JP5108864B2 - 裏当装置および溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、仮付けされた被溶接鋼板の溶接開先部に沿って片面自動溶接を行う際に、溶接開先部の裏面に裏当フラックスを押し当てて溶接を行うための裏当装置および溶接方法に関する。
一般に、船舶等で用いられる鋼板は、大きな鋼板面積を必要とすることから溶接によりある大きさの鋼板を繋ぎ合わせて形成されている。前記した鋼板の溶接作業で使用される片面溶接装置では、仮付けされた被溶接鋼板の溶接開先部に沿って、鋼板裏面から裏当部材を押当させる裏当装置が使用されている。
その片面溶接装置では、裏面の溶接ビードを形成するために、裏当フラックスを被溶接鋼板の裏面に押し当てながら溶接が行われる。その裏当フラックスは、搬送装置によって搬送されて供給されている。その搬送装置としては、例えば、平板状のものを半円状の形に変形しながら進行するトラフベルトと、このトラフベルトの両端に設けられてトラフベルトを帳架する一対のプーリと、トラフベルトの幅方向の両端部を支持する垂直ローラと、を備えて構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載された搬送装置のトラフベルトは、被溶接鋼板の下部に送られた際に、トラフベルトの両端部に形成した突起部を垂直ローラの一対の鍔部間に挿入されることによって支持されている。片面溶接装置では、トラフベルトの下部に配置された押圧体内に圧縮空気又は流体を充填して膨張させ、トラフベルトを上方に押し上げ、これによって上層フラックスを被溶接材の接合部分である溶接開先部の裏面に押し当て、搬送装置を裏当装置として利用して片面自動溶接が行われる。
溶接終了後は、トラフベルトを回転させ、溶接に使用したフラックスをコンベア端近傍に配置された篩い分け器上に落下させ、これによって固化フラックスを未使用フラックスから分別させて未使用フラックスを回収するようになっている。
実公昭49−8919号公報
しかし、特許文献1に記載された裏当装置では、以下に示すような問題点が存在していた。
裏当装置では、平板状のトラフベルトを一対のプーリ間で「U」字形に成型し、かつ、移動可能に支持するために、多数の垂直ローラを配置する必要がある。このような裏当装置は、トラフベルトを垂直ローラで支持する構造が複雑で、トラフベルトが損傷し易いという問題点があった。
その垂直ローラが故障した場合には、トラフベルトが正常な形状を保てなくなる。その結果、トラフベルトと被溶接鋼板との間の隙間にバラツキが生じ、トラフベルトによる被溶接鋼板の裏面への裏当フラックスの密着状態にもバラツキが生じて、裏当フラックスが被溶接鋼板に押し付けられる押圧力が弱くなり、裏当フラックスが溶接開先部の裏面にしっかりと押当しないことがあった。
それによって、従来の裏当装置では、良好な溶接裏ビード形状が得られないという問題点があった。
このため、前記した垂直ローラでトラフベルトを支持するベルトコンベアからなる搬送装置に代わって、被溶接鋼板の溶接開先部の裏面にフラックスを適宜な押圧力で安定した状態で押し当てることができる裏当部材を備えた裏当装置が要望されていた。
本発明の問題点に鑑み創案されたものであり、その課題は、片面自動溶接を行う際に、良好な溶接形状を得ることができる裏当装置および溶接方法を提供することにある。
前記した課題を解決するために、請求項1記載の裏当装置は、 被溶接鋼板の片面溶接装置で使用する裏当装置であって、前記裏当装置の全長は前記被溶接鋼板の溶接開先部以上かつ最小限度の長さに形成され、前記溶接開先部に沿って配置されるトラフフレームおよびこのトラフフレームに固定されフラックスが収納されるトラフからなる裏当部材と、加圧装置から供給された圧縮空気により膨張して前記フラックスを前記被溶接鋼板の溶接開先部の下面に押し付けるエアホースと、前記トラフフレームを上昇下降させる昇降装置と、前記昇降装置上に配置され前記トラフフレームを支持する支持構造体と、を備え、前記エアホースは、前記トラフと、当該トラフを固定するトラフフレームとの間に介在されたトラフ昇降用エアホースと、前記トラフフレームと前記支持構造体との間に設けられたトラフフレーム昇降用エアホースと、有すると共に、前記昇降装置で前記裏当部材を前記トラフの上昇端まで上昇させたときに、前記裏当部材と前記被溶接鋼板との隙間が、前記トラフ昇降用エアホースおよび前記トラフフレーム昇降用エアホースの最大膨張時の直径の75%以下となるようにすると共に、前記トラフ昇降用エアホースおよび前記トラフフレーム昇降用エアホースのエア圧力が0.05〜0.5MPaの範囲であり、前記トラフフレームには、当該トラフフレームに設けられた昇降ガイドの所定位置に配置され、前記トラフフレーム昇降用エアホースの膨張で当該トラフフレームが上昇した際に、前記支持構造体に当接することでその上昇を規制するストッパが設けられていることを特徴とする。
かかる構成によれば、裏当部材が溶接開先部以上の長さを有し、その裏当部材が溶接開先部に沿って配置される簡易な形状、材料のトラフおよびフラックスからなることによって、溶接開先部全長に亘り充分な量のフラックスが供給される。また、裏当装置は、裏当部材が、溶接開先部に沿って配置されるトラフフレームおよびトラフフレームに固定されたトラフと、このトラフ内に収納されるフラックスと、を有していることによって、トラフの幅方向の両端をトラフフレームでしっかりと支持することができるため、トラフと被溶接鋼板との間の隙間にバラツキが生じない。その結果、トラフとトラフ内のフラックスとで被溶接鋼板に適宜押圧することにより、被溶接鋼板の裏面にフラックスが押圧される。
また、かかる構成によれば、圧縮空気により膨張してフラックスを被溶接鋼板の溶接開先部の下面に押し付けるエアホースを備えていることによって、トラフと被溶接鋼板との隙間の調整が容易となる。しかも、圧縮空気による膨張を用いるため、エアホース内のエア圧力の調整による裏当フラックス押付力の調整も容易となる。
また、かかる構成によれば、トラフと被溶接鋼板との隙間が所定範囲内であって、エアホースのエア圧力が所定範囲内であることによって、フラックスの被溶接鋼板への押当状態を調整することができる。
また、トラフフレーム昇降用エアホースの膨張でトラフフレームが上昇した際に、支持構造体にストッパが当接することで、その上昇が規制される。
請求項記載の裏当装置は、請求項1に記載の裏当装置において、前記支持構造体は、前記トラフフレーム昇降用エアホースが載置され、前記昇降ガイドをガイドするガイド穴が形成された天板と、前記天板の幅方向の両側にそれぞれ上下方向に向けて設けられた側板と、前記両側の側板の間に連結され、前記昇降ガイドをガイドするガイド穴が形成された底板と、を備えていることを特徴とする。
かかる構成によれば、昇降ガイドは、トラフフレーム昇降用エアホースの膨張または収縮によって、トラフフレーム昇降用エアホースの中央部側で、支持構造体のガイド穴にガイドされてスライドし、支持構造体を水平状態で昇降させ、トラフフレームの傾斜を阻止して、水平な状態を維持させる。
請求項記載の裏当装置は、請求項1または請求項2に記載の裏当装置において、前記昇降ガイドは、棒状部材からなり、その長さが、上方向にスライド移動した際に、前記トラフフレームに保持された前記トラフを前記溶接開先部の下面に近接または当接させることができる長さに形成され、前記ストッパは、前記昇降ガイドの所定位置に固定されるナットからなる固定部材によって保持されていることを特徴とする。
かかる構成によれば、ストッパは、昇降ガイドの所定位置に固定されるナットからなることによって、昇降ガイドが所定位置まで上昇すると、ナットが支持構造体の底板の下面に当接して昇降ガイドの上昇を停止させる。
請求項記載の裏当装置は、請求項1ないし請求項3いずれか一項に記載の裏当装置において、前記トラフは、長手方向に直交する開口幅の長さが、50〜200mmの範囲であることを特徴する。
かかる構成によれば、トラフは、長手方向に直交する開口幅の長さが、50〜200mmの長さにすることによって、溶接開先部の全長に亘って充分な量のフラックスが供給されるようになる。
請求項記載の溶接方法は、片面溶接装置の裏当装置が設置されている対応位置に被溶接鋼板を移動させて配置し、前記被溶接鋼板の溶接開先部に沿って前記裏当装置の裏当部材を押当して溶接作業を行う溶接方法であって、前記被溶接鋼板の溶接開先部に向かって前記溶接開先部以上かつ最小限度の長さを有するトラフおよびトラフフレームを昇降装置により上昇させる第1工程と、前記昇降装置により上昇した裏当部材を前記トラフフレームと前記昇降装置上の支持構造体との間に配置されたトラフフレーム昇降用エアホースに圧縮空気を注入することで膨張させて、前記トラフフレームに設けられた昇降ガイドの所定位置に配置されたストッパが、前記トラフフレーム昇降用エアホースの膨張で当該トラフフレームを上昇させた際に、前記支持構造体に当接することでその上昇を規制し、前記トラフを前記溶接開先部の面に近接または押当させる第2工程と、そのトラフおよび前記トラフフレームの間に配置されたトラフ昇降用エアホースに圧縮空気を注入することで膨張させて前記トラフ内のフラックスを前記溶接開先部の面に押圧する第3工程と、前記片面溶接装置の溶接トーチにより片面溶接を行う第4工程と、を含むことを特徴とする。
かかる手順によれば、第1工程によりトラフを昇降装置で上昇させ、第2工程によりトラフフレーム昇降用エアホースを膨張させることにより溶接開先部の面にトラフを近接または押当させ、支持構造体にストッパが当接することで、トラフフレームの上昇を規制し、第3工程によりトラフ昇降用エアホースを膨張させてトラフ内のフラックスを押圧することを含むことによって、フラックスの被溶接鋼板への押当状態が良好になる。
請求項記載の溶接方法は、請求項に記載の溶接方法において、前記第4工程による片面溶接の終了後、前記トラフ昇降用エアホースおよび前記トラフフレーム昇降用エアホースを収縮させると共に、前記昇降装置を下降させ、次いで、前記トラフと前記トラフフレームの上部との間に配置されたフラックス掻き落とし用エアホースに圧縮空気を注入することで膨張させ、前記トラフ内のフラックスを押し上げる工程を含むことを特徴とする。
かかる手順によれば、トラフ内の使用済み裏当フラックスを選択的にトラフ外に押し上げ、次工程のフラックス回収台車による掻き取りにより、使用済み裏当フラックスを選択的に排除できるため、裏当フラックスの余分な消費を抑えられる経済効果が得られる。
本発明に係る裏当装置および溶接方法では、以下に示す優れた効果を奏する。
請求項1の発明は、溶接開先部全長に亘り、特に溶接始端部及び溶接終端部付近に充分な量のフラックスを押圧して、片面溶接を行う際に、良好な溶接形状を得ることができる。
また、裏当装置は、トラフと被溶接鋼板との間の隙間にバラツキが生じるのを抑制することができる。さらに、トラフとトラフ内のフラックスを被溶接鋼板に適宜な押圧して、常に、フラックスを適宜な押圧力で被溶接鋼板に押し付けた状態で密着させることができ、溶接不良が発生するのを抑制することができる。
また、請求項の発明は、エアホースを備えていることによって、トラフと被溶接鋼板との隙間の調整を容易にすることができると共に、圧縮空気による膨張を用いるため、エアホース内のエア圧力の調整も容易にすることができる。
また、請求項1の発明は、昇降装置を備えていることによって、トラフの上昇作業を容易にすることができる。また、トラフと被溶接鋼板との隙間と、その間のエア圧力とを所定範囲内にすることによって、フラックスの被溶接鋼板への密着状態および供給状態を良好にすることができる。その結果、フラックスの密着不良による溶接不良の発生を抑制して、良好な溶接形状を得ることができる。
請求項の発明は、昇降ガイドが、トラフフレーム昇降用エアホースの膨張または収縮によって、トラフフレーム昇降用エアホースの中央部側で、支持構造体のガイド穴にガイドされてスライドし、支持構造体を水平状態で昇降させ、トラフフレームの傾斜を阻止して、水平な状態を維持させることができる。
請求項の発明は、ストッパは、昇降ガイドの所定位置に固定されるナットからなることによって、昇降ガイドが所定位置まで上昇すると、ナットが支持構造体の底板の下面に当接して昇降ガイドを所定位置に停止させることができる。
請求項の発明は、トラフの開口幅の長さが、50〜200mmにすることによって、溶接開先部全線の巾に対して充分な量のフラックスが供給されるようにして、被溶接部全体を良好に溶接することができる。
請求項の発明は、トラフを昇降装置で上昇させる第1工程と、第3エアホースを膨張させることにより溶接開先部の裏面にトラフを近接または押当させる第2工程と、第1エアホースを膨張させてトラフ内のフラックスを押圧する第3工程を含むことによって、トラフ内のフラックスの量が適量よりも多少相違している場合であっても、フラックスの被溶接鋼板への押当状態を良好にして、溶接不良を解消させることができる。
請求項記載の発明は、トラフ内の使用済み裏当フラックスを選択的にトラフ外に押し上げ、次工程のフラックス回収台車による掻き取りにより、使用済み裏当フラックスを選択的に排除できるため、裏当フラックスの余分な消費を抑えられる経済効果が得られる。
本発明に係る裏当装置および溶接方法を示す断面図である。 本発明に係る裏当装置および溶接方法を示す図であり、(a)は第1エアホースおよび第2エアホースの設置状態を示す要部平面図、(b)はフラックスを被溶接鋼板に押し当てる前の状態を示す裏当部材の要部拡大断面図である。 本発明に係る裏当装置および溶接方法を示す図であり、フラックスを被溶接鋼板に押し当てた状態を示す裏当部材の要部拡大断面図である。 本発明に係る裏当装置および溶接方法を示す図であり、使用済の裏当フラックスを回収するときの裏当部材の状態を示す要部拡大断面図である。 本発明に係る裏当装置を備えた片面溶接装置の構成を示す斜視図である。 本発明に係る裏当装置と溶接する際の被溶接鋼板とを示す要部斜視図である。 図5に示す片面溶接装置の要部縦断面図である。
<裏当装置>
本発明に係る裏当装置および溶接方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、実施形態の説明において、長手方向は被溶接鋼板Eの溶接開先部Mに平行な方向、幅方向は溶接開先部Mに直交する方向とする。
図1に示すように、裏当装置10は、例えば、1辺が10〜30mの長さからなる鋼板等の被溶接鋼板Eを突き合わせた溶接開先部Mの裏面にフラックスFを押し当てる装置であって、片面サブマージアーク溶接を行なう片面溶接装置1に設置されている。
裏当装置10は、裏当部材11を有する。また、裏当装置10は、エアホース22と、支持構造体17と、昇降フレーム24と、1つのフラックス回収手段25とを備えてもよい。
以下、各構成について説明する。
裏当部材11は、図2(b)に示すように、被溶接鋼板Eを突き合わせた溶接開先部Mの裏面にフラックスFを押し当てる部分である。裏当部材11は、フラックスFと、フラックスFを保持するトラフ40と、トラフフレーム41とを備えている。図6に示すように、裏当部材11は、この裏当部材11の全長L1が被溶接鋼板Eの溶接開先部Mの長さL2以上かつ最小限度の長さであり、被溶接鋼板Eの溶接始端から溶接終端に亘って溶接可能にしている。そして、裏当部材11がこのような長さL1を有し溶接開先部Mに沿って配置されることによって、被溶接鋼板Eの溶接を行う際に、溶接開先部Mの全長に渡って充分な量のフラックスFが供給され、良好な溶接形状を得ることができる。
図2(b)に示すフラックスFは、溶接で生じる酸化物や有害物の除去、溶接部の大気遮断、溶接部形状の整形などの目的で使用される粉末状の材料である。このフラックスFは、トラフ40内に収納されて、被溶接鋼板Eの溶接部の裏面側に供給される。フラックスFは、被溶接鋼板Eの溶接開先部Mの裏面に密着される裏当フラックスF1と、この裏当フラックスF1の層の下に敷かれる下敷フラックスF2の層とをトラフ40内に積層して配置されている。
トラフ40は、片面溶接装置1のフラックス供給手段26(図5参照)から供給されたフラックスFが溶接開先部Mの下方の位置に供給されるように支持する長尺の容器状のものからなる。トラフ40は、被溶接鋼板Eの下方に溶接開先部Mに沿って配置され、正面視して略U字状、平面視して略直線状の溝に形成されている。トラフ40は、トラフフレーム41の一対のトラフ支持フレーム41a、41aの両上端部内側に、このトラフ40の上部両端部を介在して、固定プレート41bを宛がった状態で固定プレート41bと共に固定具41cによって固定されることにより、そのトラフ支持フレーム41a、41aの両上端部間に掛け渡すように配置されている。トラフ40は、その底部分が、その下方に配置された第1エアホース22a、または、第2エアホース22bの膨張により、上方向へ押し上げられたときに変形することができる素材で形成されている。
トラフ40は、長手方向に直交する開口幅Dの長さが、50〜200mmの範囲である。トラフ40は、例えば、ある程度の剛性および耐熱性を有する弾性体で構成されている。トラフ40は、例えば、外側が布からなり、内側がゴムからなる消防用ホースのようなものからなる。
図2(b)に示すように、トラフフレーム41は、縦断面視してU字状のトラフ40の底面部(下端部)を支持板42の上面から浮かした状態に、トラフ40の左右端部を保持するフレーム部材である。トラフフレーム41は、トラフ40の左右両側に立設されたトラフ支持フレーム41a、41aと、このトラフ支持フレーム41a、41aにトラフ40を固定するための固定プレート41b、41bと、固定プレート41b、41bをトラフ支持フレーム41a、41aに固定するための固定具41c、41cと、前記トラフ支持フレーム41a、41aを立設させる支持板42と、支持板42の下面中央部に垂下された昇降ガイド21と、を一体に固定してなる。このトラフフレーム41は、後記する第3エアホース22cの膨張および収縮と、昇降装置23との2種類の昇降手段によって、上昇および下降するように構成されている。
トラフ支持フレーム41a、41aは、支持板42の上面に垂直に設けられた一対の長尺の厚板部材であり、被溶接鋼板Eの溶接開先部Mに沿って左右となる位置に延設されている。
固定プレート41b、41bは、トラフ支持フレーム41a、41aの左右内壁の上端部にトラフ40を介在した状態で宛がうように配置される板状保持部材であり、トラフ支持フレーム41a,41aの上部に沿って細長く形成されている。
固定具41c、41cは、その固定プレート41b、41bをトラフ支持フレーム41a、41aに締結するボルト等からなる。
図2(a)、(b)に示すように、支持板42は、トラフ支持フレーム41a、斜面板43、エアホース22を載置して裏当部材11の長手方向に亘って形成される長尺板であって、支持構造体17の上部に対して上下動可能な状態に水平に配置される厚板部材である。この支持板42上のトラフ支持フレーム41a、41a間には、第1エアホース22a、第2エアホース22b、ホースバンド22dおよびホースバンド固定用クリップ22eが載置されている。支持板42上のトラフ支持フレーム41a、41aの外側上方には、落下したフラックスFをさらに下方に誘導するための斜面板43が配置されている。支持板42は、第3エアホース22cが収縮している際に、下面の左右端部が支持構造体17の側板19、19によって支持されている。図3に示すように、支持板42は、第3エアホース22cが膨張した際に、膨張した一対の第3エアホース22c、22cによって押し上げられる。
昇降ガイド21は、支持板42が上昇下降するときに、支持板42をガイドするものである。この昇降ガイド21は、支持板42の下面中央から垂下して設置され、支持構造体17の天板20および底板18に上下動可能に挿入されて支持される支柱からなり、エアホース22の長手方向に所定間隔で多数配置されている。昇降ガイド21は、上端部が支持板42に固定され、下端部側が天板20および底板18に形成されたガイド穴27、27を挿通して、支持構造体17の側板19に沿ってガイドされるように形成されている。
昇降ガイド21は、例えば、棒状部材からなり、その長さは、上方向にスライドした際に、トラフフレーム41に保持されたトラフ40を溶接開先部Mの裏側に近接または当接させるのに十分な長さを有する。昇降ガイド21は、この昇降ガイド21の下端部に、ガイド穴27、27より大径に形成されて、昇降ガイド21が上昇した際に、支持構造体17の底板18の下面に当接するストッパ21cと、ストッパ21cを昇降ガイド21の所定位置に固定するためのナット等からなる固定部材21aと、を有している。
昇降ガイド21は、第3エアホース22c、22cの膨張または収縮によって、第3エアホース22cの中央部側で、支持構造体17のガイド穴27、27にガイドされてスライドし、支持板42を水平状態で昇降させ、トラフフレーム41の傾斜を阻止して、水平な状態を維持させている。
図3および図4に示すように、エアホース22は、このエアホース22内に送り込まれる圧縮空気による膨張または収縮によって高さが可変するホースであり、フラックスFを収納したトラフ40を直接または間接的に上昇下降させて、フラックスFを被溶接鋼板Eの溶接開先部Mの裏面に押し付けるための昇降手段の機能を果たす。エアホース22は、1本の第1エアホース22aと、1本の第2エアホース22bと、2本の第3エアホース22cの合計4本で、三種類のホースからなる。第1エアホース22a、第2エアホース22bおよび第3エアホース22cは、加圧装置(図示せず)にそれぞれ接続されて、圧縮空気が供給されるようになっている。
第1エアホース22a、第2エアホース22b、ホースバンド22dおよびホースバンド固定用クリップ22eは、断面U字状のトラフ40の下方に、断面視して凹状に形成されたトラフフレーム41の内底上に載設されている。第1エアホース22aおよび第2エアホース22bは、トラフ40とトラフフレーム41の上部との間で、第1エアホース222aより小径の第2エアホース22bが第1エアホース22aと縦の配列となるように上下に重ねた状態で、トラフフレーム41の長さ方向に沿って配置されている。
図3に示すように、第1エアホース22aは、膨張および収縮することによってフラックスFを収納したトラフ40を上昇下降させるものである。第1エアホース22aは、トラフ40の下部とトラフフレーム41の上部との間にトラフフレーム41に沿って延在され、溶接を行う際に、加圧装置(図示せず)から圧縮空気が送り込まれて膨張すると、トラフ40の底面を上方方向に押し上げて、フラックスFを被溶接鋼板Eの裏面に押し付ける。図2(a)に示すように、第1エアホース22aの外径D1は、第2エアホース22bの外径D2より大きく形成され、エアホース22で中央部が押し上げられる際のトラフ40の上下方向の最大ストローク幅となる。
図4に示すように、第2エアホース22bは、膨張および収縮することによってフラックスFを収納したトラフ40を上昇下降させるものである。第2エアホース22bは、第1エアホース22aの下部の支持板42上に載設され、トラフ40に沿って延在され、溶接後に固化した上層の使用済の裏当フラックスF1を回収する際に、加圧装置(図示せず)から圧縮空気が送り込まれて膨張するとトラフ40の下端部を上方方向に押し上げる。第2エアホース22bは、ホースバンド22dと、ホースバンド固定用クリップ22eとによって保持されている(図2(a)参照)。第2エアホース22bは、溶接によって固化したフラックスFをトラフフレーム41の上端部よりも上方に持ち上げるだけの短いストロークがあればよいので、第1エアホース22aよりも小さい外径D2(図2(a)参照)のホースで構成されている。第2エアホース22bの最大膨張時の直径B2は、外径D2が上下方向の最大ストローク幅である。
図3に示すように、第3エアホース22c、22cは、膨張および収縮することによって支持板42およびトラフ支持フレーム41a、41aを介在して、フラックスFを収納したトラフ40を上昇下降させるものである。第3エアホース22c、22cは、トラフフレーム41に沿って延在され、溶接を行う際に、加圧装置(図示せず)から圧縮空気が送り込まれて膨張すると、トラフフレーム41の底面を上方方向に押し上げて、トラフフレーム41に保持されたトラフ40を被溶接鋼板Eの裏面に近接または当接させる。第3エアホース22c、22cは、トラフフレーム41の一部である支持板42と、昇降装置23(図1参照)の上に載設された支持構造体17の天板20との間において、その天板20の中央部に配置された昇降ガイド21を中心として左右に分けて載置された一対のホースからなる。
図2(a)に示すように、ホースバンド22dは、第2エアホース22bを凹部状のトラフフレーム41の内底中央部に保持するための部材である。ホースバンド22dは、ホースバンド固定用クリップ22eに第2エアホース22bの幅間隔で形成された一対の切欠部22f、22fを通すようにして配置することによって、ホースバンド固定用クリップ22eおよび第2エアホース22bを抱持している。
ホースバンド固定用クリップ22eは、このホースバンド固定用クリップ22eにホースバンド22dによって固定された第2エアホース22bを、支持板42上に保持するための部材である。このホースバンド固定用クリップ22eは、凹部状のトラフフレーム41の内底に設置または係合されている。
前記加圧装置(図示せず)は、第1エアホース22a、第2エアホース22bおよび第3エアホース22cにそれぞれチューブ(図示せず)を介して接続されて、それぞれに圧縮空気を供給する圧縮空気供給装置であり、例えば、コンプレッサからなる。さらに、加圧装置と、第1エアホース22a、第2エアホース22bおよび第3エアホース22cの間にはそれぞれ圧縮空気を送って膨張および収縮させるために、それぞれの内部圧力を個別に制御するエア供給制御装置(図示せず)がある。
図3に示すように、支持構造体17は、この支持構造体17の上部に裏当部材11を搭載するフレームであって、裏当部材11の長手方向に沿って延設する天板20と、天板20の幅方向の両側で立設される側板19と、両方の側板19、19の間に連結される底板18とから構成されている。
天板20は、裏当部材11の長手方向全長に亘って延設し、その上部に第3エアホース22c、22cが配置され、第3エアホース22c、22cの幅方向の中央部側には昇降ガイド21をガイドするガイド穴27が形成されている。
図1に示すように、底板18は、後記する昇降フレーム24の上部に配置された裏当ローラ部24aに支持され、溶接開先部Mに対する裏当部材11の幅方向の位置を調整する。その底板18には、上昇した際の昇降ガイド21のストッパ21cが底板18に当接する。したがって、底板18は、長手方向全長に亘って設ける必要はなく、裏当ローラ部24aに支持される所定の長さを有していればよい。
そして、支持構造体17は、底板18に係合する係合部を備えた駆動機構(図示せず)によって、裏当ローラ部24aの上を幅方向に水平移動する。
図1に示すように、昇降フレーム24は、支持構造体17の直下に配置され、鉛直方向に昇降するフレームであって、昇降装置23に支持されると共に、上部に裏当ローラ部24aが配置されている。昇降フレーム24は、形鋼および板材を接合して略箱状に枠組されており、幅方向に延設された下辺フレーム24bと、下辺フレーム24bの両端に梯子状に形成された側部フレーム24c、24cと、側部フレーム24c、24cの間に介設された一対の挟持板24d、24dとを有する。一対の挟持板24d、24dは、裏当部材11の長手方向に所定の間隔で離間して、裏当ローラ部24aを挟持し、下端には昇降装置23の上端が当接して支持されている。また、一対の挟持板24d、24dは、側部フレーム24cの全長に亘って、所定の間隔をあけて複数個並設されている。さらに、下辺フレーム24bには、昇降装置23が挿通されている。
フラックス回収手段25は、昇降フレーム24の内部に配置され、溶接開先部Mの溶接後に掻き落とされた使用済みフラックスFを回収するものである。フラックス回収手段25は、昇降フレーム24の上方に拡開したテーパ部25aと、回収したフラックスFを外部に排出するスクリュー状のコンベア部25bとからなる。
前記裏当装置10は、トラフフレーム41を上昇下降させる昇降装置23を備えると共に、トラフ40と昇降装置23上の支持構造体17との間に前記エアホース22からなる昇降手段を設けている。その裏当装置10は、昇降装置23で裏当部材11をその上昇端まで上昇させたときに、トラフフレーム41の上面と被溶接鋼板Eの裏面との隙間S(図2(b)参照)が、第1エアホース22aおよび第3エアホース22cが円筒状に膨張した最大膨張時の直径の75%以下の高さB1、B3となるようにすると共に、第1エアホース22aおよび第3エアホース22cのエア圧力が0.05〜0.5MPaの範囲になるように設定されている。
なお、裏当装置10において、昇降装置23によるトラフ40の上昇後のトラフ40の上昇端の位置を規定した理由は、以下のとおりである。
図2(b)に示すように、フラックスF(裏当部材11)と被溶接鋼板Eの裏面との隙間Sが第3エアホース22cの最大膨張時の直径の75%を超える場合には、隙間Sが大きすぎて、第1エアホース22aおよび第3エアホース22cの膨張による溶接開先部MへのフラックスFの供給量が少なく、押圧力が弱いため、裏ビード不良、溶落が発生しやすくなる。したがって、隙間Sは、第1エアホース22aおよび第3エアホース22cの最大膨張時の直径の前記75%以下が好ましい。
また、裏当装置10において、エアホース22の膨張時のエア圧力を規定した理由は、以下のとおりである。
エア圧力が0.05MPa未満の場合には、溶接開先部MへのフラックスFの押当力が小さいため、裏ビード不良、溶落が発生しやすくなる。エア圧力が0.5MPaを超える場合には、トラフ40の被溶接鋼板Eの裏面への押し付けが過剰となり、被溶接鋼板Eの持ち上がりが発生するため、溶接割れが発生しやすくなる。したがって、エア圧力は前記0.05〜0.5MPaが好ましい。
図5に示すように、裏当装置10は、トラフ40(図2(b)参照)にフラックスFを供給するフラックス供給手段26を備えている。このフラックス供給手段26は、例えば、フラックスFを供給するホッパと、トラフ40上をその長さ方向に沿って無端チェーン等の駆動により移動することによって下敷フラックスF2(図2(b)参照)および裏当フラックスF1をトラフ40上に散布し、固化したフラックスFを掻き落として回収する台車と、からなる。
<片面溶接装置>
次に、本発明に係る片面溶接装置1について説明する。
図1、図5および図7に示すように、片面溶接装置1は、裏当部材11を有する裏当装置10と、架台フレーム104と、搬送および固定手段105と、溶接機30とを備えている。
架台フレーム104は、鋼製の角材を枠組みして、断面視凹状を呈するように形成されており、上方が開放され内部に裏当装置10が支持され、裏当装置10の長手方向に沿って延設されるフレームである。架台フレーム104は、長手方向に沿って並設された2本の主梁104aと、主梁104a、104aの間に直角に連結された連結梁104bと、連結梁104bに垂直に立設された連結梁104cと、主梁104a、104aの上方で、それぞれ平行に設置された補助梁104d、104dと、補助梁104d、104dから裏当装置10の反対側に向かって張出した片持梁104eとを備えている。また、架台フレーム104は、連結梁104bの下方に台車部108が設置され、裏当装置10の長手方向に所定の間隔をあけて並設された複数のレール107の上を台車部108が移動することによって、裏当装置10の幅方向に移動する。
搬送および固定手段105は、架台フレーム104の補助梁104dの上部に配置され、裏当装置10の上方で被溶接鋼板Eを水平移動させるもので、パネル移動ローラ105a、マグネット装置105b等で構成されている。また、搬送および固定手段105による被溶接鋼板Eの搬送を補助するために、架台フレーム104の上部(片持梁104e)には、補助ローラ106が配置されている。
図7に示すように、溶接機30は、裏当装置10の上方に配置され、溶接開先部Mの表側から被溶接鋼板Eを溶接するものである。溶接機30は、裏当装置10の裏当部材11の長手方向に沿って延設される溶接機ビーム101を走行する走行台車31と、走行台車31に移動可能に取り付けられた調整治具32と、調整治具32に取り付けられた溶接トーチ33とを備えている。
そして、走行台車31にベアリング31aが固定され、固定されたベアリング31aを介して調整治具32に設けられたレール32aが移動することによって、調整治具32が裏当部材11の幅方向に移動し、調整治具32に取り付けられた溶接トーチ33が移動する。なお、溶接機30では、ベアリング31aが固定され、ベアリング31aを介して、レール32aと共に調整治具32(溶接トーチ33)が裏当部材11の幅方向に移動するが、レール32aが走行台車31に固定され、ベアリング31aが調整治具32と共に移動しても良い。
<溶接方法>
次に、裏当装置10を備えた片面溶接装置1を用いた溶接方法について、図1〜図7を参照して説明する。
本発明に係る溶接方法は、裏当装置10が設置されている位置に被溶接鋼板Eを移動させて配置し、被溶接鋼板Eの溶接開先部Mに沿って裏当装置10の裏当部材11を押当して溶接作業を行うものである。具体的には、トラフ40を上昇させる第1工程と、第3エアホース22cに圧縮空気を注入することで膨張させてトラフ40の上端を溶接開先部Mの裏面に近接または当接する第2工程と、第1エアホース22aを膨張させトラフ40内のフラックスFを溶接開先部Mの裏面に押圧する第3工程と、片面溶接を行う第4工程を含むものである。以下、各工程について説明する。
本発明の溶接方法においては、前記第1〜4工程に先立って、フラックスFの供給と、被溶接鋼板Eの位置調整を行う準備工程を含むことが好ましい。
(準備工程)
図5に示すフラックス供給手段26から裏当部材11のトラフ40内にフラックスFを供給する。その際、第1エアホース22a、第2エアホース22bおよび第3エアホース22cは、図2(b)に示すように、収縮した状態にある。このため、フラックスFを収納したトラフ40は、下端部がフラックスFの重さでトラフフレーム41から垂れ下がった状態にある。また、トラフフレーム41は、支持板42が側板19、19の上端に載置されて下降した状態にする。
フラックスFを供給するときは、フラックス供給手段26を支持する無端チェーン等(図示せす)を駆動し、フラックス供給手段26をトラフ40の長手方向に沿って走行させながら、ホッパに収容された下敷フラックスF2および裏当フラックスF1を、順次散布して、裏当部材11(トラフ40)にフラックスFを供給する。
そして、図1に示すように、パネル移動ローラ105aおよび補助ローラ106により、仮付けされた被溶接鋼板E、Eを移動させ、裏当装置10の上方に被溶接鋼板E、Eによって形成された溶接開先部Mを位置させる。そして、図示しない駆動装置を作動させて溶接開先部Mの直下にトラフ40が位置するように裏当部材11の幅方向の微調整を行う。
具体的には、裏当部材11を搭載した支持構造体17を、この支持構造体17の直下に配置された昇降フレーム24の上部に配置された裏当ローラ部24aの上で幅方向に水平移動させる。
その幅方向の微調整が終了したら、マグネット装置105bを起動させて、被溶接鋼板Eを、磁気によって下方に引き付けて固定する。このとき、各エアホース22は、前記同様、収縮した状態にある。このため、トラフ40およびトラフフレーム41は、下降した状態になっている。
(第1工程)
図1に示すように、昇降装置23を駆動させて、フラックスFが保持され被溶接鋼板Eの溶接開先部Mに向かって溶接開先部Mの長さL2以上かつ最小限度の長さL1を有するトラフ40を、被溶接鋼板Eの近傍の所定位置まで上昇させる。
本発明において、所定位置とは、昇降装置23で裏当部材11をトラフ40の上昇端まで上昇させたときに、裏当部材11と被溶接鋼板Eとの隙間Sが、第3エアホース22cの最大膨張時の直径の75%以下となる位置をいう。
(第2工程)
図3に示すに示すように、トラフフレーム41の支持板42と昇降装置23上の支持構造体17の天板20との間に配置された2本の第3エアホース22c、22cに、加圧装置(図示せず)によって圧縮空気を注入することで膨張させる。第3エアホース22c、22cの膨張に伴って、昇降ガイド21が、第3エアホース22c、22cの中央部側で、天板20および底板18のガイド穴27、27にガイドされながら上昇して、昇降ガイド21の上端部に固定された支持板42を高さH(図2(b)参照)押し上げて、トラフフレーム41全体が高さH上昇する。
そして、第3エアホース22cの膨張は、昇降ガイド21の下端部に設けられたストッパ21cが、支持構造体17の底板18の下面に当接するまで行う。このとき、支持板42の押し上げによって、支持板42と一体のトラフ支持フレーム41a、41aおよびトラフ40が同時に上昇して、トラフ40の上端が被溶接鋼板Eの溶接開先部Mの裏側に近接または当接する位置まで上昇される。
つまり、トラフ40内に収納したフラックスFの量が多少少なく、トラフ40からの盛り上りが無い場合、トラフ40の上端が溶接開先部Mの裏側に押当する位置まで上昇する。
また、トラフ40内に収納したフラックスFの量が多少多く、トラフ40からの盛り上りが大きい場合には、トラフ40の上端が被溶接鋼板Eの溶接開先部Mの裏側の近接した位置まで上昇させて、裏当フラックスF1が溶接開先部Mの裏側に押し付けた状態になる。
(第3工程)
加圧装置(図示せず)によって第1エアホース22aに空気を導入し、第1エアホース22aを膨張させる。トラフ40の下側に配置された第1エアホース22aの膨張によって、フラックスFを収納したトラフ40の下端部が、押し上げられ、フラックスFが被溶接鋼板Eに接触する高さまで完全に押し上げられて、フラックスFが、適宜な押圧力で被溶接鋼板Eの溶接開先部Mの裏側に押し当てられる。
(第4工程)
そして、図7に示すように、溶接機30を溶接機ビーム101の上を所定速度で移動させながら、溶接開先部Mの表側から溶接トーチ33によって片面溶接を施して、被溶接鋼板E、Eを溶接する。
次に、溶接開先部Mが複数ある場合には、第1エアホース22aおよび第3エアホース22c内の空気を排出して、昇降ガイド21、支持板42およびトラフ40を降下させ、フラックスFを被溶接鋼板Eの裏側から引き離す。そして、昇降装置23で昇降フレーム24を降下させ、裏当部材11を被溶接鋼板Eの裏側からさらに下降させ、裏当フラックスF1を被溶接鋼板Eの裏面から引き離す。次に、トラフ40上面の裏当フラックスF1の使用済み部分の除去を行い、次いで前記フラックス供給手段26に繋がる無端チェーン等(図示せず)を駆動して、トラフ40の上面に新しい裏当フラックスF1の供給を行う。そして、次の溶接開先部Mの直下にフラックスFおよびトラフ40が位置するように微調整を行い(準備工程を行い)、前記第1〜第4工程を行う。このような動作を、溶接開先部Mがなくなるまで数回行う。
(フラックスを回収する場合)
なお、溶接機30で溶接した後、裏当フラックスF1は溶接熱により固化する。そして、次の溶接をするために、固化した裏当フラックスF1を除去し、トラフ40内の上層に新しい裏当フラックスF1を補充する必要がある。このとき、下敷フラックスF2はそのまま使用されるので、固化した裏当フラックスF1を除去するときはできるだけ下敷フラックスF2を残しておくことよい。
なお、トラフ40から固化した裏当フラックスF1を除去するために、第1エアホース22aを膨らませてその裏当フラックスF1を掻き落とすこともできるが、多量の下敷フラックスF2を一緒に掻き落としてしまう場合がある。また、このような不都合を防止するために、第1エアホース22aを完全に膨らませるのではなく、半分程度膨らませる方法が考えられるが、この場合は、第1エアホース22aが膨れる程度が全長で一定せず、固化した裏当フラックスF1を十分に回収できない箇所や、下敷フラックスF2を多量に掻き落としてしまう箇所が生じることがある。
そこで、図4に示すように、トラフ40内のフラックスFをトラフ40の全長L1に亘って第1エアホース22aの半分程度の持ち上げ幅で均一に持ち上げることが可能な第2エアホース22bを使用して、トラフ40内のフラックスFを持ち上げる。
固化した使用済の裏当フラックスF1を回収する場合は、昇降装置23によりトラフフレーム41を下降させ、トラフ40の上方に所定の空間を確保した後に行う。この場合、図4に示すように、第1エアホース22aおよび第3エアホース22c、22cを収縮させてトラフフレーム41全体を下降させた状態で、第2エアホース22bに加圧装置(図示せず)から圧縮空気を送って膨張させ、フラックスFを上昇させてから行う。
そのフラックスFを回収する際には、フラックス回収手段25、裏当部材11のトラフ40、トラフフレーム41、第2エアホース22bおよび支持構造体17を使用する。
この場合、図4に示したように、使用済みとなった裏当フラックスF1は、第2エアホース22bを膨張させることにより、トラフ40の上面に盛り上がった状態となり、その盛り上がり部分をフラックス供給手段26に付属したフラックス掻き落とし器(図示せず)にて、裏当フラックスF1の表面を掻き落として一定高さにした後、フラックス供給手段26によって、新しい裏当フラックスF1を撒いて補充する。掻き落としたフラックスFはフラックス回収手段25によって回収する。
固化したフラックスFの回収が終了した後は、第2エアホース22bから圧縮空気を抜き収縮した状態にする。その結果、トラフ40には除去したフラックスFに相当する窪みが生じるので、その部分に新しい裏当フラックスF1をフラックス供給手段26によりトラフ40に供給する。なお、下敷フラックスF2は、溶接熱によって固化しないので、繰返し使用することができる。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更は可能である。
例えば、前記の裏当装置10および片面溶接装置1は、被溶接鋼板Eを幅方向(裏当装置10の長手方向に直交する方向)に移動するようにさせてもよい。
また、昇降ガイド21は、棒状部材として説明したが、その形状は板状であっても構わない。
1 片面溶接装置
10 裏当装置
11 裏当部材
17 支持構造体
22 エアホース
22a 第1エアホース
22b 第2エアホース
22c 第3エアホース
24 昇降フレーム
23 昇降装置
33 溶接トーチ
40 トラフ
41 トラフフレーム
B1 第1エアホースの膨張高さ
B2 第2エアホースの膨張高さ(最大膨張時の直径)
B3 第3エアホースの膨張高さ
D トラフの開口幅の長さ
D1 第1エアホースの外径
D2 第2エアホースの外径
E 被溶接鋼板
F フラックス(裏当部材)
F1 裏当フラックス
F2 下敷フラックス
L1 裏当装置の全長
L2 溶接開先部の長さ
M 溶接開先部
S 裏当部材と被溶接鋼板との隙間

Claims (6)

  1. 被溶接鋼板の片面溶接装置で使用する裏当装置であって、
    前記裏当装置の全長は前記被溶接鋼板の溶接開先部以上かつ最小限度の長さに形成され、前記溶接開先部に沿って配置されるトラフフレームおよびこのトラフフレームに固定されフラックスが収納されるトラフからなる裏当部材と、
    加圧装置から供給された圧縮空気により膨張して前記フラックスを前記被溶接鋼板の溶接開先部の下面に押し付けるエアホースと、
    前記トラフフレームを上昇下降させる昇降装置と、
    前記昇降装置上に配置され前記トラフフレームを支持する支持構造体と、を備え、
    前記エアホースは、前記トラフと、当該トラフを固定するトラフフレームとの間に介在されたトラフ昇降用エアホースと、
    前記トラフフレームと前記支持構造体との間に設けられたトラフフレーム昇降用エアホースと、有すると共に、
    前記昇降装置で前記裏当部材を前記トラフの上昇端まで上昇させたときに、前記裏当部材と前記被溶接鋼板との隙間が、前記トラフ昇降用エアホースおよび前記トラフフレーム昇降用エアホースの最大膨張時の直径の75%以下となるようにすると共に、前記トラフ昇降用エアホースおよび前記トラフフレーム昇降用エアホースのエア圧力が0.05〜0.5MPaの範囲であり、
    前記トラフフレームには、当該トラフフレームに設けられた昇降ガイドの所定位置に配置され、前記トラフフレーム昇降用エアホースの膨張で当該トラフフレームが上昇した際に、前記支持構造体に当接することでその上昇を規制するストッパが設けられていることを特徴とする裏当装置。
  2. 前記支持構造体は、前記トラフフレーム昇降用エアホースが載置され、前記昇降ガイドをガイドするガイド穴が形成された天板と、
    前記天板の幅方向の両側にそれぞれ上下方向に向けて設けられた側板と、
    前記両側の側板の間に連結され、前記昇降ガイドをガイドするガイド穴が形成された底板と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載の裏当装置。
  3. 前記昇降ガイドは、棒状部材からなり、その長さが、上方向にスライド移動した際に、前記トラフフレームに保持された前記トラフを前記溶接開先部の下面に近接または当接させることができる長さに形成され、
    前記ストッパは、前記昇降ガイドの所定位置に固定されるナットからなる固定部材によって保持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の裏当装置。
  4. 前記トラフは、長手方向に直交する開口幅の長さが、50〜200mmの範囲であることを特徴する請求項1ないし請求項3いずれか一項に記載の裏当装置。
  5. 片面溶接装置の裏当装置が設置されている対応位置に被溶接鋼板を移動させて配置し、前記被溶接鋼板の溶接開先部に沿って前記裏当装置の裏当部材を押当して溶接作業を行う溶接方法であって、
    前記被溶接鋼板の溶接開先部に向かって前記溶接開先部以上かつ最小限度の長さを有するトラフおよびトラフフレームを昇降装置により上昇させる第1工程と、
    前記昇降装置により上昇した裏当部材を前記トラフフレームと前記昇降装置上の支持構造体との間に配置されたトラフフレーム昇降用エアホースに圧縮空気を注入することで膨張させて、前記トラフフレームに設けられた昇降ガイドの所定位置に配置されたストッパが、前記トラフフレーム昇降用エアホースの膨張で当該トラフフレームを上昇させた際に、前記支持構造体に当接することでその上昇を規制し、前記トラフを前記溶接開先部の面に近接または押当させる第2工程と、
    そのトラフおよび前記トラフフレームの間に配置されたトラフ昇降用エアホースに圧縮空気を注入することで膨張させて前記トラフ内のフラックスを前記溶接開先部の面に押圧する第3工程と、
    前記片面溶接装置の溶接トーチにより片面溶接を行う第4工程と、を含むことを特徴とする溶接方法。
  6. 前記第4工程による片面溶接の終了後、前記トラフ昇降用エアホースおよび前記トラフフレーム昇降用エアホースを収縮させると共に、前記昇降装置を下降させ、次いで、前記トラフと前記トラフフレームの上部との間に配置されたフラックス掻き落とし用エアホースに圧縮空気を注入することで膨張させ、前記トラフ内のフラックスを押し上げる工程を含むことを特徴とする請求項に記載の溶接方法。
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