以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。したがって、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
まず図1及び図2を用いて、シート処理装置としての糊付け製本装置を備えた画像形成装置について説明する。図1は、糊付け製本装置を備えた画像形成装置の概略構成を示す模式断面図であり、ここでは画像形成装置として複写機を例示している。図2は糊付け製本装置の概略構成を示す模式断面図である。
図1及び図2において、画像形成装置1は、原稿搬送装置(ADF)2、リーダ部200、プリンタ部300、そしてシート整合装置129を有する糊付け製本装置15等で構成されている。
原稿搬送装置2は、上方に原稿トレイ4を有し、下方に駆動ローラ36とターンローラ37に巻回された幅広ベルト5を有している。原稿トレイ4上の原稿Dは、順次、最上位の原稿から分離手段により分離、給送されて、画像形成装置1の本体6の読み取り位置であるプラテンガラス3上に搬送されるようになっている。
幅広ベルト5は、プラテンガラス3の上面に正逆回転自在に当接している。幅広ベルト5は、原稿トレイ4から搬送された原稿Dを、プラテンガラス3の所定の位置に搬送した後、原稿排出トレイ10上に搬出するようになっている。なお、原稿Dは、上から順に1ページ(2ページ)、3ページ(4ページ)…の順番で原稿トレイ4に載置されるものとする。
画像形成装置1の本体6は、リーダ部200とプリンタ部300により構成されている。リーダ部200は、プラテンガラス3と、スキャナユニット204と、ミラー205,206、レンズ207、イメージセンサ208等とを有している。そして、原稿Dに記録された画像を光学的に読み取り、光電変換して画像データとしてプリンタ部300に入力するようになっている。スキャナユニット204は、ランプ202、ミラー203とを有している。
次に、プリンタ部300の説明をする。プリンタ部300は、周知の静電潜像方式によってシートに原稿の画像を複写するようになっている。また、プリンタ部300は、外部からの情報信号によってもシートに画像を形成するようになっている。
上段カセット800は、シートを収納している。上段カセット800内のシートは、分離爪(不図示)と給送ローラ801によって1枚ずつレジストローラ対806に分離給送されるようになっている。下段カセット802も、シートを収納している。下段カセット802内のシートも、分離爪(不図示)と給送ローラ803によって1枚ずつレジストローラ対806に分離給送されるようになっている。手差しガイド804は、ユーザの手差しによってシートが供給されるようになっている。手差しガイド804に供給されたシートも、ローラ805によってレジストローラ対806に送られるようになっている。デッキタイプのシート積載装置808は、モータ等によって昇降する中板808aを備えている。中板808a上のシートも、給送ローラ809と分離爪(不図示)によって1枚ずつ搬送ローラ810を介して、レジストローラ対806に分離給送されるようになっている。
プラテンガラス3上に配置された1枚の原稿がリーダ部200によって読み取られて、読み取られた原稿情報に基づいて書き込み光学系(不図示)により感光ドラム812上に静電潜像が形成される。カセット800,802、シート積載装置808、あるいは手差しガイド804のいずれかから、ユーザによって設定されたコピー枚数分のシートが、現像器814によって感光ドラム812にトナー像が形成される毎に、感光ドラム812に給送される。感光ドラム812上の像と、シートの位置合わせは、レジストローラ対806によって行われる。
必要枚数のシートに画像が形成されると、その原稿はプラテンガラス3上から排出され、次の原稿がプラテンガラス3上に位置決めされる。画像形成装置1は、以下、同様にして、シートに原稿の画像をコピーする。
上記いずれかのカセット800,802、シート積載装置808、手差しガイド804から感光ドラム812にシートが供給されたとき、感光ドラム812上のトナー像は、転写帯電器815によってシートに転写される。トナー像は、感光ドラム812上に現像器814によってあらかじめ形成されている。そしてシートは、分離帯電器816によって、感光ドラム812から分離される。感光ドラム812、現像器814、転写帯電器815、分離帯電器816等は、画像形成部(画像形成手段)822を構成している。
トナー像が形成されたシートは、搬送ベルト817によって、定着装置818に搬送される。定着装置818は、シートを加熱加圧してトナー像をシートに定着する。その後、搬送ローラ819は、トナー像が定着されたシートを切替部材820に送り込む。切替部材820は、トナー像が定着されたシートを本体排出ローラ821に導いて、糊付け製本装置15に案内する。
次に、本画像形成装置全体の制御を司るコントローラの構成について説明する。図3は図1の画像形成装置全体の制御を司るコントローラの構成を示すブロック図である。
コントローラは、図3に示すように、CPU回路部301を有する。CPU回路部301は、CPU(不図示)、ROM301a、RAM301bを内蔵し、ROM301aに格納されている制御プログラムにより各ブロック302,303,304,305,306,307,410を総括的に制御する。RAM152は、制御データを一時的に保持し、また制御に伴う演算処理の作業領域として用いられる。
原稿搬送装置制御部302は、原稿搬送装置2をCPU回路部301からの指示に基づき駆動制御する。リーダ制御部304は、上述のスキャナユニット204、イメージセンサ208などに対する駆動制御を行い、イメージセンサ208から出力されたアナログ画像信号を画像信号制御部305に転送する。
画像信号制御部305は、イメージセンサ208からのアナログ画像信号をデジタル信号に変換した後に各処理を施し、このデジタル信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部307に出力する。また、コンピュータ309から外部I/F306を介して入力されたデジタル画像信号に各種処理を施し、このデジタル画像信号をビデオ信号に変換してプリンタ制御部307に出力する。この画像信号制御部305による処理動作は、CPU回路部301により制御される。プリンタ制御部307は、入力されたビデオ信号に基づき上述の画像形成部822を駆動する。
操作部303は、画像形成に関する各種機能を設定する複数のキー、設定状態を示す情報を表示するための表示部などを有する。そして、各キーの操作に対応するキー信号をCPU回路部301に出力するとともに、CPU回路部301からの信号に基づき対応する情報を表示部に表示する。
糊付け製本装置制御部410は糊付け製本装置15に搭載され、CPU回路部301と情報のやり取りを行うことによって糊付け製本装置15全体の駆動制御を行う。この制御内容については後述する。
図2において、ノンソートモードの場合のシートの流れについて説明する。画像形成装置1の本体6から糊付け製本装置15に搬入されたシートは、入口ローラ対16、バッファローラ18、第1切替部材11、ノンソートモードパス21を経て、第2排出ローラ対9によりサンプルトレイ201に排出される。また、ソートモードの場合、シートは、入口ローラ対16、バッファローラ18、第2切替部材19、ソートモードパス22を経て、搬送手段としての第1排出ローラ対7によって中間トレイとしての処理トレイ130上に一時的に順次積載される。
処理トレイ130は、シートを積載するシート積載手段である。この処理トレイ130上のシートは、幅整合装置140によりシートの幅方向が整合されるとともに、後述するローレットベルト190などによりシートの搬送方向が整合される。さらに、順次積載されるシートは、後述する糊塗布加圧ユニット100によってその一部(糊付け部)が糊付け、加圧処理されて、シート束が作成される。このようにして作成されたシート束は、スタックトレイ199上に排出される。
次に、シート整合装置129を、図4乃至図8に基づいて説明する。シート整合装置129は、第1排出ローラ対7、ローレットベルト190、処理トレイ130、引き込みパドル160、後端ストッパ部材131、幅整合装置140、遊動コロ191、揺動ガイド150、及び束排出ローラ対180等によって構成されている。第1排出ローラ対7は排出ローラ7a、排出コロ7bからなり、ローレットベルト190は外周にローレット(粗面)が形成されている。遊動コロ191は牽引用アクチュエータM192に接続され、ローレットベルト190に係合している。
シート積載手段としての処理トレイ130は、シート束の排出方向に対して下流側(図の左側)を上方にし、上流側(図の右側)を下方にして、傾斜した状態に配設されている。処理トレイ130の上流側端部の上方の排出ローラ7aには、シート幅方向に所定間隔で複数のローレットベルト190が配設されている。ローレットベルト190の間には、シートガイド130dが位置している。また、処理トレイ130の上流側端部の傍には、後端ストッパ部材131が配設されている。さらに、処理トレイ130の中間部には、シートPの左右両側に対応する位置で、シートの幅(シート搬送方向と交差する方向)を整合する幅整合装置140が配置されている。処理トレイ130の下流側上方には、後述する引き込みパドル160と、上部排出ローラ180bを有する揺動ガイド150とが配置されている。
図4中、矢印C方向から見た、図5において、幅整合装置140は、処理トレイ130の両側に対向して配設された1対の第1、第2整合部材141,142を備えている。第1、第2整合部材141,142は、それぞれ、シートの両側を押圧して幅整合するための、処理トレイ130の上面130aに対して垂直な整合面141a,142aと、シート裏面を支持するためのラック141b,142bとを有している。各ラック141b,142bは、処理トレイ130にシートPの幅方向に延びて形成された1対のガイド孔130b,130cを通して下面側に突出している。
すなわち、処理トレイ130の上面130a側で各整合面141a,142aは対向している。処理トレイ130の下面側には、各ラック141b,142bがシートの幅方向(シートの整合方向)に移動できるように組み付けられている。
そして、ラック141b,142bには、処理トレイ130の下部に設けられたピニオン143,144が噛合している。ピニオン143,144は、第1の整合モータM141,第2の整合モータM142によって正逆回転するようになっている。ピニオン143,144が、第1の整合モータM141,第2の整合モータM142によって正逆回転すると、第1、第2の整合部材141,142は、それぞれに整合方向へ移動することになる。第1、第2の整合部材141,142に対しては、それぞれのホームポジションを検知する位置センサ(不図示)が配置されている。通常、第1の整合部材141と第2の整合部材142は、図5に示すように、互いに最も離れた位置のホームポジションに待機している。
図4において、揺動ガイド150は、束排出ローラ対180の下部排出ローラ180aに当接する上部排出ローラ180bを支持して、支持軸151に揺動自在に支持されている。揺動ガイド150は、揺動モータM150によって回転する回転カム152の回転によって揺動するようになっており、下部排出ローラ180aに上部排出ローラ180bを当接させた閉口状態の位置がホームポジションになっている。揺動ガイド150がホームポジションにいるか否かは、位置センサ(不図示)によって検知されるようになっている。
処理トレイ130上にシートPが排出されるとき、揺動ガイド150は、回転カム152の回転によって上方に持ち上げられている。これにより、下部排出ローラ180aから上部排出ローラ180bが離間した開口状態になって、後述する引き込みパドル動作に支障を与えないようにしている。また、処理トレイ130上で整合処理が終了したシート束をスタックトレイ199上に排出するとき、揺動ガイド150は、下方へ揺動して、上部排出ローラ180bでシート束を下部排出ローラ180aに押し付けて閉口状態になるようになっている。
ローレットベルト190は、図6乃至図7に示すように、外周全面に滑り止め用のローレット190aが形成されて所定の径に形成されている。ローレットベルト190は、径方向に変形可能な弾性を有し、通常はほぼ真円になっている。ローレットベルト190は、第1排出ローラ対7間で処理トレイ130側の排出ローラ7aに巻き掛けられて回転可能に支持されている。ローレットベルト190の下方内周面には、遊動回転する遊動コロ191が接触している。遊動コロ191は、引き込みパドル160の操作時、及び幅整合装置140の整合操作時に作動する。特に、引き込みパドル160のシート引き込み操作に引き続いて行われるシートの幅整合操作の開始時において、牽引用アクチュエータM192によって後端ストッパ部材131の支持面131a側に牽引されるようになっている。ローレットベルト190は、遊動コロ191によってシートガイド130dより下流側に引き寄せられて図7、図8で示すように変形し、後端ストッパ部材131へのシートPの突き当てを妨害しないようになっている。牽引用アクチュエータM192は、糊付け製本装置制御部410によって制御されるようになっている。
図4において、引き込みパドル160は、処理トレイ130の上方に配設された駆動軸161に設けられて、駆動モータM160によって適切なタイミングで図4において左回転するようになっている。引き込みパドル160の長さは、駆動軸161から処理トレイ130の上面130aまでの距離よりも若干長めに設定されている。その引き込みパドル160のホームポジションは、第1排出ローラ対7から処理トレイ130上へのシートPの排出の邪魔にならない実線で示した位置である。
引き込みパドル160がホームポジションに待機した状態で処理トレイ130にシートPが排出される。引き込みパドル160は左回転して、処理トレイ130上に排出されるシートP、ひいては該シートPの後端縁が後端ストッパ部材131の突当て支持面131aに突き当てられるまで引き込む。その後、引き込みパドル160は、所定時間を待って位置センサ(不図示)で検知されるホームポジションでタイミングよく停止する。
図4乃至図7(a)に示すように、第1排出ローラ対7から排出されたシートPは、シートPの後端縁が各シートガイド130dによって下方側へ案内されて、処理トレイ130上に落下する。そして、シートPは、シートの自重と、後述する引き込みパドル160の回転と、ローレットベルト190の回転とによって、後端ストッパ部材131の突き当て支持面131aに突き当てられるまで、処理トレイ130上を滑走する。
また、糊付け製本装置制御部410は、幅整合装置140により処理トレイ130に排出されたシートの幅整合を行うときローレットベルト190が負荷にならないように牽引用アクチュエータM192を制御する。すなわち、牽引用アクチュエータM192により所定量だけローレットベルト190を図6の右側に牽引して、図7(a)の状態にし、処理トレイ130から退避させる。これによって、幅整合装置140は、シートPの幅整合を図6(b)から図7(b)のように確実に行える。
ここで、図9及び図12を用いて糊塗布加圧ユニット100について説明する。図9及び図12に示すように、糊塗布加圧ユニット100は、処理トレイ130の上流側端部で、かつ第1の整合部材141近傍の位置に設けられている。糊塗布加圧ユニット100は、処理トレイ130上に順次積載されるシートに糊を塗布し、加圧によってシート同士を加圧結合する糊塗布加圧部101を有している。また、糊塗布加圧部101は、糊塗布加圧支持部102に回転可能に支持され、糊塗布加圧部回転モータM11(図10参照)によって回転駆動される。さらに、糊塗布加圧支持部102は、糊塗布加圧支持部スライドモータM12(図10参照)によって、第1のガイド部103上を処理トレイ130の上面130aに対して略平行な方向へ移動可能に支持されている。すなわち、糊塗布加圧部101は、処理トレイ130に積載されるシートより外側の第1の待機位置からシート面上を通って前記第1の待機位置とは異なるシートより外側の第2の待機位置まで移動可能に設けられている。通常、糊塗布加圧支持部102は、図9中のように積載されるシートと接触しないシートから最も離れた位置のホームポジション(第1の待機位置)に待機している。糊塗布加圧支持部102のホームポジションは、糊塗布加圧支持部ホームポジションセンサS2(図10参照)によって検知される。また、ホームポジションから移動した糊塗布加圧支持部102の停止ポジション(第2の待機位置)は、糊塗布加圧支持部停止ポジションセンサS3(図10参照)によって検知される。
第1のガイド部103は、ガイド昇降モータM13(図10参照)によって、第2のガイド部104上を処理トレイ130の上面130aに対して略垂直な方向へ移動可能に支持されている。なお、第1のガイド部103のホームポジションは、ガイド昇降位置センサS4(図10参照)によって検知される。通常、第1のガイド部103は、積載されるシートと接触しない処理トレイ130から最も離れた位置のホームポジションに待機している。第1のガイド部103は、処理トレイ130上のシートを処理トレイ130に向かって付勢するクランプ部103bを備え、クランパステイ103aに対して出没可能に弾性部材(不図示)によって付勢支持されている。このクランプ部103bの位置は、クランプ位置センサS5(図10参照)によって検知される。クランプ位置センサS5は、ホームポジションから移動した第1のガイド部103の停止位置を決める為のセンサであり、クランプ部103bが処理トレイ130に積載されるシートPと接触し、所定量進入した状態で検知信号を出力する構成となっている。
前記糊塗布加圧ユニット100における糊塗布加圧部101について説明する。図12に示すように、糊塗布加圧部101は、処理トレイ130上に順次積載されるシートに糊を塗布する糊塗布部(糊塗布手段)101cと、処理トレイ130上の糊付けされた部分(糊付け部)を加圧してシートを結合する加圧部(加圧手段)101a,101bとを一体に有している。糊塗布部101cは塗布用アクチュエータM14(図10参照)によって駆動される。また、加圧部101a,101bを結ぶ直線がシート面に対して斜角をなすよう配置されている。すなわち、糊塗布加圧部101の第1の待機位置と第2の待機位置が、それぞれ、処理トレイ130上に積載されるシートPの1つの隅部をなす2つの辺の外側の位置となるように、糊塗布加圧部101は移動可能に設けられている。
図10は、糊付け製本装置15を制御駆動する糊付け製本装置制御部410の構成を示すブロック図である。
糊付け製本装置制御部410は、CPU401a、ROM401b、RAM401cなどで構成されるCPU回路部401を有する。CPU回路部401は、通信IC402を介して画像形成装置本体側に設けられたCPU回路部301と通信してデータ交換を行う。そして、CPU回路部301からの指示に基づきROM401bに格納されている各種プログラムを実行して糊付け製本装置15の駆動制御を行う。本実施の形態において、糊付け製本装置制御部410を糊付け製本装置15に搭載し、CPU回路部301と情報のやり取りを行うことによって糊付け製本装置15全体の駆動制御を行う構成について説明する。糊付け製本装置制御部410をCPU回路部301と一体的に画像形成装置1の本体6に搭載し、本体6側から直接糊付け製本装置15を制御するようにしてもよい。
この駆動制御を行う際には、CPU回路部401に各種センサからの検出信号が取り込まれる。この各種センサとしては、糊付け製本入口センサS1、糊塗布加圧支持部ホームポジションセンサS2、糊塗布加圧支持部停止ポジションセンサS3、ガイド昇降位置センサS4、クランプ位置センサS5がある。
CPU回路部401にはドライバ403が接続され、ドライバ403はCPU回路部401からの信号に基づいて、以下のモータ及びソレノイド、アクチュエータを駆動する。
ここで、上記モータとしては、入口ローラ対16の駆動源である入口モータM1、バッファローラ18の駆動源であるバッファモータM2、第2排出ローラ対9の駆動源である排出モータM3がある。また、糊塗布加圧部101の駆動源である糊塗布加圧部回転モータM11、糊塗布加圧支持部102の駆動源である糊塗布加圧支持部スライドモータM12、第1のガイド部103の駆動源であるガイド昇降モータM13がある。さらに、糊塗布部101cの駆動源である塗布用アクチュエータM14がある。また、第1の整合部材141の駆動手段である第1の整合モータM141、第2の整合部材142の駆動源である第2の整合モータM142がある。揺動ガイド150の駆動源である揺動モータM150、引き込みパドル160の駆動源である引き込みモータM160、束排出ローラ対180の駆動源である束排出モータM180、ローレットベルト190の駆動手段である牽引用アクチュエータM192がある。
上記ソレノイドとしては、第1切替部材11の切り替えを行うソレノイドSL1、第2切替部材19の切り替えを行うソレノイドSL2がある。
糊付け製本装置15の動作を、図11に示すタイムチャートに基づいて説明する。まず、1枚目のシートが第1排出ローラ対7によって排出されると(T1)、その1枚目のシートは引き込みモータM160による引き込みパドル160の作動(T2)によって、処理トレイ130に積載される。そして、牽引用アクチュエータM192がローレットベルト190を突出位置から退避位置に牽引する(T3)。ローレットベルト190が退避位置に移動すると、第1の整合モータM141、第2の整合モータM142によって整合部材142(141)がシートの幅整合をするため、往動動作(T4)と復動動作(T5)とをする。整合部材の幅整合動作が終了すると、第1のガイド部103は、ホームポジションから下降移動を開始する(T6)。その後、第1のガイド部103は、クランプ位置センサS5の信号を受け停止し、糊塗布加圧支持部102が第1の待機位置から第2の待機位置への移動を開始する(T7)。更に、糊塗布加圧支持部102の移動中、糊塗布部101cは規定のタイミングにて1枚目のシートへ糊塗布する(T8)。糊塗布加圧支持部102は、糊塗布加圧支持部停止ポジションセンサS3の信号を受けて第2の待機位置に停止すると、第1のガイド部103は上昇移動を開始する(T9)。第1のガイド部103は、ガイド昇降位置センサS4の信号を受けて停止すると、牽引用アクチュエータM192は、ローレットベルト190を突出位置に戻す(T10)。
その後、2枚目のシートが送り込まれてくる。2枚目のシートが第1排出ローラ対7によって排出されると、引き込みパドル160の作動によって、処理トレイ130で糊塗布済みの1枚目のシートの上に積載される。そして、ローレットベルト190を突出位置から退避位置に牽引する。ローレットベルト190が退避位置に移動すると、整合部材142(141)がシートの幅整合をするため、往動動作と復動動作とをする。整合部材の幅整合動作が終了すると、第1のガイド部103は、ホームポジションから下降移動を開始する。その後、第1のガイド部103は、クランプ位置センサS5の信号を受け停止し、糊塗布加圧支持部102が第2の待機位置から第1の待機位置への移動を開始する。更に、糊塗布加圧支持部102の移動中、2枚目のシートを糊塗布済みの1枚目のシートに加圧するとともに糊塗布部101cは規定のタイミングにて2枚目のシートへ糊塗布する。糊塗布加圧支持部102は、糊塗布加圧支持部ホームポジションセンサS2の信号を受けて第1の待機位置に停止すると、第1のガイド部103は上昇移動を開始する。第1のガイド部103は、ガイド昇降位置センサS4の信号を受けて停止すると、牽引用アクチュエータM192は、ローレットベルト190を突出位置に戻す。
このように、糊塗布部101cと加圧部101a,101bを一体に有する糊塗布加圧部101は、第1の待機位置と第2の待機位置との間を往復移動し、その往路、復路にて糊塗布、加圧が可能となっている。糊塗布部101cと加圧部101a,101bは一体的に移動するようになっていれば別部材でも良く、糊塗布加圧部101として一体に設ける必要はない。なお、3枚目以降の動作は、前述の1枚目のシートの処理と2枚目のシートの処理と同様の処理が順次繰り返しなされる。
最後のシートが送り込まれてくると、引き込みパドル160が作動し、牽引用アクチュエータM192がローレットベルト190を退避位置に牽引する。そして、整合部材142(141)が往動動作と復動動作とをする。その後、第1のガイド部103が下降移動・停止し、糊塗布加圧支持部102は移動・停止する。さらに、第1のガイド部103が下降移動・停止すると共に、牽引用アクチュエータM192は、ローレットベルト190を束排出位置に牽引する(T(n−2))。ローレットベルト190がシート束から完全に離れた後、揺動ガイド150が下方に揺動して、シート束を束排出ローラ対180で挟持し、束排出ローラ対180の回転(T(n−1))によって、シート束をスタックトレイ199上に排出する。最後に、牽引用アクチュエータM192がローレットベルト190を突出位置に戻す(Tn)。
なお、処理トレイ130に積載されるシートの枚数は、図2に示す糊付け製本入口センサ(S1)により計数される。そして、シートの枚数がユーザの設定入力した枚数と一致した場合に、最終積載シートと判定し、糊塗布加圧支持部102の移動中に糊塗布加圧部101は糊塗布しない。これにより、最終シートの外面に糊塗布されることのないシート束を作成し、スタックトレイ199上に排出することになる。
ここで、図12乃至図14を用いて、糊塗布加圧ユニット100における糊塗布加圧部101と第1のガイド部103の動作を詳しく説明する。図12乃至図14は、図9を矢印Z方向から見た図である。
図12(a)は、処理トレイ130上に積載され、かつ第1、第2の整合部材141,142によって幅整合された状態におけるシートPと、糊塗布加圧部101との位置関係を示す図である。糊塗布加圧部101及び第1のガイド部103は、シートPと離間するようシート面上方に位置している。また、糊塗布加圧部101は、シート面の外側に位置(第1の待機位置)するよう配されている。また、糊塗布加圧部101は、糊塗布部101cより移動方向下流側の加圧部101bがシートPを加圧するように、糊塗布加圧支持部に対して回転された状態となっている。
図12(b)に示すように、糊塗布加圧部101及び第1のガイド部103は、シートP1に対して近接する方向に一体的に移動し、まずクランプ部103bがシートP1に接触する。この状態からシートP1に向かいさらに移動すると、クランプ部103bはクランパステイ103aに対して押し込まれ、弾性部材(不図示)の作用によってシートP1へ所定の付勢力を作用させる。
図12(c)、図12(d)に示すように、糊塗布加圧部101は、シート面の外側(第1の待機位置)からシート面の上方に移動する。このとき、まず糊塗布部101cより移動方向下流側の加圧部101bが積載されたシートP1を加圧し、ついで糊塗布加圧部101がさらに移動した所定の位置で糊塗布部101cがシート面上に糊塗布領域Nを形成する。
図13(a)、図13(b)に示すように、糊塗布加圧部101は、前記第1の待機位置とは異なるシート面の外側(第2の待機位置)に移動した後、シートP1と離間する上方へ移動退避し、次に積載されるシートを受け入れる前の待機位置に停止する。尚、この動作において加圧部101aは、シート上方に位置して移動するため、シート面を加圧することはない。
図13(c)に示すように、糊塗布領域Nが形成されたシートP1上に新たなシートP2が積載整合されると、糊塗布加圧部101は糊塗布加圧支持部にて図中の矢印方向に回転し、シート面に対し所定の斜角をなすような位置にて停止する。すなわち、糊塗布加圧部101は、糊塗布部101cより移動方向下流側の加圧部101aがシートP2を加圧するように、糊塗布加圧支持部に対して回転される。
図13(d)に示すように、糊塗布加圧部101及び第1のガイド部103は、シートP2に対して近接する方向に一体的に移動し、まずクランプ部103bがシートに接触する。この状態からシートに向かいさらに移動すると、クランプ部103bはクランパステイ103aに対して押し込まれ、弾性部材(不図示)の作用によってシートP2へ所定の付勢力を作用させる。
図14(a)、図14(b)に示すように、糊塗布加圧部101は、シート面の外側(第2の待機位置)からシート面の上方に移動する。このとき、まず糊塗布部101cより移動方向下流側の加圧部101aが積載されたシートP2を加圧し、ついで糊塗布加圧部101がさらに移動した所定の位置で糊塗布部101cがシート面上に糊塗布領域Nを形成する。
図14(c)、図14(d)に示すように、糊塗布加圧部101は、シート面の外側(第1の待機位置)に移動した後、シートP2と離間する上方へ移動退避し、次に積載されるシートを受け入れる前の待機位置に停止する。この動作時点で図12(a)の状態に戻る。尚、この動作において加圧部101bは、シート上方に位置して移動するため、シート面を加圧することはない。
前述した動作がシート束をなす所定枚数分繰り返されて、糊塗布・加圧処理されたシート束が作成される。なお、シート束の最上位のシートに対しては加圧処理のみで糊付けはされない。このように、糊塗布・加圧処理が終了し、作成されたシート束は、束排出ローラ対180によってスタックトレイ199に排出される。
上述したように、本実施形態によれば、処理トレイ130上のシートPに対して、糊塗布部101cと加圧部101a,101bが一体となった糊塗布加圧部101が移動しつつ糊を塗布し、加圧処理を行ってシート束を作成する。このため、一束当たりのシートの枚数が増えても搬送距離を長くする必要がなく、小型化されたシート処理装置を提供することができる。
また、糊塗布部101cと一体となった加圧部101a,101bは、前記糊塗布部101cより移動方向下流側のいずれかがシートを加圧する。このため、塗布された糊を加圧部で加圧してしまうのを防ぎつつ、糊塗布動作とともにシートの加圧処理が行える。
また、糊塗布部101cと加圧部101a,101bが一体となった糊塗布加圧部101は、第1の待機位置と第2の待機位置との間を往復移動し、その往路、復路にて糊塗布、加圧が可能である。このため、糊付け、加圧の処理時間を短縮でき、ひいては糊付け、加圧処理されたシート束を作成する時間を短縮できる。
なお、前述した実施形態では、糊塗布部と加圧部が一体となった糊塗布加圧部が、第1の待機位置と第2の待機位置との間の往路、復路にて糊塗布、加圧が可能な構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。前記糊塗布加圧部が、第1の待機位置と第2の待機位置との間の往路、復路のいずれか一方で糊塗布、加圧が可能な構成であっても良い。その場合は、加圧部が糊塗布部の移動方向下流側でシートを加圧するようになっていればよく、加圧部を糊塗布部に対して移動方向の両側に設ける必要はない。往路、復路のいずれか一方で糊塗布、加圧が可能な構成とすることによって処理時間は延びることになるが、移動方向の切換に応じて加圧部の切換を行う必要はなく、簡易な構造で済む。
また前述した実施形態では、画像形成装置として複写機を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばプリンタ、ファクシミリ装置等の他の画像形成装置や、或いはこれらの機能を組み合わせた複合機等の他の画像形成装置であっても良い。これらの画像形成装置に用いられるシート処理装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
また前述した実施形態では、画像形成装置に対して着脱自在なシート処理装置を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば画像処理装置が一体的に有するシート処理装置であっても良く、該シート処理装置に本発明を適用することにより同様の効果を得ることができる。
また前述した実施形態では、画像形成装置に用いられるシート処理装置を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、シートの一部を糊付け、加圧処理することでシート束を作成するシート処理装置であれば、その他のシート処理装置であっても良い。