「動物」という用語は、ヒト(男性または女性)、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコおよびウマ)、食料源動物、動物園動物、海生動物、鳥および他の類縁動物種を指す。「食用動物」とは、ウシ、ブタ、ヒツジおよび家禽などの食料源動物を指す。
「薬学的に許容できる」という語句は、物質または組成物が、製剤を構成する他の成分、および/またはそれらで治療されている哺乳動物と化学的にかつ/または毒性学的に適合していなければならないことを示す。
「治療すること」、「治療する」、または「治療」という用語は、予防的(preventative)、すなわち、予防的(prophylactic)治療と姑息的治療の両方を包含する。
本明細書で使用されている「モジュレートされる」または「モジュレートすること」、または「モジュレートする」という用語は、他に指示がない限り、本発明の化合物によるアセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)酵素(複数可)の阻害を指す。
本明細書で使用されている「仲介される」または「仲介すること」または「仲介する」という用語は、他に指示がない限り、アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)酵素(複数可)を阻害することによる、(i)特定の疾患、状態、もしくは障害の治療もしくは予防、(ii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1つまたは複数の症状の減弱、軽減、もしくは除去、または(iii)本明細書に記載されている特定の疾患、状態、もしくは障害の1つまたは複数の症状の発症の予防もしくは遅延を指す。
「本発明の化合物」という用語は(他に具体的な指示がない限り)、式(I)の化合物および化合物の任意の薬学的に許容できる塩、ならびに、すべての立体異性体(ジアステレオ異性体およびエナンチオマーを包含する)、互変異性体、配座異性体、および同位体標識化合物を指す。化合物が、それぞれ水または溶媒と結び付いている本発明の化合物の水和物および溶媒和物は、本発明の組成物と見なされる。
「5〜12員ヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有する5〜12員芳香族基を意味する。本明細書で使用されているように、「5〜12員ヘテロアリール」基の接続点は、その基の炭素原子上にある。「5〜12員ヘテロアリール」基は、単環式または二環式であってよい。単環式ヘテロアリールの好ましい実施形態は、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジニル、およびピリミジニルを包含するが、それらに限定されるものではない。二環式ヘテロアリールの好ましい実施形態は、下記の環系の基を包含するが、それらに限定されるものではない:
「8〜12員縮合複素環式アリール」という用語は、非芳香族複素環が、アリール基と縮合している8〜12員環系を意味する。本明細書で使用されている場合、「8〜12員縮合複素環式アリール」基の接続点は、その基の炭素原子上にある。好ましい実施形態は、
本発明の化合物は、特に、本明細書に含まれる説明を踏まえて、化学技術分野においてよく知られているものに類似したプロセスを包含する合成経路により合成することができる。出発材料は、Aldrich Chemicals(Milwaukee、WI)などの商業ソースから一般的に入手可能であるか、当業者によく知られている方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.FieserおよびMary Fieser、Reagents for Organic Synthesis、1〜19巻、Wiley、New York(1967〜1999編)、または補遺(Beilsteinオンラインデータベースを介しても入手可能)を包含するBeilsteins Handbuch der organischen Chemie、第4版、Springer−Verlag、Berlinに一般的に記載されている方法により調製される)。
例示を目的として、下に示されている反応スキームは、本発明の化合物ならびに重要中間体を合成するための可能な経路を提供している。個別の反応ステップについてのより詳細な説明については、下の実施例の項を参照されたい。当業者は、他の合成経路を使用して本発明の化合物を合成することができることを理解しているはずである。具体的な出発材料および試薬が下でスキーム中に示され論じられているが、他の出発材料および試薬を容易に代用し、様々な誘導体および/または反応条件を提供することができる。さらに、下に記載されている方法により調製される化合物の多くは、当業者によく知られている従来の化学反応を使用する本開示を踏まえてさらに修飾することができる。
本発明の化合物の調製において、中間体の遠く離れた官能基(例えば、一級または二級アミン)の保護が必要なことがある。そのような保護の必要性は、遠く離れた官能基の性質および調製方法の条件によって異なるはずである。適当なアミノ保護基(NH−Pg)は、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)を包含する。同様に、「ヒドロキシ保護基」とは、ヒドロキシ官能基を遮断または保護するヒドロキシ基の置換基を指す。適当なヒドロキシル保護基(O−Pg)は、例えば、アリル、アセチル、シリル、ベンジル、パラ−メトキシベンジル、トリチルなどを包含する。そのような保護の必要性は、当業者により容易に決定される。保護基およびそれらの使用の一般的説明については、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、New York、1991を参照されたい。
下記の反応スキーム、反応スキームI〜反応スキームIVは、式(I)の化合物を調製するために使用される代表的な手順を提供している。これらの反応スキームは、非限定的に解釈されるべきであること、および示されている方法の妥当な変形形態を使用し、式(I)の化合物を調製することができることが理解されるべきである。
次いで、スピロピペリジン誘導体(VIIIa)を、還流トルエン中でトリス−(N,N−ジメチルアミノ)メタンと反応させ、エナミン官能基化スピロピペリジン誘導体(VIIa)を提供することができる。代替方法として、エナミン(VIIa)は、スピロピペリジン(VIIIa)を、還流状態にて溶媒としてのN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールと反応させることにより調製することができる。この反応は、2−プロパノールなどのアルコール溶媒、トルエンなどの芳香族炭化水素溶媒またはN,N−ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒中で実行することもできる。さらに、この反応は、4−トルエンスルホン酸、トリス(ジメチルアミノ)メタン、または水酸化リチウム、DBUおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの様々な塩基の添加により触媒されてもよい。この変換は、還流状態におけるトルエン中のt−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタンで、または還流状態におけるトルエン中のt−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタンとの反応により行うこともできる。
次いで、式(IIIa)の化合物を、どの保護基Pgが用いられたかによって決まる標準的な方法を使用して脱保護し、式(IIa)の遊離スピロピペリジン誘導体を提供することができる。例えば、Pgが、tert−ブチルオキシカルボニル(BOC)を表す場合、ジオキサン中の4N塩酸またはジクロロメタンなどの適切な溶媒中のトリフルオロ酢酸などの標準的な強酸脱保護条件を使用し、BOC基を除去することができる。Pgが、カルボベンジルオキシ(Cbz)を表す場合、エタノール中でのパラジウム炭素上での水素化またはエタノールもしくは酢酸エチル中でのパラジウム炭素の存在下におけるギ酸アンモニウムもしくは1−メチル−1,4−シクロヘキサジエンなどの水素源による処理を用い、脱保護を行うことができる。
次いで、式(IIa)のスピロピペリジン誘導体を、標準的方法を用いることによりアシル化し、式(Ia)の化合物を提供することができる。例えば、次いで、化合物(Ia)を、望ましいカルボン酸(R4CO2H)との標準的ペプチドカップリング反応を使用して形成させることができる。例えば、スピロピペリジン中間体(IIa)およびカルボン酸(R4CO2H)は、カルボン酸(R4CO2H)を、THFおよび/またはDMF、ジメチルアセトアミド(DMA)またはジクロロメタンなどの適当な溶媒中、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)などの活性化剤の存在または非存在下およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)、トリエチルアミンまたはN−メチルモルホリン(NMM)などの適当な塩基の存在下、ヘキサフルオロリン酸O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(HATU)または1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC・HCl)などのペプチドカップリング試薬と接触させることなどにより活性化されたカルボン酸エステルを形成させ、次いで、活性化されたカルボン酸エステルを、スピロピペリジン誘導体(IIa)と接触させることによりカップリングさせ、式(Ia)の化合物を形成させることができる。
反応スキームIIは、式(VIa)の中間体から出発する式(Ia)の化合物の代替合成を提供する。式(VIa)の化合物を、THF中メタノールの存在下に、または、好ましくは、メタノール中で、N−ブロモスクシンイミド(NBS)で処理し、(Nishimura,T.ら Org.Lett.2008、10(18)、4057〜4060の4059)、式(Vb)のメトキシブロモスピロピペリジン誘導体を提供する。THF中でのカリウムtert−ブトキシドなどの強塩基による処理による式(Vb)の化合物の塩基誘導脱離は、式(IVb)の化合物を提供し、次いで、THF中2N塩酸などの強酸で処理し、式(IIIa)の化合物を提供する。次いで、式(IIIa)の化合物を、反応スキームIで前に記載されているように脱保護およびアシル化し、式(Ia)の化合物を提供することができる。
反応スキームIVは、前に示されている中間体のいくつかからの式(I)のある種の他の化合物の調製を示している。反応スキームIVにおける第一の変換は、式(IIIb)のブロモスピロピペリジン誘導体を、炭酸カリウムおよび水の存在下にパラジウムテトラキストリフェニルホスフィンなどの適切なパラジウム触媒の存在下にジメチルホルムアミド中でトリメチルボロキシンと反応させることによるR2位におけるメチル基の導入を示し、式(IIIc)の化合物を提供する。他のアルキル基を、類似の方法でR2位に導入することができる。次いで、式(IIIc)の化合物を、前に記載されているように脱保護およびアシル化することができる。反応スキームIVにおける第二の変換は、R2位におけるシアノ基の導入を示している。ブロモスピロピペリジン誘導体(IIIb)を、亜鉛および適切なパラジウム触媒の存在下にシアン化亜鉛と反応させ、式(IIId)の化合物を提供し、次いで、脱保護およびアシル化し、式(Id)の化合物を提供することができる。反応スキームIVにおける第三の変換は、式(IIIe)の化合物のR3位における適切な基の導入を示している。式(IIIe)の化合物を、好ましくは、低温にて、適切な溶媒中で適切な無水条件下にリチウムヘキサメチルジシラジド(LHMDS)などの強塩基で脱プロトン化する。次いで、そのようにして形成されるエノレートを、Lgが、適切な脱離基を表す適切な求核試薬R3Lg(R3Lgが、ハロゲン化アルキルである場合にはハロゲン化物など)と反応させ、R3が、アルキル基などの適切な基である式(IIIf)の化合物を提供する。次いで、(IIIf)の化合物の脱プロトン化および別のR3Lgとの反応を、所望の場合に再び行うことができる。次いで、式(IIIf)の化合物を、前に記載されているように脱保護およびアシル化し、式(Ie)の化合物を提供することができる。
本発明の化合物は、それ自体で、またはそれらの薬学的に許容できる塩の形態で単離および使用することができる。本発明によれば、複数の塩基性窒素原子を持つ化合物は、様々な当量(「eq」)数の酸と塩を形成することができる。すべてのそのような塩が、本発明の範囲内にあることは当業者により理解されるはずである。
薬学的に許容できる塩は、本発明の化合物に関連して本明細書で使用されているように、化合物の薬学的に許容できる無機塩および有機塩を包含する。これらの塩は、化合物の最終単離および精製の間にインサイチュで、またはその化合物を、適当な有機もしくは無機の酸と別個に反応させ、そのようにして形成される塩を単離することにより調製することができる。代表的な塩は、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、シュウ酸塩、ベシル酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、マロン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、ホウ酸塩、安息香酸塩、乳酸塩、リン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、ギ酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、ナフチレート(naphthylate)、メシル酸塩、グルコヘプトン酸塩、ラクトビオン酸塩およびラウリルスルホン酸塩などを包含するが、それらに限定されるものではない。これらは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリおよびアルカリ土類金属などに基づく陽イオン、ならびにアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアンモニウム、ジメチルアンモニウム、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、エチルアンモニウムなどを包含するがそれらに限定されない無毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、およびアミン陽イオンを包含することもある。追加の例については、例えば、Bergeら、J.Pharm.Sci.、66、1〜19(1977)を参照されたい。
本発明の化合物は、2種以上の結晶形態で存在することがある。式(I)の化合物およびそれらの塩(溶媒和物および水和物を包含する)の多形体は、本発明の一部を形成し、異なる条件下での、例えば、再結晶のための異なる溶媒または異なる溶媒混合物;異なる温度における結晶化;結晶化の間の極めて速い冷却から極めて遅い冷却に及ぶ様々な冷却様式を使用する本発明の化合物の結晶化により調製することができる。多形体は、本発明の化合物を加熱または融解し、続いて、徐々にまたは急速に冷却することにより得ることもできる。多形体の存在は、固体プローブ核磁気共鳴(NMR)分光法、赤外(IR)分光法、示差走査熱量測定法、粉末X線回折またはそのような他の技法により決定することができる。
本発明は、1つまたは複数の原子が、天然において通常見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられているという事実を除いて、式(1)により記載されているものと同一である同位体標識化合物も包含する。本発明の化合物に組み入れることができる同位体の例は、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、36Cl、125I、129I、および18Fなどの水素、炭素、窒素、酸素、硫黄およびフッ素の同位体を包含する。本発明のある種の同位体標識化合物、例えば、3Hおよび14Cなどの放射性同位体が組み入れられているものは、薬物および/または基質の組織分布アッセイに有用である。トリチウム化(すなわち、3H)および炭素−14(すなわち、14C)同位体は、それらの調製の容易さおよび検出能のため特に好ましい。さらに、重水素(すなわち、2H)などのより重い同位体による置換は、より大きい代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加または用量要件の軽減よりもたらされるある種の治療上の利点を提供することができ、それ故に、一部の環境において好ましいことがある。本発明の同位体標識化合物は、一般的に、非同位体標識試薬の代わりに容易に入手可能な同位体標識試薬を用いることにより、スキームおよび/または下の実施例に開示されている手順を行うことにより調製することができる。
本発明の化合物は、立体中心を含有することがある。これらの化合物は、エナンチオマーの混合物としてまたは純粋なエナンチオマーとして存在することがある。ある化合物が、立体中心を包含する場合、その化合物は、当業者に知られている方法により、例えば、例えば結晶化により分離することができるジアステレオ異性の塩の形成;例えば、結晶化、ガス−液体もしくは液体クロマトグラフィーにより分離することができるジアステレオ異性の誘導体もしくはコンプレックスの形成;1つのエナンチオマーとエナンチオマー特異的試薬との選択的反応、例えば、酵素的エステル化;または、例えば、結合しているキラルなリガンドを持つシリカなどのキラルな支持体上のもしくはキラルな溶媒の存在下におけるキラルな環境におけるガス−液体もしくは液体クロマトグラフィーにより、純粋なエナンチオマーに分割することができる。望ましい立体異性体が、上に記載されている分離手順のうちの1つにより別の化学物質に変換される場合に、望ましいエナンチオマーの形態を遊離させるにはさらなるステップが必要とされることが理解されるはずである。代替方法として、具体的な立体異性体は、光学活性な出発材料を使用することにより、光学活性な試薬、基質、触媒もしくは溶媒を使用する不斉合成により、または不斉変換により1つの立体異性体を他の立体異性体に変換することにより合成することができる。
本発明の化合物は、分離可能な場合がある異なる安定な立体配座形態で存在することがある。不斉単結合の周りの束縛回転に起因するねじれ不斉は、例えば、立体障害または環ひずみのために、異なるコンフォーマーの分離を可能にすることがある。本発明の化合物は、式(1)の化合物の各立体配座異性体およびそれらの混合物をさらに包含する。
本発明の化合物は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ酵素(複数可)(特に、ACC1およびACC2)の阻害によりモジュレートされる疾患、状態および/または障害を治療するのに有用である。本発明の別の実施形態は、治療有効量の本発明の化合物または薬学的に許容できるその塩および薬学的に許容できる賦形剤、希釈剤、または担体を含む医薬組成物である。本発明の化合物(そこで使用される組成物およびプロセスを包含する)は、本明細書に記載されている治療上の応用のために医薬品の製造においても使用することができる。
典型的な製剤は、本発明の化合物と担体、希釈剤または賦形剤を混ぜることにより調製される。適当な担体、希釈剤および賦形剤は、当業者によく知られており、炭水化物、ワックス、水溶性かつ/または膨潤性のポリマー、親水性または疎水性の材料、ゼラチン、油、溶媒、水などを包含する。使用される特定の担体、希釈剤または賦形剤は、本発明の化合物が適用されている手段および目的によって決まるはずである。溶媒は、一般的に、哺乳動物へ投与することが安全である(GRAS)と当業者に認められている溶媒を基準として選択される。一般に、安全な溶媒は、水などの無毒性の水性溶媒および水に可溶か混和可能である他の無毒性溶媒である。適当な水性溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)など、ならびにそれらの混合物を包含する。製剤は、1つまたは複数の緩衝液、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、不透明化剤(opaquing agent)、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤、矯味剤および洗練された体裁の薬物(すなわち、本発明の化合物もしくは薬学的に許容できるその塩またはその医薬組成物)を提供するためまたは医薬製品の製造を助けるための(すなわち、医薬品の調製など医療において使用するための)他の知られている添加物を包含することもできる。
製剤は、従来の溶解および混合手順を使用して調製することができる。例えば、バルク薬物物質(すなわち、本発明の化合物または化合物の安定化された形態(例えば、シクロデキストリン誘導体または他の知られているコンプレックス形成剤とのコンプレックス))を、上に記載されている賦形剤の1つまたは複数の存在下に適当な溶媒に溶かす。難水溶性化合物の溶解速度は、参照により本明細書に組み込まれている「Enhancement of the dissolution rate of a poorly water−soluble drug(tolbutamide)by a spray−drying solvent deposition method and disintegrants」J.Pharm.Pharmacol.、39、769〜773(1987)中のTakeuchi,H.ら;およびEP0901786 B1(US2002/009494)により記載されているものなどの噴霧乾燥された分散液の使用により高めることができる。本発明の化合物は、典型的には、容易に制御可能な用量の薬物を提供し、洗練されかつ容易に取り扱える製品を患者に与えるための医薬剤形に製剤化される。
医薬組成物は、本発明の化合物の溶媒和物および水和物も包含する。「溶媒和物」という用語は、式(I)により表される化合物(薬学的に許容できるその塩を包含する)の1つまたは複数の溶媒分子との分子コンプレックスを指す。そのような溶媒分子は、レシピエントに対して無害であることが知られている医薬技術分野において一般に使用されるもの、例えば、水、エタノール、エチレングリコールなどである。「水和物」という用語は、溶媒分子が水であるコンプレックスを指す。溶媒和物および/または水和物は、結晶性形態で存在することが好ましい。メタノール、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸メチル、(S)−プロピレングリコール、(R)−プロピレングリコール、1,4−ブチン−ジオールなどの他の溶媒を、より望ましい溶媒和物の調製における中間溶媒和物として使用することができる。
適用のための医薬組成物(または、製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて様々なやり方で包装することができる。一般的に、流通のための物品は、適切な形態で医薬製剤をその中に収納した容器を包含する。適当な容器は、当業者によく知られており、瓶(プラスチックおよびガラス)、サシェ、アンプル、プラスチック袋、金属円筒などの材料を包含する。容器は、包装の内容物への不注意な接触を防ぐための不正開封防止アセンブリッジを包含することもできる。さらに、容器は、容器の内容物について記載しているラベルをその上に配置している。ラベルは、適切な警告を包含することもできる。
本発明は、動物においてアセチル−CoAカルボキシラーゼ酵素(複数可)の阻害によりモジュレートされる疾患、状態および/または障害を治療する方法であって、そのような治療を必要としている動物に、治療有効量の本発明の化合物または有効量の本発明の化合物および薬学的に許容できる賦形剤、希釈剤、または担体を含む医薬組成物を投与することを包含する方法をさらに提供する。方法は、アセチル−CoAカルボキシラーゼ酵素(複数可)の阻害が有益である疾患、状態および/または障害を治療するために特に有用である。
本発明の一態様は、肥満症、および肥満症関連障害(例えば、過体重、体重増加、または体重維持)の治療である。肥満症および過体重は、一般的に、総体脂肪と相関性があって疾患の相対リスクを予測するボディマス指数(BMI)により定義される。BMIは、二乗した身長(メートル)で除された体重(キログラム)(kg/m2)により算出される。過体重は、典型的には、25〜29.9kg/m2のBMIとして定義され、肥満症は、典型的には、30kg/m2のBMIとして定義される。例えば、National Heart,Lung,and Blood Institute、Clinical Guidelines on the Identification,Evaluation,and Treatment of Overweight and Obesity in Adults、The Evidence Report、Washington,DC:U.S.Department of Health and Human Services、NIH publication no.98〜4083(1998)を参照されたい。
本発明の別の態様は、1型糖尿病(「IDDM」とも呼ばれるインスリン依存性糖尿病)および2型糖尿病(「NIDDM」とも呼ばれるインスリン非依存性糖尿病)、グルコース耐性障害、インスリン抵抗性、高血糖症、ならびに糖尿病性合併症(アテローム性動脈硬化症、冠状動脈性心疾患、脳卒中、末梢血管疾患、腎症、高血圧症、神経障害、および網膜症)を包含する糖尿病または糖尿病関連障害の治療のため、またはその進行もしくは発症を遅延させるためである。
本発明のさらに別の態様は、代謝症候群などの肥満症併存疾患の治療である。代謝症候群は、脂質異常症、高血圧症、インスリン抵抗性、糖尿病(例えば、2型糖尿病)、冠状動脈疾患および心不全などの疾患、状態または障害を包含する。代謝症候群に関するより詳細な情報については、例えば、Zimmet,P.Z.ら、「The Metabolic Syndrome;Perhaps an Etiologic Mystery but Far From a Myth−Where Does the International Diabetes Federation Stand?」、Diabetes & Endocrinology、7(2)、(2005);およびAlberti,K.G.ら、「The Metabolic Syndrome−A New Worldwide Definition」、Lancet、366、1059〜62(2005)を参照されたい。本発明の化合物の投与は、薬物を含有しないビヒクル対照と比較して、血漿レプチン、C反応性タンパク質(CRP)および/またはコレステロールの低下などの少なくとも1つの心臓血管疾患危険因子の統計的に有意な(p<0.05)低下を提供することが好ましい。本発明の化合物の投与は、グルコース血清レベルの統計的に有意な(p<0.05)低下を提供することもできる。
約100kgの体重を有する正常な成人ヒトについて、体重1kg当たり約0.001mgから約10mgまでの範囲の用量が典型的には十分であり、好ましくは、約0.01mg/kgから約5.0mg/kgまで、より好ましくは、約0.01mg/kgから約1mg/kgまでである。しかしながら、一般的用量範囲における何らかの変動が、治療されている対象の年齢および体重、意図された投与経路、投与されている特定の化合物などに応じて必要とされることがある。特定の患者についての用量範囲および最適な用量の決定は、本開示の利益を有する当業者の能力の十分範囲内にある。本発明の化合物は、それらの形態もまた当業者によく知られている持続放出製剤、制御放出製剤、および遅延放出製剤で使用することができることも留意されたい。
本発明の化合物は、本明細書に記載されている疾患、状態および/または障害を治療するための他の医薬剤(複数可)と併せて使用することもできる。したがって、他の医薬剤と組み合わせて本発明の化合物を投与することを包含する治療の方法も提供される。本発明の化合物と組み合わせて使用することができる適当な医薬剤は、抗肥満症薬(食欲抑制薬を包含する)、抗糖尿病薬、抗高血糖症薬、脂質低下薬、および抗高血圧症薬を包含する。
適当な抗肥満症薬は、11β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ−1(11β−HSD1型)阻害薬、ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1(SCD−1)阻害薬、MCR−4作動薬、コレシストキニン−A(CCK−A)作動薬、モノアミン再取込み阻害薬(シブトラミンなど)、交感神経興奮作用薬、β3アドレナリン作動薬、ドーパミン作動薬(ブロモクリプチンなど)、メラノサイト刺激ホルモン類似体、5HT2c作動薬、メラニン凝集ホルモン拮抗薬、レプチン(OBタンパク質)、レプチン類似体、レプチン作動薬、ガラニン拮抗薬、リパーゼ阻害薬(テトラヒドロリプスタチン、すなわちオルリスタットなど)、食欲抑制薬(ボンベシン作動薬など)、ニューロペプチド−Y拮抗薬(例えば、NPY Y5拮抗薬)、PYY3−36(その類似体を包含する)、甲状腺ホルモン様薬、デヒドロエピアンドロステロンまたはその類似体、グルココルチコイドの作動薬または拮抗薬、オレキシン拮抗薬、グルカゴン様ペプチド−1作動薬、毛様体神経栄養因子(Regeneron Pharmaceuticals,Inc.、Tarrytown、NYおよびProcter & Gamble Company、Cincinnati、OHから入手可能なAxokine(商標)など)、ヒトアグーチ関連タンパク(AGRP)阻害薬、グレリン拮抗薬、ヒスタミン3の拮抗薬または逆作動薬、ニューロメディンU作動薬、MTP/ApoB阻害薬(例えば、ジルロタピドなどの腸選択的MTP阻害薬)、オピオイド拮抗薬、オレキシン拮抗薬などを包含する。
本発明の組合せ態様において使用するための好ましい抗肥満症薬は、腸選択的MTP阻害薬(例えば、ジルロタピド、ミトラタピドおよびインプリタピド、R56918(CAS No.403987)およびCAS No.913541−47−6)、CCKa作動薬(例えば、PCT公開第WO 2005/116034号または米国公開第2005−0267100 A1号に記載されているN−ベンジル−2−[4−(1H−インドール−3−イルメチル)−5−オキソ−1−フェニル−4,5−ジヒドロ−2,3,6,10b−テトラアザ−ベンゾ[e]アズレン−6−イル]−N−イソプロピル−アセトアミド)、5HT2c作動薬(例えば、ロルカセリン)、MCR4作動薬(例えば、US6,818,658に記載されている化合物)、リパーゼ阻害薬(例えば、セチリスタット)、PYY3−36(本明細書で使用されているように「PYY3−36」は、ペグ化されたPYY3−36などの類似体、例えば、米国公開第2006/0178501号に記載されているものを包含する)、オピオイド拮抗薬(例えば、ナルトレキソン)、オレオイル−エストロン(CAS No.180003−17−2)、オビネピチド(TM30338)、プラムリンチド(Symlin(登録商標))、テソフェンシン(NS2330)、レプチン、リラグルチド、ブロモクリプチン、オルリスタット、エクセナチド(Byetta(登録商標))、AOD−9604(CAS No.221231−10−3)およびシブトラミンを包含する。本発明の化合物および組合せ療法は、運動および理にかなった食事と併せて投与されることが好ましい。
適当な抗糖尿病薬は、ナトリウム−グルコース共輸送体(SGLT)阻害薬、ホスホジエステラーゼ(PDE)−10阻害薬、ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ(DGAT)1または2の阻害薬、スルホニル尿素(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、ダイヤビニーズ(diabinese)、グリベンクラミド、グリピジド、グリブリド、グリメピリド、グリクラジド、グリペンチド、グリキドン、グリソラミド、トラザミド、およびトルブタミド)、メグリチニド、α−アミラーゼ阻害薬(例えば、テンダミスタット、トレスタチンおよびAL−3688)、α−グルコシドヒドロラーゼ阻害薬(例えば、アカルボース)、α−グルコシダーゼ阻害薬(例えば、アジポシン、カミグリボース、エミグリテート、ミグリトール、ボグリボース、プラジミシン−Q、およびサルボスタチン)、PPARγ作動薬(例えば、バラグリタゾン、シグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、イサグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾンおよびトログリタゾン)、PPARα/γ作動薬(例えば、CLX−0940、GW−1536、GW−1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LR−90、MK−0767およびSB−219994)、ビグアナイド(例えば、メトホルミン)、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)作動薬(例えば、Byetta(商標)、エキセンジン−3およびエキセンジン−4)、タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害薬(例えば、トロデュスケミン(trodusquemine)、ヒルチオサール抽出物、およびZhang,S.ら、Drug Discovery Today、12(9/10)、373〜381(2007)により開示されている化合物)、SIRT−1阻害薬(例えば、レスベラトロール)、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害薬(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチンおよびサクサグリプチン)、インスリン分泌促進薬、脂肪酸酸化阻害薬、A2拮抗薬、c−junアミノ末端キナーゼ(JNK)阻害薬、インスリン、インスリン模倣薬、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害薬、VPAC2受容体作動薬およびグルコキナーゼ活性化薬を包含する。好ましい抗糖尿病薬は、メトホルミン、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)作動薬(例えば、Byetta(商標))およびDPP−IV阻害薬(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチンおよびサクサグリプチン)である。
引用されている米国特許および出版物(実施例において参照されているすべての技術公報を包含する)のすべては、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれるものとする。
下で本明細書に記載される実施例は、例示のみを目的とする。本明細書において反映される組成物、方法、および様々なパラメーターは、本発明の様々な態様および実施形態を例示することのみが意図されており、決して特許請求の範囲に記載されている本発明の範囲を制限することは意図されていない。
下に記載されている化合物および中間体は、概して、有機化学の命名法に関するIUPAC(International Union for Pure and Applied Chemistry)勧告およびCAS索引ルールに従って名前を付けることができる。特に断りのない限り、すべての反応剤は、商業的に入手した。
フラッシュクロマトグラフィーは、Stillら、J.Org.Chem.、1978、43、2923により記載されている方法に従って行った。
本明細書で論じられているすべてのBiotage(登録商標)精製は、KP−SILシリカ(40〜63μM、60オングストローム)(Biotage AB;Uppsala、Sweden)を含有する40Mまたは40SのBiotage(登録商標)カラムを使用して行った。
本明細書で論じられているすべてのCombiflash(登録商標)精製は、パック済みRediSep(登録商標)シリカカラムを利用するCombiFlash(登録商標)Companionシステム(Teledyne Isco;Lincoln、Nebraska)を使用して行った。
質量スペクトルは、Waters(Waters Corp.;Milford、MA)Micromass Platform II分光計で記録した。特別の定めがない限り、質量スペクトルは、Waters(Milford、MA)Micromass Platform II分光計で記録した。
プロトンNMR化学シフトは、テトラメチルシランから低磁場に百万分率で与えられ、Varian Unity 400または500MHz(メガヘルツ)分光計(Varian Inc.;Palo Alto、CA)で記録した。NMR化学シフトは、テトラメチルシラン(プロトンについて)またはフルオロトリクロロメタン(フッ素について)から低磁場に百万分率で示す。
下に記載されている調製を、下記の実施例に例示されている化合物の合成において使用した。
出発材料および中間体の調製
カルボン酸出発材料
下記の市販カルボン酸を使用して本発明の例示化合物を調製した:4−クロロ−3−メチル安息香酸(Alfa Aesar、Ward Hill、MA)、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸(Sphinx Scientific Laboratory Product List)、1−メチル−1H−インダゾール−6−カルボン酸(PharmaBlock R & D Product List)、1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(Affinitis Pharma LLC、New Haven、CT)、1H−インダゾール−5−カルボン酸(Tyger Scientific,Inc.、Ewing、NJ)、4−アミノ−2−メチルピリミジン−5−カルボン酸(Tyger Scientific,Inc.、Ewing、NJ)、2−(メチルアミノ)イソニコチン酸(Aurora Building Blocks)、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−6−カルボン酸(Matrix Scientific)、2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(Apollo Scientific Intermediates for Research and Development)、7H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸(Ryan Scientific Product List)、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−カルボン酸(Matrix Scientific)、2−オキソインドリン−5−カルボン酸(Apollo Scientific Intermediates for Research and Development)、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(AKos Building Blocks Product List)、2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−7−カルボン酸(AKos Building Blocks Product List)、2−アミノ−1,6−ナフチリジン−3−カルボン酸(ACES Pharma Product List)、3−アミノキノキサリン−2−カルボン酸(AsisChem Screening Library)、7−アミノピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−カルボン酸(Ryan Scientific Product List)、1−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(AKos Building Blocks Product List)、4−(1H−イミダゾール−2−イル)安息香酸(Sphinx Scientific Laboratory Product List)、3−(1H−イミダゾール−4−イル)安息香酸(Apollo Scientific Intermediates for Research and Development)、5−アミノ−2−フェニル−2H−1,2,3−トリアゾール−4−カルボン酸(Ryan Scientific Screening Library)、8−メチル−4−オキソ−1,4−ジヒドロキノリン−2−カルボン酸(Aurora Building Blocks)、2−カルバモイルニコチン酸(J & K Scientific Product List)、8−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(Aurora Building Blocks)、3−(1H−ピラゾール−3−イル)安息香酸(Maybridge.Cornwall、UK)、3−(1H−ピラゾール−1−イル)安息香酸(AKos Screening Library)、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−3−カルボン酸(Aldrich)、6−モルホリン−4−イルニコチン酸(Ryan Scientific Product List)、7−メチルイミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(Aurora Building Blocks)、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−カルボン酸(Aurora Building Blocks)、5−ピリジン−3−イル−1H−ピラゾール−3−カルボン酸(AKos Screening Library)、6−メチル−2−(メチルアミノ)ニコチン酸(Aurora Building Blocks)、イミダゾ[1,5−a]ピリジン−7−カルボン酸(Bepharm Product List)、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−6−カルボン酸(Sphinx Scientific Laboratory Product List)、7−ヒドロキシピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−カルボン酸(Butt Park Screening Library)、インドリジン−2−カルボン酸(Ryan Scientific Product List)、2−ピリジン−2−イル−1H−イミダゾール−5−カルボン酸(Ambinter Stock Screening Collection)、3−(1H−イミダゾール−2−イル)安息香酸(Greenchem Institute Product List)、ピロロ[1,2−c]ピリミジン−3−カルボン酸(Milestone Pharm Tech Product List)、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジン−2−カルボン酸(Azasynth Building Blocks)、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジン−2−カルボン酸(Aurora Building Blocks)、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−7−カルボン酸(Bepharm Product List)、4−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)安息香酸(AKos Building Blocks Product List)、1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(AKos Building Blocks Product List)、6−(1H−ピラゾール−1−イル)ニコチン酸(Butt Park Screening Library)、1,6−ナフチリジン−2−カルボン酸(Bepharm Product List)、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−カルボン酸(Sphinx Scientific Laboratory Product List)、1−メチル−4−オキソ−4,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸(Aurora Screening Library)、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−カルボン酸(Apollo Scientific Intermediates for Research and Development)、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−2−カルボン酸(Parkway Scientific Product List)、1H−インダゾール−6−カルボン酸(Aldrich)キノキサリン−2−カルボン酸(Aldrich)、3−アセトアミド安息香酸(Apollo Scientific Intermediates for Research and Development)、4−クロロ−1H−インダゾール−6−カルボン酸(Sinova Product List)、2−モルホリノピリミジン−5−カルボン酸(AKos Screening Library)、1H−イミダゾ[1,2−b]ピラゾール−6−カルボン酸(Aurora Building Blocks)、3−ヒドロキシキノリン−4−カルボン酸(AKos Screening Library)、8−ヒドロキシキノリン−7−カルボン酸(TCI Laboratory Chemicals)および3−(1H−ピラゾール−4−イル)安息香酸(AKos Building Blocks Product List)。
下記のカルボン酸(下の実施例に記載されている化合物を調製するために使用した)は、以前に公表されている手段により調製した:3−ヒドロキシ−6−メチルピコリン酸(P.Korovchenkoら、Catalysis Today 2007、121、13〜21);4−ヒドロキシ−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(Tet.Let.1971、19、1591);3−アミノ−2,6−ジメチルイソニコチン酸(Gulland,J.M.、Robinson,R.J.Chem.Soc.,Trans.1925、127、1493〜503);5−ヒドロキシキノリン−6−カルボン酸(Bogert,M.T.;Fisher,Harry L.Orig.Com.8th Intern.Cangr.Appl.Chem.1912、6、37〜44;5−ヒドロキシイソキノリン−6−カルボン酸(対応するメチルエステルの加水分解により調製することができる:Dyke,S.F.;White,A.W.C.;Hartley,D.Tetrahedron 1973、29、857〜62);3−メチル−1−(ピリジン−3−イル)−1H−ピラゾール−5−カルボン酸(J.Het.Chem.1999、36、217に類似した化学反応により調製することができる)。
下記のカルボン酸出発材料(下の実施例に記載されている化合物を調製するために使用した)を、下に記載されているように調製した。
酸調製1:4−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸
酢酸(100mL)中の4−アミノ−3−ニトロ安息香酸(10g、56mmol)の混合物に、0℃にて、塩化スルフリル(8.98g、66mmol)を加えた。反応混合物を、周囲温度まで温め、終夜撹拌した。混合物を、氷水中に注ぎ、濾過し、風乾すると、黄色の固体として4−アミノ−5−クロロ−3−ニトロ安息香酸(7.35g、62%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 8.24 (s, 2 H) 8.19 (s, 1 H) 7.86 (s, 1 H)
メタノール(150mL)中の4−アミノ−5−クロロ−3−ニトロ安息香酸(7.35g、34mmol)の懸濁液を、濃硫酸(40mL)で処理した。懸濁液を、終夜還流状態まで加熱した。反応溶液を、真空中で濃縮すると、黄色の固体が得られ、酢酸エチル(200mL)および水(30mL)に取った。溶液を、0℃まで冷却し、水(30mL)中の炭酸カリウム(12.4g)を加えた。層を分離し、水層を、酢酸エチル(200mL)で抽出した。合わせた有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、黄色の固体として4−アミノ−5−クロロ−3−ニトロ安息香酸メチル(7.25g、93%)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.50 (d, J=2.15 Hz, 1 H) 8.02 (d, J=1.95 Hz, 1 H) 7.84 (br. s.,
2 H) 3.80 (s, 3 H).
エタノール(115mL)、水(250mL)およびテトラヒドロフラン(200mL)中の4−アミノ−5−クロロ−3−ニトロ安息香酸メチル(4.29g、18.6mmol)の溶液に、ヒドロ亜硫酸ナトリウム(80g、391mmol)を加えた。反応物を、2時間にわたって周囲温度にて撹拌した。反応物に、水(55mL)を加えた。さらに1時間にわたって撹拌した後、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(140mL)を反応物に加えた。反応混合物を濾過し、濾液を、酢酸エチルで2回抽出した(各200mL)。有機抽出物を合わせ、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(100mL)と、続いて、飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を、100mLの最終体積まで真空中で濃縮し、次いで、終夜周囲温度に置くと、沈殿物が得られた。混合物を濾過し、窒素流下で乾燥すると、3,4−ジアミノ−5−クロロ安息香酸メチル(973mg、26%)が得られた。濾液を、真空中で濃縮すると、3,4−ジアミノ−5−クロロ安息香酸メチル(2.45g、66%)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.11 (d, J=1.95 Hz, 1 H) 7.08 (d, J=1.95 Hz, 1 H) 5.44 (s, 2 H)
5.08 (s, 2 H) 3.70 (s, 3 H).
3,4−ジアミノ−5−クロロ安息香酸エステル(1.2g、6mmol)を、水(10mL)およびギ酸(826mg、18mmol)に加え、4時間にわたって還流状態にて加熱した。反応物を、周囲温度まで冷却し、水酸化カリウム水溶液を加えた(21mL、1M)。反応溶液を、酢酸エチル(2×各25mL)で洗浄した。水層を、塩酸水溶液(1N)でpH=5まで酸性化すると、沈殿物が得られ、濾過し、水で洗浄し、窒素流下で乾燥すると、表題化合物(439mg、37%)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 8.45 (s, 1 H) 8.10 (d, J=1.17 Hz, 1 H) 7.77 (d, J=1.37 Hz, 1
H).
酸調製2:7−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸
3,4−ジアミノ−5−クロロ安息香酸エステル(酸調製1から、100mg、0.50mmol)およびカルボニルジイミダゾール(89mg、0.55mmol)を、テトラヒドロフラン(2mL)中で混ぜ合わせ、16時間にわたって撹拌した。反応溶液を、3時間にわたって60℃まで加熱した。反応物に、カルボニルジイミダゾール(81mg、0.50mmol)を加え、反応を、2時間にわたって60℃にて続けた。反応物を、室温まで冷却し、16時間にわたって撹拌した。沈殿物が形成した。混合物を濾過した。濾液を、真空中で濃縮し、残渣を、酢酸エチル中でスラリー化した。スラリーを、始めの濾過と同じフィルター上で濾過した。集められた固体を、少量の酢酸エチルで洗浄し、次いで、窒素流下で乾燥すると、白色の固体として7−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸メチル(93mg、82%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 11.60 (br. s., 1 H) 11.16 (s, 1 H) 7.55 (d, J=1.37 Hz, 1 H)
7.38 (d, J=1.56 Hz, 1 H) 3.80 (s, 3 H).
7−クロロ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸メチル(351mg、1.55mmol)、1M水酸化リチウム水溶液(0.774mL、1.55mmol)およびテトラヒドロフラン(5mL)を混ぜ合わせ、2時間にわたって50℃まで加熱した。反応物に、1M水酸化リチウム水溶液(0.774mL、1.55mmol)およびメタノール(10mL)を加え、反応物を、6時間にわたって還流状態まで加熱し、次いで、終夜周囲温度まで冷却した。反応溶液を、真空中で濃縮し、テトラヒドロフランおよびメタノールを除去した。残留水層を、酢酸エチル(2mL)で抽出した。水層に、水(2mL)酢酸エチル(2mL)および3M塩酸水溶液を加えた。沈殿物が形成した。混合物を濾過し、固体を、水および酢酸エチルで洗浄した。固体を、窒素流下で乾燥すると、表題化合物(296mg、90%)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.54 (s, 1 H) 11.12 (s, 1 H) 7.54 (d, J=1.37 Hz, 1 H) 7.38 (d,
J=1.37 Hz, 1 H).
酸調製3:4−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボン酸
2.5〜5mLのマイクロ波管に、脱気した1,4ジオキサン(1.5mL)に懸濁した6−ブロモ−4−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(160mg、0.744mmol)を加えた。これに、脱気した水(2mL)に溶かした炭酸ナトリウム(237mg、2.23mmol)と一緒に、トランス−ジ(u−アセタト)ビス[o−(ジ−o−トリルホスフィノ)ベンジル]ジ−パラジウム(II)(26mg、0.043mmol)およびモリブデンヘキサカルボニル(100mg、0.38mmol)を加えた。混合物を、20秒にわたって撹拌し、次いで、10分にわたってマイクロ波中で155℃にて加熱し、16バール未満に圧力を保った。容器を、取り扱う前にベントし、室温にて終夜放置した。水(2mL)および酢酸エチル(3mL)を、反応物に加え、次いで、混合物を、Celite(登録商標)に通して濾過した。濾液を、酢酸エチルで分配し、分離した。水性画分を、もう一度酢酸エチルで洗浄し、合わせた有機層を取っておいた。別の部分の水(5mL)を、水層に加え、pH3まで0.5M HClで酸性化し、褐色の沈殿物を形成させた。混合物を、1時間にわたって4℃にて冷蔵庫中に放置した。混合物を濾過し、水で洗浄すると、灰色の固体として4−フルオロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボン酸が得られた、(63%収率)。
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 12.99 (br. s., 1 H) 8.47 (s, 1 H) 8.02 (s, 1 H) 7.52 (d,
J=11.71 Hz, 1 H).
酸調製4:1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボン酸
トルエン(1000mL)中の(E)−3−(3−ブロモフェニル)アクリル酸(100g、0.44mol)とトリエチルアミン(0.48mol)の混合物に、0〜10℃にてアジ化ジフェニルホスホリル(127.4g、0.45mol)を滴下添加した。混合物を、終夜室温にて撹拌した。薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=8:1)は、反応の終了を示した。得られた混合物を、1N水酸化ナトリウム(500mL)で洗浄し、酢酸エチル(2000mL×3)で抽出した。有機層を濃縮すると、粗製の(E)−1−アジド−3−(3−ブロモフェニル)プロパ−2−エン−1−オンが得られ、次のステップで直接使用した。
粗製の(E)−1−アジド−3−(3−ブロモフェニル)プロパ−2−エン−1−オン(粗製約120g)とトルエン(200mL)の混合物を、2時間にわたって還流した。薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=8:1)は、出発材料の大部分が消費されたことを示した。混合物を濃縮すると、粗製の(E)−1−ブロモ−3−(2−イソシアナトビニル)ベンゼン(100g、94%)が得られ、次のステップで直接使用した。
トルエン(200mL)中の(E)−1−ブロモ−3−(2−イソシアナトビニル)ベンゼン(100g、0.44mol)の溶液に、190℃にてトリブチルアミン(100mL)とオキシジベンゼン(500mL)の混合物を滴下添加した。添加後、混合物を、さらに2時間にわたって210℃にて加熱した。薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)は、反応が終了したことを示した。混合物を、室温まで冷却し、濾過し、固体を、酢酸エチル(50mL×3)で洗浄した。固体を、真空下で乾燥すると、薄黄色の固体として粗製の6−ブロモイソキノリン−1(2H)−オン(30g、30%)が得られ、次のステップで直接使用した。
メタン(300mL)中の6−ブロモイソキノリン−1(2H)−オン(30g、134mmol)、トリエチルアミン(17.6g、174mmol)、塩化パラジウム(II)(0.24g、1.34mmol)および(S)−(−)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(0.84g、1.34mmol)の混合物を、2MPaの一酸化炭素下で100℃にて加熱し、12時間にわたって撹拌した。薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)は、反応が終了したことを示した。反応混合物を濃縮し、残渣を、水で洗浄し、固体を濾過し、真空中で乾燥すると、黄色の固体として粗製の1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボン酸メチル(23.8g、95%)が得られ、次のステップで直接使用した。
1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボン酸メチル(25g、0.133mol)、テトラヒドロフラン(200mL)および水(200mL)の混合物に、室温にて水酸化リチウム(16.8g、0.40mol)を加え、混合物を、4時間にわたって撹拌した。薄層クロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=1:1)は、反応が終了したことを示した。反応混合物を、酢酸エチル(100mL×3)で抽出し、不純物を除去した。水層を、pH5まで4NHCl水溶液で酸性化し、濾過した。固体を、真空中で乾燥すると、薄黄色の固体として1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボン酸(11.3g、48%)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 11.48 (s, 1H), 8.24 (d, 2H), 7.93 (d, 1H), 7.22 (d, 1H), 6.68
(d, 1H).
酸調製5:1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−カルボン酸
1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−7−カルボン酸は、1−オキソ−1,2−ジヒドロイソキノリン−6−カルボン酸、(酸調製4)と類似した方法で調製した。
酸調製6:5−(1H−イミダゾール−1−イル)ピコリン酸
5−ブロモピコリノニトリル(2.0g、10.9mmol)、イミダゾール(818mg、12mmol)炭酸カリウム(1.66g、12mmol)およびジメチルホルムアミド(40mL)を混ぜ合わせ、20時間にわたって130℃まで加熱した。反応溶液を蒸発させ、残渣を、ジクロロメタン(150mL)と水(100mL)の間で分配した。相を分離し、有機相を、水(50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、蒸発させると、残渣が得られ、ジクロロメタン中2〜3%メタノールグラジエントで溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、5−(1H−イミダゾール−1−イル)ピコリノニトリル(1.23g、66%)が得られた。
5−(1H−イミダゾール−1−イル)ピコリノニトリル(136mg、0.80mmol)を、2時間にわたって6N塩酸水溶液(10mL)中で還流状態まで加熱した。反応混合物を蒸発させ、残渣を、3部分のトルエンと共沸させると、残渣が得られ、水中0〜10%ピリジングラジエントで溶離するイオン交換カラム(AG−50 Biorad)上で精製すると、白色の固体として表題化合物(128mg、84%)が得られた。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.10 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 8.26-8.33 (m, 1H), 8.13-8.20 (m,
1H), 7.96 (s, 1H), 7.16 (s, 1H).
酸調製7:7−クロロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸
クロロホルム(50mL)中の4−アミノ−3−クロロ−5−メチル−ベンゾニトリル(3.0g、18.0mmol)の混合物に、無水酢酸(3.92mL、41.4mmol)を加えた。混合物を、5時間にわたって還流状態にて加熱し、次いで、室温まで冷却した。混合物に、酢酸カリウム(530mg、5.4mmol)および亜硝酸イソアミル(5.28mL、39.6mmol)を加えた。反応物を、16時間にわたって還流状態にて加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液で抽出し、有機物を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、褐色の油が得られた。油を、メタノール(25mL)に溶かし、濃塩酸(25mL)を加えた。反応物を、22時間にわたって室温にて撹拌し、メタノールを、真空中で濃縮した。残った水層を、7のpHに調整し、得られた沈殿物を濾過すると、褐色の固体が得られ、溶離液としてヘプタン中50%ジクロロメタンを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、固体として7−クロロ−1H−インダゾール−5−カルボニトリル(585mg、18%)が得られた:-ESI MS (M-1) 176.0;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.29 (br. s., 2 H), 8.08 (s, 1 H), 7.61 (s, 1 H).
エタノール(52.5mL)中の7−クロロ−1H−インダゾール−5−カルボニトリル(1.36g、7.66mmol)の混合物に、水(17.5mL)および水酸化カリウム(6.44g、115mmol)を加えた。反応混合物を、16時間にわたって還流状態にて加熱した。反応混合物を、室温まで冷却し、エチルエーテルで2回抽出し、1N塩酸水溶液で酸性化し、得られた沈殿物を濾過すると、褐色の固体として7−クロロ−1H−インダゾール−5−カルボン酸(900mg、60%)が得られた:-ESI MS (M-H) 195.2.
酸調製8:5−モルホリノピコリン酸
マロン酸ジエチル(151g、0.944mol)を、乾燥テトラヒドロフラン(1L)中の鉱油中60%水素化ナトリウム(37.8g、0.944mol)に撹拌下で滴下添加した。水素発生が止まった後、2−クロロ−5−ニトロピリジン(125g、0.787mol)を加えた。反応混合物を、2時間にわたって還流し、次いで、テトラヒドロフランを、真空中で蒸発させると、粗製の(5−ニトロピリジン−2−イル)マロン酸ジエチルが得られ、精製することなく次の段階で使用した。
粗製の(5−ニトロピリジン−2−イル)マロン酸ジエチルを、撹拌下で沸騰している65%硝酸(1.5L)に加えた。反応混合物を、15時間にわたって撹拌下で還流した。反応混合物を、真空中で濃縮し、得られた固体を、クロロホルムで洗浄すると、5−ニトロピリジン−2−カルボン酸(収率65%、85.9g)が得られた。
5−ニトロピリジン−2−カルボン酸(100g、0.60mol)を、5時間にわたってメタノール(1L)および硫酸(57mL)中で還流状態にて加熱した。反応混合物を冷却し、真空中で半分の体積まで減らし、残渣を、炭酸ナトリウムの溶液で中和した。得られた沈殿物を濾過すると、5−ニトロピリジン−2−カルボン酸メチル(収率89%、98g)が得られた。
5−ニトロピリジン−2−カルボン酸メチル(182g、1mol)を、1時間にわたってピペリジン(250mL)中で還流した。反応混合物を、真空中で濃縮すると、粗製の5−ニトロ−2−(ピペリジン−1−イルカルボニル)ピリジンが得られ、さらに精製することなく次の段階のために使用した。
粗製の5−ニトロ−2−(ピペリジン−1−イルカルボニル)ピリジンを、酢酸(500mL)中で炭素上10%パラジウム(4g)の存在下に大気圧下で水素により還元した。触媒を、濾過により分離し、溶媒を、真空中で蒸発させると、粗製の6−(ピペリジン−1−イルカルボニル)ピリジン−3−アミンが得られ、さらに精製することなく次の段階のために使用した。
濃塩酸(1.5L)中の亜硝酸ナトリウム(69g)の溶液を、0Cにて粗製の6−(ピペリジン−1−イルカルボニル)ピリジン−3−アミンに加え、混合物を、10分にわたって撹拌した。尿素(20g)を加え、混合物を、15分にわたって撹拌した。ヨウ化ナトリウム(150g)を加え、生成物を、濾過により分離し、エタノールから再結晶すると、5−ヨード−2−(ピペリジン−1−イルカルボニル)ピリジン(5−ニトロピリジン−2−カルボン酸メチルについて計算して収率23%、71g)が得られた。
トルエン(400mL)中の5−ヨード−2−(ピペリジン−1−イルカルボニル)ピリジン(71g、0.23mol)、酢酸パラジウム(II)(1.03g、46mmol)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル(2.76g、92mmol)、モルホリン(23.7g、0.28mol)、およびナトリウムtert−ブトキシド(27.8g、0.28mol)を、2時間にわたって95Cにてアルゴン下で撹拌した。生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル)により単離し、エタノールから再結晶すると、4−[6−(ピペリジン−1−イルカルボニル)ピリジン−3−イル]モルホリン(収率37%、22g)が得られた。
25% KOH(100mL)を、4−[6−(ピペリジン−1−イルカルボニル)ピリジン−3−イル]モルホリン(18.3g)に加え、混合物を還流し、次いで、HClで中和した。溶液を、真空中で蒸発させ、生成物を、温イソプロパノールで抽出すると、表題化合物(収率71%、11.5g)が得られた。+ESI MS (M+H) 209.7; 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6)
δ ppm 8.34 (br. s., 1 H), 8.03 (d, 1 H), 7.65 (dd, 1
H), 3.75 (br. s., 4 H), 3.40 (br. s., 4 H).
酸調製9:7−クロロ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸
2N塩酸(8mL)を、エタノール(20mL)中の3,4−ジアミノ−5−クロロ安息香酸メチル(酸調製1から、435mg、2.17mmol)の溶液に加える。混合物を、還流状態まで加熱し、次いで、アセチルアセトン(437mg、4.37mmol)を、黄色の溶液に加える。黄色の溶液は、添加により紫色に変わった。1時間にわたって還流状態にて撹拌すると、溶液は、黄色に戻った。さらに1時間にわたって還流状態にて撹拌する。溶媒を濃縮し、無色の残渣とする。水(20mL)を加える。懸濁液を、酢酸(20mL)で抽出する。水層を、pH約10まで2N水酸化ナトリウム(約8mL)で塩基性化する。酢酸エチル(3×15mL)で抽出する。塩基性抽出の合わせた有機物を、塩水(5mL)で洗浄する。硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥すると、無色の固体として7−クロロ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸メチル(290mg、59%)が得られる。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 2.68 (s, 3 H), 3.93 (s, 3 H), 7.25 (s, 1 H), 7.96 (s, 1 H).
2N水酸化ナトリウム(5mL、5mmol)を、メタノール(7.5mL)中の7−クロロ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸メチル(280mg、1.25mmol)の溶液に加える。16時間にわたって65℃にて撹拌する。メタノールを、真空中で濃縮し、残った水層を、酢酸エチル(10mL)で抽出した。水層を、1N塩酸(約5mL)でpH約4まで酸性化する。無色の沈殿物を濾過し、高真空下で乾燥すると、表題化合物(189mg、72%)が得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 2.61 (s, 3 H), 7.86 (d, J=1.37 Hz, 1 H), 8.08 (d, J=1.17 Hz, 1
H).
酸調製10:7−クロロ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸
丸底フラスコに、5−ブロモ−3−フルオロベンゼン−1,2−ジアミン(400mg、2mmol)およびエタノール30mLを充填した。次いで、5N塩酸(8mL、40mmol)を加えた。この混合物を、還流状態まで加熱し、2,4−ペンタンジオンを加えた。反応混合物は、深い紫色に変わり、次いで、黄褐色にゆっくりと戻った。反応を、3時間にわたって進行させ、次いで、冷却し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で中和した。次いで、反応混合物を、ジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機層を、塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。粗製の混合物を、ジエチルエーテル中でトリチュレートし、次いで、濾過すると、黄褐色の固体として6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(375mg、82%)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.44 (br. s., 1 H), 7.10 (d, J=11.22 Hz, 1 H), 2.63 (s, 3 H).
5mLのマイクロ波バイアルに、脱気したジオキサン(2mL)に懸濁した6−ブロモ−4−フルオロ−2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール(187mg、0.815mmol)、トランス−ジ−μ−アセタトビス[2−(ジ−O−トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)(28mg、0.048mmol)およびモリブデンヘキサカルボニル(110mg、0.417ミリモル)を充填した。次いで、脱気した10%炭酸ナトリウム水溶液(2.45mL、2.45mmol)を加えた。次いで、反応物を、20秒にわたって撹拌した後、10分にわたって極めて高い吸収で155℃にてマイクロ波中で反応させた。次いで、容器をベントし、室温にて終夜放置した。次いで、水(2mL)および酢酸エチル(3mL)を加え、混合物を、Celite(登録商標)に通して濾過した。層を分離し、水層を、酢酸エチル(2×)で洗浄した。合わせた酢酸エチル層を取っておいた。水(5mL)を、水層に加え、次いで、3のpHまで0.5M塩酸で酸性化し、次いで、4℃まで冷却した。固体が形成し、濾過し、水で洗浄すると、黄色の固体として表題化合物(61mg、37%)が得られた。第二クロップが形成し、次いで、濾過すると、表題化合物(100mg、63%)が得られた。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ ppm 8.22 (d, J=0.98 Hz, 1 H), 7.91 (d, J=10.49 Hz, 1 H), 2.95 (s, 3
H).
酸調製11:1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−6−カルボン酸
ジメチルホルムアミド(75mL)中の水素化ナトリウム(5.08g、127mmol)の懸濁液に、0℃にてマロン酸ジエチル(19.26mL、127mmol)を加えた。次いで、溶液を、30分にわたって周囲温度にて撹拌し、ジメチルホルムアミド(75mL)中の5−ブロモ−2−クロロ−3−ニトロピリジン(30g、127mmol)の溶液を滴下添加した。次いで、暗褐色の混合物を、2時間にわたって100℃にて撹拌した後、周囲温度まで冷却し、0℃にて塩化アンモニウムの飽和溶液(500mL)でクエンチした。混合物を、酢酸エチル(3×500mL)で抽出し、合わせた有機物を、硫酸マグネシウム上で乾燥した。溶媒を、真空中で除去すると、暗褐色の油が得られ、フラッシュカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル/ヘキサン)により精製すると、褐色の固体として2−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)マロン酸ジエチル(31.8g、88mmol、69%)が得られた。
1HNMR ( 400 MHz, CDCl
3):δ ppm 8.86 (s, 1H), 8.61 (s, 1H), 5.44 (1H, s), 4.29 (q, 4H), 1.27
(t, 6H).
塩酸水溶液(6M、1.4L)中の2−(5−ブロモ−3−ニトロピリジン−2−イル)マロン酸ジエチル(31.8g、88mmol)の混合物を、18時間にわたって還流状態にて撹拌した。反応混合物を、周囲温度まで冷却し、0℃にて重炭酸ナトリウム水溶液の飽和水溶液(4L)に極めてゆっくりと加えた。次いで、混合物を、ジクロロメタン(7L)で抽出し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を、真空中で除去すると、オレンジ色の油として5−ブロモ−2−メチル−3−ニトロピリジン(13.8g、63.9mmol、72%)が得られ、放置すると固化した。1HNMR (300 MHz, CDCl3) :δ ppm 8.78 (s, 1H), 8.43 (s, 1H), 2.79 (s, 3H).
工業用メタノール変性アルコール(330mL)中の5−ブロモ−2−メチル−3−ニトロピリジン(13.8g、63.9mmol)の溶液に、鉄粉(20g)(クランピングを避けるために少量ずつ)と、続いて、濃塩酸水溶液(5mL)を加えた。暗褐色の混合物を、2時間にわたって還流状態にて激しく撹拌し、次いで、冷却し、Celite(登録商標)に通して濾過した(工業用メタノール変性アルコール1Lで洗浄した)。次いで、溶媒を、真空中で除去し、残渣を、酢酸エチル(200mL)に取り、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(200mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を、真空中で除去すると、オレンジ色の固体として5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−アミン(10.7g、57.5mmol、89.9%)が得られた。1HNMR (400 MHz, CDCl3):δ ppm 7.91 (s, 1H), 7.00 (s, 1H), 3.75 (br.s, 2H), 2.25 (s, 3H).
ジクロロメタン(575mL)中の5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−アミン(10.7g、57.5mmol)の溶液に、0℃にて無水酢酸(12mL、126.5mmol)と、続いて、トリエチルアミン(22mL、158mmol)を加えた。混合物を、周囲温度まで温め、18時間にわたって撹拌し、その時点でさらなる当量の無水酢酸(6mL、63mmol)を加えた。混合物を、さらに72時間にわたって周囲温度にて撹拌した。反応混合物を、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(500mL)でクエンチし、有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液(500mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、褐色の固体が得られた。この固体を、ヘキサン中30%酢酸エチルと共にトリチュレートすると、灰色がかった白色固体としてN−(5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−イル)アセトアミド(8.28g、36mmol、63%)が得られた。1HNMR (400 MHz, CD3OD):δ ppm 8.31 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 2.43 (s, 3H), 2.18 (s, 3H).
クロロホルム(550mL)中のN−(5−ブロモ−2−メチルピリジン−3−イル)アセトアミド(8.28g、36mmol)の溶液に、周囲温度にて、酢酸カリウム(4.32g、43.6mmol)、酢酸(2.5mL、43.6mmol)と、続いて、無水酢酸(6.86mL、72.6mmol)を加えた。混合物を、15分にわたって周囲温度にて撹拌した後、40℃まで加熱した。次いで、亜硝酸イソアミルを滴下添加した。次いで、反応物を、48時間にわたって60℃にて撹拌した。反応混合物を、0℃にて重炭酸ナトリウムの飽和溶液(500mL)中にゆっくりと注いだ。有機相を残しておき、水相を、ジクロロメタン(500mL)で抽出した。次いで、合わせた有機物を濃縮し、褐色の油とし、メタノール(500mL)に溶かした。水酸化ナトリウム水溶液(2M、500mL)を、0℃にて加え、混合物を、1時間にわたって周囲温度にて撹拌した後、メタノールを、真空中で除去した。次いで、水性混合物を、酢酸エチル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機物を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、溶媒を、真空中で除去すると、淡褐色の固体として6−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン(5.5g、27.9mmol、77%)が得られた。1HNMR (400, CD3OD):δ ppm 8.55 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.21 (s, 1H).
メタノール(125mL)およびアセトニトリル(75mL)中の6−ブロモ−1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン(5.5g、27.9mmol)の溶液に、トリエチルアミン(22mL、156mmol)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(1.98g、3.07mmol)、二塩化パラジウム(1.23g、6.98mmol)を加えた。混合物を、20バールの一酸化炭素下に置き、100℃まで加熱し、18時間にわたって激しく撹拌した。反応混合物を、周囲温度まで冷却し、Celite(登録商標)に通して濾過した後、溶媒を、真空中で除去すると、褐色の油が得られた。次いで、この粗製の油を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(1:1、酢酸エチル:ヘキサン)により精製すると、黄白色の固体として1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−6−カルボン酸メチル(4.52g、92%収率)が得られた。1HNMR (400, CDCl3) δ ppm 10.56 (s, 1H), 9.23 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 4.01
(s, 3H).
メタノール(250mL)および水(190mL)中の1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジン−6−カルボン酸メチル(3.52g、20mmol)の溶液に、0℃にて、水酸化ナトリウム水溶液(2M、64mL、128mmol)を滴下添加した。次いで、懸濁液を、周囲温度まで温め、18時間にわたって撹拌した。次いで、メタノールを、真空中で除去し、水性混合物を、酢酸エチル(250mL)で抽出した後、塩酸水溶液(2M、70mL)で酸性化(pH5〜6まで)した。次いで、沈殿したクリーム色の固体を濾別し、デシケーター中で乾燥すると、表題化合物(0.675g、4.16mmol、21%収率)が得られた。1HNMR (400 MHz, DMSO-d6):δ ppm 8.97 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 8.39 (s, 1H).
酸調製12:3−シアノ−1H−インダゾール−5−カルボン酸
酢酸(450mL)中の(2−ニトロフェニル)−アセトニトリル(30g、185mmol)および炭素上10%パラジウム(2g)の懸濁液を、2時間にわたって周囲温度にて30psi圧力下にParr装置中で水素化した。混合物を、Celite(登録商標)パッドに通して濾過し、濾液を、真空中で濃縮した。得られた残渣を、酢酸エチル(250mL)に溶かした。得られた溶液を、水(2×100mL)および飽和塩化ナトリウム(50mL)で洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、生成物が得られた。粗製の材料を、溶離液として石油エーテル中8%酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュシリカゲル)により精製すると、固体として(2−アミノフェニル)アセトニトリル(13.5g、55%)が得られた。
1HNMR (CDCl
3) δ ppm 7.3-7.1 (m, 2H), 6.9-6.7 (m, 2H), 3.7 (br, 2H), 3.5 (s, 2H).
ジメチルホルムアミド(150mL)中の(2−アミノフェニル)アセトニトリル(13g、98mmol)の冷却した溶液に、0℃にて、30分にわたってN−ブロモスクシンイミド(19.3g、108mmol)を少量ずつ加え、1時間にわたって0℃に維持した。混合物を、酢酸エチル(300mL)で希釈し、水(3×100mL)および飽和塩化ナトリウム(50mL)で洗浄した。有機層を、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。得られた粗製の生成物を、溶離液として石油エーテル中10%酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュシリカゲル)により精製すると、固体として(2−アミノ−5−ブロモフェニル)アセトニトリル(11g、53%)が得られた。1HNMR (CDCl3) δ 7.35 (s, 1H), 7.25(d, 1H), 6.65(d, 1H), 3.7 (br, 2H),
3.52(s, 2H).
濃塩酸(110mL)中の(2−アミノ−5−ブロモフェニル)アセトニトリル(11g、52mmol)の冷却した溶液に、−50℃にて、水(20mL)中の亜硝酸ナトリウム(3.9g、57mmol)の溶液をゆっくりと加えた。添加後、混合物を、2時間にわたって−50℃にて撹拌した。混合物を、0℃にて33%水酸化アンモニウムで中和し、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和塩化ナトリウム(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。得られた粗製の生成物を、溶離液として石油エーテル中10%酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュシリカゲル)により精製すると、固体として5−ブロモ−3−シアノインダゾール(7g、60%)が得られた。1HNMR (CDCl3) δ ppm 10.7 (br, 1H), 8.1 (s, 1H), 7.64 (d, 1H), 7.5 (d, 1H).
メタノール(100mL)中の5−ブロモ−3−シアノインダゾール(3g、13.51mmol)、二塩化パラジウム1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(1.76g、2.16mmol)、酢酸ナトリウム(3.32g、40.5mmol)、ジメチルホルムアミド(1mL)の懸濁液を脱気し、16時間にわたってオートクレーブ中で80℃にて一酸化炭素(80psi)下に保った。混合物を、水(50mL)で希釈し、Celite(登録商標)ベッドに通して濾過し、濾液を濃縮した。得られた残渣を、10%クエン酸溶液で酸性化し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。合わせた有機層を、塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。得られた粗製の生成物を、溶離液としてクロロホルム中10%酢酸エチルを使用するカラムクロマトグラフィー(100〜200メッシュシリカゲル)により精製すると、固体として3−シアノ−1H−インダゾール−5−カルボン酸メチル(1.8g、68%)が得られた。1HNMR (CDCl3) δ ppm 10.8 (s, 1H), 8.7 (s, 1H), 8.22 (d, 1H), 7.64 (d, 1H), 4.0 (s,
3H).
エタノール(40mL)中の3−シアノ−1H−インダゾール−5−カルボン酸メチル(2.5g、12mmol)の溶液に、水(15mL)中の水酸化リチウム(1.04g、24.9mmol)の溶液を加え、16時間にわたって周囲温度にて撹拌した。混合物を濃縮し、得られた残渣を、水(25mL)に溶かし、酢酸エチル(20mL)で洗浄した。水層を、10%クエン酸溶液で酸性化し、得られた沈殿物を濾過し、石油エーテル中50%酢酸エチル(2×10mL)で洗浄し、乾燥すると、褐色の固体として表題化合物(1.9g、82%)が得られた。1HNMR (DMSO-d6) δ ppm 13.8-12.4 (br, 2H), 8.44 (s, 1H), 8.1 (d, 1H), 7.82 (d, 1H).
酸調製13:2−(1H−ピラゾール−3−イル)イソニコチン酸
濃硫酸150mL中の2−ブロモ−4−メチルピリジン29.0g(69mmol)の撹拌した溶液に、重クロム酸カリウム67.9g(231mmol)を少量ずつ加えた。反応混合物を、温度が20〜50℃に留まるように氷浴で冷却した。添加が終了した後、撹拌を、さらに2時間にわたって室温にて続けた。次いで、反応混合物を、氷水2L上にゆっくりと注ぎ、混合物を、室温にて1時間にわたって撹拌した。得られた結晶を、濾過により集め、洗浄液が無色になるまで水で洗浄し、真空中で乾燥すると、2−ブロモイソニコチン酸30.0g(88%)が得られた。
ジクロロメタン(500mL)およびメタノール(35g、1.08mol)中の2−ブロモイソニコチン酸(73g、0.361mol)の氷冷した溶液に、少量ずつ1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩(67g、0.434mol)を加えた。混合物を、終夜周囲温度にて撹拌した。次いで、シリカゲル120gを加え、溶媒を蒸発させた。残渣を、石油エーテル中5%酢酸エチルで溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、白色の固体として2−ブロモイソニコチン酸メチル58g(75%)が得られた。
2−ブロモイソニコチン酸メチル(216g、1mol)、乾燥アセトニトリル(1.7L)、エチニル(トリメチル)シラン(117g、1.2mol)、ジイソプロピルアミン(122g、1.2mol)、およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(36g、0.05mol)を、窒素流で2回パージした十分に乾燥した三つ口フラスコに入れた。反応混合物を、0.5時間にわたって撹拌し、10℃まで冷却し、ヨウ化銅(19g、0.1mol)を、窒素流下で加えた。20℃にて、反応混合物は、濃厚かつ黒くなり、発熱が観察され、続いて、沈殿物が形成した。ヨウ化銅の添加後、反応混合物を、周囲温度にてさらに2時間にわたって撹拌した。沈殿した残渣を、濾過により分離し、ジエチルエーテル(800mL)で2回洗浄した。濾液を、飽和塩化アンモニウム(2×300mL)および塩水(2×300mL)で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥した後、溶媒を蒸発させた。残渣を、ヘキサンと、続いて、石油エーテル中5%酢酸エチルで溶離するシリカゲルカラムを使用して精製すると、2−((トリメチルシリル)エチニル)イソニコチン酸メチル191g(82%)が得られた。
濃硫酸(60mL、1.1mol)を、テトラヒドロフラン(600mL)中の2−((トリメチルシリル)エチニル)イソニコチン酸メチル(127g、0.54mol)および酢酸水銀(51.5g、0.16mol)の懸濁液に加えた。懸濁液を、50℃にて3時間にわたって撹拌し、終夜保った。反応混合物を、ジエチルエーテル(1.5L)で希釈し、硫酸を、飽和重炭酸ナトリウム(150g、1.7mol)で中和した。水銀塩の残渣を、濾過により分離した。エーテル溶液を、水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。溶媒を除去すると、油として2−アセチルイソニコチン酸メチルが得られ、次のステップで直接使用した。
2Lの三つ口フラスコに、2−アセチルイソニコチン酸メチル(160g、0.894mol)、ジメチルホルムアミド−ジメチルアセトアミド(350mL)およびトルエン(350mL)を加えた。混合物を、Dean−Starkトラップで約5時間にわたって還流し、生成されるメタノールを除去した。追加のジメチルホルムアミド−ジメチルアセトアミドおよびトルエンを加え、約800〜900mLの反応体積を保った。液体クロマトグラフィー−質量分析法が、反応が終了したことを示したら、溶媒を除去すると、黒い固体として粗製の(Z)−2−(3−(ジメチルアミノ)アクリロイル)イソニコチン酸メチルが得られた。粗製の固体は、次のステップで直接使用した。
2Lの三つ口フラスコに、(Z)−2−(3−(ジメチルアミノ)アクリロイル)イソニコチン酸メチル(0.894mol)、ヒドラジン水和物(48.8g)、無水エタノール(1L)を加えた。懸濁液を、終夜20℃にて撹拌した。溶媒を、真空中で除去した。残渣を、濃塩酸(600mL)に取り、2時間にわたって還流状態まで加熱した。混合物を、周囲温度まで冷却した。得られた沈殿物を濾過し、水、エタノールおよびアセトンで洗浄し、乾燥すると、褐色の固体として表題化合物78.6gが得られた。1HNMR (DMSO-d6/D2O)
δ ppm 8.80 (d, 1H), 8.50 (s, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.87
(dd, 1H), 7.15 (d, 1H).
酸調製14:3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸
ヒドロ亜硫酸ナトリウムの水溶液(水80mL中17.4g、100mmol)を、0℃にて、テトラヒドロフラン(70mL)およびエタノール(30mL)中の3−(メチルアミノ)−4−ニトロベンゼンカルボン酸メチル(855mg、4.75mmol)に加える。オレンジ色の溶液は、添加でオレンジ色の懸濁液に変わった。混合物を、2時間にわたって室温にて撹拌する。オレンジ色の懸濁液は、この時間にかけて黄色の懸濁液に変わった。飽和重炭酸ナトリウム(100mL)を加えると、黄色の懸濁液は、無色に変わった。混合物を、酢酸エチル(2×100mL)で抽出する。合わせた有機物を、塩水(30mL)で洗浄する。硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥すると、黄色の油として4−アミノ−3−(メチルアミノ)安息香酸メチル(586mg、68%)が得られる。得られた油は、10分後に、放置すると結晶化し始めた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 2.89 (s, 3 H), 3.37 - 3.81 (m, 2 H), 3.85 (s, 3 H), 6.67 (d,
J=8.01 Hz, 1 H), 7.33 (d, J=1.37 Hz, 1 H), 7.44 (dd, J=8.11, 1.66 Hz, 1 H).
カルボニルジイミダゾール(567mg、3.50mmol)を、室温にて、テトラヒドロフラン(20mL)中の4−アミノ−3−(メチルアミノ)安息香酸メチル(586mg、3.19mmol)の溶液に加える。黄色の溶液を、16時間にわたって室温にて撹拌する。カルボニルジイミダゾール(500mg、0.96)を加える。4時間にわたって室温にて撹拌する。酢酸エチル(75mL)を加える。10%クエン酸(5mL)、1N水酸化ナトリウム(5mL)、および塩水(5mL)で洗浄する。有機物を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥すると、粗製の黄色の固体(690mg、100%)が得られる。この粗製の固体を、酢酸エチル(10mL)と共にトリチュレートする。沈殿物を濾過し、高真空下で乾燥すると、3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸メチル(422mg、64%)が得られる。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 3.46 (s, 3 H), 3.92 (s, 3 H), 7.12 (d, J=8.21 Hz, 1 H), 7.68
(s, 1 H), 7.84 (dd, J=8.31, 1.47 Hz, 1 H), 9.87 - 10.03 (m, 1 H).
1N水酸化ナトリウム(6.1mL、6.1mmol)を、メタノール(10mL)中の3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸メチル(420mg、2.04mmol)の懸濁液に加える。懸濁液は、1N水酸化ナトリウムの添加で溶液に変わった。16時間にわたって65℃にて撹拌する。室温まで冷却し、次いで、濃縮し、メタノールを除去する。水層を、酢酸エチル(5mL)で抽出する。水層を、pH約2まで2N塩化水素(3mL)で酸性化する。水層を濃縮し、固体とする。固体を、水(3mL)と共にトリチュレートする。沈殿物を濾過し、高真空下で乾燥すると、淡褐色の固体として表題化合物(234mg、59%)が得られる。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.28 (s, 3 H), 7.01 (d, J=8.21 Hz, 1 H), 7.57 (s, 1 H), 7.63
(dd, J=8.11, 1.27 Hz, 1 H), 11.19 (s, 1 H), 12.60 (s, 1 H).
酸調製15:7−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸
メタノール(100mL)中の4−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロ安息香酸メチル(10g、36.3mmol)および塩化スズ(II)(33g、14.5mmol)の懸濁液を、60℃まで加熱し、4時間にわたって維持した。反応塊を、周囲温度まで冷却し、濃縮すると、残渣が得られ;残渣を、pHが11になるまで飽和重炭酸ナトリウム水溶液を使用して塩基性化し、水層を、ジクロロメタン(3×200mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮すると、灰色がかった白色の固体として3,4−ジアミノ−5−ブロモ安息香酸メチル(5g、58%)が得られた。
1HNMR (CDCl
3): δ ppm 7.74 (s, 1H), 7.35 (s, 1H), 4.18 (広幅なs,
2H), 3.85 (s, 3H)および3.38-3.56 (広幅なs, 2H).
ジクロロメタン(6mL)中の3,4−ジアミノ−5−ブロモ安息香酸メチル(1g、4.0mmol)およびトリエチルアミン(0.4g、4.0mmol)の溶液を、0℃まで冷却した。ジクロロメタン(15mL)中のトリホスゲン(1.2g、4.08mmol)の溶液を、この溶液に加えた。反応混合物を、周囲温度まで温め、18時間にわたって維持した。反応塊を、水(3mL)でクエンチし、酢酸エチル(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮すると、灰色がかった白色の固体として7−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸メチル(500mg、45%)が得られた。1HNMR (CDCl3 + DMSO-d6):
δ 11.35 (s, 1H), 11.05 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.52 (s,
1H)および3.85 (s, 3H).
7−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸メチル(238mg、0.878mmol)および2N水酸化ナトリウム水溶液(1.50mL、3.0mmol)を、メタノール(5mL)中で混ぜ合わせ、90分にわたって50℃まで加熱した。反応溶液を濃縮し、メタノールを除去した。反応残渣に、酢酸エチル(5mL)を加えた。得られた溶液を、1N塩酸水溶液(1.5mL)で酸性化し、4の最終pHを得た。沈殿物が形成し、濾過し、真空下で乾燥すると、固体として表題化合物(226mg、100%)が得られた。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ ppm 7.89 (d, J=1.37 Hz, 1 H) 7.65 (d, J=1.37 Hz, 1 H).
酸調製16:2−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)イソニコチン酸
アセトニトリル(2mol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2mol)およびナトリウムメトキシド(2mol)の混合物を、3日にわたって室温にて撹拌し、次いで、濾過し、濾液を、20℃未満で濃縮すると、白色の固体として(Z)−N’−ヒドロキシアセトイミドアミド(150g)が得られ、次のステップで直接使用した。
メタノール(800mL)、水酸化カリウム(44g、0.95mol)およびピリジン−2,4−ジカルボン酸ジメチル(ChemPacific)(156g、0.79mol)の混合物を、0.5時間にわたって還流し、次いで、真空中で蒸発させると、黄色の固体として4−(メトキシカルボニル)ピコリン酸(144g)が得られた。
ジクロロメタン(500mL)中の4−(メトキシカルボニル)ピコリン酸(150g、1.62mol)に、塩化オキサリル(400mL)を加え、3日にわたって25〜30℃に温度を保った。反応物を、真空中で蒸発させると、黄色の油として2−(クロロカルボニル)イソニコチン酸メチルが得られた。
ジクロロメタン(500mL)中の2−(クロロカルボニル)イソニコチン酸メチルの溶液に、(Z)−N’−ヒドロキシアセトイミドアミドおよびトリエチルアミンを加え、1日にわたって25〜30℃に温度を保った。反応物を、真空中で濃縮すると、黄色の固体として(Z)−2−((1−アミノエチリデンアミノオキシ)カルボニル)イソニコチン酸メチルが得られた。
トルエン(1L)中の(Z)−2−((1−アミノエチリデンアミノオキシ)カルボニル)イソニコチン酸メチルの溶液を、終夜還流状態にて加熱した。得られた混合物を蒸発させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製すると、白色の固体として2−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)イソニコチン酸メチルが得られた。
水酸化リチウム(15g、0.35mol)、エタノール(500mL)および2−(3−メチル−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル)イソニコチン酸メチル(52g、0.23mol)の混合物を、5時間にわたって室温にて撹拌し、次いで、混合物を、真空中で濃縮した。水を加え、次いで、酢酸エチルで抽出した。水層を、1N塩酸水溶液でpH1.5として、酢酸エチルで抽出した。有機層を、真空中で濃縮すると、白色の固体として表題化合物(42g)が得られた。1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ ppm 14.08 (br s, 1H) 9.00-8.98 (m, 1 H) 8.50 (s, 1H) 8.09-8.07 (m,
1H), 2.46 (s, 3H).
調製I−1A−0:9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボン酸tert−ブチル
メチルビニルケトン(146mL)を、テトラヒドロフラン(18L)中の4−ホルミルピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(375g)の溶液に加えた。反応混合物を、−5℃まで冷却し、エタノール中の水酸化カリウムの溶液(3N、0.243L)を、10分かけて滴下添加した。反応混合物を、室温まで温め、16時間にわたって撹拌した。シクロヘキサン(10L)を加え、溶液を、飽和塩化ナトリウム(3×10L)で洗浄した。有機層を濃縮し、油とした。この油を、80:20シクロヘキサン/酢酸エチル2Lに溶かし、Celite(登録商標)に通して濾過し、不溶の材料を除去した。濾液を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(70:30ヘキサン/酢酸エチル)を介して精製すると、油として生成物が得られた。油を、ヘキサン中でトリチュレートすると、白色の固体として望ましい生成物(131g、28%)が得られた。
調製I−1A−1b:(E)−10−((ジメチルアミノ)メチレン)−9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボン酸tert−ブチル
調製I−1A−1a(101g)、およびトリス(ジメチルアミノメタン)(133mL)を、トルエン(800mL)に溶かし、17時間にわたって還流状態まで加熱した。反応混合物を、最小撹拌体積まで濃縮し、酢酸エチル(600mL)を加えた。この混合物を、還流状態まで加熱し、ヘプタン(1.2L)を、20分かけて加えた。高温溶液を、3時間かけて室温まで冷却した。固体を、粗いガラスフリットに通して濾過し、ヘプタン(300mL)で洗浄した。得られた固体を、3時間にわたって40℃にて真空オーブン中で乾燥すると、黄色の固体として所望の生成物(107g)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.48 (s, 1 H), 6.57 (d, J=9.97 Hz, 1 H),
5.99 (d, J=10.16 Hz, 1 H), 3.32 - 3.51 (m, 4 H), 3.06 (s, 6 H), 2.72 (s, 2 H),
1.57 - 1.66 (m, 2 H), 1.41 - 1.53 (m, 11 H).
調製I−1A−1c:1−イソプロピル−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
調製I−1A−1b(107g)を、トルエン(700mL)に取り、イソプロピルヒドラジン(44.4g)を加えた。反応物を、4時間にわたって還流状態にて撹拌した。反応物を、室温まで冷却し、酢酸エチルを加えた(500mL)。反応溶液を、クエン酸(2×300mL、10%水溶液)、および水(400mL)で洗浄した。有機層を、真空中で濃縮すると、黄色の固体としてI−1A−1c(109g)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.25 (s, 1 H) 6.42 (dd, J=10.05, 0.49 Hz,
1 H) 5.84 (d, J=9.95 Hz, 1 H) 4.42 - 4.52 (m, 1 H) 3.36 - 3.53 (m, 4 H) 2.62
(s, 2 H) 1.56 - 1.68 (m, 2 H) 1.45 - 1.55 (m, 17 H).
調製I−1A−1d:1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
メタノール(1L)中の調製I−1A−1c(109g)の溶液に、N−ブロモスクシンイミド(61.4g)を加えた。反応物を、1時間にわたって撹拌した。反応物を、チオ硫酸ナトリウム(水300mL中10g)でクエンチし、次いで、500mLの最終体積まで蒸留した。溶液を、周囲温度まで冷却し、2−メチルテトラヒドロフラン(1L)および水(100mL)を加えた。有機層を取り出し、水層を、2−メチルテトラヒドロフランで抽出した。有機層を合わせ、水酸化ナトリウム水溶液(1N、250mL)、水、および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、オレンジ色の油とした。油を、テトラヒドロフラン(500mL)に溶かし、テトラヒドロフラン(500mL)中のカリウムtert−ブトキシド(76.8g)を加えた。溶液を、60℃まで加熱し、1時間にわたって撹拌した。塩酸水溶液(1N、1L)を加え、溶液を、30分にわたって撹拌した。相を分離し、水層を、酢酸エチル(700mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(400mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮すると、残渣が得られた。残渣を、16時間にわたって40℃にて真空オーブン中で乾燥すると、オレンジ色のワックスとして表題化合物(117g)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.35 (s, 1 H), 5.32-5.42 (m, 1 H), 3.29 -
3.51 (m, 4 H), 2.73 (s, 2 H), 2.51 (s, 2 H), 1.47 - 1.57 (m, 4 H), 1.42 - 1.46
(m, 15 H); +ESI MS (M+H) = 348.5.
調製I−1A−1e:1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン
調製I−1A−1d(23.5g)を、酢酸エチル(260mL)およびメタノール(70mL)に懸濁した。反応溶液を、2℃未満まで冷却し、塩化アセチル(33.6mL)を、20分かけて滴下添加した。反応物を、室温までゆっくりと温め、4時間にわたって撹拌した。反応溶液を、0℃まで冷却し、沈殿物を濾過した。沈殿物を、酢酸エチル(200mL)で洗浄し、16時間にわたって真空オーブン(40℃、10mmHg)中で乾燥すると、薄黄色の固体として表題化合物が得られた。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 7.43 (s, 1 H), 5.32-5.42 (m, 1 H), 3.15 -
3.25 (m, 4 H), 2.89 (s, 2 H), 2.64 (s, 2 H), 1.69 - 1.90 (m, 4 H), 1.37 - 1.45
(m, 6 H); +ESI MS (M+H) = 248.4.
1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン調製(I−1A−1e)の代替調製:
9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボン酸tert−ブチル(250g)、およびトリス(ジメチルアミノメタン)(325mL)を、トルエン(1.9L)に溶かし、4時間にわたって還流状態にて加熱した。混合物を蒸留し、最小撹拌体積まで濃縮し(110℃)、次いで、トルエン(1.9L)を加えた。反応物を、最小撹拌体積まで再蒸留し、室温まで冷却した。トルエン(1.8L)およびイソプロピルヒドラジン塩酸塩(135g)を加え、溶液を、5時間にわたって還流状態まで加熱した。反応物を、室温まで冷却し、次いで、クエン酸(10%水溶液、2×150mL)および水(200mL)で洗浄し、次いで、有機層を、最小撹拌体積まで蒸留した。メタノール(2L)を加え、最小撹拌体積まで蒸留した。これを、メタノール(2L)で繰り返した。溶液を、メタノール(2.5L)に再び溶かし、N−ブロモスクシンイミド(176g)を一度に加えた。溶液を、2時間にわたって23℃にて撹拌した。チオ硫酸ナトリウム水溶液(5重量%、0.5L)を加え、混合物を、15分にわたって撹拌した。反応混合物を、約0.5Lまで蒸留(45℃、210mmHg)によって濃縮し、次いで、2−メチルテトラヒドロフラン(2.5L)を加えた。15分にわたって撹拌した後、水層を捨てた。有機層を、約0.2Lまで濃縮し、テトラヒドロフラン(0.5L)を加えた。混合物に、テトラヒドロフラン中のカリウムtert−ブトキシド溶液(1.9L、1M溶液)を加えた。溶液を、60℃まで加熱し、1時間にわたって撹拌した。室温まで冷却した後、塩酸水溶液(1N、2.2L)を、20分かけて加えた。混合物を、20分にわたって室温にて撹拌し、次いで、層を分離させた。水層を取り出し、酢酸エチル(1.75L)で逆抽出した。合わせた有機層を、水(1L)で洗浄し、有機層を、蒸留によって濃縮した(溶媒4Lを除去した)。酢酸エチル(1.8L)を加え、溶液を、最小撹拌体積まで濃縮した。酢酸エチル(3L)およびメタノール(0.8L)を加え、溶液を、0℃まで冷却した。塩化アセチル(401mL)を、20分かけて滴下添加し、溶液を、4時間にわたって0℃にて撹拌した。沈殿物を、窒素下で濾過により集めた。濾液を、酢酸エチル(0.5L)で洗浄し、40℃にて真空オーブン中で乾燥すると、灰色がかった白色の固体としてI−1A−1e(241g)が得られた。
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 7.43 (s, 1 H), 5.32-5.42 (m, 1 H), 3.15 -
3.25 (m, 4 H), 2.89 (s, 2 H), 2.64 (s, 2 H), 1.69 - 1.90 (m, 4 H), 1.37 - 1.45
(m, 6 H); +ESI (M+H) = 248.4
調製I−1A−2:9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボン酸ベンジル
Dean−Starkトラップを取り付けた2Lの三つ口フラスコ中で撹拌する4−ホルミルピペリジン−1−カルボン酸ベンジル(90.0g、363.9mmol)のベンゼン(700mL)溶液に、p−トルエンスルホン酸(6.92g、36.4mmol)を加えた。反応物を、70℃まで加熱し、3−ブテン−2−オン(61.8mL、753mmol)を加え、混合物を、24時間にわたって還流状態にて加熱し、トラップに放出された水を集めた。反応物を、室温まで冷却し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液500mLで洗浄した。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた暗褐色の油を、ジクロロメタン200mLに取り、シリカパッド(600mLのシリカ)に通して濾過し、ヘプタン2Lと、続いて、50%酢酸エチル/ヘプタン3L、次いで、酢酸エチル3Lで溶離し、1Lずつ画分を集めた。きれいな生成物を含有する画分を合わせ、濃縮すると、濃厚な褐色の油として表題化合物68.1gが得られた。不純な生成物を含有する画分を合わせ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(10〜80%酢酸エチル/ヘプタン、340gのシリカゲル)により精製すると、濃厚な褐色の油として表題化合物がさらに23.6g得られた。91.7g(94.1%)の合わせた収量が実現した。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.27 - 7.43 (m, 5 H), 6.79 (d, J=10.3 Hz, 1 H), 5.95 (d, J=10.3
Hz, 1 H), 5.13 (s, 2 H), 3.56 - 3.71 (m, 2 H), 3.39 - 3.55 (m, 2 H), 2.38 -
2.50 (m, 2 H), 1.96 (t, J=6.7 Hz, 2 H), 1.70-1.52 (m, 4 H).
調製I−1A−2a:10−((ジメチルアミノ)メチレン)−9−オキソ−3−アザスピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボン酸ベンジル
9−オキソ−3−アザ−スピロ[5.5]ウンデカ−7−エン−3−カルボン酸ベンジルエステル、調製I−IA−2(15.2g、51mmol)を、トルエン180mLに溶かし、トリス(ジメチルアミノ)メタン(22.2g、27mmol)を加えた。反応物を、5時間にわたって還流状態まで加熱し、次いで、終夜室温まで冷却した。反応溶液を、真空中で濃縮すると、表題化合物(18.0g、100%)が得られた:+APCI MS (M+H) 354.6;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.49 (s, 1 H), 7.28 - 7.40 (m, 5 H), 6.59
(d, J=10.16 Hz, 1 H), 6.01 (d, J=9.97 Hz, 1 H), 5.13 (s, 2 H), 3.52 - 3.66 (m,
2 H), 3.39 - 3.52 (m, 2 H), 3.07 (s, 6 H), 2.74 (s, 2 H), 1.58 - 1.73 (m, 2 H),
1.41 - 1.58 (m, 2 H).
調製I−1A−2b:1−tert−ブチル−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
調製I−1A−2a(59.2g、167mmol)を、エタノール835mLに溶かした。反応溶液に、酢酸(20mL、345mmol)およびtert−ブチルヒドラジン塩酸塩(29.1g、234mmol)を加えた。反応物を、1時間にわたって還流状態まで加熱した。反応溶液を、室温まで冷却し、次いで、真空中で濃縮すると、オレンジ色の油が得られ、溶離液としてヘプタン中20〜40%酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、黄白色の固体として表題化合物(50g、79%)が得られた:+ESI MS (M+H) 380.5;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.26 - 7.40 (m, 5 H) 7.17 (s, 1 H) 6.66
(d, J=9.95 Hz, 1 H) 5.77 (d, J=10.15 Hz, 1 H) 5.12 (s, 2 H) 3.38 - 3.64 (m, 4
H) 2.58 (s, 2 H) 1.60 (s, 12 H) 1.50 (br. s., 1 H).
調製I−1A−2c:6−ブロモ−1−tert−ブチル−7−ヒドロキシ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
調製I−1A−2b(50g、132mmol)を、テトラヒドロフラン1Lに溶かした。反応物に、N−ブロモスクシンイミド(24.6g、138mmol)および水250mLを加えた。反応物を、室温にて1時間にわたって撹拌した。反応物を、酢酸エチルと水の間で分配した。相を分離し、有機相を、水でさらに2回および飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄した。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮し、エーテルから結晶化させると、クリーム色の固体として表題化合物(60.7g、97%)が得られた:+ESI MS (M+H) 476.5;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.28 - 7.36 (m, 5 H), 7.27 (s, 1 H), 5.23
(t, J=4.68 Hz, 1 H), 5.12 (s, 2 H), 4.24 (d, J=4.49 Hz, 1 H), 3.87 (br. s., 2
H), 3.12 (br. s., 2 H), 2.79 (d, J=16.00 Hz, 2 H), 2.59 (d, J=15.80 Hz, 2 H),
1.95 (br. s., 1 H), 1.66 (s, 11 H), 1.58 (br. s., 1 H).
調製I−1A−2d:6−ブロモ−1−tert−ブチル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
調製I−1A−2c(57.9g、122mmol)を、アセトン1Lに溶かし、次いで、氷浴中で0℃まで冷却した。溶液に、ジョーンズ試薬(Fillion,E.Tetrahedron Letters 2004、46、1091〜1094)122mLを加えた。氷浴を取り外し、反応物を、室温まで温め、45分にわたって撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム水溶液を、それ以上のガス発生が認められず、pHが、7に達するまで加えた。得られた混合物を、Celite(登録商標)のパッドに通して濾過し、酢酸エチルですすいだ。濾液層を分離し、水層を、酢酸エチルで逆抽出した。有機抽出物を合わせ、水で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、酢酸エチル/ヘプタンから結晶化させると、表題化合物(50.4g、87%)が得られた:+ESI MS (M+H) 474.5;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.32 (d, J=9.38 Hz, 6 H), 5.11 (s, 2 H),
4.24 (s, 1 H), 3.58 - 3.84 (m, 2 H), 3.16 - 3.41 (m, 2 H), 2.67 - 2.91 (m, 2
H), 1.80 (br. s., 1 H), 1.61 - 1.76 (m, 11 H), 1.52 - 1.61 (m, 1 H).
調製I−1A−2e:1−tert−ブチル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
I−1A−2d(50.4g、106mmol)を、テトラヒドロフラン600mLに溶かし、これに、飽和塩化アンモニウム水溶液(600mL)および亜鉛粉末(20.8g、319mmol)を加えた。反応物を、室温にて30分にわたって撹拌した。反応物を、Celite(登録商標)に通して濾過し、相を分離し、有機相を、水および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、泡が得られた。泡を、酢酸エチル/ヘプタン中で1回およびエーテル中で1回トリチュレートし、濾過すると、白色の固体として表題化合物(40.4g、96%)が得られた:+ESI MS (M+H) 396.5;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.24 - 7.38 (m, 6 H), 5.11 (s, 2 H), 3.36
- 3.61 (m, 4 H), 2.74 (s, 2 H), 2.54 (s, 2 H), 1.64 (s, 9 H), 1.51 (br. s., 4
H).
調製I−1A−2f:1−tert−ブチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(I−1A−2f)
調製I−1A−2e(46.6g、118mmol)を、エタノール730mLに溶かし、溶液を、炭素上10%パラジウム(9.4g)に加えた。これに、1−メチル−1,4−シクロヘキサジエン(90mL、769mmol)を加えた。反応物を、2時間にわたって還流状態にて撹拌した。反応物を、室温まで冷却し、Celite(登録商標)に通して濾過した。濾液を、真空中で濃縮すると、灰色の固体が得られた。固体を、酢酸エチル150mLに溶かし、これに、ジオキサン中4M塩酸35mLを加えた。沈殿物が形成し、濾過により集めると、白色の固体として表題化合物(34g、97%)が得られた:+ESI MS (M+H) 262.5;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 7.34 (s, 1 H) 3.12 - 3.25 (m, 4 H) 2.90
(s, 2 H) 2.66 (s, 2 H) 1.67 - 1.85 (m, 4 H) 1.62 (s, 9 H).
調製I−2A−42a:1−(2−エトキシ−2−オキソエチル)−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
ヒドラジノ酢酸エチル塩酸塩(0.92g、5.95mmol)を、エタノール(30mL)中の調製I−1A−2a(1.25g、3.90mmol)の溶液に加えた。混合物を、1時間にわたって還流状態にて撹拌する。アリコートは、
1HNMRにより反応が終了していることを示した。反応混合物を、室温まで冷却し、高真空下で濃縮し、褐色の油とした。油を、ジエチルエーテル(50mL)と共にトリチュレートした。沈殿物を濾過し、濾液を濃縮し、高真空下で乾燥すると、褐色の油として表題化合物(1.50g、100%)が得られた。+APCI MS (M+H) 376.2;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.21 - 1.26 (m, 3 H), 1.43 (s, 9 H), 1.45
- 1.52 (m, 2 H), 1.54 - 1.64 (m, 2 H), 2.62 (s, 2 H), 3.33 - 3.49 (m, 4 H),
4.15 - 4.22 (m, 2 H), 4.82 (s, 2 H), 5.87 (d, J=9.97 Hz, 1 H), 6.26 (d, J=9.97
Hz, 1 H), 7.24 (s, 1 H).
調製I−2A−42b:2−(1’−(tert−ブトキシカルボニル)スピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1(4H)−イル)マロン酸ジエチル
トルエン(5mL)中の調製I−2A−42a(1.45g、3.86mmol)を、30分かけて80℃にて、炭酸ジエチル(30mL)中の水素化ナトリウム(0.148g、鉱油中60%分散液)の懸濁液に滴下添加した。反応物を、1.5時間にわたって還流状態にて撹拌した。
1H NMRは、出発材料が消費され、所望の生成物が形成したことを示した。反応混合物を、室温まで冷却した。メタノール(1mL)を加え、溶液を、5分にわたって室温にて撹拌した。水(5mL)を加えた。溶液を、2N塩酸水溶液(3mL)でpH約3まで酸性化し、次いで、ジクロロメタン(3×15mL)で抽出した。合わせた有機物を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥すると、褐色のガム(1.59g、92%)が得られた。粗製の材料を、1:1ジエチルエーテル:ヘプタン(50mL)と共にトリチュレートした。沈殿物を濾過した。濾液を濃縮し、高真空下で乾燥すると、表題化合物(1.25g、72%)が得られた。+APCI MS (M+H) 348.1;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.13 - 1.32 (m, 6 H), 1.40 - 1.46 (m, 9
H), 1.46 - 1.54 (m, 2 H), 1.59 (d, J=13.68 Hz, 3 H), 2.62 (s, 2 H), 3.31 - 3.51
(m, 4 H), 4.27 (q, J=7.23 Hz, 4 H), 5.85 (d, J=9.97 Hz, 1 H), 6.34 (d, J=9.97
Hz, 1 H), 7.24 (s, 1 H).
調製I−2A−42c:1−(1,3−ジヒドロキシプロパン−2−イル)−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
テトラヒドロフラン(40mL)を、窒素吸気口および温度計を備えた三つ口の125mL丸底フラスコ中の水素化リチウムアルミニウム(900mg)に加えた。溶液を、−2℃まで冷却した。テトラヒドロフラン(5mL)中の調製I−2A−42b(1g)を、5分かけて滴下添加した。温度は、添加の間に−0.2℃を決して超えなかった。反応物を、3時間にわたって0℃にて撹拌し、次いで、反応物を、水(1.0mL)、15%水酸化ナトリウム水溶液(1.0mL)、および水(3mL)の連続添加を通じてクエンチした。内部温度は、添加の間に3.2℃を決して超えなかった。次いで、反応物を、15分かけて室温まで温めた。反応混合物を、Celite(登録商標)に通して濾過し、ジエチルエーテル(3×20mL)で洗浄した。合わせた有機物を、塩水(5mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥すると、黄白色のガラス(548mg、67%)が得られた。この材料を、30分かけて0.1%水酸化アンモニウムを含むジクロロメタン中2%〜8%メタノールで溶離するシリカ25g上でクロマトグラフにかけると、表題化合物(133mg、16%)が得られた。+APCI MS (M+H) 364.2;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.45 (s, 9 H), 1.51 (br. s., 2 H), 1.60
(br. s., 4 H), 2.62 (s, 2 H), 3.32 - 3.53 (m, 4 H), 4.05 (br. s., 4 H), 4.26
(t, J=4.89 Hz, 1 H), 5.89 (s, 1 H), 6.40 (d, J=9.77 Hz, 1 H), 7.23 - 7.25 (m, 1
H).
調製I−2A−42d:1−(オキセタン−3−イル)−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
ヘキサン中2.5M n−ブチルリチウム(0.33ml、165uL)を、−6.2℃にてテトラヒドロフラン(8mL)中の調製I−2A−42c(150mg、0.41mmol)の溶液に加えた。温度は、添加の間に−3.7℃を決して超えなかった。溶液を、30分にわたって−8℃にて撹拌した。テトラヒドロフラン(2mL)中の塩化p−トルエンスルホニル(79mg)の溶液を、−5℃にて反応混合物に加えた。温度は、添加の間に−2℃を決して超えなかった。反応物を、1時間にわたって−5℃にて撹拌し、次いで、反応混合物を、−6℃まで冷却し、ヘキサン中2.5M n−ブチルリチウム(0.33mL、165uL)を、2分かけて加えた。温度は、添加の間に−3.5℃を決して超えなかった。冷却浴を取り外し、反応物を、16時間にわたって60℃の内部温度にて撹拌した。反応混合物を、室温まで冷却し、酢酸エチル(20mL)を加えた。反応溶液を、水(35mL)で洗浄し、水層を、酢酸エチル(15mL)で抽出した。合わせた有機物を、塩水(5mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮し、高真空下で乾燥すると、黄色の固体が得られた。固体を、36分かけてヘプタン中25%〜75%酢酸エチルで溶離するシリカ8g上のクロマトグラフィーにより精製すると、表題化合物(58mg、40%)が得られた。+ESI MS (M+H);
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.45 (s, 9 H), 1.49 (d, J=3.71 Hz, 1 H),
1.55 (s, 4 H), 1.59 (br. s., 1 H), 2.61 (s, 2 H), 3.32 - 3.50 (m, 4 H), 5.00
(m, J=7.22, 7.22 Hz, 2 H), 5.13 (t, J=6.44 Hz, 2 H), 5.36 - 5.46 (m, 1 H), 5.88
(d, J=9.95 Hz, 1 H), 6.43 (d, J=9.95 Hz, 1 H), 7.33 (s, 1 H).
調製I−2A−42e:6−ブロモ−7−メトキシ−1−(オキセタン−3−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
N−ブロモスクシンイミド(30mg、0.17mmol)を、室温にてメタノール(1.0mL)中の調製I−2A−42d(56mg、0.17mmol)に加えた。反応物を、2時間にわたって室温にて撹拌し、次いで、N−ブロモスクシンイミド(4.5mg)を加え、反応混合物を、1時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物を、窒素流下で濃縮し、残渣とした。酢酸エチル(15mL)を加え、反応溶液を、10%クエン酸(3mL)、1N水酸化ナトリウム(3mL)、および塩水(3mL)で洗浄した。有機層を濃縮し、高真空下で乾燥すると、無色の固体として表題化合物(74mg、100%)が得られた。+APCI MS (M+H) 458.2;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 1.44 (s, 9 H), 1.69 (br. s., 4 H), 2.51
(d, J=15.83 Hz, 1 H), 2.67 (d, J=15.83 Hz, 1 H), 3.06 - 3.31 (m, 3 H), 3.54 (s,
3 H), 3.62 - 3.72 (m, 1 H), 4.39 (s, 1 H), 4.66 (s, 1 H), 4.87 - 4.93 (m, 1 H),
4.97 (t, J=6.84 Hz, 1 H), 4.99 - 5.04 (m, 1 H), 5.30 (s, 1 H), 5.34 - 5.40 (m,
1 H), 7.43 (s, 1 H).
調製I−2A−42f:1−(オキセタン−3−イル)−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
テトラヒドロフラン中1Mカリウムtert−ブトキシド(0.320mL)を、室温にてテトラヒドロフラン(1.0mL)中の調製I−2A−42e(72mg、0.16mmol)の溶液に加えた。無色の溶液は、添加で黄色に変わった。溶液を、16時間にわたって室温にて撹拌した。1N塩化水素水溶液(0.475mL、3当量)を加え、溶液を、1時間にわたって室温にて撹拌した。テトラヒドロフランを、窒素流下で濃縮した。水相を、酢酸エチル(3×5mL)で抽出した。合わせた有機物を、塩水(3mL)で洗浄し、有機層を濃縮し、高真空下で乾燥すると、黄白色の固体として表題化合物(54mg、96%)が得られた。-APCI MS (M-H) 360.2;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 1.38 - 1.45 (m, 9 H), 1.46 - 1.56 (m, 4
H), 2.57 (s, 2 H), 2.82 (s, 2 H), 3.33 - 3.53 (m, 4 H), 4.94 - 5.06 (m, 4 H),
6.08 - 6.21 (m, 1 H), 7.53 (s, 1 H).
調製I−2A−42g:1−(オキセタン−3−イル)−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン
トリフルオロ酢酸(0.2mL)を、0℃にてジクロロメタン(2mL)中の調製I−2A−42f(50mg、0.14mmol)の溶液に加えた。冷却浴を取り外し、反応物を、1.5時間にわたって室温にて撹拌した。反応混合物を、窒素流下で濃縮して残渣とし、20分にわたって高真空下で乾燥した。残渣を、ジエチルエーテル(5mL)と共にトリチュレートした。溶媒をデカントし、得られた沈殿物を、高真空下で乾燥すると、黄白色の固体として表題化合物(52mg、100)が得られた。+APCI MS (M+H) @ 262.2;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 1.65 - 1.86 (m, 4 H), 2.63 (s, 2 H), 2.89
(s, 2 H), 3.14 - 3.27 (m, 4 H), 5.02 (s, 4 H), 6.07 - 6.21 (m, 1 H), 7.53 -
7.60 (m, 1 H).
調製I−2A−75a:1−イソプロピル−1,4−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
調製I−1A−2a(6.38g、18mmol)を、エタノール90mLに溶かした。反応溶液に、酢酸(2.16g、36mmol)および1−イソプロピルヒドラジン塩酸塩(2.79g、25mmol)を加えた。反応物を、2時間にわたって還流状態まで加熱し、次いで、反応溶液を、室温まで冷却し、真空中で濃縮すると、オレンジ色の油が得られ、溶離液としてヘプタン中12〜100%酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、黄色のガムとして表題化合物(6.58g、69%)が得られた:+ESI MS (M+H) 366.5;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.28 - 7.39 (m, 5 H), 7.25 (s, 1 H), 6.42
(d, J=9.95 Hz, 1 H), 5.84 (d, J=9.95 Hz, 1 H), 5.14 (s, 2 H), 4.41 - 4.54 (m, 1
H), 3.42 - 3.65 (m, 4 H), 2.62 (s, 2 H), 1.58 - 1.70 (m, 2 H), 1.50 - 1.58 (m,
2 H), 1.49 (d, J=6.83 Hz, 6 H).
調製I−2A−75b:3,6−ジブロモ−1−イソプロピル−7−メトキシ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
調製I−2A−75a(679mg、1.86mmol)を、メタノール15mLに溶かし、N−ブロモスクシンイミド(728mg、4.09mmol)で処理し、反応物を、18時間にわたって周囲温度にて撹拌した。メタノールを、減圧下で除去した。得られた黄褐色の泡を、酢酸エチル50mLに取り、0.5M水酸化ナトリウム(2×50mL)および飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液20mLで洗浄した。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた油を、フラッシュクロマトグラフにかけると(25gのシリカ、10〜80%酢酸エチル/ヘプタングラジエント)、白色の泡として表題化合物784mg(76%)が得られた:+APCI-MS (M+H) = 554.1,556.2, 558.2:
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ ppm 7.26 - 7.42 (m, 5 H), 5.12
(s, 2 H), 4.67 (d, J=1.76 Hz, 1 H), 4.36 (s, 1 H), 4.27 (m, 1 H), 3.79 (d,
J=11.90 Hz, 1 H), 3.59 - 3.73 (m, 1 H), 3.53 (s, 3 H), 3.24 - 3.40 (m, 1 H),
3.19 (ddd, J=13.61, 10.00, 3.12 Hz, 1 H), 2.56 (d, J=16.19 Hz, 1 H), 2.34 (d,
J=16.19 Hz, 1 H), 1.56 - 1.85 (m, 4 H), 1.38 - 1.55 (m, 6 H).
調製I−2A−75c:3−ブロモ−1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
調製I−2A−75b(784mg、1.4mmol)を、テトラヒドロフラン15mLに溶かした。カリウムt−ブトキシド(2.82mL、2当量、1Mテトラヒドロフラン)を加え、反応物を、周囲温度にて18時間にわたって撹拌した。反応物に、2N塩酸25mLを加えた。混合物を、周囲温度にて30分にわたって撹拌した。混合物を、水25mLで希釈し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた油を、フラッシュクロマトグラフにかけると(50gのシリカ、8〜66%酢酸エチル/ヘプタングラジエント)、白色の泡として表題化合物612mgが得られた:+ESI MS (M+H) = 462.5
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.25 - 7.38 (m, 5 H), 5.24 - 5.42 (m, 1
H), 5.12 (s, 2 H), 3.49 - 3.66 (m, 2 H), 3.46 (dd, J=7.41, 4.88 Hz, 2 H), 2.63
(s, 2 H), 2.52 (s, 2 H), 1.48 - 1.65 (m, 4 H), 1.44 (d, J=6.63 Hz, 6 H).
調製I−2A−75d:3−ブロモ−1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
調製I−2A−75c(612mg、1.33mmol)を、33%臭化水素酸/酢酸10mLに溶かし、混合物を、周囲温度にて60分にわたって撹拌した。溶媒を蒸発させ、赤色〜オレンジ色の残渣を、水50mLに取り、飽和炭酸ナトリウム水溶液で塩基性にし、酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機相を、20mLまで濃縮し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液20mLおよび二炭酸ジ−tert−ブチル(348mg)で処理した。二相混合物を、周囲温度にて1時間にわたって撹拌した。層を分離し、有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。得られた油を、フラッシュクロマトグラフにかけると(10〜70%酢酸エチル/ヘプタン、10gのシリカ)、表題化合物364mgが得られた:+ESI MS (M+H) = 413.5;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.24 - 5.43 (m, 1 H) 3.41 - 3.56 (m, 2 H)
3.28 - 3.41 (m, 2 H) 2.63 (s, 2 H) 2.51 (s, 2 H) 1.47 - 1.56 (m, 4 H) 1.40 -
1.49 (m, 15 H).
調製I−2A−75e:1−イソプロピル−3−メチル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
調製I−2A−75d(440mg、1.03mmol)、パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(119mg、0.103mmol)、炭酸カリウム(146mg、1.03mmol)、および水(94mg、5.16mmol)を、ジメチルホルムアミド(2mL)中で混ぜ合わせ、2分にわたって窒素で脱気した。反応バイアルを密封し、100℃にて30分にわたってマイクロ波反応器中で加熱した。バイアルを、マイクロ波反応器から取り出し、次いで、4日にわたって従来の加熱ブロック中で100℃まで加熱した。反応物を、真空中で濃縮し、次いで、水(5mL)と酢酸エチル(5mL)の間で分配した。相を分離し、有機層を濃縮し、次いで、ヘプタン中20〜40%酢酸エチルグラジエントで溶離する40gカラム上でクロマトグラフにかけると、表題化合物268mg(72%)が得られた。+ESI MS (M+H) = 362.5;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 5.20 - 5.53 (m, 1 H), 3.32 - 3.54 (m, 4
H), 2.62 (s, 2 H), 2.50 (s, 2 H), 2.23 (s, 3 H), 1.53 (t, J=5.76 Hz, 4 H), 1.46
(s, 9 H), 1.44 (d, J=6.64 Hz, 6 H).
調製I−2A−75f:1−イソプロピル−3−メチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン
調製I−2A−75e(375mg、1.04mmol)を、ジエチルエーテル3mLに溶かし、ジオキサン中4M塩化水素(1mL)で処理した。溶液を、1時間にわたって撹拌し、次いで、真空中で濃縮すると、白色の泡として表題化合物300mgが得られた:
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 5.10 - 5.35 (m, 1 H), 4.34 (br. s., 4 H),
2.70 (s, 2 H), 2.56 (s, 2 H), 2.17 (s, 3 H), 1.66 (br. s., 4 H), 1.34 (d, J=6.64
Hz, 6 H).
調製I−2A−76a:3−シアノ−1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
窒素でフラッシュしたシュレンク管に、調製I−2A−75d(250mg、0.59mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加物(23.8mg、0.02mmol)、亜鉛末(9.6mg、0.15mmol)、シアン化亜鉛(75.7mg、0.65mmol)および1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(26.1mg、0.05mmol)を加えた。無水ジメチルアセトアミド(3.5mL)を加え、フラスコを、窒素でフラッシュし、次いで、Teflon(登録商標)スクリューキャップで蓋をした。反応物を、16時間にわたって120℃にて撹拌した。反応物を冷却し、次いで、Celite(登録商標)のパッドに通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を、水で洗浄し、水相を、酢酸エチルで逆抽出した。合わせた有機相を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮した。残渣を、ヘプタン中5〜30%酢酸エチルグラジエントを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、固体として表題化合物204mg(93%)が得られた:+ESI MS (M-Boc+H) 273.5;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 5.44 (m, 1H), 3.44 (m, 4H), 2.89 (s, 2H),
2.64 (s, 2H), 1.53 (m, 4H), 1.46-1.43 (m, 15H).
調製I−8a−1b:1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−3−カルボニトリル
調製I−2A−76a(70mg、0.19mmol)を、ジクロロメタン(3mL)およびトリフルオロ酢酸(0.2mL)に溶かし、90分にわたって周囲温度にて撹拌した。溶媒を、真空中で濃縮し、残渣を、トルエンと、続いて、酢酸エチルと共蒸留すると、黄色の固体として表題化合物149mg(100%)が得られた:+ESI MS (M+H) 273.5.
調製I−4A−1a:6−ブロモ−7−ヒドロキシ−1−イソプロピル−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
調製I−2A−75a(4.20g、11mmol)を、テトラヒドロフラン130mLに溶かした。反応物に、N−ブロモスクシンイミド(2.49g、14mmol)および水30mLを加えた。反応物を、室温にて1時間にわたって撹拌した。反応物を、酢酸エチルと飽和塩化ナトリウム水溶液の間で分配した。有機相を分離し、次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液でもう1回洗浄した。有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、灰色がかった白色の泡として表題化合物(5.31g、100%)が得られた:+ESI MS (M+H) 463.8.
調製I−4A−1b:6−ブロモ−1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
調製I−4A−1a(5.30g、11mmol)を、アセトン53mLに溶かし、次いで、氷浴中で0℃まで冷却した。溶液に、ジョーンズ試薬(Fillion,E.Tetrahedron Letters 2004、46、1091〜1094)83mLを加えた。氷浴を取り外し、反応物を、室温まで温め、45分にわたって撹拌した。反応物を、氷浴中で0℃まで冷却し、次いで、飽和重炭酸ナトリウム水溶液を、それ以上のガス発生が認められなくなるまで加えた。得られた混合物を、Celite(登録商標)のパッドに通して濾過し、酢酸エチルですすいだ。濾液層を分離し、水層を、酢酸エチルで逆抽出した。有機抽出物を合わせ、水で2回、飽和塩化ナトリウム水溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、表題化合物(5.27g、100%)が得られた:+ESI MS (M+H) 460.4.
調製I−4A−1c:6−ブロモ−1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
調製I−4A−1b(5.63g、12mmol)を、酢酸55mLに溶かし、これに、亜鉛粉末(2.40g、37mmol)を加えた。反応物を、室温にて35分にわたって撹拌した。反応物を、真空中で濃縮し、次いで、飽和重炭酸ナトリウム水溶液と酢酸エチルの間で分配した。相を分離し、水相を、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を合わせ、水、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、油が得られた。油を、溶離液としてヘプタン中12〜100%酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、油として表題化合物(2.25g、48%)が得られた:+ESI MS(M+H) 382.4;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.28 - 7.40 (m, 6 H), 5.32 - 5.45 (m, 1
H), 5.13 (s, 2 H), 3.41 - 3.61 (m, 4 H), 2.76 (s, 2 H), 2.54 (s, 2 H), 1.50 -
1.62 (m, 4 H), 1.47 (d, J=6.63 Hz, 6 H).
調製I−4A−1d:1−イソプロピル−6−メチル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
テトラヒドロフラン(8mL)中の調製I−4A−1c(397mg、1.04mmol)を、−70℃まで冷却した。これに、10分間かけてテトラヒドロフラン中1.0M溶液としてリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.56mL、1.56mmol)を加えた。得られた黄色の溶液を、−70℃にて30分にわたって撹拌した。1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(1.6mL)を、反応物に加え、撹拌を、10分にわたって−70℃にて続けた。反応物に、ヨードメタン(746mg、5.2mmol)を加えた。反応物を、室温まで温め、18時間にわたって撹拌した。反応物に、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を加え、次いで、混合物を、水(20mL)と酢酸エチル(150mL)の間で分配した。層を分離し、水層を、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、次いで、濃縮すると、透明な油が得られた。油を、溶離液としてヘプタン中10〜40%酢酸エチルを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、白色の固体として表題化合物(351mg、85%)が得られた:+ESI MS (M+H) 396.2;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 7.44 (s, 1 H), 7.35 (s, 5 H), 5.17 - 5.34
(m, 1 H), 5.06 (s, 2 H), 3.52 - 3.72 (m, 4 H), 2.79 (s, 2 H), 2.42 - 2.48 (m, 1
H), 1.38 - 1.49 (m, 4 H), 1.35 (t, J=6.74 Hz, 6 H), 1.04 (d, J=7.04 Hz, 3 H).
調製I−4A−1e:1−イソプロピル−6−メチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン
表題化合物を、調製I−1A−2fに類似した方法で調製I−4A−1dから調製した。
調製I−6A−1a:1−イソプロピル−6,6−ジメチル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸ベンジル
テトラヒドロフラン1mL中の調製I−4A−1d(84mg、0.21mmol)の溶液を、−70℃まで冷却し、10分間かけてテトラヒドロフラン中1.0M溶液としてリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.318mL、0.318mmol)で処理した。次いで、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(0.2mL)を、反応物に加えた。撹拌を、−70℃にて10分にわたって続け、次いで、ヨードメタン(152mg、1.06mmol)を、反応物に加えた。混合物を、室温まで温め、4時間にわたって保った。反応物に、飽和塩化アンモニウム水溶液(1mL)を加え、次いで、混合物を、水(2mL)と酢酸エチル(10mL)の間で分配した。層を分離し、水層を、酢酸エチル(5mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、次いで、濃縮すると、透明な黄色の油が得られた。油を、溶離液としてヘプタン中10〜40%酢酸エチルを使用するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、透明な油として表題化合物(58mg、67%)が得られた:+ESI MS (M+H) 410.3;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.28 - 7.44 (m, 5 H), 7.27 (s, 1 H), 5.40
(m, 1 H), 5.13 (s, 2 H), 3.85 - 4.24 (m, 2 H), 2.86 - 3.11 (m, 2 H), 1.58 -
1.79 (m, 2 H), 1.56 (s, 2 H), 1.46 (d, J=6.64 Hz, 6 H), 1.19 - 1.40 (m, 2 H),
1.15 (s, 6 H).
調製I−6A−1b:1−イソプロピル−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン
表題化合物を、調製I−1A−2fに類似した方法で調製I−6A−1aから調製した。
調製I−13A−1a:1−tert−ブチル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
調製I−1A−2fの塩酸塩(1040mg、3.492mmol)、二炭酸ジ−tert−ブチル(800mg、3.67mmol)およびトリエチルアミン(730mg、7.2mmol)を、ジクロロメタン(30mL)中で混ぜ合わせた。反応溶液を、16時間にわたって周囲温度にて撹拌した。反応物に、ジクロロメタン(20mL)を加えた。反応溶液を、1N塩酸水溶液(5mL)、水(5mL)、および飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄した。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮すると、I−13A−1a(1262mg、100%)が得られた:-APCI MS (M-H) 360.3;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.30 (s, 1 H), 3.29 - 3.56 (m, 4 H), 2.77
(s, 2 H), 2.56 (s, 2 H), 1.67 (s, 9 H), 1.48 - 1.56 (m, 4 H), 1.46 (s, 9 H).
調製I−13A−1b:3−ブロモ−1−tert−ブチル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−1’−カルボン酸tert−ブチル
調製I−13A−1a(1090mg、3.015mmol)および酢酸ナトリウム(1050mg、12.80mmol)を、エタノール(40mL)および水(10mL)中で混ぜ合わせた。この溶液に、臭素(1870mg、11.7mmol)を加えた。反応物を、4時間にわたって室温にて撹拌した。反応物に、エタノール(40mL)を加えた。反応物を、16時間にわたって撹拌した。反応溶液を、水(20mL)に注ぎ、酢酸エチル(各75mL)で2回抽出した。合わせた有機抽出物を、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(各25mL)で2回、および飽和塩化ナトリウム水溶液(25mL)で洗浄した。有機相を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、20mLの最終体積まで濃縮すると、沈殿物が得られた。混合物を濾過し、固体を集めると、固体として表題化合物(679mg、51%)が得られた:+APCI MS (M+H-Boc) 342.1;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3)
δ ppm 3.28 - 3.60 (m, 4 H), 2.66
(s, 2 H), 2.56 (s, 2 H), 1.65 (s, 9 H), 1.48 - 1.55 (m, 4 H), 1.46 (s, 9 H).
調製I−13A−1c:3−ブロモ−1−tert−ブチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン
調製I−13A−1b(670mg、1.52mmol)およびジオキサン中4M塩化水素(8mL)を混ぜ合わせ、2.5時間にわたって撹拌した。反応物に、ジエチルエーテル(20mL)を加えた。沈殿物が形成し、濾過し、固体を集めると、I−13A−1c(573mg、97%)が得られた:+APCI MS (M+H) 342.1;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 3.24 (t, J=5.96 Hz, 4 H), 2.80 (s, 2 H),
2.74 (s, 2 H), 1.71 - 1.92 (m, 4 H), 1.65 (s, 9 H).
(実施例1)
1−イソプロピル−1’−(4−クロロ−3−メチルベンゾイル)−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(1A−1)の調製:
4−クロロ−3−メチル安息香酸(253mg、1.48mmol)を、塩化チオニル(3000mg、30mmol)に懸濁し、30分にわたって還流状態まで加熱した。溶液を、ジクロロメタンの存在下に真空中で濃縮すると、残渣が得られた。残渣を、ジクロロメタン1mLに溶かし、ジクロロメタン8mL中のジイソプロピルエチルアミン(890mg、6.9mmol)および調製I−1A−1e(204mg、0.83mmol)の溶液に加えた。反応物を、10分にわたって撹拌した。反応物を、ジクロロメタンと飽和重炭酸ナトリウム水溶液の間で分配した。有機相を分離し、次いで、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、油が得られた。油を、溶離液としてヘプタン中15〜100%酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、白色の泡として表題化合物(153mg、46%)が得られた:+ESI MS (M+H) 400.2;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 7.32 - 7.40 (m, 2 H), 7.28 (s, 1 H), 7.11
- 7.17 (m, 1 H), 5.31 - 5.45 (m, 1 H), 3.74 (br. s., 2 H), 3.42 (br. s., 2 H),
2.80 (s, 2 H), 2.59 (s, 2 H), 2.39 (s, 3 H), 1.49 - 1.84 (m, 4 H), 1.46 (d,
J=6.63 Hz, 6 H).
下の表1に列挙されている化合物は、商業的に入手可能である、当業者によく知られている調製物を使用して調製される、または他の中間体について上に記載されている経路に類似した方法で調製される適切な出発材料を使用して、実施例1、化合物1A−1の合成について上に記載されているものに類似した手順を使用して調製した。
(実施例2)
1−イソプロピル−1’−(1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボニル)−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(2A−1)の調製:
調製I−1A−1eの塩酸塩(80mg、0.28mmol)、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−カルボン酸(46mg、0.28mmol)、ヘキサフルオロリン酸O−(アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(107mg、0.28mmol)およびトリエチルアミン(115mg、1.13mmol)を、ジメチルホルムアミド3mL中で混ぜ合わせ、16時間にわたって室温にて撹拌した。反応物を、酢酸エチル10mLと飽和重炭酸ナトリウム水溶液10mLの間で分配した。有機相を分離し、次いで、濃縮すると、油が得られた。油を、溶離液としてヘプタン中50〜100%酢酸エチルを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、固体として表題化合物(48mg、44%)が得られた:+APCI MS (M+H) 393.2;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 11.08 (br. s., 1 H), 8.67 (d, J=1.95 Hz,
1 H), 8.22 (d, J=1.76 Hz, 1 H), 8.16 (s, 1 H), 7.40 (s, 1 H), 5.32 - 5.46 (m, 1
H), 3.24 - 4.13 (m, 4 H), 2.84 (s, 2 H), 2.63 (s, 2 H), 1.66 (br. s., 4 H),
1.47 (d, J=6.63 Hz, 6 H).
下記の表2に列挙されている化合物は、商業的に入手可能である、当業者によく知られている調製物を使用して調製される、または他の中間体について上に記載されている経路に類似した方法で調製される適切な出発材料を使用して、化合物2A−1の合成について上に記載されているものに類似した手順を使用して調製した。下記に列挙されている化合物は、最初は遊離塩基として単離され、試験するためにそれらの対応する塩酸塩に変換されることがある。
(実施例3)
1−イソプロピル−1’−(2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボニル)−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(3A−1)の調製:
2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸(15g)を、テトラヒドロフラン(500mL)に取り、ジメチルホルムアミド(329uL)および塩化オキサリル(22.1mL)を加えた。反応溶液を、16時間にわたって周囲温度にて撹拌した。溶液を、真空中で濃縮し、残渣を、ジクロロメタンに取り、減圧下で濃縮した(×2)。得られた酸塩化物に、テトラヒドロフラン(500mL)、調製I−1A−1e(25.9g)およびトリエチルアミン(71.2mL)を加えた。溶液を、16時間にわたって室温にて撹拌した。反応物に、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(250mL)を加え、溶液を、5分にわたって撹拌した。層を分離し、水層を、1:1酢酸エチル/テトラヒドロフランで抽出した。有機層を合わせ、酢酸エチル(1L)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、真空中で濃縮し、薄黄色の固体とした。固体を、熱メタノール(300mL)に溶かし、次いで、還流状態まで加熱した。溶液に、酢酸エチル350mLを加え、溶媒300mLを、蒸留により除去した。追加の酢酸エチルを、70℃の内部温度に達するまで滴下添加した。溶液を、3時間かけて室温まで冷却した。固体を、濾過により集め、16時間にわたって真空オーブン(40℃)中で乾燥すると、白色の固体として表題化合物(20.5g、59%)が得られた:+ESI MS (M+H) 406.5;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 12.25 - 12.33 (m, 1 H), 7.35 - 7.51 (m, 3
H), 7.05 - 7.16 (m, 1 H), 5.16 - 5.31 (m, 1 H), 3.32 - 3.58 (m, 4 H), 2.77 (s,
2 H), 2.57 (s, 2 H), 1.40 - 1.52 (m, 4 H), 1.32 (d, J=6.45 Hz, 6 H).
本実施例において、この実施例において用いられる出発材料2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸は、その互変異性形態2−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−6−カルボン酸(2−メチル−3H−ベンゾイミダゾール−5−カルボン酸としても知られている)としても存在し、各々は、同じCAS No.709−19−3により表記されることが理解されるべきである。本実施例は、2−メチルベンゾイミダゾリル基に関して化合物の2つの互変異性形態のうちの1つとして上に示され、表題化合物は、
として示される互変異性形態1−イソプロピル−1’−(2−メチル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−6−カルボニル)−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オンと同義であることがさらに理解されるべきである。
(実施例4)
1’−(1H−インダゾール−5−カルボニル)−1−イソプロピル−6−メチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(4A−1)の調製:
調製I−4A−1e(177mg、0.677mmol)、1H−インダゾール−5−カルボン酸(110mg、0.677mmol)、ヘキサフルオロリン酸O−(アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(257mg、0.677mmol)およびトリエチルアミン(138mg、1.35mmol)を、ジメチルホルムアミド3mL中で混ぜ合わせ、18時間にわたって室温にて撹拌した。反応物に、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を加えた。反応物を、酢酸エチル(80mL)と水(20mL)の間で分配した。相を分離し、水層を、酢酸エチル(50mL)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮すると、油が得られた。油を、溶離液としてジクロロメタン中0〜5%メタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、固体として表題化合物(196mg、72%)が得られた:+APCI MS (M+H) 406.2;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 13.21 (br. s., 1 H), 8.13 (s, 1 H), 7.82
(s, 1 H), 7.56 (d, J=8.60 Hz, 1 H), 7.46 (s, 1 H), 7.37 (dd, J=8.60, 1.37 Hz, 1
H), 5.25 (m, 1 H), 3.21 - 3.39 (m, 4 H), 3.01 - 3.19 (m, 1 H), 2.74 - 2.94 (m,
2 H), 1.41 - 1.62 (m, 4 H), 1.34 (d, J=6.64 Hz, 6 H), 1.07 (d, J=7.23 Hz, 3 H).
(実施例5)
(+)−1’−(1H−インダゾール−5−カルボニル)−1−イソプロピル−6−メチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(5A−1)および(−)−1’−(1H−インダゾール−5−カルボニル)−1−イソプロピル−6−メチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(5A−2)の調製:
ラセミ化合物実施例4(化合物4A−1)を、キラルHPLC:[Chiralpakl AD−H(10×250);移動相:70:30(CO
2/エタノール);流速=10mL/分]を使用して分離し、対応する2つのエナンチオマーを得た。化合物5A−1:保持時間=4.17分;旋光性結果:c=エタノール中0.0053g/mL;路長=1dcm;観測された回転=+0.202(20℃におけるナトリウムランプのD線(589nm));比旋光度=+38.1。化合物5A−2:保持時間=5.47分;旋光性結果:c=エタノール中0.0053g/mL;路長=1dcm;観測された回転=−0.184(20℃におけるナトリウムランプのD線(589nm));比旋光度=−34.1。
(実施例6)
1’−(1H−インダゾール−5−カルボニル)−1−イソプロピル−6,6−ジメチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(6A−1)の調製:
ジメチルホルムアミド(2mL)中の1H−インダゾール−5−カルボン酸(27mg、0.167mmol)の溶液を、N−メチルモルホリン(51mg、0.167mmol)と、続いて、2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(29mg、167mmol)で処理した。溶液を、2時間にわたって周囲温度にて撹拌した。反応物に、ジメチルホルムアミド(2mL)中の溶液として調製I−6A−1b(46mg、0.17mmol)およびN−メチルモルホリン(34mg、.334mmol)を加えた。反応混合物を、18時間にわたって室温にて撹拌した。反応物に、飽和塩化アンモニウム水溶液(1mL)を加えた。反応物を、酢酸エチル(30mL)と水(5mL)の間で分配した。相を分離し、水層を、酢酸エチル(30mL)で抽出した。有機相を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮すると、油が得られた。油を、溶離液としてジクロロメタン中0〜5%メタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、固体として表題化合物(39mg、56%)が得られた:+APCI MS (M+H) 420.3;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 13.18 (s, 1 H), 8.10 (s, 1 H), 7.80 (s, 1
H), 7.53 (d, J=8.78 Hz, 1 H), 7.42 (s, 1 H), 7.34 (dd, J=8.58, 1.37 Hz, 1 H),
5.24 (m, 1 H), 3.84 (br. s., 6 H), 1.38 - 1.72 (m, 4 H), 1.32 (d, J=6.63 Hz, 6
H), 1.06 (s, 6 H).
(実施例7)
1’−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボニル)−1−イソプロピル−3−メチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(7A−1)の調製:
調製I−2A−75f(150mg、0.50mmol)、1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸(82mg、0.50mmol)、ヘキサフルオロリン酸O−(アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(198mg、0.50mmol)およびトリエチルアミン(103mg、1.01mmol)を、ジメチルホルムアミド3mL中で混ぜ合わせ、16時間にわたって室温にて撹拌した。反応物を、酢酸エチル10mLと飽和重炭酸ナトリウム水溶液10mLの間で分配した。有機相を分離し、次いで、濃縮すると、油が得られた。油を、溶離液としてジクロロメタン中5〜10%エタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、固体として表題化合物(82mg、40%)が得られた:+APCI MS (M+H) 406.2; 1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 8.05 (s, 1 H), 7.71 (s, 1 H), 7.43 (m, 2
H), 5.35 (m, 1 H), 3.62 (m, 4 H), 2.82 (s, 2 H), 2.57 (br. s., 2 H), 2.24 (s, 3
H), 1.49 - 1.89 (m, 4 H), 1.44 (d, J=6.64 Hz, 6H).
(実施例8)
1’−(1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボニル)−1−イソプロピル−7−オキソ−1,4,6,7−テトラヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−3−カルボニトリル(8A−1)の調製:
調製I−2A−76b(50mg、0.18mmol)、1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸(30mg、0.18mmol)、ヘキサフルオロリン酸O−(アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(77mg、0.20mmol)およびトリエチルアミン(56mg、0.55mmol)を、ジクロロメタン2.3mL中で混ぜ合わせ、16時間にわたって室温にて撹拌した。反応物に、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3mL)を加えた。相を分離し、水相を、追加部分のジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせ、濃縮すると、残渣が得られた。残渣を、メタノールに溶かし、炭酸カリウム(49mg、0.36mmol)を加えた。混合物を、5分にわたって周囲温度にて撹拌した。反応物を、飽和塩化アンモニウム水溶液(2mL)の添加でクエンチし、メタノールを、真空中で濃縮すると、残渣が得られた。残渣を、水とジクロロメタンの間で分配し、次いで、相を分離した。有機層を、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、真空中で濃縮すると、残渣が得られ、溶離液として酢酸エチル中0〜10%メタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、固体として表題化合物(17mg、22%)が得られた:+ESI MS (M+H) = 417.5;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 8.26 (s, 1 H), 7.51 - 7.88 (m, 2 H), 7.33
(d, J=9.77 Hz, 1 H), 5.35 - 5.47 (m, 1 H), 3.33 - 3.91 (m, 4 H), 2.96 (s, 2 H),
2.71 (s, 2 H), 1.48 - 1.83 (m, 4 H), 1.44 (d, J=6.64 Hz, 6 H).
(実施例9)
1’−(1H−インダゾール−5−カルボニル)−1−(オキセタン−3−イル)−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(9A−1)の調製:
調製I−2A−42g(12.4mg、0.042mmol)、1H−インダゾール−5−カルボン酸(7mg、0.043mmol)、ヘキサフルオロリン酸O−(アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(16mg、0.042mmol)およびトリエチルアミン(14mg、0.14mmol)を、ジメチルホルムアミド3mL中で混ぜ合わせ、16時間にわたって室温にて撹拌した。反応物を、酢酸エチルで希釈し、クエン酸(水中0.5M)、飽和塩化ナトリウム水溶液および飽和重炭酸ナトリウム水溶液で各1回洗浄した。有機相を分離し、次いで、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濾過し、濃縮すると、残渣が得られた。残渣を、溶離液として酢酸エチル中0〜20%メタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、油として表題化合物(7mg、40%)が得られた:+APCI MS (M+H) 406.2;
1H NMR (400 MHz, CD
3OD) δ ppm 8.15 (s, 1 H), 7.91 (s, 1 H), 7.63 (d,
J=8.60 Hz, 1 H), 7.58 (s, 1 H), 7.46 (dd, J=8.70, 1.47 Hz, 1 H), 6.10 - 6.25
(m, 1 H), 4.95 - 5.13 (m, 4 H), 3.41 - 4.06 (m, 4 H), 2.93 (s, 2 H), 2.66 (s, 2
H), 1.44 - 1.85 (m, 4 H).
(実施例10)
1’−(1H−インダゾール−5−カルボニル)−1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(10A−1)の調製:
調製I−1A−1e(30.3g、94.6mmol)および1H−インダゾール−5−カルボン酸(16.96g、104.6mmol)を、ジメチルアセトアミド(430mL)に懸濁し、1−エチル−3−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]カルボジイミド塩酸塩(22.3g、115mmol)を加え、続いて、トリエチルアミン(65mL、475mmol)を滴下添加した。次いで、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(16.2g、106mmol)を加え、反応混合物を、2時間にわたって60℃にて撹拌した。反応物を、半飽和塩化アンモニウム水溶液(500mL)中に注ぎ、酢酸エチル(1×1L、2×500mL)で抽出した。合わせた有機層を、重炭酸ナトリウム水溶液(2×500mL)、水(3×500mL)および飽和塩化ナトリウム水溶液(1×500mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮し、油とした。油を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中1〜6%メタノール)を介して精製すると、所望の生成物(27.1g)が得られた。少量を、酢酸エチル/ヘプタンを使用して結晶化させた。これを使用して下記の結晶化で種晶を入れた。生成物を、酢酸エチル(100mL)に溶かし、溶液が濁るまで還流状態まで加熱した。少量の種結晶を加えた。混合物を、室温まで冷却し、沈殿が形成し、80時間撹拌した。沈殿物を、濾過により集め、冷酢酸エチル(2×30mL)で洗浄した。材料を空気乾燥し、次いで、高真空下でさらに乾燥すると、灰色がかった白色の固体として所望の表題生成物(23g、62%)が得られた。+ESI MS (M+H) 392.5;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 13.19 (s, 1 H), 8.08 - 8.12 (m, 1 H),
7.78 - 7.80 (m, 1 H), 7.49 - 7.57 (m, 1 H), 7.43 (s, 1 H), 7.29 - 7.38 (m, 1
H), 5.17 - 5.31 (m, 1 H), 3.45 (br. s., 4 H), 2.78 (s, 2 H), 2.59 (s, 2 H),
1.48 (br. s., 4 H), 1.32 (d, J=6.63 Hz, 6 H).
(実施例11)
1’−(4−(1H−イミダゾール−2−イル)ベンゾイル)−1−イソプロピル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オン(11A−1)の調製:
4−(1H−イミダゾール−2−イル)安息香酸(1.4mg、75umol)、無水アセトニトリル(400ul)、調製I−1A−1f(1.9mg、75ul)、トリエチルアミン(21ul、150umol)およびヘキサフルオロリン酸O−(アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(2.9mg、75umol)を混ぜ合わせ、14時間にわたって30℃まで加熱した。反応溶液を、真空中で濃縮し、調製用HPLCにより精製すると、表題化合物が得られた。調製用HPLC法:カラム=Luna 5u 100×21.2mm、溶媒相A=水中1%トリフルオロ酢酸、相B=アセトニトリル、流速=23mL/分および検出器=UV。
グラジエント:
分析用HPLC法:カラム=welch materials XB−C18 2.1*50mm、溶媒相A=H2O(0.5mL NH3・H2Oを含む1L H2O)、溶媒相B=アセトニトリル、流速:0.8mL/分。保持時間=2.419分。
グラジエント:
質量パラメーター:質量範囲=170〜1000 フラグメンター=50 ガス流=10L/分 乾燥ガス温度=350℃ キャピラリー電圧(v)=2500 M+H=418
下記の表3に列挙されている化合物は、商業的に入手可能である、当業者によく知られている調製物を使用して調製される、または他の中間体について上に記載されている経路に類似した方法で調製される適切な出発材料を使用して、実施例11、化合物11A−1の合成について上に記載されているものに類似した手順を使用して調製した。下記に列挙されている化合物は、最初は遊離塩基として単離され、試験するためにそれらの対応する塩酸塩に変換されることがある。化合物は、実施例11、化合物11A−1について言及されているのと同じ分析用HPLC法(方法A)によるか、水中0.05%トリフルオロ酢酸を溶媒相Aの代わりとする方法(方法B)により特徴付けした。
(実施例12)
1−tert−ブチル−1’−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボニル)−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オンの調製:
調製I−1a−2f(88mg、0.3mmol)、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−カルボン酸(48mg、0.3mmol)、ヘキサフルオロリン酸O−(アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(116mg、0.3mmol)およびトリエチルアミン(0.83mL、0.59mmol)を、ジメチルホルムアミド3mL中で混ぜ合わせ、30時間にわたって室温にて撹拌した。反応物を、酢酸エチル10mLと飽和塩化アンモニウム水溶液10mLの間で分配した。有機相を分離し、次いで、飽和重炭酸ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮すると、クリーム色の固体が得られた。固体を、溶離液として酢酸エチル中0〜20%メタノールを使用するフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、白色の固体として表題化合物(91mg、76%)が得られた:+ESI MS (M+H) 406.5;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 11.05 (br. s., 1 H), 8.50 (dd, J=4.69,
1.56 Hz, 1 H), 7.94 (dd, J=8.01, 1.56 Hz, 1 H), 7.30 (s, 1 H), 7.11 (dd,
J=8.01, 4.69 Hz, 1 H), 6.67 (s, 1 H), 3.91 (br. s., 2 H), 3.86 (br. s., 2 H),
2.83 (s, 2 H), 2.63 (s, 2 H), 1.65 (br.s, 13 H).
(実施例13)
3−ブロモ−1’−(7−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボニル)−1−tert−ブチル−4,6−ジヒドロスピロ[インダゾール−5,4’−ピペリジン]−7(1H)−オンの調製:
調製I−13A−1c(190mg、0.504mmol)、7−ブロモ−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−5−カルボン酸(130mg、0.506mmol)、ヘキサフルオロリン酸O−(アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム(205mg、0.52mmol)およびトリエチルアミン(100mg、1.0mmol)を、ジクロロメタン(10mL)中で混ぜ合わせ、16時間にわたって周囲温度にて撹拌した。反応溶液に、酢酸エチル(300mL)を加えた。反応溶液を、10%重量/重量クエン酸水溶液(5mL)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(5mL)および、飽和塩化ナトリウム水溶液(5mL)で洗浄した。有機層を、硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮すると、残渣が得られ、ジクロロメタン中2〜8%メタノールグラジエントでシリカゲルクロマトグラフィーにより精製すると、13A−1(52mg、18%)が得られた:+ESI MS (M+H) 580.4;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ ppm 10.05 (br. s., 1 H), 9.74 (br. s., 1 H),
6.95 - 7.37 (m, 2 H), 3.17 - 4.03 (m, 4 H), 2.70 (br. s., 2 H), 2.60 (br. s., 2
H), 1.62 (br.s, 13 H).
薬理学的データ
生物学的プロトコル
動物、特に、哺乳動物(例えば、ヒト)における疾患(本明細書に詳述されているものなど)の治療における本発明の化合物の有用性は、下に記載されているインビトロアッセイおよびインビボアッセイを包含する当業者に知られている従来のアッセイにおけるその活性により証明することができる。そのようなアッセイは、本発明の化合物の活性を、他の知られている化合物の活性と比較することができる手段も提供する。
ACC1およびACC2の活性の直接阻害
本発明の化合物のACC阻害活性を、標準的手順に基づく方法により証明した。例えば、式(I)の化合物についてのACC活性の直接阻害は、組換えヒトACC1(rhACC1)および組換えヒトACC2(rhACC2)の調製物を使用して決定した。アッセイにおいて使用することができる組換えヒトACC1およびACC2の代表的な配列は、それぞれ図1(配列番号1)および図2(配列番号2)に提供される。
[1]rhACC1の調製。完全長ヒトACC1 cDNAを含有する組換えバキュロウイルスに感染したSF9細胞2リットルを、氷冷溶解緩衝液(25mM Tris、pH7.5;150mM NaCl;10%グリセロール;5mMイミダゾール(EMD Bioscience;Gibbstown、NJ);2mM TCEP(BioVectra;Charlottetown、Canada);Benzonaseヌクレアーゼ(10000U/100g細胞ペースト;Novagen;Madison、WI);EDTAフリープロテアーゼ阻害薬カクテル(1錠/50mL;Roche Diagnostics;Mannheim、Germany)に懸濁した。細胞を、3サイクルの凍結融解により溶解し、40分にわたって40,000×gにて遠心分離した(4℃)。上清を、HisTrap FFクルードカラム(GE Healthcare;Piscataway、NJ)上に直接ロードし、20カラム体積(CV)にわたって最高で0.5Mまでのイミダゾールグラジエントで溶離した。ACC1含有画分をプールし、25mM Tris、pH7.5、2mM TCEP、10%グリセロールで1:5に希釈し、CaptoQ(GE Healthcare)カラム上に直接ロードし、20CVにわたって最高で1MまでのNaClグラジエントで溶離した。リン酸基を、4℃にて14時間にわたるラムダホスファターゼ(100U/10μM標的タンパク質;New England Biolabs;Beverly、MA)とのインキュベーションにより精製ACC1から除去し;オカダ酸を添加し(1μM最終濃度;Roche Diagnostics)、ホスファターゼを阻害した。精製ACC1を、4℃における6時間の透析により25mM Tris、pH7.5、2mM TCEP、10%グリセロール、0.5M NaClに交換した。アリコートを調製し、−80℃にて凍結させた。
[2]rhACC1阻害の測定。hACC1を、50μM ATP反応についての製造者の推奨条件を使用してTranscreener ADP検出FPアッセイキット(Bellbrook Labs、Madison、Wisconsin)を使用してCostar #3676(Costar、Cambridge、MA)384ウェルプレート中でアッセイした。アッセイのための最終条件は、50mM HEPES、pH7.2、10mM MgCl2、7.5mMクエン酸三カリウム、2mM DTT、0.1mg/mL BSA、30μMアセチル−CoA、50μM ATP、および10mM KHCO3とした。典型的には、10μl反応を、25℃にて120分にわたって実行し、Transcreenerの停止および検出緩衝液10μlを添加し、組合せを、さらに1時間にわたって室温にてインキュベートした。データは、620励起Cy5 FPジェネラルデュアルミラー、620励起Cy5 FPフィルター、688発光(S)および688(P)発光フィルターを使用するEnvision Fluorescenceリーダー(Perkinelmer)で取得した。
[3]rhACC2の調製。ヒトACC2阻害を、精製した組換えヒトACC2(hrACC2)を使用して測定した。簡潔に述べると、ACC2の完全長Cytomaxクローンを、Cambridge Bioscience Limitedから購入し、配列決定し、PCDNA5 FRT TO−TOPO(Invitrogen、Carlsbad、CA)中にサブクローニングした。ACC2を、テトラサイクリン誘導によりCHO細胞において発現させ、1μg/mLテトラサイクリン(Invitrogen、Carlsbad、CA)と共にグルタミン、ビオチン、ハイグロマイシンおよびブラストサイジンを含むDMEM/F12 5リットルに収集した。次いで、ACC2を含有する馴化培地を、Softlink Soft Release Avidinカラム(Promega、Madison、Wisconsin)に適用し、5mMビオチンで溶離した。ACC2 4mgが、0.05mg/mLの濃度(A280により決定した)にて95%の推定純度(A280により決定した)で溶離された。精製したACC2を、50mM Tris、200mM NaCl、4mM DTT、2mM EDTA、および5%グリセロール中で透析した。プールタンパク質を、融解時の活性の損失なしに−80℃にて凍結させ、保存した。ACC2活性の測定およびACC2阻害の評価については、試験化合物をDMSOに溶かし、最終DMSO濃度が1%の5×ストックとしてrhACC2酵素に添加した。
[4]ヒトACC2阻害の測定。hACC2を、50uM ATP反応についての製造者の推奨条件を使用するTranscreener ADP検出FPアッセイキット(Bellbrook Labs、Madison、Wisconsin)を使用してCostar #3676(Costar、Cambridge、MA)384ウェルプレート中でアッセイした。アッセイのための最終条件は、50mM HEPES、pH7.2、5mM MgCl2、5mMクエン酸三カリウム、2mM DTT、0.1mg/mL BSA、30μMアセチル−CoA、50μM ATP、および8mM KHCO3とした。典型的には、10μl反応を、25℃にて50分にわたって実行し、Transcreenerの停止および検出緩衝液10μlを添加し、組合せを、さらに1時間にわたって室温にてインキュベートした。データは、620励起Cy5 FPジェネラルデュアルミラー、620励起Cy5 FPフィルター、688発光(S)および688(P)発光フィルターを使用するEnvision Fluorescenceリーダー(Perkinelmer)で取得した。
上に記載されている組換えhACC1および組換えhACC2 Transcreenerアッセイを使用した結果を、上の実施例に例示されている式(I)の化合物について下の表に要約している。
実験動物におけるACC阻害の急性インビボ評価
本発明の化合物のACC阻害活性は、処置動物の肝臓および筋肉組織においてマロニル−CoAレベルを低減するそれらの能力の評価によりインビボで確認することができる。
実験動物におけるマロニル−CoA産生阻害の測定。この方法において、自由摂取の標準固形飼料および水で飼養されている雄性Sprague−Dawleyラット(225〜275g)を、研究の前に無作為化した。動物に、摂食させるかまたは実験開始の前の18時間にわたって絶食させた。明期に入って2時間で、動物に、5mL/kgの体積(0.5%メチルセルロース;ビヒクル)または適切な化合物(ビヒクル中で調製した)を経口投与した。摂食ビヒクル対照は、ベースラインの組織マロニル−CoAレベルを決定するために包含し、一方、絶食動物は、マロニル−CoAレベルに対する絶食の影響を決定するために包含した。化合物投与の1時間後、動物を、CO2で窒息させ、組織を摘出した。具体的には、血液を、心臓穿刺により集め、EDTA(BD Biosciences、NJ)を含有するBD Microtainer管に入れ、混合し、氷上に置いた。血漿を使用し、薬物曝露を決定した。肝臓および大腿四頭筋を摘出し、直ちに凍結クランプし、ホイルに包み、液体窒素中で保存した。
組織を、液体N2下で粉砕し、サンプリングにおける均一性を確保した。マロニル−CoAを、FastPrep FP120(Thermo Scientific、速度=5.5;45秒にわたって)中でLysing Matrix A(MP Biomedicals、PN6910)中の5体積の10%トリカルボン酸で組織(150〜200mg)から抽出した。マロニル−CoAを含有する上清を、30分にわたる15000×gにおける遠心分離(Eppendorf Centrifuge5402)後に細胞残屑から取り出した。試料を、分析が終了するまで−80Cにて安定に凍結させた。
肝臓および筋肉組織中のマロニルCoAレベルの分析は、下記の方法論を使用して評価することができる。
方法は、下記の材料を利用する:Isotec(Miamisburg、OH、USA)から購入したマロニル−CoA四リチウム塩およびマロニル−13C3−CoA三リチウム塩、過塩素酸ナトリウム(Sigma、カタログ番号410241)、トリクロロ酢酸(ACROS、カタログ番号42145)、リン酸(J.T.Baker、カタログ番号0260−01)、ギ酸アンモニウム(Fluka、カタログ番号17843)、メタノール(HPLCグレード、J.T.Baker、カタログ番号9093−33)、および水(HPLCグレード、J.T.Baker、4218−03)を使用し、必要な移動相を作成した。Strata−Xオンライン固相抽出カラム、25μm、20mm×2.0mm I.D(カタログ番号00M−S033−B0−CB)は、Phenomenex(Torrance、CA、USA)から入手した。SunFire C18逆相カラム、3.5μm、100mm×3.0mm I.D.(カタログ番号186002543)は、Waters Corporation(Milford、MA、USA)から購入した。
この方法は、下記の機器を利用して行うことができる。Agilent1100バイナリーポンプ、Agilent1100クォータナリーポンプおよび2つのValco Cheminert 6ポート2位置弁を使用する二次元クロマトグラフィー。試料を、10℃に維持されたPeltier冷却スタックおよび20μLサンプリングループ付きのLEAP HTC PALオートサンプラーを介して導入した。オートサンプラー用のニードル洗浄液は、Wash1については水中10%トリクロロ酢酸(w/v)であり、Wash2については90:10メタノール:水である。分析用カラム(Sunfire)は、MicroTech Scientific Micro−LC Column Ovenを使用して35℃に維持した。溶離液を、Turbo Ion Spray付きのABI Sciex API3000三連四重極質量分析計で分析した。
二次元クロマトグラフィーは、オンライン固相抽出および逆相クロマトグラフィーのための異なるグラジエント溶離条件を使用して並行して行った。方法の一般的な設計は、一次元を、試料クリーンアップおよび対象とする分析物の捕捉と、続く、一次元から二次元上への溶離のために両次元の短いカップリングのために利用するようになっていた。続いて、次元をアンカップリングし、定量化のための二次元からの分析物のグラジエント溶離を可能にし、同時に、配列の次の試料のために一次元を調製した。両次元が、一緒に短くカップリングされた場合、一次元中の移動相の流れは、二次元上への分析物溶離のために逆転され、最適なピーク幅、ピーク形状、および溶離時間を可能にした。
HPLC系の一次元は、Phenomenex strata−Xオンライン固相抽出カラムならびに溶媒Aについては100mM過塩素酸ナトリウム/0.1%(v/v)リン酸および溶媒Bについてはメタノールからなる移動相を利用した。
HPLC系の二次元は、Waters SunFire C18逆相カラムならびに溶媒Aについては100mMギ酸アンモニウムおよび溶媒Bについてはメタノールからなる移動相を利用した。グラジエントの初期条件を、2分にわたって維持し、この間に、分析物を、分析用カラムに移した。初期条件は、分析用で保持している間にオンラインSPEカラムから分析物を溶離するのに十分な強度であることが重要であった。その後、グラジエントは、洗浄および再平衡ステップの前に4.5分で74.5%Aまで直線的に上がった。
質量分析は、HPLCとカップリングされた場合、複雑なマトリックス中の分析物を定量的に測定するための高度に選択的かつ高感度な方法であり得るが、依然として妨害および抑制を受ける。二次元HPLCを質量分析計とカップリングすることにより、これらの妨害は、有意に低減された。さらに、三連四重極質量分析計の多重反応モニタリング(MRM)特徴を利用することにより、信号対雑音比は、顕著に改善された。
このアッセイについては、質量分析計を、TurboIonSpray電圧が2250Vの陽イオンモードで操作した。噴霧ガスは、450℃まで加熱した。デクラスタリング電位(DP)、集束電位(FP)、および衝突エネルギー(CE)は、それぞれ60、340、および42Vに設定した。四重極1(Q1)分解能は、ユニット分解能に設定し、四重極3(Q3)は、低に設定した。CADガスは、8に設定した。モニターされたMRM遷移は、200msの滞留時間を持つマロニルCoAについて:854.1→347.0m/z(L.Gaoら(2007)J.Chromatogr.B 853、303〜313)、およびマロニル−13C3−CoAについて:857.1→350.0m/zであった。溶離液を、分析物についての予想溶離時間の近くで質量分析計に方向を変えさせ、そうでなければ、供給源の保持および器具の頑健性の改善に役立てるために廃棄物に方向を変えさせた。得られたクロマトグラムを、Analystソフトウェア(Applied Biosystems)を使用して取り込んだ。マロニルCoAの組織濃度を、水中トリクロロ酢酸の10%溶液中で調製した標準曲線から計算した。
組織抽出物中のマロニル−CoAを定量化するための標準曲線を含む試料は、10%(w/v)トリクロロ酢酸(TCA)中で調製し、0.01〜1pmol/μLの範囲とした。マロニル−13C3−CoA(0.4pmol/μLの最終濃度)を、各標準曲線成分および試料に内部標準として添加した。
6個のアッセイ内品質対照を調製した;絶食動物から調製されたプール抽出物から3個および摂食動物から作製されたプールから3個。これらを、0、0.1または0.3pmol/μLの12C−マロニル−CoAならびにマロニル−13C3−CoA(0.4pmol/μL)をスパイクした独立した試料として実行した。各アッセイ内品質対照は、内部標準(0.4pmol/μL)および12C−マロニル−CoAが寄与する残りの部分と共に水性組織抽出物の85%を含有した。大腿四頭筋の1つの絶食および1つの摂食プール試料ならびに/または肝臓の1つの絶食および1つの摂食プール試料からなるアッセイ間対照を、各実行において包含させた。すべてのそのような対照に、マロニル−13C3−CoA(0.4pmol/μL)をスパイクする。