遊技領域15bの方が第1の遊技領域よりも増加し、獲得可能な賞球の増加も見込め、より有利な遊技を楽しめる構成となっている。また、例えば多数配設された遊技釘13の配列を大入賞口39bに導き易いようにしておくなどすれば、第2の遊技領域15bでの遊技中に大当たり遊技状態となった場合に遊技球の消費を抑えることも可能である。
なお、図2〜図4において示した第1の遊技領域15aと第2の遊技領域15bとの入賞口の配設個数や配置を含む各遊技部材のレイアウトは一例に過ぎず、第2の遊技領域15bの方が第1の遊技領域15aよりも遊技球の入賞機会が増加する構成であれば如何なる構成であってもよい。また、遊技釘13の植設態様は、第1の遊技領域15aと第2の遊技領域15bとの間における遊技釘13の数の差異を強調して表しているものであって、実際の数が示されているものではない。
また、本実施形態では、大当たり遊技状態の実行中において、最初のラウンド数から最もラウンドゲームが継続された場合の最後のラウンドゲームまでのラウンド数(最大継続ラウンド数)を15ラウンドとしているが、大当たり遊技状態の実行中における最大継続ラウンド数は限定されるものではない。例えば、最大継続ラウンド数は、ラウンド数抽選手段(後述するメインCPU66を含む主制御回路60(図7参照))による抽選により、“1”ラウンドから“15”ラウンドまでの間から選択されるなど、任意のラウンド数とすることができる。
なお、本実施形態において、画像を表示する部分として液晶ディスプレイパネルからなる液晶表示装置32を採用したが、これに限らず、他の態様であってもよく、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)を含むブラウン管、EL(Electronic Luminescent)、プラズマ等からなるものであってもよい。また、本実施形態においては、液晶表示装置32とは別に特別図柄表示器33及び普通図柄表示器35を備えるように構成したが、これに限らず、液晶表示装置32に特別図柄及び普通図柄を変動表示させるように構成してもよい。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路について図7を用いて説明する。図7は本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図である。
本実施形態におけるパチンコ遊技機10の制御回路は、主に、遊技進行制御手段としての主制御回路60と、主に、演出制御手段としての副制御回路200とから構成される。主制御回路60は、遊技の制御を行うものであり、副制御回路200は、遊技の進行に応じた演出の制御(例えば、画像表示制御、音声出音制御、装飾ランプ制御等)を行うものである。
主制御回路60は、図7に示すように、制御手段であるメインCPU66、メインROM(読み出し専用メモリ)68、メインRAM(読み書き可能メモリ)70を備え、メインCPU66にメインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
このメインCPU66は、本実施形態においては、始動口25a、25bへの遊技球の入賞を契機に、大当たり抽選を行ない、この大当たり抽選に当選した場合に、パチンコ遊技機10における遊技状態を、大当たり遊技状態へ移行させる遊技進行制御手段として機能するなど、後述する特別遊技抽選手段、付帯ゲーム回数設定手段及び確率変更抽選手段、発射経路変更手段など、各種の手段として機能することとなる。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ遊技機10の動作を制御するためのプログラムが記憶されており、その他には、主制御回路60が乱数抽選によって大当たり判定をする前記特別遊技抽選手段として機能する際に参照される大当たり抽選テーブル(図16参照)や、後述の転落抽選を行う前記確率変更抽選手段として機能する際に参照される抽選テーブル(図示せず)、後述の時短回数を設定する前記付帯ゲーム回数設定手段として機能する際に参照される時短回数決定テーブル(図17参照)、本実施形態における発射通路切換え時間を決定する際に参照される発射通路切換時間決定テーブル(図18参照)、発射通路を切り換える期間を決定する際に参照される発射通路切換期間決定テーブル(図19参照)、発射通路の切換頻度を決定する際に参照される発射通路切換頻度決定テーブル(図20参照)等の各種のテーブルが記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。
また、この主制御回路60は、所定の周波数のクロックパルスを生成するリセット用クロックパルス発生回路62、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、後述する副制御回路200に対してコマンドを供給するためのシリアル通信用IC72を備えている。また、これらのリセット用クロックパルス発生回路62、初期リセット回路64、シリアル通信用IC72は、メインCPU66に接続されている。なお、このリセット用クロックパルス発生回路62は、後述するシステムタイマ割込処理を実行するために、所定の周期(例えば2ミリ秒)毎にクロックパルスを発生する。なお、このシリアル通信用IC72は、各種のコマンドを副制御回路200(副制御回路200に含まれる各種の手段)へ送信する送信手段に相当する。
また、主制御回路60には各種の装置が接続されており、例えば、図示するように、V・カウントセンサ101、カウントセンサ102、一般入賞球センサ103,104,105,106,107,108,109,110,111,112、通過球センサ113,114、始動入賞球センサ115,116、普通電動役物ソレノイド117,118、遊技球導出ソレノイド119、通路切換ソレノイド120、大入賞口ソレノイド121、シーソーソレノイド122、バックアップクリアスイッチ124が接続されている。
V・カウントセンサ101は、第1の遊技領域15a(図3参照)に設けられた大入賞口39a、及び第2の遊技領域15b(図4参照)に設けられた大入賞口39bにおける特定領域にそれぞれ設けられている。このV・カウントセンサ101は、大入賞口39a、39bにおける特定領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
カウントセンサ102は、前記大入賞口39a、39bにおける特定領域とは異なる一般領域に設けられている。このカウントセンサ102は、大入賞口39a、39bにおける一般領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
一般入賞球センサ103〜106は、第1の遊技領域15aに配設されている一般入賞口56a〜56dにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ103〜106は、各一般入賞口56a〜56dへ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。また、同じく一般入賞球センサ107〜112は、第2の遊技領域15bに配設されている一般入賞口58a〜58fにそれぞれ設けられている。この一般入賞球センサ107〜112は、各一般入賞口58a〜58fへ遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
通過球センサ113は、第1の遊技領域15aに配設されている通過ゲート54aに設けられている。この通過球センサ113は、通過ゲート54aを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。同じく通過球センサ114は、第2の遊技領域15bに配設されている通過ゲート54bに設けられている。この通過球センサ114は、通過ゲート54bを遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
遊技球検出手段である始動入賞球センサ115は、第1の遊技領域15aに配設されている始動口25aに設けられている。始動入賞球センサ115は、始動口25aに遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。また、同じく遊技球検出手段である始動入賞球センサ116は、第2の遊技領域15bに配設されている始動口25bに設けられている。始動入賞球センサ116は、始動口25bに遊技球が入賞したことを検出して、所定の検知信号を主制御回路60に供給する。
普通電動役物ソレノイド117は、第1の遊技領域15aに配設されている羽根部材23aに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23aを開放状態又は閉鎖状態とする。同じく、普通電動役物ソレノイド118は、第2の遊技領域15bに配設されている羽根部材23bに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、羽根部材23bを開放状態又は閉鎖状態とする。
遊技球導出ソレノイド119は、前述した遊技球発射部の遊技球導出体21dに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、遊技球導出体21dを出没させ、遊技球の送給を止めた状態及び送給する状態とに切り換える。また、通路切換ソレノイド120は、遊技球発射部の通路切換片21cに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて通路切換片21cを駆動し、図5に示したように、遊技球の送給先を、第1の分岐供給路21fと第2の分岐供給路21gとに振分ける。
大入賞口ソレノイド121は、第1の遊技領域15aに配設されているシャッタ40a及び第2の遊技領域15bに配設されているシャッタ40bに接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シャッタ40a、40bを駆動させ、大入賞口39a、39bを開放状態又は閉鎖状態とする。
シーソーソレノイド122は、板形状であり、前記シャッタ40a、40b内部に設けられているシーソー(図示せず)にそれぞれ接続されており、メインCPU66から供給される駆動信号に応じて、シーソーを変位させ、そのシーソーの傾斜を変更する。このシーソーが傾斜された結果、特定領域を通過しやすくなるように又は一般領域を通過しやすくなるように切り替えることとなる。
バックアップクリアスイッチ124は、パチンコ遊技機10に内蔵されており、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアする機能を有する。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行なう払出装置128、遊技球発射部の制御を行なう発射回路130と、カードユニット150が接続されている。
この払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット150から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、第1の発射装置21a及び第2の発射装置21bに対して発射信号を供給することにより、遊技球を発射させる制御を行なう。
また、発射回路130には、前述した発射ソレノイド、タッチセンサ等の遊技球を発射させるための装置も備えられている。発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて第1の発射装置21a及び第2の発射装置21bの各発射ソレノイドに電力が供給され、上皿20に貯留された遊技球が順次発射される。
さらに、主制御回路60には、ランプ制御回路76が接続されており、このランプ制御回路76は、メインCPU66からの指示に従い、特別図柄保留ランプ34a〜34d、普通図柄保留ランプ50a〜50d、特別図柄表示器33(7セグメントLED41)、普通図柄表示器35(表示用ランプ)等を制御する。
一方、シリアル通信用IC72には副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46L,46Rから発生させる音声に関する制御、装飾ランプ133a,133bの制御等を行なう。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成してもよい。
副制御回路200は、可変表示制御手段、音発生制御手段としてのサブCPU206、記憶手段としてのプログラムROM208及びワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプなどのランプ133a,133bの制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。
サブCPU206には、プログラムROM208、ワークRAM210等が接続されている。サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、後述するように、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。サブCPU206は、後述する各種の手段として機能することとなる。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ遊技機10の特別図柄の変動表示に関連して実行される液晶表示装置32の画像表示に伴う複数種類の予告演出パターンを構成する複数種類の演出画像データ、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出画像データが記憶されており、その他には、リーチ演出の表示期間を定めたリーチ時間テーブル等各種のテーブルも記憶されている。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。例えば、リーチ演出時間を制御するためのタイマ変数、演出パターンを選択するための演出表示選択用乱数カウンタ等、各種の変数等が位置付けられている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給される、特別図柄の変動表示に関連して実行される演出表示の進行に伴う複数種類の予告演出パターンを構成する複数種類の演出画像データや、大当たり遊技中のラウンドゲームに関連して実行される複数種類の演出パターン等の演出画像データ等を、液晶表示装置32に画像を表示させる制御を行うものである。
音声制御回路230は、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、スピーカ46から音声を発生させるものである。
ランプ制御回路240は、サブCPU206から供給されるプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、装飾ランプ133a,133bの発光制御を行うものである。
なお、本実施形態においては、パチンコ遊技機10の制御回路において、遊技制御手段としての主制御回路60と、演出制御手段としての副制御回路200を別々に構成しているが、主制御回路60と副制御回路200とを同じ基板で構成してもかまわない。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、主制御回路60ではメインROM68を、副制御回路200ではプログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に、プログラム、テーブル等が記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、主制御回路60ではメインRAM70、副制御回路200ではワークRAM210等に記録されるものでもよい。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
[遊技機の動作]
ここで、本実施形態におけるパチンコ遊技機10の遊技状態について簡潔に説明する。本実施形態では、遊技状態は大別して一般遊技状態(大当たりの抽選を行いながら遊技球を消費する、所謂遊技者に不利な状態)と大当たり遊技状態(遊技者にとって短時間で大量の遊技球の獲得が期待できる、所謂遊技者にとって有利な特別遊技状態)に分かれる。
また、前記一般遊技状態においても、通常モードと時短モード(付帯ゲームが行われるモードを指し、大当たり抽選に基く可変表示ゲームを所定回数実行するまで継続する。以下、本実施形態では、付帯ゲームが実行される遊技モードを時短モードとする)の異なる遊技状態があり、さらに、この一般遊技状態には、大当たり抽選を行なうときの抽選確率が異なる高確率状態(例えば、大当たりの抽選確率が1/200)と低確率状態(例えば、大当たりの抽選確率が1/300)とがある。
なお、時短モードでは、通常モードと比べて特別図柄及び普通図柄の変動時間が短く設定されている。したがって、可変表示ゲームの実行時間も短い。さらに、時短モードでは普通図柄が当たった場合の始動口25a(25b)に付設された羽根部材23a(23b)の開放時間が通常モードよりも長く設定されているため、羽根部材23a(23b)の誘導により、始動口25a(25b)に遊技球が入賞する機会が増加することとなる。つまり、時短モードの場合、単位時間における特別図柄の抽選回数が通常モードに比べて増加し、かつ始動口25a(25b)への入賞に対する賞球の払い出しも増加するため、遊技球の目減りが少なく、遊技者にとって有利な状態といえる。
以下、上述した遊技状態の変化に合わせてパチンコ遊技機10で実行される処理を図8〜図15に示す。
[メイン処理]
最初に、主制御回路60は、図8に示すように、RAMアクセス許可、バックアップ復帰処理、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する(ステップS11)。そして、詳しくは図10を用いて後述するが、特別図柄ゲームの進行、液晶表示装置32、特別図柄表示器33に表示される特別図柄、装飾図柄に関する特別図柄制御処理を実行する(ステップS12)。そして、詳しくは、図12を用いて後述するが、普通図柄ゲームの進行、普通図柄表示器35に表示される普通図柄に関する普通図柄制御処理を実行する(ステップS13)。さらに、詳しくは、図14を用いて後述するが、本実施形態においては、遊技球の発射通路を切り換えて、遊技球の発射を第1の発射装置21aから第2の発射装置21bに切り換える発射通路切換期間、及びその期間内における発射通路切換頻度を制御する発射通路切換制御処理を実行する(ステップS14)。このように、メイン処理においては、ステップS11の初期設定処理が終了した後、ステップS12〜ステップS14の処理を繰り返し実行することとなる。
[システムタイマ割込処理]
また、メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。リセット用クロックパルス発生回路62から所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に発生されるクロックパルスに応じて、以下のシステムタイマ割込処理を実行する。このシステムタイマ割込処理について図9を用いて説明する。
最初に、図9に示すように、メインCPU66は、大当たり抽選用乱数値、時短回数決定用抽選値等の各抽選値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS21)。そして、メインCPU66は、始動口25等への遊技球の入賞を検知する入力検出処理を実行する(ステップS22)。この処理においては、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞したことを条件として、遊技球を払出す(賞球する)旨のデータをメインRAM70の所定領域に記憶することとなる。そして、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当たりが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放タイマ等、各種のタイマの更新処理を実行する(ステップS23)。そして、各種の変数に基づいて駆動制御するための信号をソレノイド、モータ等に供給するために、出力処理を実行する(ステップS24)。すなわち、後述する各処理において、メインCPU66は、各種駆動遊技部材(つまり、パチンコ遊技機10の遊技状態に応じた制御により、その形態を変化させる遊技盤14a(14b)に配設されている遊技部材)に対する信号出力要求が、メインRAM70の所定領域に記憶された場合は、それに応じた信号を出力する。例えば、始動口25a(25b)に付設されている羽根部材23a(23b)を開放又は閉鎖するための普通電動役物ソレノイド118(117)、大入賞口39a(39b)に付設されているシャッタ40a(40b)を開放又は閉鎖するための大入賞口ソレノイド121、遊技球を上皿20から導出するための遊技球導出ソレノイド119、遊技球を第1の発射装置21a又第2の発射装置21bに振分けるための通路切換ソレノイド120などの各ソレノイドの駆動要求があった場合、制御信号を出力して、各種駆動遊技部材を駆動させる処理を行なう。そして、この処理が終了した場合には、ステップS25に処理を移す。
ステップS25においては、コマンド出力処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、各種のコマンドを副制御回路200に供給する。これらの各種のコマンドとしては、具体的には、デモ表示コマンド、導出表示される特別図柄の種類を示す装飾図柄指定コマンド等が含まれる。この処理が終了した場合には、ステップS26に処理を移す。
そして、ステップS26の処理において、メインCPU66は、払出装置128に賞球を行わせるための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ送信する等の払出処理を実行する。具体的には、メインCPU66は、各種の入賞口に遊技球が入賞することで予め設定された所定数の賞球払出を行うための賞球制御コマンドを払出・発射制御回路126へ供給する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了し、割込発生前のアドレスへ復帰し、メイン処理を実行させる。
[特別図柄制御処理]
図8のステップS12において実行される特別図柄制御処理について図10を用いて説明する。
最初に、ステップS31の処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御フラグを読み出しステップS32に処理を移す。
ステップS32においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(00)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(00)でない場合には、ステップS34に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(00)の場合には、ステップS33へ処理を移し、特別図柄記憶チェック処理(図11参照)を行う。この特別図柄記憶チェック処理では、詳細は後述するが、特別図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、“大当たり”の抽選、特別図柄の変動開始、特別図柄変動タイマのセット等を行い、特別図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS34においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(01)でない場合には、ステップS40に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(01)の場合には、特別図柄変動時間監視処理を行う。すなわち、ステップS35において、特別図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS36で特別図柄の停止処理を行うとともに、メインRAM70に記憶されている特別図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。さらに、メインCPU66は、一般遊技状態が時短モードであるか判断し、時短モードの場合はメインRAM70に記憶されている時短回数を“1”減少するように記憶更新し、そして、時短回数が“0”(つまり時短モードの終了)になった場合は、一般遊技状態を通常モードにセットして、時短モードを終了させる。
次に、メインCPU66は、ステップS37において特別図柄が大当たりか否かを判断し、大当たりでなければステップS39において、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して処理を終了する。また、特別図柄が大当たりであった場合は、ステップS38の大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、メインCPU66は、特別図柄制御フラグに大入賞口開放待ちを示す値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS40においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(02)でない場合には、ステップS43に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(02)の場合には、大入賞口開放処理を行う。大入賞口開放処理では、まず、メインCPU66は、ステップS41で大入賞口開放待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)かを判断し、タイムアップしていなければ処理を終了する。そしてタイムアップした場合は、ステップS42で大入賞口開放処理を行う。この大入賞口開放処理では、メインCPU66は、まず大入賞口39a(39b)の開放をセット(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40a(40b)による大入賞口ソレノイド121の開放指示を記憶する)し、次に、大入賞口開放タイマに大入賞口39a(39b)の開放時間(例えば、30秒)をセットする。そして、特別図柄制御フラグに大入賞口開放監視処理を示す値(03)をセットし処理を終了する。
ステップS43においては、メインCPU66は、特別図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、特別図柄制御フラグが(03)でない場合には、ステップS50に処理を移す。また、特別図柄制御フラグが(03)の場合には、大入賞口開放監視処理を行う。大入賞口開放監視処理では、まずメインCPU66は、ステップS44で大入賞口開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したか、又は、大入賞口39a(39b)へ規定の個数の遊技球が入賞したか否かを判断する。そして大入賞口開放タイマのタイムアップ、同時に、大入賞口39a(39b)へ規定の個数の遊技球が入賞していなければ処理を終了する。そして入賞口開放タイマのタイムアップ、又は、大入賞口39a(39b)へ規定の個数の遊技球が入賞のいずれか一方の条件を満たしたことで、ステップS45へ処理を移行する。
ステップS45においては、メインCPU66は、大入賞口閉鎖処理(メインRAM70の所定の領域に、シャッタ40a(40b)による大入賞口ソレノイド121の閉鎖指示を記憶する)を実行してステップS46へ処理を移す。
ステップS46においては、メインCPU66は、大入賞口開放回数(所謂ラウンド数)をカウントし、規定回数(例えば、15回)に達したか否かを判断し、規定回数に達した場合は、ステップS49において、特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する値(04)をセットして処理を終了する。また、メインCPU66は、大入賞口開放回数が規定回数に達していなかった場合は、ステップS47で、大入賞口39a(39b)へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過したか否かを判断し、大入賞口39a(39b)へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過しなかった場合(V・カウントセンサ101が遊技球の通過を検出しなかった場合)は、ステップS49で特別図柄制御フラグに大当たり終了処理を要求する値(04)をセットして処理を終了する。一方、メインCPU66は、大入賞口39a(39b)へ入賞した遊技球が所定の特定領域を通過した(つまり、V・カウントセンサ101が遊技球の通過を検出した)場合は、ステップS48へ処理を移す。
ステップS48においては、メインCPU66は、大入賞口開放待ち処理を行う。大入賞口開放待ち処理では、特別図柄制御フラグに、再度、大入賞口39a(39b)の開放を要求する値(02)をセットし、待ち時間(例えば1秒)を大入賞口開放待ちタイマにセットして処理を終了する。
ステップS50においては、時短回数決定処理を行なう。この時短回数決定処理では、メインCPU66は、時短モードにおける特別図柄の変動回数(所謂「時短回数」)を決定するために、メインRAM70の所定の領域に記憶されている今回の大当たり間スタート回数(前回の大当たりから今回の大当たり発生までの大当たり抽選回数)と、時短回数決定用抽選値を読み出し、図17の時短回数決定テーブルを参照して時短回数を決定する。そして、決定された時短回数はメインRAM70の所定の領域に記憶される。
そして、メインCPU66は、一般遊技状態を時短モードとしてメインRAM70の所定の領域に記憶する。なお、ここで読み出された今回の大当たり間スタート回数は、時短回数決定処理が終了すると、メインRAM70の別の領域に記憶されている前回の大当たり間スタート回数として記憶更新され、そして今回の大当たり間スタート回数はクリア(つまり“0”)される。
本実施形態における時短回数は、図17の時短回数決定テーブルに示すように、50回、100回、500回の3種類の異なる回数が設けられている。そして、大当たり間スタート回数に応じてそれぞれ異なる抽選値が設定されている。この抽選値は1から100までの乱数を振り分けることで、それぞれの時短回数に応じて異なる抽選確率になるように構成されている。具体的に説明すると、大当たり間スタート回数、すなわち、前回の大当たり遊技状態が終了して今回の大当たり遊技が実行されるまでに行われた可変表示ゲームが“30回”の場合は、時短回数50回が選択される確率は70%、時短回数100回が選択される確率は25%、時短回数500回が選択される確率は5%となる。つまり、大当たり間スタート回数が50回以内の場合は、時短回数は最小の50回が決定される確率が高い。一方、大当たり間スタート回数が500回の場合は、図17の時短回数決定テーブルに示すように、時短回数は500回しか決定されない。このように、大当たり間スタート回数が多い状態(所謂「ハマリ状態」)ほど長い時短回数を設定されることとなる。なお、時短回数決定テーブル(図17参照)で参照される時短回数決定用抽選値は、前述したシステムタイマ割込処理(図9参照)のステップS21の乱数更新処理において、1〜100の範囲で更新された乱数値を用いるものである。
最後に、メインCPU66は、ステップS51において大当たり終了処理を行う。大当たり終了処理では、メインCPU66は、大当たりの抽選確率を、大当たり抽選確率が高い(例えば、1/200)高確率状態にセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、メインCPU66は、特別図柄制御フラグをクリア(つまり特別図柄記憶チェック処理を要求する値(00)をセットする)して特別図柄制御処理を終了する。
[特別図柄記憶チェック処理]
図10のステップS33において実行される特別図柄記憶チェック処理について図11を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS61において、特別図柄保留個数が“0”であるか否かを判断し、特別図柄の保留個数が“0”の場合には、ステップS62に処理を移し、特別図柄の保留個数が“0”でない場合(つまり、特別図柄の変動がある場合)には、ステップS63に処理を移す。
ステップS62においては、デモ表示処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、デモ表示を行わせるために、副制御回路200にデモ表示コマンドを供給するためのデータを、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これによって、副制御回路200において、客待ち状態(所定の待機状態)となったことを認識することができる。この処理が終了した場合には、特別図柄記憶チェック処理を終了する。
ステップS63においては、メインCPU66は、特別図柄変動時間管理を要求する値(01)を、特別図柄制御フラグにセットし、ステップS64に処理を移す。
ステップS64においては、大当たり抽選処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、現在の大当たり抽選の確率状態が低確率状態であるか、又は高確率状態であるかに基づいて、大当たりの抽選値が異なる複数の大当たり抽選テーブル(図16参照)から1つの大当たり抽選テーブルを選択する。そして、始動口25a(25b)へ遊技球が入賞した時に抽出された大当たり抽選用乱数値と、前記選択された大当たり抽選テーブルを参照し、大当たりを抽選する。そして、メインCPU66は、大当たりの抽選結果をメインRAM70の所定の領域に記憶するとともに、大当たりの抽選に当選した場合はステップS65へ処理を移す。
図16の大当たり抽選テーブルに示すように、本実施形態においては、大当たり抽選の抽選確率が、低確率状態では2/600(つまり、1/300)に設定されているのに対し、高確率状態では3/600(つまり、1/200)と設定されている。このように、大当たり抽選値の異なる大当たり抽選テーブルが選択されることによって、大当たり遊技状態に移行する確率が異なることとなる。つまり、大当たり抽選の抽選確率が高確率状態である場合には、大当たり遊技状態に移行する確率は、低確率状態よりも高くなるので、大当たり抽選における高確率状態は、遊技者にとって有利な遊技状態といえる。
一方、メインCPU66は、大当たりの抽選に外れた場合は、現在の大当たり抽選確率が高確率状態か否か判断する。
高確率状態でない場合(つまり、低確率状態の場合)はステップS65へ処理を移し、高確率状態の場合には、抽選テーブル(図示せず)を参照し、所定の確率(例えば、1/100)で低確率状態への変更抽選(所謂「転落抽選」)を行なう。
そして、低確率状態への変更抽選に当選すると、大当たりの抽選確率を低確率状態に変更して、メインRAM70の所定の領域に記憶する。このとき、メインCPU66は、大当たりの抽選確率の高確率状態から低確率状態に変更(所謂「転落」)したことを、メインRAM70の所定の領域に“抽選確率の転落”として記憶しておく。この“抽選確率の転落”は、後述の発射通路切換制御処理(図14参照)において参照される。
つまり、本実施形態における大当たりの抽選確率は、大当たり遊技状態への当選後、当該大当たり遊技状態が終了すると、前述した特別図柄制御処理のステップS51で実行される大当たり終了処理(図10)において無条件で高確率状態に設定され、その後、本ステップS64における大当たり抽選処理において、大当たり抽選に外れたことを条件に、所定の確率(例えば、1/100)で行なわれる低確率状態への移行抽選に当選すると低確率状態に移行するのである。そして、この低確率状態は、次の大当たり遊技に当選するまで継続される。
ステップS65において、メインCPU66は、大当たりであるか否かの判断処理を行う。この処理において、メインCPU66は、前述したステップS64の大当たり抽選処理における抽選結果をメインRAM70の所定の領域より読み出し、抽選結果が大当たりであった場合には、ステップS66に処理を移し、大当たりでなかった場合には、ステップS67に処理を移す。
ステップS66においては、特定図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS64で決定された大当たりに対応して表示される特定図柄を決定する。例えば、大当たりに対しては、特定図柄は“7”が決定される。そして、決定された特定図柄は、メインRAM70の所定の領域に記憶される。これによって、特別図柄表示器33に、大当たりに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。
ステップS67においては、はずれ図柄の決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、はずれ図柄に対応した特定図柄(例えば“7”以外の数字)を決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。これによって、特別図柄表示器33に、はずれに対応した特定図柄が導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS68に処理を移す。さらに、メインCPU66は、メインRAM70の所定の領域に記憶されている今回の大当たり間スタート回数を“1”加算して記憶更新する。つまり、大当たり抽選に外れる毎に、今回の大当たり間スタート回数は、“1”加算されることとなる。そして、ここで記憶更新された今回の大当たり間スタート回数は、前述した特別図柄制御処理(図10参照)の時短回数決定処理(ステップS50)及び後述の発射通路切換制御処理(図14参照)において参照されることとなる。
ステップS68では、遊技状態判別処理を行う。この遊技状態判別処理において、メインCPU66は、現在の一般遊技状態が、時短モードであると判断した場合は、ステップS70へ処理を移行し、現在の一般遊技状態が通常モードであると判断した場合は、ステップS69において、通常モードの特別図柄変動時間(例えば10秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS70においては、メインCPU66は、時短モードの特別図柄変動時間(通常モードの特別図柄変動時間より短い時間、例えば5秒)を、特別図柄変動タイマにセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS71へ処理を移行する。
ステップS71においては、メインCPU66は、特別図柄表示器33(図3参照)に対して、変動表示を開始させる要求をメインRAM70の所定の領域に記憶して、ステップS72へ処理を移す。この処理によって、特別図柄表示器33においては、前記ステップS69及びステップS70で特別図柄変動タイマにセットされた変動時間にあわせて、特別図柄の変動表示が行なわれ、所定時間経過後(特別図柄変動タイマがタイムアップした後)前記ステップS66及びステップS67で決定された“大当たり”又は“ハズレ”の特別図柄が停止表示されることとなる。
ステップS72では、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や演出時間の決定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS66又はステップS67で記憶された“大当たり”又は“はずれ”のデータ、そしてステップS69又はステップS70で記憶された特別図柄変動時間等のデータに基づき、液晶表示装置32の表示領域32aに演出表示される装飾図柄や演出時間を決定して、メインRAM70の所定の領域に記憶する。
そして、ここで記憶された装飾図柄や演出時間は、図9のステップS25のコマンド出力処理により、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に装飾図柄指定コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、装飾図柄が液晶表示装置32の表示領域32aに導出表示されるとともに、装飾図柄の変動時間も決定される。つまり、特別図柄表示器33で導出表示される特別図柄の変動時間と、液晶表示装置32に導出表示される装飾図柄の変動時間は、同期して行われることとなる。
[普通図柄制御処理]
次に、図8のステップS13において実行されるサブルーチンについて図12を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS101において、普通図柄制御フラグをロードする。この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが普通図柄記憶チェック要求を示す値(00)であるか否か判断し、普通図柄制御フラグが(00)でない場合はステップS104へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(00)の場合は、ステップS103の普通図柄記憶チェック処理を行う。この普通図柄記憶チェック処理では、詳しくは図13を用いて説明するが、メインCPU66は、普通図柄の保留個数を調べ、保留個数がある場合に、普通図柄の当り判定、普通図柄の変動開始、普通図柄の変動タイマのセット等を行い、普通図柄制御フラグに次のステップの処理要求である(01)をセットして処理を終了する。
ステップS104においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(01)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(01)でない場合は、ステップS107へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(01)である場合は、ステップS105において、普通図柄変動タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断し、タイムアップしていなかった場合は処理を終了する。一方、普通図柄変動タイマがタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS106において、普通図柄停止処理を行なう。この普通図柄停止処理においては、メインCPU66は、普通図柄表示器35に対して変動を停止する要求をセットし、メインRAM70の所定の領域に記憶する。これにより、普通図柄表示器35において、前記普通図柄記憶チェック処理で判定された、普通図柄の“当り”又は“はずれ”の判定結果が表示されることとなる。この処理が終了すると、メインRAM70の所定の領域に記憶されている普通図柄保留個数を“1”減少するように記憶更新する。そして、普通図柄制御フラグに(02)をセットして処理を終了する。
ステップS107においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(02)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(02)でない場合は、ステップS111へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(02)であった場合は、ステップS108へ処理を移し、普通図柄が当りか否かを判断する。そして、メインCPU66は、普通図柄が当りであると判断した場合は、ステップS109の普通電役開放処理に処理を移す。一方、メインCPU66は、普通図柄が当りではないと判断すると、ステップS110において、普通図柄制御フラグに普通図柄記憶チェックを要求する値(00)をセットして処理を終了する。
ステップS109における普通電動役物開放処理では、メインCPU66は、普通電動役物である始動口25a(25b)に付設された羽根部材23a(23b)の開放処理(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の解放を記憶する)を行う。さらに遊技台の遊技状態に合わせて、普通電動役物の羽根部材23a(23b)の開放時間(例えば、遊技状態が時短モードの場合は3秒、通常モードの場合は0.2秒)を普通電動役物開放タイマにセットし、普通図柄制御フラグに(03)をセットして処理を終了する。羽根部材23a(23b)の開放時間は、ここでは、遊技状態が時短モードの場合は3秒、通常モードの場合は0.2秒としているが、これに限定されるものではない。
ステップS111においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグが(03)であるか否かを判断し、普通図柄制御フラグが(03)でない場合は、ステップS114へ処理を移す。また、普通図柄制御フラグが(03)であった場合は、ステップS112へ処理を移し、普通電動役物開放タイマがタイムアップ(つまり“0”)したかを判断する。そして、普通電動役物開放タイマがタイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、普通電動役物開放タイマがタイムアップしたと判断した場合は、ステップS113の普通電動役物閉鎖処理において、普通電動役物である始動口25a(25b)に付設された羽根部材23a(23b)を閉鎖状態(メインRAM70の所定の領域に普通電動役物の閉鎖を記憶する)にさせる。そして普通図柄制御フラグに(04)をセットして処理を終了する。
ステップS114においては、メインCPU66は、普通図柄制御フラグをクリア(つまり普通図柄の記憶チェックを要求する値“00”をセット)して処理を終了する。
[普通図柄記憶チェック処理]
図12のステップS103において実行されるサブルーチンについて図13を用いて説明する。
最初に、ステップS121において、メインCPU66は、普通図柄保留個数が“0”であるか否かの判断を行い、普通図柄保留個数が“0”であると判断した場合には、普通図柄記憶チェック処理を終了する。尚、この普通図柄保留個数はメインRAM70の所定の領域に記憶され、通過ゲート54a(54b)を遊技球が通過したことを検出した場合に、所定個数(例えば“4”)を上限として“1”増加して記憶更新され、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示が終了したときには、“1”減算して記憶更新される。一方、メインCPU66は、普通図柄の保留個数が“0”でないと判断した場合には、ステップS122において、普通図柄制御フラグに普通図柄変動タイマ監視要求の値“01”をセットし、ステップS123へ処理を移す。
ステップS123においては、普通図柄当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、普通図柄始動領域通過時に(通過ゲート54a(54b)を遊技球が通過することによって)抽出された普通図柄当り判定用乱数値と、メインROM68に記憶されている普通図柄当り判定値とを参照する。そして、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致する場合には、当り図柄(例えば、“○”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。一方、メインCPU66は、参照した結果、普通図柄当り判定用乱数値が普通図柄当り判定値と一致しない場合には、はずれ図柄(例えば、“×”図柄)を示すデータをメインRAM70の所定の領域に記憶する。このように記憶された当り図柄、はずれ図柄は、普通図柄表示器35に導出普通図柄指定コマンドとして供給される。これによって、普通図柄表示器35は、普通図柄の変動表示(例えば“○”、“×”図柄を交互に点滅させる)を開始する。この後、ステップS124に処理を移す。
ステップS124においては、メインCPU66は、一般遊技状態が時短モードであるか否かを判断し、一般遊技状態が時短モードであった場合は、ステップS126において、メインCPU66は、通常モードより短い普通図柄変動停止時間(例えば5秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。一方、遊技状態が時短モードでない(つまり通常モード)場合は、ステップS125において、メインCPU66は、時短モードより長い普通図柄変動停止時間(例えば30秒)を、普通図柄変動タイマにセットして処理を終了する。
[発射通路切換制御処理]
次に、図8のステップS14において実行されるサブルーチンである発射通路切換制御処理について図14を用いて説明する。
最初に、メインCPU66は、ステップS130において、遊技球の発射通路切換部材である通路切換片21cが、既に遊技球を第2の発射装置21bに供給するための第2の分岐供給路21gを開放し、第1の発射装置21aに供給するための第1の分岐供給路21fを閉鎖する位置(以下、第2の位置とする)へ切換中であるか否かを判断し、切換中でない場合はステップS135へ処理を移す。また、通路切換片21cを第2の位置へ切換中の場合は、メインCPU66は、ステップS131において、発射通路切換監視タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、発射通路切換監視タイマがタイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS132において、通路切換片21cを、遊技球を第1の発射装置21aに供給するための第1の分岐供給路21fを開放し、第2の発射装置21bに供給するための第2の分岐供給路21gを閉鎖する位置(以下、第1の位置とする)へ切換える指示をセット(つまり、通路切換片21cを第1の位置へ切換える指示をリセット)して、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、ステップS133へ処理を移す。
ステップS133においては、メインCPU66は、発射通路切換期間タイマがタイムアップ(つまり“0”)か否かを判断し、タイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、発射通路切換期間タイマがタイムアップしている場合は、メインCPU66は、ステップS134において、発射通路切換期間中であることをリセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶する。その後、本サブルーチンを終了する。
ステップS135においては、メインCPU66は、発射通路切換期間中か否かを判断し、発射通路切換期間中の場合はステップS141へ処理を移す。また、発射通路切換期間中でない場合は、メインCPU66は、ステップS136において、現在のパチンコ遊技機10における大当たり抽選状態が高確率状態か否かを判断し、高確率状態の場合はステップS139へ処理を移す。一方、高確率状態でない場合は、メインCPU66は、ステップS137において、前述した特別図柄記憶チェック処理(図11参照)の大当たり抽選処理(ステップS64)において記憶された、“抽選確率の転落”を参照し、大当たり抽選確率が高確率状態から低確率状態へ変更されたか否かを判断して、“抽選確率の転落”がなかった場合はステップS139へ処理を移す。また、“抽選確率の転落”があった場合は、メインCPU66は、ステップS138において、発射通路切換期間タイマに所定の時間(例えば、5分)をセットしてメインRAM70の所定の領域に記憶してステップS140へ処理を移す。
つまり、大当たり抽選確率が高確率状態から低確率状態へ変更された(転落した)場合は、それを契機として、発射通路切換期間タイマに所定の時間(通路切換片21cの第2の位置への切換えが十分に実行できる時間であり、例えば、5分)の発射通路切換期間が設定されることとなる。これにより、通路切換片21cの第2の位置への切換えが実行されるので、遊技球が第2の遊技盤14bに発射されるようになる。したがって、遊技者は、抽選確率が高確率状態から低確率状態へ変更された(転落した)ことを察知することができ、結果的に、パチンコ遊技機10による“抽選確率の転落”を示唆することが可能となる。
ステップS139においては、メインCPU66は、最初に、前回の大当たり間スタート回数をメインRAM70の所定の領域から読み出し、発射通路切換期間決定テーブル(図19参照)を参照して発射通路切換期間を決定する。次に、メインCPU66は、今回の大当たり間スタート回数をメインRAM70の所定の領域から読み出し、発射通路切換期間決定テーブル(図19参照)を参照して、発射通路切換期間を決定する。そして、前回の大当たり間スタート回数により決定された発射通路切換期間と、今回の大当たり間スタート回数により決定された発射通路切換期間を合計して、発射通路切換期間タイマにセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶する。この後、ステップS140へ処理を移す。
このように、今回の大当たり間スタート回数だけではなく、前回の大当たり間スタート回数も含めて、発射通路切換期間タイマを決定することにより、例えば、前回の大当たり間スタート回数が多かった場合(所謂「ハマリ状態」)は、より長い発射通路切換期間が設定できるので、遊技者の発射ハンドル26の操作により発射された遊技球は第2の遊技盤14bに向かって飛び出し、遊技者は、遊技球の転動、流下時間が長く、かつ入賞機会の多い第2の遊技領域15bによる遊技を行うことになる。したがって、長い発射通路切換期間の設定は、遊技者に対しての救済処置とすることができる。
ステップS140においては、メインCPU66は、発射通路切換期間中であることをメインRAM70の所定の領域に記憶して処理を終了する。ここで、本実施形態においては、発射通路切換期間が設定されたことを条件として、通路切換片21cの第2の位置への切換えが実行される構成としている。つまり、発射通路切換期間が設定されることで、後述の通路切換片21cの切換時間及び切換頻度を決定する処理が実行されることとなる。なお、本実施形態においては、発射通路切換期間を時間で設定(図19参照)しているが、これに限定するものではなく、例えば、可変表示ゲームの実行回数で設定するようにしてもかまわない。
ステップS141においては、メインCPU66は、発射通路の切換要求(通路切換片21cに対する第2の位置への切換要求)があるか否かを判断し、切換要求がなかった場合はステップS144へ処理を移す。また、切換要求があった場合は、メインCPU66は、ステップS142において、発射通路切換待ちタイマがタイムアップ(つまり“0”)したか否かを判断し、タイムアップしていない場合は処理を終了する。一方、タイムアップした場合は、メインCPU66は、ステップS143において、通路切換片21cに対する第2の位置への切換時間を発射通路切換監視タイマにセットして、さらに、通路切換片21cに対する切換指示をセットして、メインRAM70の所定の領域に記憶する。その後、処理を終了する。
ステップS144においては、メインCPU66は、今回の大当たり間スタート回数をメインRAM70の所定の領域から読み出し、現在の大当たり抽選処理の確率状態(つまり、低確率状態又は高確率状態)にあわせて、図18に示す発射通路切換時間決定テーブルを参照して通路切換片21cに対する第2の位置への切換時間を決定し、メインRAM70の所定の領域に記憶する。そして、メインCPU66は、ステップS145において通路切換片21cの切換要求をセットしてメインRAM70の所定の領域に記憶する。さらに、メインCPU66は、ステップS146において、今回の大当たり間スタート回数をメインRAM70の所定の領域から読み出し、図20に示す発射通路切換頻度決定テーブルを参照して、通路切換片21cの切換頻度を決定し、メインRAM70の所定の領域に記憶し、本サブルーチンを終了する。
上述したように、本サブルーチンにおいては、大当たり間のスタート回数に基づき、発射通路切換期間(図19参照)、通路切換片21cの第2の位置への切換時間(図18参照)、通路切換片21cの第2の位置への切換頻度(図20参照)が決定されることになる。つまり、大当たり間のスタート回数(「ハマリ状態」)に応じて、遊技者に有利な第2の遊技領域15bに遊技球を発射する期間を決定し、さらに、遊技球を第2の遊技領域15bに発射させるための通路切換片21cの第2の位置への切換時間及び切換頻度を決定している。
すなわち、基本的に、大当たり間のスタート回数が多いほど発射通路切換期間(通路切換片21cに対する第2の位置への切換を許可する期間)は長く設定され、同じく通路切換片21cの切換時間も長くなる。さらに、前記遊技球誘導期間内に通路切換片21cの切換頻度も多くして、遊技者に有利な第2の遊技領域15bへ遊技球が発射される構成としている。
また、遊技者に有利な第2の遊技領域15bへの遊技球を発射させる契機、すなわち、送給先切換手段である通路切換片21cを第2の位置へ切り換える契機としては、大当たり間スタート回数だけではなく、大当たり抽選における抽選確率の変更状況にも合わせて設定される。本実施形態においては、大当たり抽選における抽選確率は、高確率状態(例えば、大当たり抽選確率が1/200)と低確率状態(例えば、大当たり抽選確率が1/300)の2種類の抽選確率があり、一旦大当たり遊技状態に当選すると、無条件で高確率状態が設定されるが、その後、大当たり抽選が行なわれる毎に所定の確率(例えば、1/100)で低確率状態への変更抽選が行なわれる。この場合、遊技者は、大当たりの抽選確率が、高確率状態から低確率状態へ変更された事を知ることができない。そこで、大当たり抽選確率が高確率状態から低確率状態へ変更されたことを契機として、前述した遊技者に有利な第2の遊技領域15bへ遊技球を導出するための通路切換片21cの切換の発生頻度高くすることで、遊技者に対して大当たりの抽選確率の変更を示唆することができる構成としている。
このように本実施形態においては、大当たり間のスタート回数が多い場合(所謂「ハマリ状態」)や、大当たり抽選確率が遊技者に不利な低確率状態へ変更された場合(所謂「抽選確率の転落」)に、遊技球の発射経路を変更するために、遊技球の供給先を、第1の発射装置21aから第2の発射装置21bに切換え、遊技する領域を第1の遊技領域15aから入賞機会の多い第2の遊技領域15bへ変更することにより、遊技者に有利な遊技状況を発生させる構成としている。したがって、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、所謂「ハマリ状態」になったとしても遊技者は遊技を楽しむことが可能となる。
なお、本実施形態では、第1の遊技領域15aよりも第2の遊技領域15bに一般入賞口58a〜58fを多く配設した構成としたが、例えば始動口25bの数を増やすことによって遊技者に有利な構成とすることもできる。
[副制御回路メイン処理]
副制御回路200は、副制御回路メイン処理を実行することとなる。この副制御回路メイン処理について図15を用いて説明する。尚、この副制御回路メイン処理は、電源が投入されたときに開始される処理である。
最初に、ステップS201において、サブCPU206は、RAMアクセス許可、作業領域を初期化等の初期設定処理を実行する。つまり、サブCPU206は、電源が投入されたことに基づいて、遊技を正常に行わせるための所定の初期設定を行うこととなる。尚、本実施形態においては、ステップS201を実行するサブCPU206は、初期設定手段の一例に相当する。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、サブCPU206は、乱数更新処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210の所定領域に位置付けられた各種の乱数値を更新する。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203において、サブCPU206は、コマンド解析処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60のメインCPU66から送られてきたコマンドを解析し、その解析したコマンドに応じた処理を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、サブCPU206は、表示制御処理を実行する。この処理において、サブCPU206は、前記コマンド解析処理において、主制御回路60のメインCPU66からの装飾図柄指定コマンドを受信した場合に、その装飾図柄指定コマンドに応じた装飾図柄等の画像表示制御を、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて行うこととなる。
そして、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理(ステップS205)、各種のランプ133a,133bの発光制御を行うランプ制御処理を実行する(ステップS206)。この処理が終了した場合には、ステップS202に処理を移す。
このように、副制御回路メイン処理においては、ステップS201の初期設定処理が終了した後、ステップS202からステップS206の処理を繰り返し実行することとなる。
上述してきたように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10は、いずれも透光性を有する透明部材で構成され、遊技者側に位置する第1の遊技領域15aを持つ第1の遊技盤14aと、その背後に重合状態に配設された第2の遊技領域15bを持つ第2の遊技盤14bとの2つの遊技盤を備える構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、透光性のある部材で構成された1つの遊技盤を用いて、表面に第1の遊技領域を、そして、裏面に第2の遊技領域を構成することもできる。
以下、本発明の他の実施形態として、1つの遊技盤を用いたパチンコ遊技機10について、図21を用いて説明する。図21は他の実施形態に係るパチンコ遊技機10の概観を示す分解斜視図である。なお、本実施形態に係るパチンコ遊技機10の構成は、遊技盤14の構成以外は、先に説明した実施形態と同じであるので、ここでの説明は省略する。
本実施形態に係る遊技盤14は、図21に示すように、その全部が透光性を有し、所定厚みを有する板形状の樹脂(透光性を有する部材)によって形成されている。そして、遊技盤14の表裏面には、それぞれ、遊技球が転動可能な第1の遊技領域15と第2の遊技領域15Rを有している。この第1の遊技領域15と第2の遊技領域15Rは、それぞれがガイドレール30に囲まれた遊技球の転動可能な領域である。
また、図21に示すように、遊技に関する演出画像を表示する液晶表示装置32は、スペーサー31を挟んで遊技盤14の背後に設けられている。すなわち、液晶表示装置32は、遊技盤14の透過性を有する部材の背後に配置されている。この液晶表示装置32は、遊技に関する画像の表示を可能とする表示領域32aを有し、この表示領域32aは、遊技盤14の全部又は一部に、スペーサー31を挟んで、背面側から重なるように配設されている。
スペーサー31は、遊技盤14の後方(背面側)に配設されるとともに、液晶表示装置32の前方(前面側)に配設される。つまり、スペーサー31は、遊技盤14と液晶表示装置32とによって挟持される。そして、このスペーサー31の中央部31aは、遊技球が、遊技盤14の前面に構成された第1の遊技領域15から遊技盤14の背面に構成された第2の遊技領域15Rに発射された場合に液晶表示装置32を保護するとともに、表示領域32aで演出される様々な画像表示を遊技者が視認することを妨げることのないように透過性を有した材料で形成されている。
また、遊技盤14の前面に構成された第1の遊技領域15と、遊技盤14の背面に構成された第2の遊技領域15Rにおける遊技釘13及び入賞口などを含む遊技部材の構成は先述した実施形態と同様であるので説明は省略する。
上述してきた実施形態から以下の遊技機が実現される。
背部を透視し得る透光性を有する領域に設けられ、遊技球を転動させるとともに、複数の入賞口(例えば、始動口、大入賞口、一般入賞口)及び複数の障害部材(例えば、遊技釘13、障害物55,57)を具備する第1の遊技領域15(15a)、及びこの第1の遊技領域15(15a)の背部に重合状態に設けられ、遊技球を転動させるとともに、複数の入賞口と、前記第1の遊技領域よりも多数の障害部材を具備する第2の遊技領域15b(15R)を有する遊技盤(例えば、遊技盤14、第1の遊技盤14a、第2の遊技盤14b)と、前記第1の遊技領域及び前記第2の遊技領域に、遊技球を選択的に打ち分け可能な遊技球発射部(例えば、第1の発射装置21a、第2の発射装置21bが含まれる)と、所定の条件を満たしたことを契機に、相対的に当選確率が低い低確率状態と、相対的に当選確率が高い高確率状態のいずれかの確率状態で抽選処理を実行する特別遊技抽選手段(例えば、主制御回路60のメインCPU66、大当たり抽選テーブル(図16参照))と、この特別遊技抽選手段による抽選結果に基づき、識別情報を変動表示及び停止表示する表示手段(例えば、液晶表示装置32、特別図柄表示器33)と、前記特別遊技抽選手段による抽選結果が当選の場合、前記識別情報の変動表示から停止表示までを単位ゲームとした可変表示ゲームを実行する通常遊技から、遊技者に有利な特別遊技に移行させるとともに、当該特別遊技終了後、所定の有利な遊技条件下で前記可変表示ゲームが行われる付帯ゲームを所定回数実行する遊技進行制御手段(例えば、主制御回路60のメインCPU66、メイン処理(図8参照))と、前記付帯ゲームの実行回数を、前記特別遊技抽選手段による抽選処理が前記高確率状態で行われた場合よりも前記低確率状態で行われた場合の方を多く設定する付帯ゲーム回数設定手段(例えば、主制御回路60のメインCPU66、時短回数決定テーブル(図17参照))と、前記特別遊技終了後、前記付帯ゲームを含む前記可変表示ゲームが前記高確率状態で実行されている場合、当該高確率状態から前記低確率状態へ変更するか否かの変更抽選を行う確率変更抽選手段(例えば、主制御回路60のメインCPU66、特別図柄記憶チェック処理におけるステップS64の処理(図11参照))と、前記確率変更抽選手段により確率状態が高確率状態から低確率状態に変更された場合、前記遊技球発射部を制御して、確率状態変更後の所定期間中、遊技球を前記第2の遊技領域へ発射可能とした発射経路変更手段(例えば、主制御回路60のメインCPU66、発射通路切換制御処理(図14参照)、通路切換片21c)とを備える遊技機。
上記遊技機において、前記発射経路変更手段は、前記確率変更抽選手段が前記変更抽選を行う契機となる特別遊技が実行されるまでの通常遊技における可変表示ゲームの実行回数に応じて、前記第2の遊技領域に遊技球を発射させることのできる期間を設定する遊技機。
上記遊技機において、前記発射経路変更手段は、前記第2の遊技領域に遊技球を発射可能な期間内において、前記確率変更抽選手段が前記変更抽選を行う契機となる特別遊技が実行されるまでの通常遊技における可変表示ゲームの実行回数に応じて、前記第2の遊技領域へ遊技球を発射させる実質的発射時間を設定する遊技機。
上記遊技機において、前記遊技球発射部は、前記第1の遊技領域に遊技球を発射する第1の発射装置21aと、前記第2の遊技領域に遊技球を発射する第2の発射装置21bと、遊技球貯留部(例えば、上皿20)からの遊技球の送給先を、前記第1の発射装置又は前記第2の発射装置のいずれかに切換える送給先切換手段(例えば、通路切換片21c)とを備え、前記発射経路変更手段は、前記確率変更抽選手段により確率状態が高確率状態から低確率状態に変更された場合、前記送給先切換手段に遊技球の送給先を前記第2の発射装置に切換えさせ、遊技球を前記第2の遊技領域に発射可能とした遊技機。
以上、本発明について各実施形態を通して説明してきたが、実施形態の記載は具体例及びその効果を例示したに過ぎず、本発明を限定するものではない。例えば、遊技領域内における遊技釘や入賞口などを含む遊技部材などの配置パターンの具体的構成や、その他の遊技盤のデザインや構造などは、本実施形態のものに限定されることなく適宜設計変更が可能である。