JP5109858B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、締結側の摩擦要素の油圧を上昇させると共に解放側の摩擦要素の油圧を減少させることでアップシフト又はダウンシフトを実行する、いわゆる掛け換え変速用の自動変速機でダウンシフトを実行するとき、エンジンの駆動力を上昇させてエンジンの回転数をダウンシフト後の自動変速機の入力回転数に同期させる自動変速機の変速制御装置に関するものである。
いわゆる掛け換え変速用の自動変速機の変速制御装置には、ダウンシフトを実行するに際し、ダウンシフト前の変速段を決定する摩擦要素を全て解放して自動変速機内をニュートラル状態(動力伝達の行われない状態)にすると共に、エンジンの回転数がダウンシフト後の自動変速機の入力回転数と同期するようにエンジントルクをフィードバック制御し、エンジン回転数が同期した後は、ダウンシフト後の変速段を決定する摩擦要素の締結することで、当該ダウンシフトを完了させるものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−112247号公報
こうした変速制御装置によれば、変速ショックの低減と共に変速時間の短縮を図れるが、自動変速機内をニュートラル状態にするため、エンジンからの駆動力の入力が遮断されてエンジン又は自動変速機内での空転が生じてしまうという問題がある。
即ち、自動変速機内をニュートラル状態にしてエンジン回転数と自動変速機の入力回転数を同期させる場合、ダウンシフト時において一時的であるとは言え、自動変速機からの出力される駆動力の消失(自動変速機からの駆動力の抜け)が生じるという問題がある。
本発明の解決すべき課題は、エンジン回転数と自動変速機の入力回転数とを同期させる際に、自動変速機内をニュートラル状態にすることに伴い自動変速機からの駆動力が一時的に消失してしまうことにあり、
本発明の目的とするところは、ダウンシフト時に自動変速機内をニュートラル状態とすることなく、エンジン回転数と自動変速機の入力回転数とを同期させることができる自動変速機の変速制御装置を提供することである。
本発明は、油圧の増減によって締結及び解放が可能な複数の摩擦要素を有し、締結すべき摩擦要素の油圧を増大させて当該摩擦要素を締結すると共に解放すべき摩擦要素の油圧を減少させて当該摩擦要素を解放することで、アップシフト又はダウンシフトを実行する自動変速機でダウンシフトを実行するとき、エンジンの駆動力を上昇させてエンジンの回転数をダウンシフト後の自動変速機の入力回転数に同期させる自動変速機の変速制御装置において、
ダウンシフト開始判定手段を用いて、ダウンシフトが開始されたかどうかを判定し、
この判定の結果、ダウンシフトの開始を判定したときは、解放側油圧制御手段を用いて、解放すべき摩擦要素の油圧を、少なくとも自動変速機内がニュートラル状態にならずに当該自動変速機からの駆動力が得られるように抑制する。
このとき、エンジントルクが高いほど、油圧の低下を抑制するための当該油圧の下限値を高くする。

油圧の低下を抑制する方法としては、制御のし易さや安定性を考慮すれば、当該油圧を一定の棚圧に維持するのが好適であるが、自動変速機内がニュートラル状態にならずに当該自動変速機からの駆動力が得られる状態を保つことができる方法であれば、当該油圧の低下勾配を緩やかにしたり、逆に、当該油圧を緩やかに上昇させる方法等でもよい。
本発明によれば、ダウンシフトが開始されたと判定したときは、解放すべき摩擦要素の油圧低下を開始し、その後、予め設定された時機に達するまでの間は、当該油圧の低下を、少なくとも自動変速機内がニュートラル状態にならずに当該自動変速機からの駆動力が得られるように抑制することから、エンジン回転数と自動変速機の入力回転数とを同期させる際も、自動変速機内がニュートラル状態になることはない。
このため、本発明によれば、ダウンシフトを実行しているにもかかわらず、自動変速機からの駆動力が一時的に消失することで、運転者に空走感を与えてしまうことがない。
以下、図面を参照して、本発明である自動変速機の変速制御装置を説明する。
図1は、本発明の一形態である自動変速機の変速制御装置の概要を模式的に示すシステム図である。
符号1は、吸気路2に電制スロットル弁3を有するエンジンである。エンジン1の駆動力は、電制スロットル弁3の開度に従い、その開度が大きい程、大きくなる。電制スロットル弁3の開度は、エンジンコントロールユニット(以下、「ECU」という)101によって制御される。
符号4は、エンジン1の出力側に配置される自動変速機である。自動変速機4は、エンジン1の出力軸に直結されるロックアップ式トルクコンバータ(以下、「トルクコンバータ」という)4aと、このトルクコンバータ4aの出力軸に直結される有段変速機4bと、この有段変速機4b内に配置されたクラッチ又はブレーキに代表される各種摩擦要素の締結及び解放を油圧制御するための油圧制御ユニット4cとを有する。
有段変速機4bは、油圧の増減によって締結及び解放が可能な複数の摩擦要素を有し、解放すべき摩擦要素(以下、「解放側摩擦要素」という)の油圧(以下、「解放側油圧」という)P1を減少させて当該摩擦要素を解放すると共に締結すべき摩擦要素(以下、「締結側摩擦要素」という)の油圧(以下、「締結側油圧」という)P2を増大させて当該摩擦要素を締結することで、アップシフト又はダウンシフトを実行する、いわゆる掛け替え変速用の自動変速機である。
油圧制御ユニット4cは、上述の各種摩擦要素に対応する複数のシフトソレノイド(図示省略)を有し、当該シフトソレノイドを自動変速機コントロールユニット(以下、「ATCU」という)102によって適宜制御することで変速制御に要求される好適な油圧の供給を実現する。
符号S1は、アクセルペダルの踏み込み量に相当するアクセル開度APOを検出し、このアクセル開度APOをECU101及びATCU102に信号として出力するアクセル開度センサである。これにより、エンジン1の駆動力は、アクセルペダルの踏み込み量に応じて制御することができる。
符号S2は、クランク軸の回転に同期した信号をECU101に出力するエンジン回転センサである。エンジンの回転数(以下、「エンジン回転数」という)Neは、エンジン回転センサS2からの信号に基いて検出することができる。
符号S3は、自動変速機4の出力軸(以下、「変速機出力軸」という)5の回転に同期した信号をATCU102に出力する変速機出力軸回転センサ(以下、「出力回転センサ」という)である。車速VSPは、出力回転センサS2からの信号に基いて検出することができる。
ECU101とATCU102とは、互いの情報を共有し合えるように双方向通信線6を介して接続されている。
ATCU102では、セレクトレバー7の操作により、運転者が選択したモードに応じた変速制御を実行する。例えば、自動変速モードにあっては、アクセル開度APOと車速VSPとに応じて変速の必要性の有無を判定し、要求される変速を実行し、手動変速モードにあっては、運転者のセレクトレバー操作に応じた目標変速段を決定し、要求される変速を実行する。
ECU101では、アクセル開度APO、エンジン回転数NeやATCU102からの変速要求に基いてエンジン1からの駆動力を制御する。
例えば、変速が実行されない通常の走行状態では、アクセル開度APOやエンジン回転数Neに基いて運転者の要求トルクを算出した後、この要求トルクを目標エンジントルクTe(o)とし、この目標エンジントルクTe(o)に従って電制スロットル弁3を制御する。
これに対し、変速を実行するとき、特に、ダウンシフトを実行するときは、ATCU102と情報交換を行いつつ、目標エンジントルクTe(o) を算出し、この目標エンジントルクTe(o)に従って電制スロットル弁3を制御する。
ここで図2は、ATCU102にて実行される本発明に従う変速制御のメインルーチンを概略的に示すフローチャートである。なお、本変速制御は、予め設定された時間毎に繰り返し実行されるものとする。
まずステップ1では、アクセル開度APOの変化やセレクトレバー操作等により、ダウンシフトが開始されたかどうかを判定する。即ち、ステップ1がダウンシフト開始判定手段に相当する。ダウンシフト開始が判定されないときは、本制御を一旦終了するのに対し、ダウンシフト開始が判定されたときは、ステップ2に移行する。
ステップ2では、エンジン1の駆動力を上昇させてエンジン回転数Neを自動変速機4の入力回転数(本形態では、有段変速機4bの入力回転数)に同期させつつダウンシフトを行う回転同期変速制御が実行可能かどうかを判定する。
ステップ2にて、回転同期変速制御が実行できると判定したときは、回転同期変速制御を実行すべくステップ3に移行し、回転同期変速制御が実行できないと判定したときは、エンジン1の駆動力を上昇させることなくダウンシフトを実行すべくステップ4に移行し、通常の変速制御を実行する。
なお、ステップ2は、フェールセーフとして機能し、回転同期変速制御が実行可能かどうかの判定については、例えば、アクセル開度APOが予め設定した値よりも大きくアクセルペダルの踏む込み量が過多であるかどうかを判定するもの等が挙げられる。
ここで、図3は、図2のステップ3にて実行される変速制御のサブルーチンを概略的に示すフローチャートである。
先ずステップ31では、ダウンシフトを終了させる条件が成立しているかどうかを判定する。ダウンシフト終了条件が成立していると判定したときは、本制御を終了し、図2のフローチャートに従う変速制御を再開するのに対し、ダウンシフト終了条件が成立していないと判定したときは、ステップ32に移行する。
なお、ステップ31は、ダウンシフトの終了判定として機能し、この判定については、例えば、変速機4bの入力回転数(以下、「変速機入力回転数」という)Ntと出力回転数(以下、「変速機出力回転数」という)Noを検出し、この回転数の比(No/Nt)として算出された実変速比ir(=No/Nt)が所定の変速比の範囲(即ち、ダウンシフト後の変速段におけるギア比)に収まったどうか、即ち、目標とする変速段に実質的に到達したかどうかを判定するもの等が挙げられる。
ステップ32では、後述のとおり一定の棚圧Pに維持されていた解放側油圧P1を増加させることができる条件が成立したかどうかを判定する。
この判定については、予め時機(タイミング)tpを設定し、この時機tpに達したかどうかで判定する。本形態では、かかる時機tpを、自動変速機4の実変速比irが予め設定した所定変速比iSに到達したかどうかで判定する。
所定変速比iSとしては、例えば、ダウンシフトの開始時点t1からダウンシフトの終了時点t2までの変速比のうち、少なくともダウンシフトが半分実行された時点での変速比よりも大きな変速比を採用する。更に好適には、ダウンシフトの開始時点t1からダウンシフトが7割実行された時点での変速比よりも大きな変速比を採用する。これにより、時機tpを予め設定することができる。
ダウンシフトの開始当初は、実変速比irが所定変速比iSに到達していないため、ステップ33に移行する。ステップ33では、ダウンシフトを実行するにあたって解放側摩擦要素に求められる容量を算出する。
即ち、ステップ33では、締結側摩擦要素と協働して、自動変速機4内がニュートラル状態とならないで、当該自動変速機4からの駆動力Ftが僅かでも得られるような一定の棚圧Paを算出する。これにより、図2のステップ3では、先ず、掛け替え変速(ダウンシフト)開始の指令と同時に、解放側油圧P1が、自動変速機4内がニュートラル状態とならずに依然として当該自動変速機4からの駆動力Ft(=ΔFt)が得られるような一定の棚圧Paになるように指令する。
従って、ダウンシフトを実行すべく、解放側油圧P1を低下させた後も、自動変速機4内はニュートラル状態になることなく、自動変速機4からは依然として駆動力Ftが発生することになる。即ち、図2のステップ3及び本ステップ33が解放側油圧低下抑制手段に相当する。
なお、自動変速機4内がニュートラル状態ではないとは、自動変速機4内の動力伝達系が切断されることなく、その機能を発揮している状態をいう。即ち、駆動力ΔFtは、変速出力回転数Noが変速機側入力回転数Ntに追従して変動にすることで得られる駆動力、従って、Ft>0であればよく、車種や使用者の要求に応じて予め適宜設定し或いは、走行状態に応じて適宜変更することができる。
ところで、従来のように、単にエンジントルクTeを低下させることで変速機入力回転数Ntの上昇を抑制する場合、エンジントルクTeの低下量を大きくすると、その後の運転操作等によって駆動力Ftの変更が要求されても、エンジントルクTeが低下してしまっていることで迅速な対応をとることができず、応答性に改善の余地がある。
そこで、本形態では、ステップ33の終了後は、ステップ31にリターンし、ステップ31にて、ダウンシフトの終了条件が成立するか、ステップ32にて、解放側油圧P1を増加させることができる条件が成立するまで、本制御を継続する。
ステップ32にて、実変速比irが所定変速比iSに到達したと判定されると、ステップ34にて、解放側油圧P1を増加させるにあたっての目標値Pbを算出する。
目標値Pbは、ダウンシフト後の変速機入力トルクTinに相当する油圧を求め、当該油圧を目標圧とし、変速機入力トルクTinは、例えば、以下の式(1)より算出する。
in=ΔNe×Ie・・・(1)
ΔNe:エンジン回転数Neの変化速度
Ie:エンジンのイナーシャ
なお、式(1)は、トルクコンバータ4aがロックアップ状態(Ne=Nt)と仮定している。このため、非ロックアップ状態(Ne≠Nt)である場合は、変速入力回転数Ntと、トルクコンバータ4aのスリップ率とからエンジン回転数Neを求め、これを上記(1)の演算に用いる。
ステップ35では、ステップ34にて求めた変速機入力トルクTinに相当する油圧を算出して、この油圧を目標油圧Pbとする。これにより、図2のステップ3では、実変速比irが所定変速比iSに到達すると、解放側油圧P1が、棚圧Paから目標油圧Pbになるように所定の変化勾配ΔGで増加するように指令する。即ち、図2のステップ3及び本ステップ33及び34が解放側油圧増加手段に相当する。
このように、所定変速比is以降に、解放側油圧P1を目標油圧Pbに向かって増加させれば、ダウンシフトに伴い変速機入力回転数Ntの上昇を抑制するために従来から行われるエンジントルクTeの低下量を抑制しても、ダウンシフト終了間際に、自動変速機からの駆動力Ftが増加するため、ダウンシフト終了以後に駆動力Ftの変更が要求されても、駆動力Ftの変更に迅速に対応することができる。
なお、棚圧Paから目標油圧Pbに増加させる際の所定の変化勾配ΔGは、車種や使用者の要求に応じて予め適宜設定し、或いは、走行状態に応じて適宜変更することができる。また、解放側油圧P1の増加は、例えば、予め時間を設定し、この設定時間まで行いその後、解放側油圧P1は、変速制御(ダウンシフト制御)を実行すべく、本来の変速制御に従い減少させる。
これに対し、締結側摩擦要素側では、時点t1にてダウンシフトの開始を判定したとき、締結側油圧P2をプリチャージ圧Ppまで上昇させた後、当該油圧P2を一定の棚圧Pcに保持することで、締結側摩擦要素を締結直前の状態に維持しておく。そして、エンジン回転数Neが予め設定した目標回転数Ne(o)であるかどうかを判定し、時点t2にて、エンジン回転数Neが目標回転数Ne(o)に到達したと判定されると、締結側油圧P2を解放側油圧P1に一致するまで上昇させることで、ダウンシフトを完了させる。
なお、本形態では、時点t2にて、締結側油圧P2を一気に上昇させずに、一旦、油圧Pdまで上昇させたのち、油圧Peまで一定の勾配で上昇させている。この場合、締結側摩擦要素の締結動作に伴う締結ショックを防止することができる。
ここで、図4は、図3のフローチャートに従って実行される本発明に係る回転同期変速制御を時系列的に示すタイムチャートであるのに対し、図5は、ニュートラル状態を伴う従来の回転同期変速制御を時系列的に示すタイムチャートである。
本発明によれば、図4の領域Aに示すように、ダウンシフトの開始時点t1にて解放側油圧P1の低下を開始し、その後、予め設定された時機tpに達するまでの間は、解放側油圧P1を一定の棚圧Paに維持することで、当該油圧P1の低下を、少なくとも自動変速機4内がニュートラル状態(Ft=0)にならずに当該自動変速機4からの駆動力Ftが得られるように抑制することから、エンジン回転数Neと変速機入力回転数Ntとを同期させる際も、同図の領域Bに示すように、自動変速機4からの駆動力Ft(=ΔFt)が得られており、自動変速機4内がニュートラル状態になることはない。
このため、本発明によれば、ダウンシフトを実行しているにもかかわらず、自動変速機4からの駆動力Ftが一時的に消失することで、運転者に空走感を与えてしまうことがない。
これに対し、従来技術によれば、図5の領域A'に示すように、ダウンシフトの開始時点t1にて解放側油圧P1を完全に抜くことで、図5の領域B'に示すように、自動変速機4からの駆動力Ftが全く得られないニュートラル状態(Ft=0)になる。即ち、従来技術では、ダウンシフトを実行するときに、自動変速機4からの駆動力Ftが一時的に消失することで、運転者に空走感を与えてしまう。
また、本発明によれば、ダウンシフト時においてニュートラル状態(Ft=0)から駆動力Ft(Ft>0)を発生するまでの時間が存在しないため、図4の領域Eに示すように、駆動力Ftが早めに立ち上がるので、かかる時間を運転者が変速遅延として違和感を覚えることもない。
これに対し、従来技術では、自動変速機4内がニュートラル状態となるため、ダウンシフト時においてニュートラル状態(Ft=0)から駆動力Ft(Ft>0)を発生するまでの時間が存在し、図5の領域E’に示すように、駆動力Ftの立ち上がり遅れるので、かかる時間を運転者が変速遅延として違和感を覚える。
また、本発明に従えば、解放側摩擦要素を油圧制御することで、自動変速機4内がニュートラル状態にならないため、締結側摩擦要素の解放遅れに伴う、いわゆる引きショックの防止も併せて可能であるが、本形態では、かかる棚圧Paを、エンジントルクTeが高いほど、高くなるように設定している。言い換えれば、エンジントルクTeが高いほど、解放側油圧P1の低下を抑制するための当該解放側油圧P1の下限値(本形態では、棚圧Pa)が高くなるように設定している。この場合、運転者が引きショック感を受けやすい高エンジントルクTeに従って棚圧Paも上昇するため、引きショックの防止に有効である。
加えて、本形態では、同図の領域Cに示すように、予め設定された時機(時点tp)に達した後、解放側油圧P1を油圧Pbまで増加させている。この場合、変速機出力軸5側から自動変速機4内への負荷を増やすことで、変速機入力回転数Ntと変速機出力回転数Noとの回転差も縮まるため、一度上げたエンジントルクTeを下げてエンジン回転数Neを変速機入力回転数Ntに同期させる場合に、同図の領域Dに示すように、エンジントルクTeの低下割合を小さく抑えることができる。
これに対し、従来技術では、自動変速機4内がニュートラル状態となることで変速機出力軸5側からの負荷がなく、しかも、解放側油圧P1の油圧も増加しないため、一度上げたエンジントルクTeを下げてエンジン回転数Neを変速機入力回転数Ntに同期させる場合、同図の領域D'に示すように、エンジントルクTeを大きく低下させる必要がある。
即ち、従来技術では、エンジン回転数Neを変速機入力回転数Ntに同期させるためにエンジントルクTeを大きく低下させる必要があるから、図4の領域Dと比較すれば明らかなように、エンジントルクTeが大きく落ち込む分、本発明に比べて同期終了後に要求されるエンジントルクTe(o)に復帰させるのに時間を要する。このため、エンジントルクTeが同期終了後に要求されるエンジントルクTe(o)に復帰するまでかかる時間を運転者が変速遅延として違和感を覚えることも考慮される。
即ち、従来のように、エンジントルクTeを低下させることで変速機入力回転数Ntの上昇を抑制する場合、エンジントルクTeの低下量が大きいと、その後の運転操作等によって自動変速機からの駆動力Ftに変更が要求されるとき、その応答性に改善の余地があるのに対し、本発明のように、解放側油圧P1が目標油圧Pbに向かって増加する構成であれば、ダウンシフト終了間際に、領域Eに示すように、自動変速機からの駆動力Ftが増加するため、ダウンシフト終了後の新たな要求に対する応答性は、結果的に、従来と比べて改善される。
従って、本形態のように、解放側油圧P1を目標油圧Pbに向かって増加させれば、ダウンシフトに伴い変速機入力回転数Ntの上昇を抑制するために従来から行われるエンジントルクTeの低下量を抑制しても、ダウンシフト終了時点t2間際に、自動変速機からの駆動力Ftが増加するため、ダウンシフト終了以後に駆動力Ftの変更が要求されても、駆動力Ftの変更に迅速に対応することができる。
なお、本形態では、解放側油圧P1の棚圧Paから増加は、目標油圧Pbに向かうように説明したが、本発明に従えば、目標油圧Pbよりも低い値を目標油圧とすることもできる。即ち、本発明に従えば、少なくとも、解放側油圧P1を増加されば、上述のような効果を得ることができる。
また、本形態では、解放側油圧P1を増加させる時機tpを、自動変速機4の実変速比irが予め設定した値iに到達した時機とすることで、当該時機を比較的簡単な演算処理で判定できるので、高価な演算装置(CPU)を用いることなく、低コスト化を図ることができる。
更に、本形態では、解放側油圧P1を増加させるときの目標油圧Pbをダウンシフト後の変速機入力トルクTinに相当する油圧としたことで、油圧を減少させるべき解放側摩擦要素に対して過大な油圧を供給することなく、エンジン回転数Neとダウンシフト後の変速機入力回転数Ntとの安定した同期を図ることができる。
上述したところは、本発明の好適な形態であるが、請求の範囲内において、種々の変更を加えることができる。例えば、本形態に係る自動変速機には様々なものを採用することができる。また、本発明に係る自動変速機は、有段自動変速機に限定されることなく、ベルト式の無段変速機であってもよい。
本発明の一形態である自動変速機の変速制御装置の概要を模式的に示すシステム図である。 同形態のATCUにて実行される、本発明に従う変速制御のメインルーチンを概略的に示すフローチャートである。 図2のステップ3にて実行される変速制御のサブルーチンを概略的に示すフローチャートである。 図3のフローチャートに従って実行される本発明に係る回転同期変速制御を時系列的に示すタイムチャートである。 ニュートラル状態を伴う従来の回転同期変速制御を時系列的に示すタイムチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 吸気路
3 電制スロットル弁
4 自動変速機
4a ロックアップ式トルクコンバータ
4b 有段変速機
4c 油圧制御ユニット
5 変速機出力軸
6 双方向通信線
7 セレクトレバー
101 ECU(エンジンコントロールユニット)
102 ATCU(自動変速機コントロールユニット)
1 アクセル開度センサ
2 エンジン回転センサ
3 変速機出力軸回転センサ

Claims (4)

  1. 油圧の増減によって締結及び解放が可能な複数の摩擦要素を有し、締結すべき摩擦要素の油圧を増大させて当該摩擦要素を締結すると共に解放すべき摩擦要素の油圧を減少させて当該摩擦要素を解放することで、アップシフト又はダウンシフトを実行する自動変速機でダウンシフトを実行するとき、エンジンの駆動力を上昇させてエンジンの回転数をダウンシフト後の自動変速機の入力回転数に同期させる自動変速機の変速制御装置において、
    ダウンシフトが開始されたかどうかを判定するダウンシフト開始判定手段と、
    この判定の結果、ダウンシフトの開始を判定したときは、解放すべき摩擦要素の油圧を、少なくとも自動変速機内がニュートラル状態にならずに当該自動変速機からの駆動力が得られるように抑制する解放側油圧低下抑制手段とを備え
    前記解放側油圧低下抑制手段は、エンジントルクが高いほど、油圧の低下を抑制するための当該油圧の下限値を高くするものであることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 請求項1において、解放すべき摩擦要素の油圧を、少なくとも自動変速機内がニュートラル状態にならずに当該自動変速機からの駆動力が得られるように抑制した後に、解放すべき摩擦要素の油圧を増加させてエンジンの回転数とダウンシフト後の自動変速機の入力回転数との同期を早める解放側油圧増加手段を備えることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  3. 請求項2において、前記解放側油圧増加手段は、解放すべき摩擦要素の油圧を、少なくとも自動変速機内がニュートラル状態にならずに当該自動変速機からの駆動力が得られるように抑制したとき、その終了を、自動変速機の実変速比が予め設定した所定の変速比に到達したかどうかで判断するものであることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 請求項2又は3において、前記解放側油圧増加手段は、ダウンシフト後の変速機入力トルクに相当する油圧を求め、当該油圧を目標圧とするものであることを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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