JP5111731B2 - 網状エラストマーマトリックス、その製造および埋込み可能な装置での使用 - Google Patents
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Description
多孔質であり弾力的に圧縮可能な(resiliently-compressible)多くの材料は、重合過程中の吹込み成形によって形成されたポリウレタン発泡体から製造される。一般に、そのような既知の方法は、有害な生物学的反応を生じ得る望ましくない物質、例えば、発癌性物質、細胞毒素等を発生させるので、生体耐久性(biodurability)の点から魅力的でない。
種々の度合の生体耐久性を有する多くのポリマー類が知られているが、商業的に入手可能な材料は、送達装置を介する送達のために圧縮し得且つ目的とする生物学的部位のin situで弾力的に膨張し得る埋込み可能な装置を得るのに必要な機械的性質を欠くか或いは適切な細胞の内殖(ingrowth)および増殖を誘発させるのに充分な多孔性を欠くかのいずれかである。当該技術の幾つかの提案を以下でさらに説明する。
Brady等は、米国特許第6,177,522号(“Bradyの522号”)において、炭酸アルキルのランダムコポリマーである説明としているポリカーボネートを含む埋込み可能な多孔質ポリカーボネートポリウレタン製品を開示している。Bradyの522号の架橋ポリマーは、尿素が存在する場合には尿素およびビューレット基を、ウレタンが存在する場合にはウレタンおよびアロファネート基を含む。
Brady等は、米国特許出願公報第2002/0072550 A1号(“Bradyの550号”)において、ポリエーテルまたはポリカーボネート線状長鎖ジオールから調製した埋込み可能な多孔質ポリウレタン製品を開示している。Bradyの550号は、イソシアヌレート結合および85%過剰の空隙含有量を有する生体安定性の多孔質ポリエーテルまたはポリカーボネートポリウレタンインプラントを広範囲には開示していない。Bradyの550号のジオールは、ターシャリー炭素結合を含まないと説明している。さらに、Bradyの550号のジイソシアネートは、3%未満の2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートを含有する4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートであると説明している。さらにまた、Bradyの550号の最終発泡ポリウレタン製品は、イソシアヌレート結合を含有し、網状化されていない。
Brady等は、米国特許出願公報第2002/0142413 A1号(“Bradyの413号”)において、高空隙含有量と高表面積を有する溶媒抽出また精製網状ポリウレタン、例えば、ポリエーテルまたはポリカーボネートを含む、細胞、組織または器官の増殖または再構築のための組織操作用骨格を開示している。ある態様においては、空隙形成のために重合中に発泡剤を使用している。最少量の気泡窓開口を手押圧または圧搾により行っており、溶媒抽出を使用して生ずる残留物を除去している。従って、Bradyの413号は、弾力的に圧縮可能な網状製品またはその製造方法を開示していない。
Pinchukは、米国特許第5,133,742号および第5,229,431号(それぞれ、“Pinchukの742号”および“Pinchukの431号”)において、医療用プロテーゼ、インプラント、屋根吹き用断熱材等用の亀裂抵抗性ポリウレタンを開示している。該ポリマーは、エーテル結合を実質的に完全に有していないポリカーボネートポリウレタンポリマーである。
Szycher等は、米国特許第5,863,627号(“Szycher”)は、内部ポリシロキサンセグメントを有する生体適合性ポリカーボネートポリウレタンを開示している。
MacGregorは、米国特許第4,459,252号において、多孔質表面と、表面孔と流体流連結する表面下の相互連結間隙孔のネットワークとを含む心臓血管プロテーゼ装置またはインプラントを開示している。
Gunatillake等は、米国特許第6,420,452号(“Gunatillakeの452号”)において、分解抵抗性シリコーン含有弾性ポリウレタンを開示している。Gunatillake等は、米国特許第6,437,073号(“Gunatillakeの073号”)において、さらにまた、非弾力性である生分解抵抗性シリコーン含有弾性ポリウレタンを開示している。
Pinchukは、米国特許第5,741,331号(“Pinchukの331号”)並びにその分割米国特許第6,102,939号および第6,197,240号において、マイクロファイバーのクラッキングおよび破損についての推定されたポリカーボネート安定性問題を開示している。Pinchukの331号は、三次元の弾力圧縮性を有し、カテーテル-、内視鏡-またはシリンジ導入され、生物学的部位を占拠し且つ占拠容積中への細胞の内殖および増殖を可能にし得る自己支持性でスペース占拠性の多孔質要素を開示していない。
Pinchuk等は、米国特許出願公報第2002/0107330 A1号(“Pinchukの330号”)において、治療薬の埋込み送達用の組成物を開示しており、該組成物は、エラストマーブロック、例えば、ポリオレフィンと熱可塑性ブロック、例えば、スチレンを有する生体適合性ブロックコポリマー、および該ブロックコポリマー中に充填させた治療薬を含む。Pinchukの330号の組成物は、生物学的部位を占拠し且つ占拠容積中への細胞の内殖および増殖を可能にし得る圧縮可能でカテーテル-、内視鏡-またはシリンジ導入可能な弾力性のスペース占拠性多孔質要素を得るための適切な機械的性質を欠如し得る。
Maは、米国特許出願公報第2002/0005600 A1号(“Ma”)おいて、多孔質材料形成のいわゆる逆行作製方法を開示している。例えば、ピリジン中ポリ(ラクチド)溶液をパラフィン球体の容器に滴下により添加し、ピリジンを除去し、次いでパラフィンを除去している;多孔質発泡体が残存すると説明している。Maは、例えば、ポリカーボネートポリウレタン発泡体を開示していない。Maは、弾力的圧縮可能な製品を開示していない。
Dereume等の米国特許第6,309,413号は、管腔内移植片に関し、塩類、糖およびヒドロゲルのような可溶性粒状物をポリマーから溶出させ、位相反転させることを含む、10〜60μmの多孔質移植片の種々の製造方法を開示している。Tuchは、米国特許第5,820,917号において、水溶性ヘパリンの層でコーティングし、ヘパリンが溶出し得る多孔質高分子コーティングを被せた血液接触用医療装置を開示している。該多孔質ポリマーコーティングは、ステント上への位相反転沈降のような方法によって製造され、約0.5〜10μmの孔サイズを有する製品を得ている。DeremeおよびTuchは、コーティングされていない基体の有効な細胞の内殖および増殖にとっては小さ過ぎ得る孔サイズしか開示していない。
上記の各文献は、例えば、適切な大きさの相互連結孔に関連する治療上の利益、例えば、修復および再生を有する、送達装置を介する送達、その送達からの弾力的回復および血管奇形においての長期の滞留に全く適し得る埋込み可能な装置を開示していない。さらにまた、上記の各文献は、例えば、ポリカーボネート成分を含有するそのような装置を開示していない。
背景技術についての上記の説明は、本発明前には関連技術に対して知られてなかったが本発明によって提示された見識、発見、理解もしくは開示、または開示と一体の関連性を含み得る。本発明の幾つかのそのような貢献は本明細書において詳細に指摘し得るし、また、本発明の他のそのような貢献はその背景から明らかとなろう。文献は引用し得るというだけであるので、本発明の分野と全く異なり得る文献の分野が本発明の分野に類似するということは、是認されない。
本発明のエラストマーマトリックスの構造、形態および特性は、種々の機能的または治療的用途に対し、出発物質および/または加工条件を変えることによって、広範な性能に亘り操作または調整し得る。
1つの態様においては、上記エラストマーマトリックスは、細胞および/または組織により封入され内殖されるようになるので、あまり重要な役割は奏しない。別の態様においては、封入され内殖されたエラストマーマトリックスは、小さなスペースしか占めず、再成長した(regrown)細胞および/または組織の機能を干渉せず、また、移行する性向を有しない。
1つの態様においては、埋込み可能な装置は、可撓性で且つ弾力性であり、圧縮後にその形状およびそのサイズの大部分を回復し得る網状エラストマーマトリックスを含む。別の態様においては、本発明の埋込み可能な装置は、本発明の埋込み可能な装置が緩和形状(relaxed configuration)から送達装置を介する生体内送達のための第1のコンパクト形状(compact configuration)へ周囲条件下、例えば、25℃で圧縮され、且つin situでの第2の作動形状(working configuration)に膨張するのを可能にする弾力的な圧縮性を有する。
本発明は、長時間埋込みに適し且つ生体内での細胞の内殖および増殖を促進させるのに充分な有孔率を有する真に網状、可撓性及び弾力性である生体耐久性エラストマーマトリックスを提供し得る。
別の態様においては、本発明は、患者への埋込みに適する生体耐久性で可撓性の網状化した弾力的に圧縮可能なエラストマーマトリックスの製造方法を提供し、該方法は、上記エラストマーの化学的性質を実質的に変化させない、望まない残留物フリーの方法により充分に特性決定された生体耐久性エラストマー中に孔を形成して、患者に埋め込んだときに、少なくとも29日間生体耐久性であって、エラストマーマトリックス全体に亘る流体透過性を提供し且つエラストマーマトリックスの内部中への細胞の内殖および増殖を可能にする多孔性を有する網状構造を有するエラストマーマトリックスを得ることを含む。
a) 高分子材料を含むエラストマーマトリックスにミクロ構造形状を規定する表面を有するモールドを作製し;
b) 該モールドを流動性高分子材料で充填し;
c) 該高分子材料を凝固させ;そして、
d) 上記モールドを除去して上記エラストマーマトリックスを得る;
ことを特徴とする。
エラストマーマトリックスに対し所望のミクロ構造形状を規定するモールド表面の相互連結した内部通路は、自己支持性エラストマーマトリックスを形成するように成形し、設定し、寸法合せする。ある態様においては、得られるエラストマーマトリックスは、網状構造を有する。以下で説明するように、作製したモールドは、1つの態様においては、網状エラストマーマトリックスを得るために取除く犠牲モールドであり得る。そのような取除きは、例えば、犠牲モールドを溶融、溶解または昇華除去することによって実施し得る。
上記基体即ち犠牲モールドは、各粒子上の複数の点でネットワークの形で、互いに凝集させたまたは相互連結させた複数または多数の中空でない(soild)または中空のビーズまたは粒子を含み得る。1つの態様においては、モールドは、各次元で広がっている複数粒子を有する有意な三次元的広がり(extend)を有する。モールド粒子は、熱および/または圧力を使用して、例えば、焼結もしくは融合させることにより、接着剤もしくは溶媒処理により、または減圧の適用により相互連結させ得る。別の態様においては、高分子材料を粒子間の間隙に収容させる。別の態様においては、高分子材料が上記粒子間の間隙を満たす。
1つの態様においては、上記粒子は、比較的低融点を有する物質、例えば、炭化水素ワックスを含む。別の態様においては、上記粒子は、水溶解性を有する物質、例えば、塩化ナトリウムもしくは塩化カルシウムのような無機塩類;スクロースのような糖;コーン、ポテト、コムギ、タピオカ、マニオクまたはコメ澱粉のような澱粉;またはこれらの混合物を含む。
高分子材料は、エラストマーを含み得る。別の態様においては、高分子材料は、上述したような生体耐久性エラストマーを含み得る。別の態様においては、高分子材料は、溶媒可溶性生体耐久性エラストマーを含み得、それによって流動性高分子材料がポリマーの溶液を含み得る。そして、溶媒を除去または蒸発させて高分子材料を凝固させる。
別の態様においては、上記方法は、エラストマーマトリックスの内部中への細胞の内殖および増殖を可能にするエラストマーマトリックス形状を得るように実施し、該エラストマーマトリックスは、本明細書において説明するように、患者内に埋込み可能である。何ら特定の理論によって拘束するものではないが、高空隙含有量および高度の網状を有することが、上記埋込み可能な装置に細胞群による完全な内殖または増殖を可能にしていると考えられ、前記細胞群としては線維組織のような組織が挙げられる。
a) 網状発泡体テンプレートを流動性の耐久性物質(熱可塑性ポリマーまたはワックスでもよい)でコーティングし;
b) 上記発泡体テンプレートのコーティングした表面を露出させ;
c) 上記発泡体テンプレートを除去して上記網状発泡体テンプレートの注型物を得;
d) 上記注型物を流動可能状態のエラストマーでコーティングしてエラストマーマトリックスを形成させ;
e) 上記注型物の表面を露出させ;そして、
f) 上記注型物を除去して上記エラストマーを含む網状ポリウレタンエラストマーマトリックスを得る;
ことを特徴とする。
別の態様においては、本発明は、網状構造を有するエラストマーマトリックス製造のための凍結乾燥方法を提供し、該方法は、
a) 溶媒中に溶媒可溶性生体耐久性エラストマーを含む溶液を調製し;
b) 該溶液を、少なくとも部分的に凝固させて(該溶液を冷却することによって凝固させてもよい)、固形物を形成させ;そして、
c) 非高分子材料を除去して(上記固形物から溶媒を減圧下に昇華させることにより)、上記エラストマーを含む少なくとも部分的に網状化したエラストマーマトリックスを得る;
ことを含む。
別の態様においては、本発明、網状エラストマーマトリックスの製造のための重合方法を提供し、該方法は、a) ポリオール成分、b) イソシアネート成分、c) 発泡剤、d) 任意成分としての架橋剤、e) 任意成分としての連鎖延長剤、f) 任意成分としての少なくとも1種の触媒、g) 任意成分としての界面活性剤、およびh) 任意成分としての粘度調整剤を混合して架橋エラストマーマトリックスを調製し、該エラストマーマトリックスを網状化方法により網状化して網状エラストマーマトリックスを得ることを特徴とする。上記各成分は、エラストマーマトリックスを調製する量で、さらに(i) 架橋された弾力的に圧縮可能な生体耐久性エラストマーマトリックスが得られ、(ii) 生物学的に望ましくない残留物の形成を制御し、且つ(iii) 得られた発泡体を網状化方法により網状化して網状エラストマーマトリックスを得る条件下において存在する。
別の態様においては、本発明は、患者に埋込むための網状複合エラストマー埋込み可能な装置の製造方法を提供し、該方法は、生体耐久性網状エラストマーマトリックスを、細胞の内殖および増殖を促進させるように選択したコーティング材料で表面コーティングまたは内部孔コーティングすることを含む。コーティング材料は、例えば、生分解性物質の発泡コーティングを含んでもよく、前記生分解性物質はコラーゲン、フィブロネクチン、エラスチン、ヒアルロン酸およびこれらの混合物であってもよい。また、コーティングは、生分解性ポリマーと無機成分を含む。
別の態様においては、本発明は、患者に埋込むのに有用な網状複合エラストマー埋込み可能な装置の製造方法を提供し、該方法は、網状生体耐久性エラストマーを表面コーティングもしくは内部孔コーティングするかまたは含浸させることを含む。このコーティングまたは含浸物質は、例えば、ポリグリコール酸(“PGA”)、ポリ乳酸(“PLA”)、ポリカプロ乳酸(polycaprolactic acid) (“PCL”)、ポリ-p-ジオキサノン(“PDO”)、PGA/PLAコポリマー、PGA/PCLコポリマー、PGA/PDOコポリマー、PLA/PCLコポリマー、PLA/PDOコポリマー、PCL/PDOコポリマーまたはこれらの2種以上の任意の組合せを含み得る。別の態様は、表面積の多孔性を改変する表面コーティングまたは融合を含む。
別の態様においては、本発明は、動物のような患者の血管奇形の治療方法を提供し、該方法は、
a) 本明細書説明する本発明の埋込み可能な装置を緩和形状から第1のコンパクト形状に圧縮し;
b) この圧縮した埋込み可能な装置を、送達装置によって、生体内血管奇形部位に送達し;そして、
c) 上記埋込み可能な装置を上記生体内部位において弾力的に回復させ、第2の作動形状に膨張させる;
ことを特徴とする。
以下、本発明、製造法および本発明の使用についての幾つかの態様、並びに本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、添付図面を参照しながら、例示として、上述の説明に従いまたは照らして読むべきである。
本発明のある種の態様は、網状生体耐久性エラストマー製品を含み、該製品は、圧縮可能でもあり、その回復において弾力性を示し、さらに、多様な用途を有し、例えば、動脈瘤、動静脈機能不全、動脈塞栓または他の血管異常のような血管奇形の管理において、或いは医薬活性剤用の、例えば、薬物送達用の基体として使用し得る。このように、本明細書において使用するとき、用語“血管奇形”とは、限定するものではないが、動脈瘤、動静脈機能不全、動脈塞栓または他の血管異常を含む。他の態様は、カテーテル、内視鏡、関節鏡、腹腔鏡、膀胱鏡、シリンジまたは他の適切な送達装置を介する生体内送達用の網状生体耐久性エラストマー製品を含み、長時間、例えば、少なくとも29日間満足に埋込み得るか或いは生存組織または流体に暴露させ得る。
医療においては、本発明により認識されるように、生体内患者部位、例えば、ヒト患者内の部位に送達し得、宿主に対し有害でなく長時間その部位を占拠し得る無害な埋込み可能な装置が求められている。1つの態様においては、そのような埋込み可能な装置は、最終的には、組織と一体化ともなり得、例えば、内殖され得る。種々のインプラント類が生物学的活性剤の局所的in situ送達に強力に有用なものとして長い間考慮され、最近になって、脳および腹部大動脈瘤、動静脈機能不全、動脈塞栓または他の血管異常のような潜在的に生命脅威性の症状を含む血管内症状の制御において有用なものとして熟考されてきている。
埋込み可能なシステム、例えば、さらなる抵抗によって生ずる圧力降下により血液流を必要に応じて減少させ、凝血塊の形成に至る即時の血栓応答を必要に応じて起させて、最終的には線維形成に至らしめ、即ち、血管奇形および血管奇形内に配置した埋込み可能な装置の空隙空間中への細胞の内殖および増殖を可能とし或いは刺激して、生物学的に健全で有効且つ持続的な様式で、安定化し、また可能であればそのような特徴を封じ込め得る前記システムを有することが望まれるであろう。しかしながら、本発明前には、そのような埋込み可能なシステムの要件全てを満たす材料および製品は、利用可能となっていない。
本発明のある態様は、細胞増殖を支援し、生体内での細胞の内殖および増殖を可能にし、例えば、脈管構造問題の治療用の、生体内または生体外で使用して細胞増殖用の基体を提供し得る生体内生物学的埋込み可能な装置として有用である。
1つの態様においては、本発明の網状エラストマーマトリックスは、細胞の結合、移行、増殖および/またはコーティング(例えば、コラーゲン)付着のための表面を提供することによって組織増殖を容易にする。別の態様においては、例えば、上皮細胞(例えば、扁平上皮、立方上皮および円柱上皮組織のような)、結合組織(例えば、疎性結合組織、蜜性規則性および不規則性組織、細網組織、脂肪組織、軟骨および骨のような)、および筋肉組織(例えば、骨格筋、平滑筋および心筋のような)、またはこれらの任意の組合せ、例えば、線維性血管性組織のような任意のタイプの組織が、本発明の網状エラストマーマトリックスを含む埋込み可能な装置中に増殖し得る。本発明の別の態様においては、本発明の網状エラストマーマトリックスを含む埋込み可能な装置は、その相互連結孔の体積の実質的に全体に亘って組織内殖を有し得る。
1つの態様においては、本発明は、“送達装置”により送達するのに充分な弾力的圧縮性を有する埋込み装置、即ち、エラストマー埋込み可能な装置を収容するためのチャンバーを有する装置を含み、埋込み可能な装置は、例えば、カテーテル、内視鏡、関節鏡、腹腔鏡、膀胱鏡またはシリンジを使用して所望部位に送達されその後その部位に放出される。別の態様においては、このようにして送達されたエラストマー埋込み可能な装置は、生物学的部位に送達された後にその形状を実質的に再獲得し、長時間の埋込みに適する適切な生体耐久および生体適合特性を有する。
本発明のエラストマーマトリックスの構造、形態および特性は、広範囲の性能に亘って、種々の機能的または治療的用途において出発物質および/または加工条件を変えることによって操作または調製し得る。
何ら特定の理論によって拘束するものではないが、生物学的容積または空洞を満たし得且つその容積全体に亘って分布した充分な有孔率を含む軽量の耐久性構造体を得るという本発明の目的は、以下の1つ以上を可能にすることによって満たされるものと考えている:閉塞および塞栓、細胞の内殖および増殖、組織再生、細胞結合、薬物送達、固定化酵素による酵素作用、および本明細書において説明するような、とりわけ同時係属出願に含まれている他の有用なプロセス。
本出願において、用語“生体耐久性”とは、生物学的環境において長期間安定であるエラストマーおよび他の製品を表す。そのような製品は、埋込み可能な装置の使用に比例する時間で生物学的環境に暴露させたときに、破壊もしくは分解の有意な兆候、腐蝕、またはその使用に関連する機械的性質の有意な劣化を示すべきでない。埋込み期間は、数週間、数か月間若しくは数年間;本発明のエラストマー製品を組込む移植片若しくは人工装具のような被移植体(host)製品の寿命;または、エラストマー製品に対する患者宿主の寿命であり得る。1つの態様においては、所望の暴露期間は、少なくとも29日間であると理解される。別の態様においては、所望の暴露期間は、少なくとも29日間であると理解される。
1つの態様においては、本発明の生体耐久性製品は、生体適合性でもある。本出願において、用語“生体適合性”とは、該製品が、宿主患者に埋込んだときに、たとえあるとしても、ほんの僅かな有害生物学反応しか示さないことを意味する。“生体耐久性”に当てはまる同様な考察は、“生体適合性”の特性にも当てはまる。
意図する生物学的環境は、生体内、例えば、上記製品を埋込むまたは上記製品を局所的に適用する患者宿主、例えば、ヒトもしくは他の霊長類、ペットもしくはスポーツ動物、家畜もしくは食用動物、または実験動物のような哺乳動物宿主の環境であると理解し得る。そのような使用は、全て本発明の範囲内に属するものとみなされる。本明細書において使用するとき、“患者”とは動物である。1つの態様においては、動物は、限定するものではないが、ニワトリ、シチメンチョウ、アヒル、ガチョウおよびウズラのような鳥類、または哺乳動物である。別の態様においては、動物は、限定するものではないが、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、モルモット、サルおよびヒトのような哺乳動物である。別の態様においては、前記動物は霊長類またはヒトである。別の態様においては、前記動物はヒトである。
本発明の網状生体耐久性エラストマー製品は、“マクロ構造”および“ミクロ構造”を有するものとして説明することもでき、これらの用語は、本明細書においては、以下のパラグラフにおいて説明する一般的な意味で使用する。
“マクロ構造”とは、次のような、本発明の生体耐久性エラストマー製品から形成された物品または物体の全体的な物理特性を称する:孔または空隙を無視して、物品または物体の幾何学的限界により説明されるような外周;孔をあたかも充填したかのような外表面積を基準として、孔に含まれる前記表面積を無視する、“マクロ構造表面積”;マクロ構造または単純な“マクロ”表面積によって境界を示されている体積である物品または物体が占める、“マクロ構造体積”または単純な“体積”;および、構造材料の密度とは異なる、物品または物体自体の単位体積当りの質量である“嵩密度”。
“ミクロ構造”とは、本発明の製品を構成する生体耐久性エラストマー材料の内部構造の特徴、例えば、本発明のエラストマー製品のある態様の固形構造体を構成する、孔寸法;孔内の材料表面の総面積である孔表面積;支柱(strut)および交差点の形状;を称する。
図1に関し、便宜上示しているのは、網状発泡体の特定の形態の略図である。図1は、本発明の幾つかの態様のミクロ構造を特徴および原理の幾つかを例証する好都合な方法である。この図は、本発明のエラストマー製品の1つの態様の理想的な描写を意図したものでもなく、特定の態様の詳細な表現でもない。ミクロ構造の他の特徴および原理は、本明細書から明らかになるであろうし、或いは本明細書で説明する1つ以上の本発明の多孔質エラストマー製品の製造方法から明らかになるであろう。
一般に、例示する多孔質生体耐久性エラストマーマトリックス10のミクロ構造は、なかんずく、明確な形状を有する個々の要素または幅のある連続したまたは無定形の存在物であり得、適切な生体耐久性エラストマー材料から形成された網状固相12およびその中に散在するまたはそれによって輪郭付けされた連続相互連結空隙相14を含み、後者が網状構造の主たる特徴である。
1つの態様においては、エラストマーマトリックス10を構成するエラストマー材料は、複数の材料の混合物またはブレンドである。別の態様においては、エラストマー材料は、後でより詳細に説明するような単一の合成高分子エラストマーである。
空隙相14は、通常、使用前に空気またはガス充填されるであろう。使用中は、空隙相14は、全部ではないが多くの場合、液体、例えば、生物学的流体即ち体液で満たされるであろう。
エラストマーマトリックス10の固相12は、図1で示すように、有機構造体を有し、複数の比較的薄い支柱16を含み、この支柱は多数の交差点18間に延び、これらの交差点と相互連結している。交差点18は、3本またはそれ以上の支柱16が互いに出会う実質的な構造的位置である。4本または5本或いはそれ以上の支柱16が、交差点18または2つの交差点18が互いに合流するように理解できる位置で出会うように理解できる。1つの態様においては、支柱16は、紙面上下の交差点18の間に三次元形状に延びており、特定の面に固執していない。即ち、与えられたいずれの支柱16も、1つの交差点18から、その交差点で連結する他の支柱16に対して任意の方向に延びている。支柱16と交差点18は、一般に弯曲した形状を有し得、その間に、固相12中の多数の孔20即ち間隙空間を形成している。支柱16と交差点18は、相互連結した連続固相を形成している。
少数の孔20は、気泡壁22のような“窓”または“窓面”とも称する構成材料の気泡壁を有し得る。そのような気泡壁は、これらの気泡壁が流体の通過および/または孔20を介しての組織の繁殖および増殖を妨げる限り望ましくない。気泡壁22は、1つの態様においては、後で説明する網状化のような適切な処理工程において除去し得る。
マクロ構造表面の境界末端を除いて、図1に示す態様においては、エラストマーマトリックス10の固相12は、あり得る場合に少数の、支柱16または交差点18から延びているが他の支柱または交差点と連結していない自由端型、行き止まり端型または突出した“支柱様”構造体を含む。
しかしながら、別の態様においては、複数のそのような微小繊維(図示せず)を、例えば、支柱16または交差点18当り約1〜約5本の微小繊維を有し得る。ある用途においては、そのような微小繊維は、例えばこれら微小繊維が提供するさらなる表面積のために有用であり得る。しかしながら、そのような突出または隆起構造体は、孔20を通る流れを妨害または制約し得る。
支柱16と交差点18は、空隙相14を構成する孔20の形状または輪郭を形成するものとみなし得る(その逆も同様である)。多くの孔20は、これらの孔が個々に同定されない限りにおいて、少なくとも2本の他の孔20中に開口しこれらの孔と連結している。交差点18では、3本以上の孔20が出会い相互連結しているものとみなし得る。ある態様においては、空隙相14は、エラストマーマトリックス10全体に亘って連続または実質的に連続しており、独立気泡孔20はあったとしても僅かしか存在しないことを意味している。そのような独立気泡孔20は、有用な容積の喪失を示し、エラストマーマトリックス10の内部支柱および交差点構造体16および18への有用な流体の受入れを妨げ得る。
別の態様においては、エラストマーマトリックス10を網状化する。別の態様においては、エラストマーマトリックス10を充分に網状化する。別の態様においては、エラストマーマトリックス10は、充分に網状化されている。別の態様においては、エラストマーマトリックス10は、多くの気泡壁22を除去する。別の態様においては、エラストマーマトリックス10は、殆どの気泡壁22を除去する。別の態様においては、エラストマーマトリックス10は、実質的に全部の気泡壁22を除去する。
別の態様においては、固相12は、網状化したものとして説明し得、エラストマーマトリックスの境界における以外で何らの有意な終結、隔離領域または不連続なしで、支柱16および交差点18のような固形構造体の連続ネットワークを含み、このネットワークにおいては、ネットワーク内の1つの点からネットワーク内の任意の他の点まで固相12の材料の全体を通して仮想線を引くことができる。
別の態様においては、空隙相14も間隙空間の連続ネットワーク、即ち、ガスまたは液体類のための相互連結流体通路であり、この流体通路は、エラストマーマトリックス10の固相12の構造体の全体に亘って延びてこの構造体によって形成され(またはこの構造体を形成し)、その外表面積全体に開口している。他の態様においては、上述したように、閉塞または空隙ネットワークにおける少なくとも1つの他の孔20と相互連結していない独立気泡孔20は、僅かしか存在しないか、実質的に存在しないか、或いは全く存在しない。この空隙相ネットワークにおいても、仮想線を、ネットワーク内の1つの点からネットワーク内の任意の他の点まで空隙相14の全体を通して引くことができる。
別の態様においては、そのような細胞または組織の内植および増殖(ある目的においては線維形成を含み得る)は、孔20の外側層中ではなくてエラストマーマトリックス10の最深内部および全体中で起こり或いは促進させる。即ち、この態様においては、エラストマーマトリックス10が占める空間は、勿論エラストマー固相12が占める空間を除いて、線維性、瘢痕または他の組織の形の細胞および組織の内殖および増殖によって全体的に満たされるようになる。別の態様においては、本発明の埋込み可能な装置は、内殖組織を、例えば、支援的な微小血管系の存在により生存したまま保つように機能する。
このために、とりわけ空隙相14の形態に関し、1つの態様においては、エラストマーマトリックス10を、開放相互連結孔によって網状化する。
何ら特定の理論によって拘束するものではないが、この網状化は、細胞集団がエラストマーマトリックス10の内部に滞留するようになった後でさえも、体液、例えば、血液によるエラストマーマトリックス10内部の自然な潅注を可能にして、細胞集団を、細胞集団に栄養素を供給しさらに廃棄生成物を細胞集団から除去することによって持続させるものと考えられる。別の態様においては、エラストマーマトリックス10は、特定サイズ範囲の開放相互連結孔によって網状化する。別の態様においては、エラストマーマトリックス10は、サイズ範囲分布を有する開放相互連結孔によって網状化する。
内部細胞潅注を提供するエラストマーマトリックス10のそのような構成は、流体透過性であり、細胞潅注以外の目的のため、例えば、生物学的活性剤、例えば、薬物または他の生物学的に有用な物質の溶出のために、マトリックス内部によるまたはマトリックス内部への流体受入れも提供し得ることを理解されたい。そのような物質は、必要に応じて、エラストマーマトリックス10の内部表面積に固定し得る。
本発明の別の態様においては、ガス相12は、送達可能な処理ガス、例えば、オゾンのような滅菌剤または酸化窒素のような創傷治療薬で満たし或いはこれらと接触させ得るが、マクロ構造表面を、例えば生体吸収性膜によってシールして、この膜が浸食されてガスを放出して局所治療作用または他の作用をもたらすまで埋込み製品内にガスを収容していることを条件とする。
本発明の有用な態様としては、支柱16、交差点18および孔20の形状および大きさが実質的に変化している、図1に示すような幾分ランダム化した構造体;および、これもまた、固相と空隙相の三次元的相互浸透性、構造的複雑性および高流体透過性という説明した特徴を示すより整備された構造体がある。そのようなより整備された構造体は、後でさらに説明する。
空隙相14は、何らかの必要に応じての内部孔表面コーティングまたは層形成物を施す前のエラストマーマトリックス10の間隙空間によって与えられる体積を参照して、エラストマーマトリックス10の50体積%ほどの小体積を構成する。1つの態様においては、空隙相14の体積は、上述したようにして、エラストマーマトリックス10の体積の約70%〜約99%である。別の態様においては、空隙相14の体積は、エラストマーマトリックス10の体積の約80%〜約98%である。別の態様においては、空隙相14の体積は、エラストマーマトリックス10の体積の約90%〜約98%である。
本明細書において使用するとき、孔が球形または実質的に球形である場合、その最大横断寸法は、孔の直径と等価である。孔が非球形、例えば、楕円形または四面体形である場合、孔内の1つの孔表面から他の表面までの最大距離、例えば、楕円形孔における主軸長または四面体孔における最長面辺の長さと等価である。本明細書において使用するとき、“平均直径または他の最大横断寸法”とは、球形または実質的に球形の孔については数平均直径を指し、非球形の孔については数平均最大横断寸法を指す。
血管奇形用途等に関連する1つの態様においては、細胞の内殖および増殖を促進させ且つ適切な流体透過性を得るためには、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、少なくとも約100μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、少なくとも約150μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、少なくとも約250μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約250μmよりも大きい。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、250μmよりも大きい。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、少なくとも約275μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約275μmよりも大きい。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約275μmよりも大きい。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、少なくとも約300μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約300μmよりも大きい。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、300μmよりも大きい。
血管奇形用途等に関連する別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約100μm〜約900μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約100μm〜約850μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約100μm〜約800μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約100μm〜約700μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約150μm〜約600μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約200μm〜約500μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約250μm〜約900μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約250μm〜約850μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約250μm〜約800μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約250μm〜約700μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約250μm〜約600μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約275μm〜約900μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約275μm〜約850μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約275μm〜約800μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約275μm〜約700μmである。別の態様においては、孔20の平均直径または他の最大横断寸法は、約275μm〜約600μmである。
サイズおよび形状
エラストマーマトリックス10は、任意の所望サイズおよび形状で容易に製造し得る。エラストマーマトリックス10が、バルクストック(梱包状態での保管品)からの大量生産に、そのようなバルクストックを、例えば、切断、金型パンチング、レーザースライシングまたは圧縮成形により再分割することによって適し得ることは、本発明の利点である。1つの態様においては、バルクストックの再分割は、加熱表面を使用して実施し得る。エラストマーマトリックス10の形状および輪郭を広範囲に変化させ、所望の解剖学的形態に容易に適応させ得ることも、本発明のさらなる利点である。
エラストマーマトリックス10のサイズ、形状、輪郭および他の関連する詳細は、特定の用途または患者に応じて特注製造されるか或いは大量生産のために標準化されるかのいずれかであり得る。しかしながら、経済性を考慮すると、標準化が好ましい。このためには、エラストマーマトリックス10は、種々のサイズと形状のエラストマー埋込み可能な装置片を含むキットにおいて具現化し得る。また、本明細書において別途説明するように、さらに同時係属出願において開示されているように、複数の、例えば、2個、3個または4個の個々のエラストマーマトリックス10を、寸法合せし、形作りし或いは寸法合せと形作りの双方を行って個々のターゲット部位の処置において共働的に機能するようにした単一の生物学的ターゲット部位用の埋込み可能な装置系としても使用し得る。
上記の処方を実施する施術者は、外科医もしくは他の医師もしくは獣医、または研究者等であり得、その後、入手し得る範囲から1個以上の埋込み可能な装置を選定して、例えば、同時係属出願において記載されているようにして、特定の処置において使用し得る。
例えば、エラストマーマトリックス10の最小寸法は1mmほどの小さく、また100mmほどまたはそれ以上の最大寸法であり得る。しかしながら、1つの態様においては、埋込みを意図するそのような寸法のエラストマーマトリックス10は、シリンダー、ロッド、チューブまたは細長プリズム形の形状のような細長形状、或いは折り曲げ型、コイル型、螺旋状または他のよりコンパクトな形状を有することが意図される。同等に、1mmほどの小さい寸法は、細長形状またはリボンもしくはシート状埋込み可能な装置の横方向寸法であり得る。
殆どの埋込み可能な装置の用途において、エラストマーマトリックス10のマクロ構造寸法としては、次のような態様がある:約1mm〜約200mmの横方向寸法を有する、球体、立方体、ピラミッド、四面体、円錐体、シリンダー、台形、平行六面体、楕円、紡錘体、チューブまたはスリーブのようなコンパクト形状、および多くの規則性の小さい形状(別の態様においては、これらの横方向寸法は約5mm〜約100mmである);並びに、約1mm〜約20mmの厚さ(別の態様においては、これらの厚さは約1mm〜約5mmである)と約5mm〜約200mmの横方向寸法(別の態様においては、これらの横方向寸法は約10mm〜約100mmである)を有するシート状またはストリップ状形状。
血管奇形の治療においては、埋込み可能なエラストマーマトリックス要素を、多くの場合複雑でモデル化するのが難しい血管奇形の形状に綿密に一致させる何らの必要なしで、有効に使用し得ることは、本発明の利点である。即ち、1つの態様においては、本発明の埋込み可能なエラストマーマトリックス要素は、例えば、同時係属出願において記載されているように、著しく様々な簡素な形状を有する。
さらにまた、1つの態様においては、本発明の埋込み可能な装置または2個以上を使用する場合の各埋込み可能な装置は、in situで充分に膨張したときでさえも、動脈瘤または他の血管奇形を完全に満たすべきでない。1つの態様においては、本発明の充分に膨張した埋込み可能な装置(1個以上)は、血管奇形よりも寸法が小さくて、脈管化、細胞の内殖および増殖、並びに血液の埋込み可能な装置への通過を確保する血管奇形内の充分なスペースを提供する。別の態様においては、本発明の充分に膨張した埋込み可能な装置(1個以上)は、血管奇形と寸法において実質的に同じである。別の態様においては、本発明の充分に膨張した埋込み可能な装置(1個以上)は、血管奇形よりも寸法において大きい。別の態様においては、本発明の充分に膨張した埋込み可能な装置(1個以上)は、血管奇形よりも体積において小さい。別の態様においては、本発明の充分に膨張した埋込み可能な装置(1個以上)は、血管奇形と体積において実質的に同じである。別の態様においては、本発明の充分に膨張した埋込み可能な装置(1個以上)は、血管奇形よりも体積において大きい。
別の態様においては、それらの孔が生物学的流体、体液および/または組織により時間の途中で満たされるようになったときでさえ、血管奇形用途等におけるそのような埋込み可能な装置が居留する生物学的部位を完全には満たさないこと;および個々の埋込んだエラストマーマトリックス10が、必ずしもではないが多くの場合、生物学部位への入口内でその生物学的部位の50%よりも大きくない体積を有することを意図する。別の態様においては、個々の埋込んだエラストマーマトリックス10は、生物学部位への入口内でその生物学的部位の75%よりも大きくない体積を有する。別の態様においては、個々の埋込んだエラストマーマトリックス10は、生物学部位への入口内でその生物学的部位の95%よりも大きくない体積を有する。
別の態様においては、それらの孔が生物学的流体、体液および/または組織により時間の途中で満たされるようになったとき、血管奇形用途等におけるそのような埋込み可能な装置は、居留する生物学的部位を実質的に満たし;個々の埋込んだエラストマーマトリックス10は、必ずしもではないが多くの場合、生物学部位への入口内でその生物学的部位の約100%よりも大きくない体積を有する。別の態様においては、個々の埋込んだエラストマーマトリックス10は、生物学部位への入口内でその生物学的部位の約98%よりも大きくない体積を有する。別の態様においては、個々の埋込んだエラストマーマトリックス10は、生物学部位への入口内でその生物学的部位の約102%よりも大きくない体積を有する。
別の態様においては、それらの孔が生物学的流体、体液および/または組織により時間の途中で満たされるようになったとき、血管奇形用途等におけるそのような埋込み可能な装置は、居留する生物学的部位を過充填し;個々の埋込んだエラストマーマトリックス10は、必ずしもではないが多くの場合、生物学部位への入口以内でその生物学的部位の約105%よりも大きい体積を有する。別の態様においては、個々の埋込んだエラストマーマトリックス10は、生物学部位への入口以内でその生物学的部位の約125%よりも大きい体積を有する。別の態様においては、個々の埋込んだエラストマーマトリックス10は、生物学部位への入口以内でその生物学的部位の約150%よりも大きい体積を有する。
エラストマーマトリックス10のさらなる別の形態は、末端管閉塞、毛管閉鎖および他の目的において有用な栓子または粒子を含み、この栓子は、概して球形または他の所望形状と約1mm未満、例えば、約10μm〜約500μmの平均サイズとを有する。別の態様においては、栓子は、概して球形または他の所望形状と約1mm未満の狭い分布とを有する平均サイズを有する。そのような栓子は、エラストマーマトリックス10が本明細書において一般的に説明されているように、多孔質の固形物または中空体であり得る。
エラストマーマトリックス10の構成材料として使用するエラストマー類は、単独またはブレンドもしくは溶液中の組合せにおいて、1つの態様においては、適切な機械的性質を有する充分に特性決定された合成エラストマーポリマーであり、これらのポリマーは、患者において、とりわけ哺乳動物において、とりわけヒトにおいて生体内埋込み可能な装置として使用するのに生体耐久性で適切であるとみなされるように化学的、物理的または生物学的特性に関して充分に特性決定されている。別の態様においては、エラストマーマトリックス10の構成材料として使用するエラストマー類は、患者において、とりわけ哺乳動物において、とりわけヒトにおいて生体内埋込み可能な装置として使用するのに生体耐久性で適切であるとみなされるように化学的、物理的または生物学的特性に関して充分に特性決定する。
エラストマーマトリックスの物理的特性
エラストマーマトリックス10は、それの他の特性と調和した任意の適切な嵩密度(比重としても知られている)を有し得る。例えば、1つの態様においては、嵩密度は、ASTM規格D3574に記載されている試験方法に従い測定したとき、約0.005 g/cc〜約0.15 g/cc (約0.31 lb/ft3〜約9.4 lb/ft3)であり得る。別の態様においては、上記嵩密度は、約0.008 g/cc〜約0.127 g/cc (約0.5 lb/ft3〜約8 lb/ft3)であり得る。別の態様においては、上記嵩密度は、約0.015 g/cc〜約0.115 g/cc (約0.93 lb/ft3〜約7.2 lb/ft3)であり得る。別の態様においては、上記嵩密度は、約0.024 g/cc〜約0.104 g/cc (約1.5 lb/ft3〜約6.5 lb/ft3)であり得る。
エラストマーマトリックス10は、それの他の特性と調和した任意の適切な顕微鏡的表面積を有し得る。当業者であれば、例えば、多孔質材料の露出面から、孔頻度、例えば、直線ミリメートル当りの孔数からの顕微鏡的表面積をごく普通に推定し得るであろうし、孔頻度もμmでの平均気泡面直径からごく普通に推定し得るであろう。
他の適切な物理的特性は、当業者にとって明らかであろうし、明らかになるであろう。
1つの態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、生体内で自立性および独立性であるべき充分な構造的一体性を有する。しかしながら、別の態様においては、エラストマーマトリックス10は、リブまたは支柱のような構造的支持体により取付け得る。
網状エラストマーマトリックス10は、その意図する応用中および後処理工程(引裂き、破壊、細片化、断片化または崩壊、脱落による細片または粒子、或いはその構造的一体性の喪失なしで要求され或いは求められる)中の通常の手によるまたは機械的取扱いに耐え得るような充分な引張強度を有する。出発物質(1種以上)の引張強度は、エラストマーマトリックス10の作製または他の加工を干渉するほど高くあるべきでない。
このように、例えば、1つの態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、約6.9 kPa〜約517 kPa [約700 kg/m2〜約52,500 kg/m2 (約1 psi〜約75 psi)]の引張強度を有し得る。別の態様においては、エラストマーマトリックス10は、約6.9 kPa〜約207 kPa [約700 kg/m2〜約21,000 kg/m2 (約1 psi〜約30 psi)]の引張強度を有し得る。
充分な極限引張伸びもまた望ましい。例えば、別の態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、少なくとも約150%の極限引張伸びを有する。別の態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、少なくとも約200%の極限引張伸びを有する。別の態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、少なくとも約500%の極限引張伸びを有する。
1つの態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、50%圧縮歪み(compression strain)において約6.9 kPa〜約138 kPa [約700〜約140,000 kg/m2 (約1 psi〜約200 psi)]の圧縮強度を有する。1つの態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、50%圧縮歪みにおいて約6.9kPa〜約345 kPa [約700 〜約35,000 kg/m2 (約1 psi〜約50 psi)]の圧縮強度を有する。1つの態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、50%圧縮歪みにおいて約6.9 kPa〜約207 kPa [約700〜約21,000 kg/m2 (約1 psi〜約30 psi)]の圧縮強度を有する。1つの態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、75%圧縮歪みにおいて約6.9 kPa〜約2,068 kPa [約7,000〜約210,000 kg/m2 (約10 psi〜約300 psi)]の圧縮強度を有する。1つの態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、75%圧縮歪みにおいて約69 kPa〜約689 kPa [約7,000〜約70,000 kg/m2 (約10 psi〜約100 psi)]の圧縮強度を有する。1つの態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、75%圧縮歪みにおいて約6.9kPa〜276kPa[約7,000〜約28,000 kg/m2 (約10 psi〜約40 psi)]の圧縮強度を有する。
別の態様においては、網状エラストマーマトリックス10は、ASTM規格D3574に記載された試験方法に従い測定したとき、約0.18〜約1.78 kg/直線cm (約1〜約10 lbs/直線インチ)の引裂強度を有する。
表1は、網状エラストマーマトリックス10の各態様に適用し得る機械的性質および他の特性を要約している。さらなる適切な機械的性質は、当業者にとっては、明らかであろうし、或いは明らかとなるであろう。
さらにまた、多孔性を、エラストマーマトリックス10に使用するエラストマーに、重合反応中よりはむしろ重合反応後に付与する場合は、良好な加工性も重合後成形および製造において望まれ得る。例えば、1つの態様においては、エラストマーマトリックス10は、低粘着性を有する。
1つの態様においては、エラストマー類は、患者、例えば、動物またはヒトにおける長時間埋込みに適するように充分に生体耐久性である。生体耐久性エラストマーおよびエラストマーマトリックスは、エラストマーが、動物、例えば、哺乳動物中に少なくとも29日間埋込んだときに、安定性を示し続けることを意味する妥当な生体耐久性の予測性を与えるような化学的、物理的および/または生物学的性質を有する。意図する長期埋込みの期間は、特定の用途に応じて変動させ得る。多くの用途において、実質的に長い埋込み期間が要求され得、そのような用途においては、少なくとも6ヶ月、12ヶ月または24ヶ月或いは5年ほどの長い期間の生体耐久性が望まれ得る。とりわけ利益を有するのは、患者が生存する間生体耐久性であるとみなされ得るエラストマーである。頭蓋動脈瘤を治療するためのエラストマーマトリックス10の1つの態様の可能性ある使用の場合、そのような症状はそれ自体むしろ若いヒト患者、おそらくは30代患者に存在し得るので、50年を越える生体耐久性が有益であり得る。
別の態様においては、埋込み期間は、細胞の内殖および増殖が始まる間、例えば、少なくとも約4〜8週間で少なくとも充分であろう。別の態様においては、エラストマーは、エラストマーが、長時間埋込んだときに、生体耐久性を示し続けることを意味する納得できる生体耐久性の予測性を与えるような化学的、物理的および/または生物学的性質を有することを証明することによって、長時間の埋込みに適切であると充分に充分に特性決定されている。
前述したように、生体耐久性エラストマーおよびエラストマーマトリックスは、生物学的環境において長時間安定である。そのような製品は、生物学的環境および/または身体ストレスに製品使用に相応した期間中曝されたときに、破壊、分解、腐蝕または製品使用に関連する機械的性質の有意な劣化の有意な兆候を示さない。しかしながら、幾分かの量の亀裂、割れ目または強靭性および剛性の損失(ESC、即ち、環境ストレスクラッキングとも称する)は、本明細書において説明する血管内および他の用途には関連しない。多くの生体内用途、例えば、エラストマーマトリックス10を血管異常の治療に使用する場合、あったとしても機械的ストレスに曝されることは殆んどなく、従って、重大な患者結果に至る機械的欠損を生ずることはありそうもない。従って、ESCのないことは、本発明が意図するそのような用途における適切なエラストマーの生体耐久性に対する必要条件ではあり得ない;何故ならば、エラストマー特性は、エンドチエロゼーション(endothielozation)、封入化、並びに細胞の内殖および増殖が進行するにつれて、あまり重要でなくなるからである。
1つの態様においては、上記エラストマーマトリックスは、そのエラストマーが生体内での有害反応をあったとしても僅かにしか誘発しないような良好な生体適合性を伴う良好な生体耐久性を有する。そのためには、本発明において使用する別の態様は、意図する埋込み部位に意図する埋込み時間居留するとき、そのような有害な反応または作用を生体内で誘発させ得る生物学的に望ましくないまたは有害な物質または構造を含まないエラストマーまたは他の材料である。従って、そのようなエラストマーは、細胞毒素、突然変異誘発原、発癌物質および/または催奇形物質を全く含まないか或いは極めて低い生物学的許体積しか含有すべきでない。別の態様においては、エラストマーマトリックス10の製造において使用するエラストマーの生体耐久性における生物学的特性としては、生物学的分解に対する抵抗性、並びに細胞毒性、血液毒性、癌原性、突然変異原性または催奇形原性のないことまたは極めて低いことの少なくとも1つがある。
以下、図2に関しては、示した略ブロック流れ図は、生体耐久性で多孔質の網状化したエラストマーマトリックス10を含む埋込み可能な装置を原料エラストマーまたはエラストマー試薬から幾つかの異なるプロセス経路の1つまたは他の1つにより製造できる広範囲の総覧的な本発明に従う方法を示している。
第1の経路においては、本明細書において説明するような本発明に従う方法によって製造したエラストマーを、その製造中に使用する、例えば、発泡剤(1種以上)を使用することによって複数の気泡を含むようにする。詳細には、例えば、ポリオール成分、イソシアネート、任意成分としての架橋剤、および界面活性剤等のような任意の所望の添加剤を含み得る出発物質40を使用して所望の弾性ポリマーを合成する(有意な発泡化または他の孔生成活性を含むまたは含まないいずれかの重合工程42)。出発物質は、所望の機械的性質を得るようにまた生体耐久性および生体適合性を増強するように選定する。
その後、工程42の弾性ポリマー生成物を、工程48において、化学性および純度、物理的および機械的性質に関して、さらにまた、必要に応じて、生物学的特性に関しても特性決定して(全て前述したようにして)、充分に特性決定されたエラストマー50を得る。
必要に応じて、特性決定データは、分岐型矢印51で示しているように、工程42を制御または改変してプロセスまたは生成物を向上させるのに使用し得る。エラストマー50を溶媒可溶性であるように、例えば、架橋されていないことを確認することによって選定することは、エラストマー50を有効なプロセス制御および生成物特性決定について綿密に分析することを可能にする。
また、第2の経路においては、出発物質40中で使用する弾性ポリマー試薬を有害な副生成物および残留物を回避するように選定し、必要ならば精製する(工程52)。その後、ポリマー合成(工程54)を選定し精製した出発物質において実施して有害な副生成物および残留物の生成を回避する。次に、工程54で製造した弾性ポリマーを、工程48において説明したようにして、特性決定して(工程56)、高品質の良好に明確にされた生成物、即ち、充分に特性決定されたエラストマー50の製造を容易にする。別の態様においては、特性決定結果は、分岐型矢印58で示すように、プロセス制御のためにフィードバックして、高品質の良好に明確にされた生成物、即ち、充分に特性決定されたエラストマー50の製造を容易にする。
本発明は、1つの態様においては、生物医学埋込みの目的で特別に設計されている高分子要素を含む網状生体耐久性エラストマーマトリックスを提供する。該要素は、生体耐久性高分子材料を含み、ポリマーの化学変化、望ましくない副生成物の生成、および望ましくない未反応出発物質を含む残留物を回避する1つ以上の方法によって製造される。ある場合には、ポリウレタンを含み公知の方法で生成させた発泡体は、例えば、望ましくない未反応出発物質および望ましくない副生成物の存在故に、長期の血管内、整形外科および関連用途に適し得ない。
1つの態様においては、充分に特性決定されたエラストマー50は、約120℃よりも低いビカー軟化温度を有する熱可塑性物であり、溶媒または溶融加工を容易にする分子量を有する。別の態様においては、充分に特性決定されたエラストマー50は、約100℃よりも低いビカー軟化温度を有する熱可塑性物であり、溶媒または溶融加工を容易にする分子量を有する。エラストマー50は、この段階で、分割された形状で、例えば、ペレットとして好都合に供給され、後の加工を容易にし得る。
充分に特性決定されたエラストマー50は、孔形成工程(工程62)において多孔質とし、多孔質エラストマー64を得る。1つの態様においては、工程62は、生体耐久性に対し有害な残留物のような望ましくない残留物を残さず、エラストマー50の化学性を変化させない方法を使用する。別の態様においては、多孔質生体耐久性エラストマー64は、溶媒、例えば、ヘキサンまたはイソプロパノールのような稀発性有機物で洗浄して、風乾させ得る。作製工程62は、例えば、多孔質生体耐久性エラストマー64のストリップ、ロール、またはブロック等の形のバルクストックを提供するための多少複雑な成形工程または特徴を含み得る。
多孔質生体耐久性エラストマー64を使用して、エラストマーマトリックス10を、例えば、必要に応じて、所望の形状とサイズに切断することによって製造し得る。
別の態様においては、エラストマーマトリックス10の作製において使用するエラストマーの生体耐久性のための、固相12のエラストマーの製造において使用するプロセスに関連してのプロセス関連特性としては、以下の1つ以上がある:プロセス再現性;生成物一貫性のためのプロセス制御;および、有害な不純物、反応物、副生成物、オリゴマー類等の回避または実質的な除去。
以下で説明する本発明の孔形成、網状化および他の重合後加工は、ある態様においては、注意深く設計し、制御してポリマーの化学性の変化を回避する。このためには、ある態様においては、本発明の方法は、望ましくない残留物の導入或いは出発物質(1種以上)の望ましい生体耐久特性への悪影響を回避する。別の態様においては、出発物質(1種以上)をさらに処理および/または特性決定して、生体耐久性に関連する特性を増強し、付与しまたは立証し得る。別の態様においては、エラストマーの必須の性質を適切なものとして特性決定し得、プロセス特性を、本明細書の教示に従い、適合化または制御して生体耐久性を増強し得る。
さらなる態様においては、本発明は、多孔質生体耐久性エラストマー、および本明細書において説明するような生体耐久性網状エラストマーマトリックスを製造するのに使用し得るその重合、架橋および発泡化方法を提供する。別の態様においては、網状化は後になる。
さらに詳細には、別の態様においては、本発明は、生体耐久性弾性ポリウレタンマトリックスの製造方法を提供し、この方法は、上記マトリックスを、ポリカーボネートポリオール成分とイソシアネート成分から重合により合成し、架橋し、発泡化、それによって孔を形成し、その後、発泡体を網状化して網状生成物を調製することを含む。該生成物は、例えば、上記ポリカーボネートポリオール成分のヒドロキシル基と上記イソシアネート成分のイソシアネート基とから形成されたウレタン基を含むポリマーであるポリカーボネートポリウレタンと表記する。この態様においては、上記方法は、良好な生体耐久特性を有する網状エラストマー生成物が得られる制御された化学法を使用する。本発明によれば、上記重合を、重合中の生物学的に望ましくないまたは毒性の成分を回避する化学法を使用して、発泡生成物を得るように実施する。
1つの態様においては、1つの出発物質として、上記方法は、少なくとも1種のポリオール成分を使用する。本出願の目的において、用語“ポリオール成分”は、平均で、分子当り約2個のヒドロキシル基を含む分子、即ち、二官能性ポリオールまたはジオール、並びに、平均で、分子当り約2個よりも多いヒドロキシル基を含む分子、即ち、ポリオールまたは多官能性ポリオールを包含する。例としてのポリオール類は、平均で、分子当り約2〜約5個のヒドロキシル基を含み得る。1つの態様においては、1つの出発物質として、上記方法は、二官能性ポリオール成分を使用する。この態様においては、上記ジオールのヒドロキシル基官能性は約2であるので、軟質セグメント架橋を有するいわゆる“軟質セグメント”を与えない。別の態様においては、ポリオール成分の1つの出発物質として、上記方法は、充分量の多官能性ポリオール成分を使用してある程度制御された軟質セグメント架橋を与える。別の態様においては、上記方法は、充分な軟質セグメント架橋を与えて安定な発泡体を得る。別の態様においては、軟質セグメントは、比較的低分子量、典型的には約1,000〜約6,000ダルトンを一般に有するポリオール成分からなる。即ち、これらのポリオール類は、一般に、液体または低融点固形物である。この軟質セグメントポリオールは、第1級または第2級いずれかのヒドロキシル基により終結している。別の態様においては、軟質セグメントポリオール成分は、分子当り約2個のヒドロキシル基を有する。別の態様においては、軟質セグメントポリオール成分は、分子当り約2個よりも多いヒドロキシル基を有する;ポリオール分子当り約2個よりも多いヒドロキシル基は、軟質セグメント架橋を与える幾つかのポリオール分子において必要である。
1つの態様においては、ポリオール成分は、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、炭化水素ポリオール、ポリシロキサンポリオール、ポリ(エーテル-コ-エステル)ポリオール、ポリ(エーテル-コ-カーボネート)ポリオール、ポリ(エーテル-コ-炭化水素)ポリオール、ポリ(エーテル-コ-シロキサン)ポリオール、ポリ(エステル-コ-カーボネート)ポリオール、ポリ(エステル-コ-炭化水素)ポリオール、ポリ(エステル-コ-シロキサン)ポリオール、ポリ(カーボネート-コ-炭化水素)ポリオール、ポリ(カーボネート-コ-シロキサン)ポリオール、ポリ(炭化水素-コ-シロキサン)ポリオール、またはこれらの混合物である。
ポリエーテルタイプのポリオールは、例えば、グリコールまたは多価アルコール(後者は、2よりも多いヒドロキシル官能性を生じて軟質セグメント架橋を可能にする)と重合させたエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドのようなアルキレンオキサイドのオリゴマーである。ポリエステルタイプポリオールは、例えば、エチレングリコールアジペート、プロピレングリコールアジペート、ブチレングリコールアジペート、ジエチレングリコールアジペート、フタレート類、ポリカプロラクトンおよびヒマシ油のような、カルボン酸とグリコールまたはトリオールとの反応生成物のオリゴマー類であり、反応物としては2よりも大きいヒドロキシル官能性を有するもの、例えば、多価アルコール類であり、軟質セグメント架橋が可能である。
ポリカーボネートポリオールを調製するのに使用する反応物が2よりも大きいヒドロキシル官能性を有する反応物、例えば、多価アルコールを含む場合、軟質セグメント架橋が可能である。2個よりも多い分子当りの平均ヒドロキシル基数を有するポリカーボネートポリオール、例えば、ポリカーボネートトリオールは、例えば、ヘキサントリオールをポリカーボネートポリオール成分の調製において使用することによって調製し得る。液状ポリカーボネートトリオール成分を調製するには、他のヒドロキシル含有物質、例えば、シクロヘキシルトリメタノールおよび/またはブタントリオールとの混合物を、上記ヘキサントリオールを一緒に含むカーボネートと反応させ得る。
市販の炭化水素タイプポリオール類は、ジエン類のビニルモノマー類によるフリーラジカル重合に典型的に由来し、従って、これらのポリオールは、典型的に、二官能性ヒドロキシル末端物質である。
ポリシロキサンポリオールは、例えば、ヒドロキシル末端基を含む、ジメチルシロキサン、ジフェニルシロキサンまたはメチルフェニルシロキサンのようなアルキルおよび/またはアリール置換シロキサン類のオリゴマーである。2個よりも多い分子当りの平均ヒドロキシル基数を有するポリシロキサンポリオール、例えば、ポリシロキサントリオールは、例えば、メチルヒドロキシメチルシロキサンをポリシロキサンポリオール成分の調製において使用することによって調製し得る。
さらに、別の態様においては、コポリマーまたはコポリオールも、当業者にとって公知の方法によって上述の任意のポリオールから調製し得る。即ち、以下の2成分ポリオールコポリマーを使用し得る:ポリ(エーテル-コ-エステル)ポリオール、ポリ(エーテル-コ-カーボネート)ポリオール、ポリ(エーテル-コ-炭化水素)ポリオール、ポリ(エーテル-コ-シロキサン)ポリオール、ポリ(エステル-コ-カーボネート)ポリオール、ポリ(エステル-コ-炭化水素)ポリオール、ポリ(エステル-コ-シロキサン)ポリオール、ポリ(カーボネート-コ-炭化水素)ポリオール、ポリ(カーボネート-コ-シロキサン)ポリオールおよびポリ(炭化水素-コ-シロキサン)ポリオール。例えば、ポリ(エーテル-コ-エステル)ポリオールは、エチレングリコールアジペートを含むポリエステル単位を共重合させた、エチレンオキサイドから形成させたポリエーテル単位から調製し得る。別の態様においては、上記コポリマーは、ポリ(エーテル-コ-カーボネート)ポリオール、ポリ(エーテル-コ-炭化水素)ポリオール、ポリ(エーテル-コ-シロキサン)ポリオール、ポリ(カーボネート-コ-炭化水素)ポリオール、ポリ(カーボネート-コ-シロキサン)ポリオール、ポリ(炭化水素-コ-シロキサン)ポリオールまたはこれらの混合物である。別の態様においては、上記コポリマーは、ポリ(カーボネート-コ-炭化水素)ポリオール、ポリ(カーボネート-コ-シロキサン)ポリオール、ポリ(炭化水素-コ-シロキサン)ポリオールまたはこれらの混合物である。別の態様においては、上記コポリマーは、ポリ(カーボネート-コ-炭化水素)ポリオールである。例えば、ポリ(カーボネート-コ-炭化水素)ポリオールは、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブタンジオールおよび炭化水素タイプポリオールをカーボネートと重合させることによって調製し得る。
さらにまた、別の態様においては、ポリオール類とコポリオール類との混合物および/またはブレンドも、本発明のエラストマーマトリックスにおいて使用し得る。別の態様においては、ポリオールの分子量は変化する。別の態様においては、ポリオールの官能性は変化する。
約2,000〜約6,000ダルトンの分子量を有する市販のポリカーボネートジオール類は、Stahl社(オランダ)およびBayer社(ドイツ国、レベルクーゼン)から入手し得る。市販の炭化水素ポリオール類は、Sartomer社(ペンシルベニア州エクストン)から入手し得る。BASF社(ミシガン州ワイアンドット)からのPLURACOL(登録商標)、例えば、官能性3を有するPLURACOL(登録商標) GP430およびLUPRANOL(登録商標)系列;Dow Chemical社(ミシガン州ミッドランド)からのVORANOL(登録商標);Bayer社およびHuntsman社(ミシガン州マディソンハイツ)からのBAYCOLL(登録商標)B、DESMOPHEN(登録商標)およびMULTRANOL(登録商標)のような市販のポリエーテルポリオール類は、容易に入手可能である。BASF社からのLUPRANOL(登録商標);Dow社からのTONE(登録商標)ポリカプロラクトンおよびVORAPHEN;Bayer社およびHuntsman社からのBAYCOLL AおよびDESMOPHEN(登録商標)群のような市販のポリエステルポリオールの容易に入手可能である。市販のポリシロキサンポリオール類は、Dow社からのように容易に入手可能である。
1つの態様においては、イソシアネート成分中の分子当りのイソシアネート基の平均数は、約2である。別の態様においては、イソシアネート成分中の分子当りのイソシアネート基の平均数は、約2よりも多い。別の態様においては、イソシアネート成分中の分子当りのイソシアネート基の平均数は、2よりも多い。別の態様においては、イソシアネート成分中の分子当りのイソシアネート基の平均数は、2.05よりも多い。別の態様においては、イソシアネート成分中の分子当りのイソシアネート基の平均数は、約2.05よりも多い。別の態様においては、イソシアネート成分中の分子当りのイソシアネート基の平均数は、2.1よりも多い。別の態様においては、イソシアネート成分中の分子当りのイソシアネート基の分子当りの平均数は、約2.1よりも多い。別の態様においては、イソシアネート成分中の分子当りのイソシアネート基の平均数は、2.2よりも多い。別の態様においては、イソシアネート成分中の分子当りのイソシアネート基の平均数は、約2.2よりも多い。
ジイソシアネート類の例としては、脂肪族ジイソシアネート類、芳香族基を含むイソシアネートであるいわゆる“芳香族ジイソシアネート”類、およびこれらの混合物がある。脂肪族ジイソシアネート類としては、テトラメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレン-ビス-(p-シクロヘキシルイソシアネート) (“H12MDI”)、およびこれらの混合物が挙げられる。芳香族ジイソシアネートとしては、p-フェニレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(“4,4'-MDI”)、2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(“2,4'-MDI”)、2,4-トルエンジイソシアネート(“2,4-TDI”)、2,6-トルエンジイソシアネート(“2,6-TDI”)、m-テトラメチルキシレンジイソシアネート、およびこれらの混合物がある。
分子当り平均で約2よりも多いイソシアネート基を含むイソシアネート成分の例としては、Bayer社からDESMODUR(登録商標) N100として商業的に入手可能な約3個のイソシアネート基を含むヘキサメチレンジイソシアネートと水とのアダクト、およびBayer社からMONDUR(登録商標) N3390として商業的に入手可能な約3個のイソシアネート基を含むヘキサメチレンジイソシアネートのトリマーがある。
適切なジイソシアネートとしては、ISONATE(登録商標) 125M、Dow社からのPAPI(登録商標)群のある種のメンバーおよびBayer社からのMONDUR MのようなMDI;各々Huntsman社からのRUBINATE(登録商標) 9433およびRUBINATE(登録商標) 9258、およびDow社からのISONATE 50 OPのような2,4'-MDIと4,4'-MDIとの混合物を含有するイソシアネート類;例えば、Lyondell社(テキサス州ヒューストン)からのTDI;Degussa社(ドイツ)からのVESTAMAT(登録商標)のようなイソホロンジイソシアネート;Bayer社からのDESMODUR WのようなH12MDI;およびBASF社からの各種ジイソシアネート類がある。
平均で分子当り約2個よりも多いイソシアネート基を含む適切なイソシアネート成分としては、各々Dow社から入手し得る以下の偏性ジフェニルメタンジイソシアネートタイプがある:約3のイソシアネート基官能性を有するISOBIND(登録商標) 1088;約2.1のイソシアネート基官能性を有するISONATE 143L;約2.7のイソシアネート基官能性を有するPAPI 27;約2.3のイソシアネート基官能性を有するPAPI 94;約3のイソシアネート基官能性を有するPAPI 580N;および約3.2のイソシアネート基官能性を有するPAPI 20。平均で分子当り約2個よりも多いイソシアネート基を含む他のイソシアネート成分としては、各々Huntsman社から入手し得る以下のものがある:約2.01のイソシアネート基官能性を有するRUBINATE(登録商標) 9433;および約2.33のイソシアネート基官能性を有するRUBINATE 9258。
商業的に入手可能な連鎖延長剤としては、Huntsman社から入手し得るJEFFAMINE(登録商標)群のジアミン類、トリアミン類およびポリエーテルアミン類;Creanova社からのVERSAMIN(登録商標)イソホロンジアミン;Air Products社(ペンシルベニア州アレンタウン)から入手し得るVERSALINK(登録商標)群のジアミン類;Dow社から入手し得るエタノールアミン、ジエチルエタノールアミンおよびイソプロパノールアミン;およびBayer社、BASF社およびUOP社(イリノイ州デスプレーンズ)からの各種連鎖延長剤がある。
必要に応じて、本発明方法は、ある態様においては、発泡用触媒、例えば、第3級アミン;ゲル化用触媒、例えば、ジブチル錫ジラウレートおよびこれらの混合物から選択した少なくとも1種の触媒を使用する。さらにまた、第3級アミン触媒がゲル化作用も有して、即ち、発泡およびゲル化用触媒として作用し得ることは、当該技術において知られている。第3級アミン触媒の例としては、Toyo Soda社(日本)からのTOTYCAT(登録商標)系列;Texaco Chemical社(テキサス州オースティン)からのTEXACAT(登録商標)系列;Th. Goldschmidt社(ドイツ)からのKOSMOS(登録商標)およびTEGO(登録商標)系列;Rohm and Haas社(ペンシルベニア州フィラデルフィア)からのDMP(登録商標)系列;Kao社(日本)からのKAO LIZER(登録商標)系列;およびEnterprise Chemical社(フロリダ州アルタモントスプリングス)からのQUINCAT(登録商標)系列がある。有機錫触媒の例としては、Witco Corporation社(コネチカット州ミドルベリ)からのFOMREZ(登録商標)およびFOMREZ UL(登録商標)系列;Cosan Chemical社(ニュージャージー州カールスタット)からのCOCURE(登録商標)およびCOSCAT(登録商標)系列;およびAir Products社からのDABCO(登録商標)およびPOLYCAT(登録商標)系列がある。
ある態様においては、本発明方法は、少なくとも1種の界面活性剤を使用する。界面活性剤の例には、Dow Corning社(ミシガン州ミッドランド)からのDC 5241、およびDow Corning社、Air Products社およびGeneral Electric社(ニューヨーク州ウォーターフォード)から入手し得るポリジメチルシロキサンタイプのような他の非イオンオルガノシリコーン類がある。
また、いわゆる“ワンショット”法も使用し得る。ワンショット態様は、別途のプレポリマー製造工程を必要としない。1つの態様においては、前記パラグラフにおいて説明したもののような出発物質を混合容器内で混合し、次いで、発泡させ、架橋させる。別の態様においては、諸成分を混合する前に加熱する。別の態様においては、諸成分は、混合するときに加熱する。別の態様においては、架橋はモールド内で行なわれる。別の態様においては、架橋と発泡は一緒に行なわれる。別の態様においては、架橋と発泡はモールド内で一緒に行なわれる。別の態様においては、イソシアネート成分を除いた成分全てを混合容器内で混合する。イソシアネート成分は、例えば高速攪拌しながら、加えると、その結果、架橋と発泡が続いておこる。別の態様においては、この発泡性混合物をモールド内に注入し、膨張させる。
別の態様においては、ポリオール成分をイソシアネート成分および他の任意成分としての添加剤、例えば、粘度調整剤、界面活性剤および/または気泡開放剤と混合して第1の液体を調製する。別の態様においては、ポリオール成分は、混合温度において或いは混合温度範囲に亘って液体である。別の態様においては、ポリオール成分は固体であり、従って、ポリオール成分は、混合前に、例えば、加熱により液化する。別の態様においては、ポリオール成分は固体であり、従って、混合温度または混合温度範囲を上昇させて、ポリオール成分を混合前に液化する。次に、第2の液体を、発泡剤と任意成分としての添加剤、例えば、ゲル化用触媒および/または発泡用触媒を混合することによって調製する。その後、第1液体と第2液体を混合容器内で混合し、発泡させ、架橋させる。
別の態様においては、上記発泡体は、イソシアヌレート結合を実質的に含まず、それによってBradyの550号により開示されたイソシアヌレート結合を有するポリエーテルまたはポリカーボネートポリウレタンを除外する。別の態様においては、上記発泡体は、イソシアヌレート結合を有しない。別の態様においては、上記発泡体は、ビューレット結合を実質的に含まない。別の態様においては、上記発泡体は、ビューレット結合を有しない。別の態様においては、上記発泡体は、アロファネート結合を実質的に含まない。別の態様においては、上記発泡体は、アロファネート結合を有しない。別の態様においては、上記発泡体は、イソシアヌレートおよびビューレット結合を実質的に含まない。別の態様においては、上記発泡体は、イソシアヌレートおよびビューレット結合を有しない。別の態様においては、上記発泡体は、イソシアヌレートおよびアロファネート結合を実質的に含まない。別の態様においては、上記発泡体は、イソシアヌレートおよびアロファネート結合を含まない。 別の態様においては、上記発泡体は、アロファネートおよびビューレット結合を実質的に含まない。別の態様においては、上記発泡体は、アロファネートおよびビューレット結合を有しない。別の態様においては、上記発泡体は、アロファネート、ビューレットおよびイソシアヌレート結合を実質的に含まない。別の態様においては、上記発泡体は、アロファネート、ビューレットおよびイソシアヌレート結合を有しない。何ら特定の理論によって拘束するものではないが、アロファネート、ビューレットおよび/またはイソシアヌレート結合が存在しないことにより、硬質セグメントの低めの架橋のために、増進された度合の可撓性がエラストマーマトリックスにもたらされたものと考えられる。
1つの態様においては、種々の密度、例えば、約0.005〜約0.15g/cc (約0.31〜約9.4 lb/ft3)のエラストマーマトリックスを製造する。密度は、例えば、発泡剤の量、イソシアネート指数、配合物中のイソシアネート成分含有量、反応熱、および/または発泡環境の圧力によって調整する。
発泡剤の例には、水および物理的発泡剤、例えば、炭化水素、エタノールおよびアセトンのような揮発性有機化学物、並びに各種フルオロカーボン類およびそのより環境適応性の代替物、例えば、ヒドロフルオロカーボン、クロロフルオロカーボンおよびヒドロクロロフルオロカーボンがある。水とイソシアネート基の反応は二酸化炭素を発生させ、これが発泡剤として作用する。さらにまた、水とフルオロカーボンとのような発泡剤の組合せも、ある態様においては使用し得る。別の態様においては、水を発泡剤として使用する。市販のフルオロカーボン発泡剤は、Huntsman, E.I. DuPont de Nemours and Co.社(デラウェア州ウィルミントン)、Allied Chemical社(ミネソタ州ミネアポリス)およびHoneywell社(ニュージャージー州モリスタウン)から入手し得る。
試験により測定したとき、本発明の目的における適切な特性、例えば、許容し得るヒト体温での圧縮永久歪み、空気流、引張強度および圧縮特性を有するマトリックスは、その後、網状化することができる。
別の態様においては、ゲル化用触媒、例えば、錫触媒を省き、必要に応じて、他の触媒、例えば、第3級アミンで置換える。1つの態様においては、第3級アミン触媒は、1種以上の非芳香族アミンを含む。別の態様においては、反応を、使用する場合の第3級アミン触媒をポリマー中に全体的反応させ、その残留を回避するようにして実施する。別の態様においては、ゲル化用触媒を省き、代りに、より高温の発泡化温度を使用する。
別の態様においては、生体耐久性および生体適合性を向上させるために、重合過程における各成分を選定して、最終生成物エラストマーマトリックス中の生物学的に有害な物質または生物学的侵食に感受性の物質の存在を回避するかまたは最小限にする。
本発明による別の製造態様は、発泡剤としての水を水溶性の球体、充填剤または粒子で部分的にまたは完全に置換えることを含み、これらは、マトリックスの充分な架橋後、例えば、洗浄、抽出または溶融によって除去する。
エラストマーマトリックス10は、その利用性を高める種々の後加工処理のいずれかに供し得る(これらの処理の幾つかを本明細書において説明するが、他は当業者にとって自明であろう)。1つの態様においては、本発明の多孔質生成物の網状化は、上記で説明した製造方法の既に1部分でないこともないが、存在し得る内部“窓”、即ち、図1に示した残留気泡壁22の少なくとも1部分を除去するのに使用し得る。網状化は、多孔性と液体透過性を増強する性向を有する。
ある量の破壊された気泡壁を有する多孔質または発泡材料は、一般に、“連続気泡”材料または発泡体として知られている。対照的に、多数、即ち、少なくとも50%の気泡壁を除去した多孔質材料は、“網状化”または“少なくとも部分的に網状化”されたものとして知られている。より多く、即ち、少なくとも約65%の気泡壁を除去した多孔質材料は、“さらに網状化”されたものとして知られている。殆ど、即ち、少なくとも約80%、または実質的に全て、即ち、少なくとも約90%の気泡壁を除去した場合、残存する多孔質材料は、それぞれ、“実質的に網状化”または“完全に網状化”されたものとして知られている。この技術的用法によれば、網状材料または発泡体は、少なくとも部分的に連続相互連結した気泡ネットワークを含み、それによってBradyの550号により開示された非網状化ポリエーテルまたはポリカーボネートポリウレタンが除外されること理解されたい。
“網状化”は、圧潰(crushing)法により気泡壁を単に破壊することではない、上記のような気泡壁の除去方法を一般に称する。さらにまた、望ましくない圧潰は、さらなる処理によって除去しなければならない細片を発生させる。網状化は、例えば、“化学網状化”または“溶媒網状化”として種々知られている気泡壁の溶解除去により;或いは、“焼却網状化”、“熱的網状化”または“衝撃網状化”として種々知られている気泡壁の焼却または破裂除去により実施し得る。1つの態様においては、そのような手順は、本発明方法において、エラストマーマトリックス10を網状化するのに使用し得る。別の態様においては、網状化は、複数の網状化工程により実施する。別の態様においては、2回の網状化工程を使用する。別の態様においては、最初の焼却網状化の後、2回目の焼却網状化を行う。別の態様においては、焼却網状化の後、化学網状化を行う。別の態様においては、化学網状化の後、焼却網状化を行う。別の態様においては、最初の化学網状化の後、2回目の科学網状化を行う。
1つの態様は、無機酸を含む酸浴でエラストマーマトリックスを網状化する、化学網状化を使用する。別の態様は、無機塩基を含む苛性浴でエラストマーマトリックスを網状化する、化学網状化を使用する。別の態様は、昇温での化学網状化を使用する。別の化学網状化態様は、残留物を残さない揮発性溶媒をその方法において使用する、溶媒網状化としても知られている溶媒を使用する。別の態様においては、ポリカーボネートポリウレタンを、テトラヒドロフラン(“THF”)、ジメチルアセトアミド(“DMAC”)、ジメチルスルホキシド(“DMSO”)、ジメチルホルムアミド(“DMF”)、N-メチル-2-ピロリドン(m-ピロールとしても知られている)およびこれらの混合物から選択した溶媒によって溶媒網状化する。別の態様においては、ポリカーボネートポリウレタンをTHFで溶媒網状化する。別の態様においては、ポリカーボネートポリウレタンをN-メチル-2-ピロリドンで溶媒網状化する。別の態様においては、ポリカーボネートポリウレタンを強塩基で化学網状化する。別の態様においては、強塩基のpHは、少なくとも約9である。
これらの化学網状化態様のいずれにおいても、網状発泡体は、必要に応じて洗浄し得る。これらの化学網状化態様のいずれにおいても、網状発泡体は、必要に応じて乾燥させ得る。
1つの態様においては、網状化工程は、マトリックス内部中への細胞の内殖および増殖に有利に作用するエラストマーマトリックス形状を付与するように実施する。別の態様においては、網状化工程は、本明細書において説明しているように、埋込み用に形作りしたエラストマーマトリックス全体に亘る細胞の内殖および増殖に有利に作用するエラストマーマトリックス形状を付与するように実施する。
用語“形状”およびその派生用語は、当該用語を当てはめるそれぞれの構造の配置、形状および寸法を示すのに使用する。即ち、1つの目的において“形状化”されているときの構造についての言及は、関連する構造の全体的空間形状、または説明された目的を果たすように選定若しくは設計されたときの構造の1部分を参照するものとする。
一般に、1つの態様においては充分満足に特性決定された本発明の実施において使用する適切なエラストマー材料は、本明細書において説明する所望の機械的性質を有する或いは有するように配合され且つ適切な生体耐久性についての納得し得る予測性を提供するような生体適合性に対する好ましい化学性を有するエラストマーを含む。
とりわけ興味があるのは、例えば、その化学性良好な生体耐久特性を伴っているポリウレタンのような熱可塑性エラストマーである。1つの態様においては、そのような熱可塑性ポリウレタンエラストマーとしては、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリシロキサンポリウレタン、炭化水素ポリウレタン(即ち、平均で分子当り約2個のイソシアネート基を含む少なくとも1種のイソシアネート成分と少なくとも1種のヒドロキシ末端炭化水素オリゴマーおよび/または炭化水素ポリマーとから形成された熱可塑性エラストマーポリウレタン)、いわゆる“混合”軟質セグメントを有するポリウレタンおよびこれらの混合物がある。混合軟質セグメントポリウレタンは、当業者にとって公知であり、例えば、ポリカーボネート-ポリエステルポリウレタン、ポリカーボネート-ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネート-ポリシロキサンポリウレタン、ポリカーボネート-炭化水素ポリウレタン、ポリカーボネート-ポリシロキサン-炭化水素ポリウレタン、ポリエステル-ポリエーテルポリウレタン、ポリエステル-ポリシロキサン-ポリウレタン、ポリエステル-炭化水素ポリウレタン、ポリエーテル-ポリシロキサンポリウレタン、ポリエーテル-炭化水素ポリウレタン、ポリエーテル-ポリシロキサン-炭化水素ポリウレタンおよびポリシロキサン-炭化水素ポリウレタンがある。別の態様においては、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーとしては、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリシロキサンポリウレタン、炭化水素ポリウレタン、これらの混合軟質セグメントを有するポリウレタン、またはこれらの混合物がある。別の態様においては、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーとしては、ポリカーボネートポリウレタン、ポリシロキサンポリウレタン、炭化水素ポリウレタン、これらの混合軟質セグメントを有するポリウレタン、またはこれらの混合物がある。別の態様においては、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ポリカーボネートポリウレタンまたはその混合物である。別の態様においては、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ポリシロキサンポリウレタンまたはその混合物がある。別の態様においては、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、ポリシロキサンポリウレタンまたはその混合物である。別の態様においては、上記熱可塑性ポリウレタンエラストマーは、イソシアネート成分中の少なくとも1種のジイソシアネート、少なくとも1種の連鎖延長剤、および少なくとも1種のジオールを含み、上記で詳細に説明したジイソシアネート類、二官能性連鎖延長剤類およびジオール類の任意の組合せから形成させ得る。
1つの態様において本明細書において説明するようにして適切に特性決定された本発明を実施するための幾つかの適切な熱可塑性物としては、Pinchuk等によって米国特許第5,741,331号(およびその分割米国特許第6,102,939号および第6,197,240号)に開示されているような、交互の第2級および第4級炭素を含むポリオレフィン系ポリマー;Pinchuk等によって米国特許出願公報第2002/0107330 A1号に開示されているような、エラストマーブロック、例えば、ポリオレフィンと熱可塑性ブロック、例えば、スチレンを有するブロックコポリマー;Penhasiによって米国特許出願公報第2003/0208259 A1号(〔0035〕参照)に開示されているような、熱可塑性セグメント化ポリエーテルエステル、熱可塑性ポリジメチルシロキサン、ジ-ブロックポリスチレンポリブタジエン、トリ-ブロックポリスチレンポリブタジエン、ポリ(アクリレンエーテルスルホン)-ポリ(アクリルカーボネート)ブロックコポリマー、ポリブタジエンとポリイソプレンのジ-ブロックコポリマー、エチレン酢酸ビニルのコポリマー(EVA)、セグメント化ブロックコ-ポリスチレンポリエチレンオキサイド、ジ-ブロックコ-ポリスチレンポリエチレンオキサイド、およびトリ-ブロックコ-ポリスチレンポリエチレンオキサイド;Meijs等によって米国特許第6,313,254号に開示されているような、ポリエーテルおよび/またはポリカーボネート成分と一緒にポリシロキサンを含む混合軟質セグメントを有するポリウレタン類;および、DiDomenico等によって米国特許第6,149,678号、第6,111,052号および第5,986,034号に開示されているような、ポリウレタン類がある。しかしながら、Bradyの550号を注意深く読むと、それに開示されているイソシアヌレート結合を有するポリエーテルまたはポリカーボネートポリウレタン類は、なかんずく、これらのポリウレタン類が熱可塑性ではないので、適切ではないことが示唆されている。また、本発明の実施において使用するのに適するのは、本明細書において説明するような本発明に従う方法で合成した新規または既知のエラストマー類である。別の態様においては、任意成分としての治療剤を、本発明の実施において使用する他のエラストマーの適切なブロック中に充填し得る。
以下の犠牲的成形方法は、上記で説明した熱可塑性エラストマーのいずれかを流動性高分子材料としてまたはその成分として使用して、実施し得る。1つの態様においては、犠牲的成形方法における流動性高分子材料は、ポリカーボネートポリウレタンを含む。
以下、図3に例示する網状生体耐久性エラストマーマトリックス製造のための犠牲的成形方法に関しては、該方法は、外部連結性の相互連結性内部通路で貫かれた犠牲モールド即ち基体を作製する初期工程70を含み、上記内部通路は、所望の網状ミクロ構造形状を有するエラストマーマトリックスを構成しまたは成形するように形状化され、設定され、寸法合せされている。
上記基体即ち犠牲モールドは、ネットワークの形で各粒子の複数の点で互いに凝集または相互連結した複数の固形または中空ビーズまたは粒子を含む。別の態様においては、上記モールドは、各粒子が、内部粒子(即ち、モールドの内部にある粒子で表面にある粒子ではない)において、その近隣粒子と複数の点、例えば、4〜8ヶ所の点で接触するように一緒に圧縮した複数のワックス粒子を含有する。別の態様においては、上記粒子は対称形であるが、これらの粒子は、任意の適切な形状、例えば、等方的に対称の形状、例えば、12面体形、20面体形または球形を有し得る。1つの態様においては、圧縮前、上記粒子は、各々が約0.5mm〜約6mmの直径を有する球体である。別の態様においては、上記モールドは、水溶性を有する物質、例えば、塩化ナトリウムまたは塩化カルシウムのような無機塩、或いはトウモロコシ、ポテト、コムギ、タピオカ、マニオカまたはコメ澱粉のような澱粉を含む複数の粒子を含み得る。
1つの態様においては、上記粒子は、間隙内に含ませたポリマーの軟化温度よりも少なくとも5℃低い融点を有する物質を含む。別の態様においては、上記粒子は、間隙内に含ませたポリマーの軟化温度よりも少なくとも10℃低い融点を有する物質を含む。別の態様においては、上記粒子は、間隙内に含ませたポリマーの軟化温度よりも少なくとも20℃低い融点を有する物質を含む。別の態様においては、上記粒子は、間隙内に含ませたポリマーのビーカー軟化温度よりも少なくとも5℃低い融点を有する物質を含む。別の態様においては、上記粒子は、間隙内に含ませたポリマーのビカー軟化温度よりも少なくとも10℃低い融点を有する物質を含む。別の態様においては、上記粒子は、間隙内に含ませたポリマーのビカー軟化温度よりも少なくとも20℃低い融点を有する物質を含む。例えば、上記モールドの粒子は、炭化水素ワックスであり得る。別の態様においては、除去した粒子物質は、溶融後回収して、再使用のための粒子として再形成させ得る。
1つの態様においては、基体は、2つの相、即ち、基体材料相および空間相を含む。基体材料相は、1つの粒子から次の粒子へと連続的に相互連結し、これもまた互いに連続的に相互連結し且つ高分子材料で満たされる間質腔の三次元的に広がっているネットワークが組み込まれている基体粒子の三次元的に広がっているネットワークを含み、多孔質エラストマーマトリックスを構成する単構造マトリックスを提供する。
基体は、最終製品網状エラストマーマトリックス内の孔を構成する空間を決定する。
次の工程(工程72)においては、当該方法は、モールドを装填すること、即ち、基体を流動性高分子材料で含浸させることを含む。流動性高分子材料は、ポリマー溶液、エマルジョン、微細エマルジョン、懸濁液、分散液、液状ポリマー、またはポリマー溶融物であり得る。例えば、流動性高分子材料は、揮発性有機溶媒、例えば、THF中のポリマー溶液を含み得る。
1つの態様においては、上記高分子材料は熱可塑性エラストマーを含み得、上記流動性高分子材料は該熱可塑性エラストマー溶液を含み得る。別の態様においては、上記高分子材料は、本明細書において説明するような、生体耐久性熱可塑性エラストマーを含み得、上記流動性高分子材料は該生体耐久性熱可塑性エラストマー溶液を含み得る。別の態様においては、上記高分子材料は溶媒可溶性生体耐久性熱可塑性エラストマーを含み得、上記流動性高分子材料は該溶媒可溶性生体耐久性熱可塑性エラストマー溶液を含み得る。その後、溶媒を除去し或いは蒸発させて高分子材料を凝固させ得る。適切なエラストマーとしては、BIONATE(登録商標)系列のポリウレタンエラストマーがある。他は、本明細書において説明しており、また、当業者にとっては既知または自明であろう。
1つの態様においては、溶媒は、生体適合性であり、充分に揮発して容易に除去される。1つの適切な溶媒は、勿論ポリマーの溶解性にもよるが、THFである。他の適切な溶媒としては、DMAC、DMF、DMSOおよびN-メチル-2-ピロリドンがある。さらに、溶媒混合物、例えば、THF、DMAC、DMF、DMSOおよびN-メチル-2-ピロリドンの少なくとも2つの混合物も使用し得る。さらなる適切な溶媒は、当業者にとっては既知であろう。
例えば、基体を溶融し、溶解し、昇華しまたは酵素により除去することにより基体を除去することによって(工程76)、網状エラストマーマトリックス78が得られる。1つの態様においては、上記マトリックスは、各々除去粒子の1つのよって形成された相互連結気泡を含む。気泡の大部分または多くは、良好な流体透過性を有するマトリックス78を提供する開放壁型である。別の態様においては、マトリックス78を網状化して、網状マトリックスを得る。別の態様においては、血管内用途において、上記マトリックスを、残留気泡壁があったとしても僅かであるように充分に網状化する。
上述の犠牲的成形方法の多くの態様においては、別途の網状化加工工程の必要なしで製造されるエラストマーマトリックス10の構造は、1つの態様においては、“網状”または“少なくとも部分的な網状”構造であり、即ち、少なくとも約50%の気泡壁は存在しない。別の態様においては、別途の網状化加工工程の必要なしで製造されるエラストマーマトリックス10の構造は、“さらなる網状”構造であり、即ち、少なくとも約65%の気泡壁は存在しない。別の態様においては、別途の網状化加工工程の必要なしで製造されるエラストマーマトリックス10の構造は、“実質的な網状”構造であり、即ち、少なくとも約80%の気泡壁は存在しない。別の態様においては、別途の網状化加工工程の必要なしで製造されるエラストマーマトリックス10の構造は、“完全な網状”構造であり、即ち、少なくとも約90%の気泡壁は存在しない。しかしながら、別の態様においては、必要に応じての網状化加工工程を、本明細書において説明するいずれかの方法により製造したマトリックスにおいて実施し、小さめの孔を開放し、少なくとも幾分かの残留気泡壁を除去し得る。例えば、特定の態様において、ポリマー溶液の粘度により、ポリマー溶液が粒子80間幾つかの小さめのチャネルに浸透し得る度合が制限された場合、粒子の焼結または融合は制限され得、結果として生ずる“窓”即ち気泡壁は、必要に応じて、後述するように、網状化により消失させ得る。
必要に応じて、上記犠牲的成形法により得られるエラストマーマトリックス10は、構造安定化のためおよび/またはその結晶化度を増大させるためおよび/またはその結晶溶融点を上昇させるためにアニーリングし得る。アニーリング条件の例としては、エラストマーマトリックスの約35℃〜約150℃の温度への加熱およびエラストマーマトリックスのこの温度範囲での約2時間〜約24時間の維持がある。
上記犠牲的成形方法は、実施例1〜実施例5においてさらに説明する。
また、本発明は、網状生体耐久性エラストマーマトリックス10を製造するための、簡略化のためまた限定することなしに、いわゆる“二重ロストワックス法”とみなされ得る方法も提供する。この方法を簡単に限定することなく要約すれば、所望の製品形のテンプレートを取得し、第1のコーティングでコーティングする。テンプレートを除去し、次いで、上記コーティングを最終ポリマー材料の第2コーティングでコーティングする。第1コーティングを除去したとき、所望の最終のポリマー材料から製造した製品が残存する。2つの材料のテンプレートと第1コーティングは各々別の加工工程で除去するので、そのような方法は、テンプレートも第1コーティングも必ずしもワックス含む必要はないものの、いわゆる“二重ロストワックス法”として知られている。例えば、第1コーティングは、前述したような澱粉から、澱粉水溶液または懸濁液をテンプレート上またはテンプレート中に付着させ、次いで、前述したようにして、澱粉ゼラチン化工程を実施し、その後、必要に応じて水分を除去することによって製造し得る。
望ましいテンプレートは、市販の網状架橋発泡体、例えば、非生体耐久性ポリウレタンであろう。しかしながら、このテンプレートは、実際的でない;何故ならば、そのような架橋発泡体を、例えば、前述したようなBIONATE(登録商標)またはCHRONOFLEX(登録商標)製品系列からのエラストマーのような流動性熱可塑性エラストマーで直接コーティングした場合、架橋されている網状架橋テンプレートは、容易に除去することはできないからである。架橋発泡体テンプレートの強酸または苛性抽出を試み、それによって該テンプレートを破壊的に溶液に転化させたとしても、そのような抽出は、上記熱可塑性エラストマーコーティングも溶解し或いは破壊する。本発明の1つの態様は、この問題を、直接ロストワックスコーティングを使用することによって解決する。このいわゆる二重ロストワックス法態様においては、発泡体テンプレート、例えば、非生体耐久性であり得る網状ポリウレタン発泡体を、流動性耐久性材料、例えば、該発泡体テンプレートの溶解において使用する強高温酸または塩基による侵食に対し抵抗性の材料を含む溶液または液体形の耐久性材料で先ずコーティングする。例えば、第1コーティングの耐久性材料は、溶媒可溶性であるが酸または塩基不溶性の熱可塑性ポリマーまたはワックスを含み得る。その後、発泡体テンプレートを、例えば、高温酸または塩基による抽出によって除去し、シェル様耐久性材料成形体を残存させ、その後、これを、流動形の所望固体相12、例えば、溶媒中の生体耐久性ポリウレタン溶液のような流動性高分子材料で、第2コーティングとしてコーティングする。例えば、溶媒抽出、溶融除去またはワックスの昇華除去による上記耐久性第1コーティング材料の除去によって、網状生体耐久性ポリウレタンエラストマーマトリックスが得られる。
この方法の例は、図5に図式的に示している。
図5に関して、図示した二重ロストワックス法は、例えば、ポリウレタンCREST FORMTM 等級S-20 (ニュージャージー州モーナチエのCrest Foam社から入手し得る)から形成された網状発泡体テンプレートを、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、パラフィンワックス等のような、溶媒可溶性、溶融容易性または昇華性の熱可塑性物またはワックスで、これら熱可塑性物またはワックスの溶融物または溶液から適用してコーティングする初期工程90を含む。図5において示すように、例えば、工程90のコーティング発泡体製品の円筒状支柱断面92の断面図は、発泡体テンプレートのコア96の周りのワックスのリング94を含む。
次の工程(工程98)においては、溶媒全てを、例えば、乾燥により除去し、コーティング網状発泡体テンプレートのポリウレタンコア材料の表面を、例えば、切断により露出させる。
工程100においては、上記ポリウレタン発泡体テンプレートを、例えば、該テンプレートを高温酸または塩基を使用して溶解させることによって除去し、網状発泡体コアのワックス注型物を得る。図5に示すように、例えば、この注型物の円筒状支柱断面102の断面図は、ワックスの中空リング94を含む。
次の加工工程(工程102)は、上記ワックス注型物を、生体耐久性ポリウレタンエラストマー、例えば、商品名CHRONOFLEX(登録商標)またはBIONATE(登録商標)として供給されている等級のエラストマーの溶液または溶融物のような流動性エラストマー高分子材料でコーティングする。工程102のエラストマーコーティングワックス注型製品の、例えば、円筒状支柱断面104の断面図は、ワックスリング94を含むコアの周りの生体耐久性エラストマーリング106を含む。その後、流動性エラストマー高分子材料を、例えば、溶液の溶媒を除去するかまたはポリマー溶融物を冷却することによって凝固させる。
次の工程(工程108)は、上記熱可塑性物またはワックスを、例えば、上記エラストマーポリマーマトリックスを切断することによって露出させることを含む。
工程110においては、上記熱可塑性物またはワックスを、例えば、上記注型物を溶融し、溶解しまたは昇華除去することによって除去し、例えば、円筒状支柱断面の断面図として示された弾性ポリマーマトリックスをリング112として得る。
1つの態様においては、本発明の生体耐久性網状エラストマーマトリックスは、流動性高分子材料を凍結乾燥することによって製造し得る。別の態様においては、上記高分子材料は、溶媒中の溶媒可溶性生体耐久性エラストマーの溶液を含む。上記流動性高分子材料を、上記流動性高分子材料を、例えば、溶液を冷却することにより固化して固形物を形成し、その後、非高分子材料を、例えば、溶媒を固形物から減圧下に昇華させることにより除去して、少なくとも部分的に網状化したエラストマーマトリックスを得ること含む凍結乾燥工程に供する。少なくとも部分的に網状化したエラストマーマトリックスの密度は、出発高分子材料の密度よりも小さい。別の態様においては、溶媒中の生体耐久性エラストマーの溶液を実質的に(必ずしも完全ではなく)固化し、その後、該溶媒を上記材料から昇華させて少なくとも部分的に網状化したエラストマーマトリックスを得る。適切な溶媒または溶媒混合物を選定し、ポリマーを、攪拌および/または加熱の適用により、溶解させることによって、凍結乾燥を受けやすい均質な溶液を適切な混合プロセスにより得ることができる。別の態様においては、上記溶液を冷却する温度は、上記溶液の凍結温度よりも低い。別の態様においては、上記溶液を冷却する温度は、その固形分の見掛けのガラス転移温度よりも高く、上記溶液の凍結温度よりも低い。
何ら特定の理論によって拘束するものではないが、凍結乾燥中、ポリマー溶液は、制御された形で、2つの明確な相、例えば、1つの相、即ち、連続する溶媒とこの連続相中に分散している他の相のとしてまたは2つの二重連続相としてのいずれかに分離するものと考えられる。各々の場合において、その後の溶媒相の除去により、ある範囲または分布の孔サイズを有する多孔質構造体が生ずる。これらの孔は、通常相互連結している。その形状、サイズおよび配向は、溶液の性質および凍結乾燥処理条件に通常の形で依存する。例えば、凍結乾燥製品は、例えば、凍結温度、凍結速度、核形成密度、ポリマー濃度、ポリマー分子量および溶媒(1種以上)を当業者にとって既知の方法で変えることによって変化させ得る寸法を有するある範囲の孔サイズを有する。
本発明における凍結乾燥を実施するのに使用する溶媒としては、限定するものではないが、THF、DMAC、DMSO、DMF、シクロヘキサン、エタノール、ジオキサン、N-メチル-2-ピロリドン、およびこれらの混合物がある。一般に、溶液中のポリマーの量は、溶媒中でのポリマーの溶解性およびエラストマー網状マトリックスの最終所望特性によるが、1つの態様においては、溶液の約0.5質量%〜約30質量%である。別の態様においては、溶液中のポリマーの量は、溶液の約0.5質量%〜約15質量%である。
さらに、ポリマー-溶媒溶液中には、添加剤、例えば、緩衝剤を存在させ得る。1つの態様においては、添加剤は、上記ポリマーまたは溶媒と反応しない。別の態様においては、添加剤は、組織の再生または再増殖を促進させる固形物質、緩衝剤、補強用材料、多孔性改良剤または医薬活性剤である。
別の態様においては、上記ポリマー溶液は、フィルム、プレート、発泡体、スクリム、織布、不織布、編物または組物繊維構造体、または平滑でない表面を有するインプラントのような、溶液と一緒に混入した各種挿入物を含み得る。別の態様においては、上記溶液は、整形外科用、泌尿器科用または血管用インプラントのような構造的挿入物と一緒に調製し得る。別の態様においては、これらの挿入物は、少なくとも1種の生体適合性物質を含み、非吸収性および/または吸収性局面を有し得る。
凍結工程中に固定されるようになり且つ溶媒を除去した後に残存する網状エラストマーマトリックス中に存在する孔形態のタイプは、例えば、溶液熱力学、溶液を冷却する凍結速度と温度、溶液中のポリマー濃度、および核生成のタイプ、例えば、均質または不均質の関数である。1つの態様においては、ポリマー溶液用の凍結乾燥機を約-80℃に冷却する。別の態様においては、ポリマー溶液用の凍結乾燥機を約-70℃に冷却する。別の態様においては、ポリマー溶液用の凍結乾燥機を約-40℃に冷却する。別の態様においては、凍結乾燥機は、ポリマー溶液を置く棚を含み、この棚を約-80℃に冷却する。別の態様においては、上記の棚を約-70℃に冷却する。別の態様においては、上記の棚を約-40℃に冷却する。ポリマー溶液を凍結させる冷却速度は、約0.2℃/分〜約2.5℃/分であり得る。
何ら特定の理論によって拘束するものではないが、一般に、溶液中のポリマー濃度が高く、粘度が高く(高濃度またはポリマーの高分子量に起因し得る)または冷却速度が速いほど、小さい孔サイズがもたらされるものと考えられ、一方、溶液中のポリマー濃度が低く、粘度が低く(低濃度またはポリマーの低分子量に起因し得る)または冷却速度が遅いほど、凍結乾燥製品中で大きい孔サイズがもたらされるものと考えられる。
凍結乾燥法は、実施例18においてさらに説明する。
孔20内において、エラストマーマトリックス10は、必要に応じて、前述した空隙およびガス充填体積以外の特徴を有し得る。1つの態様においては、エラストマーマトリックス10は、本明細書において“孔内”特徴と称する何かを、即ち、“その孔内”に見出されるエラストマーマトリックス10の特徴を有し得る。1つの態様においては、孔20の内部表面は、“孔内コーティングされ”、即ち、コーティングまたは処理されて、それら表面にある程度の所望特性、例えば、親水性が付与される。コーティングまたは処理媒体は、活性成分を輸送または結合するさらなる能力を有し得、その場合、活性成分は、孔20に優先的に送達される。1つの態様においては、このコーティング媒体または処理は、例えば、同時係属出願において記載されているように、内部孔表面への物質の共有結合を容易にするのに使用し得る。別の態様においては、上記コーティングは、生分解性ポリマーおよびヒドロキシアパタイトのような無機成分を含む。親水性処理は、作製した網状エラストマーマトリックス10に対しての化学または放射線処理により、エラストマーをエラストマー固化中に親水性、例えば、水性雰囲気に暴露させることにより或いは当業者にとって既知の他の手段により実施し得る。
さらにまた、1以上のコーティングを、液体コーティング溶液中または溶融状態のいずれかのフィルム形成性生体適合性ポリマーと生体適合性ポリマーフィルムの形成を行うのに適する条件下に接触させることによって、孔内に施し得る。1つの態様においては、そのようなコーティングにおいて使用するポリマーは、ワックス状または粘着性ではないように充分な高分子量を有するフィルム形成性生体適合性ポリマーである。また、このポリマーは、固相12にも付着すべきである。別の態様においては、結合強度は、ポリマーフィルムが網状エラストマーマトリックス10の取扱いまたは展開中に亀裂または剥離しないほどの強度である。
-N(H)-(CH2)n-C(O)- および -N(H)-(CH2)x-N(H)-C(O)-(CH2)y-C(O)-
(式中、nは、約4〜約13の整数であり;xは、約4〜約12の整数であり;yは、約4〜約16の整数である)。
勿論、上記の物質目録は、例示であって、限定するものではないと理解すべきである。
コーティング溶液用の溶媒および溶媒混合物は、とりわけ、当業者にとっては既知であるような、粘度の適切な均衡化、ポリマーの付着量、固相12を適切にコーティングするための溶媒の湿潤速度および蒸発速度を考慮することによって選択する。1つの態様においては、溶媒は、ポリマーが溶媒中で可溶性であるように選定する。別の態様においては、溶媒を、コーティングから実質的に完全に除去する。別の態様においては、溶媒は、無毒性で、非発癌性であり、環境的に良性である。混合溶媒系は、粘度および蒸発速度を調整するのに有利であり得る。全ての場合において、溶媒は、コーティングポリマーと反応してはならない。溶媒類には、限定するものではないが、アセトン、N-メチルピロリドン(“NMP”)、DMSO、トルエン、塩化メチレン、クロロホルム、1,1,2-トリクロロエタン(“TCE”)、各種フレオン類、ジオキサン、酢酸エチル、THF、DMF、DMAC、およびこれらの混合物がある。
別の態様においては、フィルム形成性コーティングポリマーは、溶融させている熱可塑性ポリマーであり、エラストマーマトリックス10の孔20に入り、冷却または固化時に、エラストマーマトリックス10の固形材料12の少なくとも1部分上にコーティングを形成する。別の態様においては、溶融形の熱可塑性コーティングポリマーの加工温度は、約60℃よりも高い。別の態様においては、溶融形の熱可塑性コーティングポリマーの加工温度は、約90℃よりも高い。別の態様においては、溶融形の熱可塑性コーティングポリマーの加工温度は、約120℃よりも高い。
1つの態様においては、上記コーティングまたは含浸方法は、本明細書において使用するような、製品“複合エラストマー埋込み可能な装置”、即ち、網状エラストマーマトリックスとコーティングが、それを圧縮して送達装置による送達、例えば、カテーテル、シリンジまたは内視鏡送達をなし得た後に、充分な弾力性を保持するのを確実にするように実施する。そのような複合エラストマー埋込み可能な装置のいくつかの態様を、非限定的な例として、コラーゲンを使用して以下で説明するが、他の物質も、上述したようにしてコラーゲンの代りに使用し得ることを理解されたい。
a) 水性コラーゲンスラリーを、必要に応じて生体耐久性エラストマー製品であり得るエラストマーマトリックス10のような網状多孔質エラストマーの孔中に浸潤させ;そして、
b) 水分を、必要に応じて凍結乾燥させることによって除去して、コラーゲンコーティングを付与すること;
含み、上記コラーゲンコーティングが、上記網状多孔質エラストマーの孔表面の少なくとも1部分上に、孔の相互連結ネットワークを必要に応じて含むことを特徴とする複合エラストマー埋込み可能な装置の製造方法である。
コラーゲンは、水性コラーゲンスラリー、懸濁液または溶液をエラストマーマトリックスの孔内に、例えば、圧力により押し込むことによって浸潤させ得る。コラーゲンは、タイプI、IIもしくはIII、またはこれらの混合物であり得る。1つの態様においては、コラーゲンタイプは、少なくとも90%のコラーゲンIを含む。コラーゲン濃度は約0.3質量%〜約2.0質量%であり、上記スラリー、懸濁液または溶液のpHは凍結乾燥時に約2.6〜約5.0に調整する。また、コラーゲンは、エラストマーマトリックスをコラーゲンスラリー中に浸漬することによっても浸潤させ得る。
コーティングしていない網状エラストマーと比較して、上記複合エラストマー埋込み可能な装置は、体積を僅かに減じた空隙相14を有する。1つの態様においては、上記複合エラストマー埋込み可能な装置は、線維芽細胞または他の細胞の内殖および増殖のための良好な流体透過性と充分な多孔性を保持している。
必要に応じて、凍結乾燥させたコラーゲンは、架橋させて、コラーゲンコーティングの生体内酵素分解の速度を調整し且つエラストマーマトリックス10に結合するコラーゲンコーティングの能力を調整することができる。何ら特定の理論によって拘束するものではないが、上記複合エラストマー埋込み可能な装置を埋込んだとき、線維芽細胞のような、コラーゲンに対し高親和性を有する組織形成性因子は、コーティングしていないマトリックスよりも上記コラーゲン含浸エラストマーマトリックス10の方をより容易に侵入するものと考えられる。さらに、この場合も何ら特定の理論によって拘束するものではないが、コラーゲンは酵素により分界するので、新たな組織は、分解中のコラーゲンが残っている空隙に侵入して、それを満たすとともに、エラストマーマトリックス10の他の利用可能な空間にも浸潤し満たすものと考えられる。そのようなコラーゲンコーティングまたは含浸エラストマーマトリックス10は、何ら特定の理論によって拘束するものではないが、エラストマーマトリックス10の孔20内でのコラーゲンの補強効果によって与えられた構造的一体性(この一体性は、種々の形状のエラストマーマトリックス10により大きい剛性および構造的安定性を付与する)のためにさらに有利であると考えられる。
コラーゲンコーティング複合エラストマー埋込み可能な装置およびそれから形成させたスリーブの製造方法は、実施例10および11において、例として説明している。他の方法は、当業者にとっては自明であろう。
ある用途においては、エラストマーマトリックス10から製造された装置は、表面の下の各孔の内部表面積がもはや受入れ可能ではないので、より小さい最外表面積を存在させるためのコーティングされたまたは融合した表面を有し得る。何ら特定の理論によって拘束するものではないが、この減少した表面積は、送達装置内の長い蛇行チャネルを経てのより予測的でより容易な送達および輸送、並びに動脈瘤、動静脈機能不全、動脈塞栓または他の血管異常のような血管奇形の治療のための経皮による最小限に侵襲的な手順によって導入された送達装置内の長い蛇行チャネルを経ての輸送を与えるものと考えられる。さらに、この増大した表面積およびエラストマーマトリックス10の硬度は、何ら特定の理論によって拘束するものではないが、より迅速な炎症応答を誘発させ、凝集カスケードの発生を活性化させ、緊密な増殖を誘発させ、内皮細胞移動および再狭窄の早期発症を刺激するものと考えられる。表面コーティングまたは融合は、表面の多孔度を変化させ、即ち、表面に開口した孔の割合を少なくとも部分的に減じ、或いは、境界内では、コーティングまたは融合表面の孔を完全に閉じる、即ち、その表面は、コーティングまたは融合表面上に残存する孔を実質的に有さないので、非多孔質である。しかしながら、表面積コーティングまたは融合は、エラストマーマトリックス10の内部相互連結多孔質構造を依然として可能にしており、内部的にまた他の非コーティングまたは非融合表面上で開放したままである;例えば、コーティングしたまたは融合させた孔のその表面上ではない部分は、他の孔と相互連結したままであり、それらの開放したままの表面は、細胞の内殖および増殖を助長し得る。1つの態様においては、コーティングした表面とコーティングしていない表面は、互いに対して直交する。別の態様においては、コーティングした表面とコーティングしていない表面は、互いに対して傾斜角度で存在する。別の態様においては、コーティング表面とコーティングしていない表面は、隣接している。別の態様においては、コーティング表面とコーティングしていない表面は、隣接していない。別の態様においては、コーティング表面とコーティングしていない表面は、互いに接触している。別の態様においては、コーティング表面とコーティングしていない表面は、互いに接触していない。
エラストマーマトリックス10の外側層の融合および/または選択的溶融は、数種の異なる方法で実施し得る。1つの態様においては、エラストマーマトリックス10のブロックを最終の埋込み可能な装置製造のためのサイズと形状に切断するのに使用するナイフまたはブレードは、例えば、実施例7において説明するように昇温に加熱し得る。別の態様においては、所望の形状とサイズの装置は、エラストマーマトリックス10の大きめのブロックから、レーザー切断装置を使用して切断し、この方法において、レーザービームと接触する表面積を融合させる。別の態様においては、寒冷レーザー切断装置を使用して、所望のサイズと形状の装置を切断する。さらに別の態様においては、加熱モールドを使用し、加熱圧縮法により、所望のサイズと形状を装置に付与し得る。大き目のブロックから切断した、少し過サイズのエラストマーマトリックス10を、加熱モールド内に入れ得る。モールドは、例えば、実施例8で説明するようにして、切断片を封じ込めてその全体的寸法を所望の形状とサイズに減少させ、加熱モールドと接触した表面を融合させる。上述した態様の各々において、成形し寸法合せするための加工温度は、1つの態様においては、約15℃よりも高い。別の態様においては、成形し寸法合せするための加工温度は、約100℃を越える。別の態様においては、成形し寸法合せするための加工温度は、約130℃を越える。別の態様においては、融合させない最外表面の層(1以上)および/または部分は、最外表面の融合の間上記の層および表面に覆いをすることによって暴露から保護する。
エラストマーマトリックス10上のコーティングは、例えば、ポリマーまたは医薬活性剤と混合したポリマーを含むコーティング溶液を浸漬またはスプレーすることによって適用し得る。別の態様においては、上記コーティング溶液中のポリマー含有量は、約1質量%〜約40質量%である。別の態様においては、上記コーティング溶液中のポリマー含有量は、約1質量%〜約20質量%である。別の態様においては、上記コーティング溶液中のポリマー含有量は、約1質量%〜約10質量%である。別の態様においては、溶液コーティングしない最外表面の層(1以上)および/または部分は、最外表面の溶液コーティングの間上記の層および表面に覆いをすることによって暴露から保護する。溶液コーティング用の溶媒または溶媒混合物は、例えば、前章(即ち、“孔内特性の付与”の)章において説明した考察に基づき選定する。
本発明の別の態様は、埋込み可能な装置の周りに延びているスリーブとして形作られた、前述したような、コラーゲンコーティング複合エラストマー埋込み可能な装置を使用する。コラーゲンマトリックススリーブは、血管奇形部位に、該部位と隣接してまたは接触してのいずれかで埋込み得る。そのように位置させて、コラーゲンマトリックススレーブは、エラストマーマトリックス10の保持を助長し、組織シールの形成を容易にし、漏出の防止を助長するのに有用であり得る。エラストマーマトリックス10内でのコラーゲンの存在は、線維芽細胞のコラーゲンへの結合を促進させることによって、1つの態様においては、細胞の内殖および増殖を促進させ、機械的安定性を改善させ得る。コラーゲンの存在は、エラストマーマトリックス10の相互連結孔の早期および/またはより完全な浸潤を刺激し得る。
1つの態様においては、網状エラストマーマトリックス10をコーティングするのに使用するフィルム形成性ポリマーは、各同時係属出願において記載されているように、医薬活性剤、例えば、薬物の送達および/または制御放出のためのビヒクルを提供する。別の態様においては、医薬活性剤を、エラストマーマトリックス10のコーティングと混合し、該コーティングに共有結合させおよび/または該コーティング中または上に吸着させて、医薬組成物を調製する。別の態様においては、発泡体を形成させるのに使用する成分、ポリマーおよび/または混合物が、医薬活性剤を含む。これらの発泡体を形成させるには、前述した成分、ポリマーおよび/または混合物を医薬活性剤と発泡体を形成させる前に混合するか、或いは医薬活性剤を形成させた後の発泡体中に取り込ませる。
1つの態様においては、上記コーティングポリマーと医薬活性剤は、共通溶媒を有する。それによって、溶液であるコーティングを提供し得る。別の態様においては、医薬活性剤は、溶媒中コーティングポリマー溶液中に、固形分散体として存在し得る。
医薬活性剤を含む網状エラストマーマトリックス10は、1種以上の医薬活性剤と、当該発泡体を製造するのに使用するポリマー、溶媒またはポリマー-溶媒混合物と混合することによって配合し、発泡させ得る。また、医薬活性剤を、当該発泡体上に、1つの態様においては、製薬上許容し得る担体を使用してコーティングさせることもできる。溶融コーティングを使用し得るならば、その場合は、別の態様において、医薬活性剤は、その有効性の実質的な消失なしで、溶融加工温度に耐えるものである。
別の態様においては、トップコーティングを、医薬活性剤の遅延放出のために適用し得る。別の態様においては、トップコーティングは、第2の医薬活性剤送達のためのマトリックスとして使用し得る。急速-および遅延-加水分解性ポリマーのそれぞれの層を含む多層型コーティングは、医薬活性剤の段階放出のためにまたは別個の層に入れた別個の医薬活性剤の制御放出のために使用し得る。ポリマーブレンド類も、種々の医薬活性剤の放出速度を制御するため、またはコーティング特性(例えば、弾力性、強靭性)と薬物送達特性(例えば、放出プロフィール)の所望の均衡を付与するために使用し得る。異なる溶媒溶解性を有する各ポリマーは、別個の各医薬活性剤を送達するのに使用し得る別個の各ポリマー層を構築するため、または各医薬活性剤の放出プロフィールを制御するために使用し得る。
存在する医薬活性剤の量は、使用する特定の医薬活性剤および治療する医学的症状に依存する。1つの態様においては、医薬活性剤は、有効量で存在する。別の態様においては、医薬活性剤の量は、コーティングの約0.01質量%〜約60質量%を示す。別の態様においては、医薬活性剤の量は、コーティングの約0.01質量%〜約40質量%を示す。別の態様においては、医薬活性剤の量は、コーティングの約0.1質量%〜約20質量%を示す。
生物活性分子としては、限定なしで、たんぱく質類、コラーゲン類(タイプIVおよびXVIIIを含む)、微小繊維コラーゲン類(タイプI、II、III、V、XIを含む)、FACITコラーゲン(タイプIX、XII、XIV)、他のコラーゲン(タイプVI、VII、XIII)、短鎖コラーゲン(タイプVIII、X)、エラスチン、エンタクチン-1、フィブリリン、フィブロネクチン、フィブリン、フィブリノーゲン、フィブログリカン、フィブロモジュリン、フィブリン、グリピカン(glypican)、ビトロネクチン、ラミニン、ニドゲン(nidogen)、マトリリン(matrilin)、パーレカン(perlecan)、ヘパリン、ヘパラン、スルフェートプロテオグリカン、デコリン(decorin)、フィラグリン、ケラチン、シンデカン(syndecan)、アグリン、インテグリン、アグリカン、ビグリカン、骨シャロたんぱく質、軟骨基質たんぱく質、Cat-301プロテオグリカン、CD44、コリンエステラーゼ、HB-GAM、ヒアルロナン、ヒアルロナン結合性たんぱく質、ムチン類、オステオポンチン、プラスミノーゲン、プラスミノーゲン、アクチベーターインヒビター類、レストリクチン(restrictin)、セルグリシン(serglycin)、テネイシン、トロンボスポンジン(thrombospondin)、組織タイププラスミノーゲンアクチベーター、ウロキナーゼタイププラスミノーゲンアクチベーター、バーシカン、フォン・ヴィルブランド因子、デキストラン、アルビノガラクタン、キトサン、ポリアクチド-グリコリド、アルギネート類、プルラン、ゼラチンおよびアルブミンがある。
エラストマーマトリックス10は、網状化および孔内特性付与以外に、すでに説明しているように、さらなる加工工程(1工程以上)を受け得る。例えば、エラストマーマトリックス10は、前述したように、後処理によりまたは上記エラストマーマトリックスを親水性環境内に置くことにより、孔内親水性化してそのミクロ構造表面をより一層化学的に反応性とすることができる。1つの態様においては、生物学的に有用な化合物、またはそれらを含有する制御放出配合物は、局所送達と放出のために孔内表面結合させることができ、この態様は、同時係属出願中に記載されている。
別の態様においては、本発明のエラストマーマトリックス10から製造した製品は、アニーリングしてその構造を安定化させ得る。昇温下でのアニーリングは、半結晶性ポリウレタン中の結晶度を増進させる。この構造安定化および/またはさらなる結晶度は、エラストマーマトリックス10から製造した埋込み可能な装置に増強された貯蔵安定性を付与し得る。1つの態様においては、アニーリングは、約50℃を越える温度で実施する。別の態様においては、アニーリングは、約100℃を越える温度で実施する。別の態様においては、アニーリングは、約125℃を越える温度で実施する。別の態様においては、アニーリングは、少なくとも約2時間実施する。別の態様においては、アニーリングは、約4〜約8時間実施する。架橋ポリウレタンにおいては、昇温下での硬化も、構造安定化および長時間貯蔵安定性を増進させ得る。
形状化およびサイズ合せは、画像形成または他の当業者にとって既知の方法によって判定するような、特定の患者の特定の治療部位に埋込み可能な装置を整合させるための特注の形状化およびサイズ合せを含み得る。とりわけ、エラストマーマトリックス10の1つまたは少数、例えば、1つの態様における約15未満、別の態様における約6未満は、望ましくない空孔、例えば、血管奇形の治療用の埋込み可能な装置系を含み得る。
エラストマーマトリックス10から製造され、形状化しサイズ合せした装置の寸法は、治療する特定の血管奇形に依存して変動し得る。1つの態様においては、圧縮し送達する前の装置の外寸法は、約1mm〜約100mmである。別の態様においては、圧縮し送達する前の装置の外寸法は、約1mm〜約7mmである。別の態様においては、圧縮し送達する前の装置の外寸法は、約7mm〜約10mmである。別の態様においては、圧縮し送達する前の装置の外寸法は、約10mm〜約30mmである。別の態様においては、圧縮し送達する前の装置の外寸法は、約30mm〜約100mmである。エラストマーマトリックス10は、圧縮し、送達装置、例えば、カテーテル、シリンジまたは内視鏡により輸送したときに、圧縮永久歪みを示し得る。別の態様においては、圧縮永久歪みとその標準偏差は、装置の圧縮前寸法を設計するときに考慮される。
上記埋込み可能な装置または装置系は、上記空腔内の中央位置を占める1個以上のエラストマーマトリックス10を含み得る。上記埋込み可能な装置または装置系は、上記空腔への入口または門脈に位置する1個以上のエラストマーマトリックス10を含み得る。別の態様においては、上記埋込み可能な装置または装置系は、1個以上の可撓性でおそらくはシート状のエラストマーマトリックス10を含み得る。別の態様においては、そのようなエラストマーマトリックスは、埋込み部位での適切な流体力学に助けられ、移動して空腔壁に隣接して居留する。
別の態様においては、上記埋込み可能な装置または装置系の充分に膨張したin situ体積は、上記空腔の体積よりも約1〜約40%大きい。別の態様においては、上記埋込み可能な装置または装置系の充分に膨張したin situ体積は、上記空腔の体積よりも約5〜約25%大きい。別の態様においては、埋込み可能な装置体積対血管奇形の占める体積の比は、約70〜約90%である。別の態様においては、埋込み可能な装置体積対血管奇形の占める体積の比は、約90〜約100%である。別の態様においては、埋込み可能な装置体積対血管奇形の占める体積の比は、約90〜約100%未満である。別の態様においては、埋込み可能な装置体積対血管奇形の占める体積の比は、約100〜約140%である。
別の態様においては、滅菌製品は、紙、ポリマーまたは他の適切な材料からなる滅菌パッケージ中に包装し得る。別の態様においては、そのようなパッケージ内で、エラストマーマトリックス10を保持部材内で圧縮して、カテーテルまたは内視鏡のような送達装置中へのその圧縮形状での装着を容易にする。別の態様においては、エラストマーマトリックス10は、その圧縮前体積の実質的割合まで、例えば、25℃でその圧縮前体積の少なくとも50%まで膨張するのを可能にする圧縮永久歪みを有するエラストマーを含む。別の態様においては、膨張は、エラストマーマトリックス10がそのようなパッケージ内で典型的な商業的貯蔵および販売時間の間圧縮されたままである後に起こる;そのような時間は、製造から使用までに一般に3ヶ月を越えるであろうし、1〜5年までであり得る。
1つの態様においては、埋込み可能な装置は、例えば、放射線不透過性物質の粒子をエラストマーマトリックス自体に付着させ、共有結合させ、および/またはその中に混入させることによって、放射線不透過性にして、生体内画像形成を容易にし得る。放射線不透過性物質としては、チタン、タンタル、タングステン、硫酸バリウムまたは当業者にとって既知の他の適切な物質がある。
埋込み可能な装置の使用
網状エラストマーマトリックス10、およびこれを含む埋込み可能な装置系は、同時継続出願中に記載されているようにして使用できる。1つの非限定的な例においては、1個以上の網状エラストマーマトリックス10を与えられた部位に対して選定する。続いて、各々を、圧縮して、カテーテル、内視鏡またはシリンジ等のような送達装置中に装着する。送達装置を意図する患者宿主の脈管構造または他の脈管系中にくねらせて通し、網状エラストマーマトリックス10をターゲット部位に放出する。その部位に放出されると直ぐに、網状エラストマーマトリックス10は、およそその元の緩和サイズと形状に、勿論、その圧縮永久歪み限界および埋込み可能な装置が取り得る部位生体構造に対する可能な所望の屈曲、覆込み(draping)または他の立体構造まで弾力的に膨張する。
何ら特定の理論によって拘束するものではないが、脈動血圧のようなin situの流体力学により、適切な形状の網状エラストマーマトリックス10においては、該エラストマーマトリックスが、上記部位の、例えば、壁に近い周辺に移動せしめられるものと考えられる。網状エラストマーマトリックス10は、導管、例えば、体液が通る内腔または脈管内に入りまたは運ばれたとき、血液のような体液の流れに対し直接の抵抗を与えるであろう。このことは、炎症応答および血栓応答による栓子形成に至る凝集カスケードの活性化に関連するであろう。即ち、埋込み可能な装置表面により誘発された局所的な乱流および淀み点は、血小板活性化、凝集、トロンビン形成および血液凝固に至り得る。
別の態様においては、上記埋込み可能な装置または装置系は、細胞の内殖および増殖を、部位全体に亘って、部位境界全体に亘ってまたは露出表面の幾らかを通して生じさせ、それによって部位を密閉する。時間とともに、組織内殖に由来するこの誘発維管束存在物は、埋込み可能な装置を導管中に一体化させ得る。組織内殖は、埋込み可能な装置の経時的な移動に対する極めて有効な抵抗をもたらし得る。また、組織内殖は、導管の再チャネル化も阻止する。別の態様においては、組織内殖は、長時間持続性で、無害でおよび/または機械的に安定であり得る瘢痕組織である。別の態様においては、時間の途中で、例えば、2週間から3ヶ月ないし1年の間で、埋込み網状エラストマーマトリックス10は、組織、繊維組織または瘢痕組織等により完全に満たされおよび/または封入されるようになる。
上記埋込み可能な装置の特徴、その機能性および体内の導管、内腔および空腔との相互作用は、上述したように、多くの動静脈機能不全(“AVM”)または他の血管異常の治療において有用であり得る。これらには、AVM類、供給および排出用静脈の異常、動静脈フィステル、例えば、大動静脈連結部の異常、腹部大動脈瘤内挿人工血管エンドリーク(endoleaks) (例えば、人工血管内挿患者におけるタイプIIエンドリーク発症を伴う下腸間膜動脈および腰動脈)、胃腸出血、偽動脈瘤、精索静脈瘤閉塞および女性管閉塞がある。
別の態様においては、埋込み部位および周囲の導管を、動脈血管造影によって画像化し得る。別の態様においては、上記埋込み部位および周囲の導管を画像化して、意図する部位の三次元的断層撮影をマップ化しモデル化して網状エラストマーマトリックス10の選定を容易にすることもできる。その場合、埋込み可能な装置のサイズおよび形状は、埋込み可能な装置をターゲット部位に送達前に、推測し得る。また、網状エラストマーマトリックス10は、適切な画像形成法、例えば、磁気共鳴画像形成法(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CTスキャン)、コントラスト物質または超音波を使用するX線画像形成法を使用して、意図する部位に適合させまたはその部位内で適応するように特注作製することもできる。他の適切な画像形成方法は、当業者にとっては既知であろう。
さらなる態様においては、本明細書において開示する埋込み可能な装置は、薬物送達ビヒクルとしても使用し得る。例えば、生体耐久性固相12を治療薬中に混合し、それに共有結合させ、および/またはそれに吸着させることができる。任意の種々の治療薬、例えば、本明細書において前記で説明した治療薬を上記埋込み可能な装置によって送達し得る。
以下の実施例は、本発明のある種の態様をさらに具体的に説明する。これらの実施例は、単に例示目的で提示するものであり、本発明の範囲を如何なる形においても限定しない。
実施例1
犠牲的成形法によるポリカーボネートポリウレタンマトリックスの作製
図4に示すように、基体を、粒子80、例えば、Baker Petrolite社(テキサス州シュガーランド)から入手したVYBARR 260炭化水素ポリマーから形成させた球形ワックス粒子80を、例えば、適度の温度および圧力下に、一緒に融合させることによって製造した。粒子80は、使用前に、直径で約3mm〜約5mmの比較的狭い直径分布にスクリーニングした。約20mLのスクリーニング粒子を、開孔底部を有する100 mLのポリプロピレン使い捨てビーカー、即ち、容器82に注入し、ビーカー内で有意な高さを有するコンパクトな三次元の塊状物を得るようにした。ビーカーを、ブフナーフラスコと連結しているシーラントスリーブ中に入れ、次いで、ブフナーフラスコを低圧源に連結した。
約20.7〜34.5 KPa [約3〜5 psi (約2,100〜3,500 kg/m2)]の圧力を、ワックス粒子上にある荷重拡散用のプレート84上に支持された重りWを使用して粒子80に圧縮力を加えるようにすることによって、ワックス粒子80に加えた。ビーカーを約50℃〜約55℃の温度に温めた。ワックス粒子は、ビーカー内で緊密にパックされて、粒子毎に約5〜8個の接触点86で互いに接触していた。圧縮を粒子界面の平坦化が生ずるまで続け、平坦化を、透明ビーカー壁に対する粒子平坦化を目視観察することにより、ビーカーを引っくり返して、塊状物から落ちる粒子が無いかを注視することにより、或いはこれらの方法の双方により判定した。過圧縮を回避するように注意し、それによって、適切な容積の間隙通路が粒子間に確実に残存するようにした。
THF中の等級80AのBIONETERポリカーボネートポリウレタンの10質量%溶液を、THF中のBIONETERペレットを5rpmで回転する回転スパイダーを使用して3日間タンブリングし攪拌することによって調製した。溶液は、密閉容器内で調製して溶媒の損失を最低限にした。
プラグを空気流中のステンレススチールバスケット内に約16時間置いて残留THFを除去し、それによってワックス粒子を含むポリカーボネートポリウレタン間の間隙を有する固形ブロックを得た。乾燥させたとき、プラグを、ポリマー中に埋込まれていないすべてのワックス粒子をほぐすように変形させ、ステンレススチールバスケットに入れ、バスケットを約85℃〜90℃に維持したオーブン中に約1時間置き、ワックスを溶融除去した。必要に応じて、プラグを圧縮して過剰の液体ワックスの除去を促進させてもよい。多孔質ポリマーブロックをヘキサン中で繰返し洗浄して残留ワックスを除去し、風乾させた。
上記エラストマーマトリックスの平均孔径、走査型電子顕微鏡(“SEM”)観察により測定したとき、約200μm〜約500μmであった。上記エラストマーマトリックスは、残留気泡壁が全く、殆んどまたはほんの僅かしか無い網状構造を有するようであった。この特徴は、細胞の内殖および増殖に対し極めて好ましい潜在力を提供している。
直径10、15および20mmと長さ5、8および10mmを計測した円筒体、各10mm辺を有する立方体を上記網状材料ブロックから切断して、プロトタイプ装置を形成させた。
犠牲的成形法によるポリカーボネートポリウレタンマトリックスの作製
実施例1を、各回毎に小さくなる、即ち、それぞれ、1.5、1および0.5mmの平均粒度を有する粒子を使用して3回繰返した。実施例1に匹敵する結果が各場合において得られた。
実施例3
犠牲的成形法の別法によるポリカーボネートポリウレタンマトリックスの作製
THF中のBIONETER 80A溶液を実施例1に従って調製したが、その濃度は7質量%のポリカーボネートポリウレタンポリマーであった。実施例1においても述べているように、VYBAR 260炭化水素ポリマー粒子を使用したが、粒子は、使用前に、直径で約1mm〜約2mmの比較的狭い直径分布にスクリーニングした。
実施例1においても述べているように、約20mLの上記7%ポリマー溶液を上記ワックス粒子の頂部層上に注いだ。しかしながら、この実施例においては、ビーカー内のワックス粒子は、加熱もせず、上記溶液と接触させる前に圧縮もしなかった。約16932 Pa (約5インチHg)の減圧をブフナーフラスコに適用した。ポリマー溶液がワックス粒子中に吸引されると直ぐに、追加の20mLの粒子を骨格上部層上に注ぎ入れ、ビーカーの内径よりも僅かに小さい荷重拡散用のプレートを粒子頂部上に置いた。その後、約20.7〜34.5 KPa [約3〜5 psi (約2,100〜3,500 kg/m2)]の圧力を上記プレート上に加えた。ブフナーフラスコへの減圧の適用は、粒子からの空気音が聞こえると直ぐに中止し、圧縮を解除し、その後、得られた“プラグ”を約1時間固化させた。この期間の後、ビーカーを引っくり返して、あり得る過剰の粒子をプラグから除去した。その後、THFとワックスを実施例1で述べているようにして除去し、多孔質ポリマーブロックをヘキサン中で繰返し洗浄して残留ワックスを除去し、風乾させた。
上記ポリマーブロックは、図6の該ブロックの代表的なSEM像から明らかなように、残留気泡壁が全く、殆んどまたはほんの僅かしか無い網状構造を有するようであった。図6のSEM像は、多くの同じ特徴、例えば、網状固相12、連続相互連結空隙相14、多くの交差点18間に延び、それらを相互連結させている多数の支柱16、および図1に略図的に示している複数の孔20を示していることに注目すべきである。上記ポリマーブロックの網状性質は、細胞の内殖および増殖に対し極めて好ましい潜在能力を提供している。
上記網状エラストマーマトリックス材料の密度は、既知容積(この場合、13.75 cc)の材料を正確に秤量し、その質量を上記容積で割ることによって測定し、0.045 gm/cc、即ち、2.8 lbs/ft3の密度を得た。空隙体積は、約96%であると測定した。
引張試験は、50mm長×25mm幅×12.5mm厚の寸法を有するサンプルについて実施した。ゲージ長は25mmであり、クロスヘッド速度は25mm/分であった。上記網状エラストマーマトリックス材料の引張強度は133.1 KPa [約19.3 psi (13,510 kg/cm2)]であり、破壊までの伸びは466%であった。
直径10、15および20mmと長さ5、8および10mmを計測した円筒体、各辺10mmを有する立方体を上記網状材料ブロックから切断して、プロトタイプ装置を形成させた。
共溶媒を使用する犠牲的成形法よるポリカーボネートポリウレタンマトリックスの作製
Baker Petrolite社から入手したVYBAR 260枝分れ炭化水素ポリマーの粒子を溶融させ、90℃〜105℃の温度で、0.75インチ(19mm)直径の紡糸用ノズルにより押出した。押出物は、15℃〜30℃の温度に維持した90質量%イソプロパノール/10質量%水の混合物を満たしたビーカー中に通した。上記混合物の表面の高さは、混合物の頂上がノズル底部の22インチ(560mm)下にあるように調整した。固化ビーズを、#25 (710μm)よりも小さいメッシュサイズの篩にビーズ/混合物スラリーを通すことによって集めた。ビーズを含む篩をHEPA濾過空気流中に置き、ビーズを少なくとも4時間乾燥させた。乾燥ビーズを再び篩分けした。直径で1.7mm〜4mmの範囲の2回篩分けしたビーズを使用した。
共溶媒を使用して、ポリカーボネートポリウレタン/タンタル溶液を調製した。97質量%THF/3質量%DMF混合物中のBIONETEの10質量%を秤量した、即ち、全体で0.5質量%のタンタル粉末と一緒の5質量%のBIONATE 80Aポリカーボネートポリウレタン溶液を、5rpmで回転する回転スパイダーを使用して各成分を3日間タンブリングし攪拌することによって調製した。溶液は、密閉容器内で調製して溶媒の損失を最低限にした。325メッシュサイズの99.9%純度のタンタル粉末は、Aldrich Chemical社(ウィスコンシン州ミルウォーキー)から入手した。その後、上記混合物を60℃のオーブン内で24時間加熱し、次いで、約25℃に冷却した。溶液粘度は、約25℃で310センチポイズと測定した。
その後、上記溶液含有ビーズをドラフトの下の乾燥ラック上に約3〜4時間置き、THF/DMF混合物を蒸発させた。次いで、ビーズを減圧下に約40℃で22〜48時間乾燥させて、あり得る残留溶媒を除去した。ポリマーとワックスとからなるプラグを得た。プラグは、必要に応じて、水中で洗浄し、必要ならば、減圧下に約40℃でさらに12時間保って水分およびあり得る残留溶媒を除去してもよい。
乾燥後、プラグを穏やかに機械的に変形させて、あり得るポリマー中に埋込まれていないワックス粒子をほぐし、これを除去した。その後、プラグをステンレススチールラックに入れ、トレー上に置いた。アッセンブリを約80℃〜85℃に維持したオーブン内に約1〜3時間置いてワックスを溶融させ、ワックスをプラグからトレーへ流す。必要ならば、プラグを圧縮して、液化ワックスのプラグからの除去を促進させる。得られたエラストマーマトリックスをヘキサン中で繰返し洗浄し、ヘキサン洗浄液を新鮮ヘキサンで少なくとも2回取替える。その後、エラストマーマトリックスを、75〜80℃ヘプタン中での約2時間の追加の洗浄に供して、あり得る残存ワックスを除去する。エラストマーマトリックスを約25℃で風乾させる。
エラストマーマトリックスは、残留気泡壁が殆どまたは全くない網状構造を有しているようである。この局面は、細胞の内殖および増殖を促進させるのに好ましい。
実施例5
犠牲的成形法によるCHRONOFLEX R ポリウレタンマトリックスの作製
実施例3を、BIONATERポリカーボネートポリウレタンの代りにCHRONOFLEXR Cポリウレタンエラストマーを使用し、THFの代りにN-メチル-2-ピロリドンを使用して繰返す。実施例3に匹敵する結果が得られる。
組織内殖の判定
本発明の網状エラストマーマトリックス埋込み可能な装置を使用しての細胞の内殖および増殖の程度を判定するために、そのような網状埋込み可能な装置をSprague-Dawleyラットの皮下組織中に入れて、手術を行った。
各々約375g〜約425gで秤量した8匹のSprague-Dawleyラットに、麻酔を60 mg/kgのペントバルビタールナトリウムの腹腔内注入によって誘発させる前は、自由な給餌、給水を受けさせた。
麻酔後、各動物を加熱用パッド上に置き、処置全体および直ぐの回復期間に亘って37℃の温度に維持した。仰向け位置の動物において、小中央線腹部壁切開を15番外科用メスで実施した。皮膚と皮下組織を切開し、表在筋膜と筋肉層を皮下組織から鈍的切開により分離した。その後、実施例3に従って製造し、直径約5mm、長さ8mmと計測した1個の円筒状ポリウレタン網状エラストマーマトリックス埋込み可能な装置を、各動物の腹部皮下ポケット中に挿入した。皮膚を永久縫合糸で閉じた。各動物をケ−ジに戻し回復させた。
動物は、次の14日間、自由な給餌、給水を受けさせ、その後、上記埋込み可能な装置を皮膚および筋肉組織と一緒に腹部壁から集めた。14日目の終りで、各動物は、安楽死させた。麻酔は60 mg/kgのペントバルビタールナトリウムの腹腔内注入によって誘発させ、動物は二酸化炭素で死亡させた。前の切開部を露出させた。上記埋込み可能な装置を含有する腹部壁セグメントを取出した。各動物において、上記埋込み可能な装置と充分な厚さの腹部壁を保存のためホルマリン中に入れた。
腹部壁内の上記埋込み可能な装置の組織病理学検査を通常のH&E染色により実施した。組織学スライドの検査から、1例の上記埋込み可能な装置を提示する図7は、維管束内殖、粘液様ストローマ、新たなコラーゲン繊維形成および外科インプラント処方に一致する早期炎症細胞応答の証拠を実証している。上記埋込み可能な装置は、組織内殖を助長し、永久組織置換、空腔または血管閉塞および組織増強に対するその能力および潜在力を実証していた。
選択的非多孔質表面を有する埋込み可能な装置
実施例3に従い製造した網状材料の一片を使用する。ナイフ端を有する加熱ブレードを使用して、上記一片から直径10mmおよび長さ15mmの円筒体を切断する。ブレード温度は、130℃よりも上である。加熱ブレードと接触した上記一片の表面は、加熱ブレードとの接触により、融合され、非多孔質であるようである。多孔質を残す、即ち、融合させないことを意図する片表面は、加熱ブレードに暴露させていない。
実施例8
選択的非多孔質表面を有する埋込み可能な装置
実施例3に従い製造した網状材料の僅かに過サイズの一片を使用する。この僅かに過サイズの一片を130℃よりも上の温度に加熱したモールド内に入れる。その後、モールドを上記一片上で閉じ、全体寸法を所望サイズに減じる。上記一片をモールドから取出したところ、モールドと接触した上記一片の表面は、モールドとの接触により、融合され、非多孔質であるようである。多孔質を残す、即ち、融合させないことを意図する片表面は、加熱モールドへの暴露から保護する。ナイフ端を有する加熱ブレードを使用して、上記一片から直径10mmおよび長さ15mmの円筒体を切断する。
実施例9
選択的非多孔質表面を有する浸漬コーティング埋込み可能な装置
実施例3に従い製造した網状材料の一片を使用する。90モル%のPGAと10モル%のPLAを含有するコポリマーのコーティングを、次のようにして、外表面に塗布する。PGA/PLAコポリマーを押出機内で205℃にて溶融させ、上記一片を溶融物中に浸漬して上記一片をコーティングする。多孔性を残すべき、即ち、上記溶融物でコーティングしない片表面は、カバーをして表面を保護し、溶融物に暴露させない。取出すと、上記溶融物は、固化し、接触表面上に薄い非多孔質コーティング層を形成する。
コラーゲンコーティングエラストマーマトリックスの作製
牛皮からの抽出により得られたコラーゲンを洗浄し、微小繊維に細断する。1質量%のコラーゲン水性スラリーを、コラーゲンと水を激しく攪拌し、無機酸を添加して約3.5のpHとすることによって調製する。
実施例1に従って製造した網状ポリウレタンマトリックスを、60mm×60mm×2mmと計測する一片に切断する。この一片を浅いトレーに入れ、コラーゲンスラリーをその上に注いで上記一片がスラリー中に完全に浸漬されるようにし、必要に応じて、トレーを振盪させる。必要であれば、過剰のスラリーを上記一片からデカンテーションし、スラリー含浸片をプラスチックトレー上に置き、このトレーを10℃に保持した凍結乾燥機トレー上に置く。凍結乾燥機トレー温度を、約1℃/分の冷却速度で、10℃から−35℃に低下させ、凍結乾燥機内の圧力を約10 Pa (約75ミリトール)に低下させる。−35℃に8時間保持した後、上記トレーの温度を約1℃/時の速度で10℃に、次いで、約2.5℃/時の速度で25℃の温度に達するまで上昇させる。凍結乾燥中、水分は、凍結コラーゲンスラリーから昇華し、網状ポリウレタンマトリックス片の孔内に付着した多孔質コラーゲンマトリックスを残す。圧力を1気圧に戻す。
必要に応じて、上記多孔質コラーゲンコーティングポリウレタンマトリックス片を窒素ガス流内での約110℃、24時間のさらなる加熱処理に供してコラーゲンを架橋させ、それによってさらなる構造的一体性を付与する。
実施例11
コラーゲンコーティングエラストマーマトリックスチューブの作製
直径10mmおよび長さ30mmと計測した、実施例3に従って製造した網状ポリウレタンマトリックスの円筒状片を、直径50mmおよび長さ100mmの円筒状プラスチックモールド中に入れる。実施例10に記載した工程の後、水性コラーゲンスラリーを上記モールド内に注ぎ込み、網状ポリウレタンマトリックスの上記円筒状片を完全に浸漬する。
上記スラリー含有モールドを実施例10におけるようにして冷却し、減圧下に置く。水を実施例10におけるようにして昇華により除去し、モールドから取出すと、多孔質円筒状プラグが形成されている。この円筒状コラーゲンコーティングエラストマープラグは、必要に応じて、実施例10で述べたようにして、加熱処理により架橋させ得る。直径5mmと計測した穴がプラグ中心を貫いており、チューブ、即ち、中空円筒体を形成している。
上記チューブを血管奇形、例えば、動脈瘤の治療に使用しなければならない場合、その外径を血液搬送血管の内径と実質的に合せるように選定し、その長さを動脈瘤の口部に重ね合せるように選定する。
架橋網状ポリウレタンマトリックスの作製
2種類の芳香族イソシアネート、即ち、RUBINATER 9433とRUBINATE 9258 (各々Huntsman社から入手;各々、4,4'-MDIおよび2,4'-MDIの混合物を含む)をイソシアネート成分として使用した。RUBINATE 9433は、約65質量%の4,4'-MDI、約35質量%の2,4'-MDIを含有し、約2.01のイソシアネート官能性を有する。RUBINATE 9258は、約68質量%の4,4'-MDI、約32質量%の2,4'-MDIを含有し、約2.33のイソシアネート官能性を有する。変性1,6-ヘキサンジオールカーボネート (PESX-619;Hodogaya Chemical社、日本)、即ち、約2,000ダルトンの分子量を有するジオールをポリオール成分として使用した。これらの成分の各々は、25℃で液体である。使用する架橋剤は、三官能性であるグリセリンであった。水は、発泡剤として使用した。ゲル化用触媒は、ジブチル錫ジラウレート (DABCO T-12、Air Products社から供給)であった。発泡用触媒は、ジプロピレングリコール中の第3級アミン、33%トリエチレンジアミン(DABCO 33LV、Air Products社から供給)であった。シリコーン系界面活性剤を使用した(TEGOSTABR BF 2370、Goldschmidt社から供給)。気泡開放剤は、ORTEGOLR 501であった(Goldschmidt社から供給)。使用した成分の割合を下記の表2に示す。
表2
発泡体の平均孔径は、光学顕微鏡で観察したとき、300〜400μmであった。
以下の発泡体試験をASTM D3574に従い実施した。密度は、50mm×50mm×25mmと計測した試験片により測定した。密度は、サンプルの質量を試験片の容積で割ることによって測定する;2.5 lbs/ft3 (0.040 g/cc)の値が得られた。
引張試験は、発泡体立上り方向に対し平行および垂直双方に切断したサンプルにおいて実施した。ドッグ・ボーン(犬用ホネ)型引張試験片は、各々約12.5m厚、約25.4mm幅および約140mm長の発泡体ブロックから切断した。引張特性(強度および破壊時伸び)は、INSTRON Universal Testing Instrument Model 1122を使用して、19.6インチ/分(500mm/分)のクロスヘッド速度により測定した。発泡体立上りに対し2つの直交方向において測定した引張強度は、約276 KPa [約40 psi (28,000 kg/m2)]〜約483 KPa [約70 psi (49,000 kg/m2)]の範囲であった。破壊までの伸びは、方向にかかわりなくおよそ76%であった。
発泡体の圧縮強度は、50mm×50mm×25mmと計測した試験片により測定した。試験は、INSTRON Universal Testing Instrument Model 1122を使用して、0.4インチ/分(10mm/分)のクロスヘッド速度により測定した。50%および75%圧縮時での圧縮強度は、それぞれ、約290 KPa [約42 psi (29,400 kg/m2)]および約910 KPa [約132 psi (92,400 kg/m2)]であった。
発泡体の引裂抵抗強度は、およそ152mm×25mm×12.7mmと計測した試験片により測定した。40mm切断を各試験片の1面で行った。引裂試験は、INSTRON Universal Testing Instrument Model 1122を使用して、19.6インチ/分(500mm/分)のクロスヘッド速度により測定した。引裂強度は、約2.3 lbs/インチ (約411 g/cm)であると測定した。
その後の網状化手順においては、発泡体のブロックを圧力チャンバー内に入れ、チャンバーのドアを閉じ、気密密閉を維持する。圧力を下げてチャンバー内の実質的に全ての空気を除去する。可燃比の水素対酸素ガスをチャンバー内に導入する。その後、チャンバー内のガスをスパークプラグより発火させる。発火により、発泡体気泡構造内のガスを爆発させる。この爆発は、発泡体気泡窓の多くを吹き飛ばし、それによって網状エラストマーマトリックス構造を発生させる。
架橋網状ポリウレタンマトリックスの作製
実施例12の未網状化発泡体の化学網状化を、該発泡体を30質量%の水酸化ナトリウム水溶液中に25℃で2週間浸漬することによって実施する。その後、サンプルを繰返し水洗し、100℃のオーブン内で24時間乾燥させる。得られるサンプルは、網状化されている。
実施例14
架橋網状ポリウレタンマトリックスの作製
イソシアネート成分は、実施例12で述べているようなRUBINATE 9258であった。ポリオール成分は、約2,000ダルトンの分子量を有する1,6-ヘキサンジオールカーボネート (PCDN-980R;Hodogaya Chemical社、日本)であった。このポリオールは25℃で固体であるが、上記イソシアネートはこの温度では液体である。水を発泡剤として使用した。実施例12のゲル化用触媒、発泡用触媒、界面活性剤および気泡開放剤を使用した。使用する成分の割合を下記の表3に示す。
表3
上記発泡体の密度、引張特性、および圧縮強度は、実施例12に記載しているようにして測定した。発泡体の密度は、2.5 lbs/ft3 (0.040 g/cc)であった。発泡体立上りに対し2つの直交方向において測定した引張強度は、約193 KPa [約28 psi (約19,600 kg/m2)]〜約296 KPa [約43 psi (約30,100 kg/m2)]の範囲であった。破壊までの伸びは、方向にかかわりなくおよそ230%であった。50%および75%圧縮での圧縮強度は、それぞれ、約117 KPa [約17 psi (約11,900 kg/m2)]および約234 KPa [約34 psi (約23,800 kg/m2)]であった。
上記発泡体を実施例12に記載した手順により網状化させる。
架橋ポリウレタンマトリックスの作製
芳香族イソシアネートRUBINATE 9258をイソシアネート成分として使用した。RUBINATE 9258は、25℃で液体である。ポリオール,1,6-ヘキサメチレンポリカーボネート(Desmophen LS 2391、Bayer Polymers社)、即ち、約2,000ダルトンの分子量を有するジオールをポリオール成分として使用し、25℃で固体であった。蒸留水を発泡剤として使用した。使用した発泡用触媒は、第3級アミンDABCO 33LVであった。TEGOSTABR BF 2370をシリコーン系界面活性剤として使用した。ORTEGOLR 501を気泡開放剤として使用した。粘度調整剤プロピレンカーボネート(Sigma-Aldrich社から供給)は、粘度を下げるために存在した。使用した成分の割合を下記の表4に示す。
表4
4.2gの蒸留水を0.66gの発泡用触媒と小プラスチックカップ内でガラス棒により60秒間混合して“システムB”を調製した。
システムBを、システムA中に、こぼれを回避しながらできるだけ速く注入した。各成分を上述のようにしてドリルミキサーにより10秒間激しく混合し、その後、アルミニウムホイルでカバーした内表面を有する22.9cm×20.3cm×12.7cm (9インチ×8インチ×5インチ)ダンボール箱内に注ぎ込んだ。発泡プロフィールは、次のとおりである:10秒の混合時間、18秒のクリーム時間、および85秒の発泡時間。
発泡開始、即ち、システムAとBを混合した時点の2分後、発泡体を100〜105℃に維持した再循環送風炉内に入れ、1時間硬化させた。その後、発泡体を炉から取出し、15分間で約25℃に冷却した。皮膜を、帯鋸を使用して、各面から除去し、手圧を発泡体の各面に加えて気泡窓を開放させた。発泡体を再循環送風炉内に写し、100〜105℃でさらに5時間後硬化させた。
上記発泡体の平均孔径は、光学顕微鏡観察により測定して、約150μm〜約450μmであった。
引張試験は、発泡体立上り方向に対し平行または垂直のいずれかで切断したサンプルにおいて実施した。ドッグ・ボーン型引張試験片は、発泡体ブロックから切断した。各ブロックは、約12.5m厚、約25.4mm幅および約140mm長と計測した。引張特性(引張強度および破壊時伸び)は、INSTRON Universal Testing Instrument Model 1122を使用して、19.6インチ/分(500mm/分)のクロスヘッド速度を使用して測定した。発泡体立上りに対し2つの直交方向からの測定値を併せることによって測定した平均の引張強度は、169.89±16.20 KPa [24.64±2.35 psi (17,250±1,650 kg/m2)]の範囲であった。破壊までの伸びは、215±12%であった。
圧縮試験は、50mm×50mm×25mmと計測した試験片を使用して実施した。試験は、INSTRON Universal Testing Instrument Model 1122を使用して、0.4インチ/分(10mm/分)のクロスヘッド速度により実施した。50%圧縮での圧縮強度は、82.74±20.68 KPa [12±3 psi (8,400±2,100 kg/m2)]であった。サンプルを50%圧縮に40℃で22時間供し、その後、圧縮応力を解除した後の圧縮永久歪みは、約2%であると測定した。
発泡体の引裂抵抗強度は、およそ152mm長×25mm幅×12.7厚mmと計測した試験片により測定した。各試験片の長さ方向での40mm長の切断を、試験への厚さを通し1つの25mm幅面の中心から始めて行った。引裂試験は、INSTRON Universal Testing Instrument Model 1122を使用して、19.6インチ/分(500mm/分)のクロスヘッド速度を使用して測定した。引裂強度は、2.9±0.1 lbs/インチ (1.32±0.05 g/cm)であると測定した。
架橋ポリウレタン発泡体の網状化
実施例15に記載した発泡体の網状化を、以下の手順により実施した。15.25cm×15.25cm×7.6cm(6インチ×6インチ×2インチ)と計測した発泡体ブロックを圧力チャンバーに入れ、チャンバーのドアを閉鎖し、周辺雰囲気に対する気密密閉を維持した。チャンバー内の圧力を少なくとも約2分間の排気により約13.3 Pa (約1000ミリトール)よりも低く低下させて、発泡体内の実質的に全ての空気を除去した。燃焼を維持するのに十分な比率で存在する水素対酸素ガス混合物を、約3分に亘って導入した。その後、チャンバー内のガスをスパークプラグにより発火させた。発火により、ガス混合物を発泡体内で爆発させた。爆発により、隣接孔間の気泡壁の多くが吹き飛ばされ、それによって網状エラストマーマトリックス構造を形成するものと信じられた。
引張試験を実施例15で述べたようにして行った。平均引張強度は、約162 KPa [約23.5 psi (約16,450 kg/m2)]であると測定した。破壊までの伸びは、約194%であると測定した。
発泡体の網状化後圧縮強度を実施例15で述べたようにして実施した。50%圧縮時の圧縮強度は、約44.8 KPa [約6.5 psi (約4,550 kg/m2)]であると測定した。
上記孔構造およびその内部連結度を、実施例15に記載しているようなLiquid Extrusion Porosimeterを使用して特性決定する。上記網状発泡体の液体進入体積は28 cc/gであると測定し、上記網状発泡体を通る水の透過度は、413 L/分/psi/cc (0.59 L/分/(kg/m2)/cc)であると測定した。これらの結果は、例えば、上記網状発泡体の相互連結性および連続孔構造を実証している。
軟質セグメント架橋網状ポリウレタンマトリックスの作製
約2.3のイソシアネート官能性を有する高分子4,4'-MDI (PAPI 901、Dow社より供給)をイソシアネート成分として使用する。2種類の各々おおよそ3官能性であるポリエーテルポリオールVORANOL 4703とVORANOL 4925 (Dow社より供給)をポリオール成分として使用する。アルカノールアミン連鎖延長剤ジエタノールアミン(Eastman Kodak社から供給)を使用する。水を発泡剤として使用する。発泡およびゲル化用触媒は、2,2'-オキシビス(N,N-ジメチルエチルアミン)/グリコール混合物(NIAXR A-1、OSI Specialties社から供給)である。発泡剤用触媒は、ジプロピレングリコール中33%第3級アミン、トリエチレンジアミン(DABCO 33LV)である。シリコーン系界面活性剤を使用する(DC 5241、Dow Corning社から供給)。使用する成分の割合は、下記の表5に示す。
発泡体を、実施例13に記載した手順により網状化させる。
凍結乾燥による網状ポリカーボネートポリウレタンマトリックスの作製
DMSO中の10質量%のBIONATER 80A級ポリカーボネートポリウレタンの均質溶液を、DMSO中のBIONATEペレットを5rpmで回転する回転スパイダーを使用して3日間タンブリングし、攪拌することによって調製する。溶液は、密閉容器内で実施して溶媒損失を最小限にする。
溶液を浅いプラスチックトレーに入れ、27℃で30分間保持する。凍結乾燥機トレー温度を1.0℃/分の冷却速度で-10℃に低下させ、凍結乾燥機内の圧力を6.7 Pa(50ミリトール)に低下させる。24時間後、トレーの温度を約0.5℃/時の速度で8℃に上昇させ、その温度で24時間保つ。その後、トレーの温度を、約1℃/時の速度で、25℃の温度に達するまでさらに上昇させる。その後、トレーの温度を、約2.5℃/時の速度で、35℃の温度に達するまで上昇させる。凍結乾燥中、DMSOは昇華して、網状ポリカーボネートポリウレタンマトリックス片を残す。圧力を1大気圧に戻して、上記片を凍結乾燥機から回収する。
残存し得るDMSOは、上記片を繰返し水洗することにより、上記片から洗い出す。洗浄した片を風乾させる。
本明細書においてまたは本特許出願において参照した米国特許および特許出願の各々、外国および国際特許公報の各々、他の公開物の各々、並びに未公開特許出願の各々の開示事項は、その全体を本明細書に合体させる。
本発明の具体的な態様を上記で説明してけれども、勿論、多くの種々の修正が当業者にとって明らかであろうし、或いは技術の発展につれて明らかになり得ることを理解されたい。そのような修正は、本明細書において開示された発明の精神および範囲に属するものとする。
12 網状固相
14 連続相互連結空隙相
16 支柱
18 交差点
20 孔
22 気泡壁
80 粒子
82 容器
84 荷重拡散用プレート
86 粒子の接触点
Claims (32)
- 弾力的に圧縮可能な網状エラストマーマトリックスであって、その中で空隙空間を規定する固形構造体の連続ネットワークを含むエラストマーマトリックスであって、前記空隙空間が前記マトリックスの内部から外側表面に延長された相互連結通路の連続ネットワークを形成する相互連結された複数の孔を含み、前記マトリックスが、(i)ポリカーボネートポリオールと、及び(ii)2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアネート成分を少なくとも5質量%含む前記イソシアネート成分とを含む混合物の反応により形成される生体適合性であり、架橋されたポリカーボネートポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン−尿素又はこれらの混合物を含む前記マトリックスを含む、その中で組織内殖を促進させるための埋込み可能な装置。
- 該埋込み可能な装置が少なくとも29日間は生体耐久性である、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 該エラストマーマトリックスがポリカーボネートポリウレタンを含む、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 該埋込み可能な装置が少なくとも6ヶ月間は生体耐久性である、請求項3記載の埋込み可能な装置。
- 複数の孔を含む網状エラストマーマトリックスを含み、前記孔が少なくとも100μmの平均直径または他の最大横断寸法を有する、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 孔が250μm〜900μmの平均直径または他の最大横断寸法を有する、請求項3記載の埋込み可能な装置。
- 複数の孔を含む網状エラストマーマトリックスを含み、前記孔が275μm〜700μmの平均直径または他の最大横断寸法を有する、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 複数の孔を含む網状エラストマーマトリックスを含み、前記孔が300μmより大きく900μm以下の平均直径または他の最大横断寸法を有する、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 該埋込み可能な装置を緩和形状から送達装置を介する送達のための第1のコンパクト形状へ圧縮すると、生体外で、少なくとも1の次元において前記緩和形状の少なくとも50%のサイズ、場合により、少なくとも80%のサイズの第2の作動形状まで膨張するような、弾力的に圧縮可能なエラストマーマトリックスを含む、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 該エラストマーマトリックスの回復特性は、緩和寸法の90%〜10%まで圧縮した後に、第2の作動形状の寸法が緩和形状の緩和寸法の50%以内であるような特性であり、前記エラストマーマトリックスが、6.9 kPa[1 psi (700 kg/m2)]〜1379 kPa [200 psi (140,000 kg/m2)]の50%圧縮時圧縮強度、6.9 kPa [1 psi (700 kg/m2)]〜517 kPa [75 psi (52.500 kg/m2)]の引張強度および少なくとも76%の極限引張伸びを有する、請求項9記載の埋込み可能な装置。
- 該エラストマーマトリックスが、1の方向でその厚さの50%まで25℃で22時間圧縮した後に、30%以下、場合により10%以下の圧縮永久歪みを有する、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 前記イソシアネート成分が、更に、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートを含む、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 網状エラストマーマトリックスが、網状エラストマーマトリックス中での細胞の内殖および増殖が可能であるように形状化されている、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 該ポリカーボネートポリオールが二官能性ポリカーボネートジオールを含む、請求項1記載の埋め込み可能な装置。
- 二官能性ポリカーボネートジオールが1,6-ヘキサメチレンポリカーボネートジオールである、請求項14記載の埋め込み可能な装置。
- 該イソシアネート成分が、更にテトラメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,2-ジイソシアネート、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレン-ビス-(p-シクロヘキシルイソシアネート)、p-フェニレンジイソシアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート、m-テトラメチルキシレンジイソシアネートまたはこれらの混合物を含む、請求項1記載の埋め込み可能な装置。
- 該イソシアネート成分がイソシアネート指数を有し、前記イソシアネート指数が0.9〜1.029である、請求項16記載の埋め込み可能な装置。
- 該イソシアネート指数が0.98〜1.02である、請求項17記載の埋め込み可能な装置。
- 該イソシアネート指数が0.9〜1.029である、請求項17記載の埋め込み可能な装置。
- 血管奇形を治療するための請求項1記載の埋込み可能な装置であって、
緩和形状から第1のコンパクト形状に圧縮され、送達装置によって、生体内の血管奇形の部位まで送達され、前記生体内部位で第2の作動形状に膨張される、前記装置。 - 該埋込み可能な装置が複数のエラストマーマトリックスを含む、請求項20記載の装置。
- 該エラストマーマトリックスが、1の次元においてその厚さの50%まで25℃で22時間圧縮した後に、5%以下の圧縮永久歪みを有する、請求項11記載の埋込み可能な装置。
- 該イソシアネート成分が、ジフェニルメタンジイソシアネートを含み、前記ジフェニルメタンジイソシアネートが少なくとも5質量%の2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートと残りの主成分4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートとの混合物である、請求項12記載の埋込み可能な装置。
- 該イソシアネート成分における分子当りのイソシアネート基の平均数が2より大きい、請求項23記載の埋込み可能な装置。
- 該イソシアネート成分における分子当りのイソシアネート基の平均数が2.2より大きい、請求項24記載の埋込み可能な装置。
- 該埋込み可能な装置が、その埋込み可能な装置が存在する生物学的部位を充填する、請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 該網状エラストマーマトリックスが、修復又は置き換えられる組織へ組込まれる、請求項13記載の埋込み可能な装置。
- 外科切開送達装置によって挿入される、血管奇形を治療するための請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 送達装置によって挿入される、血管奇形を治療するための請求項1記載の埋込み可能な装置。
- 医薬活性剤を含んでいる埋込み可能な網状エラストマーマトリックス装置を製造する方法であって、
少なくとも1の医薬活性剤とポリカーボネートポリオール及び少なくとも5質量%の2,4'-ジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアネート成分を含むイソシアネート成分とを混合して、前記混合物からエラストマーマトリックスを形成し、網状化方法によって前記エラストマーマトリックスを網状化して網状エラストマーマトリックスを提供すること;を含む前記方法。 - 更に少なくとも1の医薬活性剤を、前記網状エラストマーマトリックス上にコーティングする工程を含む、請求項30記載の方法。
- 請求項30記載の方法によって得られる製品。
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