JP5117213B2 - リチウムイオン二次電池負極用銅箔及びリチウムイオン二次電池用負極 - Google Patents

リチウムイオン二次電池負極用銅箔及びリチウムイオン二次電池用負極 Download PDF

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Description

本発明は、負極集合体として銅箔を用い、負極活物質として錫又は錫合金を用いるリチウムイオン二次電池負極用銅箔に関するものである。
リチウムイオン二次電池は充放電可能な小型二次電池として、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の電源として広く使用されている。
リチウムイオン二次電池は、一般的に、正極活物質としてコバルト酸リチウム、負極活物質としてカーボン、電解液としてプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等の有機溶媒にリチウムイオンを溶解させた非水電解液が使用されている。
正極の作成は、まずコバルト酸リチウム等の正極活物質をN−メチルピロリドン等の溶媒中で、バインダーであるポリフッ化ビニリデン樹脂と混合してペースト状にする。このペーストを正極集電体であるアルミニウム箔の両面に塗布して作成する。
負極も同様に、負極活物質であるカーボン、ポリフッ化ビニリデン樹脂、N−メチルピロリドンからなるペーストを作り、負極集電体である銅箔の両面に塗布、乾燥、プレスをして作成する。
負極集電体用銅箔は、通常電解銅箔または圧延銅箔である。
リチウムイオン二次電池では、充電時にリチウムイオンが正極のコバルト酸リチウムから脱ドープして負極カーボン層間に取り込まれ、放電時には逆にカーボン層間からリチウムイオンが抜け出して正極層間に戻ってくる。
現在実用化されているカーボン負極の容量は、カーボンとリチウムの化合物であるCLiに対する理論値に近い値まで到達している。CLiの単位重さ当たりの放電容量は372mAh/gである。しかし最近、リチウムイオン二次電池においてはさらなる高エネルギー密度化が要求され、カーボン負極の容量では前記放電容量の値を超えて容量の増大を図ることはできないため、放電容量の大きい錫系の活物質(994mAh/g−Sn、2023mAh/cc−Li22Sn)の実用化研究が行われている。
錫系の負極材料の研究は例えば、非特許文献1に報告がある。また銅箔上に錫めっきによって錫被膜を形成した負極については、特許文献1、特許文献2がある。
非特許文献1では電解銅箔と圧延銅箔を使用し、銅箔表面に電気めっきで錫を形成し、そのままの状態(非熱処理)および200℃で24時間熱処理(熱処理)を行った負極材料について、錫めっき電極の初期充放電曲線、及び錫めっき電極のサイクル特性を測定している。
その結果によれば、すべての電極で、カーボン負極の2.5倍である900mAh/g−Sn以上の初期充放電容量が得られている。また初期充放電効率はすべて90%以上を示している。これは、ここで作成した錫電極が、満充放電条件下において、錫の理論容量に近い放電容量が得られることを示している。
銅箔については、その表面粗さや熱処理が初期充放電容量、初期充放電効率に影響を及ぼさないことを示している。
一方、錫めっき電極のサイクル特性については、非熱処理電極については銅箔の表面粗さに関係なく大きく放電容量が低下する。これに対して熱処理電極では、粗い表面の電解銅箔の場合放電容量が低下しないのに対し、平滑な表面の圧延銅箔の場合はサイクルに伴って放電容量が低下している。
熱処理によりサイクル特性が改善される理由として、めっき層内に錫−銅合金の多層構造が形成され、活物質と銅箔の密着性が向上したためとしている。
すなわち、
(1)主たる活物質が、リチウム不活性な銅を活物質内に含有するCuSn、CuSnに変化することで、リチウムと反応する際の活物質の膨張収縮量が低減される。
(2)錫と銅の比率が段階的に変化する傾斜−多層構造であるため、電極内の各層間での膨張収縮量の差が、非熱処理電極の錫と銅箔の界面と比較して小さくなる。
という二つの効果が、充放電時の活物質の膨張収縮によって電極内の各層界面に生じる応力を緩和し、各層の界面における剥離を抑制する、と考えられるとしている。
しかし、電解銅箔上に錫をめっきした後、熱処理した負極に、現行のLiCoO正極を組み合わせた6mAh級ラミネートタイプ電池を作成し、その特性を検討した結果では、小型電池のサイクル特性では、20サイクル間までは優れたサイクル特性を示し、リチウムイオン二次電池として機能することが確認されたが、20サイクル以降で容量が低下する。これは実用的な電池としては、性能未達成であると考えられる。
また、特許文献1には、負極集電体である銅箔に、Snめっき膜を形成し、その後Snの酸化膜を形成する。この酸化膜を形成するときにSn皮膜のすべてを酸化膜としないで銅箔側に一部Snを残し、さらに酸化膜には、膜厚方向に垂直に極めて微細な孔を無数に形成する技術が開示されている。
また、特許文献2には、集電体箔上に粗化処理、スパッタによるSnCu成膜、湿式めっきによるSnCu成膜をこの順で行い、また、粗化処理とスパッタによるSnCu成膜の間にNiCr層を成膜する場合には、粗化処理、スパッタによるNiCr層成膜、スパッタによるSnCu成膜、湿式めっきによるSnCu成膜の順で行う、技術が開示されている。
三洋電機技報,Vol.34,No.1,pp.87−93(2002) 特開2007−087789号公報 特開2007−273381号公報
しかし、電解銅箔上に錫をめっきした後、熱処理した負極に、現行のLiCoO正極を組み合わせたリチウムイオン電池では、初期段階では優れたサイクル特性を示すが、一定時間使用後に容量低下をおこし、実用的な電池としては性能未達成である。
また、負極集電体である銅箔に、負極活物質としてめっきにより錫皮膜を形成しただけでは、電池として充放電のサイクルを繰り返すと、めっきの仕方によっては急激に錫膜に亀裂が入り微粉化して脱落してしまう現象が現れる。
そこで、本発明の目的(解決しようとする課題)は、かかる問題点を解消し、長期に亘り充放電サイクル容量が低下しない、優れたリチウムイオン二次電池負極用の銅箔を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の銅箔は、銅箔又は銅合金箔からなる負極集電体に負極活物質となる錫又は錫合金層を形成するリチウムイオン二次電池負極用銅箔であって、前記銅箔又は銅合金箔の少なくとも一方の面にポーラスな銅又は銅合金粒子からなる銅粒子層が設けられ、該銅粒子層を銅箔表面に固着させる銅又は銅合金からなる銅めっき層が設けられているリチウムイオン二次電池負極用の銅箔である。
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、銅箔又は銅合金箔の少なくとも一方の面にポーラスな銅又は銅合金粒子からなる銅粒子層が設けられ、該銅粒子層を銅箔表面に固着させる銅又は銅合金からなる銅めっき層が設けられ、該銅めっき層の上に錫又は錫合金層が設けられているリチウムイオン二次電池用負極である。
好ましくは、前記銅箔又は銅合金箔とポーラスな銅粒子層との間に、錫の拡散を防止するニッケル又は/及びニッケル合金めっき層を設けるとよい。
本発明のリチウムイオン二次電池負極用銅箔によれば、従来のカーボン系の活物質の代わりに錫系活物質を用いていることにより、従来に比べエネルギー密度が高く、充放電サイクルを繰り返しても容量の低下が起こらない高寿命で、小型化可能なリチウムイオン二次電池を供給することができる。
以下、本発明を実施形態により詳細に説明する。
負極集電体である銅箔に、めっきなどにより錫皮膜を形成して負極活物質としただけでは、充放電のサイクルを繰り返すうちに急激に錫膜に亀裂が入り微粉化して脱落してしまうことがある。
この原因は、錫めっき負極の充放電反応機構に基づくものである。式(1)、(2)にその反応機構を示す。
22Li+22e+5Sn→Li22Sn(充電) (1)
Li22Sn→22Li+22e+5Sn(放電) (2)
このとき、錫めっき負極では、リチウム電池を充電することにより、Li22Sn反応機構のSnの金属間化合物を形成し、リチウム電池を放電することにより、金属Snに戻る。
錫めっき負極はリチウム電池の充電反応時に膨張し、放電反応時に収縮する。この膨張、収縮の著しい体積変化により、リチウム−錫金属間化合物粒子間の電気伝導性が低下する。
すなわち、負極の膨張、収縮時の体積変化により活物質である錫が微粉化すると考えられている。その結果、錫めっき負極は、充放電サイクル数が増大するに従い、放電容量の低下を起す。
本発明は負極集電体となる銅箔又は銅合金箔(以下これらを総称して銅箔ということがある)表面にポーラスな銅又は銅合金からなる銅粒子(以下これらを総称してポーラスな銅粒子ということがある)を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅又は銅合金からなる銅めっき(以下これらを総称して銅めっきまたは銅めっき層ということがある)を施した後、錫めっき又は錫合金めっき(以下これらを総称して錫めっき、又は錫合金めっきということがある)を施したことを特徴とする。
銅箔表面に設けたポーラスな銅粒子により、この上に被覆した負極となる錫めっきでは(1)式に示すリチウム電池充電反応により著しい体積膨張が起こり(2)式により体積収縮が起こっても、ポーラスな銅粒子がその体積膨張・収縮を緩和し、錫の微細化が起こり難くい作用をしている。
さらには、銅箔表面にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを施し、その上に錫めっきを施した材料を、さらに加熱することによって、前記ポーラスな銅粒子層及び前記銅めっき層中に錫を拡散せしめることにより、さらにサイクル特性の劣化を防ぐことができる。
銅箔表面にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを施し、その上に錫めっきを施した材料を加熱して錫を拡散させると、リチウム不活性な銅を活物質内に含有するポーラスなCuSn、Cu3Snに変化する。そうすることにより、(1)式に示すリチウム電池の充電反応により著しい体積膨張が起こり(2)式により体積収縮が起こってもポーラスなCuSn、Cu3Sn粒子がそれを緩和し、錫の微粉化を抑制する働きをする。
ポーラスなCuSn、Cu3Snは、電解質を介したリチウムイオンとの反応の際に、スムーズなリチウムイオンのドープ・脱ドープ(インターカレーション、デインターカレーション)を可能とし、サイクル特性の劣化を防ぐ。
また、好ましくは、銅箔両面に錫拡散を防止するニッケルめっき及び/またはニッケル合金めっき(以下これらを総称してニッケルめっきということがある)を施した後、ポーラスな銅粒子を付着させる。その理由は、以下のとおりである。
もし錫拡散を防止するニッケルめっきがない場合は、ポーラスな銅粒子上に錫めっきを施した後、加熱して錫を拡散させた場合、加熱条件によってはポーラスな銅粒子の層や銅めっきの層だけでなく銅箔表面もCuSn、Cu3Snに変化させてしまうことがある。この場合、ポーラスな銅粒子にリチウムイオンのドープ・脱ドープによる体積変化を吸収させる場合に比べ、銅箔表面のCuSn、Cu3Snの方に著しい体積膨張・体積収縮が起こり、体積膨張・収縮が緩和され難くなる。このため、銅箔両面に錫拡散を防止するニッケルめっき層を設ける。ニッケルめっき層を施すことにより、ポーラスな銅粒子がポーラスなCuSn、Cu3Sn粒子に変化し、銅箔表面はCuSn、Cu3Snに変化せず、サイクル特性の劣化をさらに抑えることができる。
集電体には、電解銅箔、圧延銅箔のいずれでも良い。また、特に高い引張強さが必要な場合には電解銅合金箔、圧延銅合金箔を使用すると良い。
集電体の少なくとも一方の面にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを施し、さらにその上に錫めっきを施すが、円筒状に巻いたリチウムイオン電池負極の場合には銅箔の両面に上記の処理を施した方が、さらに電池容量を上げることが可能となる。
ポーラスな銅粒子は、通常電気めっきで施す。粒子径は直径0.1〜5μm位が適している。これ以上大きな径を付着させると銅箔表面に固着する銅めっきを形成しても固着ができない場合があるからである。
また銅箔に錫めっきを行う方法としては、電気めっき法、無電解めっき法、またはスパッタリングのような乾式のめっき法がある。
錫金属のめっき法としては通常、SnSO4 を溶解した硫酸浴により電気めっきで行う。
錫合金めっきとしては、錫−鉄合金、錫−ニッケル合金、錫−コバルト合金等が挙げられる。
銅箔に錫拡散を防止するために設けるニッケルめっきは、通常NiSO4・6HO、NiCl・6HO等を溶解した浴により電気めっきを行う。
また、錫の拡散防止に効果的なニッケル合金めっきとしては、Ni−Co合金めっき、Ni−Fe合金めっき等が挙げられる。
以下実施例によりさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
厚さ10μmの電解銅箔:WS箔(古河サーキットフォイル株式会社商品名、両面光沢箔)を準備した。
WS箔:Y面粗さ Ra=0.29μm、Rz=1.60μm
D面粗さ Ra=0.25μm、Rz=1.45μm
注:Y面とは電解銅箔製造時に銅めっき液に接していた面、D面とはチタンドラムに接していた面をさす。
銅箔のY面にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを形成した。
ポーラスな銅粒子を付着させる条件:
硫酸銅 80g/L
硫酸 110〜160g/L
添加剤 適量
液温 30〜60℃
電流密度 10〜50A/dm2
処理時間 2〜20秒
ポーラスな銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっき条件:
硫酸銅 200g/L
硫酸 90〜130g/L
液温 30〜60℃
電流密度 10〜30A/dm2
処理時間 2〜20秒
次いで、錫めっきを行った。
錫めっき条件:
硫酸第一錫 30g/L
硫酸(98%) 110cc/L
添加剤(石原薬品株式会社製) 40cc/L
温度 18℃
電流密度 2A/dm
以上の条件により厚さ3μmのSnめっきを行い試料電極とした。
〔実施例2〕
実施例1と同様にして、WS箔のY面にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを形成した。
その後、実施例1と同様にして、錫めっきを3μm施した。さらに、真空炉中で200℃×24時間熱処理を行い試料電極とした。
〔実施例3〕
実施例1と同様にWS箔を準備し、Y面にニッケルめっきを行った。
ニッケルめっき条件
硫酸ニッケル 240〜300g/L
塩化ニッケル 40〜50g/L
ホウ酸 35〜45g/L
pH 3.8〜4.2
光沢剤 適量
温度 50〜60℃
電流密度 2〜4A/dm2
以上の条件により厚さ0.5μmのニッケルめっきを行った。この後、実施例1と同様にして、ニッケルめっき上にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを形成した。
その後、実施例1と同様にして、錫めっきを3μm施した。さらに、真空炉中で200℃×24時間熱処理を行い試料電極とした。
〔実施例4〕
厚さ10μmの圧延銅箔を準備した。
圧延銅箔:A面粗さ Ra=0.12μm,Rz=0.55μm
B面粗さ Ra=0.14μm,Rz=0.60μm
注:コイル状に巻かれた圧延銅箔のコイル外側の面をA面、コイル内側の面をB面とした。
実施例1と同様にして、圧延銅箔のA面にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを形成した。その後、実施例1と同様にして、錫めっきを3μm施した。
〔実施例5〕
実施例1と同様にして、圧延銅箔のA面にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを形成した。
その後、実施例1と同様にして、錫めっきを3μm施した。さらに、真空炉中で200℃×24時間熱処理を行い試料電極とした。
〔実施例6〕
圧延箔を準備し、A面に厚さ0.5μmのニッケルめっきを行った。この後、実施例1と同様にして、ニッケルめっき上にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを形成した。
その後、実施例1と同様にして、錫めっきを3μm施した。さらに、真空炉中で200℃×24時間熱処理を行い試料電極とした。
〔比較例1〕
実施例1と同様にして、WS箔のY面に錫めっきを3μm施し試料電極とした。
〔比較例2〕
実施例1と同様にして、WS箔のY面に錫めっきを3μm施した。さらに、真空炉中で200℃×24時間熱処理を行い試料電極とした。
〔比較例3〕
実施例1と同様にして、圧延銅箔のA面に錫めっきを3μm施し試料電極とした。
〔比較例4〕
実施例1と同様にして、圧延銅箔のA面に錫めっきを3μm施した。さらに、真空炉中で200℃×24時間熱処理を行い試料電極とした。
〔充放電サイクル特性の測定〕
充放電サイクル特性は、電解液として1mol/dmLiN(CFSO/EC+DEC(1:1)、対極に金属リチウムを用い、セパレ−ターを介して実施例1〜6及び比較例1〜4の負極を配置し、ドライルーム中でCR2032型コイン電池を作成し、25℃の恒温槽中、0〜1Vvs.Li/Li+の電圧範囲で測定した。
1サイクル目は、0.1mA/cmで充放電を行い、2サイクル目以降は、0.2mA/cmで充放電を行った。
表1に10サイクル時点、20サイクル時点、及び30サイクル時点の放電容量維持率を示した。
Figure 0005117213
実施例1、実施例4と比較例1、比較例4が対応する。
実施例1と実施例4は電解銅箔と圧延銅箔を使用しているが、ポーラスな銅粒子上に錫めっきを施しているという点で、負極構造は同じである。従って両者の放電容量維持率にはほとんど差は見られない。
これに対して、比較例1、比較例4は電解銅箔と圧延銅箔を使用しているが、いずれもポーラスな銅粒子を施さず、錫めっきを施している。両者の放電容量維持率は、放電容量維持率の点で、実施例1と実施例4に劣る。
実施例1と実施例4は、(1)式に示すリチウム充電反応により錫に著しい体積膨張が起こり(2)式により錫に体積収縮が起こってもポーラスな銅粒子により吸収され、放電容量維持率が比較例1及び比較例4に比較し、向上していると考えられる。
実施例2、実施例5と比較例2、比較例5が対応する。
実施例2と実施例5は電解銅箔と圧延銅箔を使用しているが、ポーラスな銅粒子上に錫めっきを施し、加熱処理を行っている。負極構造は同じであり、両者の放電容量維持率はともに良好であり、実施例2と実施例5でほとんど差は見られない。
比較例2、比較例5は電解銅箔と圧延銅箔を使用しているが、いずれもポーラスな銅粒子を施さず、錫めっきを施し、加熱処理を行っている。両者の放電容量維持率は、放電容量維持率の点で、実施例1と実施例4に劣る。
これは、微細な銅粒子上に錫めっきを施した後、加熱して錫を拡散させる。そうすると、リチウム不活性な銅を活物質内に含有するポーラスなCuSn、Cu3Snに変化する。そうすることにより、(1)式に示すリチウム充電反応により錫に著しい体積膨張が起こり(2)式により錫に体積収縮が起こってもポーラスなCuSn、Cu3Sn粒子がそれを緩和し、錫の微細化が起こり難いと考えられる。
実施例3、実施例6と比較例3、比較例6が対応する。
実施例3と実施例6は電解銅箔と圧延銅箔を使用しているが、銅箔上にニッケルめっきを行ってから、ポーラスな銅粒子を施し、さらにその上に錫めっきを施し、加熱処理を行っている。負極構造は同じであり、両者の放電容量維持率はともに本実施例、比較例で最も良好であり、30サイクル後でも放電維持率は良好であった。また、実施例3と実施例6でほとんど差は見られない。
銅箔上にニッケルめっき、微細な銅粒子上に錫めっきを施した構造で、加熱して錫を拡散させた場合、銅粒子はポーラスなCuSn、Cu3Snに変化するが、ニッケルめっきが錫の拡散を防止するバリヤーとなって、銅箔と錫は合金を作らない。従って、錫はポーラスな銅粒子と合金を作るだけで、銅箔とは合金を作らないので、最も放電容量維持率が高くなると考えられる。
比較例2、比較例5は電解銅箔と圧延銅箔を使用しているが、いずれもポーラスな銅粒子を施さず、ニッケルめっきを施した後、錫めっきを施し、加熱処理を行っている。両者の放電容量維持率は、放電容量維持率の点で、実施例1と実施例4に大幅に劣る。
これは、ニッケルめっきが錫の拡散を防止するバリヤーとなって、加熱処理しても錫が銅箔側に拡散されず、負極としては比較例1と比較例4と同様になっており、放電容量維持率も比較例1と比較例4と大差がない。
以上のように、銅箔又は銅合金箔の少なくとも一方の面にポーラスな銅粒子を付着させ、該銅粒子を銅箔表面に固着させる銅めっきを形成した後、錫めっきを施すこと、さらにそれを熱処理すること、またポーラスな銅粒子を付着させる前に錫拡散を防止するニッケルめっきを施した負極は、放電容量維持率を飛躍的に高めることが可能である。
本発明のリチウムイオン二次電池負極用銅箔によれば、エネルギー密度が高く、充放電サイクルを繰り返しても容量の低下が起こらない高寿命で、小型化可能なリチウムイオン二次電池を供給することができる。

Claims (5)

  1. 銅箔又は銅合金箔からなる負極集電体に負極活物質となる錫又は錫合金層を形成するリチウムイオン二次電池負極用銅箔であって、前記銅箔又は銅合金箔の少なくとも一方の面にポーラスな銅又は銅合金粒子からなる銅粒子層が設けられ、該銅粒子層を銅箔表面に固着させる銅又は銅合金からなる銅めっき層が設けられているリチウムイオン二次電池負極用銅箔。
  2. 前記銅箔又は銅合金箔とポーラスな銅粒子層との間に、錫拡散を防止するニッケル又はニッケル合金めっき層が設けられている請求項1に記載のリチウムイオン二次電池負極用銅箔。
  3. 銅箔又は銅合金箔の少なくとも一方の面にポーラスな銅又は銅合金粒子からなる銅粒子層が設けられ、該銅粒子層を銅箔表面に固着させる銅又は銅合金からなる銅めっき層が設けられ、該銅めっき層の上に錫又は錫合金層が設けられているリチウムイオン二次電池用負極
  4. 銅箔又は銅合金箔の少なくとも一方の面にポーラスな銅又は銅合金粒子からなる銅粒子層が設けられ、該銅粒子層を銅箔表面に固着させる銅又は銅合金からなる銅めっき層が設けられ、該銅めっき層上に錫又は錫合金層が設けられ、該錫又は錫合金の少なくとも一部が前記銅粒子層又は/及び前記銅めっき層に拡散されていることを特徴とするリチウムイオン二次電池用負極
  5. 前記銅箔又は銅合金箔とポーラスな銅粒子層との間に、錫拡散を防止するニッケル又はニッケル合金めっき層を設けてなる請求項3または4に記載のリチウムイオン二次電池用負極
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