JP5109648B2 - 層状炭素構造体の製造方法および半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
K. S. Novoselov, et al., "Electric Field Effect in Atomically Thin Carbon Films", Science, 306, 2004, P.666
また、SiCの加熱によりグラフェンを作製する方法は、作製されるグラフェンの結晶サイズが小さく、分布も疎らであるという問題点があった。
また、本発明は、層状炭素構造体の結晶性や形状、作製場所が制御された半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
また、上記課題を解決するために、階段状に加工された、炭化シリコンであるオフ基板に、50nm〜2000nmの間隔でマスク膜を形成する工程と、マスク膜が形成された前記オフ基板を加熱し、前記オフ基板上に層状炭素構造体であるグラフェンを形成する工程と、前記層状炭素構造体の両側にソース・ドレイン電極部を形成する工程と、層状炭素構造体上にゲート電極部を形成する工程と、を有することを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
まず、実施の形態の概要について説明する。
まず、オフ基板11の作製について、図1(A)を参照しながら説明する。
例えば、六方晶のSiCから[0001]方向に対して数度の角度(オフ角)をつけてSiC層(図示を省略)を切り出す。続いて、切り出したSiC層の表面を階段状に加工して、階段状の平面部に相当するテラス部11aと階段状の高さに相当するステップ部11bとを形成して階段状のオフ基板11が構成される。以上、図1(A)に示す構成が得られる。
テラス部11aおよびステップ部11bが加工されたオフ基板11を加熱すると、各テラス部11a上に帯状の層状炭素構造体として例えばグラフェンの作製が期待される。ところが、上述のように、作製されるグラフェンは結晶サイズが制御できず、分布も疎らで、ステップ部11bに垂直な方向にランダムにグレイン境界が生成されてしまう。
まず、図1(B)を参照しながら説明する。テラス部11aとステップ部11bとが形成されたオフ基板11に、マスク膜12を、互いに間隔を開けて形成する。したがって、マスク膜12間にはオフ基板11が露出する。以上、図1(B)に示す構成が得られる。
実施の形態では、上記概要を踏まえた半導体装置の製造方法について説明する。
まず、層状炭素構造体としてグラフェンの作製について図面を参照しながら説明する。
まず、六方晶のSiCにおいて、[0001]方向から、例えば、[01−10]方向に対して約0.6度のオフ角をつけたSiC層(図示を省略)を切り出す。続いて、このSiC層に対して、アセトン、メタノールなどの有機溶媒で超音波クリーニングを行う。続いて、超音波クリーニング後、例えば、50%のフッ酸(HF)溶液で、SiC層の表面の酸化膜を除去する。続いて、SiC層をコールドウォールの反応炉に入れて、水素(H)希釈の塩化水素(HCl)(0.3%)ガスで処理する。例えば、この時のSiC層の温度を約1300℃、圧力を大気圧、処理時間を約10分とする。そして、図2に示すように、切り出したSiC層の表面に、高さが約50nm以下、好ましくは、約1.0nm〜約2.0nmのステップ22、ステップ22間の幅が約2000nm以下、好ましくは、約100nm〜約200nmのテラス21が加工された階段状のオフ基板20が形成される。なお、本実施の形態におけるオフ基板20は、片側にオフ角がつけられた場合を例に挙げて説明しているが、その他、例えば、両側にオフ角をつけた形状など、オフ角を有し、ステップ22とテラス21とが形成された様々な形状が考えられる。また、ステップ22の高さやテラス21の幅は、オフ角や処理温度で異なり、上述の値に限定されるわけではない。
テラス21およびステップ22が加工されたオフ基板20に対して、シラン(H4Si)およびアンモニア(NH3)を原料として、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、厚さが約300nmの窒化シリコン(SiN)膜24を成膜する。続いて、図3に示すような、通常に行われる公知のフォトリソグラフィによってパターニングしたレジスト膜23を形成する。なお、レジスト膜23の間隔はここでは約50nm〜約2000nmとするが、その値に限定されるわけではない。
図3に続いて、HF系のガスを利用したプラズマエッチングおよびレジスト膜23の除去によって、マスク膜としてSiN膜24aがオフ基板20上に形成される。したがって、SiN膜24aとステップ22とで囲まれるオフ基板20が露出する。なお、SiN膜24aの幅は数百nmとなる。続いて、SiN膜24aが形成されたオフ基板20をコールドウォールの反応炉に再び入れる。反応炉内の圧力が約1.0×10−4Torrになるまで排気して、基板温度を約1350℃として、約3分間、加熱する。図4に示すように、この加熱によって、露出されたオフ基板20のSiが昇華し、昇華した部分に単結晶のグラフェン25が選択的に形成される。
<実施例1>
実施例1では、トップゲート型の半導体装置を例に挙げて説明する。
図5に示すように、トップゲート型の半導体装置30は、グラフェン25が作製されたオフ基板20およびグラフェン25aと、グラフェン25aの両側に形成されたチタン(Ti)膜31aおよび金(Au)膜31bから構成されるソース・ドレイン電極31と、グラフェン25aとソース・ドレイン電極31とに形成されたゲート絶縁膜32と、ゲート絶縁膜32上に形成されたTi膜33aおよびAu膜33bから構成されるゲート電極33とから構成されている。なお、これら電極材料は電導性が上記材料に限定されるわけではなく、その他の金属や、さらにはグラフェン、グラファイト、またはそれらの複合材料から形成することが可能である。
図6は、実施の形態におけるトップゲート型の半導体装置の製造方法であって、(A)はチャネルの、(B)はソース・ドレイン電極の、(C)は絶縁膜の製造工程の断面模式図である。
<実施例2>
実施例2では、バッグゲート型の半導体装置を例に挙げて説明する。
また、図示はしていないが、上述の半導体装置30,30aと同様に、埋め込みゲート構造の半導体装置などにも、グラフェン25aをチャネルに用いることができる。
11a テラス部
11b ステップ部
12 マスク膜
13 層状炭素構造体
Claims (3)
- 階段状に加工された、炭化シリコンであるオフ基板に、50nm〜2000nmの間隔でマスク膜を形成し、
前記マスク膜が形成された前記オフ基板を加熱し、前記オフ基板上に層状炭素構造体であるグラフェンを形成することを特徴とする層状炭素構造体の製造方法。 - 前記オフ基板は、[0001]方向に対してオフ角を有することを特徴とする請求項1記載の層状炭素構造体の製造方法。
- 階段状に加工された、炭化シリコンであるオフ基板に、50nm〜2000nmの間隔でマスク膜を形成する工程と、
前記マスク膜が形成された前記オフ基板を加熱し、前記オフ基板上に層状炭素構造体であるグラフェンを形成する工程と、
前記層状炭素構造体の両側にソース・ドレイン電極部を形成する工程と、
前記層状炭素構造体上にゲート電極部を形成する工程と、
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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