JP5204354B1 - 発振器 - Google Patents

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Abstract

MEMS共振器と増幅器とを含んだ帰還型発振回路と、MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御する電圧制御部と、増幅器からの出力を受け、該出力のレベルに基づいて増幅器からの出力のレベルが所定レベルになるように増幅器のゲインを増減させる振幅制御信号を増幅器へ出力し増幅器のゲインを制御する自動利得制御部とを有し、MEMS共振器の動作温度に基づいて、MEMS共振器のピークゲインが動作温度の高低に依らず所定値になるように、MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を電圧制御部により制御し、電圧制御部は、振幅制御信号をモニタリングすることにより、MEMS共振器の動作温度を導出する、MEMS発振器。

Description

技術分野は、発振器に関し、特に、微小電気機械共振器(MEMS共振器)を用いた発振器に関する。
従来、発振器は、電子機器等において、回路の動作のタイミングをとる(同期をとる)ために用いられる。この場合、発振器は、回路の動作の基準となる電気信号(基準クロック信号)を出力するデバイスとして用いられる。電子機器の安定動作の観点から、発振器には位相雑音の少ない高品質な基準クロック信号を出力することが望まれる。
また、通信機器においては、発振器は、信号伝送のための基準信号を生成するデバイスとして用いられる。近年における無線通信の高速化や全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)の高精度化に対する要望の高まりに伴い、発振器には、発振信号の位相安定性のさらなる向上(位相雑音のさらなる低減)が求められている。
水晶振動子を用いた発振器(水晶発振器)は、現行の発振器の一例である。だが、水晶発振器は、小型化が困難、集積化に不向き、試作工数が多い、歩留まりが良くない、納期に時間を要する、というように様々な課題を抱えている。
近年、水晶発振器が抱える様々な課題を克服できる発振器として、シリコン等から半導体プロセスにより作成される微小電気機械(MEMS:Micro Electro-Mechanical Systems)を共振器として用いた発振器(MEMS発振器)が注目されている。
図17は、従来のMEMS発振器の基本的な構成を示す図である。
従来のMEMS発振器999は、共振回路であるMEMS共振器1001と、増幅回路であるドライバアンプ1002と、を有し、閉ループ1003により、ドライバアンプ1002の出力(発振信号)が、MEMS共振器1001を介して帰還され増幅される帰還型発振回路である。
MEMS共振器1001は、入力電極1001a、MEMS振動子1001b、出力電極1001cを備え、入力電極1001aと振動子1001bとの間、および、振動子1001bと出力電極1001cとの間は、所定間隔のギャップで隔てられる。また、MEMS振動子1001bには、バイアス電圧(直流電圧、VDC)が印加される。
入力電極1001aに発振信号(入力信号)1004(AC電圧、VAC)が入力されると、励振力がMEMS振動子1001bに作用する。また、発振信号1004(VAC)の周波数とMEMS振動子1001bの機械的共振周波数が一致すると、MEMS振動子1001bは大きく振動し、帰還信号1006(変位電流)が出力電極1001cから出力される。
図18は、MEMS共振器1001に入力される発振信号1004の信号レベル(VACの振幅)の変化による共振特性の変化を示すグラフである。特性1011は、発振信号1004の信号レベルが、所定の適正範囲に含まれる場合における、MEMS共振器1001の共振特性である。このように、発振信号1004の信号レベルが適正範囲に含まれる場合には、MEMS共振器1001の共振特性は、共振周波数fcを中央とした左右対称性を示す。ここで、発振信号1004の信号レベルにかかる所定の適正範囲とは、MEMS振動子1001bの振動運動に際し、それと入出力電極(1001aおよび1001c)との距離が近づきすぎて両者間に静電力が過度に作用し、入出力電極(1001aおよび1001c)がMEMS振動子1001bを引き込もうとする効果(キャパシティブ・バイファケーション、Capacitive Bifurcation)が顕著に現れない程度の発振信号1004の信号レベルである。また、適正範囲の最大値は、MEMS共振器1001のQ値と、入力される発振信号1004の信号レベル(電圧VACの振幅)と、MEMS振動子1001bに印加されるバイアス電圧(VDC)の積に比例する値であり、予め求めることが可能である。ここで、Q値とは、共振周波数を半値幅で除して得られる無次元数であり、共振の尖鋭度を表し、共振器の性能評価に用いられる指標である。
矢印1014に示すように、MEMS共振器1001に入力される発振信号1004の信号レベルが大きくなり適正範囲を越えると、MEMS共振器1001の共振特性には、特性1012、1013のように歪みが現れて左右対称性が崩れるとともに、ピークゲインの減少、Q値の劣化が発生する。また、さらに大きなレベルの発振信号1004がMEMS共振器1001に入力されるとMEMS共振器1001が破壊される場合もある。つまり、MEMS共振器1001は、入力される信号の電圧が過大に過ぎるとピークゲインおよびQ値が劣化するとともに共振周波数の安定性も悪化するという特性を有する。そのため、MEMS共振器1001に入力される発振信号1004の信号レベルが適正範囲に収まるようにドライバアンプ1002を制御することが望まれる。
図19は、特許文献1に記載されたMEMS発振器の構成を示すブロック図である。
特許文献1のMEMS発振器1000は、MEMS共振器1001と、ドライバアンプ1002と、自動利得制御部(Auto Gain Control、AGC)1005と、を有する。MEMS発振器1000は、MEMS発振器999と同様、閉ループ1003を形成する。そして、AGC1005は、ドライバアンプ1002の出力(発振信号1004)の振幅をモニタリングしてドライバアンプ1002のゲインを制御する。
MEMS発振器1000においては、AGC1005が、発振信号1004(AC電圧)のレベル(振幅)が適正範囲に含まれるように、ドライバアンプ1002のゲインを制御する。そうすることによって、過大なレベルのAC電圧1004がMEMS共振器1001に入力されることを防止する。ここでの適正範囲とは、上述のようにMEMS共振器1001の共振特性を歪ませない程度のAC電圧1004のレベル範囲である。
このように、特許文献1では、MEMS共振器1001に過大なレベルの交流電圧(発振信号1004)が入力されることに起因してMEMS共振器1001の共振特性が劣化することを防止することにより、発振信号1004に含まれる位相雑音の増大を防止する。
特開2004−201320号公報
特許文献1においては、MEMS共振器1001へ入力されるAC電圧1004のレベル(振幅)は、MEMS共振器1001の動作温度によらず、一定に保たれる。また、MEMS共振器1001の振動子に印加されるバイアス電圧(DC電圧)も、動作温度に依らずに一定である。つまり、特許文献1においては、MEMS共振器の共振特性の温度依存性について一切考慮されていない。
しかしながら、一般に、MEMS共振器の共振特性は、温度依存性を有し、動作温度の上昇(低下)に伴い、ピークゲイン(共振周波数におけるゲイン)およびQ値は単調に減少(増加)する。
そのため、MEMS共振器1001の動作温度が上昇するにつれ、MEMS共振器1001のQ値およびピークゲインは減少し、ドライバアンプ1002への帰還信号1006のレベルが低下する。その結果、高温域における動作にあっては、ドライバアンプ1002への入力においてS/Nが悪化し、発振信号1004の位相雑音が増大することになる。つまり、高温域における動作にあっては、MEMS発振器の位相安定性は、中温域における動作との比較において、劣化する。
逆に、MEMS共振器1001の動作温度が低下すると、MEMS共振器1001のQ値が増大する。Q値が増大すると、入力される信号のレベル(振幅)が同一であっても、MEMS共振器1001の振動子の振動振幅が増大することになる。その結果、入力される発振信号1004のレベル(振幅)が、中温域および高温域における動作にあって適正範囲(MEMS共振器1001の共振特性に歪みが生じない程度のレベル(振幅))に含まれる程度のレベルであろうとも、低温域における動作にあっては、過大な入力となり、ひいては、MEMS共振器1001の共振特性に歪みを発生させる原因となり得る。MEMS共振器1001の共振特性に歪みが生じると、MEMS共振器1001のピークゲインおよびQ値はともに低下するとともに、共振周波数の安定性も悪化する。このため、低温域における動作にあっても、MEMS発振器の位相安定性は、中温域における動作との比較において、劣化してしまう。
このように、従来のMEMS発振器では、その動作温度が変化した場合、発振信号の位相安定性が劣化(位相雑音が増大)するという課題がある。
上記を鑑み、MEMS共振器の動作温度が変動した場合においても、動作温度の変化に伴う位相安定性の劣化(位相雑音の増大)を従来よりも低減可能なMEMS発振器を提供する。
本発明の一態様によれば、その一実施形態であるMEMS発振器は、
MEMS共振器と増幅器とを含んだ帰還型発振回路と、
MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御する電圧制御部と、
増幅器からの出力を受け、該出力のレベルに基づいて増幅器からの出力のレベルが所定レベルになるように増幅器のゲインを増減させる振幅制御信号を増幅器へ出力し増幅器のゲインを制御する自動利得制御部とを有し、
MEMS共振器の動作温度に基づいて、MEMS共振器のピークゲインが動作温度の高低に依らず所定値になるように、MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を電圧制御部により制御し、
電圧制御部は、振幅制御信号をモニタリングすることにより、MEMS共振器の動作温度を導出する、MEMS発振器である。
本発明の一態様によれば、その別の一実施形態であるMEMS発振器は、
MEMS共振器と増幅器とを含んだ帰還型発振回路と、
MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御する電圧制御部と、
増幅器からの出力を受け、該出力のレベルに基づいて増幅器からの出力のレベルが所定レベルになるように増幅器のゲインを増減させる振幅制御信号を増幅器へ出力し増幅器のゲインを制御する自動利得制御部とを有し、
MEMS共振器の動作温度に基づいて、MEMS共振器のピークゲインが動作温度の高低に依らず所定値になるように、MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を電圧制御部により制御し、
MEMS共振器の動作温度を計測し計測結果を出力する温度センサとを有し、
電圧制御部は、温度センサが出力する動作温度の計測結果を入力し、当該計測結果をMEMS共振器の動作温度として用いる、MEMS発振器である。
本実施形態によるMEMS発振器は、MEMS共振器の動作温度に依らずそのピークゲインが所定値になるようにMEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御することにより、あらゆる動作温度において良好な位相雑音特性を有する発振信号を出力することが可能になっている。
発振信号の最大振幅(MEMS共振器に入力されるAC電圧のレベル)およびMEMS振動子に印加するバイアス電圧(DC電圧)を一定とした場合における、MEMS共振器のピークゲインおよびQ値の温度依存性を示すグラフ 低温域、中温域、および、高温域の各動作温度域における、従来型MEMS発振器の位相雑音特性を示すグラフ 実施の形態1によるMEMS発振器の構成を示すブロック図 自動利得制御部(AGC)の構成を示す図 バイアス電圧(DC電圧)を変化させた場合における、MEMS共振器のピークゲインおよび共振周波数の変化を示す図 実施の形態1によるMEMS発振器における、バイアス電圧(DC電圧)の制御の特性を示す図(バイアス電圧−動作温度の関係を示すグラフ) 実施の形態1のMEMS共振器のピークゲイン−動作温度の関係を示すグラフ 低温域、中温域、および、高温域の各動作温度域における、実施の形態1によるMEMS発振器の位相雑音特性を示すグラフ 実施の形態2によるMEMS発振器の構成を示すブロック図 実施の形態2によるMEMS発振器における、バイアス電圧(DC電圧)および発振信号の最大振幅(AC電圧のレベル)の制御の特性を示す図(バイアス電圧−動作温度、および、発振信号最大振幅−動作温度、の関係を示すグラフ) 実施の形態3のよるMEMS発振器の構成を示すブロック図 実施の形態4のよるMEMS発振器の構成を示すブロック図 実施の形態5のよるMEMS発振器の構成を示すブロック図 実施の形態6のよるMEMS発振器の構成を示すブロック図 実施の形態7のよるMEMS発振器の構成を示すブロック図 実施の形態8のよるMEMS発振器の構成を示すブロック図 従来のMEMS発振器の基本的構成を示す図 MEMS共振器に入力される信号レベルの変化による共振特性の変化を示すグラフ 特許文献1のMEMS発振器の構成を示すブロック図
1.概要
1−1.MEMS発振器の位相安定性(位相雑音)の温度依存性について
最初に、MEMS共振器の共振特性の温度依存性、および、MEMS共振器の共振特性の変化に伴うMEMS発振器の発振信号の位相安定性の変化について説明する。
図1は、MEMS共振器のピークゲインおよびQ値の変化を示すグラフである。本図は、特許文献1のようにして、発振信号(図17等におけるVAC1004)の振幅(MEMS共振器に入力されるAC電圧のレベル)およびMEMS振動子に印加するバイアス電圧(図17におけるDC電圧VDC)を一定に保ち、動作温度のみを変化させた場合における、ピークゲインおよびQ値の変化を示すグラフである。なお、プロット51は、過大入力に起因してMEMS共振器の共振特性に歪みが生じない場合のピークゲインであり、プロット52は、同じくMEMS共振器の共振特性に歪みが生じない場合のQ値である。これに対し、プロット53は、過大入力に起因してMEMS共振器の共振特性に歪みが生じた場合のピークゲインMEMS共振器のピークゲインを示し、プロット54は、同じくMEMS共振器の共振特性に歪みが生じた場合のMEMS共振器のQ値を示す。
MEMS共振器に対する入力レベルは、想定動作温度域においてそのS/N特性を稼ぐために、想定動作温度域(図1における中温域60)における適正範囲の上限値をやや下回る程度に設定されることが多い。そのため、共振特性55のように中温域60においては、共振特性は比較的高いピークゲインを示しその左右対称性も良好に保たれる。だが、動作温度が低下すると、MEMS共振器のQ値が上昇し、MEMS共振器の振動子の振動振幅が増大し、入力レベルに許容される適正範囲の上限値が低下する。その結果、低温域59においては、入力レベルが適正範囲を越えてしまい、共振特性57および58のようにMEMS共振器の共振特性に歪みが生じ、ピークゲイン53およびQ値54も低下する。
反対に、動作温度が想定動作温度域(中温域60)よりも上昇すると、高温域61における共振特性56のように、中温域60との比較においてMEMS共振器のQ値54が低下し、MEMS共振器のピークゲイン53も低下する。そのため、MEMS共振器の出力レベルが低下し、増幅器におけるS/Nが劣化し、MEMS発振器の発振信号の位相雑音特性が劣化する。
このように、発振信号(図17等におけるVAC1004)の振幅(MEMS共振器に入力されるAC電圧のレベル)およびMEMS振動子に印加するバイアス電圧(図17におけるDC電圧VDC)が一定に保たれる場合、低温域59および高温域61におけるMEMS共振器の共振特性(ピークゲイン、共振周波数の安定性等)は、中温域60との比較において劣化する。
そのため、MEMS共振器への入力としての発振信号(図17等におけるVAC1004)の振幅およびMEMS振動子に印加するバイアス電圧(図17におけるDC電圧VDC)が一定に保たれる場合、低温域59および高温域61におけるMEMS発振器の発振信号の位相安定性(含まれる位相雑音の程度)は、中温域60との比較において劣化する。
図2は、図1における低温域59、中温域60、および、高温域61の各動作温度域における、MEMS発振器の位相雑音特性を示すグラフである。横軸は、MEMS共振器の共振周波数からのオフセット周波数であり、縦軸は、位相雑音のエネルギのキャリアのエネルギに対する比である。
位相雑音特性62は、図1における中温域60におけるMEMS発振器の位相雑音特性である。また、位相雑音特性63は、図1における低温域59におけるMEMS発振器の位相雑音特性であり、位相雑音特性64は、図1における高温域61におけるMEMS発振器の位相雑音特性である。
図2からわかるように、MEMS共振器への入力としての発振信号(図17等におけるVAC1004)の振幅およびMEMS振動子に印加するバイアス電圧(図17におけるDC電圧VDC)が一定に保たれる場合、MEMS発振器の位相雑音は、動作温度が想定動作温度域よりも高温になった場合および低温になった場合のいずれにおいても、共振周波数から遠ざかるにつれて位相雑音が低減される近周波数領域65、および、位相雑音がオフセット周波数に依らず一定である遠周波数領域66の両領域において、増大してしまう。
なお、近周波数領域65の位相雑音は、増幅器(図17等におけるドライバアンプ1002)の1/f雑音やMEMS共振器のQ値に大きく依存し、遠周波数領域66の位相雑音は、増幅器の熱雑音に起因する。
1−2.実施の形態について
以上の問題点を鑑み、実施の形態によるMEMS発振器は、MEMS共振器の動作温度に基づいて、MEMS振動子に印加するバイアス電圧(図17におけるDC電圧VDC)を可変的に制御する。そうすることによって、本実施の形態によるMEMS発振器においては、あらゆる動作温度において、MEMS共振器のピークゲインを一定に保つことができる。これにより、本実施の形態によるMEMS発振器は、高温域での動作におけるMEMS共振器のピークゲインの減少を抑制し、Q値の劣化および増幅器におけるS/Nの悪化を抑制する。また、本実施の形態によるMEMS発振器は、低温域での動作において、MEMS共振器への過入力に起因したMEMS共振器の共振特性の歪みを抑制し、共振特性の歪みの発生に起因して生じるピークゲインおよびQ値の減少および共振周波数の不安定化を抑制する。本実施の形態によるMEMS発振器は、MEMS共振器のピークゲインを一定に保つようにバイアス電圧を可変的に制御することで、低温域および高温域において、発振信号に含まれる位相雑音の程度を中温域における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。
また、本実施の形態によるMEMS共振器は、MEMS共振器の動作温度に基づいて、MEMS共振器への入力としての発振信号(図17等におけるVAC1004)の振幅を可変的に制御することも可能である。そうすることによって、本実施の形態によるMEMS発振器においては、あらゆる動作温度において、MEMS共振器へ入力される発振信号の信号レベルをMEMS共振器の共振特性が歪まない範囲に維持するとともに、MEMS共振器から増幅器へ帰還する信号のレベルを一定のレベルに保つことができる。これにより、本実施の形態によるMEMS発振器は、低温域での動作において、MEMS共振器への過入力に起因したMEMS共振器の共振特性の歪みを抑制し、共振特性の歪みの発生に起因して生じるピークゲインおよびQ値の減少および共振周波数の不安定化を抑制する。本実施の形態によるMEMS発振器は、MEMS共振器へ入力される発振信号の信号レベルをMEMS共振器の共振特性が歪まない範囲に維持しつつMEMS共振器から増幅器へ帰還する信号のレベルを一定のレベルに保つように発振信号の振幅を制御することで、低温域において、発振信号に含まれる位相雑音の程度を中温域における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。
換言すれば、本発明の一実施形態によるMEMS発振器は、MEMS共振器と増幅器とを含んだ帰還型発振回路と、MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御する電圧制御部と、増幅器からの出力を受け、該出力のレベルに基づいて増幅器からの出力のレベルが所定レベルになるように増幅器のゲインを増減させる振幅制御信号を増幅器へ出力し増幅器のゲインを制御する自動利得制御部とを有し、MEMS共振器の動作温度に基づいて、MEMS共振器のピークゲインが動作温度の高低に依らず所定値になるように、MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を電圧制御部により制御し、電圧制御部は、振幅制御信号をモニタリングすることにより、MEMS共振器の動作温度を導出する、MEMS発振器である。
また、本発明の別の一実施形態によるMEMS発振器は、MEMS共振器と増幅器とを含んだ帰還型発振回路と、MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御する電圧制御部と、増幅器からの出力を受け、該出力のレベルに基づいて増幅器からの出力のレベルが所定レベルになるように増幅器のゲインを増減させる振幅制御信号を増幅器へ出力し増幅器のゲインを制御する自動利得制御部とを有し、MEMS共振器の動作温度に基づいて、MEMS共振器のピークゲインが動作温度の高低に依らず所定値になるように、MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を電圧制御部により制御し、MEMS共振器の動作温度を計測し計測結果を出力する温度センサとを有し、電圧制御部は、温度センサが出力する動作温度の計測結果を入力し、当該計測結果をMEMS共振器の動作温度として用いる、MEMS発振器である。
なお、上記各実施形態によるMEMS発振器においては、例えば、MEMS共振器の動作温度に基づいて、MEMS共振器のピークゲインが動作温度の高低に寄らず所定値になるように、MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を電圧制御部により制御するか、自動利得制御部により制御するかのいずれかにより制御してもよい。
なお、上記追加的特徴に加えて、または、代えて、上記各実施形態によるMEMS発振器においては、例えば、電圧制御部は、MEMS共振器の動作温度が所定の温度よりも高い場合には、MEMS共振器のピークゲインが動作温度の高低に依らず所定値になるようにMEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御し、電圧制御部は、MEMS共振器の動作温度が所定の温度よりも低い場合には、動作温度の高低に依らずバイアス電圧が一定値になるようにバイアス電圧を制御しつつ、帰還される信号のレベルが動作温度の高低に依らず所定レベルになるように自動利得制御部を制御してもよい。
なお、上記追加的特徴の少なくとも1つに加えて、または、代えて、上記各実施形態によるMEMS発振器においては、例えば、電圧制御部は、MEMS共振器の動作温度が所定の温度よりも高い場合には、帰還される信号のレベルを所定の温度の時の信号レベルと同じ値になるようにし、かつバイアス電圧を所定の温度の時のバイアス電圧より増加させる制御を行い、MEMS共振器の動作温度が所定の温度よりも低い場合には、バイアス電圧を所定の温度の時のバイアス電圧と同じ値になるようにし、かつ帰還される信号のレベルを所定の温度の時の信号レベルより下げる制御を行ってもよい。
なお、上記追加的特徴の少なくとも1つに加えて、または、代えて、上記各実施形態によるMEMS発振器においては、例えば、さらに増幅器の出力を受け、出力信号を出力するPLL周波数シンセサイザ部と、PLL周波数シンセサイザ部のフィードバックに配されたプログラマブル分周器の分周比をMEMS共振器の動作温度およびMEMS共振器の振動子に印加されるバイアス電圧に基づいて制御する分周比制御部と、を有し、分周比制御部は、出力信号が動作温度およびバイアス電圧の高低に依らず所定の周波数を有するように、プログラマブル分周器の分周比を制御してもよい。
2.実施の形態1
これより、実施の形態1によるMEMS発振器について説明する。
図3は、実施の形態1によるMEMS発振器100の構成を示すブロック図である。MEMS発振器100は、共振回路であるMEMS共振器1と、増幅回路であるドライバアンプ2と、ドライバアンプ2の出力(発振信号4)の振幅をモニタリングしてドライバアンプ2のゲインを制御する自動利得制御部(AGC)5と、AGC5が出力する振幅制御信号に基づいてMEMS共振器1の動作温度を導出し当該動作温度に基づいてMEMS共振器1の振動子に印加されるバイアス電圧(図17における直流電圧VDC)を制御するバイアス電圧制御部8と、を有する。MEMS共振器1およびドライバアンプ2で形成される閉ループ3は、帰還型発振回路を構成する。
AGC5は、発振信号4の信号レベル(交流電圧における最大振幅)が予め設定された所定値になるように、ドライバアンプ2のゲインを制御する。図4は、AGC5の回路構成例を示す図である。本例では、AGC5は、ドライバアンプ2から出力された発振信号4を入力し、そのピークを保持するピークホールド部5aと、ピークホールド部5aが出力する包絡線信号70(発振信号4のピーク値を示す信号)と設定電圧信号71(上述の所定値を示す信号)とを比較するコンパレータ5bとを有する。コンパレータ5bは、包絡線信号70が設定電圧信号71よりも低ければロー(Low)を振幅制御信号7として出力し、逆に包絡線信号70が設定電圧信号71よりも高ければハイ(High)を出力する。
AGC5が出力した振幅制御信号7は、例えば、ドライバアンプ2の出力端子に並列配置されたMOS(Metal Oxide Semiconductor)のゲートに入力される。入力された振幅制御信号7がローであれば、並列抵抗が小さくなりドライバアンプ2のゲインがアップし、振幅制御信号7がハイであれば並列抵抗が大きくなりドライバアンプ2のゲインがダウンする。このようなAGC5の作用により、ドライバアンプ2が出力する発振信号4の信号レベル(交流電圧における最大振幅)は、予め設定された所定値に維持される。
MEMS共振器1のピークゲインは図1のように動作温度により変化するが、そのような状況下においても、AGC5により発振信号4の振幅が一定になるように制御される。つまり、動作温度の変化によりMEMS共振器1のピークゲインが変化すると、それに応じてドライバアンプ2のゲインは、それを補うように変化する。なお、図4に示した、AGC5の構成例は一例に過ぎない。
バイアス電圧制御部8は、AGC5が出力する振幅制御信号7をモニタリングする。バイアス電圧制御部8は、モニタリングした振幅制御信号7がローであれば、MEMS共振器1の動作温度が上昇してMEMS共振器1のピークゲインが低下したと判断し、バイアス電圧を増大させるバイアス電圧制御信号9をMEMS共振器1へ出力する。また、バイアス電圧制御部8は、モニタリングした振幅制御信号7がハイであれば、MEMS共振器1の動作温度が低下してMEMS共振器1のピークゲインが過剰に高くなったと判断し、バイアス電圧を低下させるバイアス電圧制御信号9をMEMS共振器1へ出力する。そうすることにより、バイアス電圧制御部8は、AGC5が出力した振幅制御信号7に基づいてMEMS共振器1の振動子に印加されるバイアス電圧を可変的に制御することで、MEMS共振器1のピークゲインを一定に保つ。
図1に示すように、MEMS共振器1のピークゲインおよびQ値は、動作温度により変化する。バイアス電圧制御部8は、MEMS共振器1のピークゲインおよびQ値の変化、すなわち動作温度の変化、を、AGC5が出力した振幅制御信号7をモニタリングすることで検知する。また、MEMS共振器1のピークゲインは、MEMS共振器1のQ値と振動子に印加されるバイアス電圧との積に比例する。図5は、バイアス電圧(DC電圧)を増大させた場合のMEMS共振器の共振特性の変化を示す図である。本図に示されるように、バイアス電圧(DC電圧)を増大させると、共振特性は、特性67から特性69に向かって変化する。そこで、バイアス電圧制御部8は、MEMS共振器1のQ値の変化によるピークゲインの変化が相殺されるようにバイアス電圧を変化させ、MEMS共振器1のピークゲインを一定に保つ。
図6は、バイアス電圧制御部8により動作温度に応じて可変制御されるMEMS共振器1の振動子のバイアス電圧(DC電圧)のプロットである。図7は、そのようにしてバイアス電圧が制御されるMEMS共振器1のピークゲインの温度変化を示すプロットである。
バイアス電圧制御部8は、低温域59での動作においては、動作温度の低下によるMEMS共振器1のQ値の増大をバイアス電圧の低減により相殺し、ピークゲインを一定に保つ(図7)。これにより、入力レベルに許容される適正範囲の上限値の低下が抑止される。よって、低温域59での動作において、MEMS共振器1への過入力に起因したMEMS共振器1の共振特性の歪みが抑制され、共振特性の歪みの発生に起因して生じるピークゲインおよびQ値の減少および共振周波数の不安定化が抑制される。よって、低温域59においても、発振信号4に含まれる位相雑音の程度を中温域60における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。
また、バイアス電圧制御部8は、高温域61での動作においては、動作温度の上昇によるMEMS共振器1のQ値の低下をバイアス電圧の増大により相殺し、ピークゲインを一定に保つ(図7)。これにより、MEMS共振器1から出力されドライバアンプ2へ入力される帰還信号6のレベルの低下が抑制され、ドライバアンプ2におけるS/Nの劣化が抑制される。よって、高温域61においても、発振信号4に含まれる位相雑音の程度を中温域60における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。
図8は、低温域59、中温域60、および、高温域61の各動作温度域における、MEMS発振器100の位相雑音特性を示すグラフである。位相雑音特性162は、低温域59におけるMEMS発振器100の位相雑音特性である。また、位相雑音特性163は、中温域60におけるMEMS発振器100の位相雑音特性であり、位相雑音特性164は、高温域61におけるMEMS発振器100の位相雑音特性である。
近周波数領域37においては、低温時特性162は、中温時特性163に対し若干良好な位相雑音特性を示す。近周波数領域37において高温時特性164の位相雑音特性が若干劣化するのは、動作温度の上昇によるMEMS共振器のQ値の低下によるものである。
また、遠周波数領域39においても、低温時特性162は、中温時特性163に対し若干良好な位相雑音特性を示す。遠周波数領域39において高温時特性164の位相雑音特性が若干劣化するのは、ドライバアンプ102の入力端子でのS/Nを構成する雑音成分Nが、ボルツマン係数kと絶対温度Tに比例して増大することによる。ただしこの場合においても、位相雑音特性の劣化量も微小である。
なお、バイアス電圧制御部8は、ドライバアンプ2のゲイン、AGC5による振幅制御にかかる上述の所定値、および、MEMS共振器1の振動子に印可されるバイアス電圧等の初期値(例えば、起動時の値)や、MEMS共振器1のQ値、ピークゲイン、共振周波数等と動作温度の関係にかかる情報等を保持することが可能である。バイアス電圧制御部8は、これらの情報を参照し、モニタリングした振幅制御信号7に基づいて、MEMS共振器1の動作温度を導出することができる。
以上のように、本実施の形態によるMEMS発振器100は、低温域および高温域において、発振信号4に含まれる位相雑音の程度を中温域(例えば、設計時に想定される動作温度の近傍)における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。本実施の形態においては、低温域59は、例えば、摂氏マイナス40度以上摂氏20度未満、中温域60は、例えば、摂氏20度以上摂氏30度未満、高温域61は、例えば、摂氏30度以上摂氏125度未満である。これらの温度域の範囲は一例であって、各温度域は、ここに例示されたような各温度域の温度範囲に限定されず、適宜設定されてよい。
3.実施の形態2
これより、実施の形態2によるMEMS発振器について説明する。
図9は、実施の形態2によるMEMS発振器200の構成を示すブロック図である。MEMS発振器200は、実施の形態1によるMEMS発振器100と同様に、MEMS共振器1と、ドライバアンプ2と、自動利得制御部(AGC)5と、を有する。MEMS発振器200は、MEMS発振器100のバイアス電圧制御部8に代えて、AGC5が出力する振幅制御信号に基づいてMEMS共振器1の動作温度を導出し当該動作温度に基づいてMEMS共振器1の振動子に印加されるバイアス電圧(図17における直流電圧VDC)およびAGC5を制御する電圧制御部8aを有する。
電圧制御部8aは、実施の形態1のバイアス電圧制御部8と同様、MEMS共振器1の振動子に印加されるバイアス電圧をAGC5から出力される振幅制御信号7に基づいて可変的に制御する。また、電圧制御部8aは、さらに発振信号4を入力し、AGC5に設定される上述の所定値(発振信号4の目標電圧レベル)を振幅制御信号7および発振信号4の振幅に基づいて可変的に制御する。より具体的には、電圧制御部8aは、設定電圧信号71(図4)が示す値を発振信号4の振幅および振幅制御信号7に基づいて可変的に制御することにより、発振信号4の電圧レベル(最大振幅)を可変的に制御する。
図10は、電圧制御部8aにより動作温度に応じて可変制御されるMEMS共振器1の振動子のバイアス電圧(DC電圧)72dおよび発振信号4の電圧レベル72aのプロットである。
電圧制御部8aは、低温域59から中温域60に含まれる切換温度74までの動作においては、AGC5を制御することでMEMS共振器1へ入力される発振信号4の振幅を可変的に制御する(温度が低ければ低いほど、発振信号4の振幅が小さくなるように制御する)。このとき、バイアス電圧は、所定の温度のときのバイアス電圧と同じ値になるように制御される。そうすることにより、MEMS共振器1へ入力される発振信号4の信号レベルをMEMS共振器1の共振特性が歪まない範囲に維持するとともに、MEMS共振器1からドライバアンプ2へ帰還する信号6のレベルを一定のレベルに保つ。よって、低温域59から切換温度74までの動作において、MEMS共振器1への過入力に起因したMEMS共振器1の共振特性の歪みの発生は抑制され、よって、共振特性の歪みの発生に起因して生じるピークゲインおよびQ値の減少および共振周波数の不安定化が抑制される。よって、低温域59においても、発振信号4に含まれる位相雑音の程度を中温域60における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。
上述のとおり、MEMS共振器1の振動子の振動振幅は、MEMS共振器1のQ値と、入力される発振信号4の振幅と、振動子に印加されるバイアス電圧との積に比例する。そこで、本実施の形態においては、低温動作時において、MEMS共振器1のQ値の増大に応じ、入力される発振信号4の振幅を低減させ、振動子の振動振幅を一定に保つことにより、MEMS共振器1の共振特性に歪みが現れることを防止している。
また、電圧制御部8aは、切換温度74から高温域61までの動作においては、実施の形態1と同様、動作温度の上昇によるMEMS共振器1のQ値の低下をバイアス電圧を増大させることにより相殺し、ピークゲインを一定に保つ(図7)。これにより、MEMS共振器1から出力されドライバアンプ2へ入力される帰還信号6のレベルの低下が抑制され、ドライバアンプ2におけるS/Nの劣化が抑制される。よって、切換温度74以上の温度域においても、発振信号4に含まれる位相雑音の程度を中温域60における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。なお、図10より明らかだが、所定の温度以上の温度域(例えば、切換温度74以上の温度域)において、電圧制御部8aは、発振信号4の振幅を一定に保つように、AGC5を制御する。
以上、本実施の形態によるMEMS発振器200においては、動作温度が切換温度74以上の高温になるとバイアス電圧を増大させ、動作温度が切換温度74以下の低温になると発振信号4の振幅を低減させる。そうすることにより、ドライバアンプ2におけるS/Nを構成する信号成分S(帰還信号6)は、動作温度に依らず同程度に維持され、またMEMS共振器1の振動子の振動振幅も動作温度に依らず同程度に維持される。
本実施の形態によるMEMS発振器200においては、バイアス電圧の変化幅(低温域におけるバイアス電圧と高温域におけるバイアス電圧との差)を、MEMS共振器100におけるそれとの比較において、小さくすることができる。
この点において、MEMS発振器200は、低温域59から高温域61までの温度幅が大きい場合において特に有利である。低温域59から高温域61までの温度幅が大きくなるとMEMS共振器1のQ値の変化量も大きくなる。そのため、MEMS発振器100のように、Q値の変化をバイアス電圧の変化のみで相殺させようとすると、必然的に、バイアス電圧の変動幅も大きくなってしまう。そこで、MEMS発振器200は、低温域59から切換温度74までの動作においてバイアス電圧を変化させずにその代わりに発振信号4の振幅を変化させる。そうすることで、MEMS発振器200では、バイアス電圧の変動幅を小さくすることができる。なお、切換温度74は、あらゆる動作温度においてバイアス電圧が、バイアス電圧に許容される最低電圧以上の電圧に保持されるように設定すればよい。
なお、バイアス電圧制御部8は、ドライバアンプ2のゲイン、AGC5による振幅制御にかかる上述の所定値、および、MEMS共振器1の振動子に印可されるバイアス電圧等の初期値(例えば、起動時の値)や、MEMS共振器1のQ値、ピークゲイン、共振周波数等と動作温度の関係にかかる情報等を保持することが可能である。バイアス電圧制御部8は、これらの情報を参照し、モニタリングした振幅制御信号7および入力した発振信号4の振幅に基づいて、MEMS共振器1の動作温度を導出することができる。
以上のように、本実施の形態によるMEMS発振器200は、低温域および高温域において、発振信号4に含まれる位相雑音の程度を中温域(例えば、設計時に想定される動作温度の近傍)における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。
4.実施の形態3
これより、実施の形態3によるMEMS発振器について説明する。
図11に示される本実施の形態によるMEMS発振器300は、MEMS発振器100と同様、その動作温度に基づいて、MEMS共振器1の振動子に印加するバイアス電圧を可変的に制御する。そうすることによって、本実施の形態によるMEMS発振器においては、あらゆる動作温度において、MEMS共振器のピークゲインを一定に保つことができる。
本実施の形態によるMEMS発振器300においては、MEMS発振器100と同等の構成に加え、MEMS共振器1の動作温度を計測する温度センサ11を有する。温度センサ11は、計測したMEMS共振器1の動作温度を温度情報信号12としてバイアス電圧制御部8sへ出力する。
バイアス電圧制御部8sは、AGC5が出力する振幅制御信号7をモニタリングする代わりに、温度センサ11から温度情報信号12を入力する。バイアス電圧制御部8sは、当該温度情報信号12に基づいて、MEMS発振器100と同様にして、MEMS共振器1の振動子に印加されるバイアス電圧を可変的に制御する。
バイアス電圧制御部8sは、MEMS共振器1のQ値、ピークゲイン、等と動作温度の関係に関する情報を保持し、当該情報および温度情報信号12に基づいて、あらゆる動作温度においてMEMS共振器100のピークゲインが一定になるように(図7参照)、バイアス電圧を制御する(図6参照)。
以上のように、本実施の形態によるMEMS発振器300は、低温域および高温域において、発振信号4に含まれる位相雑音の程度を中温域(例えば、設計時に想定される動作温度の近傍)における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。
5.実施の形態4
これより、実施の形態4によるMEMS発振器について説明する。
図12に示される本実施の形態によるMEMS発振器400は、MEMS発振器200と同様、その動作温度に基づいて、MEMS共振器1の振動子に印加するバイアス電圧およびAGC5を制御する。
本実施の形態によるMEMS発振器400においては、MEMS発振器200と同等の構成に加え、MEMS共振器1の動作温度を計測する温度センサ11を有する。温度センサ11は、計測したMEMS共振器1の動作温度を温度情報信号12として電圧制御部8asへ出力する。
電圧制御部8asは、AGC5が出力する振幅制御信号7および発振信号4を入力する代わりに、温度センサ11から温度情報信号12を入力する。電圧制御部8asは、当該温度情報信号12に基づいて、MEMS発振器200と同様、MEMS共振器1の振動子に印加されるバイアス電圧および発振信号4の電圧レベルを可変的に制御する。
電圧制御部8asは、実施の形態2の電圧制御部8aと同様、図10に示されるように、動作温度に応じ、MEMS共振器1の振動子のバイアス電圧(DC電圧)72dおよび発振信号4の電圧レベル72aを制御する。
以上のように、本実施の形態によるMEMS発振器400は、低温域および高温域において、発振信号4に含まれる位相雑音の程度を中温域(例えば、設計時に想定される動作温度の近傍)における位相雑音と同程度にまで低減させることができる。
6.実施の形態5
これより、実施の形態5によるMEMS発振器について説明する。
MEMS共振器1の共振周波数fcには温度依存性があることが知られる。MEMS共振器1は、一般的にはシリコンなどから形成され、シリコンの温度特性によりその共振周波数fcに−20[ppm/℃]程度の温度特性がある。例えば、動作温度が−20〜+80℃まで100℃変化すれば、共振周波数fcは、2000[ppm]程度変化する。そのため、MEMS共振器1の動作温度が変化することで、発振信号4の周波数も変化する。
また、また図5に示されるように、MEMS共振器1の振動子に印加するバイアス電圧(DC電圧)を変化させると、MEMS共振器1の共振周波数fcも変化する。このときの共振周波数変化率Δf/fc(fc:共振周波数、Δf:共振周波数変化量)は、振動子に印加するバイアス電圧の2乗に比例することが知られている。
そこで、本実施の形態によるMEMS発振器においては、動作温度の変化による発振信号4の周波数の変動、および、バイアス電圧の変化による発振信号4の周波数変動を補償する。そうすることにより、本実施の形態によるMEMS発振器は、あらゆる動作温度において周波数変動が少ない安定した信号を出力することが可能になる。
図1のようにMEMS共振器1は動作温度の上昇(低下)によりピークゲインが単調に減少(増大)するが、発振信号4の振幅はAGC5により出力電圧は一定に制御されているので、MEMS共振器1のピークゲインが温度変動により変化すると、それに応じてドライバアンプ2のゲインも変化する。すなわち振幅制御信号7は、MEMS共振器1の動作温度の情報を含んでいる。よって、振幅制御信号7に基づいて、プログラマブル分周器305の分周比を制御することにより、温度センサがない場合でも位相雑音の温度特性劣化を低減するだけでなく、出力信号の周波数をも高精度に制御することが可能である。
図13は、本実施の形態によるMEMS発振器500の構成を示すブロック図である。
MEMS発振器500は、発振信号4を出力する発振部100(実施の形態1によるMEMS発振器100とほぼ同様の構成)と、発振部100が出力する発振信号4の周波数変動を補償する補償部318と、を有する。
補償部318は、発振信号4を入力する分周器301と、分周器301が出力する分周信号311を入力し出力信号(クロック信号)314を出力する周波数シンセサイザ(302、303、304、305)と、周波数シンセサイザのフィードバックに配置されたプログラマブル分周器305の分周比を、バイアス電圧制御部8が出力する周波数変動情報信号13に基づいて制御する分周比制御部306と、を備える。
発振部100のバイアス電圧制御部8は、実施の形態1と同様にMEMS共振器1へバイアス電圧制御信号9を出力するとともに、現在MEMS共振器1の振動子に印加されているバイアス電圧の大きさを周波数変動情報信号13として補償部318の分周比制御部306へ出力する。
分周比制御部306は、周波数変動情報信号13に基づいて、先ず、MEMS共振器1の現在の動作温度を導出し(図6参照)、動作温度およびバイアス電圧に基づいて発振信号4の現在の周波数を算出し、当該周波数を有する発振信号4から所期の周波数を有するクロック信号314が得られるようにPLL周波数シンセサイザのプログラマブル分周器305の分周比を決定する。
なお、周波数変動情報信号13に含まれる情報は、MEMS共振器1の振動子に印加されているバイアス電圧の大きさの情報に限定されない。例えば、バイアス電圧制御部8が、振幅制御信号7から現在のMEMS共振器1の動作温度を導出し、当該動作温度を周波数変動情報信号13として出力してもよい。その場合、分周比制御部306は、周波数変動情報信号13に基づいて、先ず、現在MEMS共振器1の振動子に印加されているバイアス電圧の大きさを導出し(図6参照)、動作温度およびバイアス電圧に基づいて発振信号4の周波数を算出し、当該周波数を有する発振信号4から所期の周波数を有するクロック信号314が得られるようにPLL周波数シンセサイザのプログラマブル分周器305の分周比を決定する。
以下、補償部318の構成および動作について詳述する。
補償部318は、発振信号4を入力し1/R倍に分周した第1分周信号311を出力する分周器301と、第1分周信号311を入力し所期の周波数を有するクロック信号314を出力する周波数シンセサイザ(位相比較器302、ループフィルタ(ローパスフィルタ、LPF)303、電圧制御発振器(VCO)304、プログラマブル分周器305で構成されるPLL周波数シンセサイザ)と、周波数変動情報信号13に基づいてプログラマブル分周器305の分周比を制御する分周比制御部306と、を備える。
位相比較器302は、第1分周信号311を入力し、当該第1分周信号と、第2分周信号316とを比較して両親号間の位相差を検出して誤差信号313としてループフィルタ303へ出力する。
ループフィルタ303は、誤差信号313を入力し、AC成分の少ないDC信号である誤差信号313に変換し電圧制御発振器304へ出力する。
電圧制御発振器304は、誤差信号313に基づいて発振周波数を補正し、所期の周波数を有するクロック信号314を出力する。
プログラマブル分周器315は、クロック信号314を入力し、分周比制御部305が指示する分周比でクロック信号314を分周して第2分周信号316として位相比較器302へ出力する。
ここでは分周比制御部306は、MEMS共振器1の共振周波数fcは、−20ppm/℃の温度特性を有し、かつ、共振周波数変化率Δf/fcがバイアス電圧の2乗に比例するものとして、周波数変動情報信号13に基づき、発振信号4の周波数を導出し、当該周波数に基づいてプログラマブル分周器305の分周比を決定する。
以上より、補償部318は、バイアス電圧制御部8によるバイアス電圧制御および動作温度の変化に起因して生じる発振信号4の周波数変動を補償し、所期の周波数を有するクロック信号314を高精度に出力することができる。
これにより、MEMS発振器500は、発振信号4の位相雑音特性の劣化を低減するのみならず、あらゆる動作温度において、高精度に所期の周波数のクロック信号314を出力することができる。
なお、分周器301は、クロック信号314に求められる周波数と発振信号4の周波数との関係により逓倍器であってもよいし、削除されてもよい。
7.実施の形態6
これより、実施の形態6によるMEMS発振器について説明する。
実施の形態6によるMEMS発振器は、実施の形態5によるMEMS発振器500と同様に、発振信号4の周波数の変動を補償して所期の周波数を有するクロック信号314を高精度に出力することができる。そうすることにより、本実施の形態によるMEMS発振器は、あらゆる動作温度において周波数変動が少ない安定した信号を出力することが可能になる。
図14は、本実施の形態によるMEMS発振器600の構成を示すブロック図である。
MEMS発振器600は、発振信号4を出力する発振部200(実施の形態2によるMEMS発振器200とほぼ同様の構成)と、発振部200が出力する発振信号4の周波数変動を補償する補償部318と、を有する。
補償部318の構成は、実施の形態5によるMEMS発振器500の補償部318とほぼ同様の構成でよいため、以下、相違点のみについて説明する。
補償部318の分周比制御部306は、電圧制御部8aが出力する周波数変動情報信号13に基づいて制御する。
ここで、周波数変動情報信号13には、現在MEMS共振器1の振動子に印加されているバイアス電圧の大きさの情報に加え、発振信号4の振幅の大きさ情報が含まれる。
分周比制御部306は、周波数変動情報信号13に示されたバイアス電圧の大きさおよび発振信号4の振幅の大きさの情報に基づいて、先ず、MEMS共振器1の現在の動作温度を導出し(図10参照)、動作温度およびバイアス電圧に基づいて発振信号4の現在の周波数を算出し、当該周波数を有する発振信号4から所期の周波数を有するクロック信号314が得られるようにPLL周波数シンセサイザのプログラマブル分周器305の分周比を決定する。
なお、本実施の形態においても、分周比制御部306は、MEMS共振器1の共振周波数fcは、−20ppm/℃の温度特性を有し、かつ、共振周波数変化率Δf/fcがバイアス電圧の2乗に比例するものとして、周波数変動情報信号13に基づき、発振信号4の周波数を導出し、当該周波数に基づいてプログラマブル分周器305の分周比を決定する。振動振幅4の振幅の大きさは、MEMS共振器1の共振周波数fcに影響を与えるものではない。周波数変動情報信号13に含まれる発振信号4の振幅の大きさの情報は、切換温度74(図10)以下の温度域におけるMEMS共振器1の動作温度の導出に利用される。
以上より、MEMS発振器600は、発振信号4の位相雑音特性の劣化を低減するのみならず、あらゆる動作温度において、高精度に所期の周波数のクロック信号314を出力することができる。
8.実施の形態7
これより、実施の形態7によるMEMS発振器について説明する。
実施の形態7によるMEMS発振器は、MEMS共振器1の動作温度を計測する温度センサを有し、当該温度センサが計測した動作温度に基づいて、MEMS共振器1の振動子に印可されるバイアス電圧の大きさ、および、プログラマブル分周器305の分周比を制御することにより、あらゆる動作温度において位相雑音特性に優れ、かつ、周波数が安定した出力信号を出力することができる発振器である。
図15は、本実施の形態によるMEMS発振器700の構成を示すブロック図である。
MEMS発振器700は、発振信号4を出力する発振部300(実施の形態3によるMEMS発振器300とほぼ同様の構成)と、MEMS共振器1の動作温度を計測して温度情報信号12としてバイアス電圧制御部8sおよび分周比制御部306へ出力する温度センサ11と、発振部300が出力する発振信号4の周波数変動を補償する補償部318と、を有する。
発振部300の動作は、実施の形態3によるMEMS発振器300と同様でよい。ここでは、その説明を省略する。
分周比制御部306は、温度情報信号12に基づいて、先ず、現在MEMS共振器1の振動子に印加されているバイアス電圧の大きさを導出し(図6参照)、動作温度およびバイアス電圧に基づいて発振信号4の周波数を算出し、当該周波数を有する発振信号4から所期の周波数を有するクロック信号314が得られるようにPLL周波数シンセサイザのプログラマブル分周器305の分周比を決定する。
以上より、補償部318は、バイアス電圧制御部8sによるバイアス電圧制御および動作温度の変化に起因して生じる発振信号4の周波数変動を補償し、所期の周波数を有するクロック信号314を高精度に出力することができる。
これにより、MEMS発振器700は、発振信号4の位相雑音特性の劣化を低減するのみならず、あらゆる動作温度において、高精度に所期の周波数のクロック信号314を出力することができる。
9.実施の形態8
これより、実施の形態8によるMEMS発振器について説明する。
実施の形態8によるMEMS発振器は、MEMS共振器1の動作温度を計測する温度センサを有し、当該温度センサが計測した動作温度に基づいて、MEMS共振器1の振動子に印可されるバイアス電圧の大きさ、発振信号4の振幅の大きさ、および、プログラマブル分周器305の分周比を制御することにより、あらゆる動作温度において位相雑音特性に優れ、かつ、周波数が安定した出力信号を出力することができる発振器である。
図16は、本実施の形態によるMEMS発振器800の構成を示すブロック図である。
MEMS発振器800は、発振信号4を出力する発振部400(実施の形態4によるMEMS発振器400とほぼ同様の構成)と、MEMS共振器1の動作温度を計測して温度情報信号12としてバイアス電圧制御部8sおよび分周比制御部306へ出力する温度センサ11と、発振部400が出力する発振信号4の周波数変動を補償する補償部318と、を有する。
発振部400の動作は、実施の形態4によるMEMS発振器400と同様でよい。ここでは、その説明を省略する。
分周比制御部306は、温度情報信号12に基づいて、先ず、現在MEMS共振器1の振動子に印加されているバイアス電圧の大きさを導出し(図10参照)、動作温度およびバイアス電圧に基づいて発振信号4の周波数を算出し、当該周波数を有する発振信号4から所期の周波数を有するクロック信号314が得られるようにPLL周波数シンセサイザのプログラマブル分周器305の分周比を決定する。
以上より、補償部318は、バイアス電圧制御部8sによるバイアス電圧制御および動作温度の変化に起因して生じる発振信号4の周波数変動を補償し、所期の周波数を有するクロック信号314を高精度に出力することができる。
これにより、MEMS発振器700は、発振信号4の位相雑音特性の劣化を低減するのみならず、あらゆる動作温度において、高精度に所期の周波数のクロック信号314を出力することができる。
本実施の形態によるMEMS発振器は、位相雑音特性に優れた発振器として有用である。
1 ・・・ MEMS共振器
2 ・・・ ドライバアンプ
5 ・・・ 自動利得制御部
5a・・・ ピークホールド部
5b・・・ コンパレータ部
8 ・・・ バイアス電圧制御部
8a・・・ 電圧制御部
8as・・ 電圧制御部
8s・・・ バイアス電圧制御部
11 ・・・ 温度センサ
100 ・・・ 実施の形態1によるMEMS発振器(実施の形態5の発振部)
200 ・・・ 実施の形態2によるMEMS発振器(実施の形態6の発振部)
300 ・・・ 実施の形態3によるMEMS発振器(実施の形態7の発振部)
301 ・・・ 第1分周器
302 ・・・ 位相比較器
303 ・・・ ループフィルタ
304 ・・・ 電圧制御発振器
305 ・・・ プログラマブル分周器(第2分周器)
306 ・・・ 分周比制御部
400 ・・・ 実施の形態4のMEMS発振器(実施の形態8の発振部)
500 ・・・ 実施の形態5のMEMS発振器
600 ・・・ 実施の形態6のMEMS発振器
700 ・・・ 実施の形態7のMEMS発振器
800 ・・・ 実施の形態8のMEMS発振器
999 ・・・ 従来のMEMS発振器
1000 ・・・ 特許文献1のMEMS発振器
1001 ・・・ MEMS共振器
1001a・・・ 入力電極
1001b・・・ 振動子
1001c・・・ 出力電極
1002 ・・・ ドライバアンプ
1005 ・・・ 自動利得制御部

Claims (6)

  1. MEMS共振器と増幅器とを含んだ帰還型発振回路と、
    前記MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御する電圧制御部と、
    前記増幅器からの出力を受け、該出力のレベルに基づいて前記増幅器からの出力のレベルが所定レベルになるように前記増幅器のゲインを増減させる振幅制御信号を前記増幅器へ出力し前記増幅器のゲインを制御する自動利得制御部とを有し、
    前記MEMS共振器の動作温度に基づいて、前記MEMS共振器のピークゲインが前記動作温度の高低に依らず所定値になるように、前記MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を前記電圧制御部により制御し、
    前記電圧制御部は、前記振幅制御信号をモニタリングすることにより、前記MEMS共振器の動作温度を導出する、MEMS発振器。
  2. MEMS共振器と増幅器とを含んだ帰還型発振回路と、
    前記MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御する電圧制御部と、
    前記増幅器からの出力を受け、該出力のレベルに基づいて前記増幅器からの出力のレベルが所定レベルになるように前記増幅器のゲインを増減させる振幅制御信号を前記増幅器へ出力し前記増幅器のゲインを制御する自動利得制御部とを有し、
    前記MEMS共振器の動作温度に基づいて、前記MEMS共振器のピークゲインが前記動作温度の高低に依らず所定値になるように、前記MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を前記電圧制御部により制御し、
    前記MEMS共振器の動作温度を計測し計測結果を出力する温度センサとを有し、
    前記電圧制御部は、前記温度センサが出力する前記動作温度の計測結果を入力し、当該計測結果を前記MEMS共振器の動作温度として用いる、MEMS発振器。
  3. 前記MEMS共振器の動作温度に基づいて、前記MEMS共振器のピークゲインが前記動作温度の高低に寄らず所定値になるように、前記MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を前記電圧制御部により制御するか、前記自動利得制御部により制御するかのいずれかにより制御する、請求項1または2に記載のMEMS発振器。
  4. 前記電圧制御部は、前記MEMS共振器の動作温度が所定の温度よりも高い場合には、前記MEMS共振器のピークゲインが前記動作温度の高低に依らず所定値になるように前記MEMS共振器の振動子に印加するバイアス電圧を制御し、
    前記電圧制御部は、前記MEMS共振器の動作温度が前記所定の温度よりも低い場合には、前記動作温度の高低に依らず前記バイアス電圧が一定値になるように前記バイアス電圧を制御しつつ、前記帰還される信号のレベルが前記動作温度の高低に依らず前記所定レベルになるように前記自動利得制御部を制御する、請求項3に記載のMEMS発振器。
  5. 前記電圧制御部は、
    前記MEMS共振器の動作温度が所定の温度よりも高い場合には、前記帰還される信号のレベルを前記所定の温度の時の信号レベルと同じ値になるようにし、かつ前記バイアス電圧を前記所定の温度の時のバイアス電圧より増加させる制御を行い、
    前記MEMS共振器の動作温度が所定の温度よりも低い場合には、前記バイアス電圧を前記所定の温度の時のバイアス電圧と同じ値になるようにし、かつ前記帰還される信号のレベルを前記所定の温度の時の信号レベルより下げる制御を行う、請求項4に記載のMEMS発振器。
  6. さらに前記増幅器の出力を受け、出力信号を出力するPLL周波数シンセサイザ部と、
    前記PLL周波数シンセサイザ部のフィードバックに配されたプログラマブル分周器の分周比を前記MEMS共振器の動作温度および前記MEMS共振器の振動子に印加されるバイアス電圧に基づいて制御する分周比制御部と、を有し、
    前記分周比制御部は、前記出力信号が前記動作温度および前記バイアス電圧の高低に依らず所定の周波数を有するように、前記プログラマブル分周器の分周比を制御する、請求項1〜5のいずれか1つに記載のMEMS発振器。
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