JP3497652B2 - 触媒の製造方法 - Google Patents

触媒の製造方法

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JP3497652B2 JP05522396A JP5522396A JP3497652B2 JP 3497652 B2 JP3497652 B2 JP 3497652B2 JP 05522396 A JP05522396 A JP 05522396A JP 5522396 A JP5522396 A JP 5522396A JP 3497652 B2 JP3497652 B2 JP 3497652B2
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俊郎 平岡
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  • Inert Electrodes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、触媒の製造方法に
係り、触媒活性が高く、長期間に渡り安定した触媒活性
を維持可能な触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、クリーンで効率の高い発電
装置として開発されてきたが、未だに一般的に用いられ
るには至っていない。これは、燃料電池が長期間にわた
って安定した性能を維持できない点に起因している。し
たがって、今後、更なる燃料電池の普及を図るために
は、長期間に渡って安定した性能が維持可能な燃料電池
を提供することが必要不可欠である。
【0003】燃料電池が長期にわたり安定した性能を発
揮しえない最も大きな原因は、燃料電池の電極の性能が
経時的に低下するからである。現在、最も実用化が進ん
でいる燐酸型燃料電池は100〜200℃程度で作動す
るが、このような温度領域においても、電極に使用して
いる白金を主成分とする触媒活性成分が凝集してしまう
ため、燃料電池から長期間にわたって安定な出力電位を
得ることは困難であるという問題があった。
【0004】通常、燃料電池の電極に用いる触媒は、予
め焼成したカーボンブラックを塩化白金酸などの水溶液
に加えて縣濁させた後、蒸発乾固・水洗を行い、カーボ
ンブラックの表面に白金などの金属微粒子を析出させて
製作されている。こうして製作された触媒では、白金な
どの金属は微粒子になっているものの、担体であるカー
ボンブラックの表面に単に析出しているだけであるの
で、熱などの影響によりカーボンブラックの表面を移動
し易く、長期の運転により各微粒子が凝集し、粒子が成
長してしまう。そのため、燃料電池を長期間運転するに
したがって電極での触媒活性が低下し、その結果電位が
下がり、燃料電池は初期の性能を維持することが困難と
なる。
【0005】そして、この問題を解決するために、白金
へのニッケルやコバルトなどの添加や、これらを合金と
する改良がなされているが、いずれにしても白金等の金
属を主成分とする触媒活性成分が担体であるカーボンブ
ラックの表面に析出していることに変わりはなく、本質
的な解決には至っていない。
【0006】一方、例えば、メタノールの改質により水
素を製造する改質過程を極板上で行う系では、メタノー
ルの改質に有効な触媒は、反応温度が200〜300℃
程度まではCu−Ζn(−Al)系、200〜300℃
を越えるとΖn−Cr系であり、どちらにしても2種類
以上の金属を含む触媒系で触媒活性が高い。また、この
系以外にも、単一の金属のみで十分な触媒活性を発揮す
る触媒反応系においても、この金属に他の元素を助触媒
として加えると、触媒活性が向上することが多い。一般
に、これらの触媒系では、2種類以上の金属が担体上で
互いに近接した位置にある(あるいは合金化している)
場合に触媒活性が向上する。
【0007】しかしながら、異なる原料物質を用いて、
触媒活性を有する各種金属を担体に加えて触媒とした場
合には、2種類以上の金属の間で接触が十分に起こらな
いため、所定の触媒活性が得られず、しかも経時的に触
媒活性が低下するという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するためになされたもので、長期間に渡り安定し
た触媒活性が維持され、また触媒活性の向上が達成され
た触媒の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明に係る
触媒の製造方法は、高分子ポリマー中に触媒活性を有す
る金属成分を分散させる工程と、前記金属成分が分散し
た高分子ポリマーを熱処理する工程とを順に行うことを
特徴としている。
【0010】本発明は、従来の触媒活性成分である金属
微粒子が、カーボンブラック等の担体表面に析出してい
るだけであることから、カーボンブラック等の担体表面
を移動し易いという従来触媒の問題点を解決するために
なされたものである。本願発明の如く、高分子ポリマー
中に触媒活性を有する金属成分を分散させた後、焼成す
ることによって、金属微粒子を高分子ポリマーが熱処理
されて得られる担体中に分散、保持させるものである。
【0011】本願の第1の発明による触媒の製造方法に
より得られた触媒は、触媒活性を有する金属微粒子と高
分子ポリマーが熱処理により熱分解して生成した多孔質
担体との相互作用が大きく、金属微粒子の移動や凝集が
起こり難いために、金属微粒子は初期の粒径を維持し易
い。したがって、長期間にわたり高活性な触媒を得るこ
とができる。
【0012】図1に、本願の第1の発明による触媒の製
造方法により得られた触媒、図2に従来の触媒の製造方
法により得られた触媒の概念図を示す。図1および図2
において、1は高分子ポリマーを熱処理することで得ら
れる担体を、2は金属微粒子を示している。
【0013】本願第2の発明に係る触媒の製造方法は、
高分子ポリマー中に触媒活性を有する少なくとも2種類
の金属成分を含む錯塩または複塩を分散させる工程と、
前記錯塩または複塩が分散した高分子ポリマーを熱処理
する工程とを順に行うことを特徴としている。
【0014】本願第2の発明においては、触媒活性を有
する少なくとも2種類の金属成分あるいは触媒活性を有
する金属成分と助触媒として作用する金属成分の両方を
分子中に含む錯塩または複塩が高分子ポリマー中に分散
され、少なくとも2種類の金属が錯塩または複塩中で近
接した位置に存在したまま熱処理される。したがって、
生成(析出)した金属微粒子は、少なくとも2種類の金
属が近接して高分子ポリマーが熱処理されて得られる担
体上に位置する形態を示す。そして、原料として用いる
錯塩または複塩1分子に含まれる少なくとも2種類の金
属の原子数の比が、生成した金属微粒子中の各々の金属
元素の存在比となり、熱処理前に錯塩または複塩がいく
つか凝集していた場合には、熱処理後に少なくとも2種
類の金属元素を均質に含む金属微粒子となる。
【0015】本願の第2の発明は、例えば、ΑBXx
で表される複塩や、Αa [Bbxp 、[Ccyq
[Ddzr 、(A,B,CおよびDは金属元素、
XおよびZは負の電荷を帯びた原子団、Yは電気的に中
性あるいは負の電荷を帯びた原子団を表す)等で表され
る錯塩を用いることができ、例えば、Κ2 [PtCl
4 ]、Cu2 [Ζn(OΗ)6 ]等が挙げられる。
【0016】本願の第2の発明によれば、本願の第1の
発明の作用効果に加えて、2種類以上の金属が近接して
位置するため、触媒活性の高い触媒が得られる。
【0017】本願の第3の発明の触媒の製造方法は、少
なくとも1種類の官能基が導入された高分子ポリマー中
に前記官能基と特異的に反応する官能基と触媒活性を有
する金属成分とを含む化合物を分散させる工程と、前記
高分子ポリマーと前記化合物とを反応させる工程と、前
記化合物と反応した高分子ポリマーを熱処理する工程と
を順に行うことを特徴としている。
【0018】本願の第3の発明によれば、本願の第1の
発明の作用効果に加えて、金属粒子をより高分散化させ
ることができ、触媒活性の高い触媒が得られる。
【0019】高分子ポリマー中に導入される官能基は、
高分子ポリマーの主鎖や側鎖の一部として導入してもよ
いし、別の添加物質として導入してもよい。
【0020】特異的に反応する官能基の組み合わせは、
例えば、−NH2 と−COOH(ペプチド結合)、−O
Hと−COOH(エステル結合)、−Clと芳香族(フ
リーデル・クラフツ反応)、酸と陽イオン(イオン交
換)、塩基と陰イオン(イオン交換)等が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。異なる金属を含
む化合物は同時に加えてもよいし、一つづつ加えてもよ
い。一つづつ加える場合には、ポリマー側の例えば2種
の官能基A、Bのうち、Aのみが先に加える金属を含む
化合物の官能基と選択的に反応するとすれば、後から加
える物質の官能基はBのみと選択的に反応するものは勿
論、AおよびBの両方と反応するものを用いても、既に
Aは反応を終えているので、Bのみと反応させることが
できる。
【0021】官能基同士の反応が激しく、ポリマーの結
合(Si−Si等)を切断する恐れのある場合、あるい
は導入しようとするだけで、例えば、Si−Si結合が
切れる等の何らかの理由で、その官能基が骨格に導入で
きない場合は、別途炭素骨格のみからなる物質を用いて
金属の配列を行った後、炭素以外の骨格をもつポリマー
と混合することで解決できる。
【0022】触媒活性を有する金属微粒子の担体である
高分子ポリマーへの配列については例えば、高分子ポリ
マー合成時にモノマーの立体障害を利用する等により、
高分子ポリマー中の官能基同士が近づかないようにして
おけば、金属微粒子の分散性がより上昇する。
【0023】高分子ポリマー中に導入された官能基が1
つの場合には、1種類の金属のみを用いる場合に1種類
の金属原子が高分子ポリマー中に導入された官能基の部
分に集まり易く、金属微粒子が均質かつ高分散に担持さ
れた触媒が得られるが、2種類以上の金属を所望の配列
に配置することは難しい。2種類以上の金属を所望の配
列に配置した触媒を得たいときは、高分子ポリマー中に
複数種の官能基を導入し、それぞれ特定の官能基と選択
的に反応する基を各金属元素に付加しておき、混合すれ
ばよい。また、高分子ポリマー中の複数種の官能基は、
同一分子上にあってもよいし、各々別の分子上に存在し
ているものを混合してもよい。
【0024】高分子ポリマーの主鎖あるいは側鎖の一部
に官能基を導入した場合、上記の高分散化効果に加え
て、以下の効果を得ることができる。
【0025】(1)官能基の数や導入の順番を操作する
ことで、少なくとも2つの金属原子を所望の配列で配置
することができる。
【0026】(2)(1)において、金属原子をさらに
加え、所望の配列で配置した金属原子を核としてさらに
成長させることで、金属微粒子を所望の配列で配置した
触媒を得ることができる。
【0027】(3)例えば、図3に示す構造をとらせる
ことで、この構造単位から生成する金属微粒子の組成を
ある程度コントロールでき、この場合には、合金化する
ことで活性の得られる触媒の作製や助触媒の添加にも適
用することができる。なお、2および3は異なる金属微
粒子、4は高分子ポリマーの主鎖あるいは側鎖または添
加物質の構造の一部である。
【0028】また、上記(1)、(2)は、例えば、逐
次反応の各段階に用いる触媒活性成分を順に並べる場合
等にも利用することができる。
【0029】本願の第4の発明の触媒の製造方法は、高
分子ポリマー中に触媒活性を有する金属成分を分散させ
る工程と、前記金属成分が分散した高分子ポリマーを熱
処理する工程と、前記高分子ポリマー中から炭素成分を
除去する工程とを順に行うことを特徴としている。
【0030】本願の第4の発明によれば、本願の第1の
発明と同様の作用効果を示すとともに、高分子ポリマー
中に触媒活性を有する金属元素を分散させ、熱処理によ
り焼成し、次いで炭素成分を除去することにより、触媒
中に細孔が形成される。それにより、金属微粒子をより
多く担体表面に存在させることができるため、触媒活性
が向上する。
【0031】本願の第4の発明の触媒の製造方法では、
高分子ポリマーの主鎖の骨格または側鎖中にSiが含ま
れていると好ましい。このときは、Siを含む高分子ポ
リマー中に触媒活性を有する金属元素を分散させた後に
不活性ガス中で熱処理により焼成し、主に炭素、炭化珪
素、珪素の骨格からなる担体が形成されるが、これらの
成分のうち、比較的選択除去が容易でありかつ酸素雰囲
気中での使用には適さない炭素成分を除去することによ
り、炭素成分の除去後に担体中に空間(細孔)を生じせ
しめ、金属微粒子をより多く担体表面に存在させること
で、触媒活性を向上させる。なお、炭素成分の抜けた後
の空間は外気と通じているので、反応ガスの通り道とし
て機能する。炭素成分を除去するにあたり、炭素がある
程度かたまって存在する方が好ましい。炭素がSiに囲
まれた状況では、除去自体が行われにくい上、除去でき
たとしても化学式1に示されるように変化し、結局、通
路を塞いでしまいかねない。
【0032】
【化1】 これを避けて、連続的な細孔を形成するために、Siを
含む高分子ポリマーの側鎖(あるいは主鎖の一部)に、
鎖長の長い直鎖の炭化水素基、枝分かれの多い炭化水素
基、環構造を含む炭化水素基等を導入しておくとよい。
さらに、これらの側鎖あるいは主鎖の一部を水酸基等の
水素との間で水素結合しやすい基で置換しておき、異な
る炭素鎖同士を接近させてもよい。この場合、水酸基等
に引かれて集まってきた金属微粒子の周囲は炭素原子ば
かりとなるので、炭素鎖を除去する際に金属微粒子まで
共に脱落する率が高くなることから、注意が必要であ
る。同様の問題は、炭素鎖を加えすぎても生じる必要が
あるので注意が必要である。
【0033】図4に、本願の第4の発明の触媒の製造方
法により得られた触媒の模式図を示す。図4において、
2は金属微粒子であり、4は主にSi、SiCを主成分
とする担体である。
【0034】また、担体中の炭素成分を除去する方法と
しては、炭素の燃焼によるものではなく、例として下に
示すように、水蒸気改質あるいは炭酸ガスとの反応によ
り除去することが好ましい。
【0035】 (例1)C+CO2 → 2CO (例2)C+H2 O→ CO+Η2 (例3)C+2H2 O→CO2 +2Η2 この方法によれば、主に炭酸ガスと水しか発生しない燃
焼による除去とは異なり、COやH2 といった、化学合
成に有効なガスを同時に得られるという利点がある。ま
た、燃焼反応ではないので、発熱が少なくてすみ、金属
微粒子の凝集をより効果的に抑えることが出来る。な
お、(例2)や(例3)の反応は、反応条件により、平
衡がCO+2H2 OとCO2 +2Η2 との間で成立し、
CO、H2O、CO2 およびΗ2 の混合ガスが得られる
場合もある。
【0036】本願の第5の発明の触媒の製造方法は、高
分子ポリマー中に触媒活性を有する金属成分と炭素成分
とを分散させる工程と、前記金属成分と炭素成分とが分
散した高分子ポリマーを熱処理する工程と、前記炭素成
分を除去する工程とを順に行うことを特徴としている。
【0037】本願の第5の発明においては、本願の第
1、第4の発明と同様の作用効果を示すとともに、高分
子ポリマー中に「炭素骨格からなる物質」を金属成分と
共に分散させ、熱処理による焼成後に「炭素成分」を除
去することで細孔が形成される。それにより、金属微粒
子をより多く担体表面に存在させることができりため、
触媒活性が上昇する。
【0038】本発明の触媒の製造方法では、高分子ポリ
マーの骨格または側鎖中にSiが含まれていると好まし
い。このときは、Siを含む高分子ポリマー中に触媒活
性を有する金属元素と炭素成分とを分散させた後に不活
性ガス中で熱処理により焼成し、主に炭素、炭化珪素、
珪素の骨格からなる担体が形成されるが、これらの成分
のうち、比較的選択除去が容易であり、かつ酸素雰囲気
中での使用には適さない炭素成分を除去することによ
り、炭素成分の除去後に担体中に空間(細孔)を生じせ
しめ、金属微粒子をより多く担体表面に存在させること
で、触媒活性を向上させる。なお、炭素成分の抜けた後
の空間は外気と通じているので、反応ガスの通り道とし
て機能する。
【0039】ここで、触媒の製造途中および製造後の触
媒の模式図を、それぞれ図5および図6に示す。図5お
よび図6において、2は金属微粒子、4は主にSi、S
iCを主成分とする担体、5aおよび5bは添加した炭
素成分を示す。
【0040】連続的な細孔を形成するために、Siを含
む高分子ポリマーの側鎖(あるいは主鎖の一部)に、鎖
長の長い直鎖の炭化水素基、枝分かれの多い炭化水素
基、環構造を含む炭化水素基等を導入しておくとよい。
さらに、これらの側鎖あるいは主鎖の一部を水酸基等の
水素との間で水素結合しやすい基で置換しておき、異な
る炭素骨格同士を接近させてもよい。この場合、水酸基
等に引かれて集まってきた金属微粒子の周囲は炭素原子
ばかりとなるので、炭素骨格を除去する際に金属微粒子
まで共に脱落する率が高くなることから、注意が必要で
ある。同様の問題は、炭素骨格を加えすぎても生じるお
それがあるので注意が必要である。ポリマー(原料モノ
マー)以外に炭素成分を添加した混合物は、分子中に炭
素骨格と炭素以外の骨格を共有するポリマーあるいはモ
ノマー、炭素骨格のポリマーと炭素以外の骨格のポリマ
ーの混合物を用いても細孔形成が不十分な場合の補助と
して用いることができ、さらに炭素の表面を官能基で修
飾して金属微粒子を生成しやすくしておけば、炭素除去
後の細孔表面に金属微粒子を確実に存在させることがで
きる。
【0041】炭素骨格からなる物質」の形状として、
粗孔形成用(図5の5a)としてはカーボンファイバ
ー、炭素粉末等があり、細孔形成用(図5の5b)とし
ては、鎖長の長い直鎖の炭化水素や、化学式2あるいは
化学式3に示されたような枝分かれの多い炭化水素、ナ
フタレン、アントラセンあるいはそれ以上の環数を持つ
炭化水素等が挙げられる。
【0042】
【化2】
【化3】 通常、粗孔形成用と細孔形成用の「炭素成分」を共に用
いるのが好ましいが、一方のみでも問題はない。細孔形
成用の「炭素成分」は、水酸基等の水素との間で水素結
合しやすい基で側鎖の一部を置換しておくなどして、
「炭素成分」同士を接近させてもよい。
【0043】カーボンファイバーを用いる場合には、中
空のものを用いると除去の際に効率がよい。この場合、
炭素の改質反応によってカーボンファイバーの外殻の一
部がなくなるだけ、カーボンファイバーの中空部分と
外気とがつながって表面積が増大する。そして、表面積
の増大に伴って炭素の改質反応速度が上がるため、炭素
の改質反応を短時間で終了させることができ、得られる
触媒に与える影響を少なくすることができる。
【0044】金属成分と共に分散させる「炭素骨格から
なる物質」の量は、特に限定しないが、「炭素成分」除
去後の触媒において、単位重量当たりの表面積が1m2
/g以上、さらに好ましくは10m2 /g以上になる量
を加えるのが好ましい。
【0045】本発明では、「炭素骨格からなる物質」を
予め金属成分と共に分散させておくことで、例えば、S
iからなる鎖が多いために炭素の含有量が少なくなり、
単に高分子ポリマーの一部としての炭素成分のみを除去
するだけでは、細孔の形成が期待できない場合において
も、確実に細孔の形成を行うことができる。
【0046】なお、本発明では、「炭素成分」、好まし
くは「炭素骨格からなる物質」から、炭素骨格のみから
なる成分のみが完全に除去されれば、本発明により得ら
れた触媒を酸化性雰囲気中において使用しても、反応系
に触媒担体に由来する炭素酸化物(CO、CO2 )が含
まれることはない。
【0047】本願の第6の発明に係る触媒の製造方法
は、高分子ポリマー中に触媒活性を有する金属成分およ
び炭素の改質活性を有する金属成分とを分散させる工程
と、前記2つの金属成分が分散した高分子ポリマーを熱
処理する工程と、前記熱処理された高分子ポリマーから
炭素成分を除去する工程とを順に行うことを特徴として
いる。
【0048】本願の第6の発明においては、本願の第
1、4、5の発明と同様の作用効果を示すとともに、高
分子ポリマー中に炭素の改質活性を有する金属成分を触
媒活性を有する金属成分と共に分散させ、熱処理による
焼成後に高分子ポリマーから炭素成分を除去することで
細孔が形成される。
【0049】本願の第6の発明の触媒の製造方法では、
高分子ポリマー中にSiが含まれていると好ましい。こ
のときは、Siを含む高分子ポリマー中に触媒活性を有
する金属元素と炭素成分とを分散させた後に不活性ガス
中で熱処理により焼成し、主に炭素、炭化珪素、珪素の
骨格からなる担体が形成されるが、これらの成分のう
ち、比較的選択除去が容易であり、かつ酸素雰囲気中で
の使用には適さない炭素成分を除去することにより、炭
素成分の除去後に担体中に空間(細孔)を生じせしめ、
金属微粒子をより多く担体表面に存在させることで、触
媒活性を向上させる。なお、炭素成分の抜けた後の空間
は外気と通じているので、反応ガスの通り道として機能
する。
【0050】ここで、触媒の製造途中および製造後の触
媒の模式図を、それぞれ図7および図8に示す。
【0051】図7および図8において、2は金属微粒
子、4は主にSi、SiCを主成分とする担体、6は炭
素の改質活性を有する金属微粒子を示す。
【0052】炭素の改質反応は、一般に、触媒がなくて
も500℃程度から緩やかに進行し始めるが、触媒を加
えることでその反応速度は著しく向上する。したがっ
て、炭素の改質の条件をゆるやかにし、触媒活性を有す
る金属への熱影響を小さくするものである。炭素の改質
活性を有する金属としては、主に遷移金属、中でも VII
Α族、VIII族あるいはIB族の元素が有効であり、特に
Niが有効である。
【0053】炭素の改質に有効な金属成分を分散させる
方法としては、触媒活性を有する金属成分と同様に溶液
化して、高分子ポリマーに混ぜる方法が好ましいが、そ
れが無理ならば微粒子の状態で分散させる方法でもよ
い。
【0054】本願の第7の発明に係る触媒の製造方法
は、高分子ポリマー中に触媒活性を有する金属成分、炭
素成分および炭素の改質活性を有する金属成分とを分散
させる工程と、前記2つの金属成分と炭素成分とが分散
した高分子ポリマーを熱処理する工程と、前記熱処理さ
れた高分子ポリマーから前記炭素成分を除去する工程と
を順に行うことを特徴としている。
【0055】本願の第7の発明は、本願の第1、4、
5、6の発明の作用効果を奏するものである。
【0056】本発明においては、高分子ポリマー中に、
第5の発明で説明した「炭素骨格からなる物質」を触媒
活性を有する金属成分と第6の発明で説明した炭素の改
質活性を有する金属成分と共に分散させ、熱処理による
焼成後に第4の発明で説明したように「炭素成分」を除
去することで細孔が形成される。本発明の触媒の製造方
法では、高分子ポリマー中にSiが含まれていると好ま
しい。このときは、Siを含む高分子ポリマー中に触媒
活性を有する金属元素と炭素成分とを分散させた後に不
活性ガス中で熱処理により焼成し、主に、炭素、炭化珪
素、珪素の骨格からなる担体が形成されるが、これらの
成分のうち、比較的選択除去が容易でありかつ酸素雰囲
気中での使用には適さない炭素成分を除去することによ
り、炭素成分の除去後に担体中に空間(細孔)を生じせ
しめ、金属微粒子をより多く担体表面に存在させること
で、触媒活性を向上させる。なお、炭素成分の抜けた後
の空間は外気と通じているので、反応ガスの通り道とし
て機能する。
【0057】ここで、触媒の製造途中および製造後の触
媒の模式図を、それぞれ図9および図10に示す。
【0058】図9および図10において、2は金属微粒
子、4は主にSi、SiCを主成分とする担体、5aお
よび5bは添加した炭素成分、6は炭素の改質活性を有
する金属微粒子を示す。
【0059】上述したように、炭素の改質反応は触媒が
なくても500℃程度から緩やかに進行し始めるが、触
媒を加えることで反応速度は著しく向上する。炭素の改
質活性を有する触媒として機能する金属としては、主に
遷移金属、中でも VIIΑ族、VIII族あるいはIB族の元
素が有効であり、特にNiが有効である。
【0060】炭素の改質に有効な金属成分を分散させる
方法としては、触媒活性を有する金属成分と同様に溶液
化して、高分子ポリマーに混ぜる方法でよいが、例え
ば、同時に分散させる「炭素骨格からなる物質」に予め
担持しておく等の工夫をして、確実に「炭素成分」との
接触を持たせ、有効に活用することが好ましい。また、
Siを含む高分子ポリマー中の炭素鎖の連続する部分に
官能基を導入しておき、そこに炭素の改質反応に関与す
る金属元素を含む分子(または金属イオン)を集めるこ
とも考えられる。この場合、この操作は、触媒活性を有
する金属成分を含む溶液との混合前に行うのがよい。こ
れは、Siを含む高分子ポリマー中に導入された官能基
の部分に電荷の偏りがあり、そのため触媒活性を有する
金属成分を含むイオンが官能基の部分に集まってしまう
ので、熱処理による焼成後の金属微粒子が大きくなり、
触媒活性が低下するからである。さらに、「炭素骨格か
らなる物質」の表面を官能基で修飾しておき、この官能
基の部分に触媒活性を有する金属成分を含むイオンを引
き寄せておくことで、熱処理による焼成後に「炭素骨格
からなる物質」の除去を行った時点で、確実に担体の細
孔表面に金属微粒子が存在するようにすることも可能で
ある。ただし、触媒活性を有する金属成分を含むイオン
が集まりすぎると、熱処理による焼成後に生成する金属
微粒子が大きくなって比表面積が低下し触媒活性が低下
するので、この場合には注意を要する。
【0061】本願の第4〜第7の発明において、担体表
面に十分な表面積さえ得られれば、炭素骨格部分は完全
に除去されずに残存していてもよい。この場合、残存し
た炭素骨格は、電導パスとしての機能を果たすので、電
導体の働きを有する触媒となる。
【0062】本願の第1〜第7の発明において、担体へ
変化する高分子ポリマーとしては、分子中に炭素骨格と
炭素以外の骨格を共有するポリマーあるいはモノマー、
炭素骨格のポリマーと炭素以外の骨格のポリマーの混合
物あるいはポリマー(原料モノマー)以外に炭素を添加
した混合物等が挙げられる。高分子ポリマーとして、分
子中に炭素骨格と炭素以外の骨格を共有するポリマーあ
るいはモノマーを用いた場合には均質な担体が得られる
が、炭素骨格のポリマーと炭素以外の骨格のポリマーの
混合物を用いた場合には、各々のポリマーのモノマーを
共重合できないときに問題なく適用できるものの、適当
な混合方法を選択しないと担体が不均質となり易いので
注意を要する。
【0063】本願の第1〜第7の発明において、担体へ
と変化する高分子ポリマーは炭素骨格のみからなるもの
でもよく、主鎖あるいは側鎖に炭素以外の物質、例えば
N、BやSiを含むものでもよく、また、これらの2種
類以上の混合物でもよい。担体となる高分子ポリマー
は、使用環境等に配慮して適切な組成を有するものが適
宜選択される。主鎖あるいは側鎖に炭素以外の物質、例
えば、N、BやSiを含む高分子ポリマーでは、最終的
に生成する担体において、強度、電導性等の性質を適宜
調整することができ、炭素骨格のみを除去することで細
孔形成も可能であり、しかも酸化雰囲気中での使用にも
適している。
【0064】また、本願発明による触媒の製造方法によ
り得られた触媒において、高分子ポリマーがSiを含ん
でいるものは、熱処理による熱分解で生成するSiCお
よび残存するCのために、更に耐蝕、耐熱および電子伝
導性を有しているため好ましい。
【0065】一般に、純粋な炭化珪素(SiC)は、半
導体としての性質を示し、電極用として用いるには不適
であるが、本発明により得られる炭化珪素では、部分的
に炭素原子同士が隣り合っている領域や、欠陥領域が数
多く存在し、これらの領域が電流のパスとして機能する
ので電導性は上昇している。
【0066】したがって、例えば燃料電池の電極では、
高い触媒能、燐酸などに対する耐蝕性、電極としての伝
導性などが要求されるが、本発明により得られた触媒で
は、こうした使用環境に対して有効に対応することがで
きる。
【0067】例えば、本願の第1の発明による触媒の製
造方法により製造された触媒において、高分子ポリマー
がSiを含んでいる触媒の模式図を図11に示す。図1
1において、1は熱処理によりSiを含む高分子ポリマ
ーが分解あるいは変質して生成したSi、Cを主成分と
する担体であり、2は金属微粒子である。担体1の中に
は、主にSi、C、SiCが生成するが、これらの中で
含まれない成分があることもあり、また、はっきりとこ
れらの形態とならず、SiとCとを含む他の化合物結晶
やアモルファスとなることもある。
【0068】一方、酸素雰囲気中での熱処理を行うと、
Siは酸素と反応して二酸化珪素(SiO2 )に変化
し、炭素のなくなった領域やSiの酸化に伴う体積変化
で生じる割れなどが、表面積の向上に寄与するととも
に、ガス流路を確保する。
【0069】この触媒の構造の模式図を図12に示す。
図12において、3は焼成により生じたSiO2 を主成
分とする担体、2は金属微粒子である。
【0070】また、Siを含む高分子ポリマーに IIIΒ
族やVB族の元素を部分的に導入しておくことで、熱処
理による焼成後の炭化珪素やSiO2 の電導性を高める
こともできる。
【0071】本願の第1〜第7の発明による触媒の製造
方法において、高分子ポリマーとしては、エポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹
脂、ポリシロキサン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン
樹脂等を挙げることができる。高分子ポリマーの形態と
しては、高分子ポリマーが可溶性の固体あるいは粘度の
高い液体の場合には溶液として用いてよい。このとき、
溶媒は高分子ポリマーと他の添加物質とを溶解させる物
質が選択される。また、高分子ポリマー自体が液体の場
合には液体のまま用いてよいが、他に添加物質を添加す
るとき、高分子ポリマーに添加物質が溶解しないことが
あり、この場合には添加物質を溶解可能な溶媒を同時に
使用する。さらに、モノマーが極めて安価に入手できる
場合や、ポリマーが固体で容易に溶液とならない場合に
は、モノマー(ブロック共重合用のポリマーを含む)を
重合してポリマーとしてもよい。この場合、モノマーの
重合時に金属等の触媒活性成分をとりこませることがで
きるので、触媒活性成分を高分散化することも可能とな
る。
【0072】高分子ポリマーを固化するには、固化剤
(重合剤を含む)を用いてもよいし、熱処理(焼成ある
いは常温での蒸発乾固を含む)により固化させてもよ
い。固化剤を用いた場合には、高分子ポリマーを比較的
迅速に固化させることができ、そのため、触媒活性を有
する金属成分等の凝集を防止して高分散化を達成でき
る。しかしながら、固化剤が不純物として残留する場合
があるので、固化剤の添加量については適宜設定を行う
必要がある。また、熱処理により高分子ポリマーを固化
すると、固化速度が遅かったり、あるいは固化前に高温
に晒されることにより触媒活性を有する金属成分等の微
粒子化が妨げられることがあるので、熱処理の条件には
注意を要する。
【0073】高分子ポリマーと金属成分との当量比は使
用目的に応じて選択されるものであり、使用される金属
化合物は、結合を切って金属原子を担体上に析出させる
ことができるものであれば共有結合性の物質でもよい。
【0074】触媒活性を有する金属成分の供給原料とし
ては塩化パラジウム、塩化白金酸、塩化金、遷移金属の
塩化物等の無機塩類、パラジウムアセチルアセトナー
ト、白金アセチルアセトナート等の有機金属塩、あるい
は上述した錯塩や複塩等を挙げることができる。
【0075】高分子ポリマー中に分散した金属成分に含
まれる金属は、例えば錯体あるいは複塩で供給された場
合のように、液中で超微粒子のコロイド状態で存在して
もよいし、イオンに解離した状態で存在してもよい。金
属成分をコロイド状態の錯体あるいは複塩で供給した場
合には、錯体あるいは複塩中の複数の金属原子が一体と
なって移動するため、生成する金属微粒子中の金属原子
の存在比を所望の比とすることが可能となる。また、金
属成分中の金属がイオンに解離した状態である場合に
は、予め還元剤により金属微粒子として析出させてもよ
いし、また高分子ポリマーの熱処理工程で金属微粒子と
して生成させてもよい。還元剤の添加に際しては、還元
剤が不純物として残留することがあるので注意を要す
る。
【0076】還元剤として用いられる化合物としては、
ベンジルアルコール、デキストリン等のアルコール類、
ホルマリン、ベンズアルデヒド、フタルアルデヒド等の
アルデヒド類、水素ガス、ヒドラジン等が好適に使用で
きる。
【0077】高分子ポリマーとその製法および金属成分
とその還元剤としては、例えば、特願平7−21995
に示されるものを用いてもよいが、特に限定されるもの
ではない。
【0078】また、炭素成分の除去後の担体中に、グラ
ファイト構造等からなる炭素骨格や炭化珪素(ポリシラ
ン等、Siを含む高分子ポリマーを用いた場合に生成)
が残存した場合には、これらが導体あるいは半導体とし
て機能するため、担体に電導性を持たせることができ、
例えば電極材としての使用も可能となる。
【0079】金属あるいは金属塩が分散した高分子ポリ
マーを熱処理して熱分解させる際には、酸化雰囲気中で
熱分解を行う場合と不活性雰囲気中で熱分解を行う場合
とがあり、不活性雰囲気中での熱分解では、担体の多孔
度が若干低くなるものの、一般的に用いることが可能で
ある。具体的には、触媒活性を有する金属を含む高分子
ポリマーの少なくとも一部を重合あるいは硬化させた後
に、スプレードライヤーで霧状に不活性雰囲気の炉内に
噴霧して高分子ポリマーを熱分解させたり、単に不活性
雰囲気の炉内で高分子ポリマーを熱分解させるが、特に
限定されるものではない。さらに、得られた触媒を水蒸
気中や水素気流中で熱処理してもよい。一方、酸化雰囲
気中で熱分解を行う場合、適当な熱処理条件を設定しな
いと担体のすべてが焼失することがあるので注意を要す
る。熱処理条件を適当に設定することで炭素骨格のみを
除去したり(酸化性ガスとして水あるいは炭酸ガス等を
使用する)、炭素以外の物質の酸化物からなる担体に変
造(空気中での燃焼)することができる。ただし、炭素
骨格の除去に際しては、熱処理前には金属微粒子が担体
に完全に保持されていないので、熱処理過程で炭素骨格
が除去されてしまうと金属微粒子の凝集が起こりやすく
なる。したがって、この場合には、予め不活性雰囲気中
で熱処理を行って安定な金属微粒子とした後、改めて酸
化雰囲気中で熱分解を行うことで解決できる。
【0080】また、熱分解した後の金属微粒子の大きさ
は、単原子からなるものから、粒径100nmの範囲が
好ましいが、用途により適宜設定される。一般に、微粒
子の粒径は、高分子ポリマーの性状、硬化・重合温度お
よび熱分解温度・時間等を調整することで決定される。
【0081】さらに、担体に担持される金属微粒子の担
持量は、通常、触媒に対して0.1〜50wt%である
が、燃料電池の電極に用いる場合には、触媒に対して1
0〜50wt%、好ましくは15〜30wt%に調整さ
れる。
【0082】本発明により得られた触媒は、Siを主成
分としているため、酸化雰囲気中での連続使用が可能で
ある。
【0083】
【発明の実施の形態】(実施例1
【化4】
【化5】 500mlのアセトン中に、化学式4で示される化合物
(重量平均分子量7000)を1g、化学式5で示され
る化合物(重量平均分子量2.1万)を1g、Cu[Ζ
n(OH)4 ]を0.25gおよびテレフタルアルデヒ
ドをlg秤量・混合して、アセトン溶液Aを得た。
【0084】次に、アセトン溶液Αを100℃で1時間
加熱して固化させると共に、アセトンを揮発させてCu
−Ζn合金微粒子分散樹脂Bを得た。そして、ドクター
ブレード法により、Cu−Ζn合金微粒子分散樹脂Bを
耐火物基板(アルミナ)上に厚さ15μmに塗布し、1
000℃のアルゴン雰囲気下で12時間熱処理した。次
いで、雰囲気を炭酸ガスに切り替えて12時間放置し、
担体中の炭素成分を改質して細孔を形成した後、自然冷
却して、Cu−Ζn合金微粒子分散材Cを得た。
【0085】最後に、Cu−Ζn合金微粒子分散材Cを
空気中で400℃、1時間焼成し、担体上にCu−Ζn
系酸化物が高分散して担持された触媒を得た(実施例1
)。一方、Cu[Ζn(OH)4 ]の代わりに、Cu
Cl2 0.18gとΖnCl2 0.18gとの混合物を
用いた以外は、実施例1Aと同じ条件で触媒を得た(
施例1B)。
【0086】ここで図13に実施例1Aの触媒の模式図
を、図14に実施例1Bの触媒の模式図を示す。図13
および図14において、7は担体、8はCuOとΖnO
とをほぼ均等に含む微粒子、9はCuOに比べてΖnO
を過剰に含む微粒子、10はZnOに比べてCuOを過
剰に含む微粒子、11はCuOのみからなる微粒子、1
2はΖnOのみからなる微粒子である。
【0087】TEM一EDXの結果、生成した酸化物粒
子あるいは微粒子の粒径は実施例1と比較例1との間で
ほとんど差はなく、およそ10nm前後であった。しか
し、実施例1では、生成したほとんどの微粒子1つ1つ
にCuとΖnの酸化物がほぼ均等(4:6〜6:4程
度)に共存したのに対し、比較例1では、99%以上
uOのみやΖnOのみからなる粒子が確認されたのをは
じめ、どちらか一方が大過剰に含まれた微粒子が大部分
を占め、実施例1のように双方の酸化物をほぼ均等に含
む微粒子は全体の20%程度であった。
【0088】次に、実施例1A実施例1Bの触媒を用
いて、合成ガス(CO:H2 =1:2)からのメタノー
ル合成を行った。
【0089】なお、メタノール合成は、触媒1gを用い
た固定床流通式の管型反応器により反応温度250℃、
全圧:2ΜPa、流速100ml/分(標準状態換算)
の条件下で行った。一般に、反応開始後しばらくはCu
の酸化状態がメタノール合成に適した値に安定せず、触
媒活性が低いので客観的な評価が行えない。よって、反
応開始後2時間の時点での比較を行った。
【0090】その結果、実施例1Bの触媒においては、
COのメタノールへの転化率が5%程度であったのに対
し、実施例1Aの触媒においては、COのメタノールへ
の転化率が20%を示した。
【0091】したがって、実施例1Aの触媒は、実施例
1Bの触媒に比べて高い触媒活性を有することが判る。
【0092】(実施例2
【化6】 500mlのアセトンにビス(シクロペンタジエニル)
ルテニウムRu(C5Η52 を0.6g、化学式6で
示される化合物(nの平均が約10となるようにモノマ
ーを混合し、mは50〜500)を1.2g溶解させた
後、1gの濃硫酸を加えて環流しながら50℃、5時間
の反応を行い、化学式6で示される化合物の塩素を−
(C54 )Ru(C5 Η5 )に置換したアセトン溶液
Dを得た。次いで、アセトン溶液Dに水酸化バリウム
1.8gを加え、硫酸バリウムを沈殿させ、上澄み液D
´を得た。次に、上澄み液D´に、化学式4で示される
化合物(重量平均分子量7000)を10g、化学式5
で示される化合物(重量平均分子量2.1万)を10
g、テレフタルアルデヒドを1g秤量・混合し、完全に
溶解させた後、100℃で1時間加熱して、固化させる
と共に、水、アセトンおよび塩化水素等を揮発させてR
u微粒子分散樹脂Eを得た。
【0093】次に、ドクターブレード法により、Ru微
粒子分散樹脂Eを耐火物基板(アルミナ)上に厚さ15
μmに塗布し、1000℃のアルゴン雰囲気下で12時
間熱処理した。次いで、雰囲気を炭酸ガスに切り替えて
12時間放置し、担体中の炭素成分を改質して細孔を形
成した。そして、自然冷却し、Ru微粒子分散材Fを得
た。
【0094】最後に、Ru微粒子分散材Fを水素気流中
200℃、1時間還元処理して、担体上に金属Ruが高
分散状態で担持された触媒を得た(実施例2A)。なお
このとき、水素還元中の炭化珪素あるいは珪素を主体と
する担体には、変化は殆ど見られなかった。
【0095】一方、化学式6で示される化合物の代わり
に1.2gのポリエチレンを用いた以外は、実施例2A
と同じ条件で触媒を得た(実施例2B)。
【0096】TEΜ一EDXの結果、生成したRu微粒
子の粒径は、実施例2Aではほとんどが2nm以下であ
った。しかし、実施例2Bでは、ほとんどのRu微粒子
の粒径が5nmを越えていた。
【0097】次に、実施例2A実施例2Bの触媒を用
いて、Fischer−Tropsch合成を行った。
【0098】なお、Fischer−Tropsch合
成は、触媒1gを用いた固定床流通式管型反応器によ
り、反応温度240℃、全圧:1ΜPa、合成ガス組成
CO/H2 =1/2、流速100ml/分(標準状態換
算)の条件下で行った。
【0099】その結果、反応開始後1時間の時点で、
施例2Aの触媒においては、CO転化率が45%であっ
たのに対し、実施例2Bの触媒においては、CO転化率
が29%であった。なお、炭化水素選択率は、共に99
%以上であり、生成炭化水素分布から求めた連鎖成長確
率も、実施例2Aの触媒においては0.94、実施例2
の触媒においては0.95とほとんど差はなかった。
【0100】以上、CO転化率からみて、実施例2A
触媒は、実施例2Bの触媒に比べて高い触媒活性を有す
ることが判る。
【0101】(実施例3
【化7】 500mlのアセトン中にビス(シクロペンタジエニ
ル)ニッケルNi(C5Η52 を0.5g、化学式7
で示される化合物(−COOHと−COClは全体では
同数、−(CΗ22 −は−COOHと−COClの
倍、a、b、c、dは平均10、eは10〜100)を
0.5g溶解させた後、1gの濃硫酸を加えて還流しな
がら、50℃、5時間反応を行い、化学式7で示される
化合物の塩素を−(C5 Η4 )Ni(C5 Η5 )に置換
したアセトン溶液Gを得た。
【0102】次いで、アセトン溶液Gに水酸化バリウム
1.8gを加え、硫酸バリウムを沈殿させ、上澄み液G
´を得た。次に、上澄み液G´にCuCl2 を0.2
g、化学式4で示される化合物(重量平均分子量700
0)を1g、化学式5で示される化合物(重量平均分子
量1.2万)を1g、テレフタルアルデヒドを1g秤量
・混合し、100℃で1時間加熱して固化させると共
に、水、アセトンおよび塩化水素等を揮発させてNi−
Cu微粒子分散樹脂Ηを得た。
【0103】次に、ドクターブレード法により、Ni−
Cu微粒子分散樹脂Ηを耐火物基板(アルミナ)上に厚
さ15μmに塗布し、1000℃のアルゴン雰囲気下で
12時間熱処理した後、自然冷却して、Ni−Cu微粒
子分散材Ιを得た。
【0104】最後に、Ni−Cu微粒子分散材Ιを一酸
化炭素を20%含む窒素気流中で200℃、1時間還元
処理して触媒を得た(実施例3A)。
【0105】一方、化学式7で示される化合物の代わり
に0.5gのポリエチレンを用いた以外は、実施例3と
同じ条件で触媒を得た(実施例3B)。
【0106】TEΜ一EDXの結果、実施例3Aでは、
担体上に粒径が2nm以下のNiとCuの微粒子が互い
に独立しながらも近接しつつ、高分散状態で担持された
状態であったのに対し、実施例3Bでは、担体上に粒径
が3nm以下のNiとCuの微粒子はほとんどなく、し
かも各々のNiとCuの粒子の組成は不定比で混じって
いた。
【0107】(実施例4〜6) 500mlのアセトン中
に、化学式4で示される化合物を1g、化学式5で示さ
れる化合物を1g、塩化白金酸ナトリウム(Na2 [P
tCl4 ])を0.5g、テレフタルアルデヒドを1g
秤量・混合してアセトン溶液Jを得た。
【0108】 次いで、アセトン溶液Jを、100℃で1
時間加熱して固化させると共に、アセトンを揮発させて
白金微粒子分散樹脂を得た。
【0109】 次に、ドクターブレード法により、白金微
粒子分散樹脂を耐火物基板(アルミナ)上に厚さ15
μmに塗布し、1000℃のアルゴン雰囲気下で12時
間熱処理した。そして、一旦冷却後、10%水素含有窒
素中で900℃まで加熱し、直ちに自然冷却して、白金
微粒子分散材を得た。
【0110】 次いで、白金微粒子分散材を空気中で5
00℃、1時間焼成して、SiO2担体上に白金が高分
散状態で担持された触媒を得た(実施例4A)。
【0111】 一方、同じ白金微粒子分散材をアルゴン
雰囲気下で焼成したこと以外は、実施例4Aと同じ条件
で熱処理して触媒を得た(実施例4B)。
【0112】 また、白金微粒子分散材を1MPa、1
000℃の水蒸気流通下で24時間処理して触媒を得た
実施例5A)。また、処理を1時間のみに留めた触媒
も得た(実施例5B)。
【0113】 さらに、アセトン溶液Jを加熱する前に、
アセトン溶液Jに塩化ニッケルを加えた以外は、実施例
5Bと同様にして触媒を得た(実施例5C)。
【0114】 また、アセトン溶液Jに0.3gのポリス
チレンを加え、溶解・混合後に0.3gの直径20μm
のカーボンファイバーを加えた以外は、実施例5Aおよ
実施例5Bと同様の条件で2種類の触媒を得た(実施
例5Aと同じ条件での触媒が実施例6A実施例5B
同じ条件での触媒が実施例6B)。
【0115】 また、予め20mgのNiを担持したカー
ボンファイバーを用いた以外は、実施例6Bと同様の条
件で触媒を得た(実施例6C)。
【0116】 ここで、表1に、実施例4A〜4B、5A
〜5C、6A〜6Cの白金含有量と比表面積を示す。な
お、白金含有量は、触媒に対する割合で示されている。
【0117】
【表1】 表1から明らかなように、実施例4A、5A〜5C、6
A〜6Cにおいては、担体中から除去される成分がある
ため、白金含有量が高くなっている。また、実施例4
A、5A、5C、6A、6Cにおいては、各実施例と比
べて比表面積も大きいことが判る。
【0118】(実施例7〜9および比較例1〜2)
【化8】
【化9】 化学式8で示されるポリシロキサン(重量平均分子量
1.5万)を10g、化学式9で示される化合物(重量
平均分子量1.8万)を10g、塩化白金酸ナトリウム
を5gおよびテレフタルアルデヒド10gを混合した
後、100℃で1時間加熱して、白金微粒子が分散した
樹脂を得た。
【0119】 次いで、ドクターブレード法により、白金
微粒子が分散した樹脂を耐火物基板(アルミナ)上に
厚さ15μmに塗布し、これを1000℃のアルゴン雰
囲気中で12時間加熱した後、10%水素(残窒素)を
流通させながら反応管中で900℃まで加熱した。さら
に、炉内で室温まで自然冷却し、白金を10重量%含む
触媒を得た(実施例7)。
【0120】 また、化学式4で示されるポリシランを1
0g、化学式5で示される化合物を10g、塩化白金酸
ナトリウムを5g、テレフタルアルデヒド10gとを混
合した後、100℃で1時間加熱して、白金微粒子が分
散した樹脂を得た。
【0121】 次いで、スプレードライヤーにより、窒素
が10トールの圧力で流通している1000℃の加熱炉
に白金微粒子が分散した樹脂を噴霧して熱分解した。
さらに、常圧、1000℃の窒素雰囲気中で12時間加
熱した後、10%水素(残窒素)を流通させながら反応
管中で900℃まで加熱した。そして、炉内で室温まで
自然冷却し、白金を10重量%含む触媒を得た(実施例
)。
【0122】 さらに、エポキシ樹脂(CEL2021:
ダイセル社製)20g、塩化白金酸ナトリウム1g、硝
酸ニッケル0.5g、硝酸コバルト0.5g、テレフタ
ルアルデヒド5g、ジフェニルジヒドロキシシラン5
g、アルミニウムアセラルアセトナート1gとを混合し
た後、常温で5時間放置し、次いで100℃で1時間加
熱して、金属微粒子が分散した樹脂を得た。
【0123】 次いで、金属微粒子が分散した樹脂を、
1000℃のアルゴン雰囲気中で24時間加熱した後、
ボールミルで粉砕して粉末を得た。そして、この粉末を
50℃の硝酸水溶液中で撹袢し、粉末中からアルミニウ
ムおよび白金と合金化していないニッケル、コバルトを
溶出させた。
【0124】 最後に、ろ過して蒸留水で洗浄し、窒素気
流中で400℃で乾燥して、金属微粒子を10重量%含
む触媒を得た(実施例9)。
【0125】 また、塩化白金酸ナトリウムを飽和させた
水溶液に、カーボン担体であるアセチレンブラックを塩
化白金酸ナトリウムの3.8倍の重量だけ加えたスラリ
ーを80℃の温度で撹袢しつつ、オーブン中で水分を蒸
発・除去した後、蒸留水で洗浄し、150℃のオーブン
中で24時問乾燥させて白金を10重量%担持させたカ
ーボンを得た。
【0126】 次いで、10%水素(残窒素)を流通させ
た反応管中で、カーボンを900℃まで加熱した後、
炉内で室温まで自然冷却して触媒を得た(比較例1)。
【0127】 さらに、比較例1と同様にして、白金以外
にもニッケルとコバルトとを加えた粉末を得た。粉末
は、白金に対し、原子比でニッケル50%、コバルト
50%を含有していた。そして、さらに50℃の硝酸水
溶液中で撹袢し、粉末中から白金と合金化していない
ニッケルおよびコバルトを溶出させた。最後に、ろ過し
て蒸留水で洗浄し、窒素気流中で400℃で乾燥して金
属微粒子を10重量%含む触媒を得た(比較例2)。
【0128】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明において
は、高分子ポリマー中に触媒活性を有する金属成分を分
散させ、次いで、金属成分が分散した高分子ポリマーを
熱処理するので、生成する金属微粒子が担体との相互作
用が強く凝集しにくいため、触媒活性を有する金属の表
面積が大きな触媒活性の高い触媒を得ることができる。
また、本発明においては、金属成分を錯塩の形態で高分
子ポリマー中に分散させたり、少なくとも1種類の官能
基が導入された高分子ポリマー中にこの官能基と特異的
に反応する官能基と触媒活性を有する金属成分とを含む
化合物を分散させて高分子ポリマーと化合物とを反応さ
せ、次に高分子ポリマーを熱処理するので、生成する金
属微粒子が担体との相互作用が強く、凝集しにくいた
め、触媒活性を有する金属の表面積が大きくなると共
に、金属微粒子が均質にかつ高分散している触媒活性の
高い触媒を得ることができる。
【0129】 さらに、本発明においては、熱処理後の高
分子ポリマーから炭素成分を改めて除去したり、高分子
ポリマー中に炭素成分を予め添加した後に炭素成分を改
めて除去するので、担体において細孔が発達し、触媒活
性を有する金属の表面積がさらに大きな触媒活性の高い
触媒を得ることができる。
【0130】 また、本発明においては、高分子ポリマー
に炭素の改質活性を有する金属成分と、必要に応じて炭
素成分をも同時に添加するので、担体において細孔がさ
らに発達し、触媒活性を有する金属の表面積が大きな触
媒活性の高い触媒を得ることができる。
【0131】 したがって、本発明においては、従来の触
媒の製造方法と比較して、同じ触媒活性を得るために使
用する金属の量を減らせると共に、長期間に渡り安定し
た触媒活性が維持され、また触媒活性の向上が達成され
た触媒を提供することができるので、産業上、非常に有
益な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による触媒の製造方法により得られた
触媒の概念を示した図。
【図2】 従来の触媒の製造方法により得られた触媒の
概念を示した図。
【図3】 構造単位を示す図。
【図4】 本発明の触媒の製造方法により得られた触媒
を模式的に示した図。
【図5】 本発明の触媒の製造方法による、製造途中の
触媒を模式的に示した図。
【図6】 本発明の触媒の製造方法による、製造後の触
媒を模式的に示した図。
【図7】 本発明の触媒の製造方法による、製造途中の
触媒を模式的に示した図。
【図8】 本発明の触媒の製造方法による、製造後の触
媒を模式的に示した図。
【図9】 本発明の触媒の製造方法による、製造途中の
触媒を模式的に示した図。
【図10】 本発明の触媒の製造方法による、製造後の
触媒を模式的に示した図。
【図11】 高分子ポリマーがSiを含んでいる触媒を
模式的に示した図。
【図12】 高分子ポリマーがSiを含んでおり、最後
に酸素雰囲気中で焼成された触媒を模式的に示した図。
【図13】 実施例1Aの触媒を模式的に示した図。
【図14】 実施例1Bの触媒を模式的に示した図。
【符号の説明】
1………担体 2………金属微粒子 3………焼成により生じたSiO2 を主成分とする担体 4………高分子ポリマーの主鎖あるいは側鎖 5a、5b………添加した炭素成分 6………炭素の改質活性を有する金属微粒子 7………担体 8………CuOΖnOとをほぼ均等に含む微粒子 9………CuOに比べてΖnOを過剰に含む微粒子 10………ZnOに比べてCuOを過剰に含む微粒子 11………CuOのみからなる微粒子 12………ΖnOのみからなる微粒子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平岡 俊郎 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (72)発明者 大橋 俊之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝 研究開発センター内 (56)参考文献 特開 平5−319813(JP,A) 特開 昭62−204851(JP,A) 特開 平1−135536(JP,A) 特開 昭57−201534(JP,A) 特開 平8−332378(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 38/74

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Siを含有する高分子ポリマー中に
    液化した触媒活性を有する金属成分を混合して分散させ
    る工程と、前記金属成分が分散した高分子ポリマーを
    主に炭素、炭化珪素、珪素の骨格からなる担体を形成す
    るために熱処理する工程とを順に行うことを特徴とする
    触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 Siを含有する高分子ポリマー中に
    液化した触媒活性を有する少なくとも2種類の金属成分
    を含む錯塩または複塩を混合して分散させる工程と、前
    記錯塩または複塩が分散した高分子ポリマーを、主に炭
    素、炭化珪素、珪素の骨格からなる担体を形成するため
    熱処理する工程とを順に行うことを特徴とする触媒の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも1種類の官能基が導入され
    、Siを含有する高分子ポリマー中に溶液化した
    記官能基と特異的に反応する官能基と触媒活性を有する
    金属成分とを含む化合物を混合して分散させる工程と、
    前記高分子ポリマーと前記化合物とを反応させる工程
    と、前記化合物と反応した高分子ポリマーを、主に炭
    素、炭化珪素、珪素の骨格からなる担体を形成するため
    熱処理する工程とを順に行うことを特徴とする触媒の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 Siを含有する高分子ポリマー中に
    液化した触媒活性を有する金属成分を混合して分散させ
    る工程と、前記金属成分が分散した高分子ポリマーを
    主に炭素、炭化珪素、珪素の骨格からなる担体を形成す
    るために熱処理する工程と、前記高分子ポリマーから炭
    素成分を除去する工程とを順に行うことを特徴とする触
    媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 Siを含有する高分子ポリマー中に
    液化した触媒活性を有する金属成分と炭素骨格からなる
    成分とを混合して分散させる工程と、前記金属成分と炭
    素成分とが分散した高分子ポリマーを熱処理する工程
    、炭素成分を除去する工程とを順に行うことを特徴と
    する触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 Siを含有する高分子ポリマー中に
    液化した触媒活性を有する金属成分および炭素の改質活
    性を有する金属成分とを混合して分散させる工程と、前
    記2つの金属成分が分散した高分子ポリマーを、主に炭
    素、炭化珪素、珪素の骨格からなる担体を形成するため
    熱処理する工程と、前記熱処理された高分子ポリマー
    から炭素成分を除去する工程とを順に行うことを特徴と
    する触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 Siを含有する高分子ポリマー中に
    液化した触媒活性を有する金属成分、炭素骨格からなる
    成分および炭素の改質活性を有する金属成分とを混合し
    分散させる工程と、前記2つの金属成分と炭素成分と
    が分散した高分子ポリマーを、主に炭素、炭化珪素、珪
    素の骨格からなる担体を形成するために熱処理する工程
    と、前記熱処理された高分子ポリマーから炭素成分を除
    去する工程とを順に行うことを特徴とする触媒の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記炭素成分の除去は、水蒸気改質反応
    あるいは炭酸ガスとの反応により行われることを特徴と
    する請求項5ないし7に記載の触媒の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記高分子ポリマーが、Siを主鎖に含
    むことを特徴とする請求項1ないし8に記載の触媒の製
    造方法。
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