JP5105279B2 - 発振子及び該発振子を有する発振器 - Google Patents

発振子及び該発振子を有する発振器 Download PDF

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Description

本発明は、MEMS技術を利用した発振子及び該発振子を有する発振器に関する。
デジタル機器のクロックパルス発生や、無線機器などにおいては、従来水晶発振子を用いた水晶発振器が利用されてきたが、より量産性が高く周波数の設計も容易なシリコンを採用したシリコン発振子を用いて発振器を製造しようという試みがなされている。
このシリコン発振子は、振動子アイランド(ベース部)に片持ち状または両持ち状に振動可能に支持された振動片の共振モードを利用するものであって、半導体プロセスを利用するMEMS(Micro Electro Mechanical System)技術によって作製される。特に、共振周波数は、振動片の断面サイズや長さによって規定されるため設計が容易である。また、半導体プロセスを利用するので、1つのウエハに一括して素子を形成することができる。そのため、加工精度の高さ、電子回路と機械的構造とを一体成形することで精密な動作制御が可能等といった利点がある。また、量産が容易であるので、従来のCMOS ICの製造ラインを流用して製造することも可能である。
しかしながら、シリコン発振子は温度による共振周波数の変動が大きいという欠点がある。つまり、物質のヤング率は温度に依存する性質を持っているため、温度が変化することでシリコン発振子の共振周波数が変動してしまう。そこで、温度特性の補正のための回路を組み込んだ発振器が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
この発振器について、図18を参照して簡単に説明する。
図18は発振器の概略を示したブロック図である。この発振器100は発振子101、駆動回路102、PLL(Phase Locked Loop)回路(位相差同期回路)103、温度センサ104、温度特性補正回路105及び補正データメモリ106を備えている。
駆動回路102からの信号により発振子101が共振し、共振信号をPLL回路103に出力する。また、発振子101に近接して温度センサ104が設けられており、測定した温度に対応する信号を温度特性補正回路105に出力する。また、補正データメモリ106には、発振子101の各温度における共振周波数の補正データが蓄えられている。そして、温度特性補正回路105は、温度センサ104からの信号に基づいて、補正データメモリ106から補正データを読み込み、該補正データをPLL回路103に出力する。PLL回路103は、出力されてきた補正データに基づいて、発振子101から入力された共振信号の周波数を変調し、外部に出力する。このようにして、共振周波数の温度による変化を補正している。ところで、発振子101以外の各構成品、すなわち、駆動回路102、PLL回路103、温度センサ104、温度特性補正回路105及び補正データメモリ106を、ひとつのCMOS ICチップとして集積することも可能である。
このように、PLL回路103により共振信号の周波数を変調して出力することで、発振子101側には特殊な構造や機能を設ける必要がないため、発振器100の製造コストを抑えることができるとともに、歩留まりも向上させることができる。また、パッケージ等により生じる温度特性まで含めて補正することができるという利点がある。
特開2004−23634号公報
しかしながら、上述した従来の発振器100では、次のような欠点があった。
すなわち、発振器100では、温度特性を補正するために、PLL回路103、温度センサ104、温度特性補正回路105及び補正データメモリ106を搭載しなければならないが、発振子101の温度特性がPLL回路103で補正可能な範囲に収まるとは限らず、また個々の発振子101ごとに温度特性が異なるため、効率的に温度特性補正ができない可能性がある。
また、PLL回路103で周波数を変調する方式では、温度特性補正データをデジタル処理するため、デジタル処理特有のいくつかの不具合が生じてしまっていた。例えば、デジタル処理するので、外部に出力される周波数の変動が不連続となり、変調後の周波数が不安定となってしまう。そのため、温度特性補正を高精度に行うことが難しかった。また、外部に出力される周波数の変動が不連続であることに加え、デジタル処理を行うので、周波数が変動する際にノイズが発生してしまいやすかった。このノイズは、周波数の変動が急峻であるほど、大きいものとなる。そのため、温度特性補正を効率的に行うことが難しかった。
上述したように、デジタル的に補正を行うために、温度特性補正を高精度かつ効率良く行うことが難しかった。そこで、PLL回路103の回路基板を大きくして高精度化を図ることも可能であるが、ただでさえ回路が複雑なものがさらに複雑化してしまい、ドライバICの複雑化や製造コストの増加に繋がるという新たな問題が生じてしまう。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、構成の簡素化を図った上で、温度特性の補正を高精度かつ効率的に行うことができる高性能な発振子及び該発振子を有する発振器を提供するものである。
本発明は前記課題を解決するために以下の手段を提供する。
本発明に係る発振子は、一方向に延びるように形成され、該一方向に直交する他方向に振動する振動片と、該振動片から左右に分岐して延出する一対の延出部と、該振動片の一端または両端を支持するベース部とを有する振動子と、前記振動片に対して所定距離を空けた状態で前記振動片を間に挟むように配置され、駆動電圧が印加された時に静電引力を発生させて前記振動片を振動させる電極部と、前記一対の延出部に対して所定距離を空けた状態でそれぞれ対向配置され、補正電圧が印加されたときに静電引力を発生させて各延出部を引き寄せ、前記振動片に対して前記一方向の圧縮応力を作用させる補正電極と、を備え、前記一対の延出部は、前記振動片の両端側にそれぞれ設けられていることを特徴とするものである。
本発明に係る発振子においては、温度の変化により振動片の共振周波数が変化しようとするが、この変化を補正することができる。つまり、補正電極に補正電圧を印加することで、補正電極と延出部との間に静電引力を発生させ、振動片から分岐した一対の延出部を引き寄せる。これにより、振動片に対して一方向(軸方向)の圧縮応力を作用させることができ、温度変化によって生じたヤング率の変化を補正することができる。よって、振動片のヤング率を一定に維持することができるため、振動特性の変動を抑制することができる。その結果、温度変化による振動片の周波数変動を相殺でき、温度特性の補正を行うことができる。特に、従来のようにPLL回路を利用したデジタル的な温度補正を行う場合に比べ、温度変化に対応した圧縮応力を加えるというアナログ的な温度補正なので、ノイズが発生する等のデジタル処理特有の不都合が生じない。したがって、温度特性の補正を高精度かつ効率的に行うことができ、高性能化を図ることができる。
また、本発明に係る発振子においては、一対の延出部が振動片の両端側からそれぞれ他方向に延出しているため、振動片には、その両端から圧縮応力がそれぞれ作用することとなる。
これにより、振動片に作用する圧縮応力分布が均一になるとともに、振動片に圧縮応力が効果的に作用しやすくなる。したがって、補正電圧を低くしたとしても、必要な圧縮応力を作用させることができるので、省電力化を図ることができる。また、延出部と補正電極との対向面積を増加させることができるため、補正電極に印加する電圧を抑制することができる。この点においても、省電力化が可能となる。
本発明に係る発振子は、上記発振子において、前記振動片が、前記ベース部に一端が片持ち状に支持されていることを特徴とするものである。
本発明に係る発振子においては、振動片がベース部に片持ち状で支持されるため、振動の変位を大きくすることができ、効率的に周波数信号を出力できる。また、振動片に作用する支持応力が少ない振動子を得ることができる。
本発明に係る発振子は、上記発振子において、前記振動片が、前記ベース部に両端が両持ち状に支持されていることを特徴とするものである。
本発明に係る発振子においては、振動片が両持ち状態で支持されているので、振動片の両端が基端部を介してベース部に支持されることになる。そのため、片持ち状に支持された振動片に比べ、安定した振動特性を得ることができる。
本発明に係る発振子は、上記発振子において、前記一対の延出部が、前記他方向に向けて延出していることを特徴とするものである。
本発明に係る発振子においては、一対の延出部が一方向に直交する他方向に向けて延出しているので、一対の延出部を補正電極に引き寄せた時に、振動片に作用する圧縮応力が一方向(軸方向)に向けて作用しやすい。したがって、振動特性の変動をより効率的に抑制することができる。
本発明に係る発振子は、上記発振子において、前記補正電極及び前記延出部が、それぞれ一部分が櫛歯状に形成され、これら櫛歯状に形成された補正電極と延出部とが互い違いに配されていることを特徴とするものである。
本発明に係る発振子においては、それぞれ櫛歯状に形成された補正電極及び延出の一部分が互い違いに配されているので、補正電極と対向部との対向面積をより増加させることができる。そのため、振動片に対してさらに効率的に圧縮応力を作用させることができ、さらなる省電力化を図ることができる。
また、本発明に係る発振器は、上記本発明の発振子と、駆動ICとを有し、該駆動ICは、前記電極部に前記駆動電圧を印加する駆動回路と、記振動片に作用させる前記圧縮応力の圧縮応力値を算出する算出機構と、算出された前記圧縮応力値に応じた前記補正電圧を前記補正電極に印加する電圧印加回路と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る発振器においては、駆動回路から電極部に駆動電圧を印加させることで、振動片を他方向に振動させることができる。ここで、温度変化によって、振動片の周波数が変動した場合には、算出機構がこの周波数変動を圧縮応力で相殺するために必要な圧縮応力値を算出する。そして、この圧縮応力値に対応した印加信号を電圧印加回路に出力する。電圧印加回路は、印加信号に応じた補正電圧を補正電極に印加する。これにより、周波数変動に応じた圧縮応力を振動片に作用させることができ、振動片の温度変化に対するヤング率の変化を補正して、振動特性の変動を補正することができる。特に、アナログ的に温度補正を行うことができる発振子を有しているので、PLL回路のような複雑な回路を設ける必要がない。よって、設計の簡素化及び製造コストを削減することができる。また、アナログ的な回路によって印加電圧を変化させることができるため、印加電圧の調整が連続的となり、PLL回路のようなデジタル的な回路に比べ、周波数の変動が滑らかになる。そのため、温度特性の補正を効率的に行うことができ、高性能な発振器を提供することができる。
また、本発明に係る発振器は、上記発振器において、前記算出機構が、前記発振子の温度を検出する温度センサと、前記温度センサで検出された温度と予め設定された基準温度との温度差に基づいて、前記圧縮応力値を算出する補正データが記憶されたメモリ部と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る発振器においては、温度センサにより実際の発振子の温度を検出しているので、温度変化が生じた時に、基準温度との温度差が変化する。すると、算出機構は、メモリ部に記憶された補正データを参照することで、温度差による周波数変動を圧縮応力で相殺するために必要な圧縮応力値を速やかに算出することができる。そして、この圧縮応力値に対応した印加信号を電圧印加回路に出力する。このように、補正データを利用することで、より正確かつ効率良く温度特性の補正を行うことができる。
また、本発明に係る発振器は、上記発振器において、前記算出機構が、前記駆動回路から前記発振子と常時同値の駆動電圧が印加されるレファレンス発振子と、このレファレンス発振子と前記発振子との周波数の差分を検出するとともに、検出した差分に基づいて前記圧縮応力値を算出する周波数差分検出回路と、を備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る発振器においては、温度によって周波数が変化するレファレンス発振子を参照用として有している。そのため、周波数差分検出回路により、レファレンス発振子の周波数との差分に基づいて発振子に作用させる圧縮応力値を決定することができる。したがって、微細な温度変動にも対応することができるため、より高精細な発振器を提供することができる。
本発明に係る発振子によれば、補正電極に補正電圧を印加することで、補正電極と延出部との間に静電引力を発生させ、振動片から分岐した一対の延出部を引き寄せる。これにより、振動片に対して一方向(軸方向)の圧縮応力を作用させることができ、温度変化よって生じたヤング率の変化を補正することができる。よって、振動片のヤング率を一定に維持することができるため、振動特性の変動を抑制することができる。したがって、温度特性の補正を高精度かつ効率的に行うことができ、高性能化を図ることができる。
また本発明に係る発振器によれば、上記発振子を有しているので、周波数変動に応じた圧縮応力を振動片に作用させることができ、振動片の温度変化に対するヤング率の変化を補正して、振動特性の変動を補正することができる。特に、アナログ的に温度補正を行うことができる発振子を有しているので、PLL回路のような複雑な回路を設ける必要がない。よって、設計の簡素化及び製造コストを削減することができる。また、アナログ的な回路によって印加電圧を変化させることができるため、印加電圧の調整が連続的となり、PLL回路のようなデジタル的な回路に比べ、周波数の変動が滑らかになる。そのため、温度特性の補正を効率的に行うことができ、高性能な発振器を提供することができる。
(第1実施形態)
次に、本発明の発振子及び該発振子を有する発振器の第1実施形態を図1〜4に基づいて説明する。
なお、以下に示す各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を異ならせてある。
図1は、発振子の平面図であり、図2の(a)は図1のA−A’線に沿う断面図であり、(b)はB−B’線に沿う断面図である。
図1,2に示すように、発振子30は、シリコン支持層11(例えば、厚さ300〜800μm)と、二酸化珪素(SiO2)のBOX(Buried Oxide)層12と、シリコン活性層(例えば、厚さ5〜100μm)44とが順次積層された、いわゆるSOI(Silicon−On−Insulator)基板45を用いて半導体プロセス技術によって製造されるものである。ただし、SOI基板45に限らず、シリコン等の半導体基板で発振子30を製造しても構わない。これらの層の内、シリコン活性層44には振動子32及び駆動電極(電極部)33a及び検出電極(電極部)33bが構成されている。
振動子32は、平面視略T字状のものであり、振動子アイランド34(ベース部)と、この振動子アイランド34に基端部35を介して片持ち状に支持された振動片36とを備えている。
振動子アイランド34は、平面視矩形状のものであり、シリコン支持層11上にBOX層12を介して形成されている。
振動片36は、平面視長方形状のものであり、振動子アイランド34に、その基端部35が支持されるとともに、振動子アイランド34からX方向(一方向)に延出しているものである。また、振動片36は、シリコン支持層11との間にギャップを有しつつ延出しており(図2(a)参照)、その延出方向(X方向)と直交するY方向(振動片36の幅方向である他方向)に振動可能に構成されている。
振動子32の両側方には、振動子32に対してギャップを空けた状態で、振動子32を間に挟むように、駆動電極33aと検出電極33bとが配置されている。駆動電極33a及び検出電極33bは、振動片36の幅方向に沿って形成されており、シリコン支持層11上にBOX層12を介して形成されている。
ここで、振動片36の先端部39には、同一ポイントから左右に分岐して、振動片36の延出方向(X方向)に直交する方向(Y方向)に、シリコン支持層11との間にギャップを有しながらそれぞれ同じ長さだけ延出する一対の延出部37が形成されている。一対の延出部37は、振動片36の先端部39と接続されており、したがって振動子32は振動片36の幅方向の中心を中心線(図1中A−A’線)として線対称の形状となっている。
一対の延出部37の長手方向に沿う側方には、一対の補正電極38a,38bが設けられている。この補正電極38a,38bは、シリコン支持層11上にBOX層12を介して配置されており、延出部37の一方の側面に対してギャップgを介してそれぞれ配置されている。補正電極38a,38bは、図示しない外部電源より補正電圧が印加されたときに延出部37との間に静電引力を発生させて各延出部37を引き寄せ、振動片36に対して振動片36の軸方向(X方向)の圧縮応力を作用させるものである。これにより、補正電極38a,38bは振動片36に対して、後述するように温度変化による振動片36の共振周波数の変動を相殺するように圧縮応力を作用させることとなる。そして、延出部37における補正電極38a,38bと対向している領域が対向部40として構成されている(例えば、図1中L1,L2に相当する領域部分)。なお、これら補正電極38a,38bと延出部37とにより応力発生部41が構成されている。
次に、図3,4に基づいて、発振子の製造方法について説明する。図3,4は、発振子の工程図であり、(a)は図1のA−A’線に相当する断面、(b)はB−B’線に相当する断面を示している。なお、発振子の製造方法の各工程は、以下に説明の工程順番に限定されるものではない。
まず、図3に示すように、シリコン支持層11上にBOX層12、シリコン活性層44が順次積層されたSOI基板45を準備し、このSOI基板45上を、各電極33a,33b、補正電極38a,38b及び振動子32に各々分離する。具体的には、フォトリソグラフィ技術により露光・現像した図示しないレジストマスクを介してドライエッチングを行うことで、シリコン活性層44を貫通してBOX層12の上面まで到達する凹部を形成する。
次に、図4に示すように、シリコン活性層44を、各電極33a,33b、補正電極38a,38b及び振動子3に各々分離した後、振動子32の振動片36及び延出部37の形成領域のBOX層12を除去する(図2参照)。具体的には、シリコン活性層44に形成した凹部内をエッチングすることで、振動片36がシリコン支持層11から分離され、振動子アイランド34に片持ち状に支持された振動子32が形成される。なお、このエッチングはドライエッチングまたはウェットエッチングのいずれの方法で行っても構わない。
その結果、図1,2に示す発振子30を製造することができる。
次に、図5に基づいて本実施形態の発振器の構成について説明する。図5は本実施形態の発振器の構成を示すブロック図である。なお、以下の説明においては図1を適宜援用する。
図5に示すように、発振器10は上述した発振子30と駆動IC20とを備えている。駆動IC20は、図示しない電気回路を介して外部電源に電気的に接続されており、上述した駆動電極33aに駆動電圧を印加する駆動回路14と、振動片36に作用させる圧縮応力の圧縮応力値を算出する周波数変動検出回路(算出機構)15と、周波数変動検出回路15により算出された圧縮応力値に応じた補正電圧を補正電極38a,38bに印加する電圧印加回路16とを備えている。なお、本実施形態では、上述したシリコン支持層11を介して駆動IC20と発振子30とが一体的にパッケージングされている。よって、シリコン支持層11は、駆動IC20も同時に支持する共通基板として機能する。
駆動回路14は、振動片36が所定の共振周波数を有して振動するように、上述した駆動電極33aへ駆動電圧を印加する。駆動電極33aに電圧が印加されると、駆動電極33aと振動片36との間に静電引力が発生する。その結果、振動片36が、Y方向、つまり振動片36の両側方にギャップを介して配置された駆動電極33a,検出電極33bに接近離間するように振動する。振動片36が振動すると、振動片36と各電極33a,33bとの間のギャップが変化し、振動片36と各電極33a,33bとの間の静電容量が変動する。そして、その静電容量の変動が共振周波数として検出電極33bにより検出される。
周波数変動検出回路15は、検出電極33bにより検出された振動片36の共振周波数を検出信号として受信するものであり、共振周波数の変動を検出するものである。また、周波数変動検出回路15には、振動片36の寸法により決定される共振周波数の値が予め設定されている。
電圧印加回路16は、周波数変動検出回路15により検出された共振周波数に基づいて上述した補正電極38a,38bに電圧を印加するものであり、これにより補正電極38a,38bと対向部40との間に静電引力が発生する。より詳述に説明すると、補正電極38a,38bと対向部40との間には、延出部37が補正電極38a,38b側に引き寄せられる静電引力が発生する。つまり、振動片36には、軸方向(X方向)に沿って圧縮応力が作用する。
ところで、上述のような発振子は温度による共振周波数の変動が大きいという欠点がある。具体的には、発振子が作動すると、それに伴い発振子の温度が上昇する。ここで、物質のヤング率は温度に依存する性質を持っているため、発振子の温度が変化することで発振子の共振周波数が変動してしまう。そこで、発振子の温度変化による共振周波数の変動を補正する必要がある。
ここで、振動片36の共振周波数は、以下の式1によって決定される。なお、式1中E(T)は発振子のヤング率を温度の関数で表しており、式2はE(T)を基準温度Tの近傍でテイラー展開して2次式まで表したものである。また、式1,2中のfは振動片36の共振周波数、Tは発振子30の基準(初期)温度、Tは発振子30の測定温度、Eは温度Tにおける発振子30のヤング率、αは1次の温度係数、βは2次の温度係数、aは振動片の形状に依存する係数、Lは振動片の長さ、Wは振動片の幅、σは振動片の軸方向に作用する応力である。
Figure 0005105279
ここで、式1において、L,Wは振動片36の寸法であり、設計段階で決定されるものである。また、E、a、α、βは定数である。したがって、温度T以外は全て設計段階で決定される定数である。つまり、振動片36の寸法によって基準温度T時における固有の共振周波数が決定される。
そして、温度による共振周波数fの変動を補正するためには、応力σを変化させ、式2の平方根の内部がEのみになるようにすればよい。つまり、発振子30の温度上昇に伴い、振動片36の軸方向(X方向)に沿って圧縮応力を作用させることで、温度変化によるヤング率の変化が相殺(キャンセル)される。この時のσは以下の式3で表される。
Figure 0005105279
振動片36に圧縮応力σを作用させるには、補正電極38a,38bに電圧を印加して対向部40と補正電極38a,38bとの間に静電引力を発生させる。すると、対向部40は、補正電極38a,38bに引き寄せられることとなり、振動片36に圧縮応力が作用する。この時の補正電極38a,38bに印加する電圧は、以下の式4で表される。なお、式4中Sは振動片36の短手方向の断面積、gは補正電極38a,38bと対向部40とのギャップ、εは誘電率、L1,L2は対向部40の長さ、hは振動片36の厚さ(図2参照)とする。
Figure 0005105279
次に、作用を説明する。
まず、駆動回路14から駆動電極33aに向けて駆動電圧を印加させることで、駆動電極33aと振動片36との間に静電引力が発生する。その結果、振動片36が、Y方向、つまり振動片36の両側方にギャップを介して配置された駆動電極33a,検出電極33bに接近離間するように振動する。振動片36が振動すると、振動片36と各電極33a,33bとの間のギャップが変化し、振動片36と各電極33a,33bとの間の静電容量が変動する。そして、その静電容量の変動が共振周波数として検出電極33bにより検出される。
検出電極33bにより検出された共振周波数の値は、検出信号として周波数変動検出回路15に出力される。検出信号を受信した周波数変動検出回路15は、予め設定された振動片36の共振周波数と検出信号に基づく共振周波数とを比較する。ここで、温度変化によって、検出信号に基づく共振周波数が、予め設定された共振周波数と比べ変動した場合には、例えば検出信号に基づく共振周波数が予め設定された共振周波数よりも高い場合には、振動片36に圧縮応力を作用させる。具体的には、周波数変動検出回路15が、周波数変動を圧縮応力で相殺するために、上述の式3により算出した補正に必要な圧縮応力値を算出する。そして、算出した圧縮応力値を上述した式4に代入することで補正電極38a,38bに印加する補正電圧が算出される。そして、周波数変動検出回路15は、算出した補正電圧を印加させる印加信号を駆動回路14に向けて出力する。駆動回路14は、この印加信号に基づいて補正電極38a,38bに補正電圧を印加する。
すると、補正電極38a,38bと対向部40との間に静電引力が発生し、振動片36にその軸方向(X方向)に沿った圧縮応力が作用する。これにより、周波数変動に応じた圧縮応力を振動片36に作用させることができ、振動片36の温度変化に対するヤング率の変化を相殺して、振動特性の変動を補正することができる。その結果、振動片36を、予め設定された所定の共振周波数で振動させ続けることができる。
このように本実施形態の発振子30によれば、温度変化により振動片36の共振周波数が変化しようとするが、この変化を補正することができる。つまり、温度変化に対する振動片36の共振周波数の変動に基づいて、補正電極38a,38bに電圧を印加することで、補正電極38a,38bと対向部40との間に静電引力を発生させ、振動片36から分岐した一対の対向部40を引き寄せる。これにより、振動片36に対して軸方向(X方向)に沿う応力を作用させることができ、温度変化よって生じたヤング率の変化を補正することができる。
よって、発振子30のヤング率を基準温度時のヤング率に一定に維持することができるため、振動特性の変動を抑制することができる。その結果、温度変化による振動片36の周波数変動を相殺でき、温度特性の補正を行うことができる。特に、従来のようにPLL回路103(図18参照)を利用したデジタル的な温度補正を行う場合に比べ、温度変化に対応した圧縮応力を加えるというアナログ的な温度補正なので、ノイズが発生する等のデジタル処理特有の不都合が生じない。したがって、温度特性の補正を高精度かつ効率的に行うことができ、高性能化を図ることができる。
ところで、振動片36の基準温度時における共振周波数は、振動片36の寸法によって決定されるので、振動片36に作用させる圧縮応力を予め周波数変動検出回路15に記憶させておくことができる。したがって、PLL回路103のような複雑な回路を設ける必要もなく、構成の簡素化が可能となる。
また、一対の対向部40は、振動片36とともに振動するが、振動片36の延出方向(X方向)に直交するY方向に向けて、それぞれ同一ポイントからそれぞれ同じ長さだけ延出しているので、重量のバランスがとられている。そのため、振動片36の振動特性に影響を与えることがない。したがって、対向部40を補正電極38a,38bに引き寄せた時に、振動片36に作用する圧縮応力が振動片36の軸方向(X方向)に向けて作用しやすく、振動特性の変動を効率的に抑制することができる。
さらに、振動片36が振動子アイランド34に片持ち状で支持されることで、振動の変位を大きくすることができ、効率的に周波数信号を出力できる。また、振動片36に作用する支持応力が少ない振動子32を得ることができる。
このように本実施形態の発振器10によれば、振動片36の温度変化に対するヤング率の変化を補正して、振動特性の変動を補正することができる。特に、アナログ的に温度補正を行うことができる発振子30を有しているので、PLL回路のような複雑な回路を設ける必要がない。よって、設計の簡素化及び製造コストを削減することができる。また、アナログ的な回路によって印加電圧を変化させることができるため、印加電圧の調整が連続的となり、PLL回路のようなデジタル的な回路に比べ、周波数の変動が滑らかになる。そのため、温度特性の補正を効率的に行うことができ、高性能な発振器10を提供することができる。
(第2実施形態)
次に、図6に基づいて本発明の第2実施形態として、発振子の他の構成について説明する。図6は、第2実施形態に係る発振子の平面図である。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し説明は省略する。
図6に示すように、本実施形態の発振子50は、振動片36の基端部35及び先端部39の両端側にそれぞれ応力発生部41が形成された振動子46を備えている。より詳述に説明すると、振動子46には、振動片36の両端部35,39の同一ポイントから振動片36の軸方向(X方向)に直交するY方向に向けて、それぞれ同じ長さだけ延出した一対の延出部37が2組形成されている。
各延出部37の間、つまり振動片36の基端部35側の延出部37と先端部39側の延出部37に挟まれた領域には、補正電極42a,42bが設けられている。この補正電極42a、42bは上述した各電極33a,33bの側方に,各延出部37及び各電極33a,33bと所定のギャップを有しつつ、配置されている。なお、各延出部37と補正電極42a,42bとが対向している領域は、対向部40として構成されており、各対向部40は各々等しいギャップ(例えば、図6中g)を有している。
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、振動片36の基端部35側と先端部39側との両端側にそれぞれ応力発生部41が形成されているため、補正電極42a,42bに電圧が印加されると、補正電極42a,42bと両延出部37との間に静電引力が発生する。つまり、振動片36には、その両端部35,39から振動片36の軸方向(X方向)に沿って圧縮応力がそれぞれ作用することとなる。これにより、振動片36に作用する圧縮応力分布が均一になるとともに、振動片36に圧縮応力が作用しやすくなる。つまり振動時には、上述した式3中における係数aを大きくできるので、作用させる圧縮応力が小さくて済む。したがって、補正電極42a,42bに印加する補正電圧を低くしたとしても、必要な圧縮応力を作用させることができるので、省電力化を図ることができる。
また、対向部40と補正電極42a,42bとの対向面積を増加させることができるため、補正電極42a,42bに印加する電圧を抑制することができる。この点においても、省電力化が可能となる。
(第3実施形態)
次に、図7,8に基づいて本発明の第3実施形態として、発振子の他の構成について説明する。図7は、第3実施形態に係る発振子の平面図であり、図8は図7のC部拡大図である。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し説明は省略する。
図7に示すように、本実施形態の発振子60は、振動片36の先端部39における同一ポイントから平面視コ字状の延出部61が形成された振動子48を備えている。延出部61は、一部分が櫛歯状に形成されている。具体的には、延出部61のX方向に沿う二辺の側面には、延出部61の内側に延出(すなわち、互いの辺に向けて延出)する多数の対向部62が形成されている。これら多数の対向部62は、延出部61の側面に直交するY方向に向けて櫛歯状に延出している。
そして、延出部61に囲まれた領域には、一部分が櫛歯状に形成された補正電極63が配置されている。つまり、この補正電極63の長手方向に沿う両側面には、両側面に直交する方向(Y方向)に延出する多数の櫛歯電極64が形成されている。そして、櫛歯電極64と上述した対向部62とは、1つ1つ所定のギャップを空けて互い違いに配置されている。以上により本実施形態の応力発生部65が構成されている。
櫛歯電極64と対向部62との位置関係を、より詳細に説明すると、図8に示すように、対向部62は、長手方向に沿う両側面62a,62bが補正電極63の櫛歯電極64と所定のギャップを有して挟まれるように配置されている。より詳述に説明すると、対向部62と櫛歯電極64との間のギャップは、一方の側面62b、つまり振動片36側に向かう側面62b側のギャップg1が、他方の側面62a側のギャップg2に比べ、狭く設定されている。これにより、櫛歯電極64と対向部62との間に発生する静電引力のうち、ギャップg1に発生する静電引力をギャップg2に発生する静電引力に比べ強くすることができるため、振動片36の軸方向(X方向)に沿う圧縮応力を効率的に作用させることができる。
本実施形態において、振動片36に応力σを作用させるために補正電極63に印加する電圧は、以下の式5で表される。なお、式5中g1、g2は櫛歯電極と対向部とのギャップ、Nは櫛歯電極の本数、yは櫛歯電極の長さである。
Figure 0005105279
したがって、本実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができることに加え、それぞれ櫛歯状に形成された櫛歯電極64と対向部62とを各々互い違いに配置したため、補正電極63と対向部62との対向面積をより増加させることができる。これにより、振動片36に対してさらに効率的に圧縮応力を作用させることができるため、補正電極63に印加する電圧を抑制することができる。よって、さらなる省電力化が可能となり、高性能な発振子60を提供することができる。
また、平面視コ字状に形成された延出部61に囲まれた領域に補正電極63を配置するとともに、対向部62が延出部61の内側に延出しているため、1つの補正電極63から両側方に向けて櫛歯電極64を延出させることができ、補正電極63を2つ設ける必要がない。したがって、製造コストを削減することができるとともに、レイアウト性を向上させることができる。
(第4実施形態)
次に、図9〜11に基づいて本発明の第4実施形態として、発振子の他の構成について説明する。図9は、第4実施形態に係る発振子の平面図であり、図10は図9のD部拡大図、図11は図9のE部拡大図である。なお、本実施形態では、第3実施形態と同様の構成については同一符号を付し説明は省略する。
図9に示すように、本実施形態の発振子70は、振動片36の基端部35側と先端部39側の両端側にそれぞれ第3実施形態の応力発生部65が設けられた振動子49を備えている。
より詳述に説明すると、振動子49には、振動片36の両端部35,39から延出した各延出部61のX方向に沿う二辺の側面に、延出部61の内側、つまり互いの辺に向けて延出する多数の対向部62が形成されている。各対向部62は、延出部61の側面に直交するY方向に向けて櫛歯状に延出している。
そして、延出部61に囲まれた領域には、補正電極63が配置され、この補正電極63の長手方向に沿う両側面には、両側面に直交する方向(Y方向)に延出する多数の櫛歯電極64が形成されている。この櫛歯電極64は、補正電極63から櫛歯状に延出しており、櫛歯電極64と上述した対向部62とが、1つ1つ所定のギャップを空けて互い違いに配置されている。
図10,11に示すように、各対向部62と櫛歯電極64との間のギャップは、振動片36側に向かう側面62bのギャップg1が、他方の側面62aのギャップに比べ狭く形成されている。
したがって、本実施形態によれば、第3実施形態と同様の効果を奏するとともに、振動片36の両端部35,39にそれぞれ櫛歯状の応力発生部65が形成されているため、振動片36の両端から圧縮応力を作用させることができる。これにより、振動片36に作用する圧縮応力分布が均一になるとともに、振動片36に圧縮応力が作用しやすくなる。つまり、第2実施形態と同様に、式3中における係数aを大きくでき、作用させる圧縮応力が小さくて済む。したがって、印加する補正電圧を低くしたとしても、必要な圧縮応力を作用させることができ、さらなる省電力化を図った上で、高性能な発振子70を提供することができる。
(第5実施形態)
次に、図12に基づいて本発明の第5実施形態として、発振子の他の構成について説明する。図12は、第5実施形態に係る発振子の平面図である。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様の構成については同一符号を付し説明は省略する。
図12に示すように、本実施形態の発振子79は、一対の振動子アイランド(ベース部)81a,81bと、これら振動子アイランド81a,81bに両持ち状に支持された振動片82と、を備えた平面視略I字状の振動子80を備えている。
振動子アイランド81a,81bは、平面視矩形状のものであり、上述した片持ち状の振動片36(図2参照)と同様にシリコン支持層11上にBOX層12を介して形成されている。
振動片82は、振動子アイランド81a,81bからX方向に延出するとともに、X方向に直交するY方向に振動可能なものであり、基端部85a,85bを介して振動子アイランド81a,81b間を架け渡すように連結されている。振動片82は、シリコン支持層11(図2参照)との間にギャップを有しつつ延出している。
ここで、振動片82の一方の基端部85b側には応力発生部86が形成されている。この応力発生部86は、振動片82の基端部85bの同一ポイントからの軸方向(X方向)に直交する方向に、それぞれ同じ長さだけ延出する一対の延出部87と、延出部87の長手方向に沿う側面と所定のギャップgを有しつつ対向配置された補正電極88a,88bとを備えている。
このように構成された本実施形態の発振子79によれば、上述の第1実施形態と同様の効果を奏することに加え、振動片82を両持ち状に支持しているので、上述の片持ち状に支持された振動片に比べ、安定した振動特性を得ることができる。
(第6実施形態)
次に、図13に基づいて本発明の第6実施形態として、発振子の他の構成について説明する。図13は、第6実施形態に係る発振子の平面図である。なお、本実施形態では、第5実施形態と同様の構成については同一符号を付し説明は省略する。
図13に示すように、本実施形態の発振子83は、振動片82の両基端部85a,85bに応力発生部86が形成された振動子67を備えている。より詳述に説明すると、振動子67には、振動片82の両端部85a,85の同一ポイントから振動片82の軸方向(X方向)に直交するY方向に向けて、それぞれ同じ長さだけ延出した延出部87が形成されている。
各延出部87に挟まれた領域には、補正電極84a,84bが設けられている。この補正電極84a,84bは上述した各電極33a,33bの側方に,各延出部87及び各電極33a,33bと所定のギャップを有しつつ、配置されている。なお、各延出部87と補正電極84a,84bとが対向している領域は、対向部89として構成されており、各対向部89は各々等しいギャップ(例えば、図13中g)を有している。
このように構成された本実施形態の発振子83によれば、上述の第5実施形態と同様の効果を奏することに加え、振動片82の両基端部85a,85bから圧縮応力が作用するため、補正電極84a,84bに印加する補正電圧をより低くしたとしても、必要な圧縮応力を確実に作用させることができるので、省電力化を図ることができる。また、対向部89と補正電極84a,84bとの対向面積を増加させることができるため、補正電極84a,84bに印加する電圧を抑制することができ、省電力化が可能となる。
(第7実施形態)
次に、図14に基づいて本発明の第7実施形態として、発振子の他の構成について説明する。図14は、第7実施形態に係る発振子の平面図である。なお、本実施形態では、第5実施形態と同様の構成については同一符号を付し説明は省略する。
図14に示すように、本実施形態の発振子90は、振動片82の一方の基端部85bに、基端部85bにおける同一ポイントから平面視コ字状に延出部92が形成された振動子73を備えている。振動子73の延出部92は、振動片82の両側方を囲むように形成されており、一部分が櫛歯状に形成されている。具体的には、延出部92のX方向に沿う二辺の側面に、側方に向けて延出する多数の対向部93が形成されている。これら多数の対向部93は、延出部92のX方向に沿う側面に直交するY方向に向けて櫛歯状に延出している。
そして、延出部92の側方、つまり延出部92を挟んで駆動電極33a及び検出電極33bの反対側には、延出部92の長手方向に沿って補正電極94a,94bが配置されている。この補正電極94a,94bの長手方向(X方向)に沿う側面には、Y方向に延出する多数の櫛歯電極95が形成されている。この櫛歯電極95は、各補正電極94a,94bから櫛歯状に延出しており、櫛歯電極95と上述した対向部93とが、1つ1つ所定のギャップを空けて互い違いに配置されている。
さらに、対向部93と櫛歯電極95との間のギャップは、振動片82の一方の基端部85a側に向かう側面との間のギャップが、他方の側面との間のギャップに比べ、狭く設定されている。つまり、櫛歯電極95に電圧が印加されると、振動片82には基端部85a側への圧縮応力が作用することとなる。
このように構成された本実施形態の発振子90によれば、振動子アイランド81a,81bに振動片82が両持ちで支持されているため、安定した振動特性を得ることができるとともに、櫛歯状の応力発生部91により、対向部93と補正電極94a,94bとの対向面積を増加させることができる。これにより、補正電極94a,94bに印加する電圧を抑制することができる。したがって、補正電極94a,94bに印加する補正電圧を低くしたとしても、必要な圧縮応力を作用させることができるので、より省電力化を図った上で、高性能な発振子90を提供することができる。
(第8実施形態)
次に、図15に基づいて本発明の第8実施形態として、発振子の他の構成について説明する。図15は、第8実施形態に係る発振子の平面図である。なお、本実施形態では、第7実施形態と同様の構成については同一符号を付し説明は省略する。
図15に示すように、本実施形態の発振子110は、振動片82の両基端部85a,85b側に、櫛歯状の応力発生部99が設けられていた振動子96を備えている。
より詳述に説明すると、振動片82の基端部85a,85bの同一ポイントから各振動子アイランド81a,81bを囲むように、それぞれ同じ長さだけ延出する平面視コ字状の延出部97が形成されている。各延出部97のX方向に沿う側面には、側方に向けて延出する多数の対向部93が形成されている。この対向部93は、延出部97の側面から延出部97と直交するY方向に櫛歯状に形成されている。
そして、各延出部97の側方には、延出部97の長手方向に沿って補正電極98が配置されている。この補正電極98の長手方向に沿う側面には、各対向部93と互いに噛み合うように延出する櫛歯電極95が形成されている。以上により一対の応力発生部99が構成されている。
さらに、各対向部93と櫛歯電極95との間のギャップは、振動片82側に向かう側面のギャップが、他方の側面のギャップに比べ狭く形成されている。つまり、櫛歯電極95に電圧が印加されると、振動片82には両応力発生部99に挟まれるように圧縮応力が作用することとなる。
このように構成された本実施形態の発振子110によれば、上述した第7実施形態と同様の効果を奏することに加え、振動片82の両基端部85a,85bから振動片82を挟むように一対の応力発生部99を形成したため、振動片82により効率的に圧縮応力を作用させることができる。
また、上述した発振子を備えた発振器の構成として以下のような態様も可能である。
(第9実施形態)
図16は、第9実施形態における発振器の構成を示すブロック図である。なお、発振子は上述した第1〜8実施形態の発振子のうち何れを用いることも可能だが、以下の説明においては第1実施形態の発振子を用いて説明する。
上述した発振器10(図5参照)では、共振周波数の変動に基づいて振動片の共振周波数の補正に必要な圧縮応力値を決定したが、この圧縮応力値を発振子(振動子)の温度変化に応じて決定することも可能である。
図16に示すように、発振器200は、上述した発振子30と駆動IC210とを備えている。駆動IC210は駆動回路14、電圧印加回路16と、発振子30の温度を測定する温度センサ211と、補正データが記憶された補正データメモリ(メモリ部)212と、補正データを参照して圧縮応力を算出する算出部213とを備えている。なお、温度センサ211、補正データメモリ212及び算出部213により、本実施形態の算出機構が構成されている。
温度センサ211は、発振子30の温度を測定して、測定した温度を検出信号として算出部213に出力している。
補正データメモリ212が有する上記補正データには、温度センサ211で検出された温度と予め設定された基準温度との温度差に基づいて、圧縮応力値を算出するテーブルが記憶されている。つまり、上述した式3に対応するテーブルが、予め記憶されているものである。
算出部213は、温度センサ211から出力された検出信号と、補正データが記憶された補正データメモリ212とを参照して、圧縮応力値を算出し、該圧縮応力値に対応した電圧印加信号を電圧印加回路16に出力するものである。
このように構成された発振器200においては、まず温度センサ211により発振子30の温度が常時測定されており、測定された温度が検出信号として算出部213に出力される。算出部213は、温度センサ211から出力された検出信号と補正データメモリ212に記憶された式3に対応するテーブルに基づいて、補正に必要な圧縮応力値を算出する。そして、算出部213は、この圧縮応力値に対応した印加信号を電圧印加回路16に向けて出力する。これを受けて電圧印加回路16は、補正電極38a,38bに補正電圧を印加する。これにより、補正電極38a,38bと対向部40との間に静電引力が発生し、振動片36に算出した圧縮応力値の圧縮応力が作用する。したがって、温度上昇でヤング率の変化により生じる振動片36の共振周波数の変動を補正することができる。
このように、温度センサ211及び補正データメモリ212を利用することで、基準温度と実際の温度差による共振周波数の変動を圧縮応力で相殺するために必要な圧縮応力値を速やかに算出することができる。したがって、より正確かつ効率良く温度特性の補正を行うことができる。
(第10実施形態)
図17は、第10実施形態における発振器の構成を示すブロック図である。
図17に示すように、発振器300は発振子30と駆動IC310とを備えている。駆動IC310は、上述した駆動回路14、電圧印加回路16とレファレンス発振子(算出機構)320と周波数差分検出回路(算出機構)330とを備えている。
レファレンス発振子320は、発振子30と同一に構成された発振子である。レファレンス発振子320には、駆動回路14から発振子30に印加される電圧と常時同値の電圧が印加されるように構成されている。
周波数差分検出回路330には、基準温度時の共振周波数が予め記憶されるとともに、発振子30とレファレンス発振子320との共振周波数の差分を検出して、この差分に基づいて電圧印加回路16に印加信号を出力するものである。
このように構成された発振器300においては、まず駆動回路14から各発振子30,320に向けて同じ値の電圧を印加する。そして、各発振子30,320の共振周波数の検出信号が周波数差分検出回路330に出力される。検出信号を受信した周波数差分検出回路330は、基準温度時の各発振子30,320の共振周波数を記録する。なお、基準温度時の共振周波数は各発振子30,320ともに同値であるため、何れか一方の共振周波数のみを記録してもよい。
そして、一定時間後に再び各発振子30,320から共振周波数の検出信号が出力される。この時、はじめに検出した基準温度時の共振周波数とレファレンス発振子320の共振周波数との差分を算出する。そして、この差分から発振子30,320の測定温度が算出される。この温度に基づいて、基準温度との温度差を算出し、共振周波数の変動を圧縮応力で相殺するために必要な圧縮応力値を算出する。そして、必要な圧縮応力値に対応した圧縮応力を発振子30に作用させる。これにより、発振子30の共振周波数が補正される。
このように、発振器300によれば、発振子30の共振周波数の変動をレファレンス発振子320の実測値と比較することで、補正に必要な圧縮応力を決定することができる。したがって、微細な温度変動にも対応することができるため、より高精細な発振器300を提供することができる。
なお、本発明の技術範囲は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
例えば、補正電極と対向部の形状は対向面積が大きく確保できる形状であれば、適宜設計変更が可能である。
また、本実施形態の発振器の構成に加えて、PLL回路を採用してもよい。この場合、周波数変動検出回路により温度特性の補正をした後、PLL回路によって温度補正を行うこととなる。これにより、ノイズの発生を抑えた上で、より高精度な補正が可能になる。
本発明の第1実施形態における発振子の平面図である。 (a)は図1のA−A’線に沿う断面図であり、(b)は図1のB−B’線に沿う断面図である。 図2に相当する部分における断面図であり、発振子の製造方法を示す工程図である。 図2に相当する部分における断面図であり、発振子の製造方法を示す工程図である。 本発明の実施形態における発振器の構成を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態における発振子の平面図である。 本発明の第3実施形態における発振子の平面図である。 図7のC部拡大図である。 本発明の第4実施形態における発振子の平面図である。 図9のD部拡大図である。 図9のF部拡大図である。 本発明の第5実施形態における発振子の平面図である。 本発明の第6実施形態における発振子の平面図である。 本発明の第7実施形態における発振子の平面図である。 本発明の第8実施形態における発振子の平面図である。 本発明の第9実施形態における発振器のブロック図である。 本発明の第10実施形態における発振器のブロック図である。 従来の発振器の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10,200,300発振器 14駆動回路 20,210,310駆動IC 16電圧印加回路 15周波数変動検出回路(算出機構) 30,50,60,70,79,83,90.110発振子 32,46,48,49,67,73,80,96振動子 33a,323a駆動電極(電極部) 33b,323b検出電極(電極部) 34,81a,81b振動子アイランド(ベース部) 36,82振動片 37,61,87,92,97延出部 38a,38b,42a,42b,63,88a,88b,84a,84b,94a,94b,98補正電極 211温度センサ(算出機構) 212補正データメモリ(算出機構) 213算出部(算出機構) 320レファレンス発振子(算出機構) 330周波数差分検出回路(算出機構)

Claims (8)

  1. 一方向に延びるように形成され、該一方向に直交する他方向に振動する振動片と、該振動片から左右に分岐して延出する一対の延出部と、該振動片の一端または両端を支持するベース部とを有する振動子と、
    前記振動片に対して所定距離を空けた状態で前記振動片を間に挟むように配置され、駆動電圧が印加された時に静電引力を発生させて前記振動片を振動させる電極部と、
    前記一対の延出部に対して所定距離を空けた状態でそれぞれ対向配置され、補正電圧が印加されたときに静電引力を発生させて各延出部を引き寄せ、前記振動片に対して前記一方向の圧縮応力を作用させる補正電極と、を備え
    前記一対の延出部は、前記振動片の両端側にそれぞれ設けられていることを特徴とする発振子。
  2. 前記振動片は、前記ベース部に一端が片持ち状に支持されていることを特徴とする請求項1記載の発振子。
  3. 前記振動片は、前記ベース部に両端が両持ち状に支持されていることを特徴とする請求項1記載の発振子。
  4. 前記一対の延出部は、前記他方向に向けて延出していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の発振子。
  5. 前記補正電極及び前記延出部は、それぞれ一部分が櫛歯状に形成され、これら櫛歯状に形成された補正電極と延出部とが互い違いに配されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発振子。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の発振子と、駆動ICとを有し、
    該駆動ICは、前記電極部に前記駆動電圧を印加する駆動回路と、
    前記振動片に作用させる前記圧縮応力の圧縮応力値を算出する算出機構と、
    算出された前記圧縮応力値に応じた前記補正電圧を前記補正電極に印加する電圧印加回路と、を備えていることを特徴とする発振器。
  7. 前記算出機構は、前記発振子の温度を検出する温度センサと、
    前記温度センサで検出された温度と予め設定された基準温度との温度差に基づいて、前記圧縮応力値を算出する補正データが記憶されたメモリ部と、を備えていることを特徴とする請求項記載の発振器。
  8. 前記算出機構は、前記駆動回路から前記発振子と常時同値の駆動電圧が印加されるレファレンス発振子と、
    このレファレンス発振子と前記発振子との周波数の差分を検出するとともに、検出した差分に基づいて前記圧縮応力値を算出する周波数差分検出回路と、を備えていることを特徴とする請求項記載の発振器。
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