JP5108807B2 - 粉粒体供給装置 - Google Patents
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Description
[1] 粉粒体からなる被搬送物を風力搬送によって搬送する供給経路としての搬送ダクトと、その供給経路とは別に粉粒体からなる被搬送物を風力搬送によって搬送する排出経路としての排出ダクトとを備え、搬送ダクト側と排出ダクト側との何れかに電動ブロアの送風方向を切り換えて、被搬送物を供給経路に供給するか、排出経路から取り出すかを選択できるようにしたもの(たとえば特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来の構造のものでは、電動ブロアから搬送ダクト側と排出ダクト側とに搬送風を供給する際の分岐用の経路内における流路断面積が、搬送ダクトや排出ダクトの流路断面積と同程度に形成されていた。このため、各ダクトに対する電動ブロア及び経路切換弁の配設位置や送風方向が一方のダクト側に偏った状態であると、他方側のダクト内に供給される搬送風の供給圧が大きく低下して、搬送性能が低下する虞があった。
したがって、このような構造のものでは、電動ブロアからの搬送風供給圧として、何れの側のダクト内流路でも所要の圧が作用するように、各ダクトに対する電動ブロア及び経路切換弁の配設位置や送風方向を厳密に設定する必要があり、電動ブロア及び経路切換弁の配設位置や姿勢の取付精度を向上させなければならない煩わしさがあった。
〔解決手段1〕
本発明の粉粒体供給装置は、粉粒体からなる被搬送物を風力搬送によって搬送する供給経路と、その供給経路とは別に粉粒体からなる被搬送物を風力搬送によって搬送する排出経路とを備えるとともに、起風用の電動ブロアから供給される搬送風を前記供給経路と排出経路とに選択して送り込む分岐経路を備え、前記分岐経路の断面積を前記供給経路及び排出経路の断面積よりも大きくしたものである。
上記のように、起風用の電動ブロアから供給される搬送風を前記供給経路と排出経路とに選択して送り込む分岐経路の断面積を、供給経路や排出経路の流路断面積よりも大きくしたことにより、次のような作用及び効果がある。
すなわち、電動ブロアから供給される搬送風の全量がそのまま流路断面積や流動方向を変化させることなく供給経路もしくは排出経路に供給される場合には、搬送風の全圧が選択された経路側に導入されることになる。しかしながら、搬送風の動圧の影響が最も大きい分岐経路で搬送風の導入すべき経路を選択する構造では、電動ブロアや経路切換弁の取付位置や姿勢などの取付精度による影響で、動圧が大きく変化して、選択した経路側での全圧が所定通りに設定されないことがある。
これに対して本発明では、電動ブロアから供給される搬送風の動圧の影響が最も大きい分岐経路内に流路断面積の大きい部分を設けて、この箇所で動圧の一部を静圧に変化させることにより、全圧中の静圧の割合を大きくしている。このように、搬送風の全圧のうちで、電動ブロアや経路切換弁の位置や姿勢による影響を受けにくい静圧の占める割合を増すことで、取付精度による影響を少なくすることができる。
また、このように電動ブロアや経路切換弁の位置や姿勢による影響を少なくすることにより、設計上の自由度が増す点でも有用である。
解決手段2にかかる発明では、上記の粉粒体供給装置において、車体フレーム側に固定設置された固定枠部と、その固定枠部に対して水平方向に沿う横軸心周りに傾動して姿勢変更可能な可動枠部とで構成された支持枠を備え、粉粒体の貯留部と、その粉粒体を所定量ずつ送り出す繰り出し機構とからなる粉粒体送り出し装置を、前記可動枠部側に支持させて姿勢変更可能に構成するとともに、起風用の電動ブロアと、分岐経路、供給経路、及び排出経路を備える導風管とからなる起風搬送手段を前記可動枠部側に支持させてあることを特徴とする。
解決手段2にかかる発明では、粉粒体送り出し装置と起風搬送手段とを共に、固定枠部に対して水平方向に沿う横軸心周りに傾動して姿勢変更可能な可動枠部側に支持させてある。そのため、前記粉粒体送り出し装置を前記横軸心周りで傾倒させたメンテナンス作業時に、前記起風搬送手段も同様に前記横軸心周りで傾倒させた姿勢となるので、このメンテナンス作業時にも起風搬送手段を用いることができる。
その結果、メンテナンス作業時に前記電動ブロアによる搬送風を、残留粉粒体の排出の他、排出ダクト部分や粉粒体貯留部の掃除や、水洗い後の乾燥用などにも利用することができる利点がある。
解決手段3にかかる発明では、上記の粉粒体供給装置において、可動枠部の回動支点である横軸心方向視で、この横軸心と重なる位置に電動ブロアを配設してあることを特徴とする。
解決手段3にかかる発明では、可動枠部の回動支点である横軸心と重なる位置に電動ブロアを配設してあるので、可動枠部ごと前記粉粒体送り出し装置と起風搬送手段とを傾動させても、前記電動ブロアは、前記横軸心周りで回動してその傾きを変化させるだけであまり大きく移動しない。
したがって、比較的大きな電動ブロアを移動させるようにしたものでありながら、その電動ブロアがあまり大きく移動することを避けられ、この電動ブロアを移動させるためのスペースを走行機体上に確保する必要がなく、スペースの利用効率上のロスを避けられる利点がある。
解決手段4にかかる発明では、上記の粉粒体供給装置において、繰り出し機構を内装する繰り出しケース側の粉粒体排出口を、繰り出し機構を構成する繰り出しロールの軸心と繰り出しケース上端との間の位置に設けてあることを特徴とする。
解決手段4にかかる発明では、繰り出しケース側の粉粒体排出口を、繰り出し機構を構成する繰り出しロールの軸心と繰り出しケース上端との間の位置に設けてあるので、粉粒体送り出し装置の回動支点周りの傾動によって貯留部に残留する粉粒体の殆どを排出することができる。したがって、貯留部からの残留粉粒体の排出を効率良く行うことができ、メンテンス作業を能率良く行える利点がある。
解決手段5にかかる発明では、上記の粉粒体供給装置において、可動枠部の回動支点である横軸心は、前後方向で繰り出しロールよりも粉粒体排出口側寄りの箇所に設けてあることを特徴とする。
解決手段5にかかる発明では、可動枠部の回動支点である横軸心は、前後方向で繰り出しロールよりも粉粒体排出口側寄りの箇所に設けてあるので、粉粒体送り出し装置の前記回動支点周りでの傾動によって、回動支点から遠い位置の繰り出しロール側が大きく上方側へ移動し、回動支点に近い側の粉粒体排出口は、相対的に低く位置することになる。
その結果、繰り出しロールの上部付近に残留する粉粒体が、より確実に粉粒体排出口側へ排出されやすくなる利点がる。
〔作業機の全体構成〕
図1及び図2は、本発明の粉粒体供給装置Aを適用した作業機の一例である乗用型田植機を示している。
この乗用型田植機は、操向操作自在な左右一対の前輪11及び左右一対の後輪12を備えた走行機体1の車体フレーム10の前部側に、エンジン13及びミッションケース14を備えている。走行機体1の中央部にステアリングハンドル等を装備した操縦部15と運転座席16とを設け、走行機体1を構成する車体フレーム10の後部における後部ステップ18上に前記粉粒体供給装置Aが配置されている。
図2に示すように、苗植付装置2は8条植えに構成されており、4個の植付伝動ケース20、植付伝動ケース20の左右両側に回転駆動自在に支持される回転ケース21、回転ケース21の両端に配備される一対の植付爪22、5個の接地フロート23、及び苗のせ台24等によって構成してある。
次に、粉粒体供給装置Aの構成について説明する。
粉粒体供給装置Aは、被搬送物である粉粒体としての肥料を貯留して所定量ずつ繰り出し供給するための施肥装置3と、風力で粉粒体を作業装置B側に搬送するための起風搬送手段4とによって構成されている。これらの施肥装置3及び起風搬送手段4が、図1及び図2に示すように、走行機体1の後部で、運転座席16の後側近くにおいて左右に並べて配置され、車体フレーム10上に設けた支持枠5によって支持されている。
施肥装置3は、図3乃至図5に示すように、肥料を貯留する透明樹脂製の肥料ホッパー30と、その肥料ホッパー30の下側に配置された4個の肥料繰出し機構32を内装する繰り出しケース31とを備えている。
前記肥料繰出し機構32は、外周に粉粒体入込み用の凹部33aが周方向に沿って多数形成された繰出しロール33を、繰り出しケース31の粉粒体排出口31Aよりも低い位置で、かつ、漏斗部34(肥料供給経路の始端部の一例)の上方に回転可能に配置してある。尚、図5中の符号32aは、繰り出しロール33の周面に摺接して、すり切り作用するブラシである。
これにより、繰り出しロール33の凹部33aに、肥料ホッパー30に貯留されていた肥料が入り込み、繰り出し用駆動軸35の間欠的な回転に伴って肥料が漏斗部34に繰出される。そして、漏斗部34に繰出された肥料は、後述する起風搬送手段4の電動ブロア40からの高圧の風が、搬送ダクト41を介して漏斗部34に供給されることにより、その高圧の風で前記漏斗部34の出口側の筒状部材37から作業装置B側へ送り出される。つまり、この筒状部材37には、苗植付装置2の作溝器25に対して肥料を供給するための供給ホース39が連結されるものであり、この筒状部材37が前記供給ホース39に対する連結部に相当する。
前記漏斗部34の球面状の受け部34bは、図5に示すように球面の最大径部分で分割可能に構成してあり、この受け部34bを分割することで前記内部接続部37bの着脱を行えるように構成してある。
また、肥料ホッパー30内の残留肥料を排出ダクト42側へ排出するための合流用流路rを構成する前記粉粒体排出口31A、及び排出ダクト42側の合流用流路rを構成する粉粒体合流口部42cは、肥料ホッパー30を図6に示すように後傾姿勢に姿勢変更した状態でも、図5に示すように元の肥料供給時の姿勢に戻した状態でも、残留肥料が流れ易いように、排出ダクト42側が低くなる傾斜を有した状態に形成されている。
肥料繰出し機構32から繰り出された肥料(粉粒体)を風力で作業装置B側へ搬送するための起風搬送手段4は次のように構成されている。
図3〜図5、及び図8、図9に示すように、起風搬送手段4は、起風用の電動ブロア40と、粉粒体を作業装置B側へ搬送するための供給経路となる搬送ダクト41と、粉粒体を外部へ搬出するための排出経路となる排出ダクト42とを備えて構成されている。
この電動ブロア40の前記送気口40cに対して、二股に分岐した分岐ダクト43と、供給経路を構成する搬送ダクト41と、排出経路を構成する排出ダクト42とで構成された導風管4Aが接続されている。
前記吸気口40bには、図2に示すように、エンジン13近くに吸い込み用開口を備えて、エンジン13周辺の暖められた外気を吸引するように吸気ダクト27が接続してある。この吸気ダクト27は、電動ブロア40と接続される側の端部に蛇腹状の可撓性を有した筒部分27cを備えて作製され、前記電動ブロア40の姿勢変化を許容できるように変形可能に構成してある。
上記供給側接続口43bと排出側接続口43cとのうち、供給側接続口43bは、電動ブロア40の起風翼が回転する回転面と同一の回転面上で、前記電動ブロア40の送気口40cにほぼ対向する状態に位置していて、その送気口40cからの送風方向の延長線Lにほぼ沿う方向で搬送ダクト41内に風を送り込むように構成されている。
そして、前記送気口40cに接続される受け入れ側接続口43aから排出側接続口43cへの送風経路は、図14に示すように、受け入れ側接続口43aと排出側接続口43cとが滑らかな曲線で連なるように形成してある。かつ、この分岐ダクト43内における送風方向に直交する方向での流路断面積は、排出ダクト42内における流路断面積よりも分岐ダクト43内での流路断面積が大であるように形成されている。また、分岐ダクト43内においては、供給側接続口43bの近くを除いて送風方向での上手側ほど流路断面積が大であるように形成されている。
この経路切換弁44は、図13及び図14に示すように、分岐ダクト43内を上下に貫通する操作軸44aと、その操作軸44aの上下方向の軸心y2周りで回動操作自在に装備された板状の弁体44bとで構成されている。前記弁体44bは、図13(a)に示す供給経路開放姿勢と、同図(b)に示す排出経路開放姿勢とにわたって、ほぼ90度の範囲で姿勢切換可能に構成されている。また、分岐ダクト43の内面側には、前記弁体44bの姿勢変更範囲の両側における限度位置で接当する段部43d,43dが形成されていて、その段部43d,43dとの接当によって、前記弁体44bの排出経路開放姿勢と供給経路開放姿勢とが安定的に維持されるように構成してある。
分岐ダクト43に接続された搬送ダクト41と排出ダクト42とのうち、搬送ダクト41は、図10、及び図15〜図19に示すように構成してある。
すなわち、搬送ダクト41は、複数本の短尺パイプ41Aを、環状の連結具41Bを介して同心状に接続することにより、所定長さの連続した筒状に形成したものである。
そして、環状の連結具41Bには、図16及び図18に示すように、互いに隣接する短尺パイプ41Aが対向端部を突き合わせた状態で、その対向端部近くの外周位置に形成されている一対の係止用小突起41a,41aを係入する2本のカム状の切り欠き41b,41bを形成してある。
したがって、図18及び図19に示すように、端部同士を突き合わせ状態に位置させた一対の短尺パイプ41A,41Aのうち、まず、一方の短尺パイプ41Aの係止用小突起41aを、連結具41Bの一方のカム状の切り欠き41bに係合させ、次に、他方の短尺パイプ41Aの係止用小突起41aを、連結具41Bの他方のカム状の切り欠き41bに係合させることによって、互いに隣接位置する一対の短尺パイプ41A,41A同士を連結することができる。
上記端部同士を突き合わせ状態に位置させた一対の短尺パイプ41A,41Aは、その対向端部近くが少し拡径されていて、その拡径部分41eの内周側に、一対の裏当て部材41C,41Cが装着されている。この裏当て部材41C,41Cの内径は、前記短尺パイプ41A,41Aの前記拡径部分41eを除く箇所の内径と同一寸法に形成されており、搬送ダクト41の内周面が無用な段差部分等のない滑らかな面となるように構成してある。
尚、図18及び図19に示す符号41cは、環状の連結具41Bの外周を把持して回転操作する際の滑り止め用のリブである。
したがって、このゴム製の導風ガイド部材45の前記前記2つの筒状ガイド部45b、45bを、短尺パイプ41Aの長手方向の中間部に形成された取付孔41dに嵌入することにより、搬送ダクト41に対する導風ガイド部材45の取付を行うことができる。そして、図5及び図7に示すように、前記導風ガイド部材45の凹部45cを漏斗部34に形成された搬送風取り入れ口34aに外嵌させることにより、施肥装置3の漏斗部34に対する搬送ダクト41の接続をも行うことができる。このように、ゴム製の導風ガイド部材45は、搬送風の取り入れを行いやすくするための搬送風ガイドとしての役割の他、施肥装置3の漏斗部34に対する搬送ダクト41の接続手段、及び、その箇所でのシール部材としての役割をも果たすことになる。
そして、個々の筒状ガイド部45b,45bにおいても、搬送風の流れ方向での上手側からの搬送風取り込みを良好に行えるように、各筒状ガイド部45b、45bの筒状の外周面が、下手側に向く面よりも上手側に向く面が低くなるように切り欠かれた形状にしてある。また、各筒状ガイド部45b、45bの筒状の外周面の突出端側は、先端側ほど細くなる部分的な円錐面に形成されていて、搬送ダクト41内を流れる搬送風の向きを滑らかに変更して漏斗部34側へ取り込み易く形成されている。
分岐ダクト43に接続された搬送ダクト41と排出ダクト42とのうち、排出ダクト42は、図3、図4、図5、及び図10〜図13に示すように構成してある。
すなわち、排出ダクト42は、複数本の短尺パイプ42A,42Bを同心状に接続することにより、所定長さの連続した筒状に形成し、かつ、終端部に着脱可能な終端パイプ42Cを接続して構成してある。
この排出ダクト42の場合は、前記搬送ダクト41のような環状の連結具41Bを用いて連結したものではなく、短尺パイプ42A,42B同士、及び終端パイプ42Cの端部形状を工夫して連続した筒状の排出ダクト42を構成している。
したがって、これらの第1短尺パイプ42Aと第2短尺パイプ42Bを、図10、及び図11に示すように交互に組み合わせて接続し、最終端部に前記終端パイプ42Cを接続することにより、長尺の排出ダクト42が構成される。
このように、第1短尺パイプ42Aを形成したことにより、排出ダクト42の筒状の内部に、前記粉粒体合流口部42cと傾斜ガイド部42dとで構成される合流用流路rの、ほぼ矩形の出口開口が入り込んだ状態に形成される。これによって、図13(b)に示すように排出ダクト42に導入された風が、傾斜ガイド部42の斜面に沿って、あるいは粉粒体合流口部42cの横側部に沿って流れ、合流用流路rから排出される残留肥料を吸引しながら終端側へ搬送するので、残留肥料が繰り出しケース31側へ舞い戻る虞が少ない。
そして、第2短尺パイプ42Bの直管状のパイプ本体部分の内周面は、前記第1短尺パイプ42Aの段付き端部42aや傾斜ガイド部42dを除くパイプ内周面と同径に形成されていて、排出ダクト42に内周面側が連続した滑らかな流路が形成されるように構成してある。
したがって、前記操作杆38cを図5に実線で示す閉塞位置「閉」から、仮想線で示す開放位置「開」へ回動操作して切り換えることにより、板状弁体38aを開放姿勢に切換操作することができる。また、前記クランク状軸体38bの操作部は操作杆38cに形成された長孔38eに係入されていて、前記操作杆38cとの間に設けられた押さえバネ38dで、長孔38eの下端側へ押圧付勢されていることにより、板状弁体38bの閉塞姿勢、及び開放姿勢を安定的に維持するように構成されている。
この終端パイプ42Cに、排出ダクト42内で風力搬送される粉粒体の通過を阻止して搬送風のみを通過させることにより、搬送風と粉粒体とを分離するための分離手段46が設けてある。
この分離手段46は、前記開放口42hと、その開放口42hに装備された網状体46aとによって構成されている。つまり、前記開放口42hは、本管42fのうち、前記第1短尺パイプ42Aや第2短尺パイプ42Bの延長方向に沿う横向き管部分に対向する箇所で、横向き管部分内の流路全体を開放するように切り欠かれている。そして、前記網状体46aは開放口42hの全体に設けられていて、排出ダクト42内を流動する粉粒体の通過を阻止して搬送風のみを通過させるに適当な大きさの多数の通気孔を有している。
このように構成されているので、排出ダクト42内を流れる粉粒体は、前記第1短尺パイプ42Aや第2短尺パイプ42Bの延長方向に搬送されてきて、前記分離手段46としての網状体46aに接触すると、前記延長方向への移動を停止されて下方に落下し、搬送風のみが前記網状体46aを通過して前記延長方向へ吹き出される。
尚、図示はしないが、前記搬送風を下向きに案内するように覆うカバー体42gは、図12に示す状態から本管42fに対して水平方向軸心周りで上方側へ揺動自在に装着して、上方側へ大きく開放させた姿勢に姿勢変更可能に構成してもよい。このようにカバー体42gを姿勢変更可能に構成すると、そのカバー体42gを開放姿勢にして前記分離手段46のメンテナンスを行い易い。
この開閉弁47は、横向きの操作軸47aと、その操作軸47a周りに回転する円板状弁体47bとによって構成され、前記操作軸47aを外部から回動操作することにより、排出ダクト42内の終端部において、流路を開閉操作自在に構成されている。
つまり、図12に示すように、前記操作杆38cの一部に操作片48aを一体に固定し、この操作片48aの一部に連係させた連係ロッド48bと、前記開閉弁47の操作軸47aに一体的に連結した操作アーム48cを連結している。これによって、前記操作杆38cを回動操作して、前記開閉弁47を流路閉塞姿勢に切り換えると、前記開閉操作機構38が板状弁体38aを開き側に操作して、筒状部材37を開放状態に切換操作する。
したがって、排出ダクト42内に供給された搬送風は、終端側を前記開閉弁47で閉塞されているので、筒状部材37を通して肥料ホッパー30側へ逆流する状態となる。
つまり、図10、図11、及び図13に示されているように、経路切換弁44の操作軸44aの一端側に設けた操作アーム44cと、操作杆38cの経路切換弁44の近く位置に設けた経路切換用操作片48dとを、連係ロッド48eで連係してある。
これにより、前記操作杆38cの回動操作によって、前記開閉弁47が流路閉塞姿勢に切り換えられ、前記筒状部材37が開放状態に切り換えられるにともなって、前記経路切換弁44が、排出ダクト42側に電動ブロア40の風を送る状態に切り換えられるように構成してある。したがって、前記操作杆38cは、経路切換弁44の操作部としての機能をも備えている。
上記の施肥装置3及び起風搬送手段4を支持する支持枠5は次のように構成されている。
すなわち、支持枠5は、図3乃至図6に示すように、走行機体1上に設置された固定枠部5Aと、その固定枠部5Aに対して機体左右方向に沿う横軸心x周りで姿勢変更可能な可動枠部5Bとの組み合わせで構成されている。
前記固定枠部5Aは、前記可動枠部5Bの前方側を支持する前側支柱51と、後方側を支持する後側支柱52とで構成してあり、前記可動枠部5Bは、走行機体1上で左右方向に並設される肥料ホッパー30を支持するように横長の格子状に形成された上部矩形フレーム50Bと、その上部矩形フレーム50Bの後方側で下向きに一体連設されていて、前記後側支柱52の上端側に接続される支持脚部50Aとで構成されている。
したがって、可動枠部5Bは、図8に示すように前端側が前側支柱51に支持された通常作業姿勢と、図9に示すように、前記横軸心x周りで後方側に傾倒したメンテナンス用姿勢とに姿勢切換可能に構成されている。
前側支柱51は、可動枠部5B側に揺動可能に装着したフック部材53aと、そのフック部材53aが係合するように前側支柱51側に設けられている係止ピン53bとからなる係脱機構53によって、互いに係合連結された状態と、その係合連結を解除された状態とに切換可能に構成されている。
したがって、図8に実線で示されているフック操作杆53cを、図9に示されているように押し下げて係止ピン53bとの係合を解除し、その状態を維持して施肥装置3の全体を前記横軸心x周りで回動させると、図6及び図9で示すように、施肥装置3の全体を後傾姿勢にしたメンテナンス用姿勢に切り換えることができる。
つまり、可動枠部5Bの上部矩形フレーム50Bの前方側、及び後方側は、図5に示すように肥料ホッパー30の前後に形成されている取付ブラケット30a,30aにボルト連結されている。
そして、起風搬送手段4を構成する搬送ダクト41は施肥装置3の漏斗部34に連結され、排出ダクト42は、可動枠部5Bの支持脚部50Aに設けた取付ステー50aを介して各第1短尺パイプ42Aの取付板部42eが連結され、電動ブロア40は、前記搬送ダクト41及び排出ダクト42が連結された分岐ダクト43に連結固定されている。
図5及び図6に示すように、前記上部矩形フレーム50Bの前方側には、前記開閉操作機構38の操作杆38cを回動操作自在に支持するための支持ブラケット50bも付設してある。
粉粒体を貯留する肥料ホッパー30は、具体的には図20乃至図23に示すように構成されている。
この構造では、複数個の中間容器単位体30Aと、端部容器単位体30Bとを、連結機構6を介して連結することにより、8条植え用の肥料ホッパー30を構成している。
そして、中間容器単位体30Aの横外側に位置する端部容器単位体30Bは、前記連通部30Cが内側、つまり中間容器単位体30Aと接続される側にだけ形成してある。
この連結機構6は、前記中間容器単位体30A同士の間、もしくは中間容器単位体30Aと端部容器単位体30Bとの間にシール部材61を挟み込み、かつ、中間容器単位体30A同士の接合箇所の外側、及び中間容器単位体30Aと端部容器単位体30Bとの接合箇所の外側に前記連結部材60を嵌着して、各容器単位体30A,30B、シール部材61、及び連結部材60の全体を、連結ボルト62で共締め状態に連結して横長の肥料ホッパー30を構成する。
施肥装置3の供給ホース39を介して肥料を供給される苗植付装置2側では、図24及び図25に示すように、供給ホース39と作溝器25との連結箇所に衝撃センサー7を備えている。この衝撃センサー7は、供給ホース39から肥料の粒が放出されているか否かを、肥料の粒の衝突による衝撃を検出することで感知するためのものであり、肥料詰まりの検出に役立つ。
この衝撃センサー7は、前記供給ホース39と作溝器25との接続箇所に設けられる蛇腹状のカバー体70に支持させてあり、機体の振動などが前記衝撃センサー7に伝わりにくいように構成してある。
図26(a),(b)は、6条植型式の乗用型田植機において用いられる肥料ホッパー30を示している。
この構造では、中間容器単位体30Aとして、左右の端部容器単位体30Bと同容量の容積ではあるが、細長い形状の一つの容器によって構成されたものを採用している。これは、乗用型田植機が6条植となることによって、ホイールベースが短くなり、運転座席16と肥料ホッパー30との間におけるスペースに余裕がない構造に対応させるための構造であり、図26(b)に示すように、運転座席16の後方側に対応する中間容器単位体30Aが凹入した形状となるように構成してある。その他、左右の端部容器単位体30Bの構造や、中間容器単位体30Aと左右の端部容器単位体30Bとの連結構造などは前述した8条植用の肥料ホッパーと同様である。
上記の実施の形態では、分離手段46として網状体46aで構成したものを例示したが、これに限らず、例えば、パンチングメタルによって構成したり、サイクロン構造にして粉粒体と搬送風とを分離させたり、あるいは、排風ダクト42内の送風距離を長くしたり、方向変換するなどして、電動ブロア40による放出エネルギーを消失させて、途中で殆どの粉粒体が自重落下するようにしてもよい。
また、分離手段46として網状体46aなどの通気孔を有した構造を用いた場合に、網状体46aによって粉粒体の全てを捕捉するように構成したものに限らず、所定の大きさ以上の粒径を有した粉粒体を捕捉して分離し、微細な粒径の粉粒体は搬送風とともに別経路へ放出するようにしてもよい。
電動ブロア40の吸気側に連結される吸気ダクト27は、実施形態のような専用の吸気ダクト27を用いたものに限らず、例えば図27、図28に示すように構成してもよい。
この構造では、後部ステップ18をブロー成型されたステップで構成し、内部に空間を有している。ブロー成型品からなる後部ステップ18の前端部下部にエンジン13側から外気を導入する前部吸気ダクト27aを下側から接続してあり、後部ステップ18の後部側に電動ブロア40の吸気部40bと連通接続される後部吸気ダクト27bを設けてある。
つまり、ブロー成型によって内部に密閉された空間を有する後部ステップ18自体の内部空間を吸気ダクト27として利用している。
前記実施形態では、流路開閉手段である開閉弁47、及び送風給排手段としての経路切換弁44の操作を、被搬送物合流用開閉手段である板状弁体38aの開閉操作機構38の操作に、連係機構48を介して連係させた構造のものを例示したが、連係機構48としては、例示した操作片48a,48dや連係ロッド48b,48e、あるいは操作アーム48cに限らず、連係ワイヤーや電気的連係手段などの各種のものを採用してもよい。
また、このような連係構造をとらず、全てを別々の操作で独立的に操作するように、あるいは一部のみを連係させるように構成してもよい。
その他、水田作業用とは限らず、田畑で肥料や薬剤、あるいは種籾などの粉粒体を散布するための手段として本発明の粉粒体供給装置を用いても良い。
4 起風搬送手段
5 支持枠
5A 固定枠部
5B 可動枠部
30 肥料ホッパー
31 繰り出しケース
31A 粉粒体排出口
32 繰出し機構
33 繰り出しロール
34 漏斗部
40 電動ブロア
41 搬送ダクト
42 排出ダクト
x 横軸心
Claims (5)
- 粉粒体からなる被搬送物を風力搬送によって搬送する供給経路と、その供給経路とは別に粉粒体からなる被搬送物を風力搬送によって搬送する排出経路とを備えるとともに、起風用の電動ブロアから供給される搬送風を前記供給経路と排出経路とに選択して送り込む分岐経路を備え、
前記分岐経路の断面積を前記供給経路及び排出経路の断面積よりも大きくした粉粒体供給装置。 - 車体フレーム側に固定設置された固定枠部と、その固定枠部に対して水平方向に沿う横軸心周りに傾動して姿勢変更可能な可動枠部とで構成された支持枠を備え、
粉粒体の貯留部と、その粉粒体を所定量ずつ送り出す繰り出し機構とからなる粉粒体送り出し装置を、前記可動枠部側に支持させて姿勢変更可能に構成するとともに、
起風用の電動ブロアと、搬送風が送り込まれる分岐経路、供給経路、及び排出経路を備える導風管とからなる起風搬送手段を前記可動枠部側に支持させてある請求項1記載の粉粒体供給装置。 - 可動枠部の回動支点である横軸心方向視で、この横軸心と重なる位置に電動ブロアを配設してある請求項2記載の粉粒体供給装置。
- 繰り出し機構を内装する繰り出しケース側の粉粒体排出口を、繰り出し機構を構成する繰り出しロールの軸心と繰り出しケース上端との間の位置に設けてある請求項2又は3記載の粉粒体供給装置。
- 可動枠部の回動支点である横軸心は、前後方向で繰り出しロールよりも粉粒体排出口側寄りの箇所に設けてある請求項4記載の粉粒体供給装置。
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