JP5116138B2 - カード処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カード状の情報記録媒体に対して、情報の書込み処理や情報の読取り処理を実行するカード処理装置に関し、詳細には、排出されるカードの落下防止動作が行えるカード処理装置に関する。
通常、上記したカード処理装置は、カードが挿入されるカード挿入口(以下、挿入口と称する)と、挿入口に挿入されたカードを所定の処理位置まで搬送する搬送機構とを備えている。このようなカード処理装置では、挿入口から挿入されたカードの情報を読取った後、再びカードを挿入口に向けて返却することがある。或いは、装置本体内に複数枚のカードを収納可能なストック部を設置しておき、ユーザの外部操作によって、ストック部に収納されているカードに所定の情報を書き込んで挿入口から発行することもある。
このようなカード処理装置では、カード発行時にユーザに迷惑をかけないように、カードを挿入口から排出する際、カードが落下することなく挿入口部分に保持できるにした落下防止装置を設けることがある(例えば、特許文献1参照)。
この特許文献1に開示されている落下防止装置では、押し込み部材(カードを排出する移動手段を構成する)を挿入口方向へ付勢する引張コイルばねの引張力の方が、押し込み部材を取込む方向へ付勢する引張コイルばねの引張力よりも大きく設定されている。すなわち、カードの排出時には、押し込み部材は排出方向へ移動するが、基台のシリンダ部の底部に、押し込み部材のピストン部が当接していることにより密閉状態となって、わずかに空気抜き孔が設けられた状態となる。このため、押し込み部材が引張コイルばねの引張力と反対方向へ作用するようになり、押し込み部材が挿入口方向へ急激に移動することがなくなって、カードが挿入口から誤って落下することを防止できるようになっている。
特開2001−291063号
上記した特許文献1に開示されているカード処理装置は、カードを挿入口側に向けて徐々に移動させるようにしており、挿入口からカードを落下させないためには、ある程度、挿入口内部でカード長さが長い状態でカードを保持させる必要がある。このため、カードを保持しておくためのスペース(カード搬送方向における長さ)が必要となり、カード処理装置全体が大型化するという問題がある。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、装置本体の小型化が図れるカード処理装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載されたカード処理装置は、カードが挿入される挿入口と、前記カードが搬送される搬送路と、前記挿入口に挿入されたカードを搬送する搬送機構と、前記搬送路の下流側に設置され、挿入されるカードを積層状態で収納可能なストック部と、前記ストック部にカードを収納させる収納駆動機構とを備え、前記収納駆動機構は、前記挿入口と搬送機構との間に位置し、前記カードを搬送路に保持する保持部である前記搬送路から突没可能な第1突没部と、前記ストック部側に位置し前記搬送路から突没可能な第2突没部とを具備し、支軸を介して揺動可能に支持された揺動部材を備えており、前記揺動部材は、前記挿入口から挿入されたカードが前記第1突没部を押圧することで前記第2突没部が前記ストック部に収納されたカードを押し上げ可能であることを特徴とする。
上記した構成のカード処理装置によれば、挿入口からカードが排出される際、挿入口と搬送機構との間に設置された保持部によってカードは搬送路に保持された状態となる。このため、挿入口からのカードの落下が防止されると共に、挿入口と搬送機構との間に設置された保持部により、搬送路に保持されるカードを挿入口位置で保持でき、カードを内部に保持するスペースを考慮することなく、カード落下防止が可能となり、装置本体を小型化することが可能となる。また、上記した構成のカード処理装置によれば、挿入口にカードを挿入すると、揺動部材の第1突没部が押圧され、これによって第2突没部が上昇して、その上方に位置しているストック部に収納されているカードが押し上げられ、搬入されるカードを新たにストック部内に積層収納することが可能になる。このように、カードの搬送動作に伴って揺動部材を揺動させるだけでカードをストック部に積層収納することが可能になるため、従来のようにモータやカムなどの駆動部品や電装部品を設けることなく収納駆動機構の構造が簡略化される。従って、駆動部品の故障などによって、カードのストック部への収納動作が不安定になることも抑制される。
また、請求項2に係る発明においては、前記保持部は、カード搬送方向に向けて次第に上昇する傾斜面を有することを特徴とする。
上記した構成のカード処理装置によれば、カードを保持する保持部に傾斜面を形成することで、保持部を通過するカードの移動をスムーズにすることができ、カードの排出動作が行い易くなる。この場合、カードを挿入口から挿入する構成であれば、傾斜面は、挿入口側に形成されていても良い。
また、請求項3に係る発明においては、前記保持部には、搬送されるカードが摺接するように、ローラが回転可能に支持されていることを特徴とする。
上記した構成のカード処理装置によれば、カードを保持する保持部に回転可能なローラを設置したことで、カードの排出動作がよりスムーズになると共に、カードに対する接触抵抗が軽減され、カードに対する傷付きを効果的に防止することが可能になる。
また、請求項4に係る発明においては、前記ローラには、搬送されるカード表面の一部が接触しないように、小径部が形成されていることを特徴とする。
上記した構成のカード処理装置によれば、回転可能なローラに小径部を形成しておくことで、カードが搬送される際、小径部の領域で部分的にカード表面が接触しないようにすることが可能となる。すなわち、カードの表面には、予め定められた位置に氏名を記入する欄を設けることがあり、小径部がないローラでは、名前部分が擦れて消えてしまうことも有り得るが、小径部を設けておくことで、擦れによって氏名が消えないように保護することが可能になる。
本発明によれば、装置本体を小型化したカード処理装置が得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るカード処理装置の一実施形態について説明する。なお、本実施形態におけるカード処理装置は、主に、パチンコホール等の遊技場における遊技媒体貸出機に設置されるものとして適した構成となっている。すなわち、本実施形態のカード処理装置は、金額情報が記載されたカード(プリペイドカード)を挿入することで、金額情報の読取り、書換えが行われると共に、金額情報が書き換えられたカードの返却、或いは金額が0になった際の回収、及び、金額を投入することで、予めストックされているカードに金額情報を書き込んで、その発行(プリペイドカードの発行)が可能な構成となっている。
図1から図6は、カード処理装置の構成を示す図であり、図1は、全体構成を示す平面図、図2は、図1に示す状態からストック部を開放した状態を示す図、図3は、図2に示す状態から基板装着フレームを取り外した状態を示す図であり、カード搬送路の構成を示す図、図4は、図3に示すカード挿入口部分の拡大図、そして、図5は、カード処理装置を裏側から見た図である。
本実施形態のカード処理装置1は、例えば、パチンコ機やスロットマシン等の各種の遊技機間に設置される遊技媒体貸出装置(図示せず)に組み込み可能に構成されている。この場合、遊技媒体貸出装置には、カード処理装置1の上側又は下側に他の装置(例えば、紙幣処理装置や電源装置など)を設置しておいても良く、カード処理装置1は、これら他の装置と一体化されていたり、別個に構成されていても良い。そして、このようなカード処理装置1は、上記したようなプリペイドカードの読取り処理、返却処理/回収処理が実行されると共に、図示されていない紙幣処理装置に紙幣が投入されることで、プリペイドカードの発行処理が可能となっている。
カード処理装置1は、略直方体状に形成されたフレーム2を備えており、このフレーム2が図示されていない遊技媒体貸出装置の係止部に装着される。フレーム2は、装置本体を構成する本体フレーム2Aと、本体フレーム2Aのカード搬送下流側に設置され、複数枚のカードを積層して収納するストック部2Bと、カード搬送上流側に設置され、装置全体を制御する制御基板200を装着した基板装着フレーム2Cを有している。なお、図1は、制御基板200を露出させた状態を示しているが、実際には、図示されていないカバーにより、制御基板200はカバーされた状態となる。
前記ストック部2Bは、図1及び図2に示すように、本体フレーム2Aに対して、基部を回動中心として開閉されるように構成されており、基板装着フレーム2Cは、前記制御基板200を装着する以外に、後述する搬送機構を構成するローラ22,23及び搬送ベルト25に当接する複数のピンチローラ101,102等を回転可能に保持している。なお、ピンチローラ101の支軸とピンチローラ102の支軸との間には、ねじりバネ110が設置されており、ピンチローラ101及び102を、ローラ22,23及び搬送ベルト25側に向けて付勢している。
前記本体フレーム2Aは、略直方体形状を有しており、その中央には、長手方向に延出してカードが搬送される搬送路3が形成されている。この搬送路3には、図4に示すように、カードPCが搬送されるようになっており、前記ストック部2Bが本体フレーム2Aに対して閉じられ、かつ基板装着フレーム2Cが本体フレーム2Aに止着されることで、カードが搬送される隙間を形成して搬送路3が形成される。従って、この搬送路3は、通常は外部に露出しないようになっている。
そして、本体フレーム2Aと基板装着フレーム2Cには、前記搬送路3に一致するようにして、夫々カード搬入部3A,3Bが形成されている。これらカード搬入部3A,3Bは、本体フレーム2Aに対して、ストック部2Bが閉じられ、かつ基板装着フレーム2Cが装着された際、スリット状のカード挿入口4を形成する。図1に示すように、カードPCは、スリット状の挿入口4に対して矢印A方向に沿って内部に挿入される。なお、カード搬入部3A,3Bには、挿入口4から挿入されるカードの両サイドを規制する規制壁3Dが形成されており、カードは規制壁3Dによって位置決めされた状態で搬送路3に案内される。
前記ストック部2Bは、カード挿入口4から搬送路3に搬入されたカードをストックする機能を備えており、搬送路3を移動するカードは、ストック部の下側から順に上積みされるように収納される。なお、ストック部2Bの具体的な構成、及び動作については後述する。
ストック部2Bの先端側には、本体フレーム2Aに係止可能なロックシャフト6が配設されている。このロックシャフト6は、付勢バネ等によって後方側に向けて付勢されており、カード挿入口4側(矢印B方向)に向けて引くことで、ストック部2Bと本体フレーム2Aのロック状態(両者が閉じた状態)が解除され、ストック部2Bは開いた状態となる(図2参照)。
前記本体フレーム2Aには、カードの追加投入を阻止するシャッタ機構、カードを搬送する搬送機構、搬送路3を移動するカードを前記ストック部2Bに収納させる収納駆動機構、カードを挿入口4から排出する際、カードを保持して落下を防止する落下防止機構等が設置されている。
以下、本体フレーム2Aに設置される各種駆動機構の構成、及び動作について詳細に説明する。
[シャッタ機構について]
本体フレーム2Aには、カードの処理中に、ユーザが誤ってカードの追加投入を防止するシャッタ機構10が設置されている。このシャッタ機構10の構成について、上記した図1から図5、及び図6から図11を参照して説明する。なお、図6は、図5の主要部の拡大図、図7は、シャッタ機構を構成する揺動部材(第1揺動部材)の構成を示す斜視図、図8から図11は、カードが挿入口から移動する際の揺動部材の動作を順に示す図である。
シャッタ機構10は、本体フレーム2Aに対して、支軸11を介して揺動可能に支持される揺動部材12を有している。本実施形態の揺動部材12は、搬送路3の一方のサイド壁側に揺動可能に支持されており、カード搬送方向に延出して、弾性変形可能となるように合成樹脂材で一体形成されている。なお、前記支軸11は、中央よりやや後方側において揺動部材12と共に一体形成されている。
揺動部材12は、本体フレーム2Aの搬送路3の裏面側に突出された受部2aに対し、前記支軸11が設置され、その上から略M字形状のカバー13が設置されることで、本体フレーム2Aに対して揺動可能に支持される。すなわち、揺動部材12は、簡単な操作によって、本体フレーム2Aに対して着脱可能になっていると共に、上記した略M字形状のカバー13により、揺動部材に対する負荷を軽減することが可能になる。
また、揺動部材12には、一端側に前記挿入口4を閉塞可能にする閉塞部12cが、他端側に前記搬送路3から突没可能な突没部12dが一体的に形成されている。前記閉塞部12cは、図3に示すように、本体フレーム2Aの挿入口4の近傍(カード搬入部3Aの領域)に形成された開口2bから突没可能となっており、前記突没部12dは、前記ストック部2Bの前端側に形成された開口2cから突没可能となっている。
前記揺動部材12は、閉塞部12cが常時挿入口4を開口するように(閉塞部12cが開口2b内に没している状態)支持されており、この状態で、他端側の突没部12dは搬送路3の表面から突出している。このような状態が得られるように、揺動部材12は、支軸11よりも前方側で、本体フレーム2Aの裏面との間に押圧バネ14を介在させており、閉塞部12cを、常時開口2b内に没する方向に付勢している。この押圧バネ14は、揺動部材12に穴を形成し、その穴内に保持された状態となる。
また、揺動部材12の挿入口側は、カードの搬送方向に沿って湾曲可能となっており、搬送路3を移動するカードの先端側が突没部12dを押圧した際、揺動部材12が湾曲した状態で閉塞部12cがカードの後端側の表面に当接するようになっている。すなわち、揺動部材12が湾曲することにより、閉塞部12cが移動するカードに当接しても、カードに大きな負荷を加えることがなくなって、カードを傷付けたり、カード搬送時に抵抗となることが防止される。
この場合、閉塞部12cが移動するカードに当接した際、揺動部材12がより湾曲し易いように、揺動部材12には切欠凹所12eが形成されている。この切欠凹所12eは、支持部11よりも前側で本体フレーム2A側の表面に、軸方向に対して直交する方向で所定の深さで形成されており、閉塞部12c側が下方へ湾曲し易いようにしている。すなわち、切欠凹所12eを支点として閉塞部12cを含む前方側は、閉塞部12cの頂部がカードの表面に当接した際、開口2bに没する方向に容易に湾曲できるようになっている。なお、揺動部材12を湾曲させるための手段として、上記した切欠凹所12eを形成する以外にも、例えば、揺動部材12の前方側を、たわみ易い素材で形成する等しても良い。
これにより、揺動部材12は、両端に形成されている閉塞部12c及び突没部12dを同時にカード表面に当接させることが可能となり、図8から図11に示すように、カードの搬送方向長さよりも短く形成することが可能となる。
また、前記閉塞部12cは、図7に示すように、側面視で略直角三角形状に形成されており、搬送路3に対して略直角に立ち上がるカード挿入阻止面12c´と、挿入口4側に向けて上昇する傾斜面12c´´とを有している。すなわち、このような形状により、挿入口4の閉塞時には、確実にカードの追加投入を阻止し、かつカードを内部側から排出する際には、スムーズなカードの移動を実現し、閉塞部12cによって妨げられないようになっている。
なお、カード挿入阻止面12c´は、図7の拡大図に示すように、カードPCが当て付いた際、揺動部材12が上方に移動できるよう、所定角度(θ=5°程度)傾斜させておくことが好ましい。このような傾斜を形成しておくことで、カードPCが当て付いた際、揺動部材12が閉塞方向となる上方(矢印方向)にシフトするため、カードの追加投入を確実に防止することが可能となる。
また、前記突没部12dには、図7に示すように、側面視で略三角形状に形成された傾斜面12d´が形成されている。すなわち、このような形状により、いずれの方向にカードが移動しても、スムーズな移動を実現し、突没部12dにカードが引っ掛からないようになっている。
さらに、本実施形態では、図8から図11に示すように、本体フレーム2Aの搬送路3の裏面側に、前記閉塞部12cの基部12fが当て付く当接部2fが形成されている。この当接部2fは、閉塞部12cが搬送路3に突出した際、閉塞部12cに対して内部側から当接可能となるように設けられており、これにより、閉塞時における閉塞部12cの強度を向上させている。
次に、上記したシャッタ機構10を構成する揺動部材12の動作について、図8から図11を参照して説明する。
最初、初期状態では、上述したシャッタ機構10の揺動部材12は、支軸11を中心として、閉塞部12cが搬送路3から没した状態となっている。この状態は、支軸11の支持位置、及び押圧バネ14の付勢力によって維持されている。この状態で、挿入口4からカードPCを挿入すると、図4に示した搬送路3に設置されるカード検知センサ(第1センサ)15Aがこれを検知し、後述する搬送機構を構成する駆動モータが回転駆動され、カードPCは搬送ベルト25によって内部に搬送される。
そして、前記第1センサ15Aによって、搬入されるカードPCの後端の通過が検知された段階で、搬送機構は駆動停止され、カードPCは一旦停止される。図4は、カードPCが停止された状態を示しており、この位置(情報処理位置)において、図示されていないリーダライタが駆動され、カードPCに対して情報の読取り処理/書換え処理が実行される。
図9に示すように、カードPCが第1センサ15Aを通過し、搬送機構によって前記情報処理位置に搬送される際、カードPCの先端は、搬送路3の開口2cから突出している揺動部材12の突没部12dに係合する。上記したように突没部12dには、図7に示したように傾斜面12d´が形成されているため、カードPCは、突没部12dを下方にシフトさせながら更に内部に搬送される。
この際、揺動部材12は、突没部12dの押下げによって、図9に示すように、閉塞部12cが上昇し、搬送中のカードPCに当接するが、上記したように揺動部材12は、カードPCの搬送方向に沿って湾曲可能となっており、揺動部材12が湾曲した状態で閉塞部12cがカードの後端側の表面に当接する。上記したように、揺動部材12は、切欠凹所12eによって閉塞部12c側が下方へ湾曲し易いようになっており、かつ押圧バネ14の付勢力によって下側に付勢されているため、閉塞部12cが、移動するカードPCに当接しても、カードに大きな負荷を加えることはなく、カードPCを傷付けたり、カード搬送時に大きな抵抗となることはない。
そして、カードPCが更に内部に搬入され、上記したようにカードの後端が第1センサ15Aを通過して情報処理位置に搬送されると、湾曲した状態にあった閉塞部12cは、図10に示すように、揺動部材12の突没部12dの押し下げによって上昇し、挿入口4を閉塞する。すなわち、カードPCが情報処理位置まで搬入されると、上記したシャッタ機構を構成する揺動部材12によって、追加のカードを投入することが阻止された状態となる。
図10に示すシャッタ閉塞状態において、上述したように、閉塞部12cの基部12fは、本体フレーム2の搬送路3の裏面側に設けられた当接部2fに当接しているため、シャッタ閉塞時における閉塞部12cの強度が向上している。すなわち、矢印A方向から追加のカードを投入しようとしても、閉塞部12cは当接部2fに当接して補強された状態にあるため、閉塞強度が向上し、追加のカードの投入を確実に阻止することができる。
そして、カードPCが、後述するストック部2Bに回収される場合、更に奥側に向けて搬送され、図11に示すストック位置に搬送される。このとき、カードPCの後端は、突没部12dから外れ、これにより、突没部12dは上昇し、反対側の閉塞部12cは搬送路3から没した状態となって、挿入口4を常時、開口する状態となる。もちろん、カードPCが、搬送機構によってユーザにそのまま返却された後においても、シャッタ機構10の揺動部材12は、図11に示した状態となり、新たなカードが挿入できるように、挿入口4は開口した状態に維持される。
なお、本体フレーム2Aの搬送路3には、前記第1センサ15Aの下流側に第2センサ15Bが設置されており、カードの状況(搬送状態や方向)を検知するようにしている。また、本体フレーム2Aの裏面には、前記揺動部材12の動作を検出する第3センサ15Cが設置されており、リードライト動作の終了、及び後述するストック部2Bに対するカードPCの移送完了を検知するようにしている。この場合、第1センサ15A及び第2センサ15Bは、公知のように、カードの通過を検知する発光部と受光部を備えた構成となっており、第3センサ15Cは、前記揺動部材12の突没部12dの近傍に設置され、突没部12dが上下動した際の動作を検知する発光部と受光部を備えた構成となっている。
上記したシャッタ機構10によれば、挿入口4にカードPCを挿入し、それが搬送機構によって搬送されると、カード先端側が突没部12dに係合して揺動部材12を揺動させる。この揺動部材12の揺動により、挿入口側に形成されている閉塞部12cが挿入口4を閉塞するため、カードPCの処理動作中に、新たなカードの追加挿入が防止される状態となる。また、搬送されるカードの後端が挿入口4を通過する前に、前記閉塞部12cが挿入口4を閉塞する方向に移動して、搬送されるカードPCの表面に当接しても、上記したように、揺動部材12が湾曲できるように構成されていることから、閉塞部12cが当接する際の当接力が緩和され、カード表面に傷を付けることが無くなる。特に、揺動部材12に、切欠凹部12eを形成したことにより、揺動部材をより湾曲させ易くすることが可能となり、閉塞部12cのカードに対する当接力を、より確実に緩和することができ、カードの表面の傷付きを確実に防止することが可能になる。
これにより、揺動部材12の搬送方向の長さを、カードの搬送方向長さに基づいて調整する必要が無くなって、装置本体を小型化することが可能になる。具体的には、揺動部材12を、カードの搬送方向長さよりも短く設定することが可能となり、その分、装置本体を小型化することが可能になる。
なお、図4に示すように、搬送路3の表面には、閉塞部12cのサイドで前方側に、壁状のリブ80が突出形成されている。このようなリブを形成しておくことで、搬送路3の隙間に対してカードの厚さが薄くても、カードの重複投入を確実に防止することが可能となる。
[搬送機構について]
本体フレーム2Aには、挿入口4に挿入されたカードを装置内部に向けて搬送する搬送機構20が設置されている。この搬送機構の構成について、上記した図1から図5、及び図12から図15を参照して説明する。なお、図12は、ローラの構成を示す図、図13は、搬送機構を構成するローラを回転可能に保持する固定部材の拡大斜視図、図14は、一対の固定部材にローラを保持した状態を示す図、そして、図15(a)(b)は、それぞれ中心軸保持部の位置を変形した固定部材を示す図である。
本実施形態の搬送機構20は、挿入口4から挿入されたカードを挿入方向Aに沿って搬送可能であると共に、装置本体の内部に位置するカードを挿入口4側に向けて搬送可能に構成されている。搬送機構20は、本体フレーム2Aに設置された駆動源である駆動モータ21(図5参照)と、この駆動モータ21によって回転駆動され、搬送路3の表面に露出して搬送方向に沿って延出する搬送ベルト25を備えている。
前記搬送ベルト25は、前記駆動モータ21によって回転駆動される駆動軸22aに設置される回転ローラ22と、搬送路3に沿って所定間隔をおいて設置されるローラ23に巻回されており、その表面が搬送路3上に露出し、カードを載置した状態で搬送する機能を有する。なお、前記ローラ23は、図3に示すように、本体フレーム2の搬送路3の略中央領域において、搬送方向に沿って所定間隔おいて4箇所設置されている。
前記回転ローラ22は、図5に示すように、カード搬送方向に対して直交する方向で本体フレーム2Aに回転可能に支持される駆動軸22aの中央部に設けられており、駆動軸22aは、その端部に固定されたギヤ22bが、駆動モータ21の出力軸に固定された出力ギヤ21aと噛合することで回転駆動される。
また、前記ローラ23は、固定部材24に回転可能に保持された状態で、搬送路3の所定の位置に設置される。以下、図12から図14を参照して、ローラ23及び固定部材24の構成について説明する。
前記ローラ23は、POM等の合成樹脂によって一体成形されており、図12(a)に示すように、搬送ベルト25が巻回される円柱部23aと、円柱部23aの両サイドの中心部に突出する中心軸23bを備えており、カードの幅方向よりも短く形成されている。なお、ローラ23については、図12(b)に示すように、円柱部23Aと中心軸23Bによる2ピース構造としても良い。すなわち、両者をPOM等の合成樹脂により一体形成し、円柱部23Aに形成した中心孔23Cに対して中心軸23Bを嵌合してローラ23を構成することで、ローラ23の回転をスムーズにすることが可能になる。
また、固定部材24は、ローラ23と同様、POM等の合成樹脂等によって一体形成されており、図13及び図14に示すように、前記したローラ23の中心軸23bを回転可能に保持し、かつ、ローラ23を保持した状態で本体フレーム2Aにワンタッチで設置できるように構成されている。具体的に、固定部材24は、予め搬送路3の表面部に形成される凹所3aに嵌入して固定されるようになっており、略直方体形状に形成され、前記ローラ23の中心軸23bを回転可能に保持する中心軸保持部24aが形成された本体24Aと、この本体24Aに対して弾性変形可能に一体化される略U字形状の変形部24Bとを備えている。
前記変形部24Bは、図13において、矢印方向D1に弾性変形可能となっており、その外側壁の表面には、抜け止め用フランジ24bが一体形成されている。また、前記本体24Aに形成された中心軸保持部(保持穴)24aは、前記変形部24Bの内側壁によって閉塞された状態となっている。
そして、図14に示すように、上記した構成の固定部材24を一対準備し、各固定部材24の本体部24Aに形成された中心軸保持部(保持穴)24aに、ローラ23の両側の中心軸23bを挿入し、この組み付け状態で、各固定部材24を搬送路3の凹所3aに嵌入(圧入)する。上記したように、搬送路3には、予め所定の位置に、固定部材24が圧入できる凹所3a、並びに保持したローラ23が位置する凹所が形成されており、本体部に形成された変形部24Bを、ローラ中心側(図14矢印D1方向)に撓みながら固定部材24を嵌入する。この嵌入操作において、最終的に抜け止め用フランジ24bが凹所3aのエッジを乗り越えて変形部24Bが初期位置に戻ることで、固定部材24は、抜け止め用フランジ24bによって凹所3aに抜け止め保持された状態となる。
上記した構成によれば、搬送機構を構成するローラ23は、固定部材24に保持した状態で、それを本体フレーム2Aのカード搬送路に形成される凹所(設置部)3aにワンタッチ(単なる圧入操作)で装着することが可能となり、ローラ23の本体フレーム2Aに対する組み付けが容易になり、製造コストを低減することが可能になる。
特に、本実施形態の構成では、固定部材24は、弾性変形可能な変形部24Bを備えており、固定部材24は、その変形部24Bがローラの中心軸方向に沿った方向(図13、図14矢印D1方向)に力が加わるように固定されるようになっている。この力が加わる方向D1は、ローラ23が回転する方向(カードが搬送される方向A)と直交する方向となっているため、ローラ23の回転に伴って固定部材24が変動し難くなり、固定部材24の固定状態が強固となる。すなわち、カード搬送方向(A方向)にローラ23がぶれることが抑制され、安定したカード搬送が実現できる。
また、上記した構成では、ローラ23を一対の固定部材24間に保持し、夫々の固定部材24を取り外すための各変形部24Bの弾性変形する方向D1を、図14に示すようにローラ中心方向としている。このため、一対の固定部材24の変形部24Bを、互いに摘むようにして弾性変形させることで、各一対の固定部材24を本体フレーム2Aから取り外すことが可能となり、メンテナンス性の向上が図れる。
また、上記した構成では、固定部材24は、ローラ23の中心軸23bを回転可能に設置する中心軸保持部24aを有しているため、この位置を変更するだけで、ローラの高さ方向の位置調整が行えるようになる。すなわち、図15(a)(b)に示すように、中心軸保持部24aの位置を変更した固定部材24を複数種類準備し、これを本体フレーム2Aに設置するだけの簡単な作業でローラ23の位置を調整することが可能になる。これにより、ローラ23の位置調整が容易になり、メンテナンス性の向上が図れる。
上記した構成のローラ23及び固定部材24は、ローラ23(円柱部23a)の直径Dを、固定部材24の大きさ、具体的には、圧入方向となる高さHよりも大きく形成しておくことが好ましい。
両者をこのような大きさ関係に設定しておくことで、固定部材24にローラ23を組み付けた際、高さ方向において、ローラ23(円柱部23a)が大きくなるため、これを搬送路3に設置した際、ローラ23が搬送表面から突出し、これに巻回される搬送ベルト25の表面位置についても、固定部材24の位置よりも高くすることができる。従って、搬送路3に搬送されるカードが、固定部材24に接触することが防止でき、カードの詰まり等を確実に防止することが可能になる。
そして、図2に示したように、回転ローラ22の位置、及び挿入口側に設置されるローラ23の位置には、基板装着フレーム2Cに設置されるピンチローラ101,102が対向して配置されており、挿入口4に挿入されたカードは、ピンチローラ101,102と搬送ベルト25との間のニップ部を介して搬送されて行く。また、下流側の3つのローラ23の位置には、図2に示すように、ストック部2Bが閉じられた際、カードPCを載置する押圧プレート(押圧プレートに載置されたカード)が対向するようになっている。
[ストック部及び収納駆動機構等について]
本体フレーム2Aには、使用済みのカードを回収し、かつ、必要に応じて発行するカードを収納するストック部2B、及びストック部2Bにカードを収納するように作動する収納駆動機構40が設置されている。これらのストック部2B、及び収納駆動機構40の構成について、上記した図1から図6、及び図16から図25を参照して説明する。なお、図16は、ストック部を挿入口側から見た図、図17は、ストック部にカードを収納した状態を示す図、図18(a)は、収納駆動機構を構成する揺動部材(第2揺動部材)の構成を示す平面図、図18(b)は、その側面図、図19から図25は、カードの搬送に伴う第2揺動部材、及びストック部の作用を順に示す図である。
上記したように、ストック部2Bは、本体フレーム2Aに対して、搬送方向奥側に設置される基部に対して回動可能に配設されており、通常は、図1に示すように閉じられた状態にある。
ストック部2Bは、カードPCが、所定枚数(本実施形態では10枚程度)収納できるように箱型に形成された本体30を備えている。本体30の挿入口側の壁部(前壁)30aは、挿入口側からみて図16及び図17に示すように、略凸形状に形成されており、本体30がフレーム本体2Aに対して閉じられると、搬送路3の表面3cとの間に、カード1枚が通過できるギャップGが形成されるようになっている。前壁30aに形成される突部30bは、ストック部2B(本体30)からカードを発行する際、搬送路3の面側のカード(最上のカード)のみを排出でき、2枚目以降のカードを当て付けて発行できないようにしている。
なお、本体30内に積層収納されるカードは、最上のカードが、上記した搬送機構の搬送ベルト25に面接触した状態となっている。
前記本体30の内部には、本体30の開口30bと略同一のディメンションの押圧プレート35(図19から図25において模式的に示す)が配設されており、この押圧プレート35は、本体30の両側壁30cに設置された付勢バネ31によって、常時、搬送路側に付勢された状態となっている。この場合、押圧プレート35を押圧する付勢バネ31の押圧プレートに対する取付位置P1は、本体30の両側壁30cの長手方向(カード搬送方向)の中央位置に設定されている。このように、押圧プレート35を押圧する付勢バネ31を、両側壁30cの中央位置に設置したことにより、安定して押圧プレート35を押圧することができ、かつ本体30の内部に押圧スプリングを設置する構成と比較して、カードの収納枚数を増やすことが可能となる。
また、本体30の両側壁30cには、カードPCを落下しないように保持する爪32が長手方向に所定の間隔をおいて2個づつ設けられている。爪32は、両壁部30cの表面側に取着される矩形の金具32aの先端側をL字状に折り曲げることで形成されている。
上記した本体フレーム2Aには、挿入口から挿入されたカードが使用済みとなった際、搬送ベルト25によるカードの搬送動作と協働して、そのカードをストック部の本体30内に収納させる収納駆動機構40が設置されている。この収納駆動機構は、電気的な部品を設置することなく、カード収納時に押圧プレート35を押し上げ操作する機能を有している。以下、収納駆動機構40の構成について説明する。
収納駆動機構40は、本体フレーム2Aに対して、支軸41を介して揺動可能に支持される揺動部材42を有している(以下、上述したシャッタ機構の揺動部材12と区別するため、第2揺動部材42と称する)。本実施形態の第2揺動部材42は、図3に示すように、カード搬送方向に延出しており、上記した揺動部材12よりも搬送路3の内側(中心線側)で、搬送路3の裏面側に揺動可能に支持されている。第2揺動部材42は一体形成されており、前記支軸41は、中央よりやや後方側に設けられている。
第2揺動部材42は、図5に示すように、本体フレーム2Aの搬送路3の裏面側に突出された支持部に対して支軸41が設置され、かつその上からカバー43が設置されることで、本体フレーム2Aに対して揺動可能に支持される。すなわち、第2揺動部材42ついても揺動部材12と同様、簡単な操作によって、本体フレーム2Aに対して着脱可能となっている。
この第2揺動部材42には、挿入口4側において前記搬送路3の表面から突没可能となる第1突没部42aが、ストック部2B側において前記搬送路3の表面から突没可能となる第2突没部42bが夫々一体形成されている。前記第1突没部42aは、図3に示すように、本体フレーム2Aの挿入口4の近傍、具体的には、挿入口4と搬送機構20との間に形成された開口2gから突没可能となっており、前記第2突没部42bは、前記ストック部2Bの中心位置に形成された開口2hから突没可能となっている。
この場合、第2揺動部材42及び開口2hは、第2突没部42bが、本体30に収納されているカードPCのセンター位置P2よりもやや上流側位置に当接できるように構成されている(図17において、当接位置を仮想斜線で示してある)。このため、第2突没部42bは、図18に示すように、第1突没部42aと比較して、幅方向に広がった形状となっている。なお、図18に示すように、第2揺動部材42は、設置スペースや搬送ベルトの配設位置の関係上、中央領域で屈曲形成されているが、第2突没部42bが、前記本体30に収納されているカードPCのセンター位置P2よりもやや上流側位置に当接できれば、その形状については適宜変形可能である。
前記第1突没部42aには、カード搬送方向に向けて次第に上昇する傾斜面が形成されており、カードの移動がスムーズになるよう構成されている。本実施形態では、カードPCが挿入口4から内部に挿入され、かつ内部から挿入口4を介して排出(発行)される構成のため、第1突没部42aの両面側に、次第に搬送方向に向けて上昇する傾斜面42c,42c´が形成されている。なお、第1突没部42aは、後述するように、挿入口4から排出するカードを落下させることなく、落下防止機構としての機能を備えている。この第1突没部42a(保持部)によるカードの保持態様については後述する。
また、前記第2突没部42bにも、挿入口4側から搬入されるカードがスムーズに移動できるように、カード搬送方向に向けて次第に上昇する傾斜面42dが形成されている。傾斜面42dは、挿入口側の面に形成されており、傾斜面の頂部42eは、第2揺動部材42の揺動動作に伴って、本体30の押圧プレート35(押圧プレートにカードPCが積層収納されている場合、最上のカード)に当て付き、図20に示すように、押圧プレート35を、挿入口側が上昇して隙間ができるように傾かせる。
なお、第2揺動部材42は、通常、第1突没部42aが搬送路3の表面から突出しており、かつ第2突没部42bが、押圧プレート(又はそれに積層されるカード)に当て付いた状態で支持されている。
また、本体フレーム2Aには、前記本体30の押圧プレート35の状態を検知して、本体30内に、カードが収納されているか否かを検知する第4センサ(図示せず)が設置されている。
次に、カードの搬送に伴って、上記した第2揺動部材42及びストック部2Bの作用について、図19から図25を参照して説明する。
最初、初期状態では、収納駆動機構40の第2揺動部材42は、支軸41を中心として夫々の突没部42a,42bは、搬送路3から突出した状態となっている。第2突没部42bは、ストック部2Bの最上のカードに当接した状態となっている。
この状態で、挿入口4からカードPCを挿入すると、図4に示した搬送路3に設置されるカード検知センサ(第1センサ)15Aがこれを検知し、搬送機構を構成する駆動モータが回転駆動され、図20に示すように、カードPCは搬送ベルト25によって内部に搬送される。このとき、カードPCは、傾斜面42cを介して第1突没部42aを押下げることから、第2揺動部材42は支点41を中心として反時計周り方向に回動され、積層収納された最上のカードに当接する第2突没部42bは、押圧プレート35を、付勢バネ31の付勢力に抗して押し上げる。図17に示したように、第2突没部42bは、カードPCのセンター位置P2よりもやや上流側位置に当接しているため、押圧プレート35は、図20に示すように、上流側が上昇するように傾く。このため、搬送ベルト25によって搬送されるカードPCは、図16に示したギャップGを介して、ストック部2Bの本体30内にスムーズに入り込んで行く。
そして、前記第1センサ15Aによって、搬入されるカードPCの後端の通過が検知された段階で、搬送ベルト25は駆動停止され、カードPCは一旦停止される(図4、図21参照)。上述したように、この位置(情報処理位置)において、図示されていないリーダライタが駆動され、カードPCに対して情報の読取り/書換えが実行される。このとき、カードPCの先端は、第2突没部42bの直前に位置している。
カードPCに対する情報の読取り/書換え処理の後、カードPCは、クレジットが残っていない場合、そのままストック部2Bに収納され、クレジットが残っている場合、ユーザに返却される。
具体的には、図21に示す状態で、リーダライタによってクレジットが残っていないと判別されると、搬送ベルト25は、引き続きカードPCをストック部2Bの本体30に搬送すべく回転駆動される。その後、搬送ベルト25は、図22に示す位置に搬送された段階で駆動停止され、カードPCは、本体30内において、押圧プレート35上に積層収納される。一方、クレジットが残っている場合、前記搬送ベルト25は逆転駆動され、カードPCをユーザに返却する。この際、挿入口4から排出されるカードPCは、上述したように、保持部としての機能を備えた第1突没部42aによって、挿入口4から突出した状態で保持される。なお、カードPCが、挿入口4から突出した状態で保持されるのは、以下のストック部2Bからカードを発行する処理と同一である。
ここで、図23から図25を参照して、カードを発行する処理について説明する。
例えば、図示されていない紙幣処理装置に紙幣が投入され、その金額情報を記載したカードPCを発行する場合、図23に示すように、ストック部2Bに積層収納されているカードの最上のカードPC1(搬送ベルト25に接触しているカード)を発行する。すなわち、最上のカードPC1は、押圧プレート35に作用する付勢力によって搬送ベルト25に押し付けられた状態にあり、この状態で搬送ベルト25が回転駆動されることで、カードPC1は、挿入口4側に向けて搬送される。
この搬送過程において、カードPC1は、図24で示す情報処理位置で一旦停止され、この位置でリーダライタが駆動されることで、所定の情報が書き込まれる。そして、この書き込み処理が終了すると、再び搬送ベルト25が回転駆動され、カードPC1を挿入口4から排出する。この際、搬送ベルト25は、排出されるカードが所定の位置、具体的には、図25に示すように、第2揺動部材42の第1突没部42aがカードPC1の端部領域に当接した状態で駆動停止される。この搬送ベルト25の停止は、例えば、図4に示した第2センサ15BがカードPC1の後端を検知したこと、或いは、図6に示した第3センサ15Cが揺動部材12の回動を検知してから所定の時間を経過したこと等によって制御することが可能である。
以上のように構成される第2揺動部材42によれば、挿入口4にカードを挿入すると、第1突没部42aを押圧し、これによって第2突没部42bが上昇して、その上方に位置しているストック部2Bに収納されているカードを押し上げて、搬入されるカードを新たに本体30内に積層収納することが可能になる。このように、カードの搬送動作に伴って第2揺動部材42を揺動させるだけでカードをストック部2Bに積層収納することが可能になるため、従来のようにモータやカムなどの駆動部品や電装部品を設けることなく収納駆動機構の構造が簡略化される。従って、駆動部品の故障などによって、カードのストック部への収納動作が不安定になることも抑制される。
また、上述したように、カードPC1の駆動が停止した状態で、上記した第2揺動部材42の第1突没部42aは、上述したように、カードを停止して挿入口4からカードを落下させないように保持する落下防止機構としての機能を備えている。
すなわち、図25に示すように、第2揺動部材42の第2突没部42bには、押圧プレート35によって、矢印で示すように下方に作用する押圧力が作用した状態にある。第2揺動部材42は、支軸41を中心に揺動可能に支持されていることから、第1突没部42aには、上方側に向かう押圧力(図26に示すように、停止状態にあるカードPC1を裏側から押し上げる押圧力F1)が作用した状態になる。このとき、カードPC1は、図27に示すように、その先端側が挿入口4から排出された状態にあり、かつ表側がカード挿入部3Bに当て付けられるため、カードPC1の中心Cが挿入口4の開口端Eから排出された状態にあっても、落下することなく、安定した状態で保持することが可能となる。そして、この状態では、カードPC1は長さ方向の半分以上が突出しているため、ユーザはカードPC1を掴み易くなる。
また、上記したように、挿入口4と搬送機構を構成する搬送ベルト25との間に第1突没部42a(保持部)を設置したことで、装置本体内部に、排出されるカードPC1を保持するためのスペースを考慮する必要がなくなり、装置本体を小型化することが可能となる。特に、本実施形態では、そのような保持部を、上述した収納駆動機構40を構成する第2揺動部材42に設けて兼用化しているため、部品点数を少なくして構造を簡略化することができ、コストを低減することが可能になる。
さらに、上記した第1突没部42aは、カード搬送方向に向けて次第に上昇する傾斜面42c´を有しているため、突没部42aを通過するカードの移動をスムーズにすることができ、カードの排出動作が行い易くなる。
なお、上述したカードを保持する保持部(第1突没部42a)については、挿入口4と搬送機構10との間に設置され、排出されるカードを押圧し、これを挿入口4の開口部の内側領域に当て付けてカードを保持できるように構成されたものであれば良い。このため、例えば、上記したストック部2Bの収納駆動機構40としての機能を兼ね備えることなく、第1突没部42aの位置に、図28に示すような付勢バネ50によって搬送路3に突没する突没部材42Aによって構成しても良い。
あるいは、上述した第2揺動部材42の第1突没部42a(保持部)は、図29から図31に示すように構成しても良い。これらの図において、図29(a)は、第2揺動部材の構成を示す平面図、図29(b)は、その側面図、図30(a)は、図29(a)のA−A線に沿った断面図、図30(b)は、図29(a)のB−B線に沿った断面図、そして、図31は、第2揺動部材の正面図であり、ローラを組み込む状態を示す図である。
上述した実施形態では、第1突没部42aの両面側に次第に搬送方向に向けて上昇する傾斜面42c,42c´を形成し、この傾斜面によってカードの搬送がスムーズに行えるよう構成したが、このような傾斜面に代えて回転ローラを支持する構成であっても良い。具体的には、第2揺動部材42の先端に形成される第1突没部42aに凹所51を形成し、この部分にローラ52を回転可能に支持する。ローラ52は、摺接するカードを損傷することのない材料、例えばPOM等によって一体形成されており、その両端に突出する軸部52aを、凹所51内に形成された支持部51aに配設することでローラ52は、第1突没部42aに回転可能に支持される。
このように、第1突没部42aに回転可能なローラ52を設置したことで、カードの搬送がよりスムーズになると共に、カードに対する接触抵抗が軽減され、カードに対する傷付きを効果的に防止することが可能になる。また、このようなローラ52によっても、カード挿入部3Bとの間でカードを保持することが可能となる。
また、前記ローラ52の略中央部には、段部52bが形成されており、これにより、ローラ外周は小径部52cと大径部52dを備えた構成となっている。この場合、ローラ52は、小径部52c側が搬送路の幅方向外側に位置するように凹所51内に支持される。ローラ52に、このような段部52bを形成しておくことにより、カードが搬送される際、小径部52cの領域で部分的にカード表面が接触しないようにすることが可能となる(図30(a)参照)。すなわち、カードの表面には、予め定められた位置に氏名を記入する欄を設けることがあり、段差がないローラでは、名前部分が擦れて消えてしまうことも有り得るが、このように段差を形成して小径部を設けておくことで、擦れによって氏名が消えないように保護することが可能になる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記した実施形態に限定されることはなく、種々変形することが可能である。例えば、カードを搬送するに際して搬送動作を制御する制御手段(搬送機構の駆動タイミングを制御するセンサの構成や配置態様等)については、適宜変形することが可能である。また、ストック部における本体の構成、各揺動部材の形状、搬送機構を構成するローラの配置態様等についても適宜変形することが可能である。
本発明のカード処理装置は、遊技媒体貸出装置に限られず、カードが挿入されたことで、商品やサービスを提供する各種の装置に組み込むことが可能である。また、本発明のカード処理装置は、カードを回収したり、発行可能にするストック部を備えた構成となっていたが、単にカードを挿入し、その情報を読取って排出するカード処理装置、或いは、プリペイドカードを発行する装置に適用可能である。
カード処理装置の構成を示す図であり、全体構成を示す平面図。 ストック部を開放した状態を示す図。 図2に示す状態から基板装着フレームを取り外した状態を示す図であり、カード搬送路の構成を示す図。 図3に示すカード挿入口部分の拡大図。 カード処理装置を裏側から見た図。 図5の主要部の拡大図。 シャッタ機構を構成する揺動部材(第1揺動部材)の構成を示す斜視図。 カードが挿入口から移動する際の揺動部材の動作を示す図(その1)。 カードが挿入口から移動する際の揺動部材の動作を示す図(その2)。 カードが挿入口から移動する際の揺動部材の動作を示す図(その3)。 カードが挿入口から移動する際の揺動部材の動作を示す図(その4)。 (a)は、ローラの構成を示す図、(b)は、ローラの変形例を示す図。 搬送機構を構成するローラを支持する固定部材の拡大斜視図。 図14は、一対の固定部材にローラを保持した状態を示す図。 (a),(b)は、夫々中心軸保持部の位置を変形した固定部材を示す図。 ストック部を挿入口側から見た図。 ストック部にカードを収納した状態を示す図。 (a)は、収納駆動機構を構成する揺動部材(第2揺動部材)の構成を示す平面図、(b)は、その側面図。 挿入口からカードを搬送する際の第2揺動部材、及びストック部の作用を示す図(その1)。 挿入口からカードを搬送する際の第2揺動部材、及びストック部の作用を示す図(その2)。 挿入口からカードを搬送する際の第2揺動部材、及びストック部の作用を示す図(その3)。 挿入口からカードを搬送する際の第2揺動部材、及びストック部の作用を示す図(その4)。 ストック部から挿入口に向けてカードを搬送する際の第2揺動部材、及びストック部の作用を示す図(その1)。 ストック部から挿入口に向けてカードを搬送する際の第2揺動部材、及びストック部の作用を示す図(その2)。 ストック部から挿入口に向けてカードを搬送する際の第2揺動部材、及びストック部の作用を示す図(その3)。 第2揺動部材によってカードを挿入口に保持した状態を示す図。 第2揺動部材によってカードを挿入口に保持した状態を示す斜視図。 カードを挿入口に保持する突没部の別の実施例を示す図。 (a)は、第2揺動部材の変形例を示す平面図、(b)は、その側面図。 (a)は、図29(a)のA−A線に沿った断面図、(b)は、図29(a)のB−B線に沿った断面図。 第2揺動部材の正面図であり、ローラを組み込む状態を示す図。
符号の説明
1 カード処理装置
2 フレーム
2f 当接部
2A 本体フレーム
2B ストック部
3 搬送路
4 挿入口
10 シャッタ機構
12 揺動部材(第1揺動部材)
12c 閉塞部
12d 突没部
12e 切欠凹所
20 搬送機構
23 ローラ
24 固定部材
24A 本体
24B 変形部
25 搬送ベルト
30 本体
35 押圧プレート
40 収納駆動機構
42 揺動部材(第2揺動部材)
42a 第1突没部
42b 第2突没部
52 ローラ
PC カード

Claims (4)

  1. カードが挿入される挿入口と、
    前記カードが搬送される搬送路と、
    前記挿入口に挿入されたカードを搬送する搬送機構と、
    前記搬送路の下流側に設置され、挿入されるカードを積層状態で収納可能なストック部と、
    前記ストック部にカードを収納させる収納駆動機構と、
    を備え、
    前記収納駆動機構は、前記挿入口と搬送機構との間に位置し、前記カードを搬送路に保持する保持部である前記搬送路から突没可能な第1突没部と、前記ストック部側に位置し前記搬送路から突没可能な第2突没部とを具備し、支軸を介して揺動可能に支持された揺動部材を備えており、
    前記揺動部材は、前記挿入口から挿入されたカードが前記第1突没部を押圧することで前記第2突没部が前記ストック部に収納されたカードを押し上げ可能であることを特徴とするカード処理装置。
  2. 前記保持部は、カード搬送方向に向けて次第に上昇する傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載のカード処理装置。
  3. 前記保持部には、搬送されるカードが摺接するように、ローラが回転可能に支持されていることを特徴とする請求項1に記載のカード処理装置。
  4. 前記ローラには、搬送されるカード表面の一部が接触しないように、小径部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のカード処理装置。
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