JP5105594B2 - 垂直磁気記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、垂直磁気記録媒体に関する。
近年のHDD(ハードディスクドライブ)に代表される磁気記録装置では、2.5インチ径磁気ディスクにして、1枚辺り80GBを超える情報記憶容量が求められるようになってきた。HDD用の磁気記録媒体である磁気ディスクにおいて、これらの所要に応えるためには、1平方インチ辺り100Gビット(100Gbit/inch)を超える情報記憶密度を実現することが求められている。このような高記録密度で安定した記録再生を行うには磁気記録再生方式として垂直磁気記録方式を採用することが望ましいと考えられている。また、垂直磁気記録方式において用いられる垂直磁気記録媒体としては、高い熱安定性と良好な記録特性を示すことから、磁気記録層としてCoCrPt−SiOを用いる垂直磁気記録媒体や、CGC媒体が提案されている。
これらの垂直磁気記録媒体において、記録密度を向上させるためには、磁気記録層の磁化遷移領域ノイズの低減(S/N比の向上)が必要になる。また、そのためには、磁気記録層の磁性結晶粒子の粒分離及び微細化の向上が必要となる。
磁気記録層の磁性結晶粒子の粒分離及び微細化の向上を行う方法としては、例えば、スパッタリング法で磁気記録層を形成する工程で用いるターゲット組成を調整することや、成膜時に用いるガスの圧力(成膜ガス圧)を高くする等の方法がある。しかし、近年に求められている記録密度において、ターゲットの組成の調整のみで磁性結晶粒子を十分に微細化することは困難である。また、成膜ガス圧を高くした場合、例えば磁気記録層の構造に影響が生じ、磁気記録媒体として十分な信頼性を確保できなくなるおそれがある。
ここで、従来、磁気記録層の磁性結晶粒子の配向性を制御する下地層を磁気記録層の下に形成する構成が用いられている。また、従来、下地層としてRu−SiO等の層を用いる構成が知られている(例えば、特許文献1、2参照。)。この構成では、下地層の結晶粒子を微細化することにより、磁気記録層の磁性結晶粒子の微細化を促進する。
特開2002−334424号公報 特開2006−85742号公報
しかし、近年の記録密度向上に対する要求の高まりにより、磁気記録層の磁性結晶粒子をより微細化できる垂直磁気記録媒体の構造が求められている。また、その構造を、大きくコストが上昇しない方法で実現することが求められている。そこで、本発明は、上記の課題を解決できる垂直磁気記録媒体を提供することを目的とする。
垂直記録媒体としては、基板上に軟磁性層が形成された構成が広く用いられている。この軟磁性層は、例えばアモルファスの軟磁性材料で形成される。また、軟磁性層上には、最初の結晶性の層として、シード層が形成される。シード層は、軟磁性層上に形成される各層の結晶構造の種となる層であり、例えば、磁気記録層に対する下地層に対して更に下地となる層である。シード層上には、下地層及び磁気記録層等が順次形成される。下地層は、例えば、磁気記録層における磁性結晶粒子の配向性や粒径を制御する。
これに対し、本願発明者は、近年要求されている記録密度を実現しようとする場合、下地層のみではなく、その下のシード層の構造も制御する必要があることを見出した。そして、更に、シード層の結晶粒子に対して、この結晶粒子の材料よりも原子半径が小さな元素で構成される添加物質を加えることにより、シード層の結晶粒子を微細化できることを見出した。更には、シード層の結晶粒子を微細化することにより、下地層の結晶粒子を微細化し、その結果、磁気記録層の磁性結晶粒子も微細化できることを見出した。本願発明は、以下の構成を有する。
(構成1)垂直磁気記録方式で情報を記録する垂直磁気記録媒体であって、基板と、基板上に形成される軟磁性層と、上層の結晶粒子の下地となる結晶粒子であるシード結晶粒子を含むシード層であって、軟磁性層上に形成されるシード層と、上層の結晶粒子の配向性を制御する結晶粒子を含む下地層であって、シード層上に形成される下地層と、下地層により制御される結晶構造の磁性結晶粒子を含む磁気記録層とを備え、シード層は、下地層の結晶粒子の下地となるシード結晶粒子と、シード結晶粒子の間に添加される、シード結晶粒子を構成する元素よりも小さな原子半径を有する元素で構成される添加物質とを含む。この垂直磁気記録媒体は、例えば、垂直磁気記録方式のHDDに搭載される。
このような添加物質のように、原子半径の小さな元素は、シード層の結晶構造中に入り込み、シード結晶粒子の微細化を促進すると考えられる。そのため、このように構成すれば、例えば、シード結晶粒子を適切に微細化できる。また、シード結晶粒子を適切に微細することにより、例えば、シード結晶粒子間を適切に分離できる。更には、これにより、例えば、シード層上に形成される下地層の結晶粒子、及び磁気記録層の磁性結晶粒子を適切に微細化し、かつ、粒子間を適切に分離できる。更には、磁気記録層の磁性結晶粒子の微細化、及び粒子間の分離により、ノイズを低減して、記録密度を適切に高めることができる。
尚、従来、シード層の構造により磁気記録層の磁性結晶粒子の粒径を制御する必要性は認識されていなかった。また、シード層に対しては、磁気記録層の磁性結晶粒子の粒径に対する影響までは考えられていなかった。
ここで、軟磁性層は、例えばアモルファス構造の層である。軟磁性層は、非磁性層を挟んで反強磁性交換結合(AFC Antiferro−magnetic exchange coupling)する複数の軟磁性材料の層の積層膜であってもよい。
シード層におけるシード結晶粒子は、例えば、Niを含む合金の結晶粒子である。シード結晶粒子は、NiとWの合金、又はNiとCoの合金の結晶粒子であってよい。シード結晶粒子は、アモルファス構造の磁性層上に成長しやすい結晶構造を有することが好ましい。そのため、シード結晶粒子は、磁気記録層の磁性結晶粒子とは異なる結晶構造を有してもよい。例えば、シード結晶粒子は、bcc結晶構造や、アモルファスに近いbcc結晶構造を有してもよい。
シード層における添加物質としては、例えばホウ素(B)を好適に用いることができる。また、例えば炭素(C)等を用いることも考えられる。また、その他にも、例えば各種侵入型元素を用いることが考えられる。
下地層は、例えばRuの結晶粒子を含むRu層である。下地層における結晶粒子は、磁気記録層の磁性結晶粒子と同じ結晶構造を有することが好ましい。このように構成すれば、磁気記録層の磁性結晶粒子の配向性を適切に制御できる。下地層における結晶粒子は、例えば、hcp構造を有する。
磁気記録層は、例えば、磁性結晶粒子(磁性グレイン)の間に非磁性物質(主に酸化物)を偏析させて粒界部を形成した磁性のグラニュラ構造を有する。磁気記録層の磁性結晶粒子は、例えばhcp構造のCoCrPtの磁性結晶粒子であり、下地層の結晶粒子の結晶方位に応じた方向に配向する。磁気記録層の粒界部における非磁性物質は、例えばTiOである。この非磁性物質は、SiO等の他の酸化物であってもよい。
(構成2)シード結晶粒子は、NiとWの合金の結晶粒子である。このように構成すれば、例えば、シード層のシード結晶粒子を適切に微細化できる。
(構成3)添加物質は、Bである。このように構成すれば、例えば、シード層のシード結晶粒子を適切に微細化できる。
(構成4)添加物質は、軟磁性層の材料、及びシード結晶粒子に対して化学反応しない物質である。このように構成すれば、添加物質を適切に添加できる。尚、軟磁性層の材料、及びシード結晶粒子に対して化学反応しないとは、例えば、垂直磁気記録媒体の製造工程中及び使用時の環境中の条件において実質的に化学反応しないことである。
(構成5)添加物質は、固体の物質である。このように構成すれば、添加物質を適切に添加できる。添加物質は、例えば、垂直磁気記録媒体の製造工程中及び使用時の環境中の条件において、固体であればよい。
本発明によれば、例えば、シード層における結晶粒子を適切に微細化できる。また、これにより、例えば、磁気記録層における磁性結晶粒子を適切に微細化し、垂直磁気記録媒体の記録密度を向上させることができる。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る垂直磁気記録媒体100の構成の一例を示す断面図である。垂直磁気記録媒体100は、垂直磁気記録方式のHDDに用いられる磁気ディスクであり、基板110、付着層112、軟磁性層114、シード層116、下地層118、第1オンセット層120、第2オンセット層122、主記録層124、連続層126、媒体保護層128、及び潤滑層130を、この順番で備える。
基板110は、垂直磁気記録媒体100の基体(ディスク基体)である。基板110は、例えばアモルファスのアルミノシリケートガラス等で形成されたガラスディスクであることが好ましい。アルミノシリケートガラスは、平滑かつ高剛性が得られるので、磁気的スペーシング、特に、記録ヘッド等の磁気ヘッドの浮上量をより安定して低減できる。また、アルミノシリケートガラスは化学強化により、高い剛性強度を得ることができる。
付着層112から連続層126までの各層は、基板110上に、例えば、真空引きを行った成膜装置を用い、Ar雰囲気中でDCマグネトロンスパッタリング法にて順次成膜される。また、媒体保護層128は、例えばCVD法により、連続層126上に形成される。潤滑層130は、ディップコート法により、媒体保護層128上に形成される。尚、上記の各層は、例えば、インライン型成膜方法を用いて成膜してもよい。このようにすれば、例えば、均一な成膜が可能となる。以下、各層の構成及び製造方法について更に詳しく説明する。
付着層112は、基板110と軟磁性層114との間の付着性を向上させることにより軟磁性層114の剥離を防止する層である。付着層112の材料としては、例えばTi含有材料を用いることができる。また、実用上の観点から、付着層112の膜厚は、1nm〜50nmとするのが好ましい。本例において、付着層112は、例えば、10nmのTi合金層となるように、Ti合金ターゲットを用いて成膜する。
軟磁性層114は、磁気ヘッドとの間に磁気回路を構成する層であり、例えばアモルファスの軟磁性材料で形成される。アモルファスの軟磁性材料としては、例えばFeCoTaZrを用いることができる。軟磁性層114の膜厚は、例えば40nm〜60nmである。尚、軟磁性層114は、非磁性層を挟んで反強磁性交換結合(AFC Antiferro−magnetic exchange coupling)する複数の軟磁性材料の層の積層膜であってもよい。
シード層116は、軟磁性層114上に形成される最初の結晶性の層である。本例において、シード層116は、軟磁性層114と接して、軟磁性層114の直上に形成される。また、シード層116は、上層である下地層118の結晶粒子の下地となる結晶粒子であるシード結晶粒子と、シード結晶粒子の間に添加される添加物質とを含む。この添加物質は、シード結晶粒子を構成する元素よりも小さな原子半径を有する元素で構成される。
シード層116におけるシード結晶粒子は、例えばfcc構造を有する結晶粒子であってよい。また、シード結晶粒子としては、例えば、Niを含む合金の結晶粒子を好適に用いることができる。例えば、シード結晶粒子として、NiとWの合金(NiW)、又はNiとCoの合金(NiCo)の結晶粒子を好適に用いることができる。また、例えばNiとWの合金のシード結晶粒子を用いる場合、この合金は、例えば原子数の比で8〜12:1の割合でNiとWを含む合金とすることが好ましい。
シード層116の添加物質としては、例えばホウ素(B)等を好適に用いることができる。このような原子半径の小さな元素は、シード層116の結晶構造中に入り込み、シード結晶粒子の微細化を促進すると考えられる。そのため、このような添加物質を添加することにより、例えば、シード結晶粒子を適切に微細化し、かつ、粒子間を適切に分離できる。また、これにより、シード層116上に形成される下地層118の結晶粒子、及び磁気記録層である主記録層124の磁性結晶粒子をより適切に微細化し、かつ、粒子間を適切に分離できる。更には、主記録層124の磁性結晶粒子の微細化、及び粒子間の分離により、ノイズを低減して、記録密度を高めることができる。尚、シード結晶粒子が例えばNiとWの合金であり、添加元素としてホウ素(B)を用いる場合、WとBの原子数の比で8〜10:0.5〜3となる割合で、Bを添加することが好ましい。
ここで、適切に添加を行う観点から、添加物質は、固体であり、かつ、軟磁性層114の材料、及びシード層116のシード結晶粒子に対して化学反応しない物質であることが好ましい。また、添加物質として、ホウ素(B)以外では、例えば炭素(C)等を用いることも考えられる。また、その他の各種侵入型元素を用いることも考えられる。
下地層118は、主記録層124における磁性結晶粒子の結晶配向性を向上させる層であり、上層の結晶粒子の配向性を制御する結晶粒子を含む。尚、主記録層124の磁性結晶粒子がhcp構造(六方細密充構造)を有する場合、磁化容易軸はC軸である。そのため、垂直磁気記録方式においては、このC軸を基板110の法線方向に配向させる必要がある。そして、このC軸の配向性を向上させるためには、主記録層124の下に、主記録層124の磁性結晶粒子と同じ結晶構造であるhcp構造を有する非磁性の下地層118を設けることが有効である。本例において、下地層118は、第1オンセット層120及び第2オンセット層122を介して、主記録層124の結晶配向性を制御する。
下地層118としては、例えばhcp構造のRuの結晶粒子を含むRu層を好適に用いることができる。この場合、主記録層124の結晶配向性を効果的に向上させ、保磁力Hcを高めることができる。また、本例において、下地層118は、2層のRu層からなる構造となっている。この場合、上層側のRu層を形成する際のスパッタリングガスのガス圧を、下層側のRu層の形成時よりも高くすることが好ましい。このようにすれば、結晶配向性を改善する効果をより高めることができる。尚、下地層118には、例えばTi、V、Zr、又はHfの層等を用いることもできる。
第1オンセット層120及び第2オンセット層122は、主記録層124における磁性結晶粒子の微細化を促進する層である。本例において、第1オンセット層120及び第2オンセット層122は、下地層118のhcp構造の上に順次形成される非磁性のグラニュラ構造の層である。このような第1オンセット層120及び第2オンセット層122の上に主記録層124を形成することにより、磁性のグラニュラ構造の層である主記録層124において、初期段階(立ち上がり)から磁性結晶粒子間を分離させることができる。本例において、第1オンセット層120としては、例えば、非磁性のCoCr−SiO層を用いることができる。また、第2オンセット層122としては、例えば、非磁性のCoCrPt−Cr層を用いることができる。
主記録層124は、磁気記録層の一例であり、磁性結晶粒子(磁性グレイン)の間に非磁性物質(主に酸化物)を偏析させて粒界部を形成した磁性のグラニュラ構造を有する。また、この磁性結晶粒子は、第1オンセット層120及び第2オンセット層122を介して下地層118により制御される結晶構造を有する。垂直磁気記録方式では、例えば、磁気記録層をグラニュラ構造の層として磁性結晶粒子を孤立微細化することにより、S/N比(Signal/Noise Ratio)及び保磁力Hcを向上させることができる。本例においては、主記録層124を、例えば、非磁性物質の例としての酸化珪素(SiO)又は酸化チタン(TiO)を含有するCoCrPtからなる硬磁性体のターゲットを用いて成膜する。これにより、主記録層124は、hcp構造のCoCrPtの磁性結晶粒子を含むグラニュラ構造の層となる。また、この磁性結晶粒子は、第1オンセット層120及び第2オンセット層122を介して下地層118の結晶配向を反映し、下地層118の結晶粒子の結晶方位に応じた方向に配向する。
主記録層124の膜厚は、例えば、7nm〜15nmの範囲で適宜設定できる。また、主記録層124を形成するためのターゲットの組成は、例えば、CoCrPtとTiO(又はSiO)とを約9:1(mol%)の比で含む組成とする。このようにすれば、例えば、非磁性物質が磁性物質の周囲に偏析して粒界を形成する。そして、磁性結晶粒子が柱状となり、グラニュラ構造となる。更に、この磁性結晶粒子は、第1オンセット層120及び第2オンセット層122におけるグラニュラ構造から継続してエピタキシャル成長する。これにより、グラニュラ構造の主記録層124を適切に形成できる。
連続層126は、面方向に磁性が連続している層である。連続層126は、例えば、主記録層124と交換結合することにより、主記録層124による磁気記録の熱安定性を高める。本例において、連続層126は、CoCrPtB膜である。連続層126の膜厚は10nm以下であることが好ましく、望ましくは5nm以下である。
媒体保護層128は、磁気ヘッドの衝撃から主記録層124を防護する層である。媒体保護層128は、例えば、連続層126の成膜後に真空を保ったまま、CVD法によりカーボン膜を成膜して形成する。一般に、CVD法によって成膜されたカーボンは、スパッタリング法によって成膜したものと比べて膜硬度が向上する。そのため、このようにすれば、磁気ヘッドからの衝撃に対して、より有効に主記録層124を防護できる。
尚、媒体保護層128を構成するカーボン膜は、例えば炭化水素(水素化カーボン)の膜である。水素化カーボンを用いることにより、膜強度を適切に向上させることができる。また、これにより、磁気ヘッドからの衝撃に対して、主記録層124をより適切に防護できる。
潤滑層130は、磁気ヘッドに対して垂直磁気記録媒体100の表面の潤滑性を高める層である。潤滑層130は、例えばPFPE(パーフロロポリエーテル)を用いて、ディップコート法により成膜する。PFPEは、直鎖構造を備えており、磁気ディスクに必要な適度な潤滑性能を発揮する。また、末端基に水酸基(OH)を備えることで、カーボン膜である媒体保護層128に対して高い密着性能を発揮する。潤滑層130の膜厚は、例えば約1nm(例えば0.5nm〜2nm)とすることが好ましい。
尚、垂直磁気記録媒体100において、例えばシード層116以外の各層は、例えば各層に対応する公知の層と同一又は同様の工程で成膜してもよい。また、シード層116においても、上記の点以外は、例えば、公知の層と同一又は同様の工程で成膜してもよい。
以下、実施例及び比較例により、本発明について更に詳しく説明する。
(実施例1)
最初に、アモルファスのアルミノシリケートガラスをダイレクトプレスで円盤状に成型し、ガラスディスクを作成した。そして、このガラスディスクに研削、研磨、化学強化を順次施し、化学強化ガラスディスクからなる平滑な非磁性ディスク基体である基板110を得た。基板110の直径は、65mm、内径は20mm、ディスク厚は0.635mmの2.5インチ型磁気ディスク用基板である。得られた基板110の表面粗さをAFM(原子間力顕微鏡)で観察したところ、Rmaxが2.18nm、Raが0.18nmの平滑な表面であることを確認した。尚、Rmax及びRaは、日本工業規格(JIS)に従う。
次に、基板110上に、DCマグネトロンスパッタリングで順次、付着層112、軟磁性層114、シード層116、下地層118、第1オンセット層120、第2オンセット層122、主記録層124、及び連続層126の成膜を行った。
まず、付着層112として、10nmのCrTi層を成膜した。次に、軟磁性層114として、非磁性層を挟んで反強磁性交換結合する2層の軟磁性材料の層の積層膜を成膜した。軟磁性層114の成膜においては、最初に、1層目の軟磁性材料の層として、25nmのアモルファスFeCoTaZr層を成膜した。次に、非磁性層として、2nmのRu層を成膜した。そして、2層目の軟磁性材料の層として、1層目の軟磁性材料の層と同様にして、25nmのアモルファスFeCoTaZr層を成膜した。
続いて、軟磁性層114上に、原子数の比で89:8:3の割合でNi、W、Bを含むターゲット(Ni−8W−3B)を用いて、10nmのシード層116を成膜した。本実施例において、シード層116は、NiとWの合金(Ni−8W)の結晶粒子(シード結晶粒子)と、添加物質であるBとを含む。
次に、下地層118として、2層のRu層を成膜した。それぞれのRu層の膜厚は、10nmとした。下層側のRu層の成膜時におけるスパッタリングガスのガス圧は、上層側のRu層の成膜時におけるスパッタリングガスのガス圧よりも小さくした。
次に、第1オンセット層120として、1.0nmのCoCr−SiO層を成膜した。また、第2オンセット層122として、3nmのCoCrPt−Cr層を成膜した。
また、主記録層124として、hcp構造のCoCrPt−TiOからなる硬磁性体のターゲットを用いて、8nmのCoCrPt−TiO層を成膜した。次に、連続層126として、7.5nmのCoCrPtB膜を成膜した。
そして、連続層126の成膜に続いて、CVD法により、炭化水素(水素化カーボン)からなる媒体保護層128を成膜した。媒体保護層128の膜厚は、5nmとした。そして、この後、PFPE(パーフロロポリエーテル)からなる潤滑層130を、ディップコート法により形成した。潤滑層130の膜厚は1nmとした。以上のようにして、実施例1に係る垂直磁気記録媒体100を作成した。
(比較例1)
シード層116の成膜時のターゲットにBを添加しない以外は実施例1と同様にして、比較例1に係る垂直磁気記録媒体を作成した。比較例1において、シード層は、NiとWの合金(Ni−8W)の結晶粒子(シード結晶粒子)からなる。
(評価)
実施例1及び比較例1に係る垂直磁気記録媒体に対し、トラック幅を変えながら記録再生特性の評価を行うことにより、トラック幅とビットエラー率との関係を測定した。尚、記録再生特性の評価は、R/Wアナライザーと、垂直磁気記録方式用磁気ヘッドとを用いて行った。この磁気ヘッドとしては、記録側にSPT素子、再生側にGMR素子を備える磁気ヘッドを用いた。また、磁気ヘッドの浮上量は10nmとした。
図2は、比較例1におけるトラック幅とビットエラー率の関係を示すグラフである。また、図3は、実施例1におけるトラック幅とビットエラー率の関係を示すグラフである。グラフにおいて、横軸(McwLF nm)は、トラック幅を示す。また、縦軸(bER 1200.251265 kBPI)は、ビットエラー率を示す。
ビットエラー率は、負の値で絶対値が大きく、グラフの上方にあるほどエラーの割合が少ないことが示す。そのため、図2、3のグラフから、比較例1と比べて実施例1のビットエラー率が良好であることが確認できた。また、これにより、シード層116へのBの添加により、垂直磁気記録媒体の記録密度を向上させ得ることが確認できた。これは、シード層116以降の各層の結晶粒子の微細化及び分離が進んだためであると考えられる。
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
本発明は、例えば、垂直磁気記録媒体に好適に利用できる。
本発明の一実施形態に係る垂直磁気記録媒体100の構成の一例を示す断面図である。 比較例1におけるトラック幅とビットエラー率の関係を示すグラフである。 実施例1におけるトラック幅とビットエラー率の関係を示すグラフである。
符号の説明
100・・・垂直磁気記録媒体、110・・・基板、112・・・付着層、114・・・軟磁性層、116・・・シード層、118・・・下地層、120・・・第1オンセット層、122・・・第2オンセット層、124・・・主記録層(磁気記録層)、126・・・連続層、128・・・媒体保護層、130・・・潤滑層

Claims (2)

  1. 垂直磁気記録方式で情報を記録する垂直磁気記録媒体であって、
    基板と、
    前記基板上に形成される軟磁性層と、
    上層の結晶粒子の下地となる結晶粒子であるシード結晶粒子を含むシード層であって 前記軟磁性層上に形成されるシード層と、
    上層の結晶粒子の配向性を制御する結晶粒子を含む下地層であって、前記シード層上に形成される下地層と、
    前記下地層上に形成される非磁性のグラニュラ構造の層であるオンセット層と、
    前記オンセット層を介して前記下地層により制御される結晶構造の磁性結晶粒子を含む磁気記録層と
    を備え、
    前記シード層は、
    前記下地層の結晶粒子の下地となる前記シード結晶粒子と、
    前記シード結晶粒子の間に添加される、前記シード結晶粒子を構成する元素よりも小さな原子半径を有する元素で構成される添加物質と
    を含み、
    前記シード結晶粒子は、NiとWの合金、又はNiとCoの合金の結晶粒子であり、
    前記添加物質は、Cである
    ことを特徴とする記載の垂直磁気記録媒体。
  2. 前記シード結晶粒子は、NiとWの合金の結晶粒子であることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体。
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