以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を形成するための4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット6Yを例にすると、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像器5Y等を備えている。プロセスユニット6Yは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる像担持体としての感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーと磁性キャリアとを含有するY現像剤を用いる現像器5YによってYトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト8上に中間転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(6M,C,K)においても、同様にして感光体(1M,C,K)上に(M,C,K)トナー像が形成されて、ベルト部材としての中間転写ベルト8上に中間転写される。
現像器5Yは、そのケーシングの開口から一部露出させるように配設された現像ロール51Yを有している。また、互いに平行配設された2つの搬送スクリュウ55Y、ドクターブレード52Y、トナー濃度センサ(以下、Tセンサという)56Yなども有している。
現像器5Yのケーシング内には、磁性キャリアとYトナーとを含む図示しないY現像剤が収容されている。このY現像剤は2つの搬送スクリュウ55Yによって撹拌搬送されながら摩擦帯電せしめられた後、上記現像ロール51Yの表面に担持される。そして、ドクターブレード52Yによってその層厚が規制されてからY用の感光体1Yに対向する現像領域に搬送され、ここで感光体1Y上の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体1Y上にYトナー像が形成される。現像器5Yにおいて、現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール51Yの回転に伴ってケーシング内に戻される。
2つの搬送スクリュウ55Yの間には仕切壁が設けられている。この仕切壁により、現像ロール51Yや図中右側の搬送スクリュウ55Y等を収容する第1供給部53Yと、図中左側の搬送スクリュウ55Yを収容する第2供給部54Yとがケーシング内で分かれている。図中右側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Y内のY現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像ロール51Yに供給する。図中右側の搬送スクリュウ55Yによって第1供給部53Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられた図示しない開口部を通って第2供給部54Y内に進入する。第2供給部54Y内において、図中左側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Yから送られてくるY現像剤を図中右側の搬送スクリュウ55Yとは逆方向に搬送する。図中左側の搬送スクリュウ55Yによって第2供給部54Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられたもう一方の開口部(不図示)を通って第1供給部53Y内に戻る。
透磁率センサからなる上述のTセンサ56Yは、第2供給部54Yの底壁に設けられ、その上を通過するY現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤の透磁率は、トナー濃度と良好な相関を示すため、Tセンサ56YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。この制御部は、Tセンサ56Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを格納したRAMを備えている。このRAM内には、他の現像器に搭載された図示しないTセンサからの出力電圧の目標値であるM用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータも格納されている。Y用Vtrefは、後述するY用のトナー搬送装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、Tセンサ56Yからの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないY用のトナー搬送装置を駆動制御して第2供給部54Y内にYトナーを補給させる。この補給により、現像器5Y内のY現像剤中のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスユニットの現像器についても、M,C,K用のトナー搬送装置を用いた同様のトナー補給制御が実施される。
先に示した図1において、プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中下方には、潜像書込装置としての光書込ユニット7が配設されている。光書込ユニット7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスユニット6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
光書込ユニット7の図中下側には、紙収容カセット26、これらに組み込まれた給紙ローラ27など有する紙収容手段が配設されている。紙収容カセット26は、シート状の記録体たる転写紙Pを複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の転写紙Pには給紙ローラ27を当接させている。給紙ローラ27が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の転写紙Pが給紙路70に向けて送り出される。
この給紙路70の末端付近には、レジストローラ対28が配設されている。レジストローラ対28は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転させるが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中上方には、ベルト部材たる中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。ベルト駆動装置としての転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他に、2次転写バイアスローラ19、ベルトクリーニング装置10などを備えている。また、4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,K、駆動ローラ12、クリーニングバックアップローラ13、エンコーダーローラ14なども備えている。中間転写ベルト8は、これら7つのローラに張架されながら、駆動ローラ12の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
駆動回転体としての駆動ローラ12は、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された可視像たる4色トナー像は、この2次転写ニップで転写紙Pに転写される。そして、転写紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトベルトクリーニング装置10によってクリーニングされる。2次転写ニップで4色トナー像が一括2次転写された転写紙Pは、転写後搬送路71を経由して定着装置20に送られる。
定着装置20は、内部にハロゲンランプ等の発熱源を有する定着ローラ20aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ20bとによって定着ニップを形成している。定着装置20内に送り込まれた転写紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ20aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化せしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
定着装置20内でフルカラー画像が定着せしめられた転写紙Pは、定着装置20を出た後、排紙路72と反転前搬送路73との分岐点にさしかかる。この分岐点には、第1切替爪75が揺動可能に配設されており、その揺動によって転写紙Pの進路を切り替える。具体的には、爪の先端を反転前送路73に近づける方向に動かすことにより、転写紙Pの進路を排紙路72に向かう方向にする。また、爪の先端を反転前搬送路73から遠ざける方向に動かすことにより、転写紙Pの進路を反転前搬送路73に向かう方向にする。
第1切替爪75によって排紙路72に向かう進路が選択されている場合には、転写紙Pは、排紙路72から排紙ローラ対100を経由した後、機外へと配設されて、プリンタ筺体の上面に設けられたスタック50a上にスタックされる。これに対し、第1切替爪75によって反転前搬送路73に向かう進路が選択されている場合には、転写紙Pは反転前搬送路73を経て、反転ローラ対21のニップに進入する。反転ローラ対21は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pをスタック部50aに向けて搬送するが、転写紙Pの後端をニップに進入させる直前で、ローラを逆回転させる。この逆転により、転写紙Pがそれまでとは逆方向に搬送されるようになり、転写紙Pの後端側が反転搬送路74内に進入する。
反転搬送路74は、鉛直方向上側から下側に向けて湾曲しながら延在する形状になっており、路内に第1反転搬送ローラ対22、第2反転搬送ローラ対23、第3反転搬送ローラ対24を有している。転写紙Pは、これらローラ対のニップを順次通過しながら搬送されることで、その上下を反転させる。上下反転後の転写紙Pは、上述の給紙路70に戻された後、再び2次転写ニップに至る。そして、今度は、画像非担持面を中間転写ベルト8に密着させながら2次転写ニップに進入して、その画像非担持面に中間転写ベルトの第2の4色トナー像が一括2次転写される。この後、転写後搬送路71、定着装置20、排紙路72、排紙ローラ対100を経由して、機外のスタック部50a上にスタックされる。このような反転搬送により、転写紙Pの両面にフルカラー画像が形成される。
上記転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部50aとの間には、ボトル支持部31が配設されている。このボトル支持部31は、Y,M,C,Kトナーを収容するトナー収容部たるトナーボトル32Y,M,C,Kを搭載している。トナーボトル32Y,M,C,Kは、互いに水平よりも少し傾斜した角度で並ぶように配設され、Y、M、C、Kという順で配設位置が高くなっている。トナーボトル32Y,M,C,K内のY,M,C,Kトナーは、それぞれ後述するトナー搬送装置により、プロセスユニット6Y,M,C,Kの現像器に適宜補給される。これらのトナーボトル32Y,M,C,Kは、プロセスユニット6Y,M,C,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
本プリンタにおいては、モノクロ画像を形成するモノクロモードと、カラー画像を形成するカラーモードとで、感光体と中間転写ベルト8との接触状態を異ならせるようになっている。具体的には、転写ユニット15における4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kのうち、K用の1次転写バイアスローラ9Kについては、他の1次転写バイアスローラとは別に、図示しない専用のブラケットで支持している。また、Y,M,C用の3つの1次転写バイアスローラ9Y,M,Cについては、それらを図示しない共通の移動ブラケットで支持している。この移動ブラケットについては、図示しないソレノイドの駆動によって、Y,M,C用の感光体1Y,M,Cに近づける方向と、感光体1Y,M,Cから遠ざける方向とに移動させることが可能である。移動ブラケットを感光体1Y,M,Cから遠ざける方向に移動させると、中間転写ベルト8の張架姿勢が変化して、中間転写ベルト8がY,M,C用の3つの感光体1Y,M,Cから離間する。但し、K用の感光体1Kと中間転写ベルト8とは接触したままである。モノクロモードにおいては、このように、K用の感光体1Kだけを中間転写ベルト8に接触させた状態で、画像形成動作を行う。
上述の移動ブラケットを3つの感光体1Y,M,Cに近づける方向に移動させると、中間転写ベルト8の張架姿勢が変化して、それまで3つの感光体1Y,M,Cから離間していた中間転写ベルト8がそれら3つの感光体1Y,M,Cに接触する。このとき、K用の感光体1Kと中間転写ベルト8とは接触したままである。カラーモードにおいては、このように、4つの感光体1Y,M,C,Kの全てを中間転写ベルト8に接触させた状態で、画像形成動作を行う。かかる構成においては、移動ブラケットや上述したソレノイドなどが、感光体と中間転写ベルト8とを接離させる接離手段として機能している。
本プリンタは、4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kや、光書込ユニット7などの駆動を制御する像形成制御手段としての図示しないメイン制御部を備えている。このメイン制御部は、演算手段たるCPU(Central Processing Unit)、データ記憶手段たるRAM(Random Access Memory)、データ記憶手段たるROM(Read Only Memory)などを具備しており、ROMに記憶しているプログラムに基づいて、プロセスユニットや光書込ユニットの駆動を制御する。
また、上述の転写ユニット15は、ベルト駆動制御手段としての図示しないベルト駆動制御部を有している。そして、このベルト駆動制御部は、CPUや、ROM、データ記憶手段たる不揮発性RAMなどを具備しており、ROMに記憶しているプログラムに基づいて、後述するベルト駆動モータの駆動を制御する。
図3は、中間転写ベルト8とその周囲構成とを示す斜視図である。同図において、中間転写ベルト8を無端移動せしめる駆動ローラ12は、伝達機構を介して駆動源としてのベルト駆動モータ152からの回転駆動力が伝達されるようになっている。具体的には、ベルト駆動モータ152からの回転駆動力は、モータの出力軸152aに伝達される。出力軸152aに伝達された回転駆動力は、出力軸152aと噛み合っている第1ギヤ151に伝達された後、第1ギヤ151と噛み合っている第2ギヤ150に伝達される。この第2ギヤ150は、駆動ローラ12の回転軸部材12aとともに回転するように回転軸部材12aに固定されている。これにより、第2ギヤ150が回転すると、駆動ローラ12が回転する。
図4は、中間転写ベルト8と、これを張架する3つのローラとを示す拡大模式図である。本プリンタにおける中間転写ベルト8は、遠心成型法によって成形されたものであり、図示のように、ベルト周方向における最大厚み箇所と最小厚み箇所とが180[°]の位相差をもって出現する厚みムラを有している。同図においては、中間転写ベルト8の最大厚み箇所が駆動ローラ12に巻き付いている状態を示しているが、この状態が起こるときには、中間転写ベルト8の1周あたりにおいて、中間転写ベルト8が最も速く走行する。この逆に、中間転写ベルトの最小厚み箇所が駆動ローラ12に巻き付くときには、中間転写ベルト8の1周あたりにおいて、中間転写ベルト8が最も遅く走行する。かかる構成においては、中間転写ベルト8の1周あたりにおける速度変動が、図5に示すように、1周期分のサインカーブを描く特性になる。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
図6は、駆動ローラ12を示す拡大斜視図である。駆動ローラ12のローラ部の両端面からそれぞれ突出している回転軸部材12aの一方には、ロータリーエンコーダーからなる駆動エンコーダーの回転円盤155が固定されている。駆動エンコーダーは、この回転円盤155の他、図示しない転写ユニットの側板に固定された光学センサ156を有している。
光学センサ156は、発光素子156aと受光素子156bとを、回転円盤155を介して対向させるように配設されている。そして、回転円盤155には、その円周方向に渡って所定ピッチで並ぶ図示しない複数のスリットが設けられている。発光素子156aから発せられた光は、回転円盤155のスリットを通過して受光素子156bに検知されるが、駆動ローラ12とともに回転円盤155が回転すると、その通過が一時的に遮断される。受光素子156bは、発光素子156aからの光を受光しているときだけ、上述したベルト駆動制御部に信号を出力するようになっている。この受光素子156bから出力される信号の1回あたりのオン及びオフは、駆動ローラ12の所定の回転角変位を示している。また、受光素子156bから出力されるパルス信号は、駆動ローラ12の回転角変位や回転角速度を示している。そして、駆動ローラ12の回転角速度は、駆動回転体たる駆動ローラ12の駆動速度を示している。よって、駆動エンコーダーからのパルス信号は、駆動ローラ12の駆動速度を示している。なお、駆動ローラ12の駆動源となっている駆動モータ152としてステッピングモータを採用した場合には、駆動モータ152に対する駆動パルス数も、駆動ローラ12の駆動速度を示すパラメータとなる。また、駆動モータ152として、エンコーダー内蔵型のものを用いた場合、そのエンコーダーからのパルス信号も、駆動ローラ12の駆動速度を示すパラメータとなる。
先に図1に示した従動回転体としてのエンコーダーローラ14には、駆動エンコーダーと同様の構成の図示しない従動エンコーダーの回転円盤が固定されている。この従動エンコーダーは、エンコーダーローラ14の回転角変位や回転角速度を検知する従動回転検知手段として機能している。
転写ユニット15のベルト駆動制御部は、駆動源たる駆動モータ152の駆動速度を制御する他に、上述したソレノイドの駆動によって中間転写ベルト8をY,M,C用の感光体1Y,M,Cに接離させる制御も行うようになっている。但し、駆動モータ152の駆動速度を制御するベルト駆動制御部と、中間転写ベルト8をY,M,C用の感光体1Y,M,Cに接離させる接離制御部とを別体で構成してもよい。この場合、接離制御部からベルト駆動制御部に信号を送信させることで、ベルト駆動制御部に対して接離の有無を認識させるようにする。
ベルト駆動制御部は、中間転写ベルト8の各周回において、所定周期でベルト速度に関するデータをサンプリングして、不揮発性RAMに記憶させていく。そして、各周回において、ほぼ一周分のデータをサンプリングした時点で、不揮発性RAM内に記憶させたデータに基づいて、「厚みムラによる速度変動パターン」や、中間転写ベルト8の実際の速度変動パターンを把握する。具体的には、駆動エンコーダーからのパルス信号に基づくデータと、従動エンコーダーからのパルス信号に基づくデータとの差分は、中間転写ベルト8の厚みムラによる基準速度からのズレ量を示す。そして、このズレ量の経時変化特性は、中間転写ベルト8の「厚みムラによる速度変動パターン」となる。そこで、ベルト駆動制御部は、両エンコーダーからのパルス信号を所定周期でサンプリングしながら前述の差分を順次求めて、結果を不揮発性RAMに記憶させていくのである。そして、ほぼ1周分の差分データが得られた時点で、それら差分データに基づいて「厚みムラによる速度変動パターン」の波形を解析して、その周回における基準タイミングを特定する。次いで、その速度変動パターンを不揮発性RAMに転送した後、RAM内の差分のデータを消去する。ベルト部材の周期や周回の始期については、速度変動パターンの最大値、最小値、中間値などといった、所定の波形箇所が出現するタイミングに基づいて特定する。この基準タイミングを、中間転写ベルト8の周方向における仮想の基準箇所をベルト周方向における仮想のホームポジションに進入させたタイミングであるとみなすのである。
また、ベルト駆動制御部は、中間転写ベルト8の各周回において、従動エンコーターからのパルス信号のパルス数を、ベルト速度データとして所定周期で不揮発性RAMに記憶させていく。このベルト速度データのベルト1周分における経時変化特性は、中間転写ベルト8の実際の速度変動パターンを示している。駆動モータ152の駆動速度を調整していても、どうしても速度変動が残ってしまうが、この残されてしまう速度変動による速度変動パターンである。そこで、ベルト駆動制御部は、各周回において、ほぼ1周分のベルト速度データが得られた時点で、それらに基づいて実際の速度変動パターンを解析する。そして、解析した実際の速度変動パターンと、その周回で用いたベルト駆動モータ152の駆動速度調整パターンとに基づいて、速度変動をより低減し得る新たな駆動速度調整パターンを算出する。残されてしまった実際の速度変動パターンの各時点における波の高さの絶対値(その時点の振幅)を同じにし且つその高さの正負の符号を逆にする逆位相の速度変動を新たに生じせしめるように、前回使用した駆動速度パターンを補正するのである。そして、補正後の新たな駆動速度パターンと、基準タイミングとに基づいて、次のベルト周回における駆動モータ152の駆動速度を微調整する(駆動速度調整処理)。これにより、前の周回で残されていたベルト速度変動を、補正後の駆動速度パターンによる駆動速度調整で打ち消して、中間転写ベルト8を安定した速度で走行させる。
なお、先に示した図5においては、中間転写ベルト8の周方向の厚みムラに起因して生ずるベルト1周内でのベルト速度変動だけを示しているが、中間転写ベルト8の複数周回に渡る所定周期且つ所定の出現パターンの速度変動が発生する場合もある。このような速度変動も検出してベルト駆動モータ152の駆動速度の制御に反映させることも可能である。また、駆動ローラ152が偏心していると、それに起因してベルト厚みムラと同様のサインカーブ状のベルト速度変動が起こるが、厚みムラ及び偏心の両方に起因する2つのサインカーブが重畳されたものを検出してベルト駆動モータ152の駆動速度の制御に反映させることも可能である。
また、駆動エンコーダーからのパルス信号の代わりに、駆動モータ152への駆動パルスや、駆動モータ152の回転を検知するモーターエンコーダーからの出力パルスを用いても、中間転写ベルト8の「厚みムラによる速度変動パターン」を検出することが可能である。
ところで、モノクロモードにおいては、4つの感光体1Y,M,C,Kのうち、K用の感光体1Kだけを用い、複数色の重ね合わせ転写を行わないので、ベルト速度変動が起こったとしても色ズレを引き起こすことはない。つまり、モノクロモードにおいては、駆動モータ152の駆動速度の微調整を行わず、駆動モータ152を一定速度で駆動したとしても、色ズレが発生しない。
そこで、ベルト駆動制御部は、モノクロモードでは、駆動モータ152の駆動速度の微調整を行わず、駆動モータ152を一定速度で駆動するようになっている。但し、ベルトの各周回で上述した速度に関するデータを所定周期でサンプリングして不揮発性に記憶させる記憶処理については、モノクロモード、カラーモードにかかわらず実施するようになっている。駆動速度パターンに基づく駆動モータ152の駆動速度の微調整を実施しないモノクロモードにおいても、カラーモードと同様に記憶処理を行う理由については、後述する。
また、ベルト駆動制御部は、カラーモードの画像形成動作が開始される際には、中間転写ベルト8の初めの周回における駆動速度調整処理を、前回の画像形成動作で実施した記憶処理によって不揮発性RAMに記憶させたデータに基づいて行う。このような制御を実現するために、モノクロモードであっても、記憶処理だけは実施して不揮発性RAM内のデータを随時更新するのである。
かかる構成においては、モノクロモード、カラーモードの何れについても、画像形成動作の開始時のベルト1周空回しが不要になるので、ベルト1周空回しさせることによるプリント時間の長期化とを回避することができる。また、モノクロモードの画像形成動作で駆動速度調整処理を実施せずに駆動モータ152を一定速度で駆動することで、駆動速度の調整時に不規則な力をかけることによる駆動伝達系の部材の摩耗を抑えることもできる。
画像形成動作の開始に伴って中間転写ベルト8の駆動が開始されるときには、駆動モータ152が急激に立ち上がるのではなく、その駆動速度が少しずつ増速されていく。このため、中間転写ベルト8の速度は、駆動開始直後からある程度のタイムラグが経過するまでの期間は徐々に増速していく。ある程度の増速期間を経た後に、目標速度付近で安定するのである。また、画像形成動作が終了される際には、駆動モータ152が急激に停止されるのではなく、その駆動速度が少しずつ減速されていく。このため、ベルト停止直前においては、ある程度のベルトの減速期間が設けられる。
ベルト駆動制御部は、駆動モータ152の駆動を停止させる際には、モータを完全に停止させるタイミングよりも少し早いタイミングで、上記記憶処理を終了する。モータ完全停止直前の僅かな期間については、記憶処理を行わないのである(以下、この期間を記憶不実施期間Tdという)。この記憶不実施期間Tdは、上述した増速期間と減速期間とのうち、より長い方と同じ長さになっている。
図7は、本プリンタにおける中間転写ベルト8の厚みムラによる速度変動パターンの波形と、各種のタイミングとを示すグラフである。同図において、縦軸は、中間転写ベルト8の速度変動を示している。また、横軸は経過時間を示している。サインカーブ状の速度変動曲線におけるピークツウピークの中心位置で延びる中心線が、中間転写ベルト8の目標の走行速度である。なお、この速度変動曲線は、中間転写ベルト8の厚みムラによる速度変動パターンの波形である。
ベルト停止時点t0では、中間転写ベルト8の駆動は停止している。これは、画像形成動作が停止しているからである。同図では、便宜上、このベルト停止時点t0の時間的長さをほぼゼロとして示しているが、実際には、かなりの長期間に渡って停止している場合もある。同図では、ベルト停止時点t0でベルトが一瞬だけ停止した後、直ぐに動き出していると考えればよい。なお、同図においては、ベルト停止時点t0よりも前の期間で、モノクロモードにおけるベルト駆動が行われているのに対し、ベルト停止時点t0よりも後の期間で、カラーモードにおけるベルト駆動が行われている例を示している。
同図において、ベルト停止時点t0から、これよりも少しだけ遡った時点までは、上述した記憶不実施期間Tdとなっている。この記憶不実施期間Tdでは、中間転写ベルト8を駆動する駆動モータ152の駆動速度が徐々に減速され、やがてベルト停止時点t0で停止する。駆動速度の減速により、図示のようにベルト速度変動が急激にマイナス側に落ち込むため、上述の記憶処理を行わない。
上述したように、ベルト停止時点t0よりも後の期間では、カラーモードにおけるベルト駆動が行われている。ここで、ベルト停止時点t0から、ベルトの駆動が開始された後、記憶不実施期間Tdと同じ長さだけ時間が経過するまでの時間は、速度調整不実施期間Te(=Td)となっている。この速度調整不実施期間Teの全て又は一部は、上述した増速期間であり、図示のように、ベルトの速度変動が急激に立ち上がる。このような記憶不実施期間Teでは、上述した駆動速度調整処理を実施することができない。このため、ベルト駆動制御部は、図示のように、カラーモード実行のためにベルトの駆動を開始した後、速度調整不実施期間Teが経過した時点から、駆動速度調整処理を開始する。このとき、ベルトの初めの周回では、前回のモノクロモードの画像形成動作において記憶不実施期間Tdが始まる直前までに実施した記憶処理で不揮発性RAMに記憶させたデータに基づいて、駆動速度パターンを決定している。また、駆動速度調整処理と同時に、記憶処理も並行して実施する。
同図において、調整処理開始時点tsで駆動速度調整処理を開始してから、図中の期間X1の始点が到来するまでの間は、ベルト1周前にサンプリングしたデータに基づいて駆動速度を決定することができる。ところが、期間X1内においては、ちょうどベルト1周前にサンプリングしたデータに基づいて駆動速度を決定することができない。期間X1のベルト1周前は、記憶不実施期間Td及び速度調整不実施期間Teだからである。そこで、ベルト駆動制御部は、期間X1については、ベルト2周前にサンプリングしたデータ(図中の期間X0でサンプリングしたデータ)に基づいて駆動速度を決定する。なお、本プリンタでは、駆動モータ152として、ステッピングモータを用いており、記憶不実施期間Tdの始点である記憶処理終了時点teから、速度調整不実施期間Teの終点である調整処理開始時点tsまでのモータ回転量を正確に制御することが可能である。このため、調整処理開始時点tsと、ベルト一周前の期間X0の終点とで、変動曲線の位相がほぼ同期するとみなして差し支えない。
本プリンタは、プリントスタート信号など、ユーザーから発せられたプリント命令に基づくプリントジョブを実行するとき以外にも、中間転写ベルト8を駆動するときがある。例えば、ユーザーによってサブ電源スイッチがONされた直後には、基準のトナー像を形成し、それに対するトナー付着量を検知した結果に基づいて、現像バイアス等を決定するプロセスコントロールと呼ばれる処理を実施する。更には、各色のトナーパターン像を中間転写ベルト8上に形成し、それらパターンをフォトセンサで検知した結果に基づいて各色の相対的な位置ズレを把握し、その結果に基づいて光書込タイミングや光学系レンズの姿勢などを補正する位置ズレ補正処理も実施する。これら処理のための動作は、作像性能調整モードの動作である。そして、本プリンタのベルト駆動装置は、作像性能調整モードの動作時においても、記憶処理を実施する。このため、作像性能調整モードの後に、カラーモードのプリント命令を受けた場合であっても、作像性能調整モードで実行した記憶処理によって得たデータに基づいて、カラーモードにおけるベルト一周目の駆動速度調整パターンを決定することができる。
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した実施例のプリンタについて説明する。なお、以下に特筆しない限り、実施例に係るプリンタの構成は実施形態と同様である。
[実施例]
駆動速度やベルト速度を検知するための上述した駆動エンコーダーや従動エンコーダーについては、長寿命化を図るという観点から、できるだけ作動時間を短くすることが望ましい。ここで言う作動時間とは、それらエンコーダーに対して電源を供給している時間のことである。
実施形態に係るプリンタは、既に説明したように、モノクロモードでは、駆動速度調整処理を実施しないが、記憶処理については、後にカラーモードが実施される場合を想定して実施するようになっている。モノクロモードの後にカラーモードが実施された場合、そのカラーモードのベルト1周目の駆動速度調整処理で必要となるデータは、モノクロモードにおける最終周回のデータ、及び、上述した期間X0におけるデータだけである。それ以外のデータをいくらサンプリングして不揮発性RAMに記憶しても、すぐに上書きによって更新するので、後のカラーモードの実行時までは残さない。たとえば、100枚のモノクロ連続プリントを行う場合には、1〜99枚目までのジョブで行う記憶処理が無駄になることもある。また、作像性能調整モードの動作についても、同様のことが言える。
そこで、実施例に係るプリンタのベルト駆動制御部は、モノクロモードの画像形成動作や、作像性能調整モードの動作が実行されるときには、それらの動作における終了直前の期間にだけ、記憶処理を実施するようになっている。終了直前の期間とは、具体的には、図7に示した期間X0の始点から、記憶不実施期間Teの始点である記憶処理終了時点teまでの期間である。かかる構成においては、モノクロモードや作像性能調整モードで、必要なデータだけをサンプリングすることで、不必要なデータをサンプリングすることによる駆動エンコーダーや従動エンコーダーの無駄な作動を回避する。これにより、駆動エンコーダーや従動エンコーダーの長寿命化を図ることができる。
先に示した図1において、給紙路70におけるレジストローラ対28の直前には、給紙路70内の記録紙Pを検知する図示しない紙検知センサが配設されている。レジストローラ対28によって2次転写ニップに向けて送り出された記録紙Pの後端がレジストニップを抜けてから、2次転写ニップ、定着装置20、排紙路を順次通過して機外に排出されるまでの距離は、中間転写ベルト8の周長の概ね3分の1程度である。つまり、給紙路70中の記録紙Pの後端が紙検知センサによって検知されなくなってから、その記録紙Pの排紙が完了するまでの間に、中間転写ベルト8は概ね1周の3分の1だけ駆動される。本プリンタでは、このように、プリントジョブを終了させるときには、最後のプリント紙の後端が紙検知センサによる検知位置を抜けてから、中間転写ベルト8を概ね1周の3分の1だけ駆動して、画像形成動作を停止させる。この時点を図7に示したベルト停止時点t0であるとみなすと、最後のプリント紙の後端が紙検知センサによる検知位置を抜けるタイミングは、同図に示した紙抜け検知時点tpである。そして、この紙抜け検知時点tpよりも期間X2だけ遡った時点(期間X0の始点)から記憶処理を開始すれば、必要量のベルト1周分のデータを記憶することができる。そこで、ベルト駆動制御部は、モノクロモードやカラーモードの画像形成動作を終了させる際には、紙抜け検知時点tpよりも期間X2だけ遡る時点から、記憶処理を開始するようになっている。より詳しくは、まず、紙抜け検知時点tpについては、レジストローラ対による記録紙Pの送り出しを開始した時点と、記録紙Pの搬送方向の長さと、紙搬送速度とに基づいて、紙抜け検知時点tpを特定する。そして、特定結果から期間X2を減じることで、記憶処理開始時点を特定する。なお、ベルトの各周回における周期は微妙に変化するので、期間X2は微妙に変動するが、誤差を吸収できる程度に期間X2を少し長めに設定している。
モノクロモードあるいはカラーモードの画像形成動作を終了させる際における記憶処理の開始について説明したが、画像形成動作を終了させずにモノクロモードからカラーモードに移行する場合には、ベルト駆動制御部は、以下のような処理を実施する。即ち、この場合(単色後カラーモード)、モノクロモードの終了直前における記憶処理の開始タイミングを、先に説明した開始タイミング(期間X2の始点)とは異ならせるのである。
図8は、単色後カラーモードにおける厚みムラによる速度変動パターンの波形と、各種のタイミングとを示すグラフである。単色後カラーモードにおいては、基本的には、モノクロモードの最後のプリント紙における紙抜け検知時点tpの後、僅かなタイムラグをおいて発生するニップ抜け時点から、カラーモードの光書込、ブラケット移動、駆動速度調整処理などを開始する。ニップ抜け時点とは、最後のプリント紙の後端が2次転写ニップを抜ける時点である。また、ブラケット移動とは、それまでY,M,C用の感光体1Y,M,Cから離間させていた中間転写ベルト8をそれら感光体に接触させるために、張架ローラの支持ブラケットを移動させる動作である。同図において、調整処理開始時点tsが、ニップ抜け時点であり、この時点でカラーモード用の光書込、ブラケット移動の他、駆動速度調整処理も開始するのである。そこで、この時点から、ベルト1周分である期間X3だけ遡った時点(=記憶処理開始時点t1)で、記憶処理を開始する。ニップ抜け時点については、紙抜け検知時点tpと同様にして、レジストローラ対による記録紙Pの送り出しを開始した時点と、記録紙Pの搬送方向の長さと、紙搬送速度とに基づいて特定する。期間X3については、各周回毎のベルト1周期の僅かな誤差を考慮して、ベルト1周期の基準値よりも僅かに長い値を採用している。
なお、図8に示した記憶処理開始時点t1を過ぎてしまった後に、次のカラーモードのプリント命令を受信する場合がある。この場合には、ベルト駆動制御部は、直ぐに記憶処理を開始し、記憶処理開始時点から期間X3を経た時点を、調整処理開始時点、ブラケット移動開始時点、光書込開始時点とする。つまり、カラーモード用の画像形成動作の開始を図8に示した時点tsよりも送らせるのである。
これまで、各感光体に形成した各色トナー像をベルト部材としての中間転写ベルト8に重ね合わせて1次転写した後、記録紙に一括2次転写するプリンタについて説明してきた。かかる構成の代わりに、各感光体に形成した各色トナー像をベルト部材としての紙搬送ベルトの表面に保持している記録紙に直接重ね合わせて転写する構成を備える画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、プリンタの作像性能を調整するための作像性能調整モードの動作が実行されるときにも、中間転写ベルト9の各周回で記憶処理を実施するように、ベルト駆動制御手段たるベルト駆動制御部を構成している。かかる構成では、既に説明したように、作像性能調整モードの後に、カラーモードのプリント命令を受けた場合であっても、作像性能調整モードで実行した記憶処理によって得たデータに基づいて、カラーモードにおけるベルト一周目の駆動速度調整パターンを決定することができる。
また、実施例に係るプリンタにおいては、モノクロモード(単色モード)の画像形成動作が実行されるときには、画像形成動作の終了直前の一部期間だけ、記憶処理を実施するように、ベルト駆動制御部を構成している。かかる構成では、既に説明したように、必要なデータだけをサンプリングすることで、不必要なデータをサンプリングすることによる駆動エンコーダーや従動エンコーダーの無駄な作動を回避して、駆動エンコーダーや従動エンコーダーの長寿命化を図ることができる。
また、実施例に係るプリンタにおいては、モノクロモードの画像形成動作の後にカラーモードの画像形成動作を連続して実施する単色後カラーモードが実行されるときと、モノクロモードの画像形成動作後に停止処理が実行されるときとで、記憶処理の開始タイミングを異ならせるように、ベルト駆動制御部を構成している。かかる構成では、モノクロモードの画像形成動作の後にカラーモードの画像形成動作を連続して実施する単色後カラーモードが実行されるとき、モノクロモードの画像形成動作後に停止処理が実行されるとき、の何れにおいても、必要量のデータをモノクロモードで記憶することができる。
また、実施例に係るプリンタにおいては、モノクロモードの画像形成動作中に、それに連続するカラーモードの画像形成動作の実行が決定され、且つ、その決定時が既に単色・カラー連続モード用の開始タイミングを過ぎている場合には、カラーモードの画像形成動作の開始タイミングを遅らせるための処理を実施するように、ベルト駆動制御部を構成している。かかる構成では、前述のような場合であっても、必要量のデータをモノクロモードで記憶することができる。