JP7349341B2 - 気相成長装置及び気相成長方法 - Google Patents
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Description
また、近年、GaNを用いたパワーデバイスにおいても、縦方向に電気を流す縦型ダイオードやトランジスタ等の開発が注目されている。一方、このようなパワーデバイスには数十ミクロン程度の膜厚が必要になることから、成長速度が最大で10μm/hr程度のMOCVD装置では生産性の向上が見込めず、また、生産コストを抑制することも難しいというデメリットもある。
即ち、本発明は、以下の態様を包含する。
(1)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ラインと、他の原料ガス供給ラインとの間に石英材を配置した構造。
(2)上記(1)における石英材の表面が不透明化された構造。
(3)上記(1)における石英材が不透明石英材である構造。
(4)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ラインと、他の原料ガス供給ラインとの間に真空層を配置した構造。
(5)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ラインと、他の原料ガス供給ラインとの間にガス流層を配置した構造。
(6)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ラインと、他の原料ガス供給ラインとの間に、少なくとも窒化ボロン(BN)、炭化タンタル(TaC)、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)の何れかを含む、耐熱性を有する高反射率材を配置した構造。
(7)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ライン、及び、他の原料ガス供給ラインを含む各流路の間に空間を配置した構造。
(8)上記(1)~(7)に示す断熱構造を少なくとも2以上で組み合わせた構造。
図3は、本発明の第2の実施形態である気相成長装置を模式的に説明する図であり、気相成長装置の概略構成を側面側から示す断面図である。
また、図4及び図5は、本発明の第3の実施形態である気相成長装置を模式的に説明する図で、図4は気相成長装置の概略構成を側面側から示す断面図であり、図5は気相成長装置を上面側から示す断面図である。
また、図1~図5に示す例の各気相成長装置は、サセプタが基板を水平に保持し、集合配管部が、フローチャンネルを介して、基板に向けて原料ガスを水平方向で噴出する、所謂横型の気相成長装置とされている。
以下に、第1の実施形態の気相成長装置1、及び、それを用いた気相成長方法について、図1及び図2を参照しながら詳しく説明する。
図1に示した第1の実施形態の気相成長装置1は、基板80上に図視略の半導体薄膜を成長させるためのものである。本実施形態の気相成長装置1は、凝縮温度及び分解温度のうちの少なくとも何れかが異なる2種類以上の原料ガス(図1中の符号G1,G2,G3を参照)を反応炉10内に導入し、反応炉10内に設置した基板80を原料ガスの分解温度以上に加熱することで、基板80上に半導体膜を成長させるものであり、集合配管部2、フローチャンネル3、サセプタ4、反応炉10を備えて概略構成される。また、図1中では図示を省略しているが、本実施形態の気相成長装置1には、集合配管部2に向けて複数の原料ガスを供給するためのガス供給部が備えられ、これら複数の原料ガスが、それぞれ、ガス供給部(図1中の符号51,52,53を参照)によって集合配管部2に導入される。
気相成長装置1は、上記の断熱構造を有することにより、低温分解原料ガスG3を、凝縮温度以上かつ分解温度以下の温度に独立して保持するか、あるいは、反応に最適化された分子形態となる温度範囲に独立して保持しつつ、基板80上に供給する。
以下、気相成長装置1の各構成要素について詳述する。
また、反応炉10内において、複数のガス供給部51,52,53は上流側(図1中における左側)に配置され、サセプタ4は下流側(図1中における右側)に配置される。
サセプタ4は、通常、熱の良導体(例えば、カーボン等)で形成され、さらに好適には、原料ガスによる腐食を防止する観点から、SiC等のコーティングが施される。また、サセプタ4は、気相成長する薄膜の膜厚の平均化を図るため、図視略のモータによる駆動に伴って回転可能に構成されている。
また、サセプタ4の回転軸41の一端には、図視略のかさ歯車が取り付けられており、その他端には、図示略のモータが取り付けられ、このモータの駆動によって回転軸41が回転するように構成されている。従って、回転軸41の回転に伴い、かさ歯車も回転することになる。一方、回転軸41、図視略のかさ歯車及びモータは一体とされ、回転軸41の軸方向に一定距離で摺動して移動することが可能に構成されており、図1中に示したサセプタ4の位置において、かさ歯車が、サセプタ4の下面に設けられた図視略の複数の歯と嵌合するように構成されている。従って、当該位置においてモータが駆動されると、回転軸41及びかさ歯車を介してサセプタ4が回転することになる。
また、フローチャンネル3の材質としては、特に限定されないが、例えば、耐熱性及び耐腐食性を有する石英等が好適に用いられる。
また、複数のガス供給部51,52,53は、各々、上流側フランジ12を貫通するように設けられる。
一方、酸化アルミニウム(AlO)からなる半導体膜を成膜する場合には、原料ガスG1に、NH3ガスに代えて、酸素(O2)を含むものを用いる。
上記のような第1ガス供給部51には、一般的な配管部材を用いることが可能である。
そして、第2ガス供給部52は、入口52aより塩化水素(HCl)ガスを導入し、出口52bから原料発生室55内に吐出することで、この原料発生室55内において液体ガリウムとHClとを反応させる。このとき、原料発生室55内は、反応炉10の外側に配置された加熱器56によって加熱される。これにより、原料発生室55内で、半導体膜原料である一塩化ガリウム(GaCl)を生成させ、出口側から集合配管部2に向けて供給する。
上記のような第3ガス供給部53にも、一般的な配管部材を用いることが可能である。
また、ガス供給部52及び原料発生室55を加熱するための加熱器56としても、加熱器45と同様の加熱手段を何ら制限無く採用することができる。
(1)低温分解原料ガスG3が流通する第3原料ガス供給ラインL3と、他の原料ガス供給ラインL1,L2との間に石英材を配置した構造。
(2)上記(1)における石英材6の表面が不透明化された構造。
(3)上記(1)における石英材6が不透明石英材である構造。
(4)低温分解原料ガスG3が流通する第3原料ガス供給ラインL3と、他の原料ガス供給ラインL1,L2との間に真空層を配置した構造(図4に示した第3の実施形態に係る気相成長装置1Bに備えられる真空層24を参照)。
(5)低温分解原料ガスG3が流通する第3原料ガス供給ラインL3と、他の原料ガス供給ラインL1,L2との間にガス流層(図視略)を配置した構造。
(6)低温分解原料ガスG3が流通する第3原料ガス供給ラインL3と、他の原料ガス供給ラインL1,L2との間に、少なくとも窒化ボロン(BN)、炭化タンタル(TaC)、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)の何れかを含む、耐熱性を有する高反射率材を配置した構造(図4に示した第3の実施形態に係る気相成長装置1Bに備えられる高反射率材25を参照)。
(7)低温分解原料ガスG3が流通する第3原料ガス供給ラインL3、及び、他の原料ガス供給ラインL2,L3を含む各流路の間に空間(図視略)を配置した構造。
(8)上記(1)~(7)に示す断熱構造を少なくとも2以上で組み合わせた構造。
さらに、上記同様に石英材6を2枚重ねて配置し、それらの間を真空密封した場合には、熱伝導率はほぼ0(ゼロ)となる。
さらに、上記同様に石英材6を2枚重ねて配置し、それらの間に、例えば、窒化ボロン(BN)、炭化タンタル(TaC)、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)の何れかを含む、耐熱性を有する高反射率材を配置した構造を採用することで、輻射熱の影響をより効果的に抑制できる(後述の第3の実施形態における気相成長装置1Bの説明も参照)。
そこで、本発明者等が、装置形状や原料ガスの流通条件について鋭意検討した結果、以下のような形態が最も好ましいことを見いだした。
ここで、図1中では詳細な符号の付与を省略しているが、フローチャンネル3内における各々の原料ガス供給ラインL1,L2,L3は、それぞれ、底面と対向して配置される天井面と、底面と天井面とを繋ぐように配置される、それぞれ対向した側面とを有し、さらに、上記の各噴出口31,32,33が開口している。そして、上記のように構成されたフローチャンネル3において、基板80の成長面80aに対して平行に原料ガスG1,G2,G3を供給したときに、これら原料ガスG1,G2,G3の流れを規制する、基板80の成長面80aと面一に配置される底面から天井面までの高さが9mm以下であることが好ましい。
また、基板80の外周上における回転速度を付加した原料ガスの相対流速が0.8m/s以上となるように調整することが好ましい。
また、上記の条件を効率よく達成するため、フローチャンネルの外枠の一部を、基板80上から下流側まで延設した構成を採用することも可能である(例えば、図4中に示すフローチャンネル3Bの第2フローチャンネル35を参照)。
本実施形態の気相成長方法、即ち、上記構成の気相成長装置1を用いた、半導体膜の製膜プロセスの一例について、以下に説明する。
本実施形態の気相成長方法は、気相成長装置1を用いて、凝縮温度及び分解温度の少なくとも何れかが異なる2種類以上の原料ガスを反応炉10内に導入し、反応炉10内に設置した基板80を原料ガスの分解温度以上に加熱することで、基板80上に半導体膜を成膜する方法である。
なお、以下においては、基板80の成長面80a上にGaNからなる半導体膜を成膜する例を挙げて説明する。
また、第2ガス供給部52に、反応炉10の外部に配置された図視略のタンクから、塩化水素(HCl)ガスを導入し、原料発生室55内において、容器55aに収容された液体ガリウムとHClとを、加熱器56によって加熱しながら反応させ、一塩化ガリウム(GaCl)を生成させる。そして、この塩化ガリウムを原料ガスG2として、出口側から集合配管部2に向けて供給する。この原料ガスG2の温度は、例えば800℃とする。
また、第3ガス供給部53に、反応炉10の外部に配置された図視略のタンクから、ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム(Cp2Mg)に水素(H2)又は窒素(N2)が加えられた混合ガスを導入し、この混合ガスを、低温分解原料ガス(原料ガス)G3として、第3ガス供給部53の出口側から集合配管部2に向けて供給する。この低温分解原料ガスG3の温度は、例えば、20℃とする。
なお、各々の原料ガスG1,G2,G3の供給タイミングは、以下に説明するように、適宜、調整する。
例えば、窒化アルミニウム(AlN)、又は窒化インジウム(InN)からなる半導体膜を基板80上に成膜することもできる。このような場合には、例えば、原料発生室55内にアルミニウム又はインジウムからなる固体材料を収容することで、原料ガスG2の組成を変更し、所望の組成を有する半導体膜を成膜することができる。
あるいは、ガス供給部をさらに増設することで原料ガスを多種に拡充し、例えば、GaN、AlN及びInNの混合物からなる成長膜として、基板80上に半導体膜を成膜してもよい。
また、AlO成長膜からなる半導体膜を形成する場合には、原料ガスG1として酸素(O2)を含むガスを用いるとともに、原料発生室55内に固体アルミニウムを収容し、外部から供給されるHClと反応させてAlCl3を生成させ、これを原料ガスG2として用いればよい。
また、AlGaOx成長膜からなる半導体膜を成膜する場合には、原料ガスG1としてO2を含むガスを用いるとともに、ガス供給部52を2台設置し、それぞれの原料発生室55内に固体アルミニウム又は液体ガリウムを収容して、それぞれ、GaCl又はAlCl3を生成させ、これを原料ガスG2として用いればよい。
以上説明したような、本実施形態の気相成長装置1によれば、上記の各構成により、低温分解原料ガスG3を、凝縮温度以上かつ分解温度以下の温度に独立して保持するか、又は、反応に最適化された分子形態となる温度範囲に独立して保持しつつ、基板80上に供給できる。これにより、HVPE法によって半導体膜を成膜する場合においても、高純度のGaN層を高い成長速度で成膜できるとともに、別の反応炉に基板80を入れ替えることなく、引き続いてP型ドーピング層を成長させることができる。従って、GaN層を成膜した後、同一の反応炉10内でP型ドーピング層を形成できるので、PN接合特性に優れる半導体膜を、優れた生産性及び低コストで成膜することが可能になる。
以下に、第2の実施形態の気相成長装置1Aについて、図3を参照しながら詳しく説明する。
なお、以下の説明においては、上述した第1の実施形態の気相成長装置1と同様の構成については、同じ符号を付与するとともに、その詳しい説明を省略することがある。
このような第3ガス供給部53Aにも、一般的な配管部材を用いることが可能である。
以下に、第3の実施形態の気相成長装置1Bについて、図4及び図5を参照しながら詳しく説明する。
なお、以下の説明においては、上述した第1,2の実施形態の気相成長装置1,1Aと同様の構成については、同じ符号を付与するとともに、その詳しい説明を省略することがある。
なお、第1フローチャンネル34は、下流側においては、第2フローチャンネル35と連接するよう、第2フローチャンネル35と同サイズの開口端を有し、且つ、基板80の平面方向において、底面と天井面とが平行とされた区間を有していてもよい。
さらに、第1フローチャンネル34は、対向する側壁同士が平行とされた区間を有していてもよい。
なお、上述した複数のガス供給部51B,52B,53Bにも、一般的な配管部材を用いることが可能である。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
また、上記の各実施形態においては、サセプタ4上に基板80を設置したフェイスアップ方式を採用しているが、基板80が下方を向くフェイスダウン方式を採用してもよい。
また、上記の各実施形態においては、原料ガスG1,G2,G3を、基板80側から、NH3を含む原料ガスG1、塩化ガリウムを含む原料ガスG2、Cp2Mgを含む低温分解原料ガスG3の順で重なるように、基板80の成長面80a上に供給しているが、これには限定されず、適宜変更することも可能である。
本実施例においては、実験用の気相成長装置として、図1に示すような、HVPE方式の気相成長装置1を使用して、GaN基板(バルク)上に、窒化ガリウム(GaN)からなる半導体膜を10μmで成膜した後、引き続いて、さらに、P型ドーピング層を成膜する実験を行った。
・原料ガスG1
NH3(アンモニア):1slm
・原料ガスG2
GaCl(一塩化ガリウム):20sccm(但し、塩化水素としての流量)
・原料ガス(低温分解原料ガス)G3
Cp2Mg(ビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム):30℃の恒温槽に窒素(N2)を500sccmで導入し、飽和蒸気圧分を原料ガスG3として反応炉10内に供給。
設定温度:1100℃
設定圧力:常圧
成膜時間:1時間
(SIMS測定)
測定装置として、市販の二次イオン質量分析装置(機種名:PHI ADEPT-1010TM(登録商標;アルバック・ファイ株式会社製))を用いて、GaNからなる半導体膜の表面から5μmほど膜を破壊しつつ、半導体膜中の不純物の量を測定した。
半導体膜が成膜された基板80のサンプルにおいて、概略で4隅の位置に電極を接続し、測定装置として、市販のホール効果測定装置(機種名:Resitest8320(登録商標;株式会社東陽テクニカ製))を用いて測定した。
SIMS測定の結果、上記条件で基板80上に成膜した半導体膜は、Mgの濃度が概ね1×1018/cm3程度であった。
また、ホール効果測定の結果、上記条件で成膜した半導体膜は、ホール移動度が3×1017/cm3であった。
上記の結果より、本実施例で成膜した半導体膜は、良好なP型特性を有するP型ドーピング層を有していることが確認できた。
参考として、下記表1に、半導体膜の成膜に用いられる各種原料の物性を示す。
10,10B…反応炉
11…側壁
12…上流側フランジ
12a…導入口
13…下流側フランジ
14…排気ポート
15…接続管
L1,L1B…第1原料ガス供給ライン(原料ガス供給ライン:原料ガスG1)
L2,L2B…第2原料ガス供給ライン(原料ガス供給ライン:原料ガスG2)
L3,L3A,L3B…第3原料ガス供給ライン(原料ガス供給ライン:原料ガス(低温分解原料ガス)G3)
2…集合配管部
21…第1噴出口(噴出口:原料ガス供給ラインL1,L1B)
22…第2噴出口(噴出口:原料ガス供給ラインL2,L2B)
23…第3噴出口(噴出口:原料ガス供給ラインL3,L3A,L3B)
24…真空層
25…高反射率材
26…フランジ
2B…ノズル
3,3B…フローチャンネル
3a…上流開口端
31…第1噴出口(噴出口:原料ガス供給ラインL1,L1B)
32…第2噴出口(噴出口:原料ガス供給ラインL2,L2B)
33…第3噴出口(噴出口:原料ガス供給ラインL3,L3A,L3B)
34…第1フローチャンネル
35…第2フローチャンネル
36…フランジ
37…排気口
4…サセプタ
4a…上面
41…回転軸
45…加熱器
51,51B…第1ガス供給部(ガス供給部:原料ガスG1)
51a…入口
51b…出口
52,52B…第2ガス供給部(ガス供給部:原料ガスG2を生成する塩化水素)
52a…入口
52b…出口
55…原料発生室
55a…容器
53,53A,53B…第3ガス供給部(ガス供給部:原料ガスG3)
53a…入口
53b…出口
56,57…加熱器
80…基板
80a…成長面
G1…原料ガス
G2…原料ガス
G3…原料ガス(低温分解原料ガス)
Claims (18)
- 凝縮温度及び分解温度のうちの少なくとも何れかが異なる2種類以上の原料ガスを反応炉内に導入し、前記反応炉内に設置した基板を前記原料ガスの分解温度以上に加熱することで、前記基板上に半導体膜を成長させる気相成長装置であって、
反応炉内に配置され、前記基板を保持するサセプタと、
前記サセプタを加熱する加熱器と、
前記反応炉内に配置され、前記原料ガスを前記基板上まで導くフローチャンネルと、
前記フローチャンネルに接続されるとともに、2種類以上の前記原料ガスを個別に噴出する複数の噴出口を有し、前記フローチャンネル内に向けて前記原料ガスを噴出する集合配管部と、
前記集合配管部に前記原料ガスを供給するガス供給部と、
を備え、
前記ガス供給部、前記集合配管部及び前記フローチャンネルは、前記2種類以上の原料ガスのうち、分解温度が相対的に低い低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ラインを、他の原料ガス供給ラインとの間で断熱する断熱構造を有し、前記低温分解原料ガスを、凝縮温度以上かつ分解温度以下の温度に独立して保持するか、又は、反応に最適化された分子形態となる温度範囲に独立して保持しつつ、前記基板上に供給することを特徴とする気相成長装置。 - 前記断熱構造が、下記(1)~(8)に示す構造の何れかであることを特徴とする請求項1に記載の気相成長装置。
(1)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ラインと、他の原料ガス供給ラインとの間に石英材を配置した構造。
(2)上記(1)における石英材の表面が不透明化された構造。
(3)上記(1)における石英材が不透明石英材である構造。
(4)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ラインと、他の原料ガス供給ラインとの間に真空層を配置した構造。
(5)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ラインと、他の原料ガス供給ラインとの間にガス流層を配置した構造。
(6)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ラインと、他の原料ガス供給ラインとの間に、少なくとも窒化ボロン(BN)、炭化タンタル(TaC)、モリブデン(Mo)又はタングステン(W)の何れかを含む、耐熱性を有する高反射率材を配置した構造。
(7)前記低温分解原料ガスが流通する原料ガス供給ライン、及び、他の原料ガス供給ラインを含む各流路の間に空間を配置した構造。
(8)上記(1)~(7)に示す断熱構造を少なくとも2以上で組み合わせた構造。 - 前記原料ガスが前記基板上を通過する平均通過時間が、前記基板に4inch基板を用い、且つ、前記基板の中心を含む直径方向で前記原料ガスが通過する条件で、0.2秒以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の気相成長装置。
- 前記基板の外周上における回転速度を付加した前記原料ガスの相対流速が0.8m/s以上であることを特徴とする請求項1~請求項3の何れか一項に記載の気相成長装置。
- さらに、前記反応炉内を減圧する減圧機構を備えることを特徴とする請求項1~請求項4の何れか一項に記載の気相成長装置。
- 前記フローチャンネルは、前記基板の成長面に対して平行に前記原料ガスを供給したときに、該原料ガスの流れを規制する、前記基板の成長面と面一に配置される底面と、該底面と対向して配置される天井面と、前記底面と前記天井面とを繋ぐように配置される側面とを有し、前記底面から前記天井面までの高さが9mm以下であることを特徴とする請求項1~請求項5の何れか一項に記載の気相成長装置。
- 前記加熱器が、電気ヒータ、及び、高周波誘導式加熱器のうちの何れか一方又は両方であることを特徴とする請求項1~請求項6の何れか一項に記載の気相成長装置。
- 前記サセプタは、前記基板を水平に保持し、
前記集合配管部は、前記フローチャンネルを介して、前記基板に向けて、前記原料ガスを水平方向で噴出することを特徴とする請求項1~請求項7の何れか一項に記載の気相成長装置。 - 前記原料ガスが、有機金属化合物であるトリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)、及びトリエチルガリウム(TEGa)、又は、金属塩化物である一塩化ガリウム(GaCl)、三塩化ガリウム(III)(GaCl3)、一塩化アルミニウム(AlCl)、三塩化アルミニウム(AlCl3)、一塩化インジウム(InCl)、及び三塩化インジウム(InCl3)のうちから選ばれる少なくとも何れかを含むことを特徴とする請求項1~請求項8の何れか一項に記載の気相成長装置。
- 前記原料ガスが、少なくともアンモニア(NH3)を含むことを特徴とする請求項1~請求項9の何れか一項に記載の気相成長装置。
- 前記原料ガスが、少なくとも酸素(O2)を含むことを特徴とする請求項1~請求項10の何れか一項に記載の気相成長装置。
- 前記原料ガスは、前記低温分解原料ガスとして、ドーピング原料であるビス(シクロペンタジエニル)マグネシウム(Cp2Mg)を含むことを特徴とする請求項1~請求項11の何れか一項に記載の気相成長装置。
- 前記原料ガスは、前記低温分解原料ガスとして、ドーピング原料であるビス(シクロペンタジエニル)鉄(Cp2Fe)を含むことを特徴とする請求項1~請求項11の何れか一項に記載の気相成長装置。
- 前記原料ガスは、前記低温分解原料ガスとして、ドーピング原料である水素化ゲルマニウム(GeH4)を含むことを特徴とする請求項1~請求項11の何れか一項に記載の気相成長装置。
- 請求項1~請求項14の何れか一項に記載の気相成長装置を用いて、凝縮温度及び分解温度の少なくとも何れかが異なる2種類以上の原料ガスを反応炉内に導入し、前記反応炉内に設置した基板を前記原料ガスの分解温度以上に加熱することで、前記基板上に半導体膜を成膜することを特徴とする気相成長方法。
- 前記基板上に成膜する前記半導体膜が、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、及び窒化インジウム(InN)のうちの何れか1種からなる成長膜であることを特徴とする請求項15に記載の気相成長方法。
- 前記基板上に成膜する前記半導体膜が、窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム(AlN)、及び窒化インジウム(InN)の混合物からなる成長膜であることを特徴とする請求項15に記載の気相成長方法。
- 前記基板上に成膜する前記半導体膜が、次式{Ga2O5}で表される酸化ガリウム結晶、酸化アルミニウム(AlO)又は次式{AlGaOx(但し、xは任意の整数)}で表される酸化ガリウムアルミニウムからなる成長膜であることを特徴とする請求項15に記載の気相成長方法。
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