JP5106725B2 - グラフト共重合体、およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物ならびに成形品 - Google Patents

グラフト共重合体、およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物ならびに成形品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は艶消し性、耐衝撃性、成形性、表面硬度、そして耐候性に優れたグラフト共重合体、およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物ならびに成形品に関し、特に混練条件に依存し難い熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
樹脂材料の耐衝撃性を向上させることは、材料の用途を拡大したり、成形品の薄肉化や大型化へを可能したりするなど、工業的な有用性は非常に大きい。そのため、樹脂材料の耐衝撃性を向上させる様々な方法が検討されてきた。
【0003】
このうち、ゴム状重合体を硬質樹脂と組み合わせることによって、材料の耐衝撃性を高めた材料としては、ABS樹脂、ハイインパクトポリスチレン樹脂、変性PPE樹脂およびMBS樹脂強化ポリ塩化ビニル樹脂等が既に工業的に使用されている。
【0004】
特にゴム状重合体に(メタ)アクリル酸アルキルエステルゴム等の飽和ゴム成分を用いることによって良好な耐候性を有する樹脂材料として、例えば耐候性ABS樹脂であるASA樹脂が提案され、車両用外装部品、自動販売機や電波中計基地の筐体部品等の屋外電機機器に利用されてきている。
【0005】
最近、ダッシュボード等の自動車内装用部品や住宅用樹脂化建材等の分野を主体に、光沢が著しく低減された、いわゆる艶消し材料に対する需要が高まりつつある。
【0006】
これまでの艶消し化方法としては、特開昭60−18536号公報、特開昭61−236850号公報、特開昭63−156847号公報、特開昭63−156851号公報、特開平01−56762号公報、特開平01−101355号公報、特開平10−219079号公報には、エポキシ基を含有する重合体を配合することによって艶消し性を発現する方法が提案されている。
【0007】
また、特開昭60−44517号公報、特開昭60−104150号公報、特開昭60−197713号公報、特開昭60−188452号公報、特開昭60−202143号公報、特開平01−121350号公報、特開平06−57154号公報には、酸または塩基基を含有する重合体を配合することによって艶消し性を発現する方法が提案されている。
【0008】
また、特開平05−271361号公報や特開平07−166021号公報、特開平07−173360号公報には、ゴム状重合体にヒドロキシ基を有する重合体がグラフトしたグラフト共重合体をスチレン系樹脂に配合する方法が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の厳しい材料スペックの要求に対し、これら先行技術により得られる熱可塑性樹脂では満足することが出来なくなってきている。
【0010】
具体的には、上述のエポキシ基や酸基、塩基基等の反応性官能基を有する重合体を含む熱可塑性樹脂は、架橋反応が進行するために流動性が著しく低下し賦形もしくは成形条件の変動によって材料物性や外観の変化が大きく、その使用には制限がある。特に、製品や端材等のリサイクルをした場合に外観変化が大きいがために再利用が困難である。
【0011】
また、特開平05−271361号公報や特開平07−166021号公報、特開平07−173360号公報にて提案されている樹脂組成物は表面光沢の低下が充分でなく、近年の高い要求には不充分である。
【0012】
本発明の目的は、高いレベルの艶消し性、耐衝撃性、成形性、表面硬度そして耐候性を有するグラフト共重合体、およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物ならびに成形品を提供することにあり、特に混練や成形条件によって艶消性が変化し難い熱可塑性樹脂組成物を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化処理された(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)にビニル系重合体がグラフトされたグラフト共重合体であり、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位を含んでなるグラフト共重合体である。
【0014】
また本発明は、上記グラフト共重合体(A)5〜95質量%と、他の熱可塑性樹脂(F)95〜5質量%(但し、成分(A)および成分(F)の合計は100質量%)とからなる熱可塑性樹脂組成物である。
【0015】
また本発明は、上記熱可塑性樹脂組成物からなる成形品、特に好ましくはシート状成形品である。
【0016】
なお、本発明において「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルの総称である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明のグラフト共重合体(A)は、酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化処理された(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)にビニル系重合体がグラフトされたグラフト共重合体であり、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位を含んでなるグラフト共重合体である。
【0018】
本発明のグラフト共重合体(A)中には、混練や成形条件によって艶消性が変化し難い熱可塑性樹脂組成物を得る目的から、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位が含まれていることが必要であり、この単位が存在する部分は、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)中であっても、またグラフト部中であっても、その両方に含まれても良い。
【0019】
本発明においては(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルを用いる
【0020】
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルの具体例としては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸ヒドロキシベンジルが挙げられる。これらの中ではメタクリル酸2−ヒドロキシエチルもしくはアクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
【0021】
グラフト共重合体(A)100質量%中の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位の含有量は、得られる熱可塑性樹脂組成物製造時の混練状態や成形条件によって艶消性が変化し難いことから、その下限は0.1質量%、艶消性と耐衝撃性、成形加工性のバランスに優れることから好ましくは0.5質量%、さらに好ましくは2質量%である。また、その上限は30質量%、艶消性と耐衝撃性、成形加工性のバランスに優れることから好ましくは20質量%、より好ましくは15質量%である。なお、これ以降の説明においては、この(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位を、便宜上、「ヒドロキシ基を含有するビニル系単量体単位」と称す。
【0022】
本発明のグラフト共重合体(A)を構成する(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)は、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を有する重合体である。
【0023】
用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル等のメタクリル酸アルキルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル等のアクリル酸アルキルエステルであり、好ましくはアクリル酸n−ブチルおよび/またはアクリル酸−2−エチルヘキシルである。
【0024】
これら(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体においては、炭素数が1〜12であるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体を必須成分として用いることが好ましい。
【0025】
また、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)は、ゴム状重合体100質量%中に、前述した(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の1種または2種以上を50質量%以上含むことが好ましい。得られる熱可塑性樹脂組成物の耐候性が優れることから、好ましくは60質量%、より好ましくは70質量%以上である。
【0026】
(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)には、上述の(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位以外に他の単量体単位を含ませることも可能である。特に前述したごとく、本発明の目的を達成するためにグラフト共重合体(A)の中にヒドロキシ基を含有するビニル系単量体単位を構成成分とする必要があり、特に限定されないが(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)中にこのヒドロキシ基を含有するビニル系単量体単位を含有しても良い。用いることが出来るヒドロキシ基を含有するビニル系単量体単位の種類や使用量は前述した。
【0027】
その他用いることの出来る他の単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸N、N−ジメチルアミノエチル等の官能基を有する他の(メタ)アクリル酸エステル、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン等のジエン系化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、無水マレイン酸、N−置換マレイミド等である。これらは目的に応じて1種または2種以上を併用して用いることが出来る。
【0028】
本発明においては、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)を構成する単量体単位に、多官能性単量体として架橋剤および/またはグラフト交叉剤を使用することが出来る。用いることのできる架橋剤やグラフト交叉剤の例としては、メタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル等のアリル化合物、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸プロピレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコールジエステル、ジメタクリル酸1,4−ブチレングリコールジエステル等のジ(メタ)アクリル酸エステル化合物が挙げられ、これらは一種または2種類以上を併用して用いることができる。
【0029】
(メタ)アクリル酸エステル単量体を必須成分とする単量体混合物と、必要に応じて上記多官能性単量体とを混合した混合物を、乳化重合することにより、小粒子径の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)を調製できる。
【0030】
小粒子径の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の質量平均粒子径は特に限定されないが、酸基含有共重合体ラテックス(K)による肥大化が進行し易いことから、好ましくは30〜250nmであり、より好ましくは40〜200nm、特に好ましくは50〜150nmである。この質量平均粒子径が250nm以下であれば、酸基含有共重合体ラテックス(K)による肥大化が進行し易くなり、結果として得られる熱可塑性樹脂組成物の艶消し性が向上する。
【0031】
肥大化剤として用いられる酸基含有共重合体ラテックス(K)とは、酸基含有単量体単位と、例えば(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位等とを有する共重合体を含有するラテックスである。
【0032】
酸基含有単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびクロトン酸等が挙げられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては炭素数が1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましい。この(メタ)アクリル酸アルキルエステルについては、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)の製造に用いたものと同様のものが使用できる。
【0033】
耐衝撃性と艶消し性、そして成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物を得る為には、酸基含有共重合体のガラス転移温度(Tg)は低い方が好ましく、アクリル酸エステル単量体を併用することが好ましい。また、この際、アルキル基の炭素数が多いアクリル酸アルキルエステル単量体を用いることが更に好ましい。
【0034】
酸基含有共重合体中の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの質量割合は、肥大化して得られる(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)の質量平均粒子径を制御しやすいこと、得られる熱可塑性樹脂組成物の艶消し性が優れることから、共重合体中、好ましくは0.1〜30質量%、さらに好ましくは10〜25質量%である。また、酸基含有重合体ラテックス中の酸基含有重合体の質量平均粒子径は、小粒子径(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)を肥大化させる際のラテックスの安定性が優れ、肥大化して得られる(メタ)アクリル酸エステル系ゴム(G)の質量平均粒子径を制御しやすいこと、得られる熱可塑性樹脂組成物の艶消し性が優れることから、50〜250nmが好ましい。
【0035】
(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)は、小粒子径の(メタ)アクリル酸エステル系ゴム重合体(g)が、前記酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化処理されたものである。
【0036】
肥大化処理は、前述のごとく乳化重合で得られた小粒子径(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)ラテックス中に、酸基含有共重合体ラテックス(K)を添加することによって行われ、その肥大化方法については、例えば特開昭50−25655号公報、特開昭58−61102号公報、特開昭59−149902号公報記載の方法で行うことができる。
【0037】
用いる酸基含有共重合体ラテックス(K)の適正な使用量としては、小粒子径(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の性状や酸基含有共重合体ラテックス(K)の組成や性状にもよるが、小粒子径(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)100質量部(固形分)に対し、好ましくは0.1〜10質量部(固形分)、より好ましくは0.3〜5質量部(固形分)である。この量が0.1部以上であれば、肥大化が進行し易く、得られる熱可塑性樹脂組成物の艶消し性が向上し、さらには耐衝撃性が向上する傾向にある。また10質量部以下であれば、得られる熱可塑性樹脂組成物の艶消し性が向上する傾向にある。
【0038】
肥大化処理を行う場合、特開昭56−166201号公報に提案されているごとく、無機電解質を少量併用することが肥大化を進行させ易くする点から好ましい。用いる無機電解質はどの様なものでも構わないが、硫酸ナトリウムや塩化ナトリウム、塩化カリウム、炭酸カリウム等、中性ないしアルカリ性の無機電解質が好ましい。無機電解質の使用方法にも限定されず、ゴム状重合体の重合前に予め含ませておいても、肥大化処理前に添加しても一向に差し支えない。
【0039】
また、特開昭50−25655号公報に提案されている様に、肥大化される小粒子径ゴム状重合体ラテックス(g)のpHは7以上になる様に調製することが好ましく、より好ましくは8以上、特に好ましくは9以上である。pHを調節する方法についてはどの様なものでも構わないが、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ性物質を添加する方法が例示される。
【0040】
肥大化された(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)の質量平均粒子径の範囲は、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性と艶消し性とのバランスが優れることから、その上限が好ましくは1000nm、より好ましくは800nm、特に好ましくは600nm、下限は用いた小粒子径(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の粒子径を下回らない範囲で、好ましくは200nm、より好ましくは250nm、特に好ましくは300nmである。
【0041】
また、肥大化処理においては、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性と艶消し性とのバランスが優れることから、(メタ)アクリル酸エステル系ゴム(G)中、肥大化されていない小粒子径(メタ)アクリル酸エステル系ゴム(g)の存在割合が、15質量%以下となるよう肥大化することが好ましい。
【0042】
本発明のグラフト共重合体(A)は、前述した酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化された(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)に、ビニル系単量体をグラフト重合することによって得ることが出来る。
【0043】
グラフト重合には、必要に応じて共重合可能なその他のビニル系単量体を使用することが出来る。
【0044】
特に前述したごとく、本発明の目的を達成するためにグラフト共重合体(A)の中にヒドロキシ基を含有するビニル系単量体単位を構成成分とする必要があり、特に限定されないがグラフト成分中にこのヒドロキシ基を含有するビニル系単量体単位を含有しても良い。用いることが出来るヒドロキシ基を含有するビニル系単量体単位の種類や使用量については前述した。
【0045】
共重合可能なビニル系単量体としては特に制限されないが、好ましくは芳香族アルケニル化合物、(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよびシアン化ビニル化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体成分が用いられる。
【0046】
単量体成分のうち芳香族アルケニル化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル等が挙げられ、シアン化ビニル化合物としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらのうち、スチレンとアクリロニトリルとの混合物を使用すると、得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が優れるため好ましい。
【0047】
グラフト共重合体(A)は、肥大化された(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)10〜80質量%に対して、ビニル系単量体成分90〜20質量%を乳化グラフト重合させたものであることが好ましい。このような質量割合で乳化グラフト重合すると、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性と流動性、艶消し性が優れる。ゴム状重合体(G)の量が10質量%以上の場合は、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性が向上する傾向にあり、80質量%以下の場合は、耐衝撃性が向上しさらに艶消し性も向上する傾向にある。さらに好ましくは、グラフト共重合体(A)中、ゴム状重合体(G)が30〜70質量%で、単量体成分は70〜30質量%である。このような場合、最終的に得られる熱可塑性樹脂組成物は、耐衝撃性と成形性、艶消し性を高いレベルでバランス良く発現するため好ましい。
【0048】
(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)やグラフト共重合体(A)を製造する際の乳化重合は、乳化剤を使用してラジカル重合技術により行うことができる。また、グラフト重合する単量体中には、グラフト率やグラフト成分の分子量を制御するための各種連鎖移動剤を添加することができる。
【0049】
グラフト重合に用いるラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤または酸化剤・還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。この中でレドックス系開始剤が好ましく、特に硫酸第一鉄・ピロリン酸ナトリウム・ブドウ糖・ヒドロパーオキサイドや、硫酸第一鉄・エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩・ロンガリット・ヒドロパーオキサイドを組み合わせたレドックス系開始剤が好ましい。
【0050】
グラフト重合に用いる乳化剤としては特に制限はないが、乳化重合時のラテックスの安定性が優れ、重合率を高めることができるため、サルコシン酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸ナトリウム、アルケニルコハク酸ジカリウム、ロジン酸石鹸等の各種カルボン酸塩、アルキル硫酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムなどの中から選ばれたアニオン系乳化剤が好ましく用いられる。これらは目的に応じて使い分けられ、もちろんゴム状重合体の調製に用いた乳化剤をそのまま利用し、乳化グラフト重合時に追添加しなくても良い。
【0051】
乳化グラフト重合で得られたグラフト共重合体(A)ラテックスは、例えば、凝固剤を溶解させた熱水中に投入することによってスラリー状態に凝析する湿式法によって回収したり、加熱雰囲気の中にグラフト共重合体(A)ラテックスを噴霧することにより、半直接的にグラフト共重合体(A)を回収するスプレードライ法などの方法によってグラフト共重合体(A)として回収できる。
【0052】
上記湿式回収法に用いる凝固剤としては、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸等の無機酸や、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸アルミニウム等の金属塩等を用いることができる。凝固剤の選定は重合で用いた乳化剤と対にして選定される。すなわち、脂肪酸石鹸やロジン酸石鹸等のカルボン酸石鹸のみが使用されていた場合にはどの様な凝固剤を用いても回収可能であるが、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの様な酸性領域でも安定な乳化力を示す乳化剤が含まれている場合には上記無機酸では不十分であり、金属塩を用いる必要がある。
【0053】
上記湿式回収法により得られたスラリー状のグラフト共重合体(A)から乾燥状態のグラフト共重合体(A)とするには、まず残存する乳化剤残渣を水中に溶出させ、洗浄した後に、このスラリーを遠心もしくはプレス脱水機で脱水した後に気流乾燥機等で乾燥する方法、圧搾脱水機や押出機等で脱水と乾燥を同時に実施する方法などのプロセスを経た後に、乾燥したグラフト共重合体(A)を粉体または粒子状で得ることができる。また、この際、圧搾脱水機や押出機から排出されたものを直接、熱可塑性樹脂組成物を製造する押出機や成形機に送って成形品とすることも可能である。
【0054】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、前述したグラフト共重合体(A)にその他の熱可塑性樹脂(F)が配合されてなる。
【0055】
その他の熱可塑性樹脂(F)としては、特に制限はなく、例えば、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−N−置換マレイミド三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸−N−置換マレイミド三元共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−ブタジエン(SBR)、水素添加SBS、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)等のスチレン系エラストマー、各種オレフィン系エラストマー、各種ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリアセタール樹脂、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE樹脂)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、PPS樹脂、PES樹脂、PEEK樹脂、ポリアリレート、液晶ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂(ナイロン)等が挙げられ、好ましくは、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−N−置換マレイミド三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸−N−置換マレイミド三元共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE樹脂)、ポリアミド樹脂であり、これらを目的に応じて単独で、または、二種以上を併用して用いることができる。
【0056】
これらその他の熱可塑性樹脂(F)の使用できる量の上限は、熱可塑性樹脂組成物の耐衝撃性と艶消し性に優れることから、熱可塑性樹脂組成物100質量%中95質量%、好ましくは90質量%である。また、下限は5質量%である。
【0057】
これらの混合は、V型ブレンダーやヘンシェルミキサー等により混合分散させ、この混合物を押出機または、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、ロール等の混練機等を用いて溶融混練することにより製造できる。
【0058】
得られた熱可塑性樹脂組成物はそのままで、または、必要に応じて染料、顔料、安定剤、補強剤、充填材、難燃剤、発泡剤、滑剤、可塑剤等の添加剤を配合した後、成形品の製造原料として使用することができる。この熱可塑性樹脂組成物は、射出成形法、押出成形法、ブロー成形法、圧縮成形法、カレンダー成形法、インフレーション成形法等の各種成形方法によって、目的の成形品とされる。
【0059】
また、場合によっては他樹脂や金属に被覆して使用することも可能である。ここでの被覆されることのできる他の樹脂としては特に限定されないが、前述のその他の熱可塑性樹脂(F)に記載されたものやABS樹脂、ハイインパクトポリスチレン等の熱可塑性ゴム変性樹脂、塩化ビニル系樹脂、フェノール樹脂やメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂等が広く利用できる。
【0060】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は上記成型法によって、異形押出成形やシート成形、もしくは上記他材料との多層シート成形により一次加工を施された成形品を得ることができる。この様に一次加工を施された成形品は、用途に応じて熱成形や真空成形等によって広い工業分野に利用可能な材料となりうる。また、このようなシート状成形品は、表面光沢度(入射角60°)が50%以下であることが好ましい。
【0061】
このような熱可塑性樹脂組成物やシート状成形品の工業的用途例としては、車両部品、特に無塗装で使用される各種外装やダッシュボード周辺の内装部品、壁材、窓枠、雨樋、各種ホースカバー等の建材部品、食器や玩具等の雑貨、掃除機ハウジング、テレビジョンハウジング、エアコンハウジング等の家電部品、OA機器ハウジング、インテリア部材、船舶部材および通信機器ハウジング等が挙げられる。
【0062】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。なお、以下の例中の%および部数は明記しない限りは質量基準とする。
【0063】
[製造例1:小粒子径(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−1)の製造]
攪拌装置および温度制御ジャケット付き10リットルのステンレス製オートクレーブに、
Figure 0005106725
を攪拌下で仕込み、反応器内を窒素置換した。その後、
Figure 0005106725
を仕込み内容物を昇温した。内温55℃にて、
Figure 0005106725
からなる水溶液を添加し重合を開始せしめた。重合発熱が確認されたらジャケット温度を50℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続した。重合開始から3時間後に冷却し、固形分が19.9%、質量平均粒子径が75nmおよびpHが8.7である小粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−1)ラテックスを得た。
【0064】
[製造例2]小粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−2)の製造
攪拌装置および温度制御ジャケット付き10リットルのステンレス製オートクレーブに、
Figure 0005106725
を、また別途、
Figure 0005106725
を予め溶解した混合物をを仕込み、攪拌下反応器内を窒素置換後昇温した。内温50℃にて、
Figure 0005106725
からなる水溶液を添加し重合を開始せしめた。重合発熱が確認されたらジャケット温度を50℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続した。重合開始から2時間後に冷却し、固形分が20.1%、質量平均粒子径が100nmおよびpHが8.6である小粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−2)ラテックスを得た。
【0065】
[製造例3]小粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−3)の製造
攪拌装置および温度制御ジャケット付き10リットルのステンレス製オートクレーブに、
Figure 0005106725
を、また別途、
Figure 0005106725
を予め溶解した混合物をを仕込み、攪拌下反応器内を窒素置換後昇温した。内温50℃にて、
Figure 0005106725
からなる水溶液を添加し重合を開始せしめた。重合発熱が確認されたらジャケット温度を50℃とし、重合発熱が確認されなくなるまで重合を継続した。重合開始から2時間後に冷却し、固形分が19.7%、質量平均粒子径が95nmおよびpHが8.9である小粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−3)ラテックスを得た。
【0066】
[製造例4]小粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−4)の製造
製造例2において、用いる単量体を、アクリル−n−ブチル95部、アクリロニトリル4部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル1部に変更した以外は同様にして重合を行い、固形分が19.8%、質量平均粒子径が92nmおよびpHが8.8である小粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−4)ラテックスを得た。
【0067】
[製造例5]小粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−5)の製造
製造例2において、用いる単量体を、アクリル−n−ブチル95部、アクリロニトリル2部、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル3部に変更した以外は同様にして重合を行い、固形分が19.6%、質量平均粒子径が78nmおよびpHが8.8である小粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−5)ラテックスを得た。
【0068】
[製造例6]大粒子径アクリル酸エステル系ゴム状重合体(Z−1)の製造
製造例1において、用いるアルケニルコハク酸ジカリウムの量を0.008部とし、重合後にさらに0.992部を追添加する以外は同様にして重合を行い、固形分が19.4%、質量平均粒子径が380nmおよびpHが8.7である大粒子径な非肥大化のアクリル酸エステル系ゴム状重合体(Z−1)ラテックスを得た。
【0069】
[製造例7]酸基含有共重合体ラテックス(K−1)の調製
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器内に、
水 200部
オレイン酸カリウム 2.2部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 2.5部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート二水和物 0.3部
硫酸第一鉄七水塩 0.003部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.009部
を窒素フロー下で仕込み、60℃に昇温した。60℃になった時点から、
アクリル酸n−ブチル 81.5部
メタクリル酸 18.5部
クメンヒドロパーオキシド 0.5部
からなる混合物を120分かけて連続的に滴下した。滴下終了後さらに、2時間60℃のまま熟成を行い、固形分が33.0%、重合転化率が99%および質量平均粒子径が145nmである酸基含有共重合体ラテックス(K−1)を得た。
【0070】
[製造例8]酸基含有共重合体ラテックス(K−2)の調製
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器内に、
水 200部
オレイン酸カリウム 2.1部
ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 2.5部
ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート二水和物 0.3部
硫酸第一鉄七水塩 0.003部
エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 0.009部
を窒素フロー下で仕込み、70℃に昇温した。70℃になった時点から、
メタクリル酸n−ブチル 24部
メタクリル酸 1部
tert−ドデシルメルカプタン 0.1部
クメンヒドロパーオキシド 0.03部
からなる混合物を75分間かけて連続的に滴下供給し重合させた。30分保持後さらに、
アクリル酸n−ブチル 25部
メタクリル酸n−ブチル 37部
メタクリル酸 13部
tert−ドデシルメルカプタン 0.3部
クメンヒドロパーオキシド 0.08部
を2時間70℃のまま熟成を行い、固形分が33.1%、重合転化率が99%および質量平均粒子径が90nmである酸基含有共重合体ラテックス(K−2)を得た。
【0071】
[製造例9](メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)製造
製造例1〜5で製造したアクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−1)〜(g−5)、製造例6〜8で製造した酸基含有共重合体ラテックス(K−1)、(K−2)を用い、アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の内温65℃かつ攪拌下にて、表1に示す所定量を一括で添加し、その温度を保ちながら30分間攪拌を継続し肥大化されたアクリル酸エステル系ゴム状重合体(G−1a)〜(G−1d)、(G−2)〜(G−5)ラテックスを得た。また、この際、肥大化処理する前に1%水酸化ナトリウム水溶液にてアクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)のpHを9〜10の間に調節した。
【0072】
【表1】
Figure 0005106725
【0073】
[実施例1]グラフト共重合体(A−1)の製造
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器に、
Figure 0005106725
を入れ、攪拌しつつ窒素気流下で内温を75℃に昇温した。次いで、
Figure 0005106725
の混合液を1時間にわたって滴下し重合した。滴下終了後、温度75℃の状態を1時間保持した後、
Figure 0005106725
からなる水溶液を添加し、次いで、
Figure 0005106725
からなる混合物を1.5時間にわたって滴下し、その間内温が80℃を越えない様に重合せしめた。滴下終了後、温度80℃の状態を30分間保持した後冷却し、グラフト共重合体(A−1)ラテックスを得た。
【0074】
次いで1.2%硫酸水溶液150部を75℃に加熱し、攪拌下この中へこのグラフト共重合体(A−1)ラテックス100部を徐々に滴下し凝固し、さらに90℃に昇温して5分間保持した。次いで析出物を脱水、洗浄、乾燥し、アセトン不溶分73%、ηsp/Cが0.71dl/gである粉末状のグラフト共重合体(A−1)を得た。
【0075】
[実施例2〜6、比較例1〜2]グラフト共重合体(A−2)〜(A−8)の製造
実施例1の製造例において、用いるアクリル酸エステル系ゴム状重合体(G−1a)を(G−1b)〜(G−1d)、(G−2)〜(G−3)、(Z−1)、そして肥大化していない小粒子アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g−1a)に変更した以外は同様にして重合を行い、グラフト共重合体(A−2)〜(A−8)を得た。その製造結果を表2に示した。
【0076】
[実施例7]グラフト共重合体(A−9)の製造
試薬注入容器、冷却管、ジャケット加熱機および攪拌装置を備えた反応器に、
Figure 0005106725
を入れ、攪拌しつつ窒素気流下で内温を75℃に昇温した。次いで
Figure 0005106725
の混合液を2時間にわたって滴下し重合した。滴下終了後、温度75℃の状態を1時間保持した後冷却し、グラフト共重合体(A−11)ラテックスを得た。
【0077】
次いで1.2%硫酸水溶液150部を75℃に加熱し、攪拌下この中へこのグラフト共重合体(A−11)ラテックス100部を徐々に滴下し凝固し、さらに90℃に昇温して5分間保持した。次いで析出物を脱水、洗浄、乾燥し、アセトン不溶分74%、ηsp/Cが0.55dl/gである粉末状のグラフト共重合体(A−9)を得た。
【0078】
[実施例8]グラフト共重合体(A−10)の製造
実施例7において、グラフト重合に用いる単量体混合物を、メタクリル酸メチル29.1部、アクリロニトリル7.3部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル3.6部に変更した以外は同様にして重合を行い、グラフト共重合体(A−10)を得た。その製造結果を表2に示した。
【0079】
[実施例9〜12、比較例3]グラフト共重合体(A−11)〜(A−15)の製造
実施例2において、グラフト重合に用いる単量体表2に示すごとく変更した以外は同様にして重合を行い、グラフト共重合体(A−11)〜(A−15)を得た。その製造結果を表2に示した。
【0080】
[実施例13〜16]グラフト共重合体(A−16)〜(A−19)の製造
これは(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体部にヒドロキシ基を含有する単量体を含んだグラフト共重合体の製造例である。実施例2において、用いるゴム状重合体およびグラフト重合に用いる単量体表2に示すごとく変更した以外は同様にして重合を行い、グラフト共重合体(A−16)〜(A−19)を得た。その製造結果を表2に示した。
【0081】
なお、測定は以下の方法により行った。
(i)ゴム状重合体ラテックスの質量平均粒子径と未肥大ゴム状重合体粒子の割合
MATEC APPLIED SCIENCES社製サブミクロン粒度分布測定器CHDF−2000を用いて測定した。
(ii)アセトン不溶分比率
冷却管および加熱器を備えたフラスコ中にグラフト共重合体約2.5g(秤量)およびアセトン80mlを入れ、加熱器により55℃で3時間加熱抽出処理を行い、冷却後次いで内液を日立工機(株)遠心分離器を用いて14,000回転/分の条件で60分処理することによって、アセトン不溶分を分離し、ついで上澄みを取り除いた後の沈殿物を乾燥後、その質量を測定し、以下の式で算出した。
【0082】
アセトン不溶分(質量%)=分離処理後の沈殿物乾燥質量/アセトン抽出前のグラフト共重合体質量 ×100
(iii)アセトン可溶分の還元粘度(ηsp/C)
上記グラフト共重合体のアセトン溶媒での抽出、次いで遠心分離処理によるアセトン不溶分の分離によって得た上澄み液中のアセトン溶媒を減圧蒸発させることによってアセトン可溶成分を析出回収し、次いでこのアセトン可溶成分0.2gを100ccのN,N−ジメチルホルムアミドに溶解させた溶液の溶液粘度を自動粘度計(サン電子工業(株)製)を用いて25℃で測定し、同条件で測定した溶媒粘度よりアセトン可溶分の還元粘度を求めた。
【0083】
[製造例10]他の熱可塑性樹脂(F−1)の製造
アクリロニトリル7部、スチレン23部、メタクリル酸メチル70部よりなり、 N,N−ジメチルホルムアミド溶液から25℃で測定した還元粘度が0.38dl/gであるアクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル三元共重合体(F−1)を公知の懸濁重合により製造した。
【0084】
[製造例11]他の熱可塑性樹脂(F−2)の製造
メタクリル酸メチル99部およびアクリル酸メチル1部からなり、 N,N−ジメチルホルムアミド溶液から25℃で測定した還元粘度が0.25dl/gであるアクリル樹脂(F−2)を公知の懸濁重合により製造した。
【0085】
[製造例12]他の熱可塑性樹脂(F−3)の製造
アクリロニトリル29部およびスチレン71部よりなり、N,N−ジメチルホルムアミド溶液から25℃で測定した還元粘度が0.60dl/gであるアクリロニトリル−スチレン共重合体(F−3)を公知の懸濁重合により製造した。
【0086】
[製造例13]他の熱可塑性樹脂(F−4)の製造
アクリロニトリル19部、スチレン53部そしてN−フェニルマレイミド28部よりなり、N,N−ジメチルホルムアミド溶液から25℃で測定した還元粘度が0.65dl/gであるアクリロニトリル−スチレン−N−フェニルマレイミド三元共重合体(F−4)を公知の連続溶液重合により製造した。
【0087】
[実施例13〜27および比較例3〜6]
製造したグラフト共重合体(A−1)〜(A−15)、他の熱可塑性樹脂(F−1)〜(F−4)、そしてエチレンビスステアリルアミドを樹脂成分100部に対して0.4部、そして必要に応じてを表1の配合にて添加した後、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、この混合物をバレル温度230℃に加熱した脱気式押出機(日本製鋼所(株)製TEX−30)に供給し、混練してペレットを得た。
【0088】
得られたペレットを用いて測定したアイゾット衝撃強度、成形光沢度、外観評価、熱着色性、そして耐候性の評価結果を表3に示す。
【0089】
得られた熱可塑性樹脂組成物の評価は以下の方法により行った。
(i)アイゾット衝撃強度
ASTM D256に準拠した方法により行い、ノッチあり、1/4“厚みの試片で23℃雰囲気下、12時間以上アイゾット試験片を放置した後測定を行った。
(ii)ロックウェル硬度(表面硬度)
ASTM D785に準拠する方法により行った。
(iii) 耐候性
100mm×100mm×3mm白着色板をサンシャインウエザーメーター(スガ試験機(株)製)でブラックパネル温度63℃、サイクル条件60分(降雨:12分)にて1,000時間処理した。その場合の色差計で測定した変色の度合い(ΔE)により評価した。
(iv)成形外観
サーモプラスチックス工業(株)製25mmφ単軸押出機を用い、バレル温度220℃、冷却ロール温度85℃で、幅60mmTダイから樹脂をシート状に吐出させ、巻き取り速度を調節することによって厚みを200〜250μmに調節した幅50〜60mmのシートを成形し、その成形シートについて、目視判定よりその艶消し性、フィッシュアイやダイラインの発生状態、表面のきめの細かさを判定し、問題なく良好なシートと認められたものを○、問題が多く実用に耐えないものを×、その中間を△と評価した。
(v)成形光沢度(艶消し性)
この得られた成形シートを用いて光沢度を測定した。
(vi)混練強化後の光沢度
上述の方法により得られた樹脂ペレットをさらに二度上述の条件にて押出機により混練処理した。この得られたペレットを(iv)と同様の条件にてシートを成形し、得られたシートの光沢度を測定した。
【0090】
【表2】
Figure 0005106725
【0091】
【表3】
Figure 0005106725
【0092】
実施例および比較例より、次のことが明らかとなった。
1)実施例1〜16のグラフト共重合体(A−1)〜(A−6)、(A−9)〜(A−14)、(A−16)〜(A−19)を含む熱可塑性樹脂組成物は、アイゾット衝撃強度、耐候性、そして艶消し性と外観、さらに混練強化後の艶消し性が全て良好であった。
2)比較例1〜3のグラフト共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物は、上記いずれかの項目において劣るものであった。
3)本発明の熱可塑性樹脂組成物を使用することで、単独で艶消し外観良好なシート状成形品が得られた。
【0093】
【発明の効果】
本発明のグラフト共重合体を用いて得られた熱可塑性樹脂組成物は、次のように特別に顕著な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大きい。
1)耐衝撃性、艶消し性、フィッシュアイや肌荒れ等の表面外観、耐候性、そして混練条件によらずに艶消し性に優れる。
2)特に耐衝撃性、艶消し性、耐候性とのバランスは、従来知られている熱可塑性樹脂組成物では得られない非常に高いレベルであり、各種工業用材料としての利用価値は極めて高い。
3)本発明の熱可塑性樹脂組成物は、シート状成形品に好適に用いられる。

Claims (13)

  1. 酸基含有共重合体ラテックス(K)により肥大化処理された(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)にビニル系重合体がグラフトされたグラフト共重合体であり、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位を含んでなるグラフト共重合体。
  2. (メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)に、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位を有する請求項1記載のグラフト共重合体。
  3. ビニル系重合体からなるグラフト部に、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル単位を有する請求項1または2記載のグラフト共重合体。
  4. (メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)が、炭素数1〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位を50質量%以上含んでいる請求項1〜3の何れか一項記載のグラフト共重合体。
  5. 肥大化処理後の質量平均粒子径が200〜1000nmである(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)を用いる請求項1〜4の何れか一項記載のグラフト共重合体。
  6. 肥大化されていない小粒子径(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(g)の存在割合が15質量%以下である(メタ)アクリル酸エステル系ゴム状重合体(G)を用いる請求項1〜5の何れか一項記載のグラフト共重合体。
  7. グラフトされたビニル系重合体が、(メタ)アクリル酸エステル系化合物単量体単位、シアン化ビニル系化合物単量体単位および芳香族アルケニル系化合物単量体単位から選ばれる1種以上の単量体単位を含む請求項1〜6の何れか一項記載のグラフト共重合体。
  8. 請求項1〜7の何れか一項記載のグラフト共重合体(A)5〜95質量%と、他の熱可塑性樹脂(F)95〜5質量%(但し、成分(A)および成分(F)の合計は100質量%)とからなる熱可塑性樹脂組成物。
  9. 他の熱可塑性樹脂(F)が、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−N−置換マレイミド三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸−N−置換マレイミド三元共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE樹脂)およびポリアミドからなる群から選ばれる1種以上の樹脂である請求項8記載の熱可塑性樹脂組成物。
  10. 請求項8または9記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
  11. 請求項8または9記載の熱可塑性樹脂組成物からなるシート状成形品。
  12. 請求項11記載のシート状成形品と、他の熱可塑性樹脂組成物とを積層してなる多層成形シート状成形品。
  13. 表面光沢度(入射角60°)が50%以下である請求項11または12記載のシート状成形品。
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