JP5110087B2 - レーザ発振器内出射ミラーの劣化状態測定方法およびレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ発振器内出射ミラーの劣化状態測定方法およびレーザ加工装置 Download PDF

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Description

この発明は、レーザ発振器内の部分反射ミラーの劣化状態を測定する測定方法およびレーザ加工装置に関するものである。
レーザ発振器から発振されるレーザビームは、指向性・集光性に優れているため、レンズやミラーによる微小スポットへの集光が容易であり、高エネルギー密度を得ることが可能である。そのためレーザ発振器は、切断・穴あけ・溶接・熱処理などの加工分野において近年多く利用されている。
レーザ発振器は一般的に、レーザビームが出射される側に配置されている部分反射ミラー(以後、出射ミラーと呼ぶ)が1枚と、それ以外の1枚または複数枚の全反射ミラーにより構成されており、レーザビームがミラー間を多重反射することにより増幅され発振する原理になっている。このレーザ発振器を長時間使用した場合、レーザ発振器内にあるミラーのコーティング層の劣化や、ミラー材料自身の劣化により、ミラーにおけるレーザビームの吸収が発生し、ミラー内部に不均一な温度分布が生じてしまう。不均一な温度分布は、不均一な屈折率分布を生じさせることとなり、レーザビーム特性の変化やレーザビームのビームパワーの低下が生じるため、加工品質を維持するにはレーザ発振器内にあるミラーの定期的な清掃・交換、所謂メンテナンスが必要となる。特に、出射ミラーは、それ以外の全反射ミラーと比較して、レーザビームが透過するためレーザビームの吸収が発生しやすく、かつ裏面からの冷却が困難であり側面からの冷却のみとなるため、ミラー内部に不均一な温度分布が生じやすい。
そのため従来においては、加工品質を維持するために、ミラーの劣化状態を測定することなく、経験的に得られた基準時間を目安にレーザ発振器内にある出射ミラーのメンテナンスが実施されている。
上記メンテナンスの場合、レーザビーム吸収率などの光学部品の初期特性値の個体差・使用環境・使用条件等により発生するミラー劣化状態の個体差が考慮されていないという問題がある。ミラー劣化が、メンテナンスの目安となる基準時間よりも早く進行した場合、メンテナンス前に加工品質の低下が発生するため、生産を中止し、緊急メンテナンスを実施することになる。メンテナンスには時間を要し、さらに交換部品や作業を行うサービスマンの手配が遅れた場合、生産を中止する期間が長くなり、生産ラインに大きな影響を与えてしまう。ミラー劣化が、メンテナンスの目安となる基準時間よりも遅く進行した場合、加工品質が良好であるにも関わらず、メンテナンスを実施することにより、切り捨てられるミラー使用可能時間が発生し、メンテナンス費用の増大になる。
また、上記緊急メンテナンスやメンテナンス費用の増大という問題点を回避するために、ビームプロファイル検出器によりレーザビーム径を検出し、この径の稼動時間に対する変化量により出射ミラーの劣化状態を定量的に測定するレーザ装置が、従来用いられることもあった(例えば、特許文献1参照)。
特開平7―245437号公報
しかし、上記従来のレーザ装置の場合、レーザビーム径を検出するためにビームプロファイル検出器という高価な測定器が必要となり、システムのコスト増大になる。また、初期状態におけるレーザビーム径との比較により出射ミラーの劣化状態を測定するため、初期状態において出射ミラーに劣化等の初期異常があったとしても、その時点で異常を発見することは不可能である。さらに、レーザ発振器内にあるレーザガスなどのレーザ媒体の劣化のように、出射ミラーの劣化以外の要因によりレーザビーム径が変化した場合、出射ミラーとそれ以外の要因を切り分けることは不可能である。
この発明は、前述のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、安価で簡易な構成により出射ミラーの劣化状態を測定できるレーザ加工装置を得るものである。第2の目的は、初期状態におけるレーザビーム径との比較を行わずに、出射ミラーの劣化状態の測定や初期状態における出射ミラーの異常を定量的に評価することができるレーザ加工装置を得るものである。
この発明に係る評価装置は、レーザ発振器から出射されるレーザビームのビームパワーを測定するビームパワー測定センサーと、レーザ発振器とビームパワー測定センサーの間にありレーザビームの中心部分のみを透過させるためのアパーチャと、レーザ発振器の所定の熱負荷状態におけるビームパワー測定センサーの測定値により出射ミラーの劣化状態を数値化する制御装置から構成されており、高ビームパワーのレーザビームを発振することにより出射ミラーを高熱負荷状態とし、アパーチャから透過してくるレーザビームのビームパワーを測定することにより、出射ミラーの劣化状態の評価をおこなうものである。
この発明は、レーザ発振器への熱負荷状態を変化させてアパーチャを透過するレーザビームのビームパワーを測定することにより、安価で簡易な構成により、出射ミラーの劣化状態を定量的に評価することが出来る。この発明における測定方法により、出射ミラーの劣化状態を定期的に測定することにより、加工品質の低下を未然に防止することが可能となる。
この発明の実施の形態1を示すレーザ加工装置の構成図である。 この発明の実施の形態1を示すレーザ加工装置の他の構成図である。 劣化していない出射ミラーにおいて、パルス周波数を変化させたときのレーザビームのビームパワーの測定結果を示したグラフである。 稼働時間4000時間の出射ミラーにおいて、パルス周波数を変化させたときのレーザビームのビームパワーの測定結果を示したグラフである。 出射ミラー劣化状態が軽い場合と重い場合の、各レーザビームの伝播の様子を示す概念図である。 この発明の実施の形態1を示す出射ミラー劣化状態測定方法のフローチャート図である。 この発明の実施の形態1である出射ミラー劣化状態測定方法において測定されるレーザビームのビームパワーの測定結果を示したグラフである。 この発明の実施の形態1を示すレーザ加工装置の測定制御装置内のブロック図である。 出射ミラーの劣化指数に対する焦点位置変化量を示した表である。 各種材料の切断加工における焦点裕度を示した表である。 この発明の実施の形態2を示す出射ミラー劣化状態測定方法のフローチャート図である。 この発明の実施の形態1である出射ミラー劣化状態測定方法における測定もしくは算出されるレーザビームのビームパワーを示したグラフである。 この発明の実施の形態2を示すレーザ加工装置の測定制御装置内のブロック図である。 稼働時間4000時間の出射ミラーにおいて、アパーチャの各開口径におけるパルス周波数を変化させたときのレーザビームのビームパワーの測定結果を示したグラフである。 稼働時間4000時間の出射ミラーにおいて、アパーチャの各開口径と劣化指数との関係を示したグラフである。 アパーチャの開口径がレーザビーム径に対して十分小さい場合の、アパーチャ透過前後のレーザビームの強度分布を示した概念図である。 アパーチャの開口径がレーザビーム径に対して略同等の場合の、アパーチャ透過前後のレーザビームの強度分布を示した概念図である。 この発明の実施の形態4を示すレーザ加工装置の構成図である。 実施の形態5における出射ミラー劣化状態の測定結果を示した図。 実施の形態5において出射ミラー劣化状態測定の制御フローチャートを示した図。 この発明の実施の形態5を示すレーザ加工装置の測定制御装置内のブロック図である。 この発明の実施の形態6を示すレーザ加工装置の構成図である。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1による出射ミラーの劣化状態測定方法及びレーザ加工装置を、図1〜図17を用いて説明する。図1および図2は、この発明を実施するための実施の形態1における出射ミラーの劣化測定が可能なレーザ加工装置を示すものである。図1および図2に示したように、本実施の形態に係るレーザ加工装置は、レーザビームが出射される側に配置されている1枚の出射ミラー2と、それ以外の1枚または複数の全反射ミラー3(本実施の形態においては1枚)より共振器を構成するレーザ発振器1と、このレーザ発振器1から出射されたレーザビーム4をワーク12まで伝播する複数のミラー8,9,10と、伝播されたレーザビーム4をワーク12上に集光する集光レンズ11と、ワーク12を載せてレーザビーム照射位置をワーク12上の任意の位置に移動させるXYテーブル13と、レーザ発振器1とXYテーブル13の動作を制御する加工制御装置14を備えている。
さらに、出射ミラー2の劣化状態を測定するために、レーザ発振器1から出射されたレーザビームのビームパワーを測定するビームパワー測定センサー6と、このビームパワー測定センサー6に入射するレーザビーム4の周辺部分を遮蔽し中央部分のみを透過させるためのアパーチャ5と、このビームパワー測定センサー6とアパーチャ5を、レーザビーム光路上へ出し入れするための駆動装置15と、出射ミラー2の劣化測定時のレーザ発振器1の動作やビームパワー測定センサー6および駆動装置15を制御する測定制御装置7を備えている。そして、ビームパワー測定センサー6とアパーチャ5は、出射ミラー2の劣化状態を測定するときには、図1のようにレーザ加工装置のレーザビーム光路上に配置され、ワーク12を加工中は、図2のようにレーザビーム光路の外に配置されるように、駆動装置15と測定制御装置7により移動する。ここで、ビームパワー測定センサー6は、レーザの熱エネルギーを電流や電圧に変換する単純な構造のものでよく、特許文献1に記載されたような強度分布を測定するためのCCDのような高価な測定器である必要は無い。
なお、本実施の形態1にかかるレーザ加工装置の光学系の構成の1例を示すと、レーザ発振器1からアパーチャ5までの距離は700mmであり、アパーチャ5から集光レンズ11までの距離は1300mmである。また、アパーチャ5の開口径は、レーザ発振器1から出射されるレーザビーム4の径φ5.0mmの50%であるφ2.5mmとし、レーザビーム4のパルス幅は1msとした。レーザビーム径は、パルスピークパワーに対して1/eのパワーでのレーザビーム径とする。
ここで、レーザ発振器1から出射されたレーザビーム4の、ビームパワー測定センサー6でのビームパワー測定値と、パルス周波数の変化およびアパーチャ5の有無との関係について説明する。レーザビームのパルスピークパワーおよびパルス幅(1ms)は固定としておく。
図3は、レーザビーム4のパルス周波数を100Hzから1000Hzまで100Hz刻みで変化させたときの、アパーチャ5の有無それぞれに対してのビームパワー測定センサー6でのレーザビームのビームパワーの測定結果である。100Hzから1000Hzとしたのは、本実施の形態に示したレーザ加工装置において、レーザ加工に用いるレーザビームのビームパワーの最小の場合と最大の場合のパルス周波数としたためである。特に1000Hzは、パルス幅が1msであるので、1000Hzで連続出射となり、それ以上パルス周波数は上げられない値である。また、レーザビームのビームパワー測定は、出射ミラーの温度がほとんど変化しない熱平衡状態になった時点で行っており、本実施の形態に示したレーザ加工装置においては、レーザを出射してから約10s後に測定を行っている。なお、出射ミラー2は劣化していない新品のものを使用している。図3に示されたとおり、アパーチャ5の有無に係らず、パルス周波数の変化に対しレーザビームのビームパワーは略正比例して変化する。レーザビームのビームパワーは、レーザビームの1パルスのエネルギーとパルス周波数の積で決定されるからである。また、アパーチャ5のある場合は、無い場合に比べてレーザビーム4の周辺部が遮蔽されているので、その分レーザビームのビームパワーが減少するが、アパーチャ5の無いときと同様に略正比例で変化する。
一方、劣化した出射ミラー2を用いて、レーザビーム4のパルス周波数を100Hzから1000Hzまで100Hz刻みで変化させたときの、アパーチャ5の有無それぞれに対してのビームパワー測定センサー6でのビームパワーの測定結果を図4に示す。図4に示されたとおり、アパーチャ5が無い場合の測定結果は、出射ミラー2が劣化していない図3と略同じである。しかし、アパーチャ5がある場合の測定結果は、図3と明らかに異なっていることがわかる。
以下、アパーチャ5がある場合に、出射ミラー2の劣化有無によりレーザビームのビームパワーの測定値に差が生じる理由について説明する。
出射ミラー2のコーティング層の劣化や、ミラー材料自身に劣化がある場合、出射ミラー2におけるレーザビーム4の吸収が発生し、出射ミラー2内に不均一な温度分布が生じる。不均一な温度分布は、不均一な屈折率分布を生じる原因となり、レーザビーム特性の変化やレーザビームのビームパワーの低下が生じる。一般的に、レーザビーム強度が高い出射ミラー2の中心部分ほど劣化が生じやすく、また出射ミラー2は部分反射ミラーのため、裏面からの冷却が困難であり側面からの冷却のみとなるため、出射ミラー2の中央部分の温度が上昇しやすく、出射ミラー2の中央部分の屈折率が大きくなりやすい。そのため、出射ミラー2の周辺部分と中央部分で屈折率に差が生じ、所謂熱レンズ状態となりレーザビームを集光するようになる。
不均一な温度分布による出射ミラー2の中央部分と周辺部分との屈折率の違いは、出射ミラー劣化状態や出射ミラーを透過するレーザビームのビームパワー(所謂、熱負荷状態とも言える)に比例して大きくなり、レーザビームをより集光するようになる。
図5は、劣化した出射ミラー2aにおける熱負荷状態の軽い場合と重い場合の、レーザビーム4の集光度合いの変化を模式的に示した図である。図5(a)は、熱負荷状態が軽い場合を示し、図5(b)は、熱負荷状態が重い場合を示している。パルス周波数が100Hzの場合は、出射ミラー2aの熱負荷状態が軽いため、出射ミラー2aにはほとんど温度分布が発生せず、レーザビームに対し集光する作用はほとんど無い。そのため、図5(a)に示したように、出射ミラー2aを透過したレーザビーム4aは、ほぼ平行のままアパーチャ5に照射され、アパーチャ中央部分を透過したレーザビーム20aのみがビームパワー測定センサーに照射される。
しかし、パルス周波数が1000Hzの場合は、出射ミラー2aの熱負荷状態が重いため、出射ミラー2aには急勾配な温度分布が発生し熱レンズ状態となる。そのため、図5(b)に示したように、出射ミラー2aを透過したレーザビーム4bは集光されてアパーチャ5に照射される。そのため、図5(a)に比べ、アパーチャ5の中央部分により多くのレーザビーム4bが集中してアパーチャ5を透過するので、パルス周波数が100Hzから1000Hzに増加した、すなわち10倍に増加した以上のビームパワーが、ビームパワー測定センサー6で測定される。
一方、劣化していない出射ミラー2の場合は、パルス周波数の高低に係らず温度分布はほとんど発生しないため、パルス周波数が100Hzでも1000Hzでも図5(a)と同様なレーザビームの状態となる。すなわち、劣化していない出射ミラーの場合、パルス周波数100Hzでのビームパワー測定値に対し1000Hzでのビームパワー測定値は略10倍となる。そのため、図4および図3に示したように、アパーチャ5の中央部分を透過するレーザビーム20のビームパワーは、パルス周波数100Hzの場合は、劣化した出射ミラーと劣化していない出射ミラーとの間ではほとんど差は見られない。しかし、パルス周波数1000Hzの場合は、劣化した出射ミラーのほうが劣化していない出射ミラーよりもレーザビームのビームパワーが大きくなる。
なお、アパーチャ5が無い場合は、ビームパワー測定センサー6によりレーザビーム4の全体のビームパワーを測定してしまうので、熱レンズの発生にかかわらず、劣化していない出射ミラーと劣化した出射ミラーとでは、図3および図4に示したように、ビームパワー測定値はほとんど変わらない。すなわち、レーザビームの強度分布は熱レンズの発生によって変化するものの、レーザビーム全体としてのビームパワーはほとんど変化しないということである。もちろん、劣化した出射ミラー2においては若干のレーザビームの吸収はあるが、微少であるために、出射ミラーの劣化の判断には適用困難である。
本願発明は、上述したように、出射ミラーの劣化度合いにより、レーザビームの中央部を透過するアパーチャを透過したレーザビームのビームパワーが、出射ミラーにおける熱負荷状態が重い場合に変化が顕著になることを見出し、これを出射ミラーの劣化状態判定に用いたものである。
次に、上述した作用に基づき、本実施の形態1にかかるレーザ加工装置にて、どのように出射ミラーの劣化状態を測定するかについて、具体的な動作を説明する。図6は、出射ミラー2の劣化状態の測定を行う場合の、測定制御装置7の制御フローチャートである。また、図7は、この制御フロー中に測定もしくは記憶されているレーザビームのビームパワー値をグラフ上に表したものである。また、図8は、測定制御装置7の劣化測定処理を実現するための内部ブロック図である。下記説明時の測定値は、図3に示したデータを測定したときに使用した劣化の無い出射ミラー2、および図4に示したデータを測定したときに使用した稼働時間が4000時間である出射ミラー2を用いた時の値である。以下、図6、図7、図8に基づき説明する。
まず、出射ミラーの劣化状態の測定を行う前に、出射ミラーの交換時等に合わせて、出射ミラーの初期状態でのレーザビームのビームパワーの測定を行っておく。測定は、パルス周波数1000Hz・パルス幅1msにて高ビームパワーのレーザビームを出射して行う。これは、劣化していない状態の出射ミラー2において、熱負荷が重い状態での測定を行うためである。測定されたレーザビームのビームパワーは、ビームパワー基準値(S)として測定制御装置7の第2の記憶部101に記憶しておく。ここで、測定され記憶されたビームパワー基準値(S)は14.7Wであったとする(図7の□点である)。
そして、出射ミラーの劣化状態を測定する必要が生じた場合、まず、オペレータが「出射ミラー汚れ測定」釦を押すことにより測定が開始される(S01)。もちろん、レーザ装置の稼動開始時に自動的に測定動作を行うようにしても良いし、加工プログラムに測定する命令を書き込んで測定動作を行うようにしても良い。
次に、測定制御装置7の制御部102により駆動装置15が動作し、アパーチャ5とビームパワー測定センサー6がレーザビーム光路上に移動する(S02)。
次に、測定制御装置7の制御部102は、加工制御装置14にパルス周波数1000Hz・パルス幅1msにて高ビームパワーのレーザビームを出射するように指示し、所望のレーザビームが出射される。これは、出射ミラー2において熱負荷が重い状態を再現するためである。そして、ビームパワー測定センサー6にてレーザビームのビームパワーを測定し、測定データが測定制御装置7の演算部103に送られる(S03)。ここで、測定されたレーザビームのビームパワーを、高熱負荷時ビームパワー(H)と呼ぶことにする。測定された高熱負荷時ビームパワー(H)は25.0Wであったとする(図7の△印である)。
次に、測定制御装置7の演算部103において、出射ミラー劣化状態を求める(S04)。出射ミラーの劣化状態を示す指標はいろいろと考えられるが、ここではビームパワー基準値(S)に対し、どの程度レーザビームのビームパワーが増えたかの割合を指標として用いた。出射ミラー劣化状態を示す指標(以下劣化指数(D)と呼ぶ)は、下記計算式により求められる。

D(%)=(H−S)÷S×100 ・・・ (式1)

(式1)より、出射ミラーの劣化指数は70.1%となる。
測定制御装置7の比較部104は、得られた出射ミラーの劣化指数と、別途測定制御装置7内の第1の記憶部105に記憶されている判断基準値とを比較し、出射ミラーの劣化指数が判断基準値よりも小さければ、出射ミラーは使用可能な劣化状態と判断する。一方、出射ミラーの劣化指数が判断基準値よりも大きければ、出射ミラーは使用できない程度に劣化していると判断する(S05)。
ステップS05にて出射ミラー2が使用可能な状態と判断された場合、測定制御装置7の制御部102は駆動装置15を動作させ、アパーチャ5とビームパワー測定センサー6がレーザビーム光路上から光路外へ移動される(S06)。これにより出射ミラーの汚れ測定が完了し、通常の加工作業が行われる。
一方、ステップS05にて出射ミラー2が劣化して使用不可能と判断された場合、測定制御装置7の制御部102は、出射ミラー2が劣化していることをオペレータに知らせるべく、アラーム表示部106によりアラーム等を表示する(S07)。
アラームにより、オペレータは出射ミラー2のクリーニングもしくは交換を行う(S08)。もちろん、出射ミラー2のクリーニングや交換は、自動的に行うような装置をレーザ加工装置に組み込み、自動クリーニング等を実施するようにしても良い。出射ミラー2のクリーニングもしくは交換を完了することで、出射ミラー汚れ測定は完了する。
次に、ステップS05で用いた判断基準値の設定の仕方について説明する。
出射ミラー2に劣化が生じた場合、劣化状態に合わせて集光レンズ11による焦点位置、所謂レーザビーム集光ポイントが変化する。出射ミラー2の劣化状態に対する焦点位置変化量を、図9に示す。図9に示した値は、本実施の形態1に係るレーザ加工装置の最小ビームパワーすなわちパルス周波数100Hzでの焦点位置と、最大ビームパワーすなわちパルス周波数1000Hzでの焦点位置との差分を示したものである。これらの値は、実際に加工を行って求めても良いし、シミュレーションで求めても良い。図9はシミュレーションで求めたものである。また、これらの値は、レーザ加工装置における光路部品配置やアパーチャの位置、レーザビームのビームパワーの使用範囲により変化するため、レーザ加工装置毎に算出することが望ましい。本実施の形態1にかかるレーザ加工装置の場合、出射ミラーの劣化指数が70.1%である稼働時間4000時間の出射ミラーにおいては、図9より、焦点位置の変化が熱負荷状態によって最大で約11mm変化することになる。
ここで、本実施の形態1に係るレーザ加工装置により、切断加工を実施した場合の各種材料における焦点裕度を、図10に示す。焦点裕度とは、焦点位置が材料表面から変化しても安定して切断できる焦点位置の許容範囲を示している。出射ミラーの劣化指数が70.1%(焦点位置変化量約11mm)の場合、ステンレス・鉄・アルミニウムのいずれの材料に対しても、安定した切断加工をすることは不可能であることが分かる。逆に、ステンレス・鉄・アルミニウムのいずれの材料に対しても、安定した切断加工をするには、焦点位置変化量が3mm以下で無ければならないので、出射ミラーの劣化指数は35%以下で無ければならないことが、図9よりわかる。すなわち、判断基準値を35%とすればよいということである。よって、各レーザ加工装置毎に、図9や図10に対応したデータを取得することで、ワークの材料により判断基準値を設定することができる。なお、図10に示した値は、本実施の形態1に係るレーザ加工装置の一例における値であり、レーザ加工装置の構成により変化するため、レーザ加工装置毎に算出することが望ましい。
以上により、出射ミラーの熱負荷状態をパルス周波数により変化させアパーチャを透過するレーザビームのビームパワーを測定することにより、簡易で安価な構成で、出射ミラーの劣化状態を定量的に評価することが出来た。
なお、上記実施の形態1では、アパーチャ5やビームパワー測定センサー6のレーザビーム光路上への出し入れを、駆動装置15にて自動的に行うようにしたが、もちろん、オペレータが必要に応じて手作業で出し入れを行っても良い。
また、上記実施の形態1では、出射ミラーの熱負荷が重い状態を再現するために、パルス幅1msに対し、最大のパルス周波数である1000Hzとして測定を行ったが、最大とする必要は無く、できるだけ高ビームパワーで測定を行えば良い。もちろん、図4より、最大のビームパワーで測定を行った方が、出射ミラーの劣化度合いによるビームパワーの差が顕著となり、測定の精度が向上することは言うまでも無い。
また、本実施の形態1では、出射ミラーの劣化状態を(式1)により得られる劣化指数(D)に基づいて判断を行ったが、例えば、測定された高熱負荷時ビームパワー(H)がビームパワー基準値(S)よりどの程度ビームパワーが増加したか単純な差分で判断しても良く、要は、高熱負荷時ビームパワー(H)を判断の対象とすれば良い。
なお、出射ミラー2とアパーチャ5との間には、熱レンズが発生するような光学部品が配置されていないことが重要である。もし、熱レンズが発生するような光学部品が存在すると、出射レンズが劣化していなくても、高熱負荷時ビームパワー(H)が変化してしまう可能性があり、劣化判断が正確に行えないからである。よって、出射ミラー2の劣化状態を判断する場合には、アパーチャ5やビームパワー測定センサー6は、レーザ発振器1の直後に配置されることが望ましい。
実施の形態2.
ところで、実施の形態1におけるレーザ加工装置においては、出射ミラー交換直後の状態を劣化していない状態と見なし、パルス周波数1000Hzでのレーザビームのビームパワーを測定し、この測定値を記憶してビームパワー基準値(S)とした。通常であれば、これで特に問題は無いが、出射ミラーに劣化等の初期異常があった場合には、ビームパワー基準値(S)が不正確となる可能性がある。また、初期状態の測定を行っていなかったために、劣化測定ができないという問題が発生する場合も考えられる。そこで、本実施の形態2におけるレーザ加工装置は、上記問題を解消するために、ビームパワー基準値(S)を初期状態の出射ミラーでの測定で求めるのではなく、劣化測定時に求めることができるものである。レーザ加工装置の構成としては実施の形態1の図1,2と略同様であり、測定制御装置7の動作が異なっているものである。
出射ミラーの劣化測定時にビームパワー基準値(S)を求めることができる理由は以下の通りである。
図3に示したように、劣化していない出射ミラーでは、アパーチャの有無に係らずパルス周波数とビームパワーとが略比例する点、および、図3および図4に示されたように、パルス周波数が100Hzでは出射ミラーの劣化度合いに係らず、ビームパワーがほとんど同じである点に着目した。これにより、劣化測定時にパルス周波数100Hzの低熱負荷状態のレーザビームのビームパワーを測定し、この測定値を劣化していない出射ミラーのものと仮定し、劣化していない出射ミラーにおける1000Hzのビームパワーを比例式で求め、これをビームパワー基準値(S)とすることができるのである。
次に、上述した理由に基づき、本実施の形態2にかかるレーザ加工装置の動作について説明する。図11は、出射ミラー2の劣化状態の測定を行う場合の、測定制御装置7aの制御フローチャートである。実施の形態1におけるフローチャート図6と同じ制御については、同じステップ番号を付している。また、図12は、この制御フロー中に測定もしくは算出されるレーザビームのビームパワー値をグラフ上に表したものである。また、図13は、本実施の形態2に係る劣化測定処理を実現するための、測定制御装置7aの内部ブロック図である。下記説明時の測定値は、図4に示したデータを測定したときに使用した稼働時間が4000時間である出射ミラー2を用いた時の値である。以下、図11、図12、図13に基づき説明する。
まず、実施の形態1の図6と同様に、ステップS01およびステップS02を実施し、劣化状態の測定の準備を行う。
次に、測定制御装置7aの制御部102aは、アパーチャ5とビームパワー測定センサー6の移動が完了した後、加工制御装置14にパルス周波数100Hz・パルス幅1msにて低ビームパワーのレーザビームを出射するよう指示し、所望のレーザビームが出射される。これは、出射ミラー2において熱負荷が軽い状態を再現するためである。そして、ビームパワー測定センサー6にてレーザビームのビームパワーを測定し、測定データが測定制御装置7aの基準値算出部203に送られる(S11)。ここで、測定されたレーザビームのビームパワーを、低熱負荷時ビームパワー(L)と呼ぶことにする。測定された低熱負荷時ビームパワー(L)が、1.5Wであったとする(図12の□点である)。
次に、測定制御装置7aの基準値算出部203は、測定された低熱負荷時ビームパワー(L)を基に、パルス周波数1000Hzでのビームパワー基準値(S)を求める(S12)。上述したとおり、ステップS11での測定値を劣化していない出射ミラーのものと仮定し、劣化していない出射ミラーにおける1000Hzのビームパワーを比例式で求める。よって、ビームパワー基準値(S)は下記計算式により求められる。

S=L×1000Hz÷100Hz ・・・ (式2)

(式2)により、ビームパワー基準値(S)は15.0Wとなる(図12の○印であり、図12の直線は比例直線である)。これは、実施の形態1の測定方法で得られたビームパワー基準値14.7Wと略同じ値であり、(式2)により劣化していない出射ミラーにおける1000Hzのビームパワーが精度良く算出できたことを示している。
次に、実施の形態1の図6と同様にステップS03を実施する。すなわち、パルス周波数1000Hz・パルス幅1msにて高ビームパワーのレーザビームを出射し、出射ミラー2において熱負荷が重い状態を再現する。そして、ビームパワー測定センサー6にてレーザビームのビームパワーを測定し、測定データが測定制御装置7aの演算部103に送られる。実施の形態1の図7同様に、測定された高熱負荷時ビームパワー(H)は25.0Wであったとする(図12の△印である)。
次に、測定制御装置7aの演算部103において、出射ミラー劣化状態を求める(S13)。実施の形態1の図6でのステップS04では、記憶部に記憶されたビームパワー基準値を用いて劣化指数(D)を求めたが、本実施の形態2では、ステップS12で算出されたビームパワー基準値(S)を用いて劣化指数(D)を求める。劣化指数(D)の算出式は実施の形態と同様に(式1)を用いる。(式1)より、出射ミラーの劣化指数は66.7%となる。よって、実施の形態1の場合の測定方法で得られた劣化指数70.1%と略同じ値が得られた。
そして、以降は実施の形態1の図6と同様に、ステップS05からステップS06を経て劣化測定を終了するか、若しくはステップS05からステップS07、S08を経て測定を終了する。
上述した動作により、本実施の形態2に係るレーザ加工装置は、実施の形態1に係るレーザ加工装置に比べ、劣化測定時に低熱負荷時ビームパワー(L)を測定する必要があり、測定時間が若干多く必要となる。しかし、出射ミラーの初期状態でのレーザビームのビームパワーの測定を行うことなく、劣化状態の測定時にビームパワー基準値を求めることができるので、出射ミラーの初期状態の劣化度合いに係らず、劣化状態の測定が行えるという利点がある。また、この特徴から、出射ミラーの初期状態に劣化があるかどうかの判断を行うこともできる。
ところで、劣化測定に用いているアパーチャについて、開口径は実施の形態1,2いずれもレーザビーム径φ5.0mmの50%であるφ2.5mmとして、出射ミラー2の劣化状態を測定した。しかし、アパーチャ5の開口径については適正な範囲があることが実験より明らかになったので、以下アパーチャ開口径の適正化について説明する。
図14は、開口径をφ1.5mmからφ4.5mmまでφ0.5mm刻みで変化させたアパーチャを用いて、レーザビームのパルス周波数とビームパワーの関係を測定した結果を示したグラフである。なお、用いた出射ミラーは、図4と同じ劣化状態66.7%のものである。また、図15は、図14の測定結果に基づき、パルス周波数1000Hzでのレーザビームのビームパワー(すなわち高熱負荷時ビームパワー(H))と、パルス周波数100Hzでのレーザビームのビームパワー(すなわち低熱負荷時ビームパワー(L))から(式2)にて求めたパルス周波数1000Hzでのビームパワー基準値(S)と、この高熱負荷時ビームパワー(H)とビームパワー基準値(S)とを用い(式1)から求めた出射ミラー劣化指数(D)とを、各アパーチャ毎に記載したものである。図14より、アパーチャの開口径が大きいとパルス周波数とビームパワーは比例関係にあり、開口径が小さいほど比例関係からのずれが大きくなる傾向が見られる。また、図15より、アパーチャの開口径が大きいほど劣化指数の測定結果が0.0%に近づき、開口径が小さいほど劣化指数が70%に近づく傾向が見られる。
これは以下の理由による。
図16は、アパーチャ5aの開口径がレーザビーム径に対して十分小さい場合の、アパーチャ5a透過前後のレーザビームの強度分布を示したものである。図16(a)は、劣化した出射ミラーの熱負荷状態が軽い場合の図であり、図16(b)は、熱負荷状態が重く熱レンズ効果によりレーザビーム4bが集光された場合の図である。アパーチャ5aの開口径がレーザビーム径より十分小さい場合、図16に示すように、レーザビーム4の中央部分のみがアパーチャを透過しているため、熱負荷状態によるレーザビーム径の変化がビームパワー測定結果に影響を与えやすい。すなわち、図16(a)に示した熱負荷状態が軽い場合よりも、図16(b)に示した熱負荷状態が重い場合の方が、レーザビーム4の強度分布の中央部分がより強くなり、アパーチャ5aを透過するレーザビーム20の割合が多くなるからである。
一方、図17は、アパーチャ5bの開口径がレーザビーム径に対して略同等の場合の、アパーチャ5b透過前後のレーザビームの強度分布を示したものである。図16と同様に、図17(a)は熱負荷状態が軽い場合の図であり、図17(b)は熱負荷状態が重く熱レンズ効果によりレーザビーム4bが集光された場合の図である。アパーチャ5bの径がレーザビーム径より十分小さくない、すなわちアパーチャ5bの開口径とレーザビーム径が同程度になると、図17(a)に示すように、熱負荷状態が軽いパルス周波数100Hzにおける測定の時点で、レーザビーム4aの大部分がアパーチャ5bを透過してしまう。そのため、図17(b)に示したように熱負荷状態が重いパルス周波数1000Hzにおいてレーザビーム4bの径がより小さい場合も、レーザビームの強度分布が変化してもレーザビーム4bの大部分はアパーチャ5bを透過するので、ビームパワー測定結果に影響を与えにくくなるのである。これは、前述したアパーチャが無い状態と略同じ状態であるためと言っても良い。
出射ミラーの劣化状態を正確に判断するには、レーザビーム径の変化がビームパワー測定結果に大きく影響した方が適している。図15の結果より、アパーチャ径がレーザビーム径の60%以下(φ3.0mm以下)の場合、出射ミラーの劣化指数が約70%で飽和している傾向が見られるため、アパーチャ径がレーザビーム径の60%以下とすることが望ましい。ただし、あまりアパーチャの開口径を小さくしすぎると、ビームパワー測定値が小さくなってしまい、相対的に測定誤差が大きくなるので、ビームパワー測定センサーの精度を考慮し適切な開口径を選択することが望ましい。
本発明によれば、出射ミラーの劣化状態判断に、出射ミラーの初期状態の測定が不要となるので、例えば、初期状態の出射ミラーに劣化が無いかどうかを判断することも可能となる。また、測定に用いるアパーチャの開口径を適正化することで、より正確に劣化状態を判断することができる。
なお、上記実施の形態2では、出射ミラーの熱負荷が重い状態を再現するために、最大のパルス周波数1000Hzで測定を行ったが、実施の形態1と同様に、最大とする必要は無く、できるだけ高ビームパワーで測定を行えば良い。もちろん、最大のビームパワーで測定を行った方が、測定の精度が向上する点から望ましい。また、出射ミラーの熱負荷が軽い状態を再現するために、最小のパルス周波数である100Hzで測定を行ったが、最小とする必要は無く、できるだけ低ビームパワーで測定を行えば良い。もちろん、図3および図4より、最小ビームパワーで測定を行った方が、劣化していない出射ミラーのレーザビームのビームパワーにより近い値が得られ、より正確なビームパワー基準値(S)が得られることは明らかである。
また、本実施の形態2または前実施の形態1では、アパーチャ5を出射ミラー2の劣化判断測定にのみ用いている。一方、プリント基板加工用のレーザ加工装置のように、加工用にすでにアパーチャを光軸上に備えているものもある。そのような加工装置の場合、加工用のアパーチャの開口径が、上記適正な範囲内すなわちレーザビーム径の60%以下であり、かつアパーチャの位置が適切すなわちレーザ発振器とアパーチャとの間に熱レンズが発生する光学部品が無ければ、このアパーチャを出射ミラー2の劣化判断測定に用いても良い。この場合、アパーチャは固定のまま、アパーチャを透過したレーザビームのビームパワーを測定するビームパワー測定センサーのみを、レーザビーム光軸上に出し入れする構成としても良い。この様な構成では、アパーチャを別途設ける必要が無いので、より安価に簡易な構成で、出射ミラーの劣化状態を測定できる。
実施の形態3.
上記実施の形態1および実施の形態2では、出射ミラーの熱負荷状態をレーザビームのパルス周波数により変化させた。これは、例えばプリント基板等の加工用のレーザ加工装置が、レーザビームのパルス周波数を制御して加工を行うことが多いからである。しかし、本発明である出射ミラーの劣化状態測定は、出射ミラーの熱負荷状態を変化させられれば可能となるので、パルス周波数の変化以外で熱負荷状態を変化させられれば同様の効果が得られる。
例えば、パルス周波数を100Hzに固定し、パルス幅を1msから10msまで変化させてビームパワーを測定しても良い。例えば、パルスピークパワーが図12の測定時と同じであれば、パルス周波数100Hzでパルス幅1msであれば、ちょうど図12の□印と同じ値が得られ、またパルス周波数100Hzでパルス幅10msであれば連続発振となり、図12の△印と同じ値が得られることになる。
また、別の構成としては、パルス周波数とパルス幅を固定し、パルスピークパワーを変化させても良い。例えば、パルス周波数を100Hz、パルス幅を1msとしておき、図12における□印を測定したときのパルスピークパワーの10倍のパルスピークパワーでレーザビームのビームパワーを測定すれば、図12の△印の値と同じ値が得られることになる。
以上の通り、出射ミラーの熱負荷状態を変化させるには、パルス周波数やパルス幅、パルスピークパワーを変化させればよく、これにより実施の形態1や2と同様の効果が得られる。パルス周波数等いずれのパラメータを変化させるかは、レーザ加工装置が備えるレーザ発振器の仕様により適宜選択すれば良い。もちろん、複数のパラメータを組み合わせて変化させても良い。そして、選択したパラメータを変化させるべく加工制御装置14に指示が出せるように、測定制御装置7の制御部102を適宜修正すれば良い。
なお、上記実施の形態1,2では、パルス発振のレーザ発振器を例に説明を行ったが、パルス発振ではなく連続発振するレーザ発振器であれば、レーザビームのビームパワー自体を変化させることで同様の効果が得られる。すなわち、低ビームパワーのレーザビームを発振することで、出射ミラーを低熱負荷状態とすることができ、高ビームパワーのレーザビームを発振することで出射ミラーを高熱負荷状態にすることができるので、図12の□印や△印の値を測定することができる。これにより、出射ミラーの劣化状態を実施の形態2と同様に判断することができる。もちろん、出射ミラーの初期状態で、高熱負荷状態でのレーザビームのビームパワーを測定しておけば、実施の形態1と同様に判断することもできる。
実施の形態4.
実施の形態1,2におけるレーザ加工装置においては、アパーチャ5やビームパワー測定センサー6を必要に応じて、レーザビーム光路上に出し入れしていた。よって、アパーチャ5等を出し入れする時間や、位置調整等に若干の時間が必要である。本実施の形態4に係るレーザ加工装置は、アパーチャ5等の出し入れ作業を必要とせず、出射ミラーの劣化状態測定を行うことができるものである。
図18は、この発明を実施するための実施の形態4における出射ミラーの劣化測定が可能なレーザ加工装置を示すものである。図1,2と同様の構成部分には同じ符号を付している。図18に示したように、レーザ発振器1より出射されたレーザビーム4の光路上に部分反射型ミラー30を配置する。そして、一部反射されたレーザビーム31の光路上に、アパーチャ5およびビームパワー測定センサー6を配置することにより、アパーチャ5を通過したレーザビームのビームパワー測定が可能となり、実施の形態1,2と同様な処理を行うことにより、同様に出射ミラーの劣化測定が可能となる。
本実施の形態4に係るレーザ加工装置によれば、劣化状態の測定の有無によるビームパワー測定センサー6とアパーチャ5の移動をなくすことが可能となり、ワーク13に届くレーザビームのビームパワーが実施の形態1,2に比べ少なくなるが、リアルタイムでビームパワーが測定できるので、わざわざ測定モードで劣化度合いを測定する必要が無くなり、時間の節約に繋がる。例えば、実加工時に低ビームパワーで加工を行ったり高ビームパワーで加工を行ったりする場合があれば、そのときのレーザビームのビームパワーを測定することで、出射ミラーの劣化状態を測定することができる。
実施の形態5.
実施の形態1,2に係るレーザ加工装置においては、出射ミラーが劣化していると判断された場合に、アラーム等で出射ミラーを交換若しくはクリーニングを行うようにオペレータに知らせる構成であった。本実施の形態5に係るレーザ加工装置は、出射ミラーが劣化し交換等が必要になる前に、交換等の時期が近づいていることを事前にオペレータに知らせることができるものである。本実施の形態5に係るレーザ加工装置の構成としては、実施の形態1の図1、図2と略同様であり、測定制御装置7bの動作が異なっているものである。
図19は、ステンレスに対する切断加工のみを加工し続けた場合の、出射ミラーの劣化状態を測定した結果である。出射ミラーの劣化状態の測定は、実施の形態2に係る劣化測定方法を用いて、切断加工を実施する前に1日1回定期的に実施した。また、図10より、ステンレスに対する切断加工における焦点裕度は6mmであり、図9より、焦点位置変化量が6mmとなる出射ミラー劣化状態は劣化指数50%であるので、出射ミラー劣化状態の判断基準を劣化指数50%とした。ここで、図19に示したように、出射ミラーのメンテナンスの準備を判断基準の劣化指数50%に到達する前に実施するために、判断基準よりも劣化の判断規格を緩くした劣化指数45%を警告基準として設け、事前にメッセージを発生させるようにした。
次に、本実施の形態5にかかるレーザ加工装置の動作について具体的に説明する。図20は、出射ミラー2の劣化状態の測定を行う場合の、測定制御装置7bの制御フローチャートである。実施の形態1におけるフローチャート図6または、実施の形態2におけるフローチャート図11と同じ制御については、同じステップ番号を付している。また、図21は、本実施の形態5に係る劣化測定処理を実現するための、測定制御装置7bの内部ブロック図である。以下、図19,20,21に基づき説明する。
まず、実施の形態1の図6と同様に、ステップS01〜ステップS13を実施するか、もしくは、実施の形態2の図11と同様に、ステップS01〜ステップS04を実施して出射ミラーの劣化指数を求める。
劣化指数を求めた後、測定制御装置7bの比較部204は、得られた出射ミラーの劣化指数と、別途測定制御装置7b内の第3の記憶部205に記憶されている警告基準値(図19においては45%)とを比較し、出射ミラーの劣化指数が警告基準値よりも大きければ、出射ミラーのメンテナンス時期が近づいていると判断する。一方、出射ミラーの劣化指数が警告基準値よりも小さければ、出射ミラーのメンテナンス時期はまだ先と判断する。
ステップS21にて、出射ミラー2のメンテナンス時期がまだ先と判断された場合、測定制御装置7bの制御部102は駆動装置15を動作させ、アパーチャ5とビームパワー測定センサー6がレーザビーム光路上から光路外へ移動される(S06)。これにより出射ミラーの汚れ測定が完了し、通常の加工作業が行われる。
一方、ステップS21にて出射ミラー2の劣化が進み、メンテナンス時期が近づいていると判断された場合、測定制御装置7bの比較部204は、得られた出射ミラーの劣化指数と、別途測定制御装置7b内の第1の記憶部105に記憶されている判断基準値(図19においては50%)とを比較する(S05)。
ステップS05にて、出射ミラーの劣化指数が判断基準値よりも小さければ、出射ミラーを交換する必要は無いので、測定制御装置7bの制御部102は、出射ミラーのメンテナンス時期が近づいていることをオペレータに知らせるべく、アラーム表示部106により注意メッセージを表示する(S22)。そして、ステップS06を実施して測定を終了する。一方、出射ミラーの劣化指数が判断基準値よりも大きければ、出射ミラーの交換が必要と判断され、ステップS07、S08が実施され測定が終了する。
本実施の形態5にかかるレーザ加工装置にて、上述した動作を行うことにより、例えば図19における出射ミラーの劣化状態の経過において、オペレータの作業は以下のようになる。稼働時間2300時間において、出射ミラー劣化状態は劣化指数45%となり、出射ミラーのメンテナンス時期が近づいているメッセージが出たため、新品の出射ミラーとメンテナンス作業者の確保を実施した。稼動時間2400時間において、出射ミラー劣化状態は劣化指数50%となり、出射ミラーのメンテナンス時期となったため、メンテナンスを実施した。
以上により、本実施の形態5係るレーザ加工装置は、出射ミラーの劣化状態測定において、判断基準値とは別に、この判断基準値よりも劣化判断の規格を緩くした警告基準を設定したことにより、事前に出射ミラーのメンテナンスの準備をすることができる。これにより、出射ミラーのメンテナンスにおける時間のロスを低減することが可能となる。さらに、定期的に出射ミラーの劣化状態を測定することで、切断加工において加工品質の低下を未然に防止することが可能となる。
実施の形態6.
実施の形態1、2に係るレーザ加工装置においては、レーザ発振器内の出射ミラーに特化して劣化状態の測定について説明したが、本発明に係る出射ミラーの劣化測定方法は、レーザ発振器外の光学系におけるレーザビームを透過させる光学部品の劣化状態を測定する際にも適応できる。
図22は、この発明を実施するための実施の形態6におけるレーザ加工装置を示すものである。図22に示したように、レーザ発振器1から出射されたレーザビーム4の光路中に、レーザビームを透過するレンズ等の光学部品25が設けられている。この光学部品25の劣化状態を測定するために、光学部品25の直後に、光学部品を透過したレーザビームの中央部のみを透過するアパーチャ5と、アパーチャ5を透過したレーザビームのビームパワーを測定するビームパワー測定センサー6を配置したものである。アパーチャ5やビームパワー測定センサー6は、光学部品の劣化測定時以外はレーザビームの光路外へ出される点は、実施の形態1,2と同様である。
図22に示したような構成とし、実施の形態1の図6もしくは実施の形態2の図11と同様に、アパーチャ5を透過するレーザビームのビームパワーを測定し劣化指数を算出するように処理を行うことで、光学部品25の劣化状態を定量的に判断することができる。
ただし、レーザビーム光路上で、測定対象の光学部品25よりもレーザ発振器側に劣化した光学部品が無いことが必要である。なぜならば、例えば、出射ミラー2が劣化していた場合、出射ミラー2が原因でビームパワーによってレーザビームの強度分布が変わってしまい、測定対象の光学部品25が劣化しているのかどうかを切り分けすることができなくなるからである。よって、まずはレーザ発振器1に近い側から順に、レーザビームを透過する光学部品の劣化状態を確認する必要がある。
この発明に係るレーザ発振器の出射ミラー劣化判断方法およびレーザ加工装置は、安価で簡易に出射ミラーの劣化状態を測定できる。特に、加工用にアパーチャを備えているレーザ加工装置、例えばプリント基板のレーザ加工装置の場合に適用が容易である。

Claims (20)

  1. レーザビームを出射するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から出射されたレーザビームの光路上に配置され、このレーザビームの周辺部分を遮蔽し中央部分を透過するアパーチャと、
    前記アパーチャを透過したレーザビームのビームパワーを測定するビームパワー測定手段と、
    所定のビームパワーのレーザビームが出射されている時の前記ビームパワー測定手段で測定されたビームパワー値に基づき、前記レーザ発振器の出射ミラーの劣化状態を判断する制御手段と、
    を備えたレーザ加工装置。
  2. 前記所定のビームパワーは、劣化した前記出射ミラーで熱レンズ効果が発生する程度の高いビームパワーである請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記制御手段は、
    劣化していない出射ミラーにおいて、前記高いビームパワーで出射されたレーザビームの前記ビームパワー測定手段により別途測定されたビームパワー値を基準値として記憶する記憶部を備え、
    この記憶部に記憶された基準値と前記測定されたビームパワー値とを比較し、前記レーザ発振器の出射ミラーの劣化状態を判断するものである請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 前記所定のビームパワーは、さらに、劣化した前記出射ミラーで熱レンズ効果が発生しない程度の低いビームパワーも含むものである請求項2に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記低いビームパワーで出射されたレーザビームの前記ビームパワー測定手段で測定されたビームパワー値から、前記高いビームパワーで出射されたレーザビームの前記ビームパワー測定手段で測定された場合に予想されるビームパワー値を、比例式により算出する算出部を備え、
    この算出部で算出されたビームパワー値を基準値とし、この基準値と前記高いビームパワーで出射されたレーザビームの前記ビームパワー測定手段で測定されたビームパワー値とを比較し、前記レーザ発振器の出射ミラーの劣化状態を判断するものである請求項4に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記アパーチャの開口径が、レーザビーム径の60%以下である請求項1から5のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  7. 前記レーザ発振器がパルスレーザビームを出射するものである場合、
    前記レーザ発振器の出射ミラーの劣化状態を判断するためのレーザビームのビームパワー測定時に、パルス周波数、パルス幅またはパルスピークパワーのうち少なくとも1つの値を変化させることでレーザビームのビームパワーを変化させるものである請求項1から6いずれかに記載のレーザ加工装置。
  8. 前記レーザ発振器が連続したレーザビームを出射するものである場合、
    前記レーザ発振器の出射ミラーの劣化状態を判断するためのビームパワー測定時に、レーザビームのビームパワーを変化させるものである請求項1から6いずれかに記載のレーザ加工装置。
  9. 前記アパーチャおよびビームパワー測定手段を、出射ミラーの劣化状態測定時には前記レーザ発振器から出射されたレーザビームの光路上に挿入し、レーザ加工時には光路上から抜き取るための駆動手段を備えた請求項1から8いずれかに記載のレーザ加工装置。
  10. 前記アパーチャを、レーザ加工時にも用いる請求項1から8いずれかに記載のレーザ加工装置。
  11. 前記レーザ発振器と前記アパーチャとの間のレーザビーム光路上に、熱レンズが発生する光学部品が配置されていない請求項1から10いずれかに記載のレーザ加工装置。
  12. 前記制御手段は、
    前記出射ミラーを劣化したと判断する判断基準値と、この判断基準値よりも緩く設定され出射ミラーの劣化する時期が近づいてきたと判断する警告基準値とを備えている請求項1から11のいずれかに記載のレーザ加工装置。
  13. レーザビームを出射するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器から出射されたレーザビームの光路上に配置され、このレーザビームを透過する光学部品と、
    前記光学部品を透過したレーザビームの光路上に配置され、このレーザビームの周辺部分を遮蔽し中央部分を透過するアパーチャと、
    前記アパーチャを透過したレーザビームのビームパワーを測定するビームパワー測定手段と、
    所定のビームパワーのレーザビームが出射されている時の前記ビームパワー測定手段で測定されたビームパワー値に基づき、前記光学部品の劣化状態を判断する制御手段と、
    を備えたレーザ加工装置。
  14. 前記所定のビームパワーは、劣化した前記光学部品で熱レンズ効果が発生する程度の高いビームパワーである請求項13に記載のレーザ加工装置。
  15. 前記制御手段は、
    劣化していない光学部品において前記高いビームパワーで出射されたレーザビームの前記ビームパワー測定手段により別途測定されたビームパワー値を基準値として記憶する記憶部を備え、
    この記憶部に記憶された基準値と前記測定されたビームパワー値とを比較し、前記光学部品の劣化状態を判断するものである請求項14に記載のレーザ加工装置。
  16. 前記所定のビームパワーは、さらに、劣化した前記光学部品で熱レンズ効果が発生しない程度の低いビームパワーも含むものである請求項14に記載のレーザ加工装置。
  17. 前記制御装置は、
    前記低いビームパワーで出射されたレーザビームの前記ビームパワー測定手段で測定されたビームパワー値から、前記高いビームパワーで出射されたレーザビームの前記ビームパワー測定手段で測定された場合に予想されるビームパワー値を、比例式により算出する算出部を備え、
    この算出部で算出されたビームパワー値を基準値とし、この基準値と前記高いビームパワーで出射されたレーザビームの前記ビームパワー測定手段で測定されたビームパワー値とを比較し、前記光学部品の劣化状態を判断するものである請求項16に記載のレーザ加工装置。
  18. 劣化したレーザ発振器の出射ミラーで熱レンズ効果が発生する程度の高いビームパワーでレーザビームを出射する工程と、
    このレーザビームの光路上に配置されレーザビームの周辺部分を遮蔽し中央部分を透過するアパーチャを透過した前記高いビームパワーで出射されたレーザビームのビームパワー値を測定する工程と、
    別途記憶された基準値と前記測定されたビームパワー値とに基づいてレーザ発振器の出射ミラーの劣化状態を判断する工程と、
    を備えたレーザ発振器の出射ミラー劣化判断方法。
  19. 前記基準値は、
    劣化していないレーザ発振器の出射ミラーにおいて、前記アパーチャを透過した前記高いビームパワーで出射されたレーザビームのビームパワー値を測定し、この測定されたビームパワー値を基準値として記憶する工程によるものである請求項18に記載のレーザ発振器の出射ミラー劣化判断方法。
  20. 劣化したレーザ発振器の出射ミラーで熱レンズ効果が発生しない程度の低いビームパワーでレーザビームを出射する工程と、
    このレーザビームの光路上に配置されレーザビームの周辺部分を遮蔽し中央部分を透過するアパーチャを透過した前記低いビームパワーで出射されたレーザビームのビームパワー値を測定する工程と、
    劣化したレーザ発振器の出射ミラーで熱レンズ効果が発生する程度の高いビームパワーでレーザビームを出射する工程と、
    前記アパーチャを透過した前記高いビームパワーで出射されたレーザビームのビームパワー値を測定する工程と、
    前記低いビームパワーのレーザビーム出射時に測定されたビームパワー値から、比例式により、劣化していないレーザ発振器の出射ミラーにおける前記高いビームパワーのレーザビームを出射した時のビームパワー値を算出する工程と、
    前記算出されたビームパワー値と前記高いビームパワーのレーザビーム出射時に測定されたビームパワー値とから出射ミラーの劣化状態を判断する工程と、
    を備えたレーザ発振器の出射ミラー劣化判断方法。
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