JP5106618B2 - 空気入りタイヤの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の製造方法によって製造される空気入りタイヤの構造について、図1を用いて説明する。本発明の空気入りタイヤ101は、乗用車用、トラック・バス用、重機用などとして用いることができる。空気入りタイヤ101は、クラウン部102と、クラウン部102の側縁に連なるタイヤバットレス部110と、サイドウォール部103と、ビード部104とを有する。さらに、ビード部104にはビードコア105が埋設される。また、一方のビード部104から他方のビード部にわたって設けられ、両端を折り返してビードコア105を係止するカーカス106と、該カーカス106のクラウン部外側に2枚のプライよりなるベルト層107とが配置されている。カーカス106のタイヤ半径方向内側には一方のビード部104から他方のビード部に亘るインナーライナー109が配置されている。ベルト層107は、スチールコードまたはアラミド繊維等のコードよりなる2枚のプライを、タイヤ周方向に対してコードが通常5〜30°の角度になるようにプライ間で相互に交差するように配置される。またカーカスはポリエステル、ナイロン、アラミドなどの有機繊維コードがタイヤ周方向にほぼ90°の角度に配列されており、カーカスとその折り返し部に囲まれる領域には、ビードコア105の上端からサイドウォール方向に延びるビードエーペックス108が配置される。なお、インナーライナー109とカーカス106との間に、インスレーションが配置されていてもよい。
本発明の空気入りタイヤの製造方法に用いられるタイヤ加硫用ブラダーのベントラインについて、図2〜図5を用いて説明する。図2において、タイヤ加硫用ブラダー1の両端部にフランジ部2a、2bを設け、一方のフランジ部2aから他方のフランジ部2bにかけて、複数のベントライン4が設けられている。
図4(b)は、角度αが90°、角度βが60°の場合のベントラインを示す。
図4(d)は、角度αが60°、角度βが60°の場合のベントラインを示す。
第1ベントライン4aおよび第2ベントライン4bの溝断面の形状について、図5を用いて説明する。図5において、両矢印線Wはベントラインの溝断面の幅を示す。両矢印線Hはベントラインの溝断面の深さを示す。斜線部Sはベントラインの溝断面積を示す。両矢印Dは隣接する2本のベントライン間の距離を示す。
本発明の空気入りタイヤに用いるインナーライナーは、図7に示されるような単層のポリマーシートであってもよいし、図8〜図11に示されるような複層のポリマー積層体であってもよい。
図7に示されるように、ポリマーシート10aは、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体(以下、SIBSともいう)を含むSIBS層11aからなる。
上記のSIBS層11aの厚みは、0.05mm以上0.6mm以下である。SIBS層11aの厚みが0.05mm未満であると、ポリマーシートをインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、SIBS層がプレス圧力で破れてしまい、得られたタイヤにおいてエアーリーク現象が生じるおそれがある。一方、SIBS層11aの厚みが0.6mmを超えると、タイヤ重量が増加して低燃費性能が低下する。SIBS層11aの厚みは、さらに0.05mm以上0.4mm以下であることが好ましい。
SIBSのイソブチレンブロックにより、SIBSを含むポリマーシートは優れた耐空気透過性を有する。したがって、SIBSを含むポリマーシートをインナーライナーに用いた場合、耐空気透過性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
上記のSIBS層11aは、炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体を含む。該重合体の低分子量成分は、SIBS由来の耐空気透過性を損なうことなく、SIBS層と、他のポリマーシートやゴム層との未加硫粘着力および加硫接着力を向上させることができる。したがって、該重合体を含むSIBS層11aをタイヤのインナーライナー部に用いると、隣接するカーカスやインスレーションなどを形成するゴム層との接着力が向上し、インナーライナーとカーカス、またはインナーライナーとインスレーションの間のエアーイン現象を防ぐことができる。また、このようにインナーライナーとカーカス、またはインナーライナーとインスレーションの間の加硫接着力が向上することにより、層間の剛性を高めることができ、もって操縦安定性を向上させることができる。
SIBS層11aは、炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体を0.5質量%以上40質量%以下含む。炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体の含有量が0.5質量%未満であると、カーカスやインスレーションとの加硫接着力が低下するおそれがあり、40質量%を超えると、耐空気透過性が低下し、さらに粘度が低くなるため押出加工性が悪くなるおそれがある。該重合体の含有量は、好ましくは5質量%以上20質量%以下である。一方、SIBS層11a中のSIBSの含有量は60質量%以上99.5質量%以下が好ましい。SIBSの含有量が60質量%未満であると、耐空気透過性が低下するおそれがあり、99.5質量%を超えると、カーカスやインスレーションとの加硫接着力が低下するおそれがあるため好ましくない。SIBSの含有量は、80質量%以上95質量%以下がさらに好ましい。
(形態1)
図8は、本発明のインナーライナーに用いられるポリマー積層体の一例を示す模式的な断面図である。
SIS層12bの厚みは、0.01mm以上0.3mm以下である。SIS層12bの厚みが0.01mm未満であると、ポリマーシートをインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、SIS層12bがプレス圧力で破れてしまい、加硫接着力が低下する恐れがある。一方、SIS層12bの厚みが0.3mmを超えるとタイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する。SIS層12bの厚みは、さらに0.05mm以上0.2mm以下であることが好ましい。SIS層は、SISを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをシート化する通常の方法によって得ることができる。
SIBSおよび炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体は、上記と同様のものを用いることができる。よって、以下においてスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体を説明する。
スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体のイソプレンブロックはソフトセグメントであるため、SISを含むポリマーシートはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SISを含むポリマーシートをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、エアーインを防ぐことができ、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
このようにポリマー積層体がSIBS層11bとSIS層12bとからなる場合、SIBS層11bおよびSIS層12bの少なくともいずれかが、炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体を0.5質量%以上40質量%以下含む。すなわち、(a)SIBS層11bが上記重合体を含み、SIS層12bが上記重合体を含まない場合、(b)SIBS層11bが前記重合体を含まず、SIS層12bが前記重合体を含む場合、(c)SIBS層11bおよびSIS層12bの両方が前記重合体を含む場合が該当する。上記(a)〜(c)のうち、(c)を用いることが、接着力が高いという観点から好ましい。
SIBSおよび前記重合体それぞれの含有量は、0.5質量%以上40質量%以下含むことが好ましい。
図9は、本発明のインナーライナーに用いられるポリマー積層体の一例を示す模式的な断面図である。
SIB層13cの厚みは、0.01mm以上0.3mm以下である。SIB層13cの厚みが0.01mm未満であると、ポリマーシートをインナーライナーに適用した生タイヤの加硫時に、SIB層13cがプレス圧力で破れてしまい、加硫接着力が低下する恐れがある。一方、SIB層13cの厚みが0.3mmを超えるとタイヤ重量が増加し、低燃費性能が低下する。SIB層13cの厚みは、さらに0.05mm以上0.2mm以下であることが好ましい。SIB層は、SIBを押出成形、カレンダー成形といった熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーをシート化する通常の方法によって得ることができる。
SIBSおよび炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体は、上記と同様のものを用いることができる。よって、以下においてスチレン−イソブチレンジブロック共重合体を説明する。
スチレン−イソブチレンジブロック共重合体のイソブチレンブロックはソフトセグメントであるため、SIBを含むポリマーシートはゴム成分と加硫接着しやすい。したがって、SIBを含むポリマーシートをインナーライナーに用いた場合、該インナーライナーは、たとえばカーカスやインスレーションを形成する隣接ゴムとの接着性に優れているため、エアーインを防ぐことができ、耐久性に優れた空気入りタイヤを得ることができる。
上記のSIBS層11cおよびSIB層13cの少なくともいずれかが、炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体を0.5質量%以上40質量%以下含む。すなわち、(a)SIBS層11cが上記重合体を含み、SIB層13cが上記重合体を含まない場合、(b)SIBS層11cが上記重合体を含まず、SIB層13cが上記重合体を含む場合、(c)SIBS層11cおよびSIB層13cの両方が上記重合体を含む場合が該当する。上記(a)〜(c)のうち、(c)を用いることが、接着力が高いという観点から好ましい。
図10は、本発明のインナーライナーに用いられるポリマー積層体の一例を示す模式的な断面図である。
本形態においては、SIBS層11d、SIS層12d、およびSIB層13dの少なくともいずれかが、炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体を0.5質量%以上40質量%以下含む。すなわち、(a)SIBS層11dのみが上記重合体を含む場合、(b)SIS層12dのみが上記重合体を含む場合、(c)SIB層13dのみが上記重合体を含む場合、(d)SIBS層11dおよびSIS層12dが上記重合体を含み、SIB層13dが上記重合体を含まない場合、(e)SIBS層11dおよびSIB層13dが上記重合体を含み、SIS層12dが上記重合体を含まない場合、(f)SIS層12dおよびSIB層13dが上記重合体を含み、SIBS層11dが上記重合体を含まない場合、(g)SIBS層11d、SIS層12dおよびSIB層13dのすべてが上記重合体を含む場合が該当する。上記(a)〜(g)のうち、(d)を用いることが、接着力が高く、コストを抑えられるという観点から好ましい。
図11は、本発明のインナーライナーに用いられるポリマー積層体の一例を示す模式的な断面図である。
本発明の一実施の形態におけるポリマー積層体は、SIBS、SIS、SIBのペレットを、Tダイ押出機により共押出をして得ることができる。また、たとえば形態2〜4のいずれかに記載された順序で、SIBS層、SIS層、SIB層をラミネート押出や共押出などの積層押出をして得ることができる。
本発明の空気入りタイヤの製造方法は、以下の方法で製造することができる。
(ポリマーシートおよびポリマー積層体の作製)
表1に示す配合処方にしたがって各配合剤を2軸押出機(スクリュ径:φ50mm、L/D:30、シリンダ温度:200℃)に投入し、200rpmで混練してペレット化した(製造例1〜製造例8)。得られたペレットを共押出機(シリンダ温度:200℃)に投入して、表3〜表6に示す構造を有するポリマーシートまたはポリマー積層体を製造した。
(注2)SIS:クレイトンポリマー社製の「D1161JP」(スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、重量平均分子量150,000、スチレン単位含有量15質量%)。
(注3)SIB:攪拌機付き2L反応容器に、メチルシクロヘキサン(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)589mL、n−ブチルクロライド(モレキュラーシーブスで乾燥したもの)613ml、クミルクロライド0.550gを加えた。反応容器を−70℃に冷却した後、α−ピコリン(2−メチルピリジン)0.35mL、イソブチレン179mLを添加した。さらに四塩化チタン9.4mLを加えて重合を開始し、−70℃で溶液を攪拌しながら2.0時間反応させた。次に反応容器にスチレン59mLを添加し、さらに60分間反応を続けた後、大量のメタノールを添加して反応を停止させた。反応溶液から溶剤などを除去した後に、重合体をトルエンに溶解して2回水洗した。このトルエン溶液をメタノール混合物に加えて重合体を沈殿させ、得られた重合体を60℃で24時間乾燥することによりスチレン−イソブチレンジブロック共重合体(重量平均分子量70,000、スチレン単位含有量15質量%)を得た。
(注4):ポリイソブチレン:新日本石油(株)社製の「テトラックス 3T」(重量平均分子量49,000、粘度平均分子量30,000)。
得られたポリマーシートまたはポリマー積層体を空気入りタイヤのインナーライナー部分に適用して生タイヤを準備した。なお、ポリマー積層体は、第1層が生タイヤの半径方向の最も内側に配置され、第2層が生タイヤのカーカス層に接するように配置した。該生タイヤを金型内で表3〜表6に示す形状のブラダーベントラインを有するタイヤ加硫用ブラダーを用いて、170℃で20分間プレス成形して、加硫金型を開放せずにブラダー内圧を下げずに、100℃で3分間冷却した後、加硫タイヤを金型から取り出し、195/65R15サイズの加硫タイヤを製造し、空気入りタイヤを得た。
((a)第1層の加硫接着力)
第1層とカーカス層、および第1層と第2層の未加硫ゴムシートを貼り合わせて、170℃で20分間加熱し、加硫接着力測定用のサンプルを作製する。引張剥離試験により剥離力を測定することで加硫接着力とした。得られた数値を参考例1を基準(100)として、各比較例、各参考例の第1層の加硫接着力について、下記式により指数表示した。なお、数値が大きいほど加硫接着力が強く、好ましいことを示す。
(加硫接着力指数)=(各比較例、各参考例の加硫接着力)/(参考例1の加硫接着力)×100。
加硫タイヤの内側のインナーライナーの損傷を目視で検査した。判定基準は以下の通り。なお、損傷の大きさは考慮しない。
A:外観上、タイヤ1本当たり、インナーライナーの損傷の数が0個。
B:外観上、タイヤ1本当たり、インナーライナーの損傷の数が1個以上。
加硫および冷却工程後のタイヤの内側を検査し、以下の基準で評価した。
A:外観上、タイヤ1本あたり、直径5mm以下のエアーインの数が0個、かつ直径5mmを超えるエアーインの数が0個。
B:外観上、タイヤ1本あたり、直径5mm以下のエアーインの数が1〜3個、かつ直径5mmを超えるエアーインの数が0個。
C:外観上、タイヤ1本あたり、直径5mm以下のエアーインの数が4個以上、または直径5mmを超えるエアーインの数が1個以上。
タイヤの耐久走行試験にて、インナーライナーが割れたり剥がれたりするかを評価した。製造した195/65R15サイズの空気入りタイヤを、JIS規格リム15×6JJに組み付け、タイヤ内圧を通常よりも低内圧である150KPa、荷重600kg、速度100km/時間とし、走行距離20,000kmの時のタイヤ内側を観察し、亀裂剥離の数を測定した。得られた数値を参考例1を基準(100)として、各比較例、各参考例の屈曲亀裂成長性について、下記式により指数表示した。数値が大きいほど、耐屈曲亀裂成長性が優れていることを示す。
(屈曲亀裂成長性指数)=(参考例1の亀裂剥離の数)/(各比較例、各参考例の亀裂剥離の数)×100。
(株)神戸製鋼所製の転がり抵抗試験機を用い、製造した195/65R15サイズの空気入りタイヤをJIS規格リム15×6JJに組み付け、荷重3.4kN、空気圧230kPa、速度80km/時間の条件下で、室温(38℃)にて走行させて、転がり抵抗を測定した。得られた数値を参考例1を基準(100)とし、各比較例、各参考例の転がり抵抗について、下記式により指数表示した。なお、数値が大きいほど、転がり抵抗が低減され、好ましいことを示す。
(転がり抵抗指数)=(参考例1の転がり抵抗)/(各比較例、各参考例の転がり抵抗)×100。
空気入りタイヤを国産FF2000ccの全輪に装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。その際に10点を満点として、実施例1を6点として相対評価を行った。数値が大きいほど、操縦安定性に優れることを示す。
総合判定の判定基準は表2の通り。
結果を表3〜表6に示す。
参考例1〜8で製造した空気入りタイヤの第1ベントラインおよび第2ベントラインの溝断面の形状は、ブラダーの金型と接する側の表面における幅が0.5mm以上3.0mm以下およびブラダーの金型と接する側の表面からの深さが0.1mm以上2.0mm以下であり、かつ第1ベントラインおよび第2ベントラインの溝断面積は0.025mm2以上6.0mm2以下であった。
参考例1〜8で製造した空気入りタイヤは、タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する第1ベントラインの角度αと、タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する第2ベントラインの角度βとがα≧βの関係を満たしていたのに対し、比較例5で製造した空気入りタイヤは、上記α≧βの関係を満たしていなかった。
参考例1〜8で製造した空気入りタイヤは、タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する第1ベントラインの角度αが60°以上90°以下であるのに対し、比較例6で製造した空気入りタイヤは、タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する第1ベントラインの角度αが60°未満であった。
参考例12〜13で製造した空気入りタイヤの第1ベントラインおよび第2ベントラインの溝断面の形状は、ブラダーの金型と接する側の表面における幅が0.5mm以上3.0mm以下およびブラダーの金型と接する側の表面からの深さが0.1mm以上2.0mm以下であり、かつ第1ベントラインおよび第2ベントラインの溝断面積は0.025mm2以上6.0mm2以下であった。
参考例14〜24で製造した空気入りタイヤは、タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する第1ベントラインの角度αと、タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する第2ベントラインの角度βとがα≧βの関係を満たしていたのに対し、比較例8で製造した空気入りタイヤは、上記α≧βの関係を満たしていなかった。
参考例25〜35で製造した空気入りタイヤは、タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する第1ベントラインの角度αと、タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する第2ベントラインの角度βとがα≧βの関係を満たしていたのに対し、比較例9で製造した空気入りタイヤは、上記α≧βの関係を満たしていなかった。
Claims (8)
- 複数のベントラインを備えるタイヤ加硫用ブラダーを用いて、インナーライナーを内面に備える空気入りタイヤの製造方法であって、
前記インナーライナーは、スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体を含むSIBS層およびスチレン−イソブチレンジブロック共重合体を含むSIB層を有するか、または前記SIBS層、前記SIB層およびスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体を含むSIS層を有し、
前記SIBS層の厚さは、0.05mm以上0.6mm以下であり、
前記SIS層および前記SIB層の厚さが合計で0.01mm以上0.3mm以下であり、
前記SIBS層、前記SIS層および前記SIB層の少なくともいずれかは、炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体を0.5質量%以上40質量%以下含み、
前記スチレン−イソブチレンジブロック共重合体は直鎖状であり、重量平均分子量が4万以上12万以下であり、かつスチレン単位含有量が10質量%以上35質量%以下であり、
前記ベントラインは、タイヤビードトウ部からタイヤバットレス部に対応する部分の第1ベントラインと、前記タイヤバットレス部からタイヤクラウン部に対応する部分の第2ベントラインとを含み、
前記第1ベントラインおよび前記第2ベントラインの溝断面の形状は、ブラダーの金型と接する側の表面における幅が0.5mm以上3.0mm以下およびブラダーの金型と接する側の表面からの深さが0.1mm以上2.0mm以下であり、
前記第1ベントラインおよび前記第2ベントラインの溝断面積は0.025mm2以上6.0mm2以下であり、
前記第1ベントラインは、前記タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する角度αが60°以上90°以下、かつ、前記第2ベントラインは、前記タイヤビードトウ部に対応する部分の接線に対する角度βが40°以上90°以下であり、
前記角度αと前記角度βの大きさは、α>βの関係を満たす、空気入りタイヤの製造方法。 - 前記第1ベントラインおよび前記第2ベントラインの溝断面の形状は、略矩形、略半円形、または略三角形である、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体が、ポリブテンおよびポリイソブチレンの少なくともいずれかからなる、請求項1または2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記炭素数4のモノマー単位を重合して得られる重合体が、数平均分子量300以上3,000以下、重量平均分子量700以上100,000以下、および粘度平均分子量20,000以上70,000以下の少なくともいずれかを満たす、請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記SIBS層が、空気入りタイヤの半径方向の最も内側に配置される、請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記炭素数4のモノマーユニットを重合して得られる重合体を含むSIS層または前記炭素数4のモノマーユニットを重合して得られる重合体を含むSIB層が、空気入りタイヤのカーカス層に接して配置される、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記スチレン−イソブチレン−スチレントリブロック共重合体は、重量平均分子量が5万以上40万以下であり、かつスチレン単位含有量が10質量%以上30質量%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
- 前記スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体は重量平均分子量が10万以上29万以下であり、かつスチレン単位含有量が10質量%以上30質量%以下である、請求項1に記載の空気入りタイヤの製造方法。
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