JP5110074B2 - 結晶の製造方法および発光素子の製造方法 - Google Patents

結晶の製造方法および発光素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、結晶の製造方法および発光素子の製造方法に関し、より特定的には、反応容器内でInxAlyGa(1-x-y)N(窒化インジウムアルミニウムガリウム)結晶(0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1)を製造する方法およびその結晶を備えた発光素子を製造する方法に関する。
有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor deposition)法は、代表的なInxAlyGa(1-x-y)N結晶(以下、InAlGaN結晶とも言う)の製造方法の一つであり、たとえばIII族有機金属を気化させ、それを基板表面で熱的に分解させ、V族ガスと反応させて成膜する方法である。この方法は生産性に優れていることから、半導体装置を製造する際の成膜技術として広く用いられている。
MOCVD法に用いられるMOCVD装置は、チャンバと、チャンバ内に配置されたサセプタと、基板表面に反応ガスを流すための通路とを備えている。MOCVD装置においては、サセプタ上に基板を載置し、基板を適当な温度に加熱し、通路を通じて基板表面に有機金属のガスを導入することにより成膜が行なわれる。ここで、成膜される膜の厚さを均一にするために、MOCVD装置には反応ガスを基板表面に沿って均一に流すことが要求される。MOCVD装置においては、反応ガスを基板表面に沿って均一に流すために、様々な通路形状が提案されてきた。
従来のMOCVD装置として、たとえば特開2008−16609号公報(特許文献1)には、基板を載置するためのサセプタと、基板に反応ガスを導入するための通路を備えたMOCVD装置が開示されている。通路は、横型三層流方式であり、サセプタの載置面に対して平行に延びている。通路において基板に最も遠い位置に水素(H2)ガス、窒素(N2)ガスなどのパージガスが用いられ、それよりも基板に近い位置にトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルアルミニウム(TMA)などのIII族元素を含む有機金属ガスとH2ガス、N2ガスなどのキャリアガスとの混合ガスが用いられ、それよりも基板に近い位置、つまり基板に最も近い位置にアンモニア(NH3)などのV族元素を含むガスとH2ガス、N2ガスなどのキャリアガスとの混合ガスが用いられている。これらのガスがMOCVD装置に導入されると、互いに混合された反応ガスがサセプタにおいて載置面に平行に導入されて拡散され、サセプタによって加熱される。混合ガスに含まれる有機金属ガスは加熱によって分解し中間反応体となり、NH3ガスと反応してInAlGaN結晶となる。その結果、InAlGaN結晶が基板の表面に成膜される。
特開2008−16609号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示のMOCVD装置では、サセプタの上流側と下流側との各々において供給される反応ガスの条件が異なる。このため、製造される結晶の厚みが均一でないという問題が生じていた。
また、InxAlyGa(1-x-y)N(0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1)結晶を製造するためには、TMG、TMIおよびTMAのうちの2種または3種を用いる必要がある。このため、InAlGaN結晶を製造する条件においては、製造される結晶の成長速度が遅いという問題が生じていた。
したがって、本発明の目的は、InAlGaN結晶の厚みを均一にし、かつ成長速度を向上する結晶の製造方法および発光素子の製造方法を提供することである。
本発明者は、InAlGaN結晶の厚みが不均一である原因を鋭意研究した結果、サセプタの上流側ではIII族原料の有機金属ガスがV族原料の原料ガス層を拡散しにくく、有機金属ガスが基板に到達しにくいことに起因していることを見い出した。
また、本発明者は、InAlGaN結晶の成長速度が遅い原因を鋭意研究した結果、3元系または4元系のInAlGaN結晶を製造するためには、たとえばTMG、TMIおよびTMAのうちの2種または3種を用いる必要があるが、InAlGaN結晶を製造する条件において、TMG、TMIおよびTMAが互いに気相反応しやすいことに起因していることを見い出した。
そこで、本発明の結晶の製造方法は、反応容器内でInxAlyGa(1-x-y)N結晶(0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1)を製造する方法であって、以下の工程を備える。主表面を有する基板を準備する。基板の主表面に沿った方向に原料ガスを供給しながら、基板を加熱することにより基板の主表面にInxAlyGa(1-x-y)N結晶を成長する。InxAlyGa(1-x-y)N結晶を成長する工程では、基板の主表面に垂直な方向において主表面に近い側に位置する第1のガス供給部からV族元素の原料を含む第1原料ガスを基板の主表面上に供給するとともに、基板の主表面に垂直な方向において第1のガス供給部より主表面から遠い側に位置する第2のガス供給部から、複数のIII族元素の原料である有機金属を含む第2原料ガスを基板の主表面上に供給し、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の0.5以上0.8以下にし、反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にする。
本発明の結晶の製造方法によれば、V族元素の原料である第1原料ガスの流速をIII族元素の原料である第2原料ガスの0.5以上0.8以下にすることによって、第2原料ガスが第1原料ガスを拡散して、基板の上流側に届くことを見い出した。このため、たとえばサセプタを回転することによって、第1および第2原料ガスを基板の主表面に沿って均一に流すことができるので、製造する結晶の厚みを均一にすることができる。
また、反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にすることによって、複数のIII族元素の原料ガスが互いに気相反応することを抑制できることを見い出した。このため、III族元素の原料ガスを基板の主表面に到達させることができるので、2種または3種のIII族元素を含むInAlGaN結晶の成長速度を向上できる。
上記結晶の製造方法において好ましくは、InxAlyGa(1-x-y)N結晶を成長する工程では、第1原料ガスの流速を0.18m/s以上0.35m/s以下にする。
V族元素を含む第1原料ガスの流速を上記のように小さくすることにより、第2原料ガスが第1原料ガスをより拡散しやすくなる。このため、より均一な厚みを有する結晶を製造することができる。
本発明の発光素子の製造方法は、上記結晶の製造方法により、基板の主表面にInxAlyGa(1-x-y)N結晶を成長する工程と、InxAlyGa(1-x-y)N結晶上に電極を形成する工程とを備える。
本発明の発光素子の製造方法によれば、上記結晶の製造方法によりInAlGaN結晶を製造しているので、厚みを均一にし、かつ成長速度を向上して発光素子を製造することができる。
本発明の結晶の製造方法および発光素子の製造方法によれば、InAlGaN結晶の厚みを均一にし、かつ成長速度を向上することができる。
本発明の実施の形態1におけるエピタキシャル膜を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における結晶の製造装置を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2におけるエピタキシャル膜を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3における発光素子を概略的に示す断面図である。 実施例1におけるサセプタの中央からの距離と、成長速度との関係を示す図である。 実施例1におけるサセプタの中央からの距離と、Inの組成比との関係を示す図である。 実施例1におけるサセプタの中央からの距離と、Alの組成比との関係を示す図である。 実施例2の本発明例5におけるサセプタの中央からの距離と、成長速度との関係を示す図である。 実施例2の本発明例5におけるサセプタの中央からの距離と、Inの組成比との関係を示す図である。 実施例2の本発明例5におけるサセプタの中央からの距離と、Alの組成比との関係を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1を参照して、本実施の形態におけるエピタキシャル膜を説明する。図1に示すように、エピタキシャル膜25は、主表面20aを有する基板20と、基板20の主表面20a上に形成されたバッファ層21と、バッファ層21上に形成されたInAlGaN層22とを備えている。
基板20は、たとえばサファイア(Al23)基板、窒化ガリウム(GaN)基板などである。基板20は、たとえば2インチ以上の主表面20aを有する。
バッファ層21は、たとえばGaN層である。なお、バッファ層21は、省略されてもよい。
InAlGaN層22は、InxAlyGa(1-x-y)N結晶(0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1)である。つまり、InAlGaN層22は、InxAlyN結晶(0<x<1、0<y<1、x+y=1)、InxGa(1-x)N結晶(0<x<1)、およびAlyGa(1-y)N結晶(0<y<1)の3元系の結晶、またはInxAlyGa(1-x-y)N結晶(0<x<1、0<y<1、0<x+y<1)の4元系の結晶のいずれかである。
InAlGaN層22の厚みのばらつきは、6%以内であり、4%以内であることが好ましく、2%以内であることがより好ましい。厚みのばらつきが6%以内の場合には、このInAlGaN層22を発光素子のクラッド層に用いると、光閉じ込めの分布を均一にできるので、十分な光閉じ込めができる半導体レーザなどの発光素子の歩留まりを向上できる。4%以内の場合には発光素子の歩留まりをより向上でき、2%以内の場合には発光素子の歩留まりをより一層向上できる。
ここで、厚みのばらつきとは、InAlGaN層22において、最も大きい厚みと、最も小さい厚みと、厚みの中央値とを測定し、{最も大きい厚み−最も小さい厚み)/中央値}×100をばらつきの値としている。これは、InAlGaN層22を成長する際に、成長速度の最大値、最小値および中央値を測定して、中央値からの分布を求めることによっても、測定され得る。なお、中央値は、たとえば5点測定したときの中央に位置する値である。
InAlGaN層22は、3元系の結晶であっても、4元系の結晶であってもよいが、4元系の結晶であることが好ましい。4元系の結晶の場合、インジウム(In)の組成比xは1%以上4%以下で、アルミニウム(Al)の組成比yは10%以上30%以下であることが好ましい。この場合、このInAlGaN層22をクラッド層として好適に用いることができる。
また、4元系のInAlGaN結晶は、このInAlGaNと同じバンドギャップのAlGaNの格子定数d(AlGaN)よりもGaNの格子定数d(GaN)に近い格子定数d(InAlGaN)を提供できる。また、4元系のInAlGaN結晶は、このInAlGaNと同じ屈折率のAlGaNの格子定数d(AlGaN)よりもGaNの格子定数d(GaN)に近い格子定数d(InAlGaN)を提供できる。
InAlGaN層22において、基板20の主表面20aに平行な方向の面の直径は、たとえば2インチ以上である。
続いて、図2を参照して、本実施の形態における結晶の製造装置について説明する。本実施の形態では、結晶の製造装置として、MOCVD装置を用いている。
図2に示すように、MOCVD装置1は、反応容器3と、サセプタ5と、ヒータ9と、原料ガス供給部11とを備えている。反応容器3内にはサセプタ5とヒータ9と原料ガス供給部11とが配置されている。原料ガス供給部11は図2中横方向に延びており、原料ガス供給部11の内部にはサセプタ5の載置面(図2では上面)が面している。
サセプタ5は、反応容器3の内部に配置されている。このサセプタ5は円盤形状を有しており、同じく円盤形状を有するヒータ9上に配置されている。サセプタ5の下部には回転機構としての回転軸13が取り付けられており、これにより、サセプタ5は原料ガス供給部11の内部に載置面が面した状態で回転可能となっている。サセプタ5の載置面には平面的に見て円形状を有する複数の溝7が形成されている。これらの溝7の各々に主表面20aを有する基板20の各々が載置され、これにより基板20が加熱される。サセプタ5の載置面にはたとえば7つの溝7が形成されており、これらの溝7の各々に円形の基板20が載置される。ヒータ9は、サセプタ5を介して基板20を加熱する。
原料ガス供給部11は、反応容器3に、基板20の主表面20aに沿った方向から第1および第2原料ガスG1、G2、およびサブフローとしてのガスG3を供給している。つまり、原料ガス供給部11は、基板20の主表面20aに第1および第2原料ガスG1、G2およびガスG3で構成される反応ガスを流すための通路である。本実施の形態の原料ガス供給部11はサセプタ5の載置面に対して平行に延びており、原料ガスの流れ方向(図2中左側から右側へ向かう方向)に垂直な面で見ると矩形の断面形状を有している。また、原料ガス供給部11は横型三層流方式であり、上流側(図2中左側)に第1のガス供給部11aと、第2のガス供給部11bと、第3のガス供給部11cとを含んでいる。
この第1のガス供給部11aは、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて主表面20aに近い側に位置している。第2のガス供給部11bは、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて第1のガス供給部11aより主表面20aから遠い側に位置している。第3のガス供給部11cは、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて第2のガス供給部11bより主表面20aから遠い側に位置している。つまり、サセプタ5の載置面と垂直な方向Dにおいて、第1のガス供給部11a、第2のガス供給部11b、第3のガス供給部11cの順に、サセプタ5の載置面に近い。
なお、第1〜第3のガス供給部11a〜11cの第1および第2原料ガスG1、G2およびガスG3の出口の位置は、基板20の主表面20aに沿った方向、つまり第1および第2原料ガスG1、G2およびガスG3の流れ方向において図2に示すように異なっていてもよく、同じであってもよい。
第1のガス供給部11aは、V族元素の原料を含む第1原料ガスG1を反応容器3に供給する。第1原料ガスG1として、たとえば、NH3ガスなどのV族元素を含むガスと、H2ガス、N2ガスなどのキャリアガスとの混合ガスを用いることができる。
第2のガス供給部11bは、III族元素の原料である複数の有機金属を含む第2原料ガスG2を反応容器に供給する。第2原料ガスG2として、TMG、TMI、またはTMAなどのIII族元素を含む2種以上の有機金属ガスと、H2ガス、N2ガスなどのキャリアガスとの混合ガスを用いることができる。なお、ガリウム(Ga)源、Al源およびIn源として、上記材料の代わりに、あるいは上記材料とともに、他の材料(たとえばトリエチルガリウム(TEG)、トリエチルアミン(TEA)、トリエチルインジウム(TEI))などを用いてもよい。
第3のガス供給部11cは、原料を含まないガスG3を供給する。ガスG3は、第1および第2原料ガスG1、G2の反応を抑制するパージガスが好適に用いられる。ガスG3として、H2ガス、N2ガスなどのキャリアガスを用いることができる。
なお、MOCVD装置1において、第3のガス供給部11cは省略されていてもよい。この場合に、反応容器3において基板20の主表面20a(サセプタ5の載置面)と対向する面(図2において上壁)に原料ガスG1、G2が供給されることにより結晶が堆積することを抑制するためのパージ機構などの手段が設けられていることが好ましい。
また、本実施の形態のMOCVD装置1では、サセプタ5は反応容器の下方に配置されているフェースアップ方式であるが特にこれに限定されない。MOCVD装置は、反応容器の上方にサセプタ5が配置されているフェースダウン方式であってもよい。
続いて、図1および図2を参照して、本実施の形態における結晶の製造方法について説明する。本実施の形態では、図2に示すMOCVD装置1を用いて、MOCVD法により図1に示すエピタキシャル膜25を製造する。
まず、主表面20aを有する基板20を準備する。準備する基板20は特に限定されないが、たとえばサファイア基板、GaN基板などを用いることができる。この工程では、たとえばMOCVD装置1において、サセプタ5の載置面に基板20が載置され、基板20をサセプタ5に保持させる。
次に、基板20の主表面20aに沿った方向に原料ガスを供給しながら、基板20を加熱することにより基板20の主表面20a上にバッファ層21を成長する。
バッファ層21を成長する工程では、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて主表面20aに近い側に位置する第1のガス供給部11aからV族元素の原料を含む第1原料ガスG1を基板20の主表面20a上に供給するとともに、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて第1のガス供給部11aより主表面20aから遠い側に位置する第2のガス供給部11bから、III族元素を含む第2原料ガスG2を基板20の主表面20a上に供給する。さらに、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて第2のガス供給部11bより主表面20aから遠い側に位置する第3のガス供給部11cから、原料を含まないガスG3を供給する。
具体的には、MOCVD装置1においては、サセプタ5の載置面に基板20が載置された状態で、ヒータ9によってサセプタ5が加熱され、回転軸13でサセプタ5が回転される。そして、第1および第2のガス供給部11a、11bの各々から、原料ガスを構成する第1および第2原料ガスG1、G2と、第3のガス供給部11cから、原料ガスを構成しないガスG3とが導入される。原料ガスは上流側から下流側(図2中右方向)に流れていく。第1および第2原料ガスG1、G2は、たとえば上述した材料を用いることができる。これらの原料ガスG1、G2およびガスG3の各々が第1〜第3のガス供給部11a〜11cの各々へ導入されると、サセプタ5上において載置面に平行に導入されて拡散され、加熱されたサセプタ5により加熱される。第2原料ガスG2に含まれるIII族元素を有するガスは加熱によって分解し中間反応体となり、同様に加熱によって分解した第1原料ガスG1に含まれるV族元素を有するガスの中間反応体と反応してGaN結晶となる。その結果、GaN結晶が基板20の主表面20aに成膜される。
次に、基板20の主表面20aに沿った方向に原料ガスを供給しながら、基板20を加熱することにより基板20の主表面20a上(本実施の形態ではバッファ層21上)にInAlGaN結晶(本実施の形態ではInAlGaN層22)を成長する。InAlGaN層22を成長する工程では、第1原料ガスG1の流速を第2原料ガスG2の流速の0.5以上0.8以下にし、かつ反応容器3内の圧力を20kPa以上60kPa未満にする。
具体的には、第1原料ガスG1の流速を第2原料ガスG2の流速の0.5以上0.8以下になるように、第1および第2のガス供給部11a、11bから反応容器3へ供給する第1および第2原料ガスG1、G2の流速を調整する。また、反応容器3内の圧力が20kPa以上60kPa未満になるように、ガスG3の導入、パージなどを行なって反応容器3内の圧力を調整する。
第1原料ガスG1の流速を第2原料ガスG2の流速の0.5以上にすることによって、高い成長速度を維持できるとともに、成長させるInAlGaN層22の表面のモフォロジーを良好にすることができる。第1原料ガスG1の流速を第2原料ガスG2の流速の0.8以下にすることによって、複数のIII族元素の原料である複数の有機金属ガスを含む第2原料ガスG2が、V族原料の第1原料ガスG1を拡散しやすく、基板20の上流側に届く。このため、回転軸13によりサセプタ5を回転することによって、基板20の主表面20aに沿って均一に第1および第2原料ガスG1、G2を流すことができるので、基板20の主表面20aに垂直な方向の成長速度を均一にできるので、製造するInAlGaN層22の厚みを均一にすることができる。
反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にすることによって、第2原料ガスG2において、III族元素の原料である2種以上の有機金属ガスが互いに気相反応することを抑制できる。このため、III族元素の原料ガスを基板の主表面に到達させることができるので、2種または3種のIII族元素を含むInAlGaN結晶の成長速度を向上できる。
InAlGaN層22を成長する工程では、第1原料ガスG1の流速を0.18m/s以上0.35m/s以下にすることが好ましい。このように第1原料ガスG1の流速を小さくすると、第2原料ガスG2が第1原料ガスG1をより拡散しやすくなるので、InAlGaN層22の成長速度分布を均一に改善することができる。このため、より均一な厚みのInAlGaN層22を製造することができる。
InAlGaN層22を成長する工程では、870℃以上940℃以下でInAlGaN層22を成長することが好ましい。870℃以上の場合、InAlGaN層22のモフォロジーを良好にできる。940℃以下の場合、Inを含むInAlGaN層22を成長する際にInの取り込みが良好である。
この工程では、バッファ層21を成長する工程と同様に、バッファ層21上にInAlGaN層22を成長する。具体的には、第1および第2原料ガスG1、G2は、たとえば上述した材料を用いることができる。これらの原料ガスG1、G2およびガスG3の各々が第1〜第3のガス供給部11a〜11cの各々へ導入されると、サセプタ5上において載置面に平行に導入されて拡散され、加熱されたサセプタ5により加熱される。第2原料ガスG2に含まれる複数のIII族元素を有するガスは加熱によって分解し中間反応体となり、同様に加熱によって分解した第1原料ガスG1に含まれるV族元素を有するガスの中間反応体と反応してInAlGaN結晶となる。その結果、InAlGaN結晶よりなるInAlGaN層22がバッファ層21上に成膜される。
なお、上記バッファ層21を成長する工程およびInAlGaN層22を成長する工程においては、第1および第2原料ガスG1、G2と同時にドーパントガスを基板20の主表面20aに供給することにより、ドーパントを含む層を成長することもできる。
以上の工程を実施することにより、図1に示すエピタキシャル膜25を製造することができる。本実施の形態ではバッファ層21を備えたエピタキシャル膜25の製造方法について説明したが、バッファ層21は省略されてもよい。また、バッファ層21を成長する工程を実施する場合には、InAlGaN層22を成長する工程と同様にバッファ層21を成長してもよい。
以上説明したように、本実施の形態における結晶の製造方法によれば、反応容器3内でInxAlyGa(1-x-y)N結晶(0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1)を製造する方法であって、主表面20aを有する基板20を準備する工程と、基板20の主表面20aに沿った方向に原料ガスを供給しながら、基板20を加熱することにより基板20の主表面20aにInxAlyGa(1-x-y)N結晶(InAlGaN層22)を成長する工程とを備え、InxAlyGa(1-x-y)N結晶を成長する工程では、基板20の主表面20aに垂直な方向において主表面20aに近い側に位置する第1のガス供給部11aからV族元素の原料を含む第1原料ガスG1を基板20の主表面20a上に供給するとともに、基板20の主表面20aに垂直な方向において第1のガス供給部11aより主表面20aから遠い側に位置する第2のガス供給部11bから、複数のIII族元素の原料である有機金属を含む第2原料ガスG2を基板20の主表面20a上に供給し、第1原料ガスG1の流速を第2原料ガスG2の流速の0.5以上0.8以下にし、反応容器3内の圧力を20kPa以上60kPa未満にする。
本実施の形態の結晶の製造方法によれば、V族元素の原料である第1原料ガスG1の流速をIII族元素の原料である第2原料ガスG2の0.5以上0.8以下にすることによって、第2原料ガスG2が第1原料ガスG1を拡散して、基板20の上流側に届くことを見い出した。このため、サセプタ5を回転することによって、厚みの均一な結晶を製造することができる。
また、反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にすることによって、2種または3種のIII族元素の原料ガスが互いに気相反応することを抑制できることを見い出した。このため、III族元素の原料ガスである第2原料ガスG2を基板20の主表面20aに到達させることができるので、2種または3種のIII族元素を含むInAlGaN結晶の成長速度を向上できる。特に、従来の大型の反応容器では下流側で成長速度が著しく低下していたが、本実施の形態では大型の反応容器でも反応容器3内の圧力を制御することによって、成長速度の低下を効果的に抑制できる。
したがって、本実施の形態における結晶製造方法によれば、InAlGaN結晶の厚みを均一にし、かつ成長速度を向上する結晶を製造することができる。
(実施の形態2)
図3を参照して、本実施の形態におけるエピタキシャル膜30について説明する。エピタキシャル膜30は、基板20と、n型バッファ層32と、n型クラッド層33と、アンドープ光ガイド層34、36と、活性層35と、p型電子ブロック層37と、p型クラッド層38と、p型コンタクト層39とを備えている。
基板20は、たとえばGaN基板である。n型バッファ層32は、基板20の主表面20a上に形成され、たとえばn型GaN層である。n型クラッド層33は、n型バッファ層32上に形成され、たとえばn型InAlGaN層である。アンドープ光ガイド層34は、n型クラッド層33上に形成され、たとえばInGaN層である。活性層35は、アンドープ光ガイド層34上に形成され、たとえばInGaNよりなる井戸層とGaNよりなる障壁層とを含む多重量子井戸構造である。なお、活性層35は、単一の半導体材料よりなっていてもよい。アンドープ光ガイド層36は、活性層35上に形成され、たとえばInGaNよりなる。p型電子ブロック層37は、アンドープ光ガイド層36上に形成され、たとえばAlGaNよりなる。p型クラッド層38は、p型電子ブロック層37上に形成され、たとえばp型AlGaNである。p型コンタクト層39は、p型クラッド層38上に形成され、たとえばp型GaNである。
本実施の形態では、n型クラッド層33、アンドープ光ガイド層34、井戸層、p型電子ブロック層37、p型クラッド層38は、実施の形態1のInAlGaN層22と同様である。
続いて、本実施の形態におけるエピタキシャル膜30の製造方法について説明する。本実施の形態におけるエピタキシャル膜30は、実施の形態1で説明したMOCVD装置1を用いて製造される。
具体的には、まず、実施の形態1と同様に、主表面20aを有する基板20を準備する。
次に、基板20上に、n型バッファ層32と、n型クラッド層33と、アンドープ光ガイド層34と、活性層35と、アンドープ光ガイド層36と、p型電子ブロック層37と、p型クラッド層38と、p型コンタクト層39とをこの順で成長する。この工程では、たとえば図2に示すMOCVD装置1において、第2原料ガスG2の種類を変更することで各々の層を成長する。
各々の層においてInAlGaN結晶を成長する工程は、実施の形態1のInAlGaN層22を成長する工程と同様に行なう。つまり、本実施の形態では、n型クラッド層33、アンドープ光ガイド層34、井戸層、p型電子ブロック層37、p型クラッド層38を成長する場合には、第1原料ガスG1の流速を第2原料ガスG2の流速の0.5以上0.8以下にし、反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にする。また、GaNなどの2元系の層を成長する場合にも、実施の形態1のInAlGaN層22を成長する工程と同様に行なってもよい。
以上の工程を実施することにより、図3に示すエピタキシャル膜30を形成することができる。
以上説明したように、本実施の形態のInAlGaN結晶を含むエピタキシャル膜30の製造方法によれば、V族元素の原料である第1原料ガスG1の流速をIII族元素の原料である第2原料ガスG2の0.5以上0.8以下にしてInAlGaN結晶を成長している。このため、第2原料ガスG2が第1原料ガスG1を拡散して、基板20の上流側に届くことため、たとえばサセプタを回転することによって、エピタキシャル膜30を構成する各々の層の厚みを均一にすることができる。
また、反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にしている。このため、第2原料ガスG2において2種または3種のIII族元素の原料ガスが互いに気相反応することを抑制できるので、III族元素の原料ガスを基板20の主表面20aに到達させることができるので、2種または3種のIII族元素を含むInAlGaN結晶の各々の層の成長速度を向上できる。したがって、エピタキシャル膜30の成長速度を向上できる。
(実施の形態3)
図4を参照して、本実施の形態における発光素子の一例としての半導体レーザ40について説明する。半導体レーザ40は、図3に示す実施の形態2のエピタキシャル膜30と、絶縁膜41と、p型電極42と、n型電極43とを備えている。絶縁膜41は、開口部を有し、p型コンタクト層39上に形成され、たとえば二酸化ケイ素(SiO2)よりなる。p型電極42は、絶縁膜41の開口部から露出したp型コンタクト層39に接するように形成され、たとえばニッケル(Ni)/金(Au)よりなる。n型電極43は、基板20の裏面に形成され、たとえばチタン(Ti)/Alよりなる。
続いて、本実施の形態における半導体レーザ40の製造方法について説明する。まず、実施の形態2のエピタキシャル膜30の製造方法にしたがって、エピタキシャル膜30を製造する。
次に、エピタキシャル膜30のp型コンタクト層39上に、フォトリソグラフィにより開口部を有する絶縁膜41を形成する。
次に、絶縁膜41の開口部内を埋めるようにp型電極42を形成し、基板20の裏面にn型電極43を形成する。p型電極42およびn型電極43の形成方法は特に限定されないが、たとえば蒸着法により形成することができる。
以上の工程を実施することによって、図4に示す半導体レーザ40を製造することができる。
以上説明したように、本実施の形態における半導体レーザ40の製造方法によれば、各々の層の厚みを均一にし、かつ成長速度を向上したエピタキシャル膜30を用いている。各々の厚みを均一にしているので歩留まりを向上し、かつ成長速度を向上しているので製造コストを低減した半導体レーザ40を製造することができる。
なお、本実施の形態では、発光素子として半導体レーザを例に挙げて説明したが、半導体レーザに限定されず、本発明はたとえば発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)などを適用することもできる。
本実施例では、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の0.5以上0.8以下にし、反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にすることによる効果について調べた。
(試料1)
試料1では、図2に示すMOCVD装置1を用いた実施の形態1にしたがって、図1に示すエピタキシャル膜25を製造した。
具体的には、まず、基板20として、サファイア基板を準備した。そして、MOCVD装置1の反応容器内の圧力を40kPaにし、ヒータ9によりサセプタ5の温度を900℃に設定した。また、サセプタ5は回転させなかった。この状態で、この基板20の主表面20a上に、バッファ層21としてGaNを形成した。
MOCVD装置1内の状態を同様に維持して、以下の条件で、バッファ層21上に、4元系のInAlGaNを成長した。第1原料ガスG1としてアンモニアおよび窒素を用い、第2原料ガスG2としてTMG、TMA、TMIおよび窒素を用いた。第1原料ガスG1の流速を0.18m/sとし、第2原料ガスG2の流速を0.34m/sとした。第2原料ガスG2としてのTMG、TMAおよびTMIのそれぞれのモル濃度を1.75×10-4、1.00×10-4、2.21×10-4とした。また、第3のガス供給部11cから供給されるガスG3として、0.77m/sの流速の窒素を用いた。
以上の工程を実施することにより、試料1のエピタキシャル膜を製造した。
(試料2)
試料2のエピタキシャル膜は、基本的には試料1のエピタキシャル膜を同様に製造したが、InAlGaN層を形成する工程において第1原料ガスG1の流速を0.34m/sとした点においてのみ異なっていた。
(評価方法)
試料1および試料2のエピタキシャル膜について、InAlGaN層22の成長速度を測定した。その結果を図5に示す。
また、試料1および試料2のエピタキシャル膜のInAlGaN層22について、InxAlyGa(1-x-y)N結晶のIn組成比xおよびAl組成比yをSIMSにより測定した。その結果を図6および図7に示す。
図5〜図7において、横軸Lとは、サセプタの中心を0としたときの、サセプタの中心からの距離を示し、正の値は第1〜第3のガス供給部11a〜11cに対して遠い方向であり、負の値は第1〜第3のガス供給部11a〜11cに大して近い方向である。つまり、Lの値が小さいほど第1〜第3のガス供給部11a〜11cに近く、Lの絶対値が大きいほどサセプタの外周側に位置する。
(評価結果)
図5に示すように、反応容器内の圧力が40kPaで、かつ第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の0.5とした試料1は、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の1.0とした試料2に比べて、第2原料ガスG2の有機金属ガスが上流側で基板20に到達しやすくなり、上流側の成長速度が増加して、成長速度分布が直線状になっていることがわかった。
また、図6および図7に示すように、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の0.5とした試料1は、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の1.0とした試料2に比べて、上流側でAlおよびInの取り込みが増加して、AlおよびInの取り込みが直線状になっていることがわかった。
試料1および試料2はサセプタ5を回転せずに成長したが、これらの結果から、サセプタ5を回転させることにより、基板20の主表面20aに沿った方向の成長速度を均一にできることがわかった。このため、サセプタ5を回転させることにより、厚みの均一なInAlGaN結晶を製造できることがわかった。
一方、試料2は、成長速度分布が凸状になっていたため、サセプタ5を回転した場合であっても、外周側の厚みが中央の厚みよりも小さくなり、厚みのばらつきのあるInAlGaN結晶になることがわかった。
以上より、本実施例によれば、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の0.5以上0.8以下にし、反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にすることにより、成長速度を均一にできることが確認できた。
本実施例では、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の0.5以上0.8以下にし、反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にすることによる効果について調べた。
(本発明例1〜5)
本発明例1〜5は、図2に示すMOCVD装置1を用いた実施の形態1にしたがって、図1に示すエピタキシャル膜25を製造した。
具体的には、まず、基板20として、サファイア基板を準備した。そして、MOCVD装置1の反応容器内の圧力を下記の表1に記載の20kPaまたは40kPaにし、サセプタ5の温度を900℃に設定した。また、サセプタ5を回転させた。この状態で、この基板20の主表面20a上に、バッファ層21としてGaNを形成した。
MOCVD装置1内の状態を同様に維持して、バッファ層21上に、4元系のInAlGaNを成長した。第1原料ガスG1としてアンモニアおよび窒素を用い、第2原料ガスG2としてTMG、TMA、TMIおよび窒素を用いた。第1および第2原料ガスG1、G2の流速および流量をそれぞれ下記の表1に記載の通りにした。また、第2原料ガスG2として、TMG、TMAおよびTMIのそれぞれのモル濃度を下記の表1の通りとした。また、第3のガス供給部11cから供給される原料を含まないガスG3の流速および流量は下記の表1の通りにした。
以上の工程を実施することにより、本発明例1〜5のエピタキシャル膜を製造した。
(比較例1〜4)
比較例1〜4のエピタキシャル膜は、基本的には本発明例1〜5のエピタキシャル膜を同様に製造したが、InAlGaN層を形成する工程において第1原料の流速を第2原料ガスの流速の0.5〜0.8の範囲外および/または反応容器内の圧力を60kPaにした点において異なっていた。
(評価方法)
本発明例1〜5および比較例1〜4のエピタキシャル膜のInAlGaN層について、成長速度、InxAlyGa(1-x-y)N結晶のIn組成比xおよびAl組成比yを実施例1と同様に測定した。本発明例5の結果をそれぞれ図8〜図10に示す。
なお、図8〜図10において、横軸Lとは、サセプタの中心を0としたときの、サセプタの中心からの距離を示し、Lの値が小さいほど第1〜第3のガス供給部11a〜11cに近く、外周側に位置することを意味する。
図8のように、成長速度を測定することにより、成長速度の最大値、最小値、および中央値からの分布を測定することができる。このようにして、本発明例1〜5および比較例1〜4のエピタキシャル膜のInAlGaN層について、成長速度の最大値、最小値、および中央値からの分布について調べた。その結果を下記の表1に示す。
なお、表1において、中央値は、サセプタ中心部からサセプタ外周部の方向に直線状に5点(ウエハ中心座標を0とすると、0mm、±10mm、±20mmの5点)を測定したときの最大値と最小値との間の値とした。中央値の分布は、(厚みの最大値−厚みの最小値)/中央値とした。
Figure 0005110074
(評価結果)
表1に示すように、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の0.5以上0.8以下にし、かつ反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にした本発明例1〜5のエピタキシャル膜のInAlGaN層22は、成長速度の中央値からの分布が0.074以下であり、基板20の主表面20aに垂直な方向の成長速度が均一であったことがわかった。このため、InAlGaN層の厚みを均一にできることがわかった。さらに、本発明例1〜5のInAlGaN層22の成長速度の最小値は0.41μm/h以上となり、3種の有機金属ガスが互いに反応することを抑制できたことがわかった。このため、InAlGaN層の成長速度を向上できることがわかった。
また、第1原料ガスG1の流速が0.18m/s以上0.35m/s以下であった本発明例2〜5のInAlGaN層22は、成長速度の中央値からの分布が0.052以下であり、成長速度の最小値は0.50μm/h以上となった。このことから、第1原料ガスの流速を0.18m/s以上0.35m/s以下にすることにより、厚みをより均一にし、かつ成長速度をより向上できることがわかった。
一方、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の1.0とした比較例1および比較例2は、第1原料ガスの流速が高かったので、第2原料ガス中の有機金属ガスが第1原料ガス中を十分に拡散できなかったため、成長速度のばらつきが本発明例1〜5よりも大きかった。
反応容器内の圧力が60kPaで、第1原料ガスの流速が第2原料ガスの流速の1.0であった比較例3は、有機金属ガスが互いに反応したため、成長速度の最小値が本発明例1〜5よりも低かった。
反応容器内の圧力が60kPaであった比較例4は、成長速度のばらつきが本発明例1〜5よりも大きく、かつ成長速度の最小値が本発明例1〜5よりも低かった。成長速度の最小値が低いということは、InAlGaN結晶の成長速度が低いことを意味する。
以上より、本実施例によれば、第1原料ガスの流速を第2原料ガスの流速の0.5以上0.8以下にし、反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にすることにより、InAlGaN結晶の厚みを均一にし、かつ成長速度を向上することができることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 MOCVD装置、3 反応容器、5 サセプタ、7 溝、9 ヒータ、11 原料ガス供給部、11a 第1のガス供給部、11b 第2のガス供給部、11c 第3のガス供給部、13 回転軸、20 基板、20a 主表面、21 バッファ層、22 InAlGaN層、25,30 エピタキシャル膜、32 n型バッファ層、33 n型クラッド層、34,36 アンドープ光ガイド層、35 活性層、37 p型電子ブロック層、38 p型クラッド層、39 p型コンタクト層、40 半導体レーザ、41 絶縁膜、42 p型電極、43 n型電極、G1 第1原料ガス、G2 第2原料ガス、G3 ガス。

Claims (3)

  1. 反応容器内でInxAlyGa(1-x-y)N結晶(0≦x<1、0≦y<1、0<x+y≦1)を製造する方法であって、
    主表面を有する基板を準備する工程と、
    前記基板の前記主表面に沿った方向に原料ガスを供給しながら、前記基板を加熱することにより前記基板の前記主表面に前記InxAlyGa(1-x-y)N結晶を成長する工程とを備え、
    前記InxAlyGa(1-x-y)N結晶を成長する工程では、
    前記基板の前記主表面に垂直な方向において前記主表面に近い側に位置する第1のガス供給部からV族元素の原料を含む第1原料ガスを前記基板の前記主表面上に供給するとともに、前記基板の前記主表面に垂直な方向において前記第1のガス供給部より前記主表面から遠い側に位置する第2のガス供給部から、複数のIII族元素の原料である有機金属を含む第2原料ガスを前記基板の前記主表面上に供給し、
    前記第1原料ガスの流速を前記第2原料ガスの流速の0.5以上0.8以下にし、
    前記反応容器内の圧力を20kPa以上60kPa未満にする、結晶の製造方法。
  2. 前記InxAlyGa(1-x-y)N結晶を成長する工程では、前記第1原料ガスの流速を0.18m/s以上0.35m/s以下にする、請求項1に記載の結晶の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の結晶の製造方法により、前記基板の前記主表面に前記InxAlyGa(1-x-y)N結晶を成長する工程と、
    前記InxAlyGa(1-x-y)N結晶上に電極を形成する工程とを備えた、発光素子の製造方法。
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