本発明は、気相成長方法および気相成長装置に関し、より特定的にはIII−V族化合物半導体を有機金属気相成長法により成膜するための気相成長方法および気相成長装置に関する。
有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor deposition)法は、代表的な気相成膜法の一つであり、たとえばIII族有機金属を気化させ、それを基板表面で熱的に分解させ、V族ガスと反応させて成膜する方法である。この方法は膜厚や組成の制御が可能であり、かつ生産性に優れていることから、半導体装置を製造する際の成膜技術として広く用いられている。
MOCVD法に用いられるMOCVD装置は、チャンバと、チャンバ内に配置されたサセプタと、基板表面に反応ガスを流すための通路とを備えている。MOCVD装置においては、サセプタ上に基板を載置し、基板を適当な温度に加熱し、通路を通じて基板表面に有機金属のガスを導入することにより成膜が行なわれる。ここで、成膜される膜の厚さを均一にするために、MOCVD装置には反応ガスを基板表面に沿って均一に流すことが要求される。MOCVD装置においては、反応ガスを基板表面に沿って均一に流すために、様々な通路形状が提案されてきた。
従来のMOCVD装置として、たとえば特開2008−16609号公報(特許文献1)には、基板を載置するためのサセプタと、基板に反応ガスを導入するための通路を備えたMOCVD装置が開示されている。通路は、横型三層流方式であり、サセプタの載置面に対して平行に延びている。通路において基板に最も遠い位置にH
2(水素)ガス、N
2(窒素)ガスなどのパージガスが用いられ、それよりも基板に近い位置にトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルアルミニウム(TMA)などのIII族元素を含む有機金属ガスとH
2ガス、N
2ガスなどのキャリアガスとの混合ガスが用いられ、それよりも基板に近い位置、つまり基板に最も近い位置にNH
3(アンモニア)などのV族元素を含むガスとH
2ガス、N
2ガスなどのキャリアガスとの混合ガスが用いられている。これらのガスがMOCVD装置に導入されると、互いに混合された反応ガスがサセプタにおいて載置面に平行に導入されて拡散され、サセプタによって加熱される。混合ガスに含まれる有機金属ガスは加熱によって分解し中間反応体となり、NH
3ガスと反応して窒化物半導体となる。その結果、窒化物半導体層が基板の表面に成膜される。
特開2008−16609号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示のMOCVD装置では、サセプタの上流側と下流側との各々において供給される反応ガスの条件が異なる。このため、成膜される膜の組成が均一でないという問題が生じていた。
したがって、本発明の目的は、成膜される膜の組成を均一にすることのできる気相成長方法および気相成長装置を提供することである。
本発明者は、鋭意研究の結果、従来の成膜された膜の組成が均一でなかったのは、有機金属ガスなどのIII族元素を含む原料ガスが上流から下流にかけて単調に増加するように供給されることに起因していることを見い出した。すなわち、上流側ではIII族元素を含む原料ガスがV族元素を含む原料ガスを十分に拡散できないので、III族元素を含む原料ガスが基板に十分に到達することができない。このため、上流側ではIII族元素が十分に供給されず、下流側に過剰に供給される。この結果、上流側と下流側とで、成膜される膜のIII族元素の取り込み量、つまりIII族元素の組成の差が大きくなってしまう。
そこで、本発明の気相成長方法は、主表面を有する基板を準備する工程と、基板の主表面に沿った方向に原料ガスを供給しながら、基板を加熱することにより基板の主表面に膜を形成する工程とを備えている。膜を形成する工程では、基板の主表面に垂直な方向において主表面に近い側に位置する第1のガス供給部からV族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスを基板の主表面上に供給するとともに、基板の主表面に垂直な方向において第1のガス供給部より主表面から遠い側に位置する第2のガス供給部から、III族元素を含む第3原料ガスを含む原料ガスを基板の主表面上に供給する。上記膜を形成する工程では、第1および第2のガス供給部から原料ガスを供給するとともに、基板の主表面に垂直な方向において第2のガス供給部より主表面から遠い側に位置する第3のガス供給部から、原料を含まないガスをさらに供給する。上記膜を形成する工程では、第2原料ガスに含まれるIII族元素と、第3原料ガスに含まれるIII族元素とが同一である。
本発明の気相成長装置は、反応室と、反応室の内部に配置される主表面を有する基板を載置するサセプタと、サセプタを介して基板を加熱するヒータと、反応室に、基板の主表面に沿った方向から原料ガスを供給する原料ガス供給部とを備えている。原料ガス供給部は、基板の主表面に垂直な方向において主表面に近い側に位置し、V族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスを反応室に供給する第1のガス供給部と、基板の主表面に垂直な方向において第1のガス供給部より主表面から遠い側に位置し、III族元素を含む第3原料ガスを含む原料ガスを反応室に供給する第2のガス供給部とを含む。
本発明の気相成長方法によれば、基板の主表面に近い側に位置する第1のガス供給部から、V族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスを基板の主表面上に供給し、基板の主表面に垂直な方向において第1のガス供給部より主表面から遠い側に位置する第2のガス供給部から、III族元素を含む第3原料ガスを供給している。これにより、III族元素を含む第2原料ガスが上流側に位置する基板の主表面まで拡散する距離を短くすることができる。このため、上流側に位置する基板の主表面にもIII族元素を含む第2原料ガスを十分に供給することができる。また、第2のガス供給部からIII族元素を含む第3原料ガスも供給しているため、下流側に位置する基板の主表面にもIII族元素を含む第3原料ガスを十分に供給することができる。したがって、上流から下流にかけて成膜される膜のIII族元素の濃度を均一にできる。その結果、成膜される膜の組成を均一にすることができる。また、第3のガス供給部から供給される原料を含まないガスが基板の主表面から最も遠い側に供給されている。これにより、反応室においてサセプタの対向面に第1および第2原料ガスが供給されることを抑制できる。このため、反応室のサセプタの対向面に膜が堆積することを抑制することができる。また、第2原料ガスに含まれるIII族元素と、第3原料ガスに含まれるIII元素とが同一である。これにより、同じIII族元素を取り込んだ膜を形成する際に、第2原料ガスを主に上流側に供給し、第3原料ガスを主に下流側に供給することができる。これにより、組成がより均一な膜を成膜することができる。
上記気相成長方法において好ましくは、上記膜を形成する工程では、膜としてAlxGayIn(1-x-y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)を形成する。
従来より、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)およびIn(インジウム)の少なくともいずれかを含む膜は、III族元素の取り込まれる量に差が出やすかった。しかし、本発明によれば、第2原料ガスとしてAl、GaおよびInの少なくともいずれかを含むガスを第1ガス供給部から供給することにより、上記窒化物系化合物半導体を組成の均一化を向上して成膜することができる。
上記気相成長方法において好ましくは、上記膜を形成する工程では、膜としてAlxGayN(0<x<1、0<y<1、x+y=1)、GayIn(1-y)N(0<y<1)およびAlxIn(1-x)N(0<x<1)のいずれかを形成する。
これにより、第2原料ガスとしてAl、GaおよびInの少なくともいずれかを含むガスを第1ガス供給部から供給することにより、上記3元の窒化物系化合物半導体を組成の均一化を向上して成膜することができる。
上記気相成長方法において好ましくは、上記膜を形成する工程では、膜としてGayIn(1-y)N(0<y<1)を形成する。
従来より、Inを含む膜を成膜させる場合に、Inの取り込まれる量を制御することは特に難しかった。しかし、本発明によれば、第2原料ガスとしてInを含むガスを第1供給部から供給することにより、Inを均一に取り込んだ膜を成膜することができる。
上記気相成長方法において好ましくは、上記膜を形成する工程では、第2原料ガスに含まれるIII族元素の種類は、第3原料ガスに含まれるIII族元素の種類よりも少ない。
III族元素を2種類以上含む膜を成長させる場合、III族元素の種類により熱分解に差があっても、成膜させる膜の組成分布を調整することができる。
上記気相成長方法において好ましくは、上記膜を形成する工程では、第2原料ガスは第3原料ガスよりも熱分解しやすい。
第2原料ガスは第3原料ガスよりもサセプタで加熱される距離が短い。このため、第2原料ガスが第3原料ガスよりも熱分解されやすい場合、第2原料ガスはIII族元素を上流側に供給しやすく、第3原料ガスはIII族元素を下流側に供給しやすくなる。これにより、組成がより均一な膜を成膜することができる。
上記気相成長方法において好ましくは、上記形成する工程では、第2原料ガスはトリメチルインジウムを含み、第3原料ガスはトリメチルガリウムとトリメチルインジウムとを含む。
これにより、Inの組成(1−y)をより均一にしたGayIn(1-y)N(0<y<1)を形成することができる。
上記気相成長装置において好ましくは、上記原料ガス供給部は、第2および第3原料ガスとしてのIII族元素を含む原料を、第1および第2のガス供給部へそれぞれ供給するための分岐配管と、分岐配管に設けられ、第1および第2のガス供給部への供給を選択するための切り替え部とをさらに含む。
これにより、第1および第2のガス供給部に、1つの原料容器から供給することができる。このため、原料容器の数を減少することができるので、より簡略化した気相成長装置を実現することができる。
上記気相成長装置において好ましくは、サセプタを回転させる回転機構をさらに備えている。
回転機構によりサセプタを回転させながら膜を形成することにより、上流側と下流側とに供給される第1および第2原料ガスの供給量の差をより緩和することができる。このため、組成をより均一にした膜を成膜することができる。
以上説明したように、本発明の気相成長方法および気相成長装置によれば、成膜される膜の組成を均一にすることができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
図1は、本発明の一実施の形態における気相成長装置としてのMOCVD装置の構成を示す断面図である。図2は、図1の原料ガス供給部付近の模式図である。図1および図2を参照して、本実施の形態におけるMOCVD装置1aは、反応室としてのチャンバ3と、サセプタ5と、ヒータ9と、原料ガス供給部11とを備えている。チャンバ3内にはサセプタ5とヒータ9と原料ガス供給部11とが配置されている。原料ガス供給部11は図1中横方向に延びており、原料ガス供給部11の内部にはサセプタ5の載置面(図1では上面)が面している。
サセプタ5は、チャンバ3の内部に配置されている。このサセプタ5は円盤形状を有しており、同じく円盤形状を有するヒータ9上に配置されている。サセプタ5の下部には回転機構としての回転軸13が取り付けられており、これにより、サセプタ5は原料ガス供給部11の内部に載置面が面した状態で回転可能となっている。サセプタ5の載置面には平面的に見て円形状を有する複数の溝7が形成されている。これらの溝7の各々に主表面20aを有する基板20の各々が載置され、これにより基板20が加熱される。サセプタ5の載置面にはたとえば7つの溝7が形成されており、これらの溝7の各々に円形の基板20が載置される。ヒータ9は、サセプタ5を介して基板20を加熱する。
原料ガス供給部11は、チャンバ3に、基板20の主表面20aに沿った方向から原料ガスG1、G2を供給している。つまり、原料ガス供給部11は、基板20の主表面20aに原料ガスG1、G2およびガスG3で構成される反応ガスを流すための通路である。本実施の形態の原料ガス供給部11はサセプタ5の載置面に対して平行に延びており、原料ガスの流れ方向(図1中左側から右側へ向かう方向)に垂直な面で見ると矩形の断面形状を有している。また、原料ガス供給部11は横型三層流方式であり、上流側(図1中左側)に第1のガス供給部11aと、第2のガス供給部11bと、第3のガス供給部11cとを含んでいる。
この第1のガス供給部11aは、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて主表面20aに近い側に位置している。第2のガス供給部11bは、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて第1のガス供給部11aより主表面20aから遠い側に位置している。第3のガス供給部11cは、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて第2のガス供給部11bより主表面20aから遠い側に位置している。つまり、サセプタ5の載置面と垂直な方向Dにおいて、第1のガス供給部11a、第2のガス供給部11b、第3のガス供給部11cの順に、サセプタ5の載置面に近い。なお、第1〜第3のガス供給部11a〜11cの原料ガスG1、G2およびガスG3の出口の位置は、基板20の主表面20aとに沿った方向、つまり原料ガスG1、G2およびガスG3の流れ方向において図1に示すように異なっていてもよく、同じであってもよい。
第1のガス供給部11aは、V族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスG1をチャンバ3に供給する。原料ガスG1として、NH3ガスなどのV族元素を含むガスと、H2ガス、N2ガスなどのキャリアガスとの混合ガスを用いることができる。第2のガス供給部11bは、III族元素を含む第3原料ガスを含む原料ガスG2をチャンバ3に供給する。原料ガスG2として、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)、またはトリメチルアルミニウム(TMA)などのIII族元素を含む有機金属ガスと、H2ガス、N2ガスなどのキャリアガスとの混合ガスを用いることができる。第3のガス供給部11cは、原料を含まないガスG3を供給する。ガスG3は、原料ガスG1、G2の反応を抑制するパージガスが好適に用いられる。ガスG3として、H2ガス、N2ガスなどのキャリアガスを用いることができる。
図2に示すように、原料ガス供給部11には、種々のガスを内部に収容する容器101〜107が配置されている。容器101は、NH3などV族元素を含む第1原料ガスである。容器102、103は、N2、H2などのキャリアガスである。容器104〜106は、それぞれTMG、TMI、TMAなどV族元素を含む第2および第3原料ガスである。容器107は、シクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)などドーパントとなるガスである。なお、各原料ガス、キャリアガスおよびドーパントガスの配管には、流量を制御するためのマスフローコントローラーが設置されるが、図では省略されている。
原料ガス供給部11には、容器101〜103に収容されたガスを第1〜第3のガス供給部11a〜11cへそれぞれ供給するための配管111〜113が設けられている。
容器104〜106の内部に収容されているIII族元素を含む第2および第3原料ガスを、第1および第2のガス供給部11a、11bへそれぞれ供給するために、容器104〜106に接続された分岐配管114〜116が設けられている。また容器107に収容されているドーパントガスを第1または第2のガス供給部11a、11bへそれぞれ供給するために、容器107に接続された分岐配管117が設けられている。この分岐配管114〜117は、第1および第2のガス供給部11a、11bにガスを供給するための配管111、112に接続されている。この分岐配管114〜117には、第1および第2のガス供給部11a、11b、およびベント配管120への供給を任意に選択するための切り替え部134a〜134c、135a〜135c、136a〜136c、137a〜137cが設けられている。なお、有機金属原料はキャリアガスを容器へ供給しバブリングさせて供給するが、容器の温度を一定に保つために恒温槽内で保持し容器内の圧力を一定に保つための圧力制御機構が設置される。これらは図では省略されている。
図3は、本実施の形態の変形例におけるMOCVD装置の構成を示す断面図である。図3に示すように、MOCVD装置1bは、第3のガス供給部11cは省略されていてもよい。この場合に、チャンバ3の基板20の主表面20a(サセプタ5の載置面)と対向する面(図1において上壁)に原料ガスG1、G2が供給されることにより膜が堆積することを抑制するためのパージ機構などの手段が設けられていることが好ましい。
なお、本実施の形態および変形例のMOCVD装置1a、1bでは、サセプタ5はチャンバ3の下方に配置されているフェースアップ方式であるが特にこれに限定されない。MOCVD装置は、チャンバ3の上方にサセプタ5が配置されているフェースダウン方式であってもよい。
続いて、本実施の形態における気相成長方法としてのMOCVD法について説明する。本実施の形態では、図1および図2に示すMOCVD装置1aを用いて、MOCVD法によりIII−V族化合物半導体を成膜させる。
まず、主表面20aを有する基板20を準備する。この工程では、たとえばMOCVD装置1aにおいて、サセプタ5の載置面に基板20が載置され、基板20をサセプタ5に保持させる。準備する基板20は特に限定されないが、たとえばGaN(窒化ガリウム)基板を用いることができる。
次に、基板20の主表面20aに沿った方向に原料ガスを供給しながら、基板20を加熱することにより基板20の主表面20aに膜を形成する。この膜を形成する工程では、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて主表面20aに近い側に位置する第1のガス供給部11aからV族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスG1を基板20の主表面20a上に供給するとともに、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて第1のガス供給部11aより主表面20aから遠い側に位置する第2のガス供給部11bから、III族元素を含む第3原料ガスを含む原料ガスG2を基板20の主表面20a上に供給する。さらに、基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて第2のガス供給部11bより主表面20aから遠い側に位置する第3のガス供給部11cから、原料を含まないガスG3を供給する。
具体的には、MOCVD装置1aにおいては、サセプタ5の載置面に基板20が載置された状態で、ヒータ9によってサセプタ5が加熱され、回転軸13でサセプタ5が回転される。そして、第1〜第3のガス供給部11a〜11cの各々から原料ガスを構成する原料ガスG1、G2およびガスG3が導入される。原料ガスは上流側から下流側(図1中右方向)に流れていく。たとえばIII−V族化合物半導体層を成膜する場合、上述した原料ガスG1、G2が用いられる。これらの原料ガスG1、G2およびガスG3の各々が第1〜第3のガス供給部11a〜11cの各々へ導入されると、サセプタ5上において載置面に平行に導入されて拡散され、加熱されたサセプタ5により加熱される。第2および第3原料ガスに含まれるIII族元素を有するガスは加熱によって分解し中間反応体となり、同様に加熱によって分解した第1原料ガスに含まれるV族元素を有するガスの中間反応体と反応してIII−V族化合物半導体となる。その結果、III−V族化合物半導体が基板20の主表面20aに成膜される。
この膜を形成する工程では、第2原料ガスに含まれるIII族元素と、第3原料ガスに含まれるIII族元素とが同一であることが好ましい。たとえばIII族元素としてInを含むガスが第2および第3原料ガスに含まれている。この場合、Inを含むガスは同じであっても異なっていてもよい。異なっている場合には、Inを含むガスとしてTMIおよびトリエチルインジウム(TEI)などを用いることができる。また図2に示すような分岐配管114〜116および切り替え部134a、134b、135a、135b、136a、136bにより、第2および第3原料ガスを供給することができる。
また膜を形成する工程では、第2原料ガスに含まれるIII族元素の種類は、第3原料ガスに含まれるIII族元素の種類よりも少なくてもよい。たとえば、第1のガス供給部11aから1種類のIII族元素を含む第2原料ガスを供給し、第2のガス供給部11bから2種類以上のIII族元素を含む第3原料ガスを供給する。この場合、たとえば図2に示す切り替え部134a、134b、135a、136b、137a、137bにより、原料ガスのうち、容器104に収容されているTMGを第2のガス供給部11bのみに供給し、容器105に収容されているTMIを第1および第2のガス供給部11a、11bに供給する。
また膜を形成する工程では、第2原料ガスは第3原料ガスよりも熱分解しやすいことが好ましい。ここで、熱分解しやすいことは、たとえばダングリングボンドを有するIII族元素(活性III族元素)に分解されるために要する活性化エネルギーを値により判断することができる。たとえばTMG(Ga(CH3)3)とトリエチルガリウム(TEG:Ga(C2H5)3)とを比較する。Ga(CH3)3→Ga(CH3)2+CH3の反応に要する活性化エネルギーは59.5kcalであり、Ga(C2H5)3→Ga(C2H5)2+C2H5の反応に要する活性化エネルギーは47kcalである。このため、TEGの方がTMGよりも熱分解しやすい。またTMA(Al(CH3)3)とトリエチルアルミニウム(TEA:Al(C2H5)3)とを比較する。Al(CH3)3→Al(CH3)2+CH3の反応に要する活性化エネルギーは37.9kcalであり、Al(C2H5)3→Al(C2H5)2+C2H5の反応に要する活性化エネルギーは29kcalである。このため、TEAの方がTMAよりも熱分解しやすい。したがって、GaまたはAlを含む膜を形成する場合には、第1のガス供給部11aからTEG、TEAを供給し、第2のガス供給部11bからTMG、TMAを供給する。また、Inを含む膜を形成する場合には、第1のガス供給部11aからTEI(トリエチルインジウム)を供給し、第2のガス供給部11bからTMIを供給する。
また、上述したように第2原料ガスに含まれるIII族元素の種類は、第3原料ガスに含まれるIII族元素の種類よりも少ない場合には、第2および第3原料ガスの熱分解しやすさを考慮して第2および第3原料ガスを決定することが好ましい。この場合、形成する膜のIII族元素の組成の分布を制御できる。
膜としてAlxGayIn(1-x-y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)を形成することが好ましく、AlxGayN(0<x<1、0<y<1、x+y=1)、GayIn(1-y)N(0<y<1)およびAlxIn(1-x)N(0<x<1)のいずれかを形成することがより好ましく、GayIn(1-y)N(0<y<1)を形成することが最も好ましい。GayIn(1-y)N(0<y<1)を形成する場合には、第1のガス供給部11aからTMIを供給し、第2のガス供給部11bからTMGとTMIとを供給することが好ましい。また原料ガスG1、G2と同時にドーパントガスを基板20の主表面20aに供給することにより、ドーパントを含む膜を形成することもできる。
以上の工程を実施することにより、膜を形成することができる。本実施の形態では、サセプタ5に載置された基板20の主表面20aに垂直な方向Dにおいて主表面20aに近い側に位置する第1のガス供給部11aからV族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスG1を基板20の主表面20a上に供給している。これにより、III族元素を含む第3原料ガスが第1のガス供給部11aから供給される原料ガスG1を拡散して基板20の主表面20aに到達する従来の場合と比較して、III族元素を含む第2原料ガスが上流側に位置する基板20の主表面20aまで拡散する距離を短くすることができる。このため、上流側でのIII族元素を含む第2原料ガスの濃度を高めることができ、上流側に位置する基板20の主表面20aに第2原料ガスを十分に供給することができる。また、第2のガス供給部11bからIII族元素を含む第3原料ガスも供給しているため、下流側に位置する基板20の主表面20aにもIII族元素を含む第3原料ガスを十分に供給することができる。したがって、上流から下流にかけて基板20の主表面20aに供給されるIII族原料の濃度を均一に供給できる。その結果、成膜される膜、特に複数の基板20上に膜を成膜させる場合には、複数の膜間のIII族元素の組成(組成比、モル比)の差を低減できる。よって、成膜される膜の組成を均一にすることができる。
このように成膜される膜の組成を均一にできると、平均として取り込まれるIII族元素の組成を確保することができる。このため、下流側(サセプタ5を回転させる場合には外周側)で過剰にIII族元素が取り込まれることを抑制することができる。これにより、III族元素の組成の値が必要以上に大きくなることに起因した膜の結晶性の劣化を抑制することができる。特にInの組成(1−y)が大きなGayIn(1-y)N(0<y<1)を成膜させる場合には、下流側(サセプタ5を回転させる場合には外周側)で、Inの組成(1−y)の値が目標とする値よりも大きくなることを抑制できる。このため、形成するGayIn(1-y)Nの結晶性を良好にできる傾向がある。
さらに、基板20に近い側である第1のガス供給部11aからV族元素、特にN源を供給している。このため、成膜する膜質が良好になる。
さらには、上流側から十分な量のIII族元素とV族元素とを基板20に供給することができるので、従来よりも成膜が促進される。その結果として、成膜速度を向上することができる。
なお、本実施の形態ではMOCVD装置を用いてMOCVD法によりIII−V族化合物半導体膜を成膜させたが、特にこれに限定されない。たとえば、HVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy:ハイドライド気相成長)法などの気相成長法を採用することもできる。
本実施例では、基板20の主表面20aに近い側に位置する第1のガス供給部11aからV族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスG1を基板20の主表面20a上に供給することの効果について調べた。
(本発明例1)
本発明例1では、基本的に上述した図1に示すMOCVD装置1aを用いてGayIn(1-y)N(0<y<1)を形成した。
具体的には、まず、図1に示すMOCVD装置1aのサセプタ5の載置面において中心よりも上流側と中心よりも下流側とに基板20をそれぞれ載置した。なお、基板20は、サファイア基板上にGaNを1.5μm成膜したエピタキシャル基板を事前に準備した。
次に、基板20の主表面20aに近い側から順に原料ガスG1、G2およびガスG3を下記の表1に示す条件で供給しながら、サセプタ5が750℃になるようにヒータ9で加熱した。なお、回転軸13によりサセプタ5を回転させなかった。成長圧力を100kPaとして、基板20の主表面20a上にGayIn(1-y)Nを形成した。
なお、第1のガス供給部11aから供給される原料ガスG1は、第1原料ガスとしてのNH3と、第2原料ガスとしてのTMIと、キャリアガスとしてのN2とであった。第2のガス供給部11bから供給される原料ガスG2は、第3原料ガスとしてのTMGおよびTMIと、キャリアガスとしてのN2とであった。第3のガス供給部11cから供給されるガスG3は、N2であった。第1のガス供給部11aから供給される原料ガスG1の流量は30slmであり、第2のガス供給部11bから供給される原料ガスG2の流量は15slmであった。第3のガス供給部11cから供給されるガスG3の流量は35slmであった。
第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスG1、G2中の合計のTMIの供給量に対する第1のガス供給部11aから供給される原料ガスG1中のTMIの供給量{原料ガスG1のTMI/(原料ガスG1のTMI+原料ガスG2のTMI)}は、22%であった。また、原料ガスG1、G2中の合計のTMIと、原料ガスG2中のTMGとの合計の供給量に対する原料ガスG1、G2中の合計のTMIの供給量{TMI/(TMI+TMG)}は、54%であった。第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスG1、G2においてIII族元素に対するV族元素の比率(V/III)は12300であった。
(比較例1)
比較例1は、基本的には本発明例1と同様に成膜したが、第1および第2のガス供給部11a、11bから供給する原料ガスG1、G2が異なっていた。つまり、第1のガス供給部11aからはIII族元素を含む原料ガスを供給しなかった。
具体的には、第1のガス供給部11aから供給する原料ガスは、NH3およびN2であった。第2のガス供給部11bから供給される原料ガスは、TMG、TMIと、N2とであった。第3のガス供給部11cから供給されるガスは、N2であった。第1のガス供給部11aから供給される原料ガスの流量は30slmであり、第2のガス供給部11bから供給される原料ガスの流量は15slmであった。第3のガス供給部11cから供給されるガスの流量は35slmであった。第2のガス供給部11bから供給される原料ガスにおいて、TMIとTMGとの合計の供給量に対するTMIの供給量{TMI/(TMI+TMG)}は、54%であった。第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスにおいてIII族元素に対するV族元素の比率(V/III)は16000であった。
(評価方法)
本発明例1および比較例1の上流側および下流側の基板について、サセプタ5の中心からの距離を測定した。またそれぞれの基板上に成膜した膜のInの組成(1−y)をX線回折により測定した。その結果を図4に示す。なお、図4は、実施例1において基板の位置と、Inの組成との関係を示す図である。図4中、縦軸はインジウムの組成(単位:なし)を示し、横軸は、サセプタ5の中心から上流側に向けてマイナスとし、サセプタ5の中心から下流側に向けてプラスとしたときのサセプタ5の中心からの距離(単位:mm)を示す。
(評価結果)
図4に示すように、第1のガス供給部11aからIII族元素を含む第2原料ガスを含む原料ガスG1が供給された本発明例1では、上流側の基板上の膜のInの組成(1−y)と、下流側の基板上の膜のInの組成(1−y)との差は、比較例1よりも小さくなっていた。このため、上流側と下流側との膜の組成の均一性を向上できた。
また、上流側の基板上の膜において、上流側に位置する領域のInの組成(1−y)と下流側に位置する領域のInの組成(1−y)との差は、比較例1よりも小さくなっていた。このため、膜の面内のInの組成の分布の差を緩和することができた。
本実施例では、基板20の主表面20aに近い側に位置する第1のガス供給部11aからV族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスG1を基板20の主表面20a上に供給することの効果について調べた。
(本発明例2)
本発明例2は、サセプタ5の上流側に1枚の基板を載置し、本発明例1と同様に成膜したが、回転軸13によりサセプタ5を回転しながら成膜した点、およびサセプタの温度が800℃であった点においてのみ異なっていた。
(本発明例3)
本発明例3は、サセプタ5の上流側に1枚の基板を載置し、基本的には本発明例2と同様に成膜したが、第1のガス供給部から供給した原料ガスG1中のTMIの供給量が下記の表2に示すように異なっていた。
具体的には、第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスG1、G2中のTMIの合計の供給量に対する第1のガス供給部11aから供給される原料ガスG1中のTMIの供給量{原料ガスG1のTMI/(原料ガスG1のTMI+原料ガスG2のTMI)}は、28%であった。その結果、原料ガスG1、G2中の合計のTMIと原料ガスG2中のTMGとの合計の供給量に対する原料ガスG1、G2中の合計のTMIの供給量{TMI/(TMI+TMG)}は、60%であった。第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスG1、G2においてIII族元素に対するV族元素の比率(V/III)は14700であった。
(比較例2)
比較例2は、サセプタ5の上流側に1枚の基板を載置し、基本的には比較例1と同様に成膜したが、回転軸13によりサセプタ5を回転しながら成膜した点、およびサセプタの温度が800℃であった点、および第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスにおいてIII族元素に対するV族元素の比率(V/III)は12800であった点においてのみ異なっていた。
(比較例3)
比較例3は、サセプタ5の上流側に1枚の基板を載置し、基本的には比較例2と同様に成膜したが、第1のガス供給部から供給した原料ガス中のTMIの供給量が下記の表2に示すように異なっていた。具体的には、第2のガス供給部11bから供給される原料ガスにおいてTMIとTMGとの合計の供給量に対するTMIの供給量{TMI/(TMI+TMG)}は、60%であった。第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスにおいてIII族元素に対するV族元素の比率(V/III)は14700であった。
なお、比較例2および3のそれぞれのInの総供給量は、本発明例2および3のそれぞれのInの総供給量と同じであった。
(評価方法)
本発明例2、3および比較例2、3の基板上に成膜した各々の膜について、実施例1と同様にInの組成(1−y)を測定した。その結果を図5に示す。なお、図5は、実施例2におけるIII族元素の原料中のTMIと、膜のInの組成との関係を示す図である。図5中、縦軸はインジウムの組成(単位:なし)を示し、横軸は原料中のIII族元素の原料であるTMIとTMGとの合計に対するTMIの割合(単位:%)を示す。
(評価結果)
図5に示すように、本発明例2、3は、比較例2、3に比較して、Inの供給源であるTMIの供給量が同じにも関わらず、Inの組成(1−y)が高いGayIn(1-y)Nを成膜することができた。つまり、基板20の主表面20aに近い側に位置する第1のガス供給部11aからV族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスG1を基板20の主表面20a上に供給することにより、Inの取り込み量を増加できることがわかった。
本実施例では、基板20の主表面20aに近い側に位置する第1のガス供給部11aからV族元素を含む第1原料ガスとIII族元素を含む第2原料ガスとを含む原料ガスG1を基板の主表面上に供給することの効果について調べた。
(本発明例4)
本発明例4は、サセプタ5の上流側に1枚の基板を載置し、基本的には本発明例1と同様に成膜したが、以下の点が異なっていた。
具体的には、サファイア基板上に1.5μmの厚みを有するGaN層を形成した。次に、下記の表3に示す条件でGayIn(1-y)N(0<y<1)を形成した。つまり、第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスG1、G2中の合計のTMIの供給量に対する第1のガス供給部11aから供給される原料ガスG1中のTMIの供給量{原料ガスG1のTMI/(原料ガスG1のTMI+原料ガスG2のTMI)}は、8.3%であった。その結果、原料ガスG1、G2中の合計のTMIと原料ガスG2中のTMGとの合計の供給量に対する原料ガスG1、G2中の合計のTMIの供給量{TMI/(TMI+TMG)}は、56%であった。第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスG1、G2においてIII族元素に対するV族元素の比率(V/III)は14000であった。
(比較例4)
比較例4は、サセプタ5の上流側に1枚の基板を載置し、基本的には比較例1と同様に成膜したが、第1のガス供給部から供給した原料ガス中のTMIの供給量が下記の表3に示すように異なっていた。具体的には、第2のガス供給部11bから供給される原料ガスにおいてTMIとTMGとの合計の供給量に対するTMIの供給量{TMI/(TMI+TMG)}は、54%であった。第1および第2のガス供給部11a、11bから供給される原料ガスG1、G2においてIII族元素に対するV族元素の比率(V/III)は13100であった。
(評価方法)
本発明例4および比較例4の基板上に成膜した膜について、Inの組成(1−y)、膜厚、X線回折ピーク強度およびX線回折半値幅をそれぞれ測定した。Inの組成(1−y)は、実施例1と同様に測定した。
また、ω−2θスキャンでは、ω(試料角度)と2θ(検出器角度)を同期させ測定を行った。ωスキャンでは、2θをInGaN結晶ピーク位置に固定し、ωをスキャンし測定を行った。その結果を図6および図7に示す。なお、図6および図7は、実施例3における回折強度を示す図である。図6および図7中、縦軸は回折強度(単位:カウント数/秒)を示し、横軸はω(単位:秒)を示す。図6において、ωが0(秒)の角度位置はGaN結晶を示し、−1500(秒)を示す角度位置はInGaN結晶を示す。図6において、回折強度のピーク値を示すωが大きいほど、Inの取り込み量が多いことを示す。この図6の縦軸のピーク値をX線回折ピーク強度として求めた。また、図7のピーク幅からX線回折半値幅を求めた。その結果を下記の表3に示す。
(評価結果)
図6に示すように、第1のガス供給部11aからIII族元素を含む第2原料ガスを含む原料ガスG1が供給された本発明例4は、III族元素を含む原料を第2のガス供給部11bから供給した比較例4よりもInの取り込み量が多かった。これにより、本発明例4は比較例4よりも上流側でInを十分に取り込めたので、基板を回転させた場合の平均的な組成を向上できたことがわかった。
また図6および表3に示すように、本発明例4は比較例4よりもX線回折ピーク強度が高かった。これにより、本発明例4は比較例4よりもIn組成のばらつきが少なかったことがわかった。さらに図7および表3に示すように、本発明例4は比較例4よりもピーク値が高く、X線回折半値幅が狭かった。これにより、本発明例4は比較例4よりも結晶性が良好であったことがわかった。このため、第1のガス供給部11aからIII族元素を含む第2原料ガスを含む原料ガスG1が供給することで、膜の結晶性を向上できることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態におけるMOCVD装置の構成を示す断面図である。
図1の原料ガス供給部付近の模式図である。
本発明の実施の形態の変形例におけるMOCVD装置の構成を示す断面図である。
実施例1において基板の位置と、Inの組成との関係を示す図である。
実施例2におけるIII族元素の原料中のTMIと、膜のInの組成との関係を示す図である。
実施例3における回折強度を示す図である。
実施例3における回折強度を示す図である。
符号の説明
1a,1b MOCVD装置、3 チャンバ、5 サセプタ、7 溝、9 ヒータ、11 原料ガス供給部、11a 第1のガス供給部、11b 第2のガス供給部、11c 第3のガス供給部、13 回転軸、20 基板、20a 主表面、101〜107 容器、111〜113 配管、114〜117 分岐配管、120 ベント配管、134a〜134c,135a〜135c,136a〜136c,137a〜137c 切り替え部、D 方向、G1,G2 原料ガス、G3 ガス。