JP3403194B2 - Cvd装置及びcvd法 - Google Patents

Cvd装置及びcvd法

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JP3403194B2 JP2002171342A JP2002171342A JP3403194B2 JP 3403194 B2 JP3403194 B2 JP 3403194B2 JP 2002171342 A JP2002171342 A JP 2002171342A JP 2002171342 A JP2002171342 A JP 2002171342A JP 3403194 B2 JP3403194 B2 JP 3403194B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置又は光磁
気ディスク等の記憶装置或いはフラットパネルディスプ
レイ等に用いられる金属膜、半導体膜或いは絶縁膜等の
各種堆積膜を形成する為の方法及び装置に関し、特に液
体状の原料を用いる化学気相堆積法(CVD法)及び装
置(CVD装置)に関する。
【0002】
【背景技術の説明】化学気相堆積法やその為の装置を用
いて形成する堆積膜には、大きく分類すると金属膜、半
導体膜及び絶縁膜の3つがある。
【0003】この中で、まず半導体膜の場合には欠陥が
少なく均一な膜が得られる成膜法が望まれている。一
方、絶縁膜においては均一な膜が望まれるのは勿論であ
るが、加えて段差被覆性に優れた成膜方法が望まれる。
なぜなら多くの絶縁膜は、集積回路(IC)における配
線間の絶縁や凹凸のある表面の保護に用いられるからで
ある。
【0004】更に、金属膜の場合も上述した絶縁膜同様
に均一性と段差被覆性に優れた成膜方法が望まれる。金
属膜はICの配線材料に多く採用されるが、この場合
は、絶縁膜に形成されたコンタクトホールやスリーホー
ルと呼ばれる開孔を介して上下の配線を接続する為に開
孔における段差被覆性が要求されるからである。
【0005】こうしたCVD法に用いられるCVD装置
の従来例を図1に模式的に示す。
【0006】図1において、403は石英管等で形成さ
れた反応室であり、内部には成膜すべき基板409を複
数配置し支持する基板ホルダー410が複数設けられて
いる。
【0007】又、408は排気管であり、メカニカルブ
ースターポンプ等からなる主ポンプ404と、ロータリ
ーポンプ等からなる補助ポンプ405に接続されてお
り、ここから反応室403内を排気する。
【0008】一方、ガスの供給系としては、液体原料を
バブリングする為のバブリング機構付のボンベ(バブラ
ー)402、バブリング用のキャリアガスを導入する為
のガス管406、弁401、反応室403内に気化した
原料を導入する為のガス管407が設けられている。
【0009】このような従来のCVD装置では、最も一
般的な成膜を行う限りは充分な性能を発揮するものの、
最近要求される微細加工や大面積化に優れたCVD法に
は適さないことがある。
【0010】即ち、いかなるCVD法にも適用できると
いうはん用性にとぼしい一面があった。
【0011】この問題につき一例を挙げて説明する。
【0012】最近、VLSIやULSIと呼ばれる高い
集積度の半導体装置の配線材料にスパッタリング法では
なくCVD法を用いたアルミニウムが注目されている。
特に有機化合物として有機アルミニウムを使用したCV
D法では、絶縁物と導電体の間で、堆積条件が大きく異
なり、導電体又は半導体上のみにアルミニウムを堆積さ
せる選択堆積が可能ということが報告されるようになっ
た。この、アルミニウムの選択堆積は、微細な集積回路
を作製する場合、極めて有用なもので、特に、開孔の深
さ−穴径比(アスペクト比)が1を越えるような場合
は、代替技術のスパッタリング法では実現できないよう
な、アルミニウムの配線を可能にしている。スパッタリ
ング法で、開孔のアスペクト比が大きくなった場合、何
故断線するかについて図2を用いて説明する。図2で、
201は単結晶シリコン基体、202は二酸化硅素等の
絶縁膜、203はアルミニウム等の配線材料である。
【0013】(a)はアスペクト比が小さい場合の配線
の様子を示しており、(b)はアスペクト比が1を越え
る大きい場合の配線の様子を示している。
【0014】上記スパッタリング法では凹部204や空
隙205が形成されるのに対して、図2の(C)に示さ
れているようにCVD法による選択堆積では、開孔中に
完全にアルミニウム303が充填され、断線する確立は
極めて低くなる。
【0015】ここで、301はシリコン基板、302は
二酸化硅素等絶縁膜、303はCVD法によって堆積さ
せたアルミニウム等の金属材料、304はスパッタ法も
しくはCVD法によって堆積させたアルミニウムの配線
である。
【0016】このように、微細な半導体装置の配線の作
製方法を図1のCVD装置で行う場合には水素等のキャ
リアガスCGSを減圧弁401で減圧し、(バブラー4
02に輸送する。アルミニウムの選択堆積が可能な材料
ガスとしては、ジメチルアルミニウムハイドライド(D
MAH)やトリイソブチルアルミニウム(TIBA)な
ど常温で液体状態になっているものが多い。そのためバ
ブラ402内で発砲を生じさせる工程即ちバブリングが
行なわれ、キャリアガスとDMAH等有機アルミニウム
の飽和蒸気とからなる混合ガスが反応室403内に導入
されることになる。混合ガスは、加熱された半導体基体
409上で、熱分解し、該基体との表面反応によりアル
ミニウムが基体上に堆積される。
【0017】そして反応室403の未反応ガスは、主ポ
ンプ404及び補助ポンプ405を用いて外部に排気さ
れる。
【0018】しかしながら、安定して選択堆積が行なわ
れていた実験用のCVD装置を量産用のCVD装置に移
行するなどといった装置環境の変更があると、今まで得
られていた選択性が失われる等の問題が生じることがあ
った。
【0019】このことは金属膜のみならず、半導体膜に
おいては欠陥の増加、絶縁膜では段差被覆性の低下等が
生じるという事態になる。
【0020】本発明者らの知見によれば詳しい理由は後
述するが従来のCVD装置の構成では次のような点には
ん用性を乏しくする原因があることが判明した。
【0021】1つは、原料となる液状の化合物とその他
のガスとの混合比の制御性が極めて悪いということであ
る。
【0022】2つ目は、バブラー近傍の温度変化によっ
て化合物の混合比が変わってしまうということである。
【0023】3つ目は、バブラー中の残量によって、化
合物の混合比が変わってしまうということである。
【0024】(発明の目的)本発明の目的は、環境条件
の変化や操作パラメータの変化が存在しても、安定して
良質の堆積膜を形成することのできるCVD法及びCV
D装置を提供することにある。
【0025】本発明の別の目的は操作性、量産性に優
れ、製造する各種デバイスの製造コストを低くできるC
VD法及びCVD装置を提供することにある。
【0026】本発明の更に別の目的は、大面積に亘って
均一で且つ望ましくない欠陥が少なく、段差被覆性に優
れた堆積膜を形成することのできるCVD法及びCVD
装置を提供することにある。
【0027】更に本発明の別の目的は、原料ガス導入手
段により反応室内に原料ガスを導入し、該反応室内に載
置された基体上に薄膜を堆積させるCVD装置におい
て、前記該原料ガス導入手段は、原料ガスの通過する複
数の貫通孔を有する加熱部材と該加熱部材の温度を制御
する為の温度制御手段と、が付設され、該加熱部材の該
複数の貫通孔近傍に該温度制御手段により制御される発
熱体が配設されている加熱装置を有しており、原料ガス
が該貫通孔を介して該反応室内に導入されることを特徴
とするCVD装置およびそのCVD装置を用いたCVD
法を提供することにある。
【0028】(作用)以下、本発明の実施例について述
べる前に、本発明をなすにあたり、見い出された技術事
項について説明する。
【0029】例えば、DMAHと水素とを用いたCVD
法により選択堆積を行なう場合に、開孔の形成された絶
縁膜を有する半導体基体表面上では次の2の反応が進行
し得る。
【0030】 2Al(CH32 H+H2 →2Al+4CH4・・・(1) 2Al(CH32 H→2Al+2CH426・・・(2) この場合、反応が(1)のように進行すれば、半導体表
面と絶縁体表面との間における選択性が確保される。し
かしながら(2)のような単純な熱分解反応が進行する
と、半導体と絶縁体間で選択性が完全には得られないこ
とがある。この原因は、混合ガス中のDMAHと水素の
モル比率が堆積状態に対して重大な影響を与えていると
いうことである。
【0031】この問題を避けるためには、水素を過剰に
混入すれば良いかと思われたが、水素をある量を越えて
過剰に供給すると、反応室での反応が供給律速状態に陥
入り、「開孔の口径によって堆積速度が異なる。」「ア
ルミニウムの埋込み形状が図3に示すようにファセット
面を持つような形になり、平坦な埋込みをそ外する。」
などの問題点が出てくる。結局、DMAHと水素との混
合比を最適に制御しないと、半導体製造業者としての商
業的成功に結び付くCVD法にはならない。以下、最適
な混合比について検討してみる。
【0032】DMAHと水素の場合におけるモル混合比
はバブラーの出口におけるDMAHの飽和蒸気圧と水素
の分圧との比で決定される。即ち、
【外1】
【0033】PDMAHは温度で一意的に決ってしまい、室
温では高々1〜2torr程度である。
【外2】
【0034】は減圧弁で制御できるが、制御精度は減圧
弁の精度によってほぼ決る。PDMAH
【外3】
【0035】の比を数倍に制御したい場合に、
【外4】
【0036】は〜10torr程度となり、減圧弁は数
torr単位の圧力を制御する必要がある。しかしなが
ら現在の減圧弁の技術では、これは非常に困難である。
【0037】上記(3)のように、モル混合比はPDMAH
によって変わるが、PDMAHは単に飽和蒸気圧なので温度
によって変わってしまう。DMAHの飽和蒸気圧の温度
依存性を図4に示す。
【0038】このように、PDMAHは温度に対して指数的
に変化する。一方、水素は室温で気体なので温度変化で
【外5】
【0039】は指数的には変化しない。つまり、バブラ
ー近傍の温度変化で、モル混合比が大きく変化すること
になる。
【0040】又、バブラー出口での水素分圧
【外6】
【0041】は、バブラー入口の水素圧力と一致せず、
【外7】
【0042】なる関係がある。ここで、
【外8】
【0043】 p:有機金属の比重 h:バブリングノズルの口からボンベ液面までの距離 c:圧力換算定数 この場合レギュレータで制御できる変数は
【外9】
【0044】のみだが、装置使用に従い、hの値は小さ
くなるので、
【外10】
【0045】は変化していく。この結果
【外11】
【0046】を一定に保つには、
【外12】
【0047】をバブラー内の液残留によって補正してや
る必要がある。しかしながら、これは装置構成上大きな
困難を伴う技術である。以上詳述したように、従来のC
VD装置では広いはん用性と最適の堆積条件を得るため
には、原料ガスの制御性が充分なものとはいい難かった
のである。
【0048】本発明によれば、液体状の原料物質を沸騰
させて原料ガスを供給する為に、実質的に原料物質のみ
からなる大量のガスを供給することができる。従って、
他のガスとの混合比の制御も精密に行える。
【0049】又、本発明によれば、原料ガスの供給時の
温度をより一層精密に制御することができるので、大量
のガス輸送を行っても混合比が均一に保てる。
【0050】本発明によれば、これにより、あらゆるC
VD法が適切に行われるようになる。
【0051】金属膜以外では、例えば化合物半導体の場
合には元素の組成比を良好にコントロールでき均一な半
導体膜や、バンドギャップの制御された半導体膜の形成
が容易になる。又、絶縁膜の場合には、SixOyやS
ixNyにおけるxやyの制御が容易になり誘電率が均
一な大面積の膜が容易に形成できるようになる。
【0052】しかも、大量の原料輸送が可能となり、大
面積の基板や多数の基板上への均一な膜の形成が高堆積
速度で容易に行われるようになる。
【0053】(好適な実施態様の説明)本発明に用いら
れるCVD用の原料物質としては、CVD装置の使用環
境において液体のものが用いられる。より好ましくは、
常圧、常温(例えば10〜30℃)において液体のもの
である。
【0054】具体的には、トリメチルアルミニウム(T
MA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソ
ブチルアルミニウム(TiBA)、ジメチルアルミニウ
ムハイドライド(DMAH)、ジエチルアルミニウムハ
イドライド(DEAH)、モノメチルアルミニウムハイ
ドライド(MMAH)、トリエチルインジウム(TEI
n)、トリメチルインジウム(TMIn)、トリエチル
ガリウム(TEGa)、トリメチルガリウム(TMG
a)、ジメチル亜鉛(DMZn)、トリクロールシラン
(SiHCl3 )、シリコンテトラクロライド(SiC
4 )、テトラエチルオルソシリケート(TEOS)、
フルオロトリエトキララン(FOTES)、POCl
3 、BBr3 、Sn(CH34 等が挙げられる。とり
わけ、有機金属化合物は、常温、常圧下における蒸気圧
が比較的低く大量輸送が難しいので、本発明によるCV
D法に好適に用いられる。
【0055】そして上記原料物質と混合される反応ガス
としては、H2 、O3 、NH3 、NO、N2 等があり、
必要に応じてAr等の不活性ガスが用いられる。
【0056】勿論、化合物膜の形成や導電型の制御を行
う場合には周知のドーピング用ガス例えばPH3 、As
3 、BF3 、B26 、SiH4 、Si26 が併せ
て用いられる。
【0057】本発明により形成される堆積膜は、金属膜
としてのAl、In、Ga、Zn、Sn等、化合物半導
体膜としてのGaAs、GaAlAs、InP、ZnS
e、ZnSeTe等、Si、SiGe、又、酸化膜とし
てのSiO、SiON、SnO、InSnO、ZnO、
ZnAlO、窒化膜としてのInN、AlN、SiN、
BN等である。
【0058】本発明に用いられる反応室は、石英等の絶
縁性反応管或は金属製の反応管により形成でき、反応管
は内部に1つ以上の被成膜基体を収容できるものが用い
られる。
【0059】又、排気手段としては、メカニカルブース
ターポンプ、ロータリーポンプ、油拡散ポンプ、ターボ
分子ポンプ等が単独或は適宜組み合わせられて用いられ
る。
【0060】又、基体は反応室内に基板保持手段によ
り、被成膜面を上向き、下向き、横向き又は斜め上方或
は斜め下方に向けて保持される。
【0061】
【発明の実施の形態】(実施例1)図5は、本発明の特
徴を最も良く表わしている。同図に於いて101はDM
AH等の液体状の原料物質、102は内壁が絶縁物で形
成され十分な強度をもつ原料物質収容容器、103、1
04はマスフローコントローラー等の気体流量制御器、
105、113は圧力ゲージ、106、109はそれぞ
れロータリーポンプとメカニカル・ブースターポンプ等
の組み合わせで構成される排気手段、110はオートプ
レッシャーコントローラー等の圧力制御手段、108は
全隔壁に発熱体が設けられた加熱機構を有する恒温室、
111はシリコンウエハ等の処理用の半導体基板、11
2は基板支持体に設けられた半導体基板の加熱のための
ヒーター、114は原料ガスをプラズマ励起するための
放電用対向電極、115はCVD反応室、116は高周
波電源、107、117はバルブ、118は液体原料物
質収容用のボンベである。
【0062】容器102内部は最初は原料物質が注入さ
れておらず、かつ、バルブ117が閉じた状態にある。
先ず、排気ポンプ106を用いて容器102の内部を1
×10-5torr以下に十分に排気し、バブル107を
閉じる。しかる後にバルブ117を開くと液体原料はバ
ブル117を介して容器118から容器102へと供給
される。容器102及びマスフローコントローラ103
を含む系は恒温室108中に存在するので、任意の温度
に保たれ減圧された内部圧力に応じて所定の温度で沸騰
する。例えばDMAHを原料に用いる場合、恒温室内の
温度は75℃〜80℃に設定することが望ましい。とり
わけ温度設定を80℃にした原料物質してDMAHを用
いた場合には、容器102内部のほぼ100%がDMA
H蒸気となりガス圧は42torr程度になる(図4参
照)。
【0063】一方、反応室115内の圧力は、排気ポン
プ109を用いて排気を行い、圧力制御バルブ110に
よって調整され適正堆積圧力である1〜3torrに保
たれる。マスフローコントローラー103は周知のもの
を使用し、最大制御流量は200sccm程度のものを
選択することが望ましい。図5で示すようにDMAHは
マスフローコントローラー103を介し200sccm
以下の流量で、また水素ガスはマスフローコントローラ
ー104を介し20SLM以下の流量で反応室115に
導入される。例えば、原料ガスの混合ガスとしてのDM
AHガスと水素ガスを用いその分圧比をマスフローコン
トローラーを用いて流量制御する場合には、DMAH/
2 は1/10〜1/100の範囲で任意に定めること
が出来る。混合ガスの総流量は2〜20SLM程度とす
ることが好ましい。
【0064】こうして、適正な混合比で反応室内へ送ら
れた原料ガスはヒーター112によって200〜300
℃に加熱された半導体基板111上に達し、そこで熱分
解を起し、目的とする反応生成物が半導体基板上に堆積
する。この反応は主に前述した(1)式の反応であり、
導体と被導体間で十分な選択性を持ち、図1の(c)に
示す埋込み状態を作ることができる。
【0065】またDMAHと水素とのCVD法において
は高周波(116)励起によって半導体基板111と電
極114間にプラズマを発生させること(即ちプラズマ
CVD法)により、非選択成長も可能である。このプラ
ズマCVD法により図1の(c)に示す金属堆積膜を同
一反応室内で連続的に形成できる。
【0066】更に、各部品には安全性の向上及び良好な
堆積を行う為の安定装置としてインターロックシステム
が設けられている。
【0067】具体的には容器118の液面高さを検知す
るモニターであり、ある液面以下に少なくなると堆積を
中断するものが容器118に付設されている。これは更
に堆積中の時間をメモリーに入れておくこともできる。
【0068】又、恒温室108には温度センサーにより
過加熱を防止する装置が設けられている。
【0069】更に容器102中の温度と圧力とを検知し
て原料の蒸気圧が所定値以下になった場合に反応室への
原料ガスの供給を停止し、別の所定値を大きく上回った
場合にはバルブ107を開けるシステムが設けられてい
る。
【0070】同様に、反応室内のプラズマの異常放電を
検知し動作を停止させるシステム、反応室内の異常圧力
を検知し動作を停止させるシステム等が設けられてい
る。
【0071】また、本発明においては図5の如く、枚葉
処理の反応室ばかりではなく、図1のようなホットウォ
ール式の多数枚処理の反応室をもつCVD装置にも適用
できる。
【0072】また本発明において図5では排気装置10
6と109が別個のものになっているが、バルブ107
の先をバルブ110と排気装置109の間にもっていく
ことにより、排気装置106を省略することもできる。
【0073】また図5では、2系統のガスラインが容器
102にもうけてあるが排気装置を有するライン10
6、107を省略して、排気装置1091により反応室
115を介して容器102内部を真空状態にすることも
可能である。
【0074】以上説明したように、CVD装置の液体原
料の供給方法として減圧状態の容器からほぼ100%が
原料物質である原料物質の蒸気を、反応室へ供給するこ
とにより他の反応ガスと別個に計量して反応室へ送り込
み混合比を適正な値で、しかも高精度に保つことがで
き、しかも反応室へ安定して供給することができる。こ
うして目的とする反応生成堆積物の良好な膜質及び膜形
状を得ることが可能になる。
【0075】ところで、液体原料の飽和蒸気圧が低く原
料の輸送量により堆積速度が律速される様な場合には原
料の輸送効率を高める方法として、次の様な装置が知ら
れている。
【0076】図6は特開平2−38569号公報に開示
されているアルミニウム薄膜を形成する為のCVD装置
の模式図である。
【0077】キャリアガス2002はバルブ2201及
びマスフローコントローラー2202を経て、液体原料
2101中へ吹き出しキャリアガスと原料ガスとの混合
ガスが反応室2006へ導入される。混合ガスの導入口
にはガスを基板表面に均一に供給するための整流装置2
003が装着されている。この整流装置により液体原料
2101の蒸気圧が小さい場合には原料タンク2001
を加熱機構2103によって加熱して原料ガスの蒸気圧
を高めることが可能となる。また、整流装置2003は
ガスを均一化するための数枚の整流板2302と整流板
の取付けられた円筒2301とで構成されて居り、円筒
2301の内部にはヒータ2303が組込まれている。
原料タンクの加熱機構2103は蒸気圧を高めかつ、原
料ガスの分解しない温度、例えば原料として有機金属の
トリイソブチルアルミニウム(TIBA)を用いた場合
には約50℃に設定される。また、整流装置2003に
付属する加熱機構ではTIBAを用いた場合アルミニウ
ム薄膜が最も適切に形成される230℃前後に設定され
る。
【0078】そして、基板ホルダ4に設置されたSiウ
ェハ等の基板2005は加熱機構2403により400
℃前後に加熱され導入された混合ガスの熱分解反応によ
りアルミニウム薄膜が基板上に形成される。
【0079】なお2601、2602、2603はそれ
ぞれ混合ガスを導入するためのバブル2601及び基板
を搬入、搬出するためのゲートバルブ2603或いは真
空排気のためのバルブ2602である。
【0080】しかしながら、安定して選択堆積が行われ
ていた実験用のCVD装置を量産用のCVD装置に移行
するなど、といった装置環境の変更があると、今まで得
られた選択性が失なわれる等の問題が生じることがあっ
た。
【0081】このことは金属膜のみならず、半導体膜に
おいては欠陥の増加、絶縁膜では段差被覆性の低下等が
生じることがあった。
【0082】本発明者の知見によれば、これらの原因は
加熱装置による原料ガスの温度制御が不充分である為に
生じているものであることが判明した。
【0083】(実施例2)本実施例は図6に示した整流
装置2003を改良したものであり、均一な温度分布を
もつガス流を形成することのできる構成である。
【0084】前述した実施例では、整流装置部を例えば
80℃に保持する為に、外に付設されたヒータ2303
を用いていた。
【0085】図7は整流装置2003内の温度と気化さ
れた原料ガスの輸送効率との相関を示すグラフである。
液体状の原料物質として、DMAHを用いる場合整流装
置内の温度が100℃以下40℃以上であれば、液体状
の原料物質がほぼ100%気化し反応室内に輸送され
る。
【0086】温度が40℃未満であると完全に気化せず
に液滴として整流装置内に残留し易くなり、温度が10
0℃より高くなると、約0.1%程度の原料ガスがエバ
ポレータ部内で分解しAlが析出してくる。析出してき
たAlは石英板の開孔を塞ぎ原料ガスの流れを妨げるの
で0.1%という分解率以上に輸送効率を下げる結果と
なる。
【0087】このことが成膜にどのような影響を与える
かを示すのが図8である。図8は整流装置内の温度と得
られるAl膜の堆積速度の相関を示すものである。
【0088】図6に示すCVD装置において液体状のD
MAHの流量とH2 ガスの流量とを計量してモル比で
1:1になるように調整し単結晶S:ウエハー上へのA
lの堆積速度を測定した結果を整流装置の温度に対して
プロットしたものである。
【0089】図8では、整流装置内の温度を80℃とし
た時のAlの堆積速度を1とした相対値で示してある。
図より明らかなように温度が60℃未満であるとDMA
Hの蒸気圧が低くなり過ぎて反応が律速されて堆積速度
は極端に低くなってしまう。一方、温度が100℃を越
えると輸送効率の低下が原因で堆積速度が高くならな
い。つまり、整流装置内の温度を精密に制御することが
液体状の原料を気化させた後にCVDを行う方法におい
て重要となる。
【0090】しかも、この温度制御はガスを流している
状態で精密に制御しなければならないことが判明した。
【0091】図9は、整流装置2003内に配された整
流板2302の面内温度分布を示すグラフである。
【0092】図9の白丸印はガスを流さない状態(初期
状態)での整流板の温度分布を示し、黒丸印はガスを流
した状態(動作状態)での温度分布を示している。図9
より明らかなように整流板2302の開孔付近ではガス
が滞留せずに流れる為温度が初期の設定温度よりかなり
低くなっている。これは、新しいガスが順次供給される
為に開孔120付近で熱をうばい温度を低下させている
からである。このような面内温度分布は整流板の開孔の
大きさによって変化する。一般的に開孔が大きく、整流
板に対して開孔の占める割合が大きい程、面内温度分布
も大きくなる。しかしながら、ガス供給量を考慮すると
開孔を単に小さくすればよいという問題ではない。
【0093】整流板は、主に、発熱体への取付端部から
の熱伝導により加熱されるため、各整流板の面内で温度
分布を生じており、これが形成される膜質の分布に悪影
響を及ぼしている。更には、特にガス導入前後で整流板
に大きな温度変化が生じる。また、この時整流板間の温
度分布もより一層不均一になる。ヒータ材を内蔵した円
筒部は整流板より高温となりガスの熱分解やAlの付着
を生じ易い。そして、ガス種によってはガスの熱分解を
防ぐため整流板の最適温度は比較的低温、例えば80℃
前後が望ましい場合もあるが、この様な低温においては
温度制御性がより一層困難になる。
【0094】特に、複数枚の整流板が設けられていて
も、加熱制御は複数枚を一体で行われているため、基板
ホルダに近い側の整流板は基板加熱の輻射の影響を受
け、温度制御性を更に困難なものにする。
【0095】図10に本発明の第2の実施例を示す。図
6に示した従来例と大きく異なるのは原料の混合ガスを
反応室3006に供給するに当たり混合ガスを加熱しつ
つ整流する整流装置3003の構成である。
【0096】整流装置は発熱体としてのヒータ3307
と温度センサーとが埋込まれた加熱部材としての加熱整
流板3306と、その取付部3308とからなり、ガス
は加熱整流板3306に配置された小孔を通過する際に
加熱され反応室3006側へ導入される。加熱整流板は
望ましくは図10の様に複数枚で構成される。取付部3
308は加熱整流板3306を機械的に支持すると共に
取付部を通じてのガスの回り込みを遮断し、かつ、図示
されていないが加熱整流板のヒータ3307への給電を
行う端子を有する構成である。
【0097】図10の4000が温度制御装置であり、
後述するように整流板にヒータ3307と共に設けられ
た温度センサからの出力信号を基にしてヒーターに供給
する電流の量を変えるものである。
【0098】各ヒーター及び温度センサは各整流板毎に
独立して設けられ微調整が独立して行えることが望まし
い。
【0099】この加熱整流板3306は詳しくは図11
に示す如く構成されている。すなわち、ボロンナイトラ
イド、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、コージェラ
イト等のセラミック基体3361にC,Cu,Ni,A
g,Pd等或いはMo,Ta,W等高融点金属の厚膜が
ヒータ3307として形成されており、ヒータ両端には
給電用の端子3363が設けられ、図10の取付部33
08内にて接続される。3999は基体面の任意の位置
に設けられた温度センサである。セラミック基体336
1としては熱伝導率が大きいボロンナイトライトが望ま
しく、また形成されたヒータ3307の上層も保護のた
め絶縁性セラミックで覆われている。さらにガス整流の
ための貫通孔3362が配置されている。本例では流速
の遅くなる周辺のコンダクタンスを高めるため貫通孔の
寸法に分布をもたせてある。
【0100】この加熱整流板を複数枚用いればガス整流
作用を高めるために貫通孔の分布をそれぞれ異なるもの
を使用できる。
【0101】また図では角形状のものを示したが、円板
状基体でシンメトリな貫通孔配置にすることも可能であ
る。もちろん、貫通孔近傍を加熱できるものであれば種
々のヒータパターンが考えられる。
【0102】4001は温度センサーの外部端子、40
02はヒーターの外部端子であり、これらが温度制御装
置4000に接続される。
【0103】別の実施例として図12の様に別のセラミ
ック基体3364を重ねヒータ部を完全に内部に埋め込
み上下対称な構成とすることも可能である。
【0104】このような、本実施例によれば、前出の図
9のX印に示されるように均一な面内温度分布を得るこ
とができる。
【0105】そして整流板の温度均一性が向上し、堆積
される膜質及び膜厚分布が改善される。
【0106】又ガスの加熱温度、流量等最適な条件範囲
が拡大するとともに、再現性が向上し、カバレージの良
い膜ができる。
【0107】加えて加熱整流板を多段構成とし、個別に
温度制御することにより使用する液体原料ガス種や気化
状態等の適応範囲が拡大する。更に液体原料の輸送効率
が増大し膜の堆積速度を向上できる。
【0108】これらは特に有機金属等の飽和蒸気圧の低
い液体原料を用いる時に効果大である。
【0109】(実施例3)図13は本実施例3によるC
VD装置のガス供給装置を示す模式図である。
【0110】3006は反応室であり、前出の実施例同
様に基板ホルダーや基板加熱用のヒータ等が設けられる
ものである。
【0111】この反応室3006には連結管を介して混
合室3100が設けられており、その下には前述した実
施例同様の整流装置3003が設けられている。更にそ
の下は加熱ヒーター3103が付設された液体状の原料
物質3101の収容用の原料タンク3001になってい
る。原料タンクは石英やフッ素加工された絶縁体からな
る。混合室3100の反応室側と反対側は連結管を通し
てキャリアガス供給手段に接続されている。このキャリ
アガス供給手段はマスフローコントローラ3202、バ
ルブ3201及びガスボンベ3203を含み、更にヒー
タ3204が設けられている。
【0112】次にこの装置の動作について説明する。
【0113】原料タンク3001内の液体状の原料物質
3101はヒーター3103により加熱され蒸気を発生
する。この時の加熱温度としては、原料物質3101が
ほとんど分解せずにできる限り大きな蒸気圧が得られる
ような温度を選択する。DMAHの場合は40℃〜10
0℃が好ましい。混合室3100内の圧力は、連結管の
コンダクタンスにより0.5〜200Torr程度にな
るように調整する。一方、原料タンク3001内は整流
装置3003の整流板の開孔の大きさと密度を調整して
0.5〜500Torrになるようにする。具体的には
タンク3001内の圧力と原料物質の飽和蒸気圧と同じ
にする。
【0114】そして、キャリアガスとしてのArやN2
はボンベ3203から、ヒーター3204にて30℃゜
〜150℃好ましくは40℃〜100℃に調整して、混
合室内に供給する。
【0115】そして、気化した原料ガスは前述した実施
例のように整流装置3003でその温度が精密にコント
ロールされる。整流装置におけるガスの温度は40℃〜
100℃より好ましくは60℃〜100℃とする。
【0116】このような各ヒーターの温度調整を温度制
御装置4000で行う。とりわけ整流装置3003とヒ
ータ3103の温度をコントロールすることにより、状
態方程式(PV=nRT)を参照して原料ガスの供給量
を高精度に調整することができる。
【0117】原料ガスにDMAHを用いて選択堆積を行
う場合にはキャリアガスとして不活性ガスではなくH2
を用いる。
【0118】(実施例4)本実施例は原料ガス又は原料
ガスを含む混合ガスを反応室内に供給する部分(ヘッ
ド)を改良したものである。
【0119】実施例1や実施例3では反応室の側面から
原料ガスを導入しており、実施例2では反応室内の基板
に向けて整流装置から原料ガスを導入していた。
【0120】そこで、本実施例では図14に示すヘッド
アセンブリを用いて基板表面に垂直にガスを放出するこ
とにより、原料ガスから堆積膜が得られる収率をより一
層高めるものである。
【0121】図14に示す通りヘッドアセンブリ350
1内には前述した実施例2,3と同様に石英製の整流板
3306が3枚設けられている。この板の開孔はそれぞ
れ重ならないようになっており、導入されたガスが矢印
AAで示すように、だ行するような連通路を構成してい
る。
【0122】本実施例によれば、原料ガスは整流板33
06によって温度が一定の保持されしかもヘッドのガス
分散手段としての板3503により均一に分散されてヒ
ーター付基板ホルダー3004上の基板3005表面に
矢印ABのように到達する。
【0123】従って、排気装置3605により排気回収
される原料物質の割合が減少するので排気系におけるガ
スの反応を防止する安全装置の構成を小規模なものに簡
略化できる。
【0124】又、ヘッドの吹き出し面3505と基板ホ
ルダー3004とが近接する為に堆積用の熱の輻射をヘ
ッド3505が受けてヘッドの吹き出し面3505が堆
積温度に達して堆積膜が形成されることがその下方には
分散ヘッド3502が着脱可能に設けられている。
【0125】分散ヘッド3502は、ヘッドアセンブリ
3501と着脱するためのホルダー3504と多数の板
部材3503とを含む構成である。
【0126】このヘッドでは反応室3006内に供給さ
れてきた原料ガスを効率よく基板3005上への堆積膜
とするためにヘッド3502のガス吹き出し面3505
と基板3005の堆積面との距離を10mm以下、好ま
しくは1〜10mmより好ましくは2〜5mmとする。
又、ホルダー3504の厚みThを1〜20mmより好
ましくは3〜17mm程度とする。
【0127】そして、ヘッド3502の板3503やホ
ルダー3504はステンレススチールやシリコンカーバ
イド製で作製されている。起こるが、ヘッド3502が
周知の機械的構成により着脱可能となっている為に、メ
インテナンスが容易になっている。一例を挙げるに、D
MAHを原料物質として用いる場合には、ヘッドとして
シリコンカーバイド製のものを用いる。すると堆積工程
をくり返すうちにガス吹き出し面に10〜100Å程の
Alが堆積することがある。この場合にヘッド3502
を取りはずして、付着したAlをエッチング除去すれば
よい。
【0128】(実施例5)図16乃至図18は本発明の
実施例5によるCVD装置を示す模式図である。
【0129】図16のXX’線による断面が図17であ
る。図17において反応室3006内には、基板300
5Aを矢印DD方向に往復移動可能な基板ホルダー50
01と同様に基板3005Bを矢印DD方向に移動可能
に保持するホルダー5002とが中継用の回転体500
4を間に介して対向配置されている。
【0130】それぞれのホルダー5001、5002上
には原料ガスを吹き出すヘッド5005、5105が設
けられており、それぞれ第1ガスヘッド部5007、5
107と第2ガスヘッド部5006、5106とを含ん
でいる。
【0131】例えばDMAHのような原料ガスは第1ガ
スヘッド部5007、5107にパイプ5017を介し
て供給され、水素のような反応ガスはパイプ5016を
介して第2ガスヘッド部5006、5106に供給され
る。しかし混合ガスとして反応室内に導入する場合には
ヘッド部及びパイプは単一であってもよい。
【0132】次に本CVD装置の動作について説明す
る。まず、ホルダー5001上でヘッド5005の下を
往復動しながら成膜された基板は、続いて回転体500
4上に移動される。回転体はモータ5003により18
0°回転される。もちろん360°や0°でなければ何
度でもよいが好ましくは30°〜330°より好ましく
は30°〜210°である。
【0133】次にホルダー5002上に移動された後、
再び往復移動しながら成膜が行われる。これらは同一反
応室3006中において行われる。従って、図16を参
照するに初期の成膜時の基板の右領域A(5005A)
は、次の成膜時には左領域(5005B)となってい
る。
【0134】蒸気圧の低いDMAHやTiBAの場合成
膜速度は材料ガスの流量で律速されてしまうので、本実
施例のように2つ又は3つ以上の成膜領域で独立して成
膜されることが望ましい。
【0135】そして基板を移動させる場合にその移動方
向とほぼ平行な膜厚むらが生じる恐れがある。そこで、
本実施例では回転体を有する中継手段により基板を堆積
面内で0°及び360°以外の範囲内で回転させて続く
次の成膜を行う為に、安定して均一な膜を得ることがで
きる。
【0136】図18は本実施例の変形例であり、6つの
ヘッド(5005、5105、5205、5305、5
405、5505)と3つのホルダ(5001、500
2、5003)と2つの回転体(5004、5014)
とからなるものである。
【0137】まず、第1の成膜チャンバDCA内におい
てヘッド5005とヘッド5105との下をホルダー5
001によって往復動させながら基板上に成膜を行う。
次に第1の中継チャンバRCAに移動された基板は回転
体5004により60°回転させてから次の第2の成膜
チャンバDCBに移動される。ここでも第1成膜チャン
バ内同様に成膜が行われる。その後第2の中継チャンバ
5014で更に60°回転させてから第3の成膜チャン
バDCCに移動させて再度成膜を行う。
【0138】各チャンバは排気装置3605により独立
して排気され大気としゃ断可能となっている。又、各チ
ャンバ間にはゲートバルブ(不図示)が設けられてい
て、成膜中の雰囲気をチャンバ毎に独立に保てる。
【0139】勿論、回転体を含めて、図16のように共
通のチャンバ内にヘッド及び基板ホルダーを全て配置し
てもよい。
【0140】しかしながら、量産効果を高める為には図
18のようなマルチチャンバ方式とし各成膜チャンバ内
に常に少なくとも1つの基板が配置されるようにして成
膜を行うことが望ましい。
【0141】又、ヘッド5005他には実施例4のヘッ
ドを採用できるし、又ガス供給装置としては実施例1の
ものが採用できることは言うまでもない。
【0142】本実施例では成膜期間中に基板を回転させ
ることにより規則性のある凹凸のない均一な堆積膜を得
ることができる。
【0143】(実験例1)実施例1の上記装置を用いて
代表的な堆積条件として水素の流量を500sccm、
DMAHの流量を50sccm反応室圧力を1.2to
rr、基板加熱温度を270℃となるように設定し、A
lの堆積を行った。その結果、得られた金属膜は平坦
性、膜質に優れたアルミニウム薄膜であった。
【0144】(実験例2)実験例1によって得られたA
l膜を有する基体上に実施例1と同じ構成のCVD装置
により酸化シリコン膜を形成した。
【0145】原料物質としてTEOSを、反応ガスとし
てオゾン(O3 )を用いて厚さ1μm程度の酸化シリコ
ン膜を形成した。得られた酸化シリコン膜は段差被覆性
に優れ平坦なものであった。
【0146】(実験例3)以上説明した実施例2による
装置を使用して原料にTIBA、キャリアガスにArを
用いアルミニウム薄膜を形成したところ、原料ガスの流
量及びガス導入装置の温度とも膜形成に好適な条件の範
囲が拡がり、再現性も良く原料ガスの良好な供給ができ
た。
【0147】また基板上の膜質(表明粗さ、比抵抗等)
の分布も改善された。特に、膜の成長初期における、す
なわちガス導入直後の温度制御が良好に行われるため段
差のある下地上へのAl膜の埋込みが良好になる。
【0148】また従来のガス整流装置では温度分布のた
めに整流装置上への局所的なAl膜の堆積や、生成物の
異常成長等を生じていたが、本例によればガス導入装置
へのそれらの付着は改善されメンテナンス周期を延ばす
ことが可能となった。
【0149】(実験例4)また、実施例2の装置を用い
て、原料にジメチルアルミニウムハイドライド(DMA
H)、キャリアガスとしてH2 を使用しアルミニウム薄
膜を形成した。この時ガス導入装置の温度制御は80℃
に設定し複数の加熱整流板(本例では3枚)各々個別に
行った。すなわち、前述した様に基板ホルダからの輻射
熱の影響を除くためとDMAHの分解を防止するに充分
な低温制御のためである。この時基板加熱温度は250
℃〜300℃とした。個別制御により比較的低温の16
0℃前後で分解するDMAHに対しても100℃以下で
整流板の温度を制御できる様になり、膜の堆積速度、膜
質の再現性が良好になった。
【0150】(実験例5)さらに、実験例4と同じ装置
において3枚の整流板の中、ガス供給側から基板側へ向
かって10〜40℃の温度勾配をもたせる(例えば供給
側60℃、真中75℃、基板側90℃に設定した。)こ
とにより、Alの選択堆積を行った。本例では原料の飽
和蒸気が流れる時に局所的な過冷却状態を生じて、液体
に凝縮する不都合が生ずるのを防止でき、より高効率な
原料の輸送が可能となった。こうして得られた膜の堆積
速度は約1μm/分であった。或いはまた、ガス導入装
置の整流板の枚数を増し(5〜6枚)多段構成とし、各
々、個別に温度制御を行うことによりガス導入装置に供
給される原料ガスが過飽和状態であったり、液滴を含む
状態であっても、最終段の加熱整流板を経て反応炉へ供
給されるガスを良好な気化状態にすることも可能とな
る。
【0151】これによりさらに原料の輸送効率が高めら
れ、膜の堆積速度を向上できる。
【0152】なお、以上の実施例においては熱CVD装
置における原料ガスの導入を説明したが、プラズマCV
D等他のCVD装置においても、有機金属原料の供給方
法として非常に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のCVD装置の一例を示す模式図。
【図2】形成された堆積膜の状態を示す模式図。
【図3】形成された堆積膜の状態を示す模式図。
【図4】原体状の原料物質の一例の温度と蒸気圧の関係
を示すグラフ。
【図5】本発明の実施例1によるCVD装置を示す模式
図。
【図6】従来のCVD装置を示す模式図。
【図7】原料ガスの温度と輸送効率との関係を示すグラ
フ。
【図8】原料ガスの温度と堆積速度の関係を示すグラ
フ。
【図9】整流板の面内位置における原料ガスの温度分布
を示すグラフ。
【図10】本発明の実施例2によるCVD装置を示す模
式図。
【図11】本発明に用いられる整流板の構成を示す模式
図。
【図12】本発明に用いられる整流板の構成を示す模式
図。
【図13】本発明の実施例3によるCVD装置を示す模
式図。
【図14】本発明の実施例4によるCVD装置を示す模
式図。
【図15】本発明に用いられる着脱式ヘッドを示す模式
図であり、切欠部は説明を容易にする為のものである。
【図16】本発明の実施例5によるCVD装置の模式的
上面図。
【図17】図16のXX’線による断面図。
【図18】実施例5の変形例を説明する為の模式図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/205 H01L 21/205 21/31 21/31 B (72)発明者 川角 保志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−119674(JP,A) 特開 平1−298725(JP,A) 特開 平2−104667(JP,A) 特開 平2−163379(JP,A) 特開 平3−120366(JP,A) 特開 平4−214867(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/00 - 16/56 H01L 21/205 H01L 21/31

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガス導入手段により反応室内に原料
    ガスを導入し、該反応室内に載置された基体上に薄膜を
    堆積させるCVD装置において、 前記該原料ガス導入手段は、原料ガスの通過する複数の
    貫通孔を有する加熱部材と該加熱部材の温度を制御する
    為の温度制御手段と、が付設され、該加熱部材の該複数
    の貫通孔近傍に該温度制御手段により制御される発熱体
    が配設されている加熱装置を有しており、原料ガスが該
    貫通孔を介して該反応室内に導入されることを特徴とす
    るCVD装置。
  2. 【請求項2】 前記原料ガスは有機金属化合物である請
    求項1に記載のCVD装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のCVD装置を用いて、
    前記基体上に堆積膜を形成するCVD法。
  4. 【請求項4】 前記原料ガスとしてアルキルアルミニウ
    ムハイドライドを用い、水素と反応させることにより前
    記基体の導電性或は半導体表面上にアルミを主成分とす
    る金属膜を形成する請求項3に記載のCVD法。
  5. 【請求項5】 原料ガスを反応室内に配置された基板に
    向けて放出するヘッドを有し、該ヘツドのガス放出面が
    該基板表面から10mm以下の範囲内にあり、該ガス放
    出面が着脱可能に保持されていることを特徴とする請求
    項1に記載のCVD装置。
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