JP5115759B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、高記録密度の垂直磁気記録媒体としての良好な電磁変換特性を有しかつ生産性に優れたディスクリートトラック媒体やパターンド媒体として好適な磁気記録媒体に関する。
近年の高度情報化社会を支える情報の記録装置の一つに磁気記憶装置があり、情報の大量化に伴って、磁気記憶装置に用いられる磁気記録媒体には記録密度の向上が要求されている。高記録密度を実現するためには、磁化反転が生じる単位を小さくしなければならない。そのためには、磁性粒子のサイズの微細化と同時に、磁化反転する単位を明確に分離して区切ることで、隣接する記録単位間の磁気的な相互作用を低減することが重要である。
磁気記録の高密度化を実現する技術として、磁気記録層の隣接するトラック間に非磁性材料からなる分離層を設けることにより、隣接トラック間の磁気的干渉を低減させたディスクリートトラックメディア(DTM)が注目を集めている。磁化反転する単位を明確に区切ること、ここでは、トラックとトラックの区間を磁気的に完全に切断した磁性体列を作り、隣接トラックの境界を人工的に得ることにより、隣接トラックへの書きにじみやジグザグ磁壁の形成をなくすことができる。
従来のDTMを製造するには、例えば特許文献1,2に記載されているように、記録トラックに分離された磁気記録層とするための連続した磁性層上に所定の記録トラックのマスクを形成し、エッチングで磁性層を分離する凹部を設ける。また、浮上安定性を向上させ、信頼性を高める目的で前記凹部を非磁性材料(分離層)で埋め込んで平坦化し、その上に保護層を形成することが提案されている。非磁性材料としては、SiO2やスピンオンガラス(SOG)に代表される酸化シリコン化合物などが提案されている。
また、特許文献2には、分離層として凹部に充填する非磁性材料としてアモルファス構造を有する非磁性材料を用いることも記載されている。
特開2006−31849号公報 特開2005−243131号公報
しかしながら、磁性層(磁気記録層)のトラック間の分離部にSOGなどを充填させて、その上部に保護膜を形成する方法はいくつかの課題がある。
その一つとしては、磁性層の磁性材料とSOGなど充填材料の膨張係数の差が大きいため、温度変化を生じる環境におくと、保護膜に応力が働き欠陥を増長することとなる。そのためコロージョンを生じ易くなるという課題が生じる。
また、上述の材料を充填させた後については、平滑性が不十分であること及び磁性層上に載ったこれらの充填層(分離層)を除去する必要があることによりドライエッチングやCMPなどの平坦化工程が必要となる。この場合、磁性層の表面まで充填層を削ることが望ましいが、量産的には難しい。そのため、オーバーエッチングになることが予想されるが、その際、分離層と磁性層のエッチングレートの違いにより凹凸が生じる問題がある。
このような課題を解決するためには、磁性層と膨張係数の近い非磁性金属を分離層に充填することが考えられる。耐食性や経済性を考慮するとクロムやチタンなどをスパッタリングすることにより分離層に充填することが考えられるが、これらを形成すると表面粗さが大きくなるという欠点がある。
非磁性金属を充填して分離層とする凹部の深さ(凹凸段差)は数nmから十数nmであるため、充填層の厚さは数nmから数十nm程度必要である。しかしながら、クロムやチタンなどの金属は、20nm程度の膜厚でも表面粗さRmax(最大高さ)が数nm程度にまでなり、表面が荒れる問題がある。
その後の平坦化工程については、ドライエッチングやCMPなどが考えられるが、後者のCMPは均一性などの制御が難しく、また、洗浄工程も必要であるためコストの面からも好ましくない。
そのため、ドライエッチングでの平坦化が望ましいが、その際、一旦荒れてしまった表面を平滑にするのは困難である。また、ドライエッチングの際に表面が荒れてしまわないことも重要である。表面が荒れるとヘッド浮上性を悪化させることになるからである。
よって、線膨張係数が磁性層の磁性材料と同程度で、且つ平滑性に優れる分離層が求められる。また、トラック部の磁性層部分と分離層部のエッチングレートが同じであることも求められる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、磁気記録層のトラック相互間を磁気的に分離する分離層の充填材料として、充填後の表面が平滑であり、しかも耐食性に優れた非磁性金属を用いることにより、信頼性を損なうことなく、簡便な方法で製造でき、生産性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
本発明は、上述の目的を達成するため、基板上に少なくとも磁気記録層を備え、該磁気記録層のトラック相互間を磁気的に分離する分離層を有してなる磁気記録媒体であって、前記分離層が、クロムホウ化物(CrB)、ニッケルホウ化物(NiB)、クロムリン化物(CrP)及びニッケルリン化物(NiP)からなる群から選ばれる非磁性アモルファス合金からなることを特徴とする。
ここで、非磁性アモルファス合金がクロムホウ化物(CrB)である場合には、そのホウ素(B)の含有量が5乃至20原子%の範囲にあり、非磁性アモルファス合金がニッケルホウ化物(NiB)である場合には、そのホウ素(B)の含有量が12乃至22原子%の範囲にあり、非磁性アモルファス合金がクロムリン化物(CrP)である場合には、そのリン(P)の含有量が8乃至18原子%の範囲にあり、非磁性アモルファス合金がニッケルリン化物(NiP)である場合には、そのリン(P)の含有量が14乃至24原子%の範囲にあることが好ましい。また、磁気記録層上に保護層を備えることが好ましい。
本発明によれば、磁気記録層のトラック相互間を磁気的に分離する分離層の充填材料として、クロムホウ化物(CrB)、ニッケルホウ化物(NiB)、クロムリン化物(CrP)及びニッケルリン化物(NiP)からなる群から選ばれる耐食性に優れた非磁性アモルファス合金を用いて充填後の表面が平滑なものとすることができるので、信頼性を損なうことなく、簡便な方法で製造でき、生産性に優れたディスクリートトラック媒体やパターンド媒体を提供することができる。
本発明の実施形態の磁気記録媒体を示す断面模式図である。 本発明の実施形態の磁気記録媒体の製造工程を示す工程図である。 分離層に用いるCr−B合金の成膜後及びエッチング後の表面粗さRaのB濃度依存性を示すグラフである。 分離層に用いるNi−B合金の成膜後及びエッチング後の表面粗さRaのB濃度依存性を示すグラフである。 分離層に用いるCr−P合金の成膜後及びエッチング後の表面粗さRaのP濃度依存性を示すグラフである。 分離層に用いるNi−P合金の成膜後及びエッチング後の表面粗さRaのP濃度依存性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一ないし同等部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態の磁気記録媒体を示す断面模式図である。この実施形態の磁気記録媒体は、非磁性基体である基板1上に、軟磁性層2、結晶配向制御層3、磁気記録層4、保護層6がこの順に設けられており、磁気記録層4は分離層5により磁気的に分離されて記録トラックを構成する。
磁気記録層4は、積層構造のもの(不図示)とすることができ、この実施形態では、グラニュラー構造の第1磁気記録層とその上に形成された非グラニュラー構造の第2磁気記録層とからなる。
分離層5は、クロムホウ化物(CrB)、ニッケルホウ化物(NiB)、クロムリン化物(CrP)及びニッケルリン化物(NiP)からなる群から選ばれる非磁性アモルファス合金からなる。
分離層5を構成する非磁性アモルファス合金が、クロムホウ化物(CrB)である場合には、そのホウ素(B)の含有量が5乃至20原子%の範囲にあり、ニッケルホウ化物(NiB)である場合には、そのホウ素(B)の含有量が12乃至22原子%の範囲にあり、クロムリン化物(CrP)である場合には、そのリン(P)の含有量が8乃至18原子%の範囲にあり、ニッケルリン化物(NiP)である場合には、そのリン(P)の含有量が14乃至24原子%の範囲にあることが好ましい。
分離層5は、スパッタリング法によって形成が可能であり、前記含有量の範囲ではアモルファスであり、成膜後の表面粗さも単一金属に比べて小さく、図3から図6に示すように、平滑性に優れている。
図3から図6は、分離層5を構成する非磁性アモルファス合金の成膜後の表面粗さRaの組成依存性を示したものであり、Ra0.25nmの平滑なシリコンウェハに、各材料共に20nmをスパッタリングで成膜したものをAFM(原子間力顕微鏡)で測定した値である。
また、その膜をエッチングした場合にも、前記の組成範囲であれば、表面粗さの変化は少なく、図3から図6に示すように、平滑性を保つことができる。
図3から図6には、イオンミリング法により前記組成の膜を10秒間エッチングした後の表面粗さRaの組成依存性も示す。その際の条件はアルゴンガスを50sccm、ガス圧5Pa、パワーを250Wとした。
そして、この実施形態の磁気記録媒体は、図2に示す製造工程により作製することができる。
まず、基板1上に軟磁性層2、結晶配向制御層3、磁気記録層(磁性層)4を順次スパッタリングにより形成し、次に保護層(保護膜)7を形成して原料媒体10とする。
その後、この原料媒体10を図2(a)から(f)に示すように加工して分離層5を形成する。
すなわち、図2(a)に示すように、所定の形状にパターニングされたレジスト8を形成する。これにはインプリント法やEB描画装置によるパターニングなどによってなされるが、これに制限されるものではない。インプリント法の場合のレジスト8としてはスピンオンガラス(SOG)などが用いられる。
次に図2(b)に示すように、保護膜7をエッチングする。これにはイオンミリングや酸素プラズマによってなされる。さらに図1(c)のように磁性層4を所定の深さまでイオンミリングなどにより加工して分離部(凹部)を形成する。
次に図2(d)に示すようにレジスト8及び保護膜7を剥離する。SOGのようなシリコン酸素化合物の場合は、CF4などの腐食性ガスのプラズマ処理によって可能である。反応性イオンエッチング法により反応性ガスとしてCF4ガスを用い、誘導結合プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)方式の高密度プラズマエッチング装置により行なうことができる。ガス種は、CF4ガス以外にも、ハロゲンを含むガスであれば良く、例えば、CHF3、CH22、C38、C48、SF6、Cl2などのガスでも構わない。また、通常のレジストであれば有機溶剤や酸素プラズマなどによってなされる。
この際、記録トラック部には保護膜7があるため、腐食されることはない。次に保護膜7をイオンミリングや酸素プラズマなどで磁性層4の表面まで除去する。その際記録トラックへのダメージを最小にするため、ジャストエッチングで止める。また、数nmであれば保護膜7を残してもかまわない。これにはエンドポイントモニターなどを使用することが望ましい。
次に図2(e)に示すように、分離層5を形成する。スパッタリング法により、ホウ素含有量が5乃至20原子%の範囲にあるクロム合金、ホウ素含有量が12乃至22原子%の範囲にあるニッケル合金、リン含有量が8乃至18原子%の範囲にあるクロム合金、リン素含有量が14乃至24原子%の範囲にあるニッケル合金のいずれかを選択し、形成する。膜厚は分離層の深さの一倍から十倍が望ましい。
次に図2(f)に示すように、エッチングにより余剰の分離層を除去する。エッチングにはアルゴンイオンミリングなどを用いる。その際、平坦になることが望ましいが数nm程度の段差は許容される。また、さらに分離層を形成し、その後エッチングすることを繰り返すことにより平坦性は向上するので、所定の平坦性までこれらの工程を行なってもかまわない。また、エッチングにはエンドポイントモニターなどを利用し、分離層のみを除去することが望ましい。
次に図2(g)に示すように保護層(保護膜)6を形成する。その際、スパッタリング、CVD(Chemical Vapor Deposition)などの方法を用いることができ、両者を組み合わせても良い。なお、磁気ヘッドと磁気記録層4のスペーシングロスを小さくするため保護層6の厚さは5nm以下が望ましい。最後に液体潤滑剤を塗布して完成となる。
原料媒体10に用いる材料などは以下のとおりである。
基板1は、通常の磁気記録媒体に用いられるNiPメッキを施したAl合金や強化ガラス、あるいは、結晶化ガラス等を用いることができる。
軟磁性層2は、磁気ヘッドが発生する磁束を集中させ磁気記録層4に急峻な磁場勾配を形成するためのものである。この軟磁性層2には、NiFe系合金、センダスト(FeSiAl)合金等を用いることができるが、非晶質のCo合金、例えば、CoNbZr、CoTaZrなどを用いることにより良好な電磁変換特性を得ることができる。また、軟磁性層2の膜厚の最適値は、磁気記録に使用する磁気ヘッドの構造や特性に依存するが、生産性の観点からは、10nm以上300nm以下であることが望ましい。
結晶配向制御層3は、磁気記録層4の結晶配向性、結晶粒径、および、粒界偏析を好適に制御するためのものである。磁気記録層4の結晶配向を好適に制御するためには、その結晶配向制御層3の磁気記録層4に面する側の表面が、hcpの結晶構造を有するRuまたはRuを含む合金からなり、互いに分離されたRu結晶がその上に成長する磁気記録層の磁性結晶が隣接する磁性結晶に連結することなく個々に分離して成長できる程度に分離していることが特に望ましい。
RuまたはRuを含む合金を用いて結晶配向制御層3を形成すると、Ru結晶は粒界を持って成長する。即ち、多数のRu結晶が垂直に、すなわち軟磁性層2に面する側から磁気記録層4に面する側に向けて結晶成長する。このRu結晶は軟磁性層2に面する側から磁気記録層4に面する側に向けて徐々に幅が狭くなり、隣接する結晶との間が徐々に広がってくる。
磁気記録層4をこの結晶配向制御層3の上に形成すると、磁性結晶がそれぞれのRu結晶の上に成長する。RuまたはRuを含む合金の層(以下「Ru層」という。)が適正な厚さの場合、Ru層の磁気記録層側の面にはRu結晶が隣接するRu結晶との間に適切な間隔を有して形成されている。このような構成の結晶配向制御層3の上に第1磁気記録層を形成すると、Ru結晶の上に垂直配向した磁性結晶粒が形成され、この磁性結晶粒の周囲に酸化物や窒化物のような非磁性体が形成され、グラニュラー構造からなる磁気記録層(以下「グラニュラー磁気記録層」という。)が形成される。
Ru層が適正な厚さより薄くなると、Ru層の磁気記録層側の面の隣接するRu結晶間の幅が狭くなり、Ru結晶の上に形成された磁性結晶が隣同士でくっついて一体化して、グラニュラー結晶が形成されなくなる。また、Ru層が厚すぎると、Ru結晶の分離は進むが、粒界層の割合が多くなり磁気特性が低下し易くなる。
グラニュラー結晶を形成できる結晶配向制御層3の膜厚はRu単体からなるか、Ru合金からなるかの違い及びRu合金の組成によっても異なり、また、その上に形成しようとする磁気記録層4のグラニュラーの結晶粒径や取り巻く非磁性粒界の厚さに応じて異なるが、結晶配向制御層3の膜厚の最適値は、5nm以上50nm以下の範囲で制御されていることが望ましい。
第1磁気記録層は、その少なくとも一部の領域に分離部が設けられている。即ち、磁気記録媒体がディスクリートトラック媒体の場合は、記録トラック領域の記録トラック間を区分する部分、サーボ信号を記録する領域のパターンを区分する部分に分離部が設けられている。また、磁気記録媒体がパターンド媒体の場合は、ビットに対応するパターンを区分する部分に分離部が設けられている。分離部の配置は、記録密度により異なる。例えば、500Gbit/inch2のディスクリートトラック媒体の記録トラック問は、60nmピッチである。
また、第1磁気記録層は、グラニュラー構造からなる磁気記録層であり、このような構造のグラニュラー磁気記録層の強磁性を有する結晶粒を構成する材料としては、CoCr系合金が好適に用いられ、特に、CoCr合金に、Pt、Ni、Ta、Bのうちの少なくとも1つの元素を添加した合金とすることが、優れた磁気特性と記録再生特性を得るためには望ましい。また、グラニュラー磁気記録層の非磁性粒界を構成する材料としては、Si、A1、Ti、Ta、Hf、Zrのうちの少なくとも1つの元素の酸化物を用いることが、安定なグラニュラー構造を形成するためには望ましい。
第1磁気記録層の膜厚は、5nm以上60nm以下であることが望ましい。膜厚が5nmよりも薄い場合には磁気記録層としての充分な信号特性が得られず、磁気記録の容易性及び記録再生分解能を高めるためには60nmよりも薄くする必要があるためである。生産性と高密度記録の観点から、10nm以上30nm以下がより好ましい。
第2磁気記録層は、第1磁気記録層上に形成されている。この時、第2磁気記録層は、非磁性粒界に金属の酸化物や窒化物を含有しない非グラニュラー構造からなる磁気記録層(以下「非グラニュラー磁気記録層」という。)である。非グラニュラー磁気記録層は、下層のグラニュラー磁気記録層の非磁性粒界から溶出してくるCo原子をブロックして媒体の高い耐久性を担保する。そのため、非グラニュラー磁気記録層は、連続した膜(ベタ膜)とする必要がある。
非グラニュラー磁気記録層は、CoCr合金に、Pt、Ni、Ta、Bのうちの少なくとも1つの元素を添加した合金とすることが、優れた磁気特性と記録再生特性を得るためには望ましい。また、媒体の高い耐久性を担保するために、その膜厚は2nm以上20nm以下であることが望ましい。
保護層6は、従来から一般的に使用されている保護膜、例えば、カーボン、ZrO2、SiO2などを主体とする保護膜を用いることができる。その膜厚は、1nm以上10nm以下であることが望ましい。1nmより薄い場合は、ピンホールが発生したり、耐久性が悪くなったりし、10nmよりも厚い場合は、ヘッドとの間隔が広がりヘッドが読み取る磁気信号が小さくなりすぎてしまうため好ましくない。
以下に、本発明の実施例を説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するための例に過ぎず、本発明をなんら限定するものではない。また、本実施例では、ディスクリートトラック媒体で説明するが、パターンド媒体でも同じようなプロセスで本発明の構成を作製することができる。
(実施例1)
図2に示す製造プロセスにそって実施例を説明する。
まず原料媒体10を作製する。
基板1として、表面が平滑な化学強化ガラス基板(例えば、HOYA社製N−5ガラス基板)を用いた。スパッタ成膜法により、CoZrNbからなる軟磁性層2を200nm成膜し、結晶配向制御層3としてNiFeNbを3nm成膜、その上にRuを14nm成膜した。さらに、第1磁気記録層としてCoCrPt−SiO2材料を10nm成膜し、SiO2で形成される非磁性粒界を持つグラニュラー磁気記録層を形成した。さらに、第2磁気記録層として非グラニュラー磁気記録層を5nm成膜する。連続してスパッタ成膜法とCVD法により、カーボンからなる保護層7を10nm成膜した。
このようにして、基板1上に、軟磁性層2、結晶配向制御層3、第1及び第2磁気記録層からなる磁気記録層4、保護層7を積層した原料媒体10を作製した。
次に、原料媒体10にスピンコーターを用いて、電子線(EB)描画用のレジスト(例えば、日本ゼオン性ZEP−520A)を50nm塗布した。
その後、EB装置を用いて、レジストに描画していった。
次に、コータデベロッパ装置を用いて、EBレジスト用現像液(例えば、日本ゼオン性ZEP−RD)で現像を行い、レジストのパターニングを行った。レジストのパターニングで、データ領域とサーボ領域の描画を行った。データ領域は、セクタ毎に円周にそってライン&グルーブとなるように行った。ライン&グルーブの幅は、レジスト残存部が40nm幅、磁気記録層露出部が60nm幅になるようにした。サーボ領域は、バーストの各島が分離部で囲われるように形成した。サーボのバーストに関しては、信号の0、1が反転するだけであるので、磁性部と分離部が逆パターンであっても構わない。
また、レジストのパターニングは、EB描画で直接描画するだけでなく、量産性を考えたナノインプリント法を用いることもできる。
次に、カーボン保護膜のパターニングを行う。反応性イオンエッチング(RIE)法により、レジストをマスクとして酸素ガスを用いてカーボン保護膜をエッチングする。RIEは、誘導結合プラズマ(ICP:Inductive Coupled Plasma)方式の高密度プラズマエッチング装置を用いて行った。高密度プラズマエッチング装置のプラズマ生成パワーは13.56MHzで300Wとし、バイアスパワーは10Wとした。また、ガス流量50sccm、ガス圧を0.1Paに設定した。また、このカーボン保護膜のパターニングはイオンミリングによっても行うことができる。
次にイオンミリング法により磁性層をエッチングする。使用するイオンはアルゴンを用いた。アルゴンガスを10sccm、ガス圧を0.05Pa、加速電圧500Vとして、15nmの深さに加工した。
次に、酸素プラズマ中でアッシングすることにより、残ったレジストと保護膜を除去した。ICP方式の高密度プラズマエッチング装置を用い、プラズマ生成パワーは13.56MHzで200Wとし、バイアスパワーは0Wとした。また、ガス流量50sccm、ガス圧を1Paに設定した。その際、磁性層への酸化を抑えるために、トラック部の磁性層表面に数nmの保護膜が残るように調整することが望ましい。
次に分離層をスパッタリング法により形成する。ターゲットとしては以下の材料を用いることができ、本実施例ではホウ素含有量が15原子%のクロム合金を用いてアルゴン50sccm、ガス圧0.1Pa、パワー400Wで、100nmの膜厚を形成した。
・ホウ素含有量が10乃至20原子%の範囲にあるクロム合金、
・ホウ素含有量が12乃至22原子%の範囲にあるニッケル合金、
・リン含有量が8乃至18原子%の範囲にあるクロム合金、
・リン素含有量が14乃至24原子%の範囲にあるニッケル合金
次にイオンミリング法により余分な分離層を磁性層表面までエッチングする。アルゴンガスを50sccm、ガス圧5Pa、パワーを500Wとした。エンドポイントモニターを用いてカーボンを検出信号として磁性層表面まで加工した。
さらに、スパッタ成膜法とCVD法により、カーボンからなる保護層6を4nm成膜した。
必要に応じて、例えばダイヤモンドライクカーボンの場合、化学気相成長法や物理気相成長法で形成することができる。
その後、パーフルオロポリエーテルからなる液体潤滑剤層2nmをディップ法により形成して、垂直磁気記録媒体とした。
こうして得られた磁気記録媒体の表面の凹凸をAFMで評価した。その結果、トラック部の表面粗さRa(算術平均粗さ)は0.4nmであり、平滑な面が確保された。また、磁性部と分離部のパターンに起因する表面の凹凸は最大1.5nmであり、ヘッドの安定した浮上などから磁気記録媒体として求められる2nm以下であった。さらにヘッド浮上特性TOV(Take off velocity)及び信号品質特性も良好であった。
(比較例)
分離部に用いる材料をCrとすること以外は前記実施例と同様に作製し、磁気記録媒体を得た。
こうして得られた磁気記録媒体の表面の凹凸をAFMで評価した。その結果、トラック部の表面粗さRaは1.7nmであった。また、磁性部と分離部のパターンに起因する表面の凹凸は最大3nmであり、ヘッドの安定した浮上などから磁気記録媒体として求められる2nmより大きいものであった。さらにTOVは前記実施例に比べて30%悪いものであった。
実施例と比較例から明らかなように、本発明の材料を分離層に用いることにより、磁気記録媒体としての基本特性を損なうことなく、平滑性に優れ、ヘッド浮上性の良いパターンド媒体を作製することができた。
本発明は、高記録密度の垂直磁気記録媒体としてのディスクリートトラック媒体やパターンド媒体に利用することができる。
1 基板
2 軟磁性層
3 結晶配向制御層
4 磁気記録層(磁性層)
5 分離層(分離部)
6 保護層(保護膜)
7 原料媒体の保護層(保護膜)
8 レジスト
10 原料媒体

Claims (6)

  1. 基板上に少なくとも磁気記録層を備え、該磁気記録層のトラック相互間を磁気的に分離する分離層を有してなる磁気記録媒体であって、前記分離層が、クロムホウ化物(CrB)、ニッケルホウ化物(NiB)、クロムリン化物(CrP)及びニッケルリン化物(NiP)からなる群から選ばれる非磁性アモルファス合金からなることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 前記非磁性アモルファス合金がクロムホウ化物(CrB)であり、そのホウ素(B)の含有量が5乃至20原子%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 前記非磁性アモルファス合金がニッケルホウ化物(NiB)であり、そのホウ素(B)の含有量が12乃至22原子%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  4. 前記非磁性アモルファス合金がクロムリン化物(CrP)であり、そのリン(P)の含有量が8乃至18原子%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  5. 前記非磁性アモルファス合金がニッケルリン化物(NiP)であり、そのリン(P)の含有量が14乃至24原子%の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  6. 前記磁気記録層上に保護層を備えることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。

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