JP5109442B2 - 燃料電池用複合粉体とその製造方法 - Google Patents
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Description
第1の本発明は、粒子状物質と該粒子状物質の表面に形成されるシェル部とを備え、シェル部に、電解質樹脂と、触媒金属が導電性担体に担持された触媒金属担持担体又は白金粒子と、が含有されることを特徴とする、燃料電池用複合粉体である。
図1は、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の形態例を概略的に示す断面図である。図2は、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の形態例を概略的に示す断面図である。図2において、図1と同様の構成を採るものには、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図3は、第3実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の形態例を概略的に示す断面図である。図3において、図2と同様の構成を採るものには、図2にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図4は、第4実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の形態例を概略的に示す断面図である。図4において、図1と同様の構成を採るものには、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図5は、第5実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の形態例を概略的に示す断面図である。図5において、図2・図4と同様の構成を採るものには、図2・図4で使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図6は、第6実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の形態例を概略的に示す断面図である。図6において、図3〜図5と同様の構成を採るものには、図3〜図5で使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。図7は、従来の燃料電池用複合粉体の形態例を概略的に示す断面図である。図7において、図1と同様の構成を採るものには、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図1〜図7を参照しつつ、本発明の燃料電池用複合粉体について具体的に説明する。
図1に示すように、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体10(以下、「複合粉体10」という。)は、コア部1と、当該コア部1の表面に形成されたシェル部2とを備えている。コア部1は、例えば、撥水処理を施された粒径4[μm]のシリカにより構成され、シェル部2には、フッ素系のポリマー3と、Pt4、4、…がC5、5、…に担持されたPt/C6、6、…と、が含有されている。そして、コア部1とPt/C6、6、…とは、フッ素系のポリマー3を介して接合している。このように、複合粉体10は、そのコア部1にPt/C6、6、…が含有されず、Pt/C6、6、…は、反応ガスが到達しやすいシェル部2にのみ含有されている。また、シェル部2には、フッ素系のポリマー3とPt/C6、6、…とが含有されているので、当該シェル部2におけるフッ素系のポリマー3とPt/C6、6、…との界面に反応ガスが到達することで、多くの三相界面が形成される。したがって、複合粉体10によれば、反応ガスが到達しやすいシェル部2のみにPt/C6、6、…が含有されているので、Pt4、4、…の利用効率を容易に向上させることができる。
図2に示すように、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体11(以下、「複合粉体11」という。)は、コア部11aと、当該コア部11aの表面に形成されたシェル部2とを備えている。コア部11aは、例えば、フッ素系のポリマー3及び炭素質担体5、5、…(以下、「C5、5、…」という。)により構成され、シェル部2には、フッ素系のポリマー3と、Pt4、4、…がC5、5、…に担持されたPt/C6、6、…と、が含有されている。そして、コア部11aとPt/C6、6、…とは、フッ素系のポリマー3を介して接合している。このように、複合粉体11は、コア部11aにPt/C6、6、…が含有されない一方、フッ素系のポリマー3が含有され、Pt/C6、6、…は、反応ガスが到達しやすいシェル部2にのみ含有されている。それゆえ、中実状の複合粉体90と比較して、Pt4、4、…の有効利用を図ることが可能になる。また、シェル部2には、フッ素系のポリマー3とPt/C6、6、…とが含有されているので、当該シェル部2におけるフッ素系のポリマー3とPt/C6、6、…との界面に反応ガスが到達することで、多くの三相界面が形成される。したがって、複合粉体11によれば、反応ガスが到達しやすいシェル部2のみにPt/C6、6、…が含有されているので、Pt4、4、…の利用効率を容易に向上させることができる。さらに、プロトンの伝導経路として機能するフッ素系のポリマー3が、シェル部2のみならずコア部11aにも含有されているので、コア部11aを、シェル部2で生じたプロトンの伝導経路として機能させることができる。したがって、複合粉体11によれば、プロトンの伝導効率を向上させることができる。
図3に示すように、第3実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体12(以下、「複合粉体12」という。)は、コア部12aと、当該コア部12aの表面に形成されたシェル部2とを備えている。コア部12aは、例えば、フッ素系のポリマー3と、Pt4、4、…がC5、5、…に担持されたPt/C7、7、…とが含有され、シェル部2には、フッ素系のポリマー3と、Pt4、4、…がC5、5、…に担持されたPt/C6、6、…と、が含有されている。コア部12aに含有されるPt/C7とシェル部2に含有されるPt/C6とを比較すると、Pt/C7に含有されるPt4、4、…が、Pt/C6に含有されるPt4、4、…よりも少ない形態とされている。そして、コア部12aと、シェル部2に含有されるPt/C6、6、…は、フッ素系のポリマー3を介して接合している。複合粉体12では、反応ガスの到達し難いコア部12aに含有されるPt4、4、…の質量比率(触媒金属と炭素質担体との質量比率)が、反応ガスの到達しやすいシェル部2に含有されるPt4、4、…の質量比率(触媒金属と導電性担体との質量比率)よりも小さくなる形態で、Pt/C7、7、…、及び、Pt/C6、6、…が含有される。そのため、従来の複合粉体90と比較して、Pt4、4、…の有効利用を図ることが可能になる。また、シェル部2には、フッ素系のポリマー3とPt/C6、6、…とが含有されているので、当該シェル部2におけるフッ素系のポリマー3とPt/C6、6、…との界面に反応ガスが到達することで、多くの三相界面が形成される。加えて、複合粉体12では、コア部12a及びシェル部2にフッ素系のポリマー3が含有されている。したがって、複合粉体12によれば、Pt4、4、…の有効利用を図りつつ、プロトンの伝導効率を向上させることができる。
図4に示すように、第4実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体13(以下、「複合粉体13」という。)は、コア部1と、当該コア部の表面に形成されたシェル部9とを備えている。コア部1は、撥水処理を施された粒径4[μm]のシリカにより構成され、シェル部9には、フッ素系のポリマー3、及び、平均粒径20[nm]の白金粒子8、8、…(以下、「白金黒8、8、…」等という。)が含有されている。そして、コア部1と白金黒8、8、…とは、フッ素系のポリマー3を介して接合している。このように、複合粉体13は、そのコア部1に白金黒8、8、…が含有されず、白金黒8、8、…は、反応ガスが到達しやすいシェル部9にのみ含有されている。それゆえ、中実状の複合粉体90と比較して、触媒として機能する白金黒8、8、…の有効利用を図ることが可能になる。また、シェル部9に白金黒8、8、…及びフッ素系のポリマー3が含有されるので、当該シェル部9におけるフッ素系のポリマー3と白金黒8、8、…との界面に反応ガスが到達することで、多くの三相界面が形成される。加えて、シェル部9に白金黒8、8、…が含有される形態とすることで、複合粉体13によれば、シェル部9の厚さを薄くすることができる。このように、シェル部9の厚さを薄くすると、反応場を複合粉体13の表面に限定することができる。それゆえ、複合粉体13によれば、反応場を表面に限定して白金黒8、8、…の利用効率を向上させることができる。
図5に示すように、第5実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体14(以下、「複合粉体14」という。)は、コア部11aと、当該コア部11aの表面に形成されたシェル部9とを備えている。このように、複合粉体14は、コア部11aに白金黒8、8、…が含有されない一方、フッ素系のポリマー3が含有され、白金黒8、8、…は、反応ガスが到達しやすいシェル部9にのみ含有されている。シェル部9には、フッ素系のポリマー3及び白金黒8、8、…が含有されるので、当該シェル部9におけるフッ素系のポリマー3と白金黒8、8、…との界面に反応ガスが到達することで、多くの三相界面が形成される。すなわち、複合粉体14によれば、反応ガスが到達しやすいシェル部9のみに白金黒8、8、…が含有されるので、触媒として機能する白金黒8、8、…の利用効率を容易に向上させることができる。さらに、シェル部9に白金黒8、8、…が含有される形態とすることで、複合粉体13によれば、シェル部9の厚さを薄くすることができる。このように、シェル部9の厚さを薄くすると、反応場を複合粉体13の表面に限定することができる。加えて、複合粉体14によれば、プロトンの伝導経路として機能するフッ素系のポリマー3が、シェル部9のみならずコア部11aにも含有されるので、コア部11aを、シェル部9で生じたプロトンの伝導経路として機能させることができる。したがって、複合粉体14によれば、反応場を表面に限定して白金黒8、8、…の利用効率を向上させ、さらに、プロトンの伝導効率を向上させることができる。
図6に示すように、第6実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体15(以下、「複合粉体15」という。)は、コア部12aと、当該コア部12aの表面に形成されたシェル部9とを備えている。複合粉体15において、コア部12aに含有されるPt4、4、…の質量をA1、コア部12aの質量をB、シェル部9に含有される白金黒8、8、…の質量をα、シェル部9の質量をβ、とするとき、A1/B<α/βとなるように、コア部12aに含有されるPt4、4、…の量、及び、シェル部9に含有される白金黒8、8、…の量が調整されている。そして、コア部12aと、シェル部9に含有される白金黒8、8、…とは、フッ素系のポリマー3を介して接合している。複合粉体15は、反応ガスの到達し難いコア部12aに含有されるPt4、4、…の質量比率(A1/B)が、反応ガスの到達しやすいシェル部9に含有される白金黒8、8、…の質量比率(α/β)よりも小さくなる形態とされているので、Pt4、4、…、及び、白金黒8、8、…の有効利用を図ることが可能になる。また、シェル部9に白金黒8、8、…及びフッ素系のポリマー3が含有されるので、当該シェル部9におけるフッ素系のポリマー3と白金黒8、8、…との界面に反応ガスが到達することで、多くの三相界面が形成される。加えて、シェル部9に白金黒8、8、…が含有される形態とすることで、複合粉体15によれば、シェル部9の厚さを薄くすることができる。このように、シェル部9の厚さを薄くすると、複合粉体15の表面で多くの反応を生じさせることができる。加えて、複合粉体15によれば、プロトンの伝導経路として機能するフッ素系のポリマー3が、シェル部9のみならずコア部12aにも含有されるので、コア部12aを、シェル部9で生じたプロトンの伝導経路として機能させることができる。したがって、複合粉体15によれば、Pt4、4、…、及び、白金黒8、8、…の利用効率を向上させ、さらに、プロトンの伝導効率を向上させることができる。
さらに、コア部に触媒金属としてのPtとプロトン伝導体としてのNafionが含有される場合、従来よりも触媒金属(Pt)の使用量を低減しつつ、従来と同等以上の電気化学反応を起こし得る燃料電池用複合粉体を提供する観点からは、0<A1/A2≦3/10とすることが好ましい。加えて、多くの反応ガスが到達するシェル部で三相界面が形成されやすい形態とすることにより、従来と同等以上の電気化学反応を生じさせる燃料電池用複合粉体を提供する観点からは、4/10≦A3/A4≦7/10とすることが望ましい。
さらに、コア部にプロトン伝導体が含有される形態とする場合、シェル部での良好な保水性を保ち、かつコア部のプロトン伝導特性を適度に確保するという観点からは、0.2<X1/X2≦1.0とすることが好ましい。加えて、シェル部での電気化学反応及びプロトン伝導という観点からは、0.6≦X3/X4≦3.0とすることが好ましい。例えば、炭素質担体及びプロトン伝導体を含有するコア部に、炭素質担体としてカーボンブラックが含有されるとともに、プロトン伝導体としてNafionが含有される場合には、0.2≦X1/X2≦1.0とすることが好ましい。より好ましくは、0.3≦X1/X2≦0.9である。一方、触媒金属担持担体及び電解質樹脂を含有するシェル部に、触媒金属担持担体としてPt/Cが含有されるとともに、電解質樹脂としてNafionが含有される場合には、0.6≦X3/X4≦3.0とすることが好ましい。より好ましくは、0.6≦X3/X4≦1.6である。
図8は、第1実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の製造方法(以下、「第1実施形態にかかる製造方法」という。)、及び、第2実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の製造方法(以下、「第2実施形態にかかる製造方法」という。)を簡略化して示すフローチャートである。図8では、第1実施形態にかかる製造方法に備えられる工程を意味するS11及びS12とともに、第2実施形態にかかる製造方法に備えられる工程を意味するS21及びS22を括弧書きで付記する。図9は、第3実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の製造方法(以下、「第3実施形態にかかる製造方法」という。)、及び、第4実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の製造方法(以下、「第4実施形態にかかる製造方法」という。)を簡略化して示すフローチャートである。図9では、第3実施形態にかかる製造方法に備えられる工程を意味するS31、S32、及び、S33とともに、第4実施形態にかかる製造方法に備えられる工程を意味するS41、S42、及び、S43を括弧書きで付記する。図10は、第5実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の製造方法(以下、「第5実施形態にかかる製造方法」という。)、及び、第6実施形態にかかる本発明の燃料電池用複合粉体の製造方法(以下、「第6実施形態にかかる製造方法」という。)を簡略化して示すフローチャートである。図10では、第5実施形態にかかる製造方法に備えられる工程を意味するS51、S52、S53、S54、及び、S55とともに、第6実施形態にかかる製造方法に備えられる工程を意味するS61、S62、S63、S64、及び、S65を括弧書きで付記する。
図8に示すように、第1実施形態にかかる製造方法は、混合工程(工程S11)と、造粒工程(工程S12)と、を備えている。以下、図1及び図8を参照しつつ、第1実施形態にかかる製造方法について具体的に説明する。
工程S11は、触媒金属担持担体と、電解質樹脂と、粒子状物質と、溶媒とを混合してスラリーを作製する工程である。工程S11で使用可能な触媒金属担持担体の具体例としては、Pt/C6、6、…のほか、PEFCで使用可能な各種触媒金属担持担体を挙げることができる。また、電解質樹脂の具体例としては、フッ素系のポリマー3のほか、炭化水素系のポリマーを挙げることができる。さらに、粒子状物質の具体例としては、撥水処理を施されたシリカ1、1、…のほか、炭素粒子等を挙げることができる。加えて、溶媒は、触媒金属担持担体と電解質樹脂と粒子状物質とを含有するスラリーを作製可能なものであれば特に限定されるものではなく、純水のほか、純水と炭素数が3以下のアルコールとの混合溶液等を例示することができる。
工程S12は、上記工程S11によって作製されたスラリーを、スプレードライヤーへ注入し、噴霧乾燥することにより、粒子状物質の表面に触媒金属担持担体と電解質樹脂とを配置させて、粉体(燃料電池用複合粉体)を造粒する工程である。工程S12において、スプレードライヤーを用いてスラリーを噴霧乾燥すると、粒子状物質を核として、その表面に触媒金属担持担体及び電解質樹脂が配置された、コア・シェル構造の粉体(燃料電池用複合粉体)を造粒することができる。そのため、スラリーに、例えば、撥水処理が施されたシリカ1、1、…と、フッ素系のポリマー3と、Pt/C6、6、…とが含有されていれば、コア部を構成するシリカ1、1、…の表面に、シェル部を構成するフッ素系のポリマー3とPt/C6、6、…とが配置された、コア・シェル構造の複合粉体10を造粒することができる。さらに、工程S12では、スプレードライヤーを用いて燃料電池用複合粉体を造粒するので、当該燃料電池用複合粉体の粒度分布の幅を、従来の方法よりも狭くすること(すなわち、造粒される燃料電池用複合粉体のサイズを均一化すること)ができ、スプレードライヤーの条件やスプレードライする材料の混合比率を変更することにより、さらに、様々な粒径の燃料電池用複合粉体を造粒することができる。例えば、噴霧圧力を上げることにより、造粒される燃料電池用複合粉体の粒径を小さくすることができ、スラリーに含有される粒子状物質の比率を下げる、又は、溶媒の種類や温度の変更によりスラリーの表面張力を下げることにより、造粒される燃料電池用複合粉体の粒径を大きくすることができる。
図8に示すように、第2実施形態にかかる製造方法は、混合工程(工程S21)と、造粒工程(工程S22)と、を備えている。以下、図4及び図8を参照しつつ、第2実施形態にかかる製造方法について具体的に説明する。
工程S21は、白金粒子と、電解質樹脂と、粒子状物質と、溶媒とを混合してスラリーを作製する工程である。工程S21で用いられる白金粒子は、白金黒8、8、…を用いることができる。工程S21で使用可能な電解質樹脂、粒子状物質、及び、溶媒の具体例としては、上記工程S11で使用可能な電解質樹脂、粒子状物質、及び、溶媒を挙げることができる。
工程S22は、上記工程S21によって作製されたスラリーを、スプレードライヤーへ注入し、噴霧乾燥することにより、粒子状物質の表面に白金粒子(白金黒)と電解質樹脂とを配置させて、粉体(燃料電池用複合粉体)を造粒する工程である。工程S22において、スプレードライヤーを用いてスラリーを噴霧乾燥すると、粒子状物質を核として、その表面に白金粒子(白金黒)及び電解質樹脂が配置された、コア・シェル構造の粉体(燃料電池用複合粉体)を造粒することができる。そのため、スラリーに、例えば、撥水処理が施されたシリカ1、1、…と、フッ素系のポリマー3と、白金黒8、8、…とが含有されていれば、コア部を構成するシリカ1、1、…の表面に、シェル部を構成するフッ素系のポリマー3と白金黒8、8、…とが配置された、コア・シェル構造の複合粉体13を造粒することができる。さらに、工程S22では、スプレードライヤーを用いて燃料電池用複合粉体を造粒するので、当該燃料電池用複合粉体の粒度分布の幅を、従来の方法よりも狭くすることができ、スプレードライヤーの条件やスプレードライする材料の混合比率を変更することにより、さらに、様々な粒径の燃料電池用複合粉体を造粒することができる。
図9に示すように、第3実施形態にかかる製造方法は、第1工程(工程S31)と、第2工程(工程S32)と、第3工程(工程S33)と、を備えている。以下、図1及び図9を参照しつつ、第3実施形態にかかる製造方法について具体的に説明する。
工程S31は、触媒金属担持担体を、粒子状物質の表面に配置させることにより、触媒粉体を作製する工程である。より具体的には、コア部を構成する粒子状物質の表面に、シェル部を構成する触媒金属担持担体を配置することにより、粒子状物質と触媒金属担持担体とを備える触媒粉体を作製する工程である。工程S31で使用可能な触媒金属担持担体及び粒子状物質の具体例としては、上記工程S11で使用可能な触媒金属担持担体及び粒子状物質を挙げることができる。
工程S32は、上記工程S31によって作製された触媒粉体と、電解質樹脂と、溶媒とを含有する混合溶液を作製する工程である。工程S32で使用可能な電解質樹脂及び溶媒の具体例としては、上記工程S11で使用可能な電解質樹脂及び溶媒等を挙げることができる。
工程S33は、上記工程S32によって作製された混合溶液から溶媒を揮発させて、少なくとも、触媒粉体を構成する触媒金属の表面に、電解質樹脂を配置させる工程である。より具体的には、シェル部を構成する触媒金属担持担体の、少なくとも触媒金属の表面に電解質樹脂を配置することにより、コア部を構成する粒子状物質の表面に触媒金属担持担体及び電解質樹脂を含有するシェル部が形成された、コア・シェル構造の燃料電池用複合粉体を造粒する工程である。それゆえ、上記工程S31において、粒子状物質として、撥水処理が施されたシリカ1、1、…が用いられるとともに、触媒金属担持担体としてPt/C6、6、…が用いられ、上記工程S32において、電解質樹脂としてフッ素系のポリマー3が用いられていれば、工程S33により、コア部を構成するシリカ1、1、…の表面に、シェル部を構成するフッ素系のポリマー3とPt/C6、6、…とが配置された、コア・シェル構造の複合粉体10を造粒することができる。
図9に示すように、第4実施形態にかかる製造方法は、第1工程(工程S41)と、第2工程(工程S42)と、第3工程(工程S43)と、を備えている。以下、図4及び図9を参照しつつ、第4実施形態にかかる製造方法について具体的に説明する。
工程S41は、白金粒子を、粒子状物質の表面に配置させることにより、触媒粉体を作製する工程である。より具体的には、コア部を構成する粒子状物質の表面に、シェル部を構成する白金粒子を配置することにより、粒子状物質と白金粒子とを備える触媒粉体を作製する工程である。工程S41で使用可能な白金粒子及び粒子状物質の具体例としては、上記工程S21で使用可能な白金粒子及び粒子状物質を挙げることができる。
工程S42は、上記工程S41によって作製された触媒粉体と、電解質樹脂と、溶媒とを含有する混合溶液を作製する工程である。工程S42で使用可能な電解質樹脂及び溶媒の具体例としては、上記工程S11で使用可能な電解質樹脂及び溶媒等を挙げることができる。
工程S43は、上記工程S42によって作製された混合溶液から溶媒を揮発させて、少なくとも、触媒粉体を構成する白金粒子の表面に、電解質樹脂を配置させる工程である。より具体的には、シェル部を構成する白金粒子の表面に電解質樹脂を配置することにより、コア部を構成する粒子状物質の表面に白金粒子及び電解質樹脂を含有するシェル部が形成された、コア・シェル構造の燃料電池用複合粉体を造粒する工程である。それゆえ、上記工程S41において、粒子状物質として、撥水処理が施されたシリカ1、1、…が用いられるとともに、白金粒子として白金黒8、8、…が用いられ、上記工程S42において、電解質樹脂としてフッ素系のポリマー3が用いられる場合には、工程S43により、コア部を構成するシリカ1、1、…の表面に、シェル部を構成するフッ素系のポリマー3と白金黒8、8、…とが配置された、コア・シェル構造の複合粉体13を造粒することができる。
図10に示すように、第5実施形態にかかる製造方法は、組成物作製工程(工程S51)と、粒子状物質作製工程(工程S52)と、第1混合工程(工程S53)と、第2混合工程(工程S54)と、造粒工程(工程S55)と、を備えている。以下、図2、図5、及び、図10を参照しつつ、第5実施形態にかかる製造方法について具体的に説明する。
工程S51は、炭素質担体と、プロトン伝導体と、分散溶媒とを混合して組成物を作製する工程である。工程S51で使用可能な炭素質担体の具体例としては、図2に示すC5、5、…を挙げることができる。C5、5、…は、PEFCで使用可能な担体カーボンであれば、その形態は特に限定されるものではない。C5、5、…の具体例としては、カーボンブラック(ケッチェンブラック)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、黒鉛化カーボン、繊維状カーボン(例えば、気相法炭素繊維等)等を挙げることができる。
また、工程S51で使用可能なプロトン伝導体の具体例としては、フッ素系のポリマー3や炭化水素系のポリマーのほか、フェノール樹脂等のバインダーを挙げることができる。
さらに、分散溶媒は、プロトン伝導体を溶解させ、溶解したプロトン伝導体と炭素質担体とを混合することにより組成物を作製可能なものであれば特に限定されるものではなく、純水のほか、純水と炭素数が3以下のアルコールとの混合溶液等を例示することができる。したがって、工程S51は、例えば、C5、5、…と、フッ素系のポリマー3と、純水とエタノールとの混合溶液とを混合して、組成物を作製する工程とすることができる。
工程S52は、上記工程S51で作製された組成物から分散溶媒を揮発させて造粒し、炭素質担体及びプロトン伝導体を含有する粒子状物質を作製する工程である。工程S52は、炭素質担体及びプロトン伝導体を含有する粒子状物質を作製可能であれば、その形態は特に限定されるものではない。工程S52で使用可能な方法の具体例としては、メカノケミカル反応による機械的エネルギーを炭素質担体へ与えることによりプロトン伝導体をコーティングするメカノケミカル法や、噴霧乾燥による湿式法等を挙げることができる。工程S52で噴霧乾燥による湿式法が用いられる場合について、以下に説明する。
工程S53は、触媒金属担持担体又は白金粒子と、電解質樹脂と、溶媒とを混合してシェル用スラリーを作製する工程である。工程S53で使用可能な触媒金属担持担体、電解質樹脂、及び、溶媒の具体例としては、上記工程S11で使用可能な触媒金属担持担体、電解質樹脂、及び、溶媒を挙げることができる。一方、工程S53で使用可能な白金粒子の具体例としては、上記工程S21で使用可能な白金粒子を挙げることができる。それゆえ、工程S53は、例えば、Pt/C6、6、…と、フッ素系のポリマー3と、純水とエタノールとの混合溶液とを混合して、シェル用スラリーを作製する工程とすることができるほか、白金黒8、8、…と、フッ素系のポリマー3と、純水とエタノールとの混合溶液とを混合してシェル用スラリーを作製する工程とすることも可能である。
工程S54は、上記工程S52によって作製された粒子状物質と、上記工程S53によって作製されたシェル用スラリーとを混合して混合組成物を作製する工程である。工程S54で使用される混合方法は、粒子状物質の構造を破壊せずに、粒子状物質とシェル用スラリーとを混合し得る方法であれば、その形態は特に限定されるものではない。工程S54で使用可能な混合方法の具体例としては、超音波分散機、ロータリーミックス等を挙げることができる。
工程S55は、上記工程S54によって作製された混合組成物から溶媒を揮発させて造粒し、粒子状物質の表面に触媒金属担持担体又は白金粒子と電解質樹脂とを配置させることにより、燃料電池用複合粉体を造粒する工程である。工程S55で、燃料電池用複合粉体を造粒する方法は、粒子状物質の表面に触媒金属担持担体又は白金粒子と電解質樹脂とを配置させ得るものであれば特に限定されるものではない。工程S55で使用可能な方法の具体例としては、メカノケミカル反応による機械的エネルギーを粒子状物質に与えることによりシェル用スラリーをコーティングするメカノケミカル法や、噴霧乾燥による湿式法等を挙げることができる。工程S55において、例えば、スプレードライヤーを用いて上記混合組成物を噴霧乾燥すると(湿式法)、混合組成物に含有される粒子状物質を核として、その表面に触媒金属担持担体又は白金粒子と電解質樹脂とが配置された、コア・シェル構造の粉体(燃料電池用複合粉体)を造粒することができる。そのため、混合組成物に、例えば、C5、5、…及びフッ素系のポリマー3を含有するコア部11aと、フッ素系のポリマー3及びPt/C6、6、…を含有するシェル用スラリーと、が含有されていれば、コア部11aの表面にシェル部2が形成された、コア・シェル構造の複合粉体11を造粒することができる。これに対し、混合組成物に、上記コア部11a、並びに、フッ素系のポリマー3及び白金黒8、8、…を含有するシェル用スラリーが含有されていれば、コア部11aの表面にシェル部9が形成された、コア・シェル構造の複合粉体14を造粒することができる。
図10に示すように、第6実施形態にかかる製造方法は、組成物作製工程(工程S61)と、粒子状物質作製工程(工程S62)と、第1混合工程(工程S63)と、第2混合工程(工程S64)と、造粒工程(工程S65)と、を備えている。以下、図3、図6、及び、図10を参照しつつ、第6実施形態にかかる製造方法について具体的に説明する。
工程S61は、触媒金属が炭素質担体に担持された触媒金属担持炭素質担体又は白金粒子と、プロトン伝導体と、分散溶媒とを混合して組成物を作製する工程である。工程S61で使用可能な触媒金属の具体例としては、Ptのほか、Co、Ru、Ir、Au、Ag、Cu、Ni、Fe、Cr、Mn、V、Ti、Mo、Pd、Rh、Wからなる群より選択される1以上の金属とPtとを有するPt合金等を挙げることができ、工程S61では、上記工程S51で使用可能な炭素質担体と同様の炭素質担体を用いることができる。そして、工程S61で使用可能な触媒金属担持炭素質担体の具体例としては、Pt/C7、7、…等を挙げることができる。さらに、工程S61では、上記工程S21で用いられる白金粒子と同様の白金粒子(白金黒)を用いることができるほか、上記工程S51で使用されるプロトン伝導体及び分散溶媒と同様の、プロトン伝導体及び分散溶媒を用いることができる。したがって、工程S61は、例えば、Pt/C7、7、…と、フッ素系のポリマー3と、純水とエタノールとの混合溶液を混合して、組成物を作製する工程とすることができる。
工程S62は、上記工程S61で作製された組成物から分散溶媒を揮発させて造粒し、触媒金属担持炭素質担体とプロトン伝導体とを含有する粒子状物質を作製する工程である。工程S62は、触媒金属担持炭素質担体とプロトン伝導体とを含有する粒子状物質を作製可能であれば、その形態は特に限定されるものではない。工程S62で使用可能な方法の具体例としては、メカノケミカル反応による機械的エネルギーを触媒金属担持炭素質担体へ与えることによりプロトン伝導体をコーティングするメカノケミカル法や、噴霧乾燥による湿式法等を挙げることができる。工程S62で噴霧乾燥による湿式法が用いられる場合について、以下に説明する。
工程S63は、触媒金属担持担体又は白金粒子と、電解質樹脂と、溶媒とを混合してシェル用スラリーを作製する工程である。工程S63は上記工程S53と同様の工程であるため、工程S63の詳細に関する記載は省略する。
工程S64は、上記工程S62によって作製された粒子状物質と、上記工程S63によって作製されたシェル用スラリーとを混合して混合組成物を作製する工程である。工程S64では、上記工程S54で使用される混合方法と同様の混合方法を用いることができる。
工程S65は、上記工程S64によって作製された混合組成物から溶媒を揮発させて造粒し、粒子状物質の表面に触媒金属担持担体又は白金粒子と電解質樹脂とを配置させることにより、燃料電池用複合粉体を造粒する工程である。工程S55で、燃料電池用複合粉体を造粒する方法の具体例としては、上記工程S55で使用可能な方法を挙げることができる。工程S65において、例えば、スプレードライヤーを用いて上記混合組成物を噴霧乾燥すると、混合組成物に含有される粒子状物質を核として、その表面に触媒金属担持担体又は白金粒子と電解質樹脂とが配置された、コア・シェル構造の粉体(燃料電池用複合粉体)を造粒することができる。そのため、混合組成物に、例えば、Pt/C7、7、…及びフッ素系のポリマー3を含有するコア部12aと、フッ素系のポリマー3及びPt/C6、6、…を含有するシェル用スラリーと、が含有されていれば、コア部12aの表面にシェル部2が形成された、コア・シェル構造の複合粉体12を造粒することができる。一方、混合組成物に、上記コア部12a、並びに、フッ素系のポリマー3及び白金黒8、8、…を含有するシェル用スラリーが含有されていれば、コア部12aの表面にシェル部9が形成された、コア・シェル構造の複合粉体15を造粒することができる。
さらに、コア部にプロトン伝導体が含有される形態とする場合、シェル部での良好な保水性を保ち、かつコア部のプロトン伝導特性を適度に確保するという観点から、組成物作製工程で作製する組成物に含有されるプロトン伝導体と炭素質担体との比率(X1/X2)は、0.2<X1/X2≦1.0とすることが好ましい。加えて、シェル部での電気化学反応及びプロトン伝導という観点から、第1混合工程で作製するシェル用スラリーに含有される電解質樹脂の質量と導電性担体の質量との比率(X3/X4)は、0.6≦X3/X4≦3.0とすることが好ましい。例えば、炭素質担体及びプロトン伝導体を含有するコア部に、炭素質担体としてカーボンブラックが含有されるとともに、プロトン伝導体としてNafionが含有される場合には、0.2≦X1/X2≦1.0とすることが好ましい。より好ましくは、0.3≦X1/X2≦0.9である。一方、触媒金属担持担体及び電解質樹脂を含有するシェル部に、触媒金属担持担体としてPt/Cが含有されるとともに、電解質樹脂としてNafionが含有される場合には、0.6≦X3/X4≦3.0とすることが好ましい。より好ましくは、0.6≦X3/X4≦1.6である。
図11は、本発明の燃料電池用電極を備えるMEAの形態例を示す概略図であり、断面を拡大して示している。図11において、図1と同様の構成を採るものには、図1にて使用した符号と同符号を付し、その説明を適宜省略する。以下、図1及び図11を参照しつつ、本発明の燃料電池用電極について具体的に説明する。
図12は、本発明の膜電極構造体の製造方法を簡略化して示すフローチャートである。以下、図1、図11、及び図12を参照しつつ、本発明の膜電極構造体の製造方法について具体的に説明する。
工程S71は、上記第1実施形態にかかる製造方法〜上記第6実施形態にかかる製造方法の何れかの方法によって、本発明にかかる複合粉体を作製する工程である。すなわち、工程S71によって、コア・シェル構造の本発明にかかる複合粉体が作製される。したがって、工程S71が、上記工程S11及び工程S12によって複合粉体10を作製する工程である場合には、当該工程S71により、粒子状物質によって構成されるコア部1と、当該コア部1の表面に形成された、フッ素系のポリマー3及びPt/C6、6、…を含有するシェル部2と、を備える、コア・シェル構造の複合粉体10が作製される。
工程S72は、工程S71によって作製された本発明にかかる複合粉体を、電解質膜51の片面又は両面に乾式で塗布する工程である。このほか、本発明のMEAの製造方法によって製造されたMEAを備える単セルに、拡散層が備えられる場合には、当該拡散層に、上記工程S71によって作製された本発明にかかる複合粉体を塗布することができる。したがって、上記工程S71によって複合粉体10を作製した場合、工程S72は、複合粉体10、10、…を、電解質膜51の片面又は両面に乾式で塗布する工程とすることができるほか、拡散層に複合粉体10、10、…を塗布する工程とすることもできる。
工程S73は、工程S72によって塗布された本発明にかかる複合粉体(例えば、複合粉体10、10、…等。以下同じ。)と電解質膜51とを加熱圧着(ホットプレス)して、本発明にかかる複合粉体を定着させることにより、電解質膜51の表面に電極層52、53(アノード触媒層52、カソード触媒層53)を形成する工程である。工程S73において、ホットプレスを行う温度、圧力、及び時間は、本発明にかかる複合粉体を電解質膜51の表面へ定着させることができれば特に限定されるものではない。ただし、温度や圧力が高すぎたり、時間が長すぎたりすると、電解質膜51の構造が過度に変化して電解質膜51のプロトン伝導性能が低下するおそれがある。そのため、温度は100〜150[℃]、圧力は1〜10[MPa]、時間は1〜300[s]程度とすることが好ましい。上記工程S72において、静電スクリーン方式により本発明にかかる複合粉体が電解質膜51へ塗布されている場合、工程S73は、例えば、10[m/min]の圧延速度で回転するロールによって、130[℃]の温度環境下で2.94[MPa]の圧力を付与する工程とすることができる。
1.1.燃料電池用複合粉体の作製
7.2[g]の50%Pt/Cと、3.6[g]の電解質樹脂溶液と、撥水処理が施された2.8[g]のシリカ(D50=4[μm])と、58[g]の純水と、58[g]のエタノールとを混合し、攪拌しながら超音波ホモジナイザで20分間に亘って分散することにより、スラリーを作製した。そして、このスラリーを、スプレードライヤーへ注入して噴霧乾燥させることにより、実施例1にかかる燃料電池用複合粉体(D50≒5[μm])を造粒した。
一方、7.2[g]の50%Pt/Cと、3.6[g]の電解質樹脂溶液と、44.6[g]の純水と、44.6[g]のエタノールとを混合して作製したスラリーをスプレードライヤーへ注入して噴霧乾燥させることにより、比較例1にかかる燃料電池用複合粉体を造粒した。
粒径分布測定装置、例えば「エアロトラックSPR(日機装株式会社製)を用いて、実施例1にかかる燃料電池用複合粉体、及び、比較例1にかかる燃料電池用複合粉体の粒径分布を調べた。実施例1にかかる燃料電池用複合粉体を作製する際に用いた、撥水処理が施されたシリカと、実施例1にかかる燃料電池用複合粉体と、比較例1にかかる燃料電池用複合粉体の粒径分布の結果を、図13及び表1に併せて示す。図13の縦軸は体積頻度[%]、同横軸は粒径[μm]である。
図13及び表1より、コア部を構成する粒子状物質としてのシリカを用いて作製した、実施例1にかかる燃料電池用複合粉体は、均一度(「D60/D10」の値。この値が小さいほど、均一と評価できる。以下同じ。)が1.97であったのに対し、シリカを用いなかった比較例1にかかる燃料電池用複合粉体は、均一度が3.48であった。すなわち、図13及び表1より、撥水処理を施したシリカを用いてスプレードライヤーで燃料電池用複合粉体を作製することにより、粒径が均一な燃料電池用複合粉体を作製可能であることが確認された。
2.1.燃料電池用複合粉体の作製
7.2[g]の50%Pt/Cと、3.6[g]の電解質樹脂溶液と、撥水処理が施された2.8[g]のシリカ(D50=4[μm])と、58gの純水と、58[g]のエタノールとを混合し、攪拌しながら超音波ホモジナイザで20分間に亘って分散することにより、スラリーを作製した。そして、このスラリーを、スプレードライヤーへ注入して噴霧乾燥させることにより、実施例2にかかる燃料電池用複合粉体(D50≒5[μm])を造粒した。なお、実施例2にかかる燃料電池用複合粉体の原料として使用したシリカの体積密度は、0.14[g/ml]であった。
一方、7.2[g]の50%Pt/Cと、3.6[g]の電解質樹脂溶液と、44.6[g]の純水と、44.6[g]のエタノールとを混合して作製したスラリーを、スプレードライヤーへ注入して噴霧乾燥させることにより、比較例2にかかる燃料電池用複合粉体を造粒した。
燃料電池用電極に含有される白金が0.50[mg/cm2]となるように、静電スクリーン方式により、実施例2にかかる燃料電池用複合粉体を電解質膜(Nafion117。以下同じ。)の一方の面へ塗布した後、ロールプレス機を用いて、温度;130[℃]、プレス圧力;2.94[MPa]、ロールの圧延速度;10[m/min]の条件で加熱圧着することにより、電解質膜の一方の面へ燃料電池用電極を形成した。その後、同様の条件で、上記電解質膜の他方の面へ、燃料電池用電極を形成することにより、実施例2にかかるMEAを作製した。その後、実施例2にかかるMEAの両側へカーボンペーパーからなる拡散層をそれぞれ配設して積層体を作製し、当該積層体の両側へカーボンセパレータをそれぞれ配設することにより、実施例2にかかる単セルを作製した。
一方、比較例2にかかる燃料電池用複合粉体を用いたほかは上記実施例2にかかるMEAの作製条件と同じ条件により、比較例2にかかるMEAを作製した。その後、比較例2にかかるMEAの両側へカーボンペーパーからなる拡散層をそれぞれ配設して積層体を作製し、当該積層体の両側へカーボンセパレータをそれぞれ配設することにより、比較例2にかかる単セルを作製した。
実施例2にかかる単セル、及び、比較例2にかかる単セルを、それぞれ80[℃]に維持し、80[℃]、相対湿度100%の水素含有ガスを圧力0.1[MPa]でアノード側へ供給するとともに、80[℃]、相対湿度100%の酸素含有ガスを圧力0.1[MPa]でカソード側へ供給することにより、それぞれの単セルを作動させ、発電性能を評価した。結果を図14に併せて示す。図14の左側の縦軸はセル電圧[V]、右側の縦軸はセル抵抗[arb.unit]、横軸は電流密度[A/cm2]である。
図14に示すように、実施例2にかかる単セルは、全ての電流密度領域において、比較例2にかかる単セルよりも良好な発電性能を示した。また、電流密度が1.1[A/cm2]以上の領域で、実施例2にかかる単セルは比較例2にかかる単セルよりも抵抗が低かった。実施例2にかかる単セルが比較例2にかかる単セルよりも良好な発電性能を示したのは、実施例2にかかる単セルの方が、白金(触媒金属)の利用効率が高かったためであると考えられる。さらに、高電流密度領域において、実施例2にかかる単セルが比較例2にかかる単セルよりも良好な発電性能を示し、セル抵抗が低かったのは、コア・シェル構造の燃料電池用複合粉体が備えられる形態とすることで、フラッディングの発生が抑制されたためであると考えられる。すなわち、図14より、上記工程S11及び工程S12を経て作製された燃料電池用複合粉体によれば、触媒金属の利用効率を向上させ得ることが確認された。また、当該燃料電池用複合粉体が備えられる形態とすることで、触媒金属の利用効率を向上させつつフラッディングの発生を抑制させ得るMEAを作製することができ、当該MEAが備えられる形態の燃料電池とすることで、発電性能を向上させることが可能であった。
3.1.燃料電池用複合粉体の作製
1gの50%Pt/Cと、0.05[g]の電解質樹脂溶液と、撥水処理が施された0.3[g]のシリカ(D50=4[μm])と、9[g]の純水と、7[g]のエタノールとを混合し、攪拌しながら超音波ホモジナイザで20分間に亘って分散することにより、スラリーを作製した。そして、このスラリーを、スプレードライヤーへ注入して噴霧乾燥させることにより、実施例3にかかる触媒粉体を作製した。次いで、1.4[g]の実施例3にかかる触媒粉体と、0.1[g]の電解質樹脂溶液と、12[g]の純水と、4[g]のエタノールとを混合し、攪拌しながら超音波ホモジナイザで15分間に亘って分散することにより、混合溶液を作製した。そして、この混合溶液を、スプレードライヤーへ注入して噴霧乾燥させることにより、実施例3にかかる燃料電池用複合粉体(D50=8.4[μm])を造粒した。
一方、1gの50%Pt/Cと、0.15[g]の電解質樹脂溶液と、撥水処理が施された0.3[g]のシリカ(D50=4[μm])と、9[g]の純水と、7[g]のエタノールとを混合し、攪拌しながら超音波ホモジナイザで20分間に亘って分散することにより、スラリーを作製した。そして、このスラリーを、スプレードライヤーへ注入して噴霧乾燥させることにより、実施例4にかかる燃料電池用複合粉体(D50=8.2[μm])を造粒した。
他方、1gの50%Pt/Cと、0.15[g]の電解質樹脂溶液と、9[g]の純水と、7[g]のエタノールとを混合し、攪拌しながら超音波ホモジナイザで20分間に亘って分散することにより作製したスラリーを、スプレードライヤーへ注入して噴霧乾燥させることにより、比較例3にかかる燃料電池用複合粉体(D50=7.5[μm])を造粒した。
カソード触媒層(燃料電池用電極)に含有される白金が0.30[mg/cm2]、電解質比率が1.0となるように、静電スクリーン方式により、実施例3にかかる燃料電池用複合粉体を電解質膜の一方の面へ塗布した後、ロールプレス機を用いて、温度;130[℃]、プレス圧力;2.94[MPa]、ロールの圧延速度;5[m/min]の条件で加熱圧着することにより、電解質膜の一方の面にカソード触媒層を形成した。次いで、アノード触媒層(燃料電池用電極)に含有される白金が0.15[mg/cm2]、電解質比率が1.0となるように、静電スクリーン方式により、実施例3にかかる燃料電池用複合粉体を電解質膜の他方の面へ塗布した後、カソード触媒層形成時と同じ条件で加熱圧着することにより、電解質膜の他方の面にアノード触媒層を形成し、実施例3にかかるMEAを作製した。その後、実施例3にかかるMEAの両側へカーボンペーパーからなる拡散層をそれぞれ配設して積層体を作製し、当該積層体の両側へカーボンセパレータをそれぞれ配設することにより、実施例3にかかる単セルを作製した。
一方、実施例3にかかる燃料電池用複合粉体に代えて実施例4にかかる燃料電池用複合粉体を使用したほかは、上記実施例3にかかる単セルと同様の条件で、実施例4にかかる単セルを作製した。さらに、実施例3にかかる燃料電池用複合粉体に代えて比較例3にかかる燃料電池用複合粉体を使用したほかは、上記実施例3にかかる単セルと同様の条件で、比較例3にかかる単セルを作製した。
実施例3にかかる単セル、実施例4にかかる単セル、及び、比較例3にかかる単セルを、それぞれ80[℃]に維持し、80[℃]、相対湿度100%の水素含有ガスを圧力0.1[MPa]でアノード側へ供給するとともに、80[℃]、相対湿度100%の酸素含有ガスを圧力0.1[MPa]でカソード側へ供給することにより、それぞれの単セルを作動させ、発電性能を評価した。結果を図15に併せて示す。図15の縦軸はセル電圧[V]、横軸は電流密度[A/cm2]である。
図15に示すように、実施例4にかかる単セルは、全ての電流密度領域において、比較例3にかかる単セルよりも良好な発電性能を示し、実施例3にかかる単セルは、全ての電流密度領域において、実施例4にかかる単セルよりも良好な発電性能を示した。実施例3にかかる単セル、実施例4にかかる単セル、及び、比較例3にかかる単セルに含有される白金の量は同一であったにもかかわらず、このような結果となったのは、本発明の燃料電池用複合粉体及び本発明の燃料電池用電極を備える単セル(実施例3・実施例4)の方が、比較例3にかかる単セルよりも、触媒金属の利用効率が高かったためであると考えられる。さらに、高電流密度領域においても、実施例3及び実施例4にかかる単セルの方が、比較例3にかかる単セルよりも良好な発電性能を示したのは、上記複合粉体10に相当するコア・シェル構造の燃料電池用複合粉体が備えられる形態とすることで、フラッディングの発生が抑制されたためであると考えられる。すなわち、図15から、本発明の燃料電池用複合粉体によって、触媒金属の利用効率を向上させ得ることが確認された。また、当該燃料電池用複合粉体が備えられる形態とすることで、触媒金属の利用効率を向上させつつフラッディングの発生を抑制させ得るMEAを作製することができ、当該MEAが備えられる形態の燃料電池とすることで、発電性能を向上させることが可能であった。
4.1.燃料電池用複合粉体の作製
炭素質担体としてのカーボンブラック(以下、「カーボン」ということがある。)と、プロトン伝導体としてのフッ素系の電解質樹脂(以下、「電解質」ということがある。)と、分散溶媒としての純水とエタノールとの混合溶液と、を混合し、攪拌しながら超音波ホモジナイザで20分間に亘って分散することにより、組成物を作製した(組成物作製工程)。その後、作製した組成物を、スプレードライヤーへ注入して噴霧乾燥させることにより、実施例5にかかる粒子状物質(D50≒2.5[μm])を造粒した(粒子状物質作製工程)。組成物に含有される、カーボン、電解質、純水、及び、エタノールの質量(作製した組成物の質量を100としたときの相対値)を、表2に併せて示す。
カソード触媒層(燃料電池用電極)に含有される白金が0.50[mg/cm2]、電解質比率が1.0となるように、静電スクリーン方式により、実施例5にかかる燃料電池用複合粉体を電解質膜の一方の面へ塗布した後、ロールプレス機を用いて、温度;130[℃]、プレス圧力:2.94[MPa]、ロールの圧延速度;10[m/min]の条件で加熱圧着することにより、電解質膜の一方の面にカソード触媒層を形成した。次いで、アノード触媒層(燃料電池用電極)に含有される白金が0.50[mg/cm2]、電解質比率が1.0となるように、静電スクリーン方式により、実施例5にかかる燃料電池用複合粉体を電解質膜の他方の面へ塗布した後、カソード触媒層形成時と同じ条件で加熱圧着することにより、電解質膜の他方の面にアノード触媒層を形成し、実施例5にかかるMEAを作製した。その後、実施例5にかかるMEAの両側へカーボンペーパーからなる拡散層をそれぞれ配設して積層体を作製し、当該積層体の両側へカーボンセパレータをそれぞれ配設することにより、実施例5にかかる単セルを作製した。
一方、実施例5にかかる燃料電池用複合粉体に代えて比較例4にかかる粒子を使用したほかは、上記実施例5にかかる単セルと同様の条件で、比較例4にかかる単セルを作製した。
実施例5にかかる単セル、及び、比較例4にかかる単セルを、それぞれ80[℃]に維持し、80[℃]、相対湿度100%の水素含有ガスを圧力0.1[MPa]でアノード側へ供給するとともに、80[℃]、相対湿度100%の酸素含有ガスを圧力0.1[MPa]でカソード側へ供給することにより、それぞれの単セルを作動させ、発電性能を評価した。結果を図16に併せて示す。図16の縦軸はセル電圧[V]、横軸は電流密度[A/cm2]である。
図16に示すように、実施例5にかかる単セルは、全ての電流密度領域において、比較例4にかかる単セルよりも良好な発電性能を示した。実施例5にかかる単セル及び比較例4にかかる単セルに含有される白金の量は同一であったにもかかわらず、このような結果となったのは、本発明の燃料電池用複合粉体及び本発明の燃料電池用電極を備える単セル(実施例5)の方が、比較例4にかかる単セルよりも、触媒金属の利用効率が高かったためであると考えられる。さらに、高電流密度領域においても、実施例5にかかる単セルの方が、比較例4にかかる単セルよりも良好な発電性能を示したのは、コア・シェル構造の燃料電池用複合粉体(複合粉体11)が備えられる形態とすることで、フラッディングの発生が抑制されたためであると考えられる。すなわち、図16から、複合粉体11によって触媒金属の利用効率を向上させ得ることが確認された。また、当該複合粉体11が備えられる形態とすることで、触媒金属の利用効率を向上させつつフラッディングの発生を抑制させ得るMEAを作製することができ、当該MEAが備えられる形態の燃料電池とすることで、発電性能を向上させることが可能であった。
2…シェル部
3…フッ素系のポリマー(電解質樹脂)
4…Pt(触媒金属)
5…C(導電性担体、炭素質担体)
6…Pt/C(触媒金属担持担体)
7…Pt/C(触媒金属担持担体)
8…白金黒(白金粒子)
9…シェル部
10…燃料電池用複合粉体
11…燃料電池用複合粉体
11a…コア部
12…燃料電池用複合粉体
12a…コア部
13…燃料電池用複合粉体
14…燃料電池用複合粉体
15…燃料電池用複合粉体
16…燃料電池用複合粉体
16a…コア部
50…MEA(膜電極構造体)
51…電解質膜
52…アノード触媒層(燃料電池用電極)
53…カソード触媒層(燃料電池用電極)
90…燃料電池用複合粉体
Claims (7)
- 少なくとも炭素質担体及びプロトン伝導体と、該プロトン伝導体を溶解させる分散溶媒とを混合して組成物を作製する、組成物作製工程と、
前記組成物作製工程によって作製された前記組成物から、前記分散溶媒を揮発させて造粒し、少なくとも前記炭素質担体及び前記プロトン伝導体を含有する粒子状物質を作製する、粒子状物質作製工程と、
触媒金属が導電性担体に担持された触媒金属担持担体又は白金粒子と、電解質樹脂と、溶媒とを混合してシェル用スラリーを作製する、第1混合工程と、
前記粒子状物質作製工程によって作製された前記粒子状物質と、前記第1混合工程によって作製された前記シェル用スラリーとを混合して混合組成物を作製する、第2混合工程と、
前記第2混合工程によって作製された前記混合組成物から前記溶媒を揮発させて造粒し、前記粒子状物質の表面に前記触媒金属担持担体又は前記白金粒子と前記電解質樹脂とを配置させる、造粒工程と、
を備えることを特徴とする、燃料電池用複合粉体の製造方法。 - 前記組成物作製工程が、触媒金属が前記炭素質担体に担持された触媒金属担持炭素質担体と、前記プロトン伝導体と、前記分散溶媒とを混合して組成物を作製する工程であり、かつ、前記触媒金属担持炭素質担体及び前記プロトン伝導体を含有する粒子状物質が、前記粒子状物質作製工程によって作製されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用複合粉体の製造方法。
- 前記第1混合工程によって作製される前記シェル用スラリーに、前記触媒金属が前記導電性担体に担持された前記触媒金属担持担体が含有され、
前記組成物作製工程によって作製した前記組成物に含有される前記触媒金属の質量をA1、該組成物に含有される前記炭素質担体の質量をA2、前記第1混合工程によって作製した前記シェル用スラリーに含有される前記触媒金属の質量をA3、該シェル用スラリーに含有される前記導電性担体の質量をA4、とするとき、A1/A2<A3/A4であることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池用複合粉体の製造方法。 - 前記粒子状物質作製工程によって作製した前記粒子状物質に含有される前記プロトン伝導体の質量をX1、該粒子状物質に含有される前記炭素質担体の質量をX2、前記造粒工程によって前記粒子状物質の表面に配置した前記電解質樹脂の質量をX3、前記造粒工程によって前記粒子状物質の表面に配置した前記触媒金属担持担体を構成する前記導電性担体の質量をX4、とするとき、X1/X2<X3/X4であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池用複合粉体の製造方法。
- 粒子状物質と該粒子状物質の表面に形成されるシェル部とを備え、
前記シェル部に、電解質樹脂と、触媒金属が導電性担体に担持された触媒金属担持担体とが含有され、
前記粒子状物質に、少なくとも炭素質担体及びプロトン伝導体が含有され、
さらに、触媒金属が前記粒子状物質に含有され、前記粒子状物質に含有される前記触媒金属が前記炭素質担体に担持され、
前記粒子状物質に含有される前記触媒金属の質量をA1、前記粒子状物質に含有される前記炭素質担体の質量をA2、前記シェル部に含有される前記触媒金属の質量をA3、前記シェル部に含有される前記導電性担体の質量をA4、とするとき、A1/A2<A3/A4であることを特徴とする、燃料電池用複合粉体。 - 前記粒子状物質の少なくとも表面が、撥水性を有することを特徴とする、請求項5に記載の燃料電池用複合粉体。
- 前記粒子状物質が、セラミックであることを特徴とする、請求項5又は6に記載の燃料電池用複合粉体。
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