JP4111230B2 - カードリーダの挿入口遮断機構 - Google Patents

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Description

本発明は、挿入口を介して本体の内部に挿入されたカードに記憶されているデータを読み出すように構成される挿入型のカードリーダについて、カードの出し入れが行われていない期間に挿入口を遮断する機構に関する。
ICカードシステムは、例えば、入室管理,パーソナルコンピュータのアクセス管理,企業における勤怠管理,決済端末などに利用が広がりつつある。図3は、そのようなシステムに使用される挿入型ICカードリーダの一構成例を示すものである。ICカードリーダ1は、本体2の内部にICカード3の搬送路4,センサ5,搬送ローラ6,接点式インターフェイス(I/F)7,非接触式I/F8,制御部9,電源部10,外部I/F11等を備えている。
制御部9は、CPUやメモリなどで構成されており、本体2に設けられたカード挿入口12を介してICカード3が挿入されたことをセンサ5によって検出すると、図示しないモータを介して搬送ローラ6を駆動することでICカード3を搬送路4の所定位置まで搬送する。ICカード3が所定位置まで搬送された状態になると、制御部9は、ICカード3のタイプに応じてコンタクトを用いる接点式I/F7,或いは電波信号を用いる非接触式I/F8を介して通信を行い、ICカード3に記憶されているデータを読み出す。読み出されたデータは、外部I/F11を介して外部機器(例えばパーソナルコンピュータ)13に送信される。また、電源部10は、本体2内部の各構成要素に動作用電源を供給する回路である。
ところで、斯様な構成のICカードリーダ1では、ICカード3の出し入れが行われていない期間にカード挿入口12を開放したままにすると、外部より本体2の内部に埃などが侵入するおそれがある。内部に侵入した埃が、例えば接点式のICカード3が収容された場合に接点式I/F7との間に介在すると、両者間の電気的接続が妨げられデータの読取りが不能となる場合がある。また、搬送路4に埃がたまり過ぎると、ICカード3の搬送がスムーズに行われなくなり、最悪の場合には搬送が不能となることも考えられる。
そこで、通常は、カード挿入口12部分にシャッタを設けるように構成される。図4は、一般的に採用されている板バネの付勢力を用いたシャッタ構造の一例を示すものである。このシャッタ14は、図4(b)に示すように、例えば樹脂などにより遮断部14aとバネ付勢部14bとで断面がL字状をなすように形成され、L字の屈曲点を支点14cとして回動可能に支持されている。そして、バネ付勢部14bが板バネ15に接することで、シャッタ14は支点14cを中心として時計回り方向に付勢されている。
以上の構成において、図4(b)中左方向からICカード3(当図では図示せず)が挿入されるとその先端が遮断部14aに当接することで、遮断部14a及びバネ付勢部14bは、ICカード3が挿入される力により板バネ15の付勢力に抗して反時計回りに回動される。すると、カード挿入口12は開放されて、ICカード3は本体2の内部に収容されるようになっている。尚、この構成においてICカード3を本体2の内部に収容した場合、遮断部14aの先端はICカード3の表面に当接した状態を維持する。
しかしながら、斯様な構成では、ICカード3を本体2に挿入する場合または本体2から排出する毎に、ICカード3の表面と遮断部14aの先端とが接触し擦れることになる。通常、ICカード3の表面にはエンボス加工により突起した形状の文字などが表記されているため、遮断部14aの先端が擦過すると騒音が発生する。また、収容・排出を繰り返すと、文字が摩擦により削れて判読不能となることも考えられる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、カードを本体に対して挿入または排出する際に発生する騒音を極力抑制するようにして挿入口を遮断することができるカードリーダの挿入口遮断機構を提供することにある。
本発明のカードリーダの挿入口遮断機構によれば、可撓性を有する遮断用部材の一端側を押さえ部材によってカードリーダの本体に固定し、その遮断用部材の他端側でカードの挿入口を遮断する。斯様に構成すれば、ユーザがカードを挿入口に挿入するとカードの先端が遮断用部材に当接し、その遮断用部材の開放端側が撓むことで挿入口が開放されるようになり、カードはカードリーダの本体内部に収容される。
従って、従来構成に比較して、カードと遮断用部材との間に作用する摩擦力は大きく減少するようになり、カードの挿入,排出が行われる際に発生する騒音を低減することができる。また、カードの挿入,排出が行われる際にカードにかかる負担は、遮断用部材の撓みに抗する力になるので、前記負担を極力少なくすることができる。更に、遮断機構の構成が極めて簡単になるので、コストを削減することにもなる。
以下、本発明をICカードリーダに適用した場合の一実施例について図1及び図2を参照して説明する。尚、図3と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。本実施例の構成は、図3のカード挿入口12部分の構成を、挿入口ブロック(挿入口遮断機構)20に置き換えたものである。
図1(a)は挿入口ブロック20の断面図、図1(b)は挿入口ブロック20の背面図(本体2内部の搬送路4側から見た図)を示す。ブロック本体21は、ICカードリーダ(カードリーダ)1の本体2に取り付け固定されることで本体2の一部をなすものである。図1(a)において矩形状の断面を示すブロック本体21の左方には、ICカード(カード)3を挿入するための挿入口22が形成されており、その挿入口22に続いて挿入路23が形成されている。また、ブロック本体21の右上方には、ラバー押さえ(押さえ部材)24の一端側を挿入するための挿入孔25が設けられている。
ラバー押さえ24は、ブロック本体21の背面部21aとの間にラバー(遮断用部材)26を挟み込んで固定するための押さえ部24aと、その押さえ部24aの上端において左方に直角に屈曲し、挿入穴25に挿入される挿入部24bとを有している。また、押さえ部24aの下端側には右下方向に延設された斜面部24cと、その斜面部24cの先端より水平となるように屈曲し、更にその先端が僅かに上方へ延びるように屈曲したカードガイド部24dとを備えている。
そして、ラバー押さえ24は、押さえ部24aと背面部21aとの間にラバー26を挟み込んだ状態で、ボス27を、押さえ部24a,ラバー26,背面部21aに設けられている図示しないボス受け孔に貫通させることで、自身とラバー26とを固定させるようになっている。
ラバー26は、上記のように固定された状態で、その下端が挿入路23の下壁に接する寸法に形成されている。そして、ブロック本体21の背面側には、挿入路23をなす下壁を延設した延設部28を備え、その延設部28とラバー押さえ24のカードガイド部24dとによってICカード3を搬送路4に導入する構造をなしている。
図2(a)に示すように、ブロック本体21の背面部21aがラバー26に接している部分との下端から挿入路23をなす上壁にかけては、斜めに切り欠かかれるようにして斜面部21bが形成されている。従って、図2(a)に示す状態において、ラバー26と斜面部21bとの間、また、ラバー26とラバー押さえ24の斜面部24cとの間には空間が形成されている。その空間が、後述するようにラバー26が撓んで変形することを所定量だけ許容する変形許容部29,30を構成している。尚、その他のICカードリーダ1の電気的構成等については、図3と全く同様である。
次に、本実施例の作用について図2を参照して説明する。図1(a)は、ICカード3が挿入されていない状態であり、ラバー26は挿入路23を遮蔽して、挿入口22を介して外部と搬送路4とが連通することを防止している。その状態から、図2(a)に示すように、ユーザによってICカード3が挿入口22に挿入されると、ICカード3の先端はラバー26に当接し、更にICカード3が挿入されると、ラバー26の開放端側は右方向に撓んで変形する。
その変形が進むと、ラバー26の背面はラバー押さえ24の斜面部24cに張り付いた状態となり、ICカード3は、挿入路23を右方向へ移動し搬送路4に導入される。その時、ラバー26の先端は、極めて僅かな弾性力をもってICカード3の表面に接触した状態にある。
そして、ICカード3が所定の位置まで挿入されると、従来と同様に、制御部9がICカード3をセンサ5により検出し、搬送ローラ6を駆動してICカード3を搬送路4の所定位置まで搬送する。その状態が図2(b)に示すものとなる。それから、制御部9は、ICカード3のタイプに応じて接点式I/F7,或いは非接触式I/F8を介して通信を行い、ICカード3に記憶されているデータを読み出す。
制御部9は、ICカード3との通信を終了すると、搬送ローラ6を逆転させてICカード3を挿入口22から外部に排出させる。この時の状態を図2(c)に示す。ラバー26は、図2(a)の場合と逆方向に撓んでブロック本体21の斜面部21bに張り付くまで変形し、ICカード3は、挿入路23を左方向へ移動し挿入口22に排出される。この時も、ラバー26の先端は、極めて僅かな弾性力をもってICカード3の表面に接触した状態にある。
そして、搬送ローラ6による搬送が停止すると、ユーザは、挿入口22より外部に突出しているICカード3の後端部分を把持して取り出す。
以上のように本実施例によれば、ICカードリーダ1の挿入口ブロック20において、ラバー26の一端側をブロック本体21(即ち、ICカードリーダ1の本体2)に固定し、そのラバー26の他端側でICカード3の挿入口22を遮断するようにした。従って、ICカード3の挿入,排出が行われる際にラバー26との間に作用する摩擦力は極めて小さくなり、ICカード3の挿入,排出が行われる際に発生する騒音を低減することができる。
また、ICカード3の挿入,排出が行われる際にICカード3にかかる負担はラバー26の撓みに抗する力だけとなるので、その負担を極力少なくすることができる。更に、ブロック本体21の機構が極めて簡単になるので、コストを削減することにもなる。
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
遮断用部材はラバー26に限ることなく、その他樹脂製のフィルムなど可撓性を有するものであれば良い。
ICカードリーダは、接点式,非接触式の何れか一方のインターフェイスのみを備えているものでも良い。
カードはICカードに限ることなく、その他磁気カードなど、外部より読取り可能なデータが何らかの形式で記憶されているものであれば良い。
カードに対するデータの書き込み機能をも備えた所謂リーダライタに適用しても良い。
本発明をICカードリーダに適用した場合の一実施例であり、(a)は挿入口ブロックの断面図、(b)は挿入口ブロックの背面図 (a)はICカードを挿入している途中の状態を示す断面図,(b)はICカードの挿入が完了した状態を示す断面図,(c)はICカードを外部に排出している途中の状態を示す断面図 従来技術を示す、ICカードリーダの電気的構成を示す図 ICカードリーダにおけるシャッタ構造の一例を示すもので、(a)はシャッタの背面図、(b)はシャッタの側面図
符号の説明
図面中、1はICカードリーダ(カードリーダ)、2は本体、3はICカード(カード)、20は挿入口ブロック(挿入口遮断機構)、22は挿入口、24はラバー押さえ(押さえ部材)、24aは押さえ部、24cは斜面部、24dはカードガイド部、26はラバー(遮断用部材)、29,30は変形許容部(空間)を示す。

Claims (1)

  1. 挿入口を介して本体の内部に挿入されたカードに記憶されているデータを読み出すように構成される挿入型のカードリーダについて、前記カードの挿入,排出が行われていない期間に前記挿入口を遮断する機構であって、
    可撓性を有する遮断用部材と、この遮断用部材の一端側を前記本体に固定する押え部材とを備え、
    前記遮断用部材は、
    非変形状態において自身の他端側により前記挿入口を遮断し、
    前記カードの挿入が行われる場合、当該カードと自身の他端側とが接触して前記本体内部側に変形した状態となり、
    前記カードの全体が前記本体内部に挿入されると、前記接触が解消されて前記非変形状態に戻るものであり、
    前記押さえ部材は、
    前記遮断用部材の一端側を前記本体との間に挟みこむ押さえ部と、
    この押さえ部の下端より屈曲して延設され、前記本体との間に前記遮断用部材の撓みによる変形を所定量だけ許容する空間を形成するための斜面部と、
    この斜面部の先端より屈曲して水平に延設され、更に先端が僅かに上方に延びるように屈曲してなるカードガイド部とを有することを特徴とするカードリーダの挿入口遮断機構。

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