JP5106324B2 - 洗浄性及びメンテナンス性を向上させた円錐型リボン混合処理装置 - Google Patents
洗浄性及びメンテナンス性を向上させた円錐型リボン混合処理装置Info
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Description
この円錐型リボン混合処理装置D′は図7に示すように、逆円錐状の処理槽1′内に回転翼3′を具え、この回転翼3′によって処理槽1′内全体に被処理物Wの循環流を起こさせて、被処理物Wの混合、破砕、乾燥、殺菌、冷却を行うものである。
そして前記回転翼3′を回転させながら、処理槽1′の上部に形成された投入口12′から被処理物Wを投入すると、被処理物Wは処理槽1′内において螺旋状のリボン翼32′に案内されながら処理槽1′の内壁に沿って上昇し、上部に具えられた渦流ブレーカ6′の位置まで到達し、この渦流ブレーカ6′に衝突し、中央部に案内されてここから落下するものである。
以降、被処理物Wはこのような経路を流動・循環しながら、混合、破砕、乾燥、殺菌、冷却のうちのいずれか一つまたは複数の処理が進行されることとなる。
まず前記二条のリボン翼32′が具えられた円錐型リボン混合処理装置D2′は、平面視で二条のリボン翼32′及び渦流ブレーカ6′が回転軸30′を中心として対称になるように設置されており、重心G0は回転軸30′の略中心に位置し、安定した回転状態が得られるものである。このため回転軸30′は、装置上部のみにある軸受機構による、いわゆる片持ちが可能であり、更に高速回転での運転が可能であるため混合、破砕、乾燥、 殺菌、冷却を効率的に行うことができる。
その一方、処理槽1′内には二条の撹拌翼32′及び支持バー32′が密に存在することとなるため自由空間が乏しく、付着物が付着し易く更にその除去や掃除の作業性は良いものとは言えない。特に付着物に関しては、二条分のリボン翼32′及び支持バー31′に対して付着するため、その量も多大なものとなってしまう。
その一方、回転翼3′の重心G0は、平面視でできるだけ撹拌軸30′の中心に位置するように設計されたとしても、どうしても回転軸30′の中心よりも大きくずれてしまう。この結果、回転が安定しないため回転翼3′自体が振動を発生させる要因となったり、回転が安定しないために被処理物Wの流動も乱されて、それが振動の要因となったりする。
このため安定した回転状態を得るには、回転軸30′を、装置の上と下に具えられた軸受機構による、いわゆる上下両持ちとしたり、あるいは回転軸30′の径を太くするとともに、低速回転で運転を行う等の配慮をしなければならない。
しかしながら、回転軸30′を上下両持ちとした場合には、処理槽1′の下部に設けられる軸受に対して粉体が詰まってしまうことは避けられず、衛生上、食品の処理には不向きなものとなってしまう。
また回転軸30′を低速回転させる場合には、被処理物Wが撹拌されずに回転翼3′とともに回ってしまういわゆる共回りの発生や、混合ムラ、乾燥ムラ、ダマの発生等が起こってしまうことがある。
更にまた一条のリボン翼32′を具えるタイプの場合には、重心G0の位置を調節するために、リボン翼32′の幅等を、被処理物Wの流動に適した本来の形状とは異なる形状に変更することもあり、回転状態を安定させることと流動状態を良好なものとすることの両立は困難であった。
この発明によれば、回転翼の重心と回転軸の中心とのズレがカウンターバランサによって補正されるため、回転翼の回転が安定し、振動の発生を抑えることができる。
なお、回転翼の重心とは回転翼を支える支持バーを含んだ上での重心を意味するものである。
また、処理槽内上部に位置する被処理物を、平面視で対称的に流動させることができるので、回転翼の回転をより安定させ、装置の振動をより抑制することができる。
この発明によれば、回転翼の重心を、回転翼が安定して回転できる位置に補正することができ、装置の振動をより抑制することができる。
この発明によれば、カウンターバランサとしての機能を維持しつつ、装置の振動をより抑制することができ、被処理物の付着及び残留を抑えることができる。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記課題の解決が図られる。
図1中、符号Dで示すものが本発明の洗浄性及びメンテナンス性を向上させた円錐型リボン混合処理装置(以下、円錐型リボン混合処理装置Dと称する。)であり、この装置は、逆円錐状の処理槽1内に具えられた回転翼3によって被処理物Wの混合、破砕、乾燥、殺菌、冷却の各処理のいずれか一つまたは複数の処理を行うための装置である。
また前記天板11に対しては投入口12が形成され、更に処理槽1の下部には排出口13が形成される。
また前記回転翼3は、回転軸30の軸方向に沿って複数の支持バー31が固定され、この支持バー31の端部に対して、幅細のリボン翼32が先細り螺旋状に取り付けられて成るものである。
そこで本発明では、このようなズレを補正するようなカウンターバランサ5が具えられるものである。ここでカウンターバランサ5が具えられる前の回転翼3の重心をG0とし、カウンターバランサ5の重心をG1とし、更にカウンターバランサ5が具えられた状態の回転翼3の重心をG2として説明を行うものとする。
この実施例ではリボン翼タイプのカウンターバランサ51が採用されるものであり、このカウンターバランサ51を回転軸30に接続するための支持バー53も実質的にカウンターバランサ5の構成要素となる。
このタイプのカウンターバランサ51は、図3(b)に示すように平面視において、回転軸30の中心を中心点として、回転翼3の重心G0から180°の方向の点と回転翼3の重心G0とを結んだ線を基準ラインLとし、この基準ラインLから左右60°の範囲内にカウンタバランサ51の重心G1が位置するように設けられるものである。この結果、回転翼3の重心G0は回転軸30のほぼ中心に位置する重心G2として補正されることとなる。この範囲にカウンタバランサ51の重心G1を位置させることにより回転が安定し、更に回転が安定することにより被処理物Wの流動が安定するために 円錐型リボン混合処理装置Dの振動が抑制される。
なお図5に示すグラフは、回転軸30の中心点の回りにカウンターバランサ51の位置を変えた場合、重心G2の回転軸30の中心点からの偏心距離の変化を示したものである。このグラフの横軸(バランサ設置角度)は、図3(b)における回転軸30の中心点を基準点とし、更にリボン翼32の最上部を支える支持バー31の中心線を0°方向の基準ラインXとしたときの反時計回りの角度を表しており、カウンターバランサ51の重心G1を反時計回りに位置を変えた場合として表している。
まず始めにモータMを起動して回転翼3を回転させながら、被処理物Wを投入口12から処理槽1内に投入するものであり、被処理物Wは螺旋状のリボン翼32に案内されながら処理槽本体10の内壁に沿って上昇することとなる。
このとき本発明によれば、平面視において回転翼3の重心G0が回転軸30の中心に位置する重心G2として補正されるため、回転軸30を上部のみでの片持ちとしながらも、安定した回転状態を得ることができ、回転翼3を高速で回転させることが可能となる。このため低速回転させた場合に発生してしまう、被処理物Wが撹拌されずに回転翼3とともに回ってしまういわゆる共回りや、混合ムラ、乾燥ムラ、ダマの発生等を回避することが可能となる。
しかしながら本発明の円錐リボン型混合処理装置Dにあっては、処理槽1内の上部に位置する被処理物Wは、リボン翼タイプのカウンターバランサ51にも案内されて回転軸30を中心として対称的に流動することとなり、やがて渦流ブレーカ6と接触することとなる。このため被処理物Wは回転軸30や処理槽本体10内面に対して対称的な流動を生じ、また回転軸30に対して対称の位置の二カ所に具えられる渦流ブレーカ6に同時に被処理物Wが接触するため、その衝撃はほぼ相殺されることとなり、回転翼3の回転を安定したものとし、円錐リボン型混合処理装置Dの振動を抑制することができる。
本発明は、一例として以上述べたようにして構成されるものであり、以下、本発明と技術的に関連した参考例として、タイプを異ならせたカウンターバランサ5を示しておく。
図4(a)(b)に示すに示す回転翼3は、バータイプのカウンターバランサ52が回転軸30に接続されたものであり、このような回転翼3が処理槽本体10内に具えられることにより、円錐型リボン混合処理装置Dが構成される。そしてカウンタバランサ52は一本のバーのみによって構成されるため、被処理物Wの流動により作用する力が小さい場合は、円錐型リボン混合処理装置Dに生じる振動も軽微であるため安定した運転が行え、図3に示したタイプの回転翼3と比べて付着物をより少量に抑えることができる。
また図4(c)(d)に示すものは、図3(a)(b)に示したリボン翼タイプのカウンターバランサ51の代わりに、丸棒状のカウンターバランサ55が支持バー53により支えられた回転翼3である。このものはバーのみにより構成される図4(a)(b)に示したカウンターバランサ52よりも、回転翼3の回転がよりいっそう安定し、円錐型リボン混合処理装置Dの振動をより一層抑えることができるものである。
なおカウンターバランサ5の設置個所及び本数は適宜変更することが可能である。
また図6はカウンターバランサ5を処理槽1の外部に設けた参考例を示すものであり、回転軸30における処理槽1の外部に位置する部位に、偏心錘状のカウンターバランサ54を具えたものである。
1 処理槽
1A 円錐部
1B 円筒部
10 処理槽本体
11 天板
12 投入口
13 排出口
2 減速機
3 回転翼
30 回転軸
31 支持バー
32 リボン翼
5 カウンターバランサ
51 カウンターバランサ
52 カウンターバランサ
53 支持バー
54 カウンターバランサ
55 カウンターバランサ
6 渦流ブレーカ
D1′ 円錐型リボン混合処理装置
D2′ 円錐型リボン混合処理装置
G0 重心
G1 重心
G2 重心
L 基準ライン
M モータ
W 被処理物
X 基準ライン
Claims (3)
- 逆円錐状の処理槽内に、上部のみで片持ちとされた回転軸に対して一条のリボン翼を具えて構成された回転翼を配し、この回転翼によって被処理物の混合、破砕、乾燥、殺菌、冷却の各処理のいずれか一つまたは複数の処理を行う装置において、前記装置は、前記リボン翼の形状に起因する回転翼の重心のズレを補正するためのカウンターバランサを具えて成るものであり、このカウンターバランサは、前記回転軸に具えられたリボン翼タイプのものであることを特徴とする洗浄性及びメンテナンス性を向上させた円錐型リボン混合処理装置。
- 前記リボン翼タイプのカウンターバランサは、平面視において、回転軸の中心を中心点とし、回転翼の重心から180°の方向の点と回転翼の重心とを結んだ線を基準ラインとし、この基準ラインから左右60°の範囲内にカウンターバランサの重心が位置するように設けられるものであることを特徴とする請求項1記載の洗浄性及びメンテナンス性を向上させた円錐型リボン混合処理装置。
- 前記リボン翼タイプのカウンターバランサは、同じ高さに位置するリボン翼の0.3〜1. 2倍の幅となるように設定され、且つその長さは一周以内に設定されたものであることを特徴とする請求項1または2記載の洗浄性及びメンテナンス性を向上させた円錐型リボン混合処理装置。
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